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明細書 :微粒子製造方法および微粒子製造装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4665113号 (P4665113)
公開番号 特開2005-060116 (P2005-060116A)
登録日 平成23年1月21日(2011.1.21)
発行日 平成23年4月6日(2011.4.6)
公開日 平成17年3月10日(2005.3.10)
発明の名称または考案の名称 微粒子製造方法および微粒子製造装置
国際特許分類 C01B  31/02        (2006.01)
B01J   3/00        (2006.01)
B01J  19/08        (2006.01)
FI C01B 31/02 101F
B01J 3/00 J
B01J 19/08 K
請求項の数または発明の数 8
全頁数 15
出願番号 特願2003-181879 (P2003-181879)
出願日 平成15年6月25日(2003.6.25)
優先権出願番号 2003174028
優先日 平成15年6月18日(2003.6.18)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成18年6月22日(2006.6.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504255685
【氏名又は名称】国立大学法人京都工芸繊維大学
発明者または考案者 【氏名】林 康明
【氏名】高田 不二雄
【氏名】田中 好久
個別代理人の代理人 【識別番号】100080621、【弁理士】、【氏名又は名称】矢野 寿一郎
審査官 【審査官】壺内 信吾
参考文献・文献 特開2003-213530(JP,A)
特開2003-081619(JP,A)
特開2002-069756(JP,A)
特開2002-179418(JP,A)
特開2001-240403(JP,A)
特開平10-265206(JP,A)
特開2003-055768(JP,A)
特開平08-091816(JP,A)
特開平09-188509(JP,A)
古賀瑞帆他,直流プラズマ化学気相堆積法によるカーボンナノチューブの成長とその電界電子放出特性,真空,日本,日本真空協会,2003年 5月20日,第46巻、第5号,pp.412-415
J. Han et al.,Growth characteristics of carbon nanotubes by plasma enhanced hot filament chemical vapor deposition,Surface and Coatings Technology,Elsevier Science B.V.,2000年 9月 1日,Vol.131, No.1-3,pp.93-97
調査した分野 C01B31/00-31/36
C23C16/00-16/56
特許請求の範囲 【請求項1】
真空容器と、
該真空容器内に、原料ガスを導入するガス導入系と、
鉄族または白金族または希土類の金属、またはそれらの金属を含む化合物よりなる気体の導入機構と、
該ガス導入系により送給される原料ガスを含む反応性気体を加熱する熱フィラメントと、
生成したカーボン微粒子を捕捉する微粒子捕集部とを備え、
該反応性気体を含む気体で満たした該真空容器内で、反応性気体を分解してカーボン微粒子を生成し、捕集するようにした微粒子製造装置。
【請求項2】
前記熱フィラメントが、1600℃以上に保たれることを特徴とする請求項1記載の微粒子製造装置。
【請求項3】
前記真空容器内に、直流もしくは交流または高周波電源によるプラズマ発生手段を具備することを特徴とする請求項1記載の微粒子製造装置。
【請求項4】
前記プラズマ発生手段が、前記熱フィラメントを一方の電極とすることを特徴とする請求項3記載の微粒子製造装置。
【請求項5】
前記プラズマ発生手段が、前記熱フィラメントを含む領域に対してプラズマの発生を可能とすることを特徴とする請求項3記載の微粒子製造装置。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれか1に記載の微粒子製造装置において、該微粒子製造装置により製造される微粒子が、内部が空洞である炭素、または炭素を含む化合物であることを特徴とする微粒子製造装置。
【請求項7】
請求項1乃至のいずれか1に記載の微粒子製造装置において、鉄族または白金族または希土類の金属、またはそれらの金属を含む化合物よりなる気体の質量分析装置を備えることを特徴とする微粒子製造装置。
【請求項8】
熱フィラメントとプラズマ発生手段とを備えた真空容器内で、加熱した該熱フィラメント近傍に、プラズマ発生手段によりグロー放電プラズマを発生させ、反応性気体および鉄族または白金族または希土類の金属、またはそれらの金属を含む化合物よりなる気体を送給してカーボン微粒子を製造する微粒子製造方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学気相堆積(CVD)法およびプラズマ化学気相堆積(P-CVD)法を応用して、微粒子材料を製造する微粒子製造方法および微粒子製造装置に関し、より詳細には、熱フィラメントによる熱電子やグロー放電プラズマによって、カーボンナノチューブ・カーボンナノカプセル等の炭素六員環のネットワークで構成された微粒子を大量に生成可能とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素六員環のネットワーク化合物に関する科学は、ここ十数年の間に大きな進展がみられる。かかる炭素六員環で構成された代表的な材料として、フラーレンやカーボンナノチューブ等が挙げられる。このカーボンナノチューブは、機械的強度、導電性、熱伝導性等の優れた特性を有することが知られており、電子デバイスやマイクロデバイスなどの機構材料、または、電子デバイス複合材料やエネルギー貯蔵複合材料などの複合材料として、広い範囲での利用が期待されている。また、内部に金属超微粒子を閉じ込めたカーボンナノカプセルと呼ばれるグラファイト容器状のものも知られている。こうした材料単体は、1nm前後から数十nmの直径を有し、主にアーク放電法・レーザー蒸発法・熱分解法等によって生成されている。
【0003】
ここで、アーク放電法は、炭素電極の間にアーク放電を起こして炭素原子を蒸発させ、該蒸発した炭素を、気相中で反応や凝集によって再び固体とさせるか、電極の先端に堆積させることでカーボン微粒子を生成する方法である。レーザー蒸発法は、加熱した炭素棒にパルスレーザーを照射し、瞬時に炭素を蒸発させて微粒子を生成する方法である。また、熱分解法は熱CVD法とも呼ばれ、蒸気のベンゼンを蒸気の金属触媒とともに高温の反応空間に輸送し、該反応空間でカーボン微粒子を生成する方法である。こうして生成されるカーボン微粒子の中に、上述したフラーレンやカーボンナノチューブ等が含まれているのである。
【0004】
これらの製造方法や製造装置に関しては、現在においても改良が重ねられ、誠意検討されているところである。中でも、カーボンナノチューブやフラーレン等の製造方法等に関して、収量や収率を向上させる手法が幾つか報告されている。例えば、上記熱CVD法を用いた微粒子の製造に関し、特許文献1に示すような微粒子製造装置が提案されている。具体的には、反応槽中に、原料気体を混入させ、所定領域で加熱されるようにした加熱手段と、磁場印加部を設け、該磁場印加部によって触媒の移動速度を制御することで、生成するカーボンナノチューブの成長時間を制御するようにしたものである。すなわち、加熱領域を通過する原料気体と触媒を分解し、その際の触媒移動速度を磁場によって制御することで、目的とする微粒子を得るものである(特許文献1参照)。
【0005】
また、上述したアーク放電法のように放電プラズマを利用した製造装置に関しては、得られる材料単体や、これらが集合した微粒子のサイズには限界があった。そこで、特許文献2に示すようなグロー放電プラズマを利用した微粒子製造装置が提案されている。具体的には、反応槽に原料ガス供給源と、マイクロ波発生源と捕集部とを備えた微粒子製造装置において、グロー放電プラズマを発生させることによって、0.1μm以上の大きさのナノカプセル単体や、単層ナノチューブの集合からなる1μmを超える大きさの微粒子の製造を可能とするものである(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2003-81617号公報
【特許文献2】
特開2003-81619号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カーボンナノチューブ等は、上述したような有用性を有することから、目的とする製造物を収量・純度等よく製造できる製造装置の開発が待たれているところである。しかし、従来の製造装置では、カーボン微粒子の反応空間が制限されていた。そのため、目的とする微粒子を大量に得るためにはコストがかかり、また、該微粒子製造装置の小型化も困難であった。
すなわち、前記特許文献1に記載の製造装置は、反応容器中における加熱制御部において、カーボンナノチューブ等の成長温度に適した温度空間が内部の特定の空間に限られていた。そのため、カーボンナノチューブ等の成長領域空間の体積が小さく、大量に合成するには、該製造装置が大型化してしまい、必ずしも実用的ではなかった。
【0008】
一方、前記特許文献2に記載の製造装置においては、反応空間での炭素原子の滞留時間を増やすことによって、従来にない微粒子の製造が可能となった。このことは、有用なカーボンナノチューブ等を製造する観点からは重要であった。しかし、パルス発振のマイクロ波発生源を具備する必要があるため、得られる微粒子の大量製造が困難であり、該微粒子製造装置が大型化してしまうという課題があったのである。
【0009】
そこで、本発明においては、微粒子製造装置に関し、前記従来の課題を解決するもので、製造装置を大型化することなくカーボンナノチューブやナノカプセル等の微粒子を大量に合成することができる微粒子製造方法および微粒子製造装置を提案することを目的とする。さらに、サイズの大きな単層のナノチューブ等、従来にない微粒子を大量に得ることができる微粒子製造方法および微粒子製造装置を提案することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
本発明では、熱フィラメントにより高温に加熱された空間中に、反応性気体を通過させ、気相中においてカーボンナノチューブを含むカーボン微粒子を製造する簡易な製造装置を提案するものである。また、同時にグロー放電プラズマを発生させることで、該プラズマ空間中に、該カーボン微粒子を長時間閉じ込めて、新規な材料として、大きなサイズのものを大量に得ることを目的とするものである。
【0011】
すなわち、請求項1においては、真空容器と、該真空容器内に、原料ガスを導入するガス導入系と、鉄族または白金族または希土類の金属、またはそれらの金属を含む化合物よりなる気体の導入機構と、該ガス導入系により送給される原料ガスを含む反応性気体を加熱する熱フィラメントと、生成したカーボン微粒子を捕捉する微粒子捕集部とを備え、該反応性気体を含む気体で満たした該真空容器内で、反応性気体を分解してカーボン微粒子を生成し、捕集するようにしたものである。
【0012】
従来の熱CVD法は、熱空間中に原料ガスと蒸発した反応触媒とを混入させて、カーボンナノチューブ等のカーボン微粒子を製造するものである。本発明に係る微粒子製造装置においては、かかる原理を応用するものである。熱CVD法におけるカーボンナノチューブ等の成長過程は未だ明らかにされていない点が多いが、およそ次のように考察されている。すなわち、反応性気体が熱によって分解・解離されラジカルを生成し、金属ラジカルが気相中で金属微粒子を形成する。この金属微粒子に炭素ラジカルや炭化水素系ラジカルが一旦吸収されて炭素が固溶し、高温の反応空間を離れて冷却されると、温度が低下して金属微粒子表面から炭素を析出するのである。こうして析出した炭素が、カーボンナノチューブ等の六員環ネットワークを形成するのである。かかる反応プロセスでは、反応性気体に混入される金属微粒子は、カーボンナノチューブ等の発生・成長の触媒的役割を担うものである。
【0013】
カーボンナノチューブの成長を促す要因として、カーボンナノチューブの生成・成長過程の温度条件が重要とされている。かかる適切な温度条件を具備する領域空間を、成長領域空間と呼ぶ。熱フィラメントの熱によって形成される高温空間において金属微粒子に固溶した炭素が、やや温度の低い成長領域空間において炭素を析出させた結果カーボンナノチューブが成長し、該成長領域空間外においては温度が低減していくため、真空容器の内側壁や微粒子捕集部においてそれが堆積するのである。
【0014】
従来の熱CVD法を用いた微粒子製造装置は、前記成長領域空間が制限されていたため、該成長領域空間をより確保するためには、かかる製造装置を大型にする必要があったのである。本発明に係る微粒子製造装置は、成長領域空間を熱フィラメントによって形成させるため、微粒子製造装置を大型化することなく成長領域空間を広く確保することができ、装置構造を簡易なものとすることができる。そして、目的とするカーボンナノチューブ等のカーボン微粒子の大量合成が可能となるのである。
また、本発明に係る微粒子製造装置は、反応触媒としての金属類を、真空容器内に供給する手段としてかかる導入機構を備えるため、液体または固体状の該金属等を気化または昇華させ、該触媒金属を反応性気体に混入させることで、カーボン微粒子の生成を制御することができる。すなわち、本発明に係る微粒子製造装置におけるカーボンナノチューブ等の生成・成長は、金属触媒が気化または昇華され、気化または昇華された該金属類による触媒作用によって促進される。
なお、本発明においては、前記鉄族・白金族・希土類の粒状の金属粉や、それらの金属を含む有機金属粉、例えば、フェロセンや、該フェロセンに換えてフェロセン以外のメタロセン、すなわち、フェロセン中のFeに換えてNiを有するニッケロセンや、Coを有するコバルトセン等を用いてもよく、また、これらを混合したものを用いてもよい。
【0015】
また、請求項2においては、前記熱フィラメントが、1600℃以上に保たれるものである。カーボン微粒子の生成・成長過程は、原料ガス濃度・真空容器内の圧力・触媒濃度等の他に成長領域空間の温度に大きく依存することが明らかとなっている。本発明に係る微粒子製造装置は、該熱フィラメントの表面温度を1600℃以上とすることで、カーボン微粒子の生成・成長を制御して、目的とするカーボンナノチューブ等の収量を増加させることができる。さらに、2000℃以上とすることで、特に単層のカーボンナノチューブを効率よく得ることができる。
【0016】
また、請求項3においては、前記真空容器内に、直流もしくは交流または高周波電源によるプラズマ発生手段を具備するものである。本発明は、前記熱CVD法に加えてプラズマ化学気相堆積(P-CVD)法を応用するものである。プラズマ空間中にカーボン微粒子を閉じ込めて、新規材料、また大きなサイズの材料を製造することが可能となる。
【0017】
本発明に係るP-CVD法は、アーク放電よりも穏やかなグロー放電プラズマを利用するものである。ここで、グロー放電プラズマを作用させてカーボンナノチューブを得る製造装置は、本発明に係る発明者によって、すでに提案されているところである。該製造装置は、反応性気体のプラズマ分解によって炭素系ラジカルを生成させ、気相中での反応によりフラーレンやカーボンナノチューブ、カーボンナノカプセル等を発生させるようにしている。成長してやや大きくなったカーボン微粒子がプラズマ中で負に帯電する性質を利用して、該カーボン微粒子をプラズマ空間中に長時間閉じ込め、さらに大きな微粒子へと成長させるものである。
【0018】
本発明は、熱フィラメントの熱電子またはグロー放電プラズマ中の高速電子により反応性気体を解離・分解させ、気相中でカーボン微粒子を合成するものである。本発明に係る微粒子製造装置によれば、生成されたカーボン微粒子の表面にグロー放電プラズマ中の多数の電子が附着し、該カーボン微粒子が(正電位の)プラズマ中に閉じ込められ、その後のカーボン微粒子の成長を制御し、より大きいサイズのカーボン微粒子へと成長させることができるのである。また、かかるサイズの大きいカーボン微粒子を、量産することが可能である。
【0019】
さらに、上述の熱フィラメント近傍にグロー放電プラズマを発生させることで、上述したカーボン微粒子の成長領域空間において、該熱フィラメントから発生する熱電子がさらなるグロー放電プラズマの発生を助長し、グロー放電プラズマを安定させることができるのである。
【0020】
また、請求項4においては、前記プラズマ発生手段が、前記熱フィラメントを一方の電極とするものである。複数の熱フィラメントを張り巡らした場合には、該熱フィラメントを直接アノードもしくはカソードとして用いることが可能である。該熱フィラメントを放電プラズマの一極とすることで、成長領域空間の極近傍にグロー放電プラズマを発生させることが可能となり、カーボン微粒子の生成・成長をより促進させることができるようになる。
【0021】
また、請求項5においては、前記プラズマ発生手段が、前記熱フィラメントを含む領域に対してプラズマの発生を可能とするものである。熱フィラメントを含む領域にプラズマを発生させることで、成長領域空間の極近傍にグロー放電プラズマを発生させることが可能となり、カーボン微粒子の生成・成長をより促進させることができるようになる。
【0024】
また、請求項6においては、請求項1乃至のいずれか1に記載の微粒子製造装置において、該微粒子製造装置により製造される微粒子が、内部が空洞である炭素、または炭素を含む化合物であるものである。このような微粒子として具体的には、カーボンナノチューブを製造することができる。該カーボンナノチューブは、グラファイトの一層(グラフェンシート)を丸めた円筒状物質であり、その製造過程において、多層カーボンナノチューブと単層カーボンナノチューブとが生成することが知られている。また、前記金属類の微粒子を内包したカーボンナノカプセルを製造することができる。
【0025】
また、請求項7においては、請求項1乃至のいずれか1に記載の微粒子製造装置において、鉄族または白金族または希土類の金属、またはそれらの金属を含む化合物よりなる気体の質量分析装置を備えるものである。本発明に係る微粒子製造装置は、蒸気または微粒子の前記触媒金属を成長領域空間近傍に存在させることが肝要となる。そこで、該質量分析装置を備えることで、前記金属または金属化合物が、気相中に存在するかどうかを反応中に監視することができ、カーボン微粒子の製造の制御が容易となるのである。
【0026】
また、請求項8においては、熱フィラメントとプラズマ発生手段とを備えた真空容器内で、加熱した該熱フィラメント近傍に、プラズマ発生手段によりグロー放電プラズマを発生させ、反応性気体および鉄族または白金族または希土類の金属、またはそれらの金属を含む化合物よりなる気体を送給してカーボン微粒子を製造する製造方法の発明である。熱CVD法とP-CVD法とを併用して応用すると、熱フィラメントによる熱電子によってグロー放電プラズマが安定するため、カーボン微粒子の生成・成長を制御することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本実施例に係る微粒子製造装置を示す図、図2は熱フィラメントの配置構成を示す図および図3は同じく熱フィラメントの配置構成を示す図である。また、図4は本実施例に係る微粒子製造装置の別実施例を示す図および図5は同じく別実施例を示す図である。そして、図6は製造された微粒子の観察結果を示した透過電子顕微鏡(TEM)写真、図7は製造された微粒子のラマンスペクトルである。
【0028】
図1に示すように、本実施例に係る微粒子製造装置101は、真空容器2に、ガス貯蔵容器3・ガス流量制御器4・コンダクタンスバルブ5・真空排気装置6および真空計25等が接続されている。該ガス貯蔵容器3・3はガス流量制御器4・4に接続され、該ガス流量制御器4・4から管路9が延設されている。そして、真空容器2に該管路9が接続されて、原料ガスのガス導入系が構成されている。該ガス導入系は、真空容器2内の雰囲気ガスとして原料ガスを絶えず供給するとともに、後述する導入機構10に原料ガスを送給するものである。
【0029】
原料ガスとしては、メタン・エタン・プロパン・ブタン等のアルカン等のガス単体や、これらの混合物でもよい。また、該アルカン類に限定するものではなく、アルケン類、アルキン類、芳香族等の有機ガスの単体もしくは混合物を用いてもよい。さらに、アセトン・メタノール・一酸化炭素等の酸素含有化合物でもよい。また、キャリアガスとしては、水素の他に、不活性ガスとして、ヘリウムガス・ネオンガス・アルゴンガスを用いてもよい。
【0030】
前記真空排気装置6によって真空容器2内を10Pa以下に排気した後、該真空容器2内に、ガス貯蔵容器3・3から水素希釈メタンガス等の原料ガスが送給される。該原料ガスは、ガス流量制御器4・4によって一定流量とされ、管路9を介して前記導入機構10に送給されるように構成されている。真空容器2内の圧力が10~100,000Paとなるように前記コンダクタンスバルブ5の開閉を調整し、一定の排気速度で排気するように構成される。真空容器2内の圧力は、真空計25で観察する。なお、該原料ガスの濃度や流量は、適宜変更することができるものである。
【0031】
ここで、真空容器2内に構成される導入機構10について説明する。
前記管路9は、ジョイント部11を介してガラス等で形成される管路12に連設され、該管路12は混入部13に嵌装されている。該混入部13には、ガラス等で形成された触媒受け部15が接続されている。該触媒受け部15には、該触媒受け部15内を均等に加熱可能なフィラメント14が巻着されている。該フィラメント14は、導線16を介して接続された電力供給装置17により通電加熱されるようにしている。前記混入部13には、ガラス等で形成された管路18が嵌設され、該管路18は反応性気体を熱フィラメント19・19・・・方向に送給するように配設されている。
【0032】
該触媒受け部15内には、金属触媒として、鉄族または白金族または希土類の金属、またはそれらの金属を含む化合物が配設される。金属触媒は、上記鉄族等の金属粉や、フェロセン等の有機金属化合物を用いることができる。特に、フェロセンを用いた場合には、フェロセンの昇華温度が約140℃と低いため、触媒受け部15に巻着されたフィラメント14によって、完全に蒸発させることができる。
【0033】
カーボン微粒子の生成・成長は、原料ガスと金属触媒の濃度に大きく依存する。そのため、前記電力供給装置17によるフィラメント14の加熱を制御するように構成することで、かかる濃度を調整して、カーボン微粒子の合成・成長を制御することが可能となる。また、触媒受け部15を直接加熱して金属触媒を昇華させる構成としてもよい。さらに、前記触媒受け部15に供給される金属触媒を連続供給可能とするような触媒供給機構を具備させてもよい。かかる場合には、反応性気体中の金属触媒濃度を一定に保ちながら、カーボン微粒子の連続製造が可能となり、該カーボン微粒子の大量合成にも寄与するものである。
【0034】
このような導入機構10を設けることによって、原料ガスと蒸発した金属触媒とを前記混入部13で確実に混入させて、反応性気体を形成させることができる。また、該反応性気体を、熱フィラメント19・19・・・に効率よく送給することができる。換言すると、該導入機構10においては、前記混入部13を設けることで蒸発させた金属触媒と原料ガスとが混入しやすいようにしている。そして、前記管路18を設けることで、金属触媒と原料ガスが混入した反応性気体が、熱フィラメント19・19・・・により形成される成長領域空間に効率よく送給されるようにしている。
【0035】
該導入機構10は、例えば、真空容器2の外側に混入部13等を設けて、真空容器2の外部から管路18を挿通するように構成してもよい。
また、真空容器2の全体に反応性気体を送給させるように構成してもよい。すなわち、外部から接続される管路から原料ガスを真空容器2内に送給して、真空容器2内において原料ガスに直接蒸発した金属触媒を混入させるように構成してもよい。このように構成することで、真空容器2内に熱フィラメントを張り巡らした場合であっても、該反応性気体を各熱フィラメントに洩れなく送給することができる。
【0036】
前記管路18の開口部側には、熱フィラメント19・19・・・が配設される。該熱フィラメント19・19・・・は、導線20を介して電力供給装置21により通電加熱されるように構成されている。加熱された該熱フィラメント19・19・・・の近傍においては、カーボン微粒子が生成・成長可能となる成長領域空間が形成される。そのため、前記管路18から反応性気体が該熱フィラメント19・19・・・近傍に送給されると、該反応性気体における原料ガスおよび金属触媒が解離・分解して、カーボン微粒子が気相中で合成されるのである。
【0037】
反応性気体の送給方向は、前記導入機構10の管路18から、熱フィラメント19・19・・・を介して真空容器2の後方側(図1において左から右)に向くように構成されている。そこで、該熱フィラメント19・19・・・の近傍に、該熱フィラメント19・19・・・を挟むように前記管路18と対向して、かつ、送給される反応性気体の流れを遮断するように微粒子捕集部22が配設される。
【0038】
前記成長領域空間で生成されたカーボン微粒子は、高温の反応空間を離れて冷却されるときに、温度が低下して金属微粒子表面から炭素を析出する。該微粒子捕集部22を、反応性気体が送給される下流側に該反応性気体の流れに対して垂直となるように配設させることで、該カーボン微粒子は、該微粒子捕集部22に衝突して、強制的に冷やされ、表面に堆積する。このように構成することで、製造したカーボン微粒子を効率よく捕集することができる。また、カーボン微粒子が真空排気装置6にまで移送されるのを防ぐことができる。
【0039】
ここで、熱フィラメント19・19・・・の配置構成について詳述する。
本実施例に係る微粒子製造装置101は、単一のみならず、複数個の熱フィラメント19・19・・・を配設させることが好ましい。熱量の発生源をフィラメント状にしたことで、該熱フィラメント19・19・・・を、真空容器2内に同時に複数個・複数箇所に配置させることが可能となるのである。該熱フィラメント19・19・・・を真空容器2内に張り巡らすと、カーボン微粒子の成長領域空間を広げることとなり、カーボン微粒子の生成量を増加させることが可能となる。
【0040】
図2および図3に、該熱フィラメント19・19・・・の配置構成の一実施を具体的に示す。図2(a)は、平行に並べた数個の熱フィラメント19・19・・・が反応性気体の流れに沿って長手方向に略平行となるように配設される場合の前記真空容器2の正面断面図、図2(b)は、同じく側断面図である。また、図3(a)は、数個の熱フィラメント19・19・・・が反応性気体の流れに対して短手方向に垂直となるように配設される場合の真空容器2の正面断面図、図3(b)は、同じく側断面図である。
【0041】
本実施例においては、図2および図3に示すように、熱フィラメントを反応性気体の送入方向(図1において左から右)に対して、平行もしくは垂直になるように配設することが好ましい。このような配置構成によると、加熱された熱フィラメント19・19・・・によって形成される成長領域空間に、反応性気体をより効率よく存在させることが可能となる。したがって、カーボン微粒子を収率よく大量に生成することができる。
【0042】
なお、かかる熱フィラメントの配置構成は本実施例に示すようなものに限定するものではなく、例えば、真空容器2内に該熱フィラメント19・19・・・を隈なく配置することも可能である。かかる場合には、反応性気体を広く真空容器2内に充満させて、かかる反応性気体が均一に分布した反応状態で、前記成長領域空間を広げることが可能となり、カーボン微粒子の大量合成が可能となる。
【0043】
該熱フィラメント19・19・・・の材料としては、タングステンやモリブデン等の高融点金属や高融点の合金類を用いるのが好ましい。また、該熱フィラメント19・19・・・の直径は0.1~1.0mm程度のものが好ましい。かかる直径は、本実施例に係る微粒子製造装置1の装置形状や大きさ、熱フィラメントの個数等によって適宜変更可能である。また、該熱フィラメント19・19・・・の形状は、コイル状のものに限らず、直線状のものでもよい。該熱フィラメント19・19・・・を直線状のものとした場合には、表面温度分布から製造されるカーボンナノチューブが変性することなく成長させることができる。
なお、配設する熱フィラメント19・19・・・間の距離は、図2および図3に示したような配置構成とした場合には、5~50mmとすることが好ましい。
【0044】
さらに、熱フィラメント19・19・・・の表面温度を1600℃以上に保つのがよい。かかる温度とすることで、製造されるカーボン微粒子において、カーボンナノチューブの成長を促進させ、収量を増加させることができる。特に、該熱フィラメント19・19・・・の表面温度を2000℃以上とすることで、単層カーボンナノチューブを多く製造することができる。
該熱フィラメント19・19・・・の表面温度は、微粒子製造装置101に配設された前記電力供給装置21により調節可能に構成される。該熱フィラメント19・19・・・に温度センサを設けて、制御機構により所定温度を維持するよう構成することが好ましい。
【0045】
微粒子製造装置101は、カーボン微粒子の生成・成長が終了すると、前記コンダクタンスバルブ5を調節して、真空容器2内に空気を導入する。そして、該真空容器2内を大気圧としてから、前記微粒子捕集部22および真空容器2の内壁に付着したカーボン微粒子を収集するように構成されている。
【0046】
次に、本発明に係る微粒子製造装置の別実施例について以下に説明する。
図4に示す微粒子製造装置201は、熱フィラメント19・19・・・を一方の電極とし、前記微粒子捕集部22を対電極とするように構成されている。電源23が、電線24・24を介して熱フィラメント19・19・・・および微粒子捕集部22にそれぞれ接続されている。該電源23は、直流電源・交流電源・高周波電源のいずれも用いることが可能である。該電源23により前記熱フィラメント19・19・・・と前記微粒子捕集部22とに直流電圧・交流電圧・高周波電圧のいずれかが印加され、該熱フィラメント19・19・・・近傍にグロー放電プラズマを発生可能としている。
なお、該電源23は、周波数を1GH以下の範囲とするものが好ましい。
【0047】
熱フィラメント19・19・・・の対電極として用いる微粒子捕集部22は、グロー放電プラズマ発生用の電極として所望するグロー放電を発生させることが可能で、かつ、カーボン微粒子の成長を妨げるものでなければ特に制限なく利用可能である。電極として該微粒子捕集部22を用いることで、電極およびカーボン微粒子の捕集部として併用することから、装置の部品点数を削減することが可能となる。また、カーボンナノチューブやカーボンナノカプセル等の微粒子は、大きくなると負に帯電してプラズマ中に閉じ込められるが、プラズマが大きい場合は真空容器2全体に広がって、その捕集が困難となる。該微粒子捕集部22によって、カーボン微粒子を散逸させることなく捕集することができる。
【0048】
本実施例に係る微粒子製造装置201に具備されるプラズマ発生手段は、上述の構成に限るものではない。
すなわち、前記熱フィラメント19・19・・・の対極として、別体の電極部を設けてもよく、真空容器2自体を対極となるように構成してもよい。また、複数個収束させた前記熱フィラメント19・19・・・において、該熱フィラメント19・19・・・単体を、交互にカソードおよびアノードとすることも可能である。あるいは、各熱フィラメント間に逆極性のワイヤを張ることで、電圧が印加されるように形成させることも可能である。このように構成することで、熱フィラメント19・19・・・が形成する成長領域空間の極近傍にグロー放電プラズマを発生させることが可能となり、カーボン微粒子の生成・成長をより促進させることができるようになる。
【0049】
また、かかるプラズマ発生手段においては、前記熱フィラメント19・19・・・を含む領域にグロー放電プラズマを発生するものでもよい。具体的には、図5に示すように、別体の電極部26を設けて、前記微粒子捕集部22や別体の電極、真空容器2自体を、該電極部26に対する対極となるように構成することが可能である。前記電極部26は、熱フィラメント19・19・・・により形成される成長領域空間に、グロー放電プラズマが滞留できるように真空容器2内に配設される。このような装置構成とすることで、成長領域空間の極近傍にグロー放電プラズマを発生させることが可能となり、カーボン微粒子の生成・成長をより促進させることができるようになる。
【0050】
該微粒子製造装置201においては、熱フィラメント19・19・・・や微粒子捕集部22等のいずれを電極とした場合においても、電極間の距離は、用いるガスおよび圧力に応じてグロー放電可能な距離とするのが好ましい。また、かかる電極間の距離を、ガスの種類や圧力にあわせて可変に調節できるようにしてもよい。
【0051】
以上のように構成される微粒子製造装置101・201において、触媒金属もしくは金属化合物の質量分析装置を配置させることが好ましい。かかる触媒金属等が、蒸気さらには微粒子となって前記成長領域空間に存在するかどうかがカーボンナノチューブ等の生成・成長に重要な役割を果たす。微粒子製造装置に該質量分析装置を配設することで、該金属触媒等が気相中に存在することを確認しながらカーボン微粒子の製造を行うことができ、カーボンナノチューブ等の成長の制御が容易となる。
【0052】
また、前記微粒子製造装置101・201において、光散乱を利用したカーボン微粒子の粒径または密度の計測装置を配置してもよい。レーザー等からの散乱光に強度や偏光状態は、カーボン微粒子の大きさや密度によって変化するものである。かかる測定手段を具備した測定装置を設け、カーボン微粒子の成長度合いを観察することで、製造されるカーボンナノチューブ等の成長の制御が容易となる。
【0053】
このように、熱フィラメント19・19・・・とプラズマ発生手段とを備えた真空容器2内で、加熱した該熱フィラメント19・19・・・近傍に、より詳細には該熱フィラメント19・19・・・により形成された成長領域空間に、プラズマ発生手段によりグロー放電プラズマを発生させて、原料ガスと金属触媒とが混入した反応性気体を送給することで、カーボン微粒子の生成・成長を制御しながら、該微粒子を製造することができる。そのため、カーボンナノチューブ等の微粒子の製造が容易となり、また、サイズが大きいものを製造することができる。製造される微粒子の詳細は後述する。
【0054】
次に、本実施例に係る微粒子製造装置の実験例について以下に説明する。
まず、前記微粒子製造装置201を用いてカーボン微粒子の製造を行った。原料ガスとして水素希釈エチレンを、金属触媒としてフェロセンを用いた。該原料ガスを導入機構10により蒸発したフェロセンと混入させ、エチレン濃度が5~50%の範囲となるように調整した。真空容器2内を20~100Torrに減圧し、熱フィラメント19・19・・・を加熱し、直流電圧を熱フィラメント19・19・・・および微粒子捕集部22に印加してグロー放電プラズマを発生させた。
なお、圧力×エチレン濃度=一定(100~200Torr・%)、となるように調製することが、カーボン微粒子の収量と収率の点から好ましい。
【0055】
上記製造条件で製造された微粒子の透過電子顕微鏡(TEM)写真を、図6に示す。図6のTEM写真中に見られる細いチューブ状のものがカーボンナノチューブで、直径は約1.4nmである。また、図7に示すラマンスペクトルにおいて、165cm-1付近にピークが認められることから、図6に表れるカーボンナノチューブは、10個の炭素六員環が円周方向に連なった構造またはそれと同等な構造であると推測される。
【0056】
また、前記微粒子製造装置101を用いて同様の実験を行ったところ、TEM写真およびラマンスペクトルにより、単層のカーボンナノチューブが製造されることが確認された。しかし、微粒子製造装置201によって製造される微粒子の方が、生成量が多く、長さおよび直径も大きかった。特に、単層カーボンナノチューブの生成量は倍以上であった。熱フィラメント19・19・・・による熱CVD法のみでカーボン微粒子を製造するよりも、該熱CVD法に加えてグロー放電プラズマによるP-CVD法を採用することで、微粒子の閉じ込めにより、カーボンナノチューブの成長が促進されたことが確認された。
さらに、本発明に係る微粒子製造装置を用いることで、上記カーボンナノチューブのみならず、直径100nmを超える大きなサイズのナノカプセルも製造することができた。
【0057】
本発明による微粒子製造装置によって製造されるカーボン微粒子においては、以下のような有用性を備えるものである。
すなわち、従来においては、カーボンナノチューブ等の量産方法が確立されていないことが実用化のための障害となっていたが、本発明による微粒子製造装置で生産することにより、単層カーボンナノチューブの量産が可能となる。単層カーボンナノチューブが集合した大きな微粒子は、水素貯蔵材料としての用途が期待できる。かかる単層カーボンナノチューブは単位重量当りの水素貯蔵量が大きく、水素エネルギーを利用するための水素貯蔵媒体として有望視されている。また、比較的長いカーボンナノチューブを用いることによって、例えば、半導体集積回路などにおける電気的接続のためのリード線として用いることができる。
【0058】
一方、従来よりも大きなサイズのカーボンナノカプセルが作製できることから、この中に従来よりも大きな微粒子を閉じ込めることできる。カーボンナノカプセルは中に閉じ込められた金属の微粒子の酸化や融合を防ぐ機能を有しているが、直径が100nm以上のサイズのカーボンナノカプセルによって、より大きな金属微粒子のカプセル化が可能となる。かかる金属微粒子を包含したカーボンナノカプセルは、例えば磁気テープ・円盤状のディスク等に接着させ、磁気記録媒体として適用可能である。また、カーボンナノカプセルは、発光材料等の光学材料を包含したものでもよい。かかる構造とした場合には、発光材料の退色・変色を防止することができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
すなわち請求項1に示すように、真空容器と、該真空容器内に、原料ガスを導入するガス導入系と、前記ガス導入系に接続され、鉄族または白金族または希土類の金属、またはそれらの金属を含む化合物よりなる気体の導入機構と、該ガス導入系により送給される原料ガスを含む反応性気体を加熱する熱フィラメントと、生成したカーボン微粒子を捕捉する微粒子捕集部とを備え、該反応性気体を含む気体で満たした該真空容器内で、反応性気体を分解してカーボン微粒子を生成し、捕集するようにしたので、成長領域空間を広く確保することができるため、カーボンナノチューブやカーボンナノカプセル等を大量に製造することが可能となる。また、該熱フィラメントを用いるため装置構造が簡易なものとすることができ、かつ、真空容器内に張り巡らすことができるため、微粒子を量産するために製造装置を大型化する必要がない。
また、鉄族または白金族または希土類の金属、またはそれらの金属を含む化合物よりなる気体の導入機構を備えるので、かかる金属等を触媒として蒸発させ、真空容器内に送給させることができきる。そして、かかる気体と原料ガスとを混入させることができるため、カーボン微粒子の生成等を制御することができる。
【0060】
また、請求項2に示すように、請求項1において、前記熱フィラメントが、1600℃以上に保たれるので、カーボンナノチューブ等の成長をより促進させ、収量を増加させることができる。また、カーボンナノチューブ等を量産することができる。
【0061】
また、請求項3に示すように、請求項1において前記真空容器内に、直流もしくは交流または高周波電源によるプラズマ発生手段を具備するので、熱フィラメントによってプラズマがより安定するため、カーボンナノチューブ等の生成・成長を制御してサイズの大きいものを製造することができ、かつ、かかるカーボン微粒子を大量に合成することができる。
【0062】
また、請求項4に示すように、請求項3において、前記プラズマ発生手段が、前記熱フィラメントを一方の電極とするので、熱フィラメントにより形成される成長領域空間の極近傍にグロー放電プラズマを発生させることが可能となり、カーボン微粒子の生成や成長をより促進させることができるようになる。
【0063】
また、請求項5に示すように、請求項3において、前記プラズマ発生手段が、前記熱フィラメントを含む領域に対してプラズマの発生を可能とするので、熱フィラメントにより形成される成長領域空間の極近傍にグロー放電プラズマを発生させることが可能となり、カーボン微粒子の生成や成長をより促進させることができるようになる。
【0065】
また、請求項6に示すように、請求項1乃至のいずれか1に記載の微粒子製造装置において、該微粒子製造装置により製造される微粒子が、内部が空洞である炭素、または炭素を含む化合物であるので、新規な用途を有する材料を量産することができる。
【0066】
また、請求項7に示すように、請求項1乃至のいずれか1に記載の微粒子製造装置において、鉄族または白金族または希土類の金属、またはそれらの金属を含む化合物よりなる気体の質量分析装置を備えるので、金属触媒が気相中に存在するかどうかを反応中に監視することができ、カーボン微粒子の製造を制御することができる。
【0067】
そして、請求項8に示すように、熱フィラメントとプラズマ発生手段とを備えた真空容器内で、加熱した該熱フィラメント近傍に、プラズマ発生手段によりグロー放電プラズマを発生させ、反応性気体および鉄族または白金族または希土類の金属、またはそれらの金属を含む化合物よりなる気体を送給してカーボン微粒子を製造するため、微粒子の生成と成長を促進させ、長さの長いカーボンナノチューブやサイズの大きいカーボンナノカプセル等を大量に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る微粒子製造装置を示す図である。
【図2】熱フィラメントの配置構成を示す図である。
【図3】同じく熱フィラメントの配置構成を示す図である。
【図4】本実施例に係る微粒子製造装置の別実施例を示す図である。
【図5】同じく別実施例を示す図である。
【図6】製造された微粒子の観察結果を示した透過電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図7】製造された微粒子のラマンスペクトルである。
【符号の説明】
101、201 微粒子製造装置
2 真空容器
10 導入機構
13 混入部
15 触媒受け部
18 管路
19 熱フィラメント
21 電力供給装置
22 微粒子捕集部
23 電源
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6