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明細書 :珪藻類の検出方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5750796号 (P5750796)
公開番号 特開2012-139191 (P2012-139191A)
登録日 平成27年5月29日(2015.5.29)
発行日 平成27年7月22日(2015.7.22)
公開日 平成24年7月26日(2012.7.26)
発明の名称または考案の名称 珪藻類の検出方法
国際特許分類 C12Q   1/68        (2006.01)
FI C12Q 1/68 A
請求項の数または発明の数 7
全頁数 24
出願番号 特願2011-000138 (P2011-000138)
出願日 平成23年1月4日(2011.1.4)
審査請求日 平成25年11月12日(2013.11.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304028726
【氏名又は名称】国立大学法人 大分大学
発明者または考案者 【氏名】瀬尾泰久
個別代理人の代理人 【識別番号】100099759、【弁理士】、【氏名又は名称】青木 篤
【識別番号】100077517、【弁理士】、【氏名又は名称】石田 敬
【識別番号】100087871、【弁理士】、【氏名又は名称】福本 積
【識別番号】100087413、【弁理士】、【氏名又は名称】古賀 哲次
【識別番号】100117019、【弁理士】、【氏名又は名称】渡辺 陽一
【識別番号】100141977、【弁理士】、【氏名又は名称】中島 勝
【識別番号】100150810、【弁理士】、【氏名又は名称】武居 良太郎
審査官 【審査官】松浦 安紀子
参考文献・文献 R Boom et al,Rapid and simple method for purification of nucleic acids. ,J. Clin. Microbiol.,1990年,Vol. 28,p.495-503
調査した分野 C12Q 1/68
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
カオトロピックイオン存在溶液中でシリカコートビーズに、DNAを介して又は異なるDNAで挟んで珪藻類被殻をトラップして、珪藻類被殻の有無を直接又は珪藻類被殻をトラップしたDNAから間接的に検出することを特徴とする珪藻類の検出方法。
【請求項2】
カオトロピックイオン存在溶液中にシリカコートビーズと長鎖DNAと珪藻類被殻を容れてこれを結合させた後にB/F分離洗浄して未反応長鎖DNAや夾雑物を洗い流し、次いで加水してシリカコートビーズ表面から長鎖DNAと珪藻類被殻を解離させて珪藻類被殻検鏡することを特徴とする請求項1に記載の珪藻類の検出方法。
【請求項3】
カオトロピックイオン存在溶液中にシリカコートビーズと長鎖DNAと珪藻類被殻を容れてこれを結合させた後に第一回目のB/F分離洗浄して未反応長鎖DNAや夾雑物を洗い流し、次いでビオチン・蛍光標識の短鎖DNAを添加してこれを珪藻類被殻に不可逆的に結合させて染色して後、第二回目のB/F分離洗浄し、次いで加水してシリカコートビーズ表面から珪藻類被殻をビオチン・蛍光標識の短鎖DNAに結合した状態で長鎖DNAとは個別に解離させて、ビオチン・蛍光標識の短鎖DNAに結合している珪藻類被殻を検鏡することを特徴とする請求項1に記載の珪藻類の検出方法。
【請求項4】
カオトロピックイオン存在溶液中にシリカコートビーズと長鎖DNAと珪藻類被殻を容れてこれを結合させた後に第一回目のB/F分離洗浄して未反応長鎖DNAや夾雑物を洗い流し、次いで未標識の短鎖DNAを添加してこれを珪藻類被殻に結合させて第二回目のB/F分離洗浄した後、珪藻類被殻に結合した未標識短鎖DNAを染色すると共に加水してシリカコートビーズから長鎖DNA、珪藻類被殻結合の未標識短鎖DNAを解離してこれを取り出して検鏡観察することを特徴とする請求項1に記載の珪藻類の検出方法。
【請求項5】
カオトロピックイオン存在溶液中に短鎖DNAをコーティングしたシリカコートビーズと珪藻類被殻を容れてこれを結合させた後にB/F分離洗浄し、次いで長鎖DNAを添加しこれを短鎖DNAに結合した珪藻類被殻に結合させ、次いで加水して被殻に結合した長鎖DNAのみを解離して取り出しそれをPCR増幅して検量線を得て珪藻類を定量的に検出することを特徴とする請求項1に記載の珪藻類の検出方法。
【請求項6】
カオトロピックイオン存在溶液中に短鎖DNAをコーティングしたシリカコートビーズに珪藻類被殻を容れてこれを結合させた後に第一回目のB/F分離洗浄し、次いで前記短鎖DNAとは配列の異なる短鎖DNAを添加しこれを珪藻類被殻に不可逆的に結合させた後に第二回目のB/F分離洗浄し、シリカコートビーズと共にこれに付着している珪藻類被殻を結合の短鎖DNAを取り出してPCR増幅して検量線を得て珪藻類を定量的に検出することを特徴とする請求項1に記載の珪藻類の検出方法。
【請求項7】
カオトロピックイオン存在溶液中に短鎖DNAをコーティングしたシリカコートビーズに珪藻類被殻を容れてこれを結合させた後に第一回目のB/F分離洗浄し、次いでビオチン・蛍光標識した短鎖DNAを添加してこれを珪藻類被殻に不可逆的に結合させて後、第二回目のB/F分離洗浄し、次いで基質を添加して染色しシリカコートビーズに付着した珪藻類被殻に結合のビオチン・蛍光標識の短鎖DNAを取り出し、蛍光強度を測定して珪藻類を定量的に検出することを特徴とする請求項1に記載の珪藻類の検出方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は珪藻類の検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、珪藻類の観察や分類法として、珪藻類の特徴であるケイ酸質の被殻を顕微鏡下で観察する方法が用いられてきた。このケイ酸質の被殻には、種ごとに特有の形態や殻面、殻面上の文様が形成されており、これを一般の光学顕微鏡下で観察することによって属や種を分類する。しかし、被殻は弁当箱の蓋と実のように組み合わさっており、そのなかに核や葉緑体などの細胞成分が入っているため、採取したそのままの状態で観察したのでは、それぞれの種に固有な被殻の特徴まで見分けることは困難である。このため、珪藻類の観察には、まず、被殻の内部に含まれる核や葉緑体をはじめとした有機物を取り除くためにクリーニングという操作を行うのが一般的である。
【0003】
この被殻のクリーニング方法としては、濃硫酸や硝酸を使う壊機法、硫酸-重クロム酸カリウム湯煎法、紫外線照射法、焼灼法、ブリーチ撹拌法、パイプユニッシュ法などがあり、目的や設備の状況にあわせて使い分けられる。なかでも、パイプユニッシュ法は、誰でも手軽に簡単な操作で実施でき、且つ、安全面でも問題がないため、学校などの実習として、教育現場でも取り入れられている。被殻のクリーニング終了後、プレパラート上に展開乾燥し適当な封入剤で封入し観察する。被殻は、プレパラートやカバーグラスと同じガラス質であるため、屈折率の小さな封入剤の元では観察できなくなる。一般的にはStyrax、Hyrax、Pleuraxなどの高屈折率の封入剤が使われる。
このような珪藻類被殻の観察方法は、生物学や水質環境化学の分野だけでなく、他のさまざまな分野で応用されている。特に、法医学の分野では、古くから溺死の証明方法として多用されてきた歴史がある。
【0004】
法医学における溺死証明法とは、溺水中に存在するプランクトンが肺胞壁を通過して大循環系に入り、全身の臓器に移行することを診断の根拠としたものである。解剖によって取り出された心臓や肺臓、肝臓、腎臓、脾臓などの各臓器を濃硝酸とともに加熱して有機物を壊機し、残存した無機質の中に含まれる珪藻類の被殻を顕微鏡下で観察証明することによって生前に溺水を吸引したことを証明する。ただし、この方法では、肺以外の臓器ではその密度の低さから検出が困難である場合も多く、各臓器あたり数個以下の被殻しか検出されないケースも多数存在する。さらに、炭粉や脂質などの残存夾雑物により、顕微鏡下での観察が困難なケースもしばしば経験する。また、そもそも珪藻の被殻がガラス質であるためプレパラート上での観察が難しいなど、多くの問題点が指摘されている。
【0005】
これらの問題を解決するためにこれまで数多くの研究が行われ、報告されているが、その方向性は二つに大別することができる。
第一には、溺水中に含まれる珪藻類以外の微小異物を検出証明する方法である。溺水中に含まれるバクテリアなどの微生物を主要臓器や血液中から培養証明する方法(Kakizaki E, Takahama K, Seo Y et al. Forensic Sci Int 2008)、肺に特異的に存在するサーファクタントプロテインDをマーカーとしたサンドイッチ酵素免疫測定法(Kamada S, Seo Y et al. Forensic Sci Int 2000)などがこれにあたる。
第二には、珪藻の検出法自体に改良を加えるもので、プロテアーゼ処理による臓器の可溶化、壊機法の改良などがあげられる。これに加え、珪藻類をはじめとするプランクトンのDNAを、直接PCR法などで特異的に増幅して証明する研究なども進められている。
しかし、先に述べた珪藻類以外の微小異物の証明法は、優れた方法ではあるもののその手法における特殊性が高く、特定の機関でしか実施できない汎用性に欠けるものが多い。さらに、珪藻検出法の改良も様々な問題点の抜本的な解決には至っていない。
【0006】
<従来の珪藻類検出方法とその問題点>
従来、珪藻類の形態的な検出は、被殻をクリーニングした後そのままプレパラート上に封入して顕微鏡で観察するのみであるため、被殻以外の夾雑物の影響を排除することは不可能である。特に、河川や湖沼、海中の堆積物などから採取した大量の珪藻類をパイプユニッシュ法などでクリーニングしても、微細な土砂などの異物も同時に処理しているため、顕微鏡下での被殻の形態観察に支障を来すことも少なくない。
また、浮遊珪藻類が減少する夏期や冬期の水中から珪藻類を観察するためには大量の水を濾過したり、遠心分離したりして珪藻類を濃縮する必要があり、このとき水中にある他の浮遊物も同時に濃縮されることとなり、堆積物からのものと同じ結果となる。
現在、水中などに浮遊する珪藻類を特異的、選択的に抽出、精製する方法は存在しない。
海洋堆積物の生物起源ケイ素量の定量法として、珪藻被殻を直接計測する方法の他に、粒子密度差を利用した分離法及びX線回析法、モリブデンブルー比色法、アルカリ抽出法など様々な方法が用いられている。
血液中のケイ酸量を定量する方法として、ケイ酸をモリブデン錯体として薄層クロマトグラフィーで分離定量する方法などが報告されている。
しかし、これらの定量法は、多大な労量を必要とする上、特異性に欠ける面もあるばかりでなく、低感度であるため分析には多量の試料が必要となる。したがって、僅かな量の水や、時には数個以下の珪藻類しか存在しない溺死体の臓器などから珪藻類を検出、定量することは困難である。
【0007】
そこで本発明は、壊機された珪藻類をより簡便に、より高精度に検出する方法を提供するものである。珪藻類のもつ最大の特徴は、ケイ酸質よりなる被殻を有し優れた耐酸性を持つことであり、第一に壊機法はこの特性を利用した検出法である。本発明者は、このケイ酸質の被殻がもつもう一つの特徴に注目した。
二酸化ケイ素(SiO2)を含むガラス質のものは、古くからカオトロピックイオンの存在下で、DNAやRNA、一部のタンパク質などを非特異的に吸着する性質を有することが知られていた。さらに、この吸着は、水などの低極性の環境下で容易に解離する特性をもつ。最近では、グラスファイバーを固相として使うDNAの精製法が開発され、多くのDNA抽出キットにこの基本原理が応用されている。本発明は、ガラス質の持つこれらの基本原理がケイ酸質でできている珪藻類の被殻にもそのまま当てはまることを利用したものである。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】DNAの精製法は多くあるが珪藻類の検出方法としての特許は無かった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、第一に、珪藻類被殻の観察のために従来行われてきたクリーニング操作の後、残存する土砂や無機物などの夾雑物を取り除き、被殻を特異的、選択的に精製し、観察する方法を提供するものである。通常、被殻を観察するためには、クリーニング後数度の水による洗浄過程を経てプレパラートを作製する。その際の洗浄操作は、比重の重い被殻を遠心分離によって試験管の管底に集め、上清を捨て、再度被殻を浮遊させると同時にクリーニング液を希釈し、再び遠心分離して集めるという過程の繰り返しである。しかし、この操作では、被殻と同程度、或いは、より比重の重い夾雑物を取り除くことはできない。
この欠点を補うため、本発明では、ケイ酸質である被殻が持つ、カオトロピックイオンの存在下でDNAを特異的に吸着する特徴を利用し、被殻のみを特異的、選択的に精製する方法を提供する。この操作は、同じ性質を持つシリカをコートした磁性ビーズとともに行い、被殻のクリーニング、洗浄操作後に行われる。具体的には、クリーニングした被殻を濃度既知のカオトロピックイオンを含む溶液中に容れ、そこにDNAとシリカビーズを加え、シリカビーズを固相として加えたDNAを介して被殻を固相に結合させる。
【0010】
カオトロピックイオンの存在下で珪藻類被殻やシリカコートビーズに吸着させるDNAの種類は問われない。たとえば、ヒトゲノムDNAでも構わないし、λファージDNAや各種電気泳動用のDNAマーカーなどの市販されているものを使用可能である。
また、固相として使われるシリカビーズは磁性ビーズに限るものではない。カオトロピックイオンの存在下でDNAを吸着・解離する特性を持つものであればよい。一般的には、粒径0.1~10μm程度の市販のビーズを使用することが可能であるし、2~4ミリ程度のピンセットで操作可能なものでもよい。
一方で、この操作を水中に浮遊する珪藻類を集めるために実施することもできる。被殻は珪藻類の外殻にあたるので、水中に浮遊した状態の珪藻類の被殻を、DNAを使って磁性ビーズにトラップすれば、浮遊する珪藻類を、夾雑物を除いた状態で濃縮して集めることができる。集めた珪藻類は、クリーニング後常法により顕微鏡下で観察することが可能である。
【0011】
また、光学顕微鏡による被殻の観察は、クリーニング及び洗浄した被殻をプレパラート上に展開し、乾燥固定した後、適当な封入剤で封入し観察するが、被殻は、プレパラートやカバーグラスと同じガラス質であるため、屈折率の小さな封入剤の元では観察できない。一般的にはStyrax、Hyrax、Pleuraxなどの高屈折率の封入剤が使われるが、これらの高屈折率の封入剤を使っても顕微鏡下で被殻を発見、観察することは容易ではない。特に、法医学的な溺死証明の場合など、そもそも含有する珪藻類の数が少なければ、被殻の発見自体が困難である。
この問題を解決するためには、一般の顕微鏡観察で多用される染色法を導入できればよい。例えば、被殻が、一般的な組織染色のように赤や青、或いは、蛍光色素で染色されれば、たとえ数が少なくても顕微鏡下での発見、観察が行いやすくなるものと考える。
【0012】
そこで、第二に、シリカをコートした磁性ビーズに被殻のみを特異的に結合させ、次いで、ビオチン、蛍光標識したDNAをビーズにトラップされた被殻に再度結合し、被殻に結合したビオチン、蛍光標識したDNAを既存の染色法を使って染色することによって、間接的に被殻を染色した状態で観察する方法を提供する。
カオトロピックイオンの存在下で被殻及びシリカコトートビーズに結合したDNAは、1Kbp以上であれば、水などの低極性の溶液に置換すればその結合は容易に解離する。しかし、100bp以下の短鎖DNAの結合の場合、その解離特性は著しく低い。これらのDNA結合特性を組み合わせれば、DNAをシリカビーズにトラップしたり、溶出することが可能である。
100bp以下の短鎖DNAの種類は問われない。たとえば、メンブレンのブロッキング剤として使われるサケ精子DNAや各種電気泳動用のDNAマーカーなど市販されているものを使用可能であるし、あらかじめビオチンやFITCなどの蛍光色素を標識したマーカーなども市販されている。さらに、ビオチンやFITCなどの蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドを合成して使用することもできる。
【0013】
第三に、珪藻類被殻を定量的に検出する方法を提供する。これは、被殻にDNAを特異的に結合させた後、シリカをコートした磁性ビーズでDNAが結合した状態の被殻のみをとりだし、被殻に結合したDNAを定量的に測定することによって行われる。結合したDNAの定量法には、酵素標識抗体法やPCR法、リアルタイムPCR法などが含まれる。被殻に結合するDNA量が一定であれば、被殻の量と結合したDNA量は比例関係になることを利用した測定法である。
従来行われてきた、二酸化ケイ素から遊離したケイ素量を測定する定量法に比べ、結合したDNAをPCR法により数百万倍に増幅して測定出来るため、著しく高感度化が図れ、理論的には一分子の被殻でも測定可能である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の特徴とする基本技術条件は、「カオトロピックイオン存在溶液中でシリカコートビーズに、DNAを介して又は異なるDNAで挟んで珪藻類被殻をトラップして、珪藻類被殻の有無を直接又は珪藻類被殻をトラップしたDNAから間接的に検出することを特徴とする珪藻類の検出方法」である。
この基本技術条件の具体例は、次の方法(1)~(6)の通りである。
(1)、図1に記載のように、カオトロピックイオン存在溶液中にシリカコートビーズと長鎖DNAと珪藻類被殻を容れてこれ等を結合させた後にB/F分離洗浄して未反応長鎖DNAや夾雑物を洗い流し、次いで加水してシリカコートビーズ表面から長鎖DNAと珪藻類被殻を解離させて珪藻類被殻のみを取り出し検鏡することを特徴とする珪藻類の検出方法。
ここで、シリカコートビーズの核を磁性金属製球にすることにより前記B/F分離洗浄後の排液の際に図1の(4)に示すように、磁石で長鎖DNAと珪藻類被殻を付着させたのみを容器内に保持して未反応長鎖DNAや夾雑物を含む排液を略(ほぼ)全量を効率よく迅速に容器外に排出することができる。また加水解離後には、図1の(7)(8)に示すようにシリカコートビーズのみを容器内に保持して解離した珪藻類被殻のみを略(ほぼ)全量を効率よく水と共に容器外に取り出して検鏡することができる。
【0015】
(2)、図2に記載のように、カオトロピックイオン存在溶液中にシリカコートビーズと長鎖DNAと珪藻類被殻を容れてこれ等を結合させた後に第一回目のB/F分離洗浄して未反応長鎖DNAや夾雑物を洗い流し、次いでビオチン・蛍光標識の短鎖DNAを添加してこれを珪藻類被殻に不可逆的に結合させて染色して後、第二回目のB/F分離洗浄し、次いで加水してシリカコートビーズ表面から珪藻類被殻をビオチン・蛍光標識の短鎖DNAに結合した状態で長鎖DNAとは個別に解離させて、ビオチン・蛍光標識の短鎖DNAに結合している珪藻類被殻を検鏡することを特徴とする珪藻類の検出方法。
ここで、シリカコートビーズの核を磁性金属製球にすることにより前記第一回目及び第二回目のB/F分離洗浄後の排液の際に、磁石で長鎖DNAと珪藻類被殻、又は長鎖DNAと珪藻類被殻と短鎖DNAを付着させシリカコートビーズのみを容器内に保持して排液を略(ほぼ)全量を効率よく迅速に容器外に排出することができる。また図2の (11)と(12)に示すように加水解離後に、シリカコートビーズのみを容器内に保持してビーズから解離した長鎖DNAと珪藻類被殻と短鎖DNAの連結体を略(ほぼ)全量を効率よく水と共に容器外に取り出して検鏡観察することができる。
【0016】
(3)、図3に記載のように、カオトロピックイオン存在溶液中にシリカコートビーズと長鎖DNAと珪藻類被殻を容れてこれ等を結合させた後に第一回目のB/F分離洗浄して未反応長鎖DNAや夾雑物を洗い流し、次いで未標識の短鎖DNAを添加してこれを珪藻類被殻に結合させて第二回目のB/F分離洗浄した後、珪藻類被殻に結合した未標識短鎖DNAを染色すると共に加水してシリカコートビーズから長鎖DNA、珪藻類被殻結合の未標識短鎖DNAを解離してこれ等を取り出して検鏡観察することを特徴とする珪藻類の検出方法。
ここで、シリカコートビーズの核を磁性金属製球にすることにより前記第一回目及び第二回目のB/F分離洗浄後の排液の際に、磁石で長鎖DNAと珪藻類被殻、又は長鎖DNAと珪藻類被殻と未標識短鎖DNAを付着させたシリカコートビーズのみを容器内に保持して排液を略(ほぼ)全量を効率よく迅速に容器外に排出することができる。また図3の (11)と(12)に示すように加水解離後に、シリカコートビーズのみを容器内に保持してビーズから解離した長鎖DNA、珪藻類被殻と染色した未標識短鎖DNAとの連結体を略(ほぼ)全量を効率よく水と共に容器外に取り出して検鏡観察することができる。
【0017】
(4)、図4に記載のように、カオトロピックイオン存在溶液中に短鎖DNAをコーティングしたシリカコートビーズと珪藻類被殻を容れてこれ等を結合させた後にB/F分離洗浄し、次いで長鎖DNAを添加しこれを短鎖DNAに結合した珪藻類被殻に結合させ、次いで加水して被殻に結合した長鎖DNAのみを解離して取り出しそれをPCR増幅して検量線を得て珪藻類を定量的に検出することを特徴とする珪藻類の検出方法。
ここで、シリカコートビーズの核を磁性金属製球にすることにより前記B/F分離洗浄後の排液の際に、磁石で短鎖DNAに結合した珪藻類被殻が付着しているシリカコートビーズのみを容器内に保持して排液を略(ほぼ)全量を効率よく迅速に容器外に排出することができる。また図4の (7)と(8)に示すように加水解離後に、シリカコートビーズを短鎖DNAに結合した珪藻類被殻と共に容器内に保持して、ビーズから解離した長鎖DNAを略(ほぼ)全量を効率よく水と共に容器外に取り出してPCR増幅して検量線を得て珪藻類を定量的に精度よく検出することができる。
【0018】
(5)、図5に記載のように、カオトロピックイオン存在溶液中に短鎖DNAをコーティングしたシリカコートビーズに珪藻類被殻を容れてこれ等を結合させた後に第一回目のB/F分離洗浄し、次いで前記短鎖DNAとは配列の異なる短鎖DNAを添加しこれを珪藻類被殻に不可逆的に結合させた後に第二回目のB/F分離洗浄し、シリカコートビーズと共にこれに付着している珪藻類被殻を結合の短鎖DNAを取り出してPCR増幅して検量線を得て珪藻類を定量的に検出することを特徴とする珪藻類の検出方法。
ここで、シリカコートビーズの核を磁性金属製球にすることにより前記第一回目及び第二回目のB/F分離洗浄後の排液の際に、磁石で短鎖DNAに結合した珪藻類被殻が付着しているシリカコートビーズ又は、コーティイング短鎖DNAと珪藻類被殻と添加短鎖DNAが付着しているシリカコートビーズのみを容器内に保持して排液を略(ほぼ)全量を効率よく迅速に容器外に排出することができる。
【0019】
(6)、図6に記載のように、カオトロピックイオン存在溶液中に短鎖DNAをコーティングしたシリカコートビーズに珪藻類被殻を容れてこれ等を結合させた後に第一回目のB/F分離洗浄し、次いでビオチン・蛍光標識した短鎖DNAを添加してこれを珪藻類被殻に不可逆的に結合させて後、第二回目のB/F分離洗浄し、次いで基質を添加して染色しシリカコートビーズに付着した珪藻類被殻に結合のビオチン・蛍光標識の短鎖DNAを取り出し、蛍光強度を測定して珪藻類を定量的に検出することを特徴とする珪藻類の検出方法。
ここで、シリカコートビーズの核を磁性金属製球にすることにより前記第一回目及び第二回目のB/F分離洗浄後の排液の際に、短鎖DNAに結合した珪藻類被殻が付着しているシリカコートビーズ又は、コーティイング短鎖DNAとビオチン・蛍光標識の短鎖DNAと珪藻類被殻とが付着しているシリカコートビーズのみを磁石で容器内に保持して排液を略(ほぼ)全量を効率よく迅速に容器外に排出することができる。
【0020】
但し、本発明において、PCR増幅とは、好熱菌の耐熱性DNAポリメラーゼを利用したポリメラーゼ連鎖反応polymerase chain reactionによるDNAの増幅技術を言う。(:DNA鎖長の違いによる変性とアニーリングの違いを利用して、温度の上下を繰り返すだけでDNA合成を繰り返し、DNAを増幅する)
【0021】
又、本発明において、B/F分離洗浄とは、Bound/Free分離洗浄のことで、DNAの結合反応後、先ず、結合に使ったカオトロピック溶液(例えば4モル、塩酸グアニヂン)を捨て、その後、同濃度のカオトロピック溶液を10倍量加えて未反応のDNAと夾雑物を捨てる、さらに、70%エタノールで2度洗浄し、その後は、70%エタノールを完全に捨て、被殻の結合したビーズのみを残すことを言う。
【0022】
又、本発明の前記(1)、(2)、(4)において、B/F分離洗浄の後で加水する場合は、当該加水により、シリカビーズ及び被殻に結合したDNAを遊離(解離)するために行い、前記(3)、(5)、(6)において、加水しない場合は、B/F分離洗浄の操作後に、ビーズのみが残るため、PCRを行うときはPCR反応液、ビオチン、蛍光測定の場合は、それらの測定に適したバッファーを添加する。
【0023】
又、本発明において染色とは、一般的な組織染色で使われるフォイルゲン反応、ヌクレアーファーストレッドなどの核酸染色法、Mupid(R)Blueなどの一般的なDNAの染色剤による染色法、各種蛍光染色剤による染色法、タンパク質やDNAの高感度染色法として知られる銀染色法などその他公知の染色法を言う。
【発明の効果】
【0024】
本発明の珪藻類の検出方法は、シリカ質にDNAが容易に結合することに着目し、これを珪藻類被殻との接合剤にして、珪藻類被殻をDNAに容易にトラップして珪藻類被殻の有無を直接又はトラップしたDNAから間接的に検出する手法で、簡易で安全で迅速確実で安価な検出方法である。
【0025】
表1には本発明方法を纏めてあるが、本発明方法は、カオトロピックイオン存在溶液中に珪藻類被殻と共に、
A.シリカコートビーズと長鎖DNAを添加して結合させて後B/F分離洗浄する。又はB.短鎖DNAをコーティングしたシリカコートビーズを添加して結合させて後B/F分離洗浄する。
次いでAの場合はそのまま加水解離し、或いはビオチン・蛍光標識DNAを添加して加水解離する。Bの場合は、長鎖DNA、又はコーティング短鎖DNAとは配列の異なる短鎖DNA又はビオチン・蛍光標識DNAを又は無標識DNAを添加して当該DNAを珪藻類被殻に不可逆的に結合してB/F分離洗浄する。
次いで、Aの場合は前記解離した珪藻類被殻単体又はビオチン・蛍光標識DNAに結合した珪藻類被殻を検境し、Bの場合は前記解離した珪藻類被殻に結合した当該DNAを染色して検鏡し又は当該DNAをPCR増幅して検量線を得て、珪藻類被殻を定量的に精度良く検出し、又は前記解離した珪藻類被殻に結合したビオチン・蛍光標識DNAの蛍光強度を測定して珪藻類被殻定量的に精度良く検出するものである。
【0026】
この検出方法により、従来方法に比較して次の優れた具体的な作用効果を呈する。
1.方法(1)の効果(意義)
従来、珪藻類被殻のクリーニング後、直接プレパラート上に展開乾燥して顕微鏡下で観察するのみであったが、この検出法を採用することにより、残存夾雑物により検鏡、発見が難しかった珪藻類被殻を清浄な状態で観察することができるようになった。特に、溺死の証明においては、炭粉、変成した脂肪質などの検鏡を妨げていたものがほとんど見あたらない。
個数既知の被殻を使った実験では、ほぼ100%の回収率を示すことから、被殻は添加した当該DNAを介してシリカコートビーズにほぼ完全に結合しているものと思われる。加えて、洗浄操作後の水の添加により、被殻は完全に添加水中に遊離せられるものと考えられた。
特に、シリカコートビーズに磁性ビーズを使えば、被殻をトラップした状態での洗浄操作に磁石を使ってビーズを集めることができるので、操作手技による損失を防ぐことができる。
本法は、操作が極めて簡単で短時間の処理で十分にその効果を発揮できることから、非常に有用性が高いものと考えられる。
【0027】
2.方法(2)と(3)の効果(意義)
従来、珪藻類被殻のクリーニング後、直接プレパラート上に展開乾燥して顕微鏡下で観察するのみであったが、この検出法を採用することにより、残存夾雑物により検鏡、発見が難しかった珪藻類被殻を清浄な状態で観察することができるようになった。特に、溺死の証明においては、炭粉、変成した脂肪質などの検鏡を妨げていたものがほとんど見あたらないばかりでなく、染色された被殻を顕微鏡下で探すだけでよいので、検鏡にかかる時間が大幅に短縮され、写真撮影時のフォーカス設定も容易であった。
被殻に結合したビオチン、蛍光標識したDNAは既存の染色法を使って染色することによって、間接的に被殻を染色した状態で観察することができる。標識されたビオチンは、アルカリフォスファターゼやベータガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼなどの酵素を標識したスレプトアビジンとそれぞれの酵素に対応した基質とによって染色される。当該DNAの標識に使われるのはビオチンのみでなく、ジゴキシゲニンでもよい。
短鎖DNAの蛍光標識には様々な蛍光色素が使用可能であるが、特にFITCなどが一般的であり、この場合、そのまま蛍光顕微鏡による観察が可能である。
また、被殻に未標識の短鎖DNAを結合しても、結合した短鎖DNAを、一般的な組織染色で使われるフォイルゲン反応、ヌクレアーファーストレッドなどの核酸染色法により染色することができる。さらに、Mupid(R)Blueなどの一般的なDNAの染色剤によっても染色することができるだけでなく、各種蛍光染色剤も使用できる。また、タンパク質やDNAの高感度染色法として知られる銀染色法なども適用できる。
被殻はすでに染色されているので、一般的な低屈折率の封入剤を使って、永久標本として保存することが可能である。
【0028】
3.方法(4)の効果(意義)
充分量の短鎖DNAをあらかじめコートしたシリカコートの磁性ビーズと配列既知の長鎖DNAを使って被殻をサンドイッチすることが可能であった。これは、ポリクローナル抗体や複数種類のモノクローナル抗体を使って抗原をサンドイッチして定量的に検出する非競合法と同じ原理を有する。
2次的に反応する配列既知の長鎖DNAの量は、固相となる磁性ビーズに結合した被殻の量に比例して増加する。洗浄により未反応の長鎖DNAを取り除いた後、加水して長鎖DNAを水中に遊離することができる。長鎖DNAは配列が既知であるため、あらかじめターゲットとなる領域に対してプライマーを合成しておくことができる。
遊離した長鎖DNAを鋳型としてPCR反応を行い、増幅されたDNA量の定量を行えば、間接的に固相に結合した被殻の量を測定することができる。このとき、あらかじめ被殻の量を顕微鏡検査により定量してある標準液に対しても同様の操作を行い、検量線を作製する。
この方法を使えば、単純なPCR法を用いた実験でも、数十個単位の被殻を定量的に検出することが可能であった。さらに高感度なリアルタイムPCR法などを導入すれば、数個単位、理論的には1個の被殻でも検出可能である。
また、固相となる磁性シリカビーズは、pHの変化によって当該DNAを吸着し、溶出する性質を持つメルク社のMagPrep(R)Silicaなども使用可能である。このMagPrep(R)Silicaは、酸性条件下でDNAを吸着し、pH8以上のアルカリ条件下でDNAを遊離する性質を持つので、中性の水を使ってもDNAは遊離することはないため、固相の洗浄、保存に適している。
【0029】
4.方法(5)の効果(意義)
磁性金属球にシリカコートしたシリカコートビーズ(磁性ビーズとも言う)に充分量の短鎖DNAをあらかじめコートし、これに配列既知の短鎖DNAを使って被殻をコート短鎖DNAとサンドイッチすることが可能である。これは、ポリクローナル抗体や複数種類のモノクローナル抗体を使って抗原をサンドイッチして定量的に検出する非競合法と同じ原理を有する。
2次的に反応する配列既知の短鎖DNAの量は、固相となる前記の磁性ビーズに結合した被殻の量に比例して増加する。洗浄により未反応の短鎖DNAを取り除いた後、固相にトラップされた被殻と2次的に結合した短鎖DNAをそのまま別のチューブに移し、PCR反応を行う。2次的な短鎖DNAは配列が既知であるため、あらかじめターゲットとなる領域に対してプライマーを合成しておくことができる。また、固相にあらかじめ結合する短鎖DNAとは配列の全く異なるものを使用する。
固相として使う短鎖DNAをコートしたシリカコートビーズは、粒径が2~4μlであるため、これらと一緒にPCR反応を行っても、反応の妨げにはならない。
PCR増幅されたDNA量の定量を行えば、間接的に固相に結合した被殻の量を測定することができる。このとき、あらかじめ被殻の量を顕微鏡検査により定量してある標準液に対しても同様の操作を行い、検量線を作製する。
サンドイッチする2次的な短鎖DNAは、長鎖DNAよりも分子量(分子構造)が小さいため、被殻に結合する量は、長鎖DNAよりも多くなることが実証されている。したがって、さらに高感度なリアルタイムPCR法などを導入すれば、数個単位、理論的には1個の被殻でも検出可能である。
【0030】
5.方法(6)の効果(意義)
充分量の短鎖DNAをあらかじめコートしたシリカコートの磁性ビーズとビオチン、蛍光標識した短鎖DNAを使って被殻をサンドイッチすることが可能である。これは、ポリクローナル抗体や複数種類のモノクローナル抗体を使って抗原をサンドイッチして定量的に検出する非競合法と同じ原理を有する。
2次的に反応するビオチン、蛍光標識した短鎖DNAの量は、固相となる磁性ビーズに結合した被殻の量に比例して増加する。洗浄により未反応のビオチン、蛍光標識した短鎖DNAを取り除いた後、固相にトラップされた被殻と2次的に結合した短鎖DNAに標識されたビオチン、蛍光量を適当な基質、或いは、測定装置を使って測定する。
被殻に結合したビオチン、蛍光標識したDNAは既存の発色法を使って測定することができる。標識されたビオチンは、アルカリフォスファターゼやベータガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼなどの酵素を標識したスレプトアビジンとそれぞれの酵素に対応した基質とを組み合わせて使用される。蛍光基質を使った蛍光測定法の方が一般的にはより高感度に測定できる
ビオチン、蛍光標識した短鎖DNAの量の定量を行えば、間接的に固相に結合した被殻の量を測定することができる。このとき、あらかじめ被殻の量を顕微鏡検査により定量してある標準液に対しても同様の操作を行い、検量線を作製する。
また、固相となる磁性シリカビーズは、pHの変化によってDNAを吸着し、溶出する性質を持つメルク社のMagPrep(R)Silicaなども使用可能である。このMagPrep(R)Silicaは、酸性条件下でDNAを吸着し、pH8以上のアルカリ条件下でDNAを遊離する性質を持つので、中性の水を使ってもDNAは遊離することはないため、固相の洗浄、保存に適している。さらに、被殻に結合した短鎖DNAも水中には遊離しないため、ビオチンや蛍光色素、或いは、各種酵素を標識したストレプトアビジンなどを変性させることなく穏和な条件下で反応を完成させ、測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明方法(1)の実施例1の珪藻類の検出方法を示す概略工程図である。
【図2】本発明方法(2)の実施例2の珪藻類の検出方法を示す概略工程図である。
【図3】本発明方法(3)の実施例3の珪藻類の検出方法を示す概略工程図である。
【図4】本発明方法(4)の実施例4の珪藻類の検出方法を示す概略工程図である。
【図5】本発明方法(5)の実施例5の珪藻類の検出方法を示す概略工程図である。
【図6】本発明方法(6)の実施例6の珪藻類の検出方法を示す概略工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の前記各検出の方法(1)~(6)を実施するための態様は次の表1及び図1~図6に記載の通りである。尚、シリカコートビーズを単にシリカビーズと略称する。

【0033】
【表1】
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【実施例1】
【0034】
本例は前記特徴の方法(1)の実施例であり、具体的な技術条件と効果を表2にて紹介する。
【実施例1】
【0035】
【表2】
JP0005750796B2_000003t.gif
【実施例2】
【0036】
本例は前記特徴の方法(2)と(3)の実施例であり、具体的な技術条件と効果を表3にて紹介する。
【実施例2】
【0037】
【表3】
JP0005750796B2_000004t.gif
【実施例3】
【0038】
本例は前記特徴の方法(4)の実施例であり、具体的な技術条件と効果を表4にて紹介する。
【実施例3】
【0039】
【表4】
JP0005750796B2_000005t.gif
【実施例4】
【0040】
本例は前記特徴の方法(5)の実施例であり、具体的な技術条件と効果を表5にて紹介する。
【実施例4】
【0041】
【表5】
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【実施例5】
【0042】
本例は前記特徴の方法(6)の実施例であり、具体的な技術条件と効果を表6にて紹介する。
【実施例5】
【0043】
【表6】
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【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の検出方法は、法医学分野において溺死体の検証に不可欠な臓器からの珪藻類の検出に活用され貢献すること多大なものがある。具体的には、従来壊機した各臓器からの珪藻類の検出は、夾雑物の残存により困難な場合も多く見られたが、本発明の長鎖DNAを被殻とシリカビーズの介入剤として使う形態観察法を用いれば、簡単な操作で清浄な標本を作製できるばかりではなく、染色した状態で検鏡検察することができる。特に、特段の技術、高価な装置なども必要とせず、すぐれた溺死の証明法としてすぐにでも実用可能である。
また、この方法は、溺死の証明法にとどまらず、海中、河川、湖沼などに棲息するすべての珪藻類の検出に応用可能であることから、生物学実験、環境測定など様々な分野に応用可能である。
シリカビーズにDNAを介して被殻が結合するという特性を利用すれば、これまで大量の水から遠心操作で濃縮して集めていた珪藻類を、特異的選択的に水中から取り出すことが可能になる可能性がある。これは、特に珪藻類の密度が低い水や海水からの珪藻類の採取に有効である。海水から珪藻類を採取する場合、その塩濃度の高さにより、集めた珪藻類を真水に置換する遠心操作を何度も繰り返さなければならないが、この方法を使えばシリカビーズに結合した珪藻類をビーズにトラップしたまま簡単に洗浄することができる。
被殻をDNAを介して固相に固定化し、配列既知の長・短鎖DNAやビオチン、蛍光標識した短鎖DNAでサンドイッチして定量する方法は、珪藻類の新たな定量法として新しい分野を切り開くものと期待される。
特に、これまで低濃度の珪藻類の定量は想定されていなかったと思われるが、結合したDNAはPCR法を使って何万倍にも増幅して検出することができるので、わずかな量しか存在しない溶液中からも高感度に検出することができる。また、ビオチンなどで標識したDNAは、酵素標識されたストレプトアビジンと特異的な基質の組み合わせによって高感度に測定できることは周知の通りである。
これらの技術は、これまで形態的な観察、証明に頼っていた溺死証明法に新しい概念をもたらすものであり、今後その活用が期待される。
さらに、珪藻類の密度が低い水や海水からも珪藻類の定量化が可能となれば、これまで煩雑な操作と多大な労力が必要とされてきた環境測定や生物測定に貢献すること多大なものがある。














図面
【図1】
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【図2】
1
【図3】
2
【図4】
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【図5】
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【図6】
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