TOP > 国内特許検索 > 自動潅水方法及びその装置 > 明細書

明細書 :自動潅水方法及びその装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5850360号 (P5850360)
公開番号 特開2012-196180 (P2012-196180A)
登録日 平成27年12月11日(2015.12.11)
発行日 平成28年2月3日(2016.2.3)
公開日 平成24年10月18日(2012.10.18)
発明の名称または考案の名称 自動潅水方法及びその装置
国際特許分類 A01G  27/00        (2006.01)
FI A01G 27/00 504B
A01G 27/00 502K
A01G 27/00 504Z
請求項の数または発明の数 4
全頁数 10
出願番号 特願2011-062762 (P2011-062762)
出願日 平成23年3月22日(2011.3.22)
審査請求日 平成26年3月12日(2014.3.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明者または考案者 【氏名】長崎 裕司
【氏名】吉川 弘恭
【氏名】川嶋 浩樹
個別代理人の代理人 【識別番号】100064908、【弁理士】、【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100108578、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 詔男
【識別番号】100089037、【弁理士】、【氏名又は名称】渡邊 隆
【識別番号】100094400、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 三義
【識別番号】100107836、【弁理士】、【氏名又は名称】西 和哉
【識別番号】100108453、【弁理士】、【氏名又は名称】村山 靖彦
審査官 【審査官】坂田 誠
参考文献・文献 特開平9-224507(JP,A)
特開2004-201583(JP,A)
特開平1-191623(JP,A)
調査した分野 A01G 27/00
特許請求の範囲 【請求項1】
原水タンクと拍動タンクとの間に、該拍動タンクの容量を越えた水を前記原水タンクへ戻す管が設けられ、ソーラーパネルから電力の供給を受けて動作する原水供給ポンプを備える自動潅水装置において、前記拍動タンク内に貯留した水を、点滴チューブを介して栽培ベッドに供給する自動潅水方法であって、
前記栽培ベッドからの排液を貯留する排液タンク内の水量を検出し、その検出結果に基づき、前記拍動タンクから点滴チューブへの給液を制御して栽培ベッドに供給し、
前記原水タンクから前記拍動タンクへの水の供給前記原水供給ポンプにより行うことを特徴とする自動潅水方法。
【請求項2】
前記排液タンク内の水量は、高水位であることを検出する満水側スイッチと、低水位であることを検出する空側スイッチからの信号に基づき検出し、前記空側スイッチが水位低下を検出した場合に前記拍動タンクから栽培ベッドへの水供給を行い、前記満水側スイッチが高水位を検出したONの場合に前記拍動タンクから栽培ベッドへの水供給を停止することを特徴とする請求項1に記載の自動潅水方法。
【請求項3】
拍動タンク内に貯留した水を、点滴チューブを介して栽培ベッドに供給する自動潅水装置であって、
前記栽培ベッドからの排液を貯留する排液タンクと、
該排液タンク内に貯留された排液の水位を検出する水位検出手段と、
該水位検出手段での検出結果に基づき、前記拍動タンク内に貯留した水を、点滴チューブを介して栽培ベッドに供給する給液手段と、
前記拍動タンクへ供給すべき水を貯留する原水タンクと、
ソーラパネルから電力の供給を受けて動作し、前記原水タンクから拍動タンクへ水を供給する原水供給ポンプと、
前記拍動タンクと原水タンクとの間に設けられ、該拍動タンクの容量を越えて前記原水供給ポンプから拍動タンクへ送り込まれた水を前記原水タンクへ戻す管と、を有することを特徴とする自動潅水装置。
【請求項4】
前記水位検出手段は、前記排液タンク内の水量が高水位であることを検出する満水側スイッチと、低水位であることを検出する空側スイッチとを有し、
前記給液手段は、前記水位検出手段からの信号に基づき検出し、前記空側スイッチが水位低下を検出したONの場合に前記拍動タンクから栽培ベッドへの水供給を行い、また、前記満水側スイッチが高水位を検出したONの場合に前記拍動タンクから栽培ベッドへの水供給を停止することを特徴とする請求項3に記載の自動潅水装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、点滴潅水を行う自動潅水方法及びその装置に係り、作物の生育段階に応じた細かな給水を可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
温暖寡雨地域において高収益及び安定した園芸作物の生産を実現するためには、低コストで省力的な節水型潅水・施肥システムの開発が求められている。
一般的な日射制御型の拍動自動潅水装置は、ナスやキク等の露地野菜・花栽培に利用され、全国に広く普及しているが、課題として、施設園芸における高設栽培など、培地量が比較的少ない栽培条件において、生育に応じた給水量制御を高精度で行う必要がある。
【0003】
このような自動潅水装置としては、以下の特許文献1~3が知られている。
特許文献1に示される「間欠式自動潅水装置」では、ソーラーパネルで発生した電力でモーターポンプを駆動して、水源の水を汲み上げて貯水タンクに貯水した後、貯水タンク内の水を、排水手段によりチューブ潅水系に連続的に排水する。そして、このようなサイクルを日射量に比例して繰り返すことで、チューブ潅水系を通じて、水源の水を潅水場所へ案内する。
【0004】
また、上記特許文献1以外にも、特許文献2~4に示される潅水装置、非特許文献1に示される「ソーラーパネルを利用した養液栽培装置」が知られている。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2004-201583号公報
【特許文献2】特開平8-238031号公報
【特許文献3】特開平9-189287号公報
【特許文献4】特開2007-244242号公報
【0006】

【非特許文献1】太陽光発電を利用したトマトの小電力型養液栽培装置(2004)平成15年度近畿中国四国農業研究成果情報、京都府農業総合研究所
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に示される自動潅水装置では、ソーラーパネルで駆動される小流量のソーラーポンプで日射量に応じた量で揚水し、貯水タンク(拍動タンク)内に一定量貯めて一気に排出する少量多頻度潅水を行っている。この貯水クンクには水位センサが取り付けられており、水位スイッチの満水側がONになると、バルブ制御装置により潅水配管の途中に付けられた電磁弁が閉いて点滴チューブに自動的に給水され、一方、水位スイッチの空側がONになると、電磁弁が閉じられ再び貯水タンクに水が貯められ、日射がある間は、以降同様の動作を繰り返して間欠的に潅水を行うようにしている。
【0008】
ところで、潅水において、養液土耕など作物が生育するのに十分な培地量が確保できる場合には、生育に応じた潅水量の変動はある程度の幅があっても大丈夫だが、高設栽培など培地量が少ない栽培様式では高い精度で給水量設定を行う必要がある。
しかしながら、上記自動潅水装置は、ソーラーパネルで駆動される小流量のソーラーポンプで日射量に応じた量で揚水し、貯水タンク内の水位スイッチの満水側がONになると、電磁弁が閉いて点滴チューブに自動的に給水される方式、すなわち、日照量に応じて給水量が調整される方式であるので、培地に十分な水分があるのに追加して給水される、又は培地の水分が不足していても給水がなされない恐れもある。また、高設栽培では、作物に萎れや生育の停滞を生じさせないよう、給水量の10%程度の排液が出るよう余分に給水することが望ましいとされ、作物の生育段階に応じて給水量を段階的に増やしていく必要があるが、上記自動潅水装置では、このような細かい給水制御ができないという問題があった。
【0009】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、日照量に対応しながらも、簡易な構成及び方式により高設栽培での作物の生育状況に応じた最適量の給水を行ない、かつ排液も最小限に抑えることができる低コストの自動潅水方法及びその装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、拍動タンク内に貯留した水を、点滴チューブを介して栽培ベッドに供給する自動潅水方法に組み込み、前記栽培ベッドからの排液を貯留する排液タンク内の水量を検出し、その検出結果に基づき、前記拍動タンク内に貯留した水を、点滴チューブを介して栽培ベッドに供給することを特徴とする。
【0011】
そして、本発明の自動潅水方法によれば、栽培ベッドからの排液を貯留する排液タンク内の水量を検出し、その検出結果に基づき、拍動タンク内に貯留した水を、点滴チューブを介して栽培ベッドに供給する。すなわち、日照量に対応しながらも、高設栽培での作物の生育状況に応じた栽培ベッドからの排液量の検出に基づき、該栽培ベッドへの最適な給水を行うことが可能となる。また、栽培ベッドからの排液を貯留する排液タンク内の水量を検出し、その検出結果に基づき、拍動タンク内に貯留した水を、点滴チューブを介して栽培ベッドに供給するという簡易な方式により、高設栽培での作物の生育状況に応じた最適量の給水を行なうことができ、かつ排液も最小限に抑えることができ、低コストな栽培管理が可能となる。
また、前記排液タンク内の水量は、高水位であることを検出する満水側スイッチと、低水位であることを検出する空側スイッチからの信号に基づき検出し、空側スイッチが水位低下を検出したONの場合に前記拍動タンクから栽培ベッドへの水供給を行い、また、満水側スイッチが高水位を検出したONの場合に前記拍動タンクから栽培ベッドへの水供給を停止するようにしたので、これら満水側スイッチ及び空側スイッチを適宜、最適な高さ位置に設けることで、排液を最小限に抑える給水管理も可能となり、この点においても低コスト化を図ることができる。
また、前記拍動タンクへの水供給は、ソーラーパネルからの電力供給により動作する原水給液ポンプにより行うことで、外部からの電力供給も不要な構成も選択でき、配線といった設備面での構造簡素化も可能となる。
【0012】
また、本発明は、拍動タンク内に貯留した水を、点滴チューブを介して栽培ベッドに供給する自動潅水装置であって、前記栽培ベッドからの排液を貯留する排液タンクと、該排液タンク内に貯留された排液の水位を検出する水位検出手段と、該水位検出手段での検出結果に基づき、前記拍動タンク内に貯留した水を、点滴チューブを介して栽培ベッドに供給する給液手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の自動潅水装置によれば、栽培ベッドからの排液を貯留する排液タンクと、該排液タンク内に貯留された排液の水位を検出する水位検出手段と、該水位検出手段での検出結果に基づき、前記拍動タンク内に貯留した水を、点滴チューブを介して栽培ベッドに供給する給液手段と、を有するように構成したので、水位検出手段により、栽培ベッドからの排液を貯留する排液タンク内の水量を検出し、その検出結果に基づき、給液手段により、拍動タンク内に貯留した水を、点滴チューブを介して栽培ベッドに供給することができる。すなわち、本発明では、排液タンク、水位検出手段、給液手段という構成により、日照量に関係なく、高設栽培での作物の生育状況に応じた栽培ベッドからの排液量の検出に基づき、該栽培ベッドへの最適な給水を行うことが可能となる。また、栽培ベッドからの排液を貯留する排液タンク内の水量を検出し、その検出結果に基づき、拍動タンク内に貯留した水を、点滴チューブを介して栽培ベッドに供給するという簡易な構成により、高設栽培での作物の生育状況に応じた最適量の給水を行なうことができ、かつ排液も最小限に抑えることができ、低コストな栽培管理が可能となる。
また、前記水位検出手段は、前記排液タンク内の水量が高水位であることを検出する満水側スイッチと、低水位であることを検出する空側スイッチとを有し、前記給液手段は、前記水位検出手段からの信号に基づき検出し、前記空側スイッチが水位低下を検出したONの場合に前記拍動タンクから栽培ベッドへの水供給を行い、また、前記満水側スイッチが高水位を検出したONの場合に前記拍動タンクから栽培ベッドへの水供給を停止するように構成したので、これら水位検出手段の満水側スイッチ及び空側スイッチを適宜、最適な高さ位置に設けることで、排液を最小限に抑える給水管理も可能となり、この点においても低コスト化を図ることができる。
また、前記拍動タンクから栽培ベッドへの水供給は、ソーラーパネルからの電力供給により動作する原水給液ポンプにより行うことで、外部からの電力供給も不要な構成も選択でき、配線といった設備面での構造簡素化も可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、日照量に応じた量の水を栽培ベッドに供給するとともに、高設栽培での作物の生育状況に応じた栽培ベッドからの排液量の検出に基づき、過剰な給水を判別して給水を停止することにより、該栽培ベッドへの最適な給水を行うことが可能となる。また、栽培ベッドからの排液を貯留する排液タンク内の水量を検出し、その検出結果に基づき、拍動タンク内に貯留した水を、点滴チューブを介して栽培ベッドに供給するという簡易な方式により、高設栽培での作物の生育状況に応じた最適量の給水を行なうことができ、かつ排液も最小限に抑えることができ、低コストな栽培管理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】拍動タンク及び排液タンク内の水が低水位(空の状態を含む)になっている状態を示す概略構成図である。
【図2】拍動タンク及び排液タンク内の水が高水位(満水の状態を含む)になっている状態を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に関する自動潅水方法及びその装置の実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。

【0017】
図1において、符号1で示すものは、貯水タンクを構成する拍動タンクであって、既定の高さ位置に設けられている。この拍動タンク1の近傍には原水タンク2が設置されており、該原水タンク2と拍動タンク1との間には、原水供給管3が設けられている。

【0018】
前記原水供給管3の途中には、原水給液ポンプ4及び給液バルブ5が設けられている。これら原水給液ポンプ4はソーラーパネルSを電源とし、日射量に応じた水量を原水タンク2から拍動タンク1に供給する。
また、前記拍動タンク1には、該拍動タンク1内の水位を検出するための拍動タンク水位検出手段10が設けられている。

【0019】
この拍動タンク水位検出手段10は、拍動タンク1内の水量が高水位であることを検出する満水側スイッチ10Aと、低水位であることを検出する空側スイッチ10Bとを有し、前記原水供給制御装置C1は、該拍動タンク水位検出手段10からの信号に基づき検出し、空側スイッチ10Bが低水位を検出したONの場合(図1参照)に拍動タンク1から点滴チューブ20への水供給を停止し、また、満水側スイッチ10Aが高水位を検出したONの場合(図2参照)に拍動タンク1から点滴チューブ20への水供給を行う。これによって拍動タンク1内に常に水が貯留されている状態を維持する。

【0020】
なお、拍動タンク水位検出手段10の満水側スイッチ10A及び空側スイッチ10Bは、拍動タンク1の容量等に応じて適宜、その設置高さが設定される。このとき、
満水側スイッチ10Aは拍動タンク1が満水となる位置の他、高水位となる位置で設置しても良く、また、空側スイッチ10Bは、拍動タンク1が空となる位置の他、低水位となる位置で設置しても良い。また、前記拍動タンク1の上部には、該拍動タンク1から溢れた水を前記原水タンク2に戻すためのオーバーフロー管6が設けられている。

【0021】
図1において、符号Bで示すものは高設栽培ベッドであって、該高設栽培ベッドBの上方には、苗床に水を供給するための点滴チューブ20が配置されている。
この点滴チューブ20には給液管21が接続されている。この給液管21は、拍動タンク1と点滴チューブ20との間に配置されるものであって、その途中には、給液ポンプ22と給液バルブ23とが設けられている。
これら給液ポンプ22は、原水供給制御装置C1からの制御信号により動作され、給液バルブ23は、給液制御装置C2からの制御信号により動作される(後述する)。

【0022】
前記高設栽培ベッドBの下方には、該高設栽培ベッドBから溢れた水を貯留する排液タンク30が設けられ、この排液タンク30には、該排液タンク30内の水位を検出するための排液タンク水位検出手段31が設けられている。

【0023】
この排液タンク水位検出手段31は、排液タンク30内の水量が高水位であることを検出する満水側スイッチ31Aと、低水位であることを検出する空側スイッチ31Bとを有し、前記給液制御装置C2では、該排液タンク水位検出手段31からの信号に基づき検出し、空側スイッチ31Bが低水位を検出したONの場合(図1参照)に拍動タンク1から点滴チューブ20への水供給を行い、また、満水側スイッチ31Aが高水位を検出したONの場合(図2参照)に拍動タンク1から点滴チューブ20への水供給を停止する。
これによって高設栽培ベッドBで消費されず排液タンク30に貯留された排水量が、常に一定量を維持するように水供給量を制御する、換言すれば、高設栽培ベッドBでの植物の水消費量に応じた点滴チューブ20への水供給が可能となる。
なお、排液タンク水位検出手段31の満水側スイッチ31A及び空側スイッチ31Bは、排液タンク30の容量等に応じて適宜、その設置高さが設定される。また、
このとき、満水側スイッチ31Aは排液タンク30が満水となる位置の他、高水位となる位置で設置しても良く、また、空側スイッチ31Bは、排液タンク30が空となる位置の他、低水位となる位置で設置しても良い。また排液タンク30には排液ポンプ32が設けられていて、所定の条件で排液タンク30内の排水を外部へ、あるいは、原水タンク2へ排出する。なお前記原水供給ポンプ4は、ソーラーパネルSから供給される電力によって、日照量に応じた量の水を原水タンク2から拍動タンク1へ供給するが、これ以外の機器、すなわち、給液バルブ5,給液ポンプ22、給液バルブ23、排液ポンプ32、および各種のスイッチ、センサ、制御機器(10、31、C1、C2等)は、バッテリーや商用電源から電源の供給を受け、制御装置C1あるいはC2からの制御信号を受けて動作するようになっている。

【0024】
〔原水供給制御装置C1による原水タンク2から拍動タンク1への給水処理〕

ソーラーパネルSに太陽エネルギーが供給されると、ソーラーパネルSから供給される電力によって原水供給ポンプ4が動作し、受光された太陽エネルギーの量に応じた量の原水が原水タンク2から拍動タンク1へ水が供給される。なお、オーバーフロー管6の位置を越えて原水が供給されると、オーバーフローした原水はオーバーフロー管6を経由して原水タンク2へ戻される。原水供給ポンプ4が継続的に動作して拍動タンク1内の水位が上昇し、満水側スイッチ10Aがこれを検出すると、給液ポンプ22が動作し、また、バルブ23が開放されて拍動タンク1内の水が点滴チューブ20へ供給される。拍動タンク1内の水が点滴チューブ20に供給されることで減少しても、晴天日には日射量に応じてソーラーパネルからの電力で駆動される原水供給ポンプ4が駆動されていることから、拍動タンク推移検出手段10の空側スイッチ10Bが低水位を検出してONになるまで(図1参照)、給水ポンプ22により水供給は継続される。空側スイッチ10BがONになって低水位が検出されると給水ポンプ22が停止し、原水供給ポンプ4からの水供給で拍動タンク1内の水位が上昇し、満水側スイッチ10Aが高水位を検出してONになると、再び給水ポンプ22が駆動して拍動タンク1から点滴チューブ20への水供給が行われる。

【0025】
〔給液制御装置C2による拍動タンク1から高設栽培ベッドBへの給水処理〕
排液タンク水位検出手段31の空側スイッチ31Bが低水位を検出したONの場合(図1参照)に、給液バルブ23を開放して拍動タンク1から点滴チューブ20への水供給を行い、また、満水側スイッチ31Aが高水位を検出したONの場合(図2参照)に、給液バルブ23を閉鎖して拍動タンク1から点滴チューブ20への水供給を停止する。なお、給水ポンプ22として、所定以上の吐出圧力を検出する圧力スイッチを内蔵したポンプを利用することで、給液バルブが閉鎖されると同時にポンプは自動的に停止する。
なお、晴天日には原水供給ポンプ4から拍動タンク1への水供給は継続されるが、拍動タンク1にはオーバーフロー管6が設けられているため、拍動タンク1から溢れた水は原水タンク2に速やかに戻される。
これによって高設栽培ベッドBで消費されず排液タンク30に貯留された排水量が、常に一定量を維持するように水供給量を制御する、すなわち、高設栽培ベッドBにおける植物の水消費量に応じた点滴チューブ20への水供給が可能となる。
なお、給液ポンプ22を通じて高設栽培ベッドBに常に適正量の水が供給されるように、排液タンク30内の排液は、排水ポンプ32により、例えば点滴チューブ20への水供給の回数、又は設定した一定時間毎等の条件で外部に排水すると良い。また、このとき、排水ポンプ32を通じて排出した排液タンク30内の排液は、別途設けた管路及び点滴チューブ(図示略)により、高設栽培ベッドBに供給して再利用しても良い。

【0026】
以上詳細に説明したように本実施形態に示される自動潅水方法によれば、高設栽培ベッドBからの排液を貯留する排液タンク30内の水量を検出し、その検出結果に基づき、拍動タンク1内に貯留した水を、点滴チューブ20を介して高設栽培ベッドBに供給する。すなわち、日照量に対応しながらも、高設栽培での作物の生育状況に応じた高設栽培ベッドBからの排液量の検出に基づき、該高設栽培ベッドBへの最適な給水を行うことが可能となる。また、高設栽培ベッドBからの排液を貯留する排液タンク30内の水量を検出し、その検出結果に基づき、拍動タンク1内に貯留した水を、点滴チューブ20を介して高設栽培ベッドBに供給するという簡易な方式により、高設栽培での作物の生育状況に応じた最適量の給水を行なうことができ、かつ排液も最小限に抑えることができ、低コストな栽培管理が可能となる。

【0027】
また、上記自動潅水方法が採用された自動潅水装置では、高設栽培ベッドBからの排液を貯留する排液タンク30と、該排液タンク30内に貯留された排液の水位を検出する排液タンク水位検出手段31と、該排液タンク水位検出手段31での検出結果に基づき、前記拍動タンク1内に貯留した水を、点滴チューブ20を介して高設栽培ベッドBに供給する給液ポンプ22及び給液バルブ23と、を有するように構成したので、排液タンク水位検出手段31により、高設栽培ベッドBからの排液を貯留する排液タンク30内の水量を検出し、その検出結果に基づき、給液ポンプ22及び給液バルブ23により、拍動タンク1内に貯留した水を、点滴チューブ20を介して高設栽培ベッドBに供給することができる。
すなわち、上記自動潅水方法及びその装置では、排液タンク30、排液タンク水位検出手段31、給液ポンプ22及び給液バルブ23という簡易な構成により、日照量に対応しながらも、高設栽培での作物の生育状況に応じた高設栽培ベッドBからの排液量の検出に基づき、該高設栽培ベッドBへの最適な給水を行うことが可能となる。

【0028】
また、高設栽培ベッドBからの排液を貯留する排液タンク30内の水量を検出し、その検出結果に基づき、拍動タンク1内に貯留した水を、点滴チューブ20を介して高設栽培ベッドBに供給するという簡易な構成により、高設栽培での作物の生育状況に応じた最適量の給水を行なうことができ、かつ排液も最小限に抑えることができ、低コストな栽培管理が可能となる。

【0029】
また、前記排液タンク水位検出手段31は、前記排液タンク30内の水量が高水位であることを検出する満水側スイッチ31Aと、低水位であることを検出する空側スイッチ31Bとを有し、前記給液ポンプ22及び給液バルブ23は、前記排液タンク水位検出手段31からの信号に基づき検出し、前記空側スイッチ31Bが水位低下を検出したONの場合に前記拍動タンク1から高設栽培ベッドBへの水供給を行い、また、前記満水側スイッチ31Aが高水位を検出したONの場合に前記拍動タンク1から高設栽培ベッドBへの水供給を停止するように構成したので、これら排液タンク水位検出手段31の満水側スイッチ31A及び空側スイッチ31Bを適宜、最適な高さ位置に設けることで、排液を最小限に抑える給水管理も可能となり、この点においても低コスト化を図ることができる。
また、前記拍動タンク1から高設栽培ベッドBへの水供給は、商用電源またはバッテリーを電源として開閉動作する給液バルブ23で制御されており、拍動タンクを1.5~2mの高い位置に設置することで、水の移送を水位差だけで行え給液ポンプ22を省略することができ、外部からの電力供給が不要で配線といった設備面での構造簡素化も可能な仕組みが構成できる。

【0030】
〔実施例〕
実際に高設栽培ベッド(長さ12m)でのトマト栽培に適用した事例では、約10L貯水されると満水側の水位スイッチがONとなるよう設定された排液タンク(30)を用いて実験を行った。給液は、小型の給液ポンプ(22)により点滴チューブ(20)を介して行ったが、このとき、空側の水位スイッチ(31B)が入り次第、給液ポンプ(22)により給液が再開されることを確認した。なお、トマト定植後の約2ケ月間(トマト草丈は約1m)で、ソーラーポンプのバルブ調節を行う必要はなかった。また、トマト栽培は培地にあらかじめ肥効調節型肥料を供給し、自動潅水装置からは水のみを給液するようにしたが、排液タンク(30)内の排液を再給液する方式でもトマトの生育に問題はなかった。

【0031】
なお、上記実施形態では、排液タンク水位検出手段31として満水側スイッチ31A及び空側スイッチ31Bという2個のスイッチを使用したが、このようなスイッチにフロートを組み合わせて、満水側スイッチ31A又は空側スイッチ31BをONしても良い。
また、排液タンク水位検出手段31として満水側スイッチ31A及び空側スイッチ31Bを用いることなく、水位センサを用いて満水又は空を検出しても良い。

【0032】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、点滴潅水を行う自動潅水方法及びその装置に係り、作物の生育段階に応じた細かな給水を可能とする技術に関する。
【符号の説明】
【0034】
1 拍動タンク
2 原水タンク
20 点滴チューブ
21 給液管
22 給液ポンプ(給液手段)
23 給液バルブ(給液手段)
30 排液タンク
31 排液タンク水位検出手段
31A 満水側スイッチ
31B 空側スイッチ
C2 給液制御手段(給液手段)
B 高設栽培ベッド(栽培ベッド)
S ソーラーパネル
図面
【図1】
0
【図2】
1