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明細書 :附子の子芋分離装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5679311号 (P5679311)
公開番号 特開2012-196187 (P2012-196187A)
登録日 平成27年1月16日(2015.1.16)
発行日 平成27年3月4日(2015.3.4)
公開日 平成24年10月18日(2012.10.18)
発明の名称または考案の名称 附子の子芋分離装置
国際特許分類 A23N  15/00        (2006.01)
FI A23N 15/00 Z
請求項の数または発明の数 5
全頁数 11
出願番号 特願2011-063581 (P2011-063581)
出願日 平成23年3月23日(2011.3.23)
審査請求日 平成26年1月14日(2014.1.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明者または考案者 【氏名】村上 則幸
【氏名】高橋 洋幸
個別代理人の代理人 【識別番号】110000383、【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
審査官 【審査官】宮崎 賢司
参考文献・文献 実開平02-023497(JP,U)
実開平01-072090(JP,U)
特開2005-192523(JP,A)
実開昭64-23394(JP,U)
調査した分野 A23N 15/00
A01D 31/00
特許請求の範囲 【請求項1】
地上部の茎が切断されて掘り上げられた附子の株の親芋から子芋を分離する附子の子芋分離装置であって、
前記掘り上げられた附子の株の茎を挟んで該株を一方側から他方側へ搬送する搬送機構部と、
前記搬送機構部によって挟まれた前記株の茎に繋がる子芋側に配設されて前記子芋を前記親芋から分離する分離機構部とを備え、
前記分離機構部は、前記附子の株の搬送方向に沿って回転自在に支持された胴部と、該胴部の外周面の軸方向に所定間隔を有して配設された複数のこぎ歯とを有してなることを特徴とする附子の子芋分離装置。
【請求項2】
前記胴部の外周面の軸方向に配設された複数のこぎ歯は、前記株の搬送方向手前側に配設されたこぎ歯よりも前記株の搬送方向奥側に配設されたこぎ歯の方が固い硬度を有していることを特徴とする請求項1に記載の附子の子芋分離装置。
【請求項3】
前記こぎ歯は、前記胴部の軸方向に隣接する他のこぎ歯に対して略同一方向に延びることを特徴とする請求項1又は2に記載の附子の子芋分離装置。
【請求項4】
前記こぎ歯は、前記搬送機構部によって挟持された株の子芋に対してアップカット方向に回転することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の附子の子芋分離装置。
【請求項5】
前記こぎ歯は、その表面が少なくとも弾性を有するゴム材料で形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の附子の子芋分離装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、地上部の茎が切断されて掘り上げられた附子の株の親芋から子芋を分離する附子の子芋分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
附子(トリカブト)は漢方生薬の原料となり、その多くを中国等の海外に依存している。しかしながら、今年それらの国々では砂漠化防止や資源枯渇防止等のため、野生薬用植物の採取・輸出の規制が進んでおり、漢方生薬の原料の安定供給、リスク分散のために国内生産の強化が望まれるとともに、国内での持続的な薬用植物栽培体系の確立が望まれている。
【0003】
そこで、北海道で附子の作付けが行われているが、附子の子芋を親芋から分離する作業を行う機械の開発がされていないため、この分離作業は手作業で行われている。この附子の子芋の分離作業は作業者にとって重労働であり、国内での持続的な薬用植物栽培体系の確立のネックとなっている。
【0004】
一方、子芋を分離するための近似する技術としては、特許文献1~3に記載されているように、里芋の子芋を分離可能な装置が提案されている。特許文献1に記載の分離装置は、対向配置された一対のコンベア間の隙間を搬送方向に進むに従って狭くして里芋の親芋から子芋を分離するものである。また特許文献2に記載の分離装置は、里芋に振動を繰り返し付与する手段と、里芋に衝撃を付与する手段とを備え、これらの手段によって里芋に振動及び衝撃が付与されるとともに里芋同士がぶつかりあって、親芋と子芋とを分離させるものである。また特許文献3に記載の分離装置は、掘取部によって地中から掘り取られて搬送コンベアによって搬送される里芋を左右から挟み込んで親芋と子芋とを分離させるものである。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開平9-191734
【特許文献2】特開2001-46041
【特許文献3】特開2009-5613
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これら従来の分離装置では、里芋の子芋を分離することができるが、附子の子芋は里芋の子芋と比較して親芋との結合強度がはるかに強いので、これらの分離装置を使用しても附子の子芋を分離することができない。従って、附子の子芋を分離する作業は手作業で行われているのが現状であり、附子の子芋を分離することができる機械の開発が望まれている。
【0007】
本発明は、このような要望に答えるものであり、附子の子芋の分離作業の労力を軽減可能な附子の子芋分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するため、本発明は、地上部の茎が切断されて掘り上げられた附子の株の親芋から子芋を分離する附子の子芋分離装置であって、掘り上げられた附子の株の茎を挟んで該株を一方側から他方側へ搬送する搬送機構部と、搬送機構部によって挟まれた株の茎に繋がる子芋側に配設されて子芋を親芋から分離する分離機構部とを備え、分離機構部は、附子の株の搬送方向に沿って回転自在に支持された胴部(実施の形態におけるこぎ胴23)と、該胴部の外周面の軸方向に所定間隔を有して配設された複数のこぎ歯とを有してなることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
また本発明は、胴部の外周面の軸方向に配設された複数のこぎ歯が、株の搬送方向手前側に配設されたこぎ歯よりも株の搬送方向奥側に配設されたこぎ歯の方が固い硬度を有していることを特徴とする(請求項2)。
【0010】
また本発明のこぎ歯は、胴部の軸方向に隣接する他のこぎ歯に対して略同一方向に延びることを特徴とする(請求項3)。
【0011】
また本発明のこぎ歯は、搬送機構部によって挟持された株の子芋に対してアップカット方向に回転することを特徴とする(請求項4)。
【0012】
さらに本発明のこぎ歯は、その表面が少なくとも弾性を有するゴム材料で形成されていることを特徴とする(請求項5)。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係わる附子の子芋分離装置によれば、掘り上げられた附子の株の茎を挟んで該株を一方側から他方側へ搬送する搬送機構部と、搬送機構部によって挟まれた前記株の茎に繋がる子芋側に配設されて子芋を前記親芋から分離する分離機構部とを備え、分離機構部は、附子の株の搬送方向に沿って回転自在に支持された胴部と、該胴部の外周面の軸方向に所定間隔を有して配設された複数のこぎ歯とを有してなることで、附子の子芋を親芋から分離する作業の労力を軽減可能な附子の子芋分離装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係わる附子の子芋分離装置の正面側の内部構造図を示す。
【図2】この附子の子芋分離装置の側面側の内部構造図を示す。
【図3】本発明の一実施形態に係わる附子の子芋分離装置に設けられるこぎ胴を示し、同図(a)はこぎ胴の正面図であり、同図(b)はこぎ胴の側面図である。
【図4】こぎ胴に装着されるこぎ歯の正面図を示す。
【図5】附子の子芋分離装置に設けられた搬送機構部の正面側の構造図を示す。
【図6】カバー部が設けられた附子の子芋分離装置の正面図を示す。
【図7】カバー部が設けられた附子の子芋分離装置の側面図を示す。
【図8】こぎ胴によって附子の子芋が分離される作用を説明するための子芋分離装置の側面側の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係わる附子の子芋分離装置の一実施形態を図1~図8に基づいて説明する。先ず、附子の子芋分離装置の全体構成について、図1(正面側内部構造図)及び図2(側面側内部構造図)を用いて説明する。附子の子芋分離装置1は、図1及び図2に示すように、地上部の茎が切断されて掘り上げられた附子の株の親芋から子芋を分離する装置であり、載置台3上に設置され、下側から上側に向かって、台座部5、分離機構部20、搬送機構部50を有してなる。

【0016】
台座部5は、分離機構部20とこれを駆動する分離モータ21と搬送機構部50を載せるための台である。台座部5は、矩形状の枠体6の隅部や中間部に複数の脚部7を設けて構成されている。台座部5は、附子の子芋分離装置1の分離機構部20及び搬送機構部50等を設置可能なものであればいかなるものでもよく、板状部材に脚部を設けたものや、箱状に形成されたものでもよい。

【0017】
搬送機構部50は、掘り上げられた附子の株の茎を挟んで株を子芋分離装置1の左右方向左側から右側へ搬送する機能を有する。分離機構部20は搬送機構部50によって挟まれた株の茎に繋がる子芋側に配設されて子芋を親芋から分離する機能を有する。

【0018】
次に、分離機構部20について、図1、図2、図3(a)(正面図)、図3(b)(側面図)、図4(正面図)を用いて説明する。分離機構部20は、図1及び図2に示すように、台座部5上に設置された筐体10内に設けられている。筐体10は、内部が中空な箱状に形成され、平面視において矩形状に形成された底板部11と、底板部11の前部に対して左右方向両側に設けられて略垂直方向に延びる側板部左12L及び側板部右12Rと、底板部11の前部に接続されて側板部左12L及び側板部右12Rに繋がって上下方向に延びる前板部13と、底板部11の後部に接続されて側板部左12L及び側板部右12Rに繋がって上下方向に延びる後板部14とを有してなる。筐体10の上部は開口し、前板部13は後側に傾斜している。

【0019】
分離機構部20は、筐体10内に回転自在に支持されたこぎ胴23と、こぎ胴23を回転させる分離モータ21とを有してなる。こぎ胴23は、側面視において十字状に突出する突出部24aを有して左右方向に延びる胴本体部24と、突出部24aに取り付けられたこぎ歯26とを有してなる。突出部24aは、胴本体部24の軸方向に沿って延び、周方向に隣接する他の突出部24aに対して約90°の角度を有して配設されている。

【0020】
胴本体部24は、その軸方向両端部に胴本体部24の回転中心軸線と同軸上に配置された支軸左27L、支軸右27Rを有している。これらの支軸27は筐体10の側板部左12L及び側板部右12Rに設けられた軸受け15に回転自在に支持されて、胴本体部24は筐体10内に左右方向の延びた状態で回転自在である。

【0021】
胴本体部24の左側に設けられた支軸左27Lは、台座部5の左側に設置された分離モータ21の軸部21aにカップリング等の動力伝達手段29を介して連結されている。このため、分離モータ21が駆動すると、こぎ胴23は搬送機構部50に挟持された附子の株に対してアップカット方向(図2の矢印A方向)に回転する。こぎ胴23の回転方向については後述する。

【0022】
分離モータ21は電動式のモータであり、スイッチ17(図6参照)がON・OFF操作されることで、分離モータ21を駆動及び停止させることができるようになっている。

【0023】
胴本体部24の突出部24aには、図3(a)、図3(b)に示すように、胴本体部24の軸方向に所定間隔を有して放射状に延びる複数のこぎ歯26が設けられている。これらのこぎ歯26は、胴本体部24の軸方向に隣接する他のこぎ歯26に対して略同一方向の延びるように配設されている。また、これらのこぎ歯26は、胴本体部24の周方向に隣接する他の突出部24aに設けられた対応するこぎ歯26と同一の周方向に配設されている。本実施例では、胴本体部24の周方向に4本のこぎ歯24が設けられるとともに、軸方向に11本のこぎ歯26が設けられている。

【0024】
このように、複数のこぎ歯26は、胴本体部24の軸方向に隣接する他のこぎ歯26に対して同一方に延びるように配設されるとともに、胴本体部24の周方向に隣接する他のこぎ歯26と同一周方向に配設されているので、軸方向に隣接するこぎ歯26間に附子の子芋が引っ掛かり易く、親芋からの子芋の分離を容易にしている。

【0025】
またこぎ歯26は、図4に示すように、その全体が弾性を有するようなゴム材料で形成され、円柱状に形成された取付基部26aと、取付基部26aから延びる歯部26bとを有してなる。取付基部26aの内側には矩形状の孔部26cが設けられ、この孔部26cを介してこぎ歯26が胴本体部24の突出部24aに取り付けられるようになっている。

【0026】
こぎ歯26の歯部26aは、先端側が基端側よりも先細になるように形成されるとともに、こぎ歯26の先端は円弧状に形成されている。このため、こぎ歯26が附子の株に接触する際の衝撃は小さくなり、附子の株の損傷が防止されて、附子の株から汁が飛散することはない。なお、こぎ歯26は内部が金属材料で形成され、その外側が弾性を有したゴム材料製のキャップ状部材で挿着されるように構成されたものでもよい。

【0027】
また胴本体部24に設けられた複数のこぎ歯26は、図3(a)に示すように、胴本体部24の軸方向左側に配設されたこぎ歯26よりも胴本体部24の軸方向右側に配設されたこぎ歯26の方が固い硬度を有している。本実施例では、胴本体部24の軸方向中央部よりも左側の複数のこぎ歯26よりも胴本体部24の右側の複数のこぎ歯26の方が固い硬度を有している。なお、こぎ歯26は、胴本体部24の軸方向左側から右側に移動するに従って段階的(複数段)に硬度が固くなるように配置したり、漸次硬度が固くなるように配置したりしてもよい。

【0028】
次に、搬送機構部50について、図1、図2、図5、図6を用いて説明する。搬送機構部50は、図1、図5に示すように、こぎ胴23の上方前側の位置にこぎ胴23の軸心方向に沿って配設された無端のいわゆるローラチェーン51と、ローラチェーン51の下側に沿って配置されて、ローラチェーン51との間に附子の株を挟持する受け部材60、60'とを有してなる。

【0029】
ローラチェーン51は、外リンク52と内リンク53を交互に組み合わせて連結したものである。外リンク52及び内リンク53の各前後方向に配設されたプレート52a、53aの外側端部には係止突起部52c、53cが設けられている。これらの係止突起部52c、53cは、附子の株に接触して株との滑りを抑える。

【0030】
ローラチェーン51は、その右側端部の内側に駆動スプロケット55が歯合し、左側端部の内側に従動スプロケットが歯合して、回転可能に支持されている。駆動スプロケット55は、図2に示すように、筐体10の右側端部に保持された搬送モータ56の駆動軸との間に連結された動力伝達機構部57を介して搬送モータ56と連結されて、搬送モータ56の動力が伝達されるようになっている。搬送モータ56が駆動すると、ローラチェーン51は反時計方向(図5の矢印B参照)に回動する。

【0031】
受け部材60は、図2及び図6に示すように、ローラチェーン51のうちの下側に延びるローラチェーン51に対向して配置されている。受け部材60は前後方向に対向して配置された一対の受け板61、61を備えている。これらの受け板61、61は、前板部13に支持されて上下方向に延びる支軸62に対して上下方向に回動自在に支持されるとともに、支軸62に挿着された圧縮ばね63によってローラチェーン51側に附勢されている。

【0032】
ローラチェーン51の左端の下方に配設された受け部材60の受け板61は、その上端が左側に進むに従ってローラチェーン51から離反するように斜め下方に傾斜して、ローラチェーン51と受け部材60の間への附子の株の挿入を容易にしている。この受け部材60よりも右側に配設された受け部材60'の受け板61は、ローラチェーン51に沿うように直線的に延びて、附子の株の搬送を容易にしている。

【0033】
このローラチェーン51の下側と対向配置された複数の受け部材60,60'は、図2に示すように、これらによって挟持される附子の茎から延びる子芋を親芋から分離することができるように、こぎ胴23の前側上部に配置されている。このこぎ胴23は、前述したようにアップカット方向に回転するので、こぎ胴23がダウンカット方向に回転する場合と比較して、附子の子芋に対するこぎ歯26の作用時間を長くすることができる。このため、親芋から子芋をより効果的に分離することができる。

【0034】
次に、分離機構部20及び搬送機構部50を覆う筐体10及びカバー部について、図1、図2、図6、図7を用いて説明する。前述したように、筐体10は、底板部11、側板部左12L、側板部右12R、前板部13、後板部14とを有して構成されている。側板部左12L、側板部右12R、前板部13、後板部14は、こぎ胴23を囲むようにして上方へ延びるとともに、搬送機構部50によって搬送される附子の株が左側から右側に移動できるように形成されている。

【0035】
また搬送機構部50の上方には、搬送機構部50の前側及び上部を覆うカバー部70が設けられている。このカバー部70の上部は搬送機構部50の前方から後板部14まで延びて、搬送機構部50を覆うとともに、筐体10の上部の開口を覆うように形成されている。このため、こぎ歯26の回転時に、附子の株から附子の汁がまんいち飛散した場合でも、この汁はカバー部70や筐体10によって阻止されて外部に飛散する虞を確実に防止することができる。筐体10の後板部14には、分離機構部20によって分離された子芋を排出する排出口14a(図8参照)が設けられている。

【0036】
次に、附子の子芋分離装置1によって附子の株Kの親芋から子芋cを分離する作用を、図3(a)及び図8を用いて説明する。この子芋分離装置1によって処理される附子は、地上部の茎が切断されて掘り上げられた附子の株Kである。この株Kは、図8に示すように、株Kの茎Kaが搬送機構部50によって挟持されるとともに、茎Kaに繋がる親芋及び子芋cがこぎ胴23側に延びるように向きが変えられた状態で、搬送機構部50に挿入される。搬送機構部50に挿入された附子の株Kは、その茎Kaが搬送機構部50で挟持された状態でこぎ胴23の軸方向左側から右側に搬送される。株Kは搬送されながらアップカット方向(矢印A)に回転するこぎ歯26と接触して、子芋Cが株Kから分離される。分離された子芋cは後板部14の排出口14aから排出される。

【0037】
ここで、附子の子芋cの分離時に、子芋cの分離強度が比較的に強い場合には、図3(a)に示すように、こぎ胴26の左側に設けられたこぎ歯26で分離することがなくても、こぎ胴23の右側に設けられた硬度の固いこぎ歯26によって子芋cを分離することができる。

【0038】
このように本発明に係わる附子の子芋分離装置1によって、附子の子芋cを機械的に分離することができる。このため、附子の子芋分離装置1を使用することで、作業者が手作業で附子の子芋を分離する場合と比較して、作業者の労力を軽減することができる。
【実施例】
【0039】
本発明に係わる附子の子芋分離装置1を使用して、附子の子芋cの分離作業の省力効果の試験を行った。なお、子芋分離装置1の大きさは、高さが1180mm、幅が1300mm、奥行きが450mmである。またこぎ歯26は柔らかい歯と、固い歯の2種類の硬さを順に取り付けた。分離モータ21の出力は、90W(100V)、こぎ胴23の回転数は300rpm(周速度2.3m/s)、ローラチェーン51の送り速度は、220mm/sである。
【実施例】
【0040】
試験は、生産者より搬入されたコンテナ2基分の附子を現地作業員5名と補助作業員により、子芋分離装置1を用いて子芋の分離処理をする場合の作業効率を調べた。作業はコンテナ1,コンテナ2の順に行い、作業時間はコンテナ毎に測定した。試験条件を下記の表1に示す。
【実施例】
【0041】
(表1) 試験条件
JP0005679311B2_000002t.gif
【実施例】
【0042】
作業能率の試験結果を表2に示す。コンテナ内の附子の株は生産者から持ち込まれた土砂の混入した原料である。茎が短く機械で処理できない株が多いため、その分離作業に労力を要した。実際に機械で処理した芋は、コンテナ1,コンテナ2ともに全体の2/3程度であった。そのため、機械使用終了後もそれらの手作業による分離のために20分程度の作業時間を要した。
【実施例】
【0043】
コンテナ2では、機械の使用に慣れたためか、表中の1日の試算での機械処理量に示すように処理量が増大した。時々、ローラチェーン51に株が噛みこみ停止させなければならなかったが、大きなトラブルは発生せず、機械作業はスムースであった。
【実施例】
【0044】
(表2) 作業能率
JP0005679311B2_000003t.gif
【実施例】
【0045】
機械による子芋の分離率については、5分間の株供給量とその間機械から排出される株を2名の作業者が手作業で分離した芋数及び、2年前に調査した株当たりの平均芋数(3,687個/株)より、機械による芋の推定分布率は約80%と推定した。平成21年度は、株数換算で完全分離株割合が63%であり、それに比べて改善された。
【実施例】
【0046】
現地での聞き取り調査では、現在、原料を土砂ぶるいをかけた後、30名の作業者で手作業により、一日3500~4000kgを処理している。機械を導入することにより、それを上回る能率を得ることができた。
【符号の説明】
【0047】
1 附子の子芋分離装置
20 分離機構部
23 こぎ胴(胴部)
26 こぎ歯
50 搬送機構部
c 子芋
K 附子の株
Ka 茎
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7