TOP > 国内特許検索 > 抗HCV薬 > 明細書

明細書 :抗HCV薬

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5672496号 (P5672496)
公開番号 特開2012-232955 (P2012-232955A)
登録日 平成27年1月9日(2015.1.9)
発行日 平成27年2月18日(2015.2.18)
公開日 平成24年11月29日(2012.11.29)
発明の名称または考案の名称 抗HCV薬
国際特許分類 A61K  31/351       (2006.01)
A61P   1/16        (2006.01)
A61P  31/14        (2006.01)
C07D 309/40        (2006.01)
FI A61K 31/351
A61P 1/16
A61P 31/14
C07D 309/40
請求項の数または発明の数 3
全頁数 10
出願番号 特願2011-104236 (P2011-104236)
出願日 平成23年5月9日(2011.5.9)
審査請求日 平成25年9月5日(2013.9.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
発明者または考案者 【氏名】馬場 昌範
【氏名】モハメド タハ アーメッド サリム
【氏名】下茂 徹朗
【氏名】武次 祐樹
個別代理人の代理人 【識別番号】100091096、【弁理士】、【氏名又は名称】平木 祐輔
【識別番号】100118773、【弁理士】、【氏名又は名称】藤田 節
【識別番号】100101904、【弁理士】、【氏名又は名称】島村 直己
審査官 【審査官】澤田 浩平
参考文献・文献 特開昭59-033207(JP,A)
TOLENTINO L,On the nuclear bromination in the kojic acid series.,J Org Chem,1974年,39(15),p.2308-2309
中村政彦ら,複素環構造を持つ新規抗C型肝炎ウイルス(HCV)剤の創製研究,日本薬学会年会要旨集,2010年,130(2),p.102,29TG-am06
調査した分野 A61K31/00-31/80,A61P1/00-43/00

CAplus (STN),
REGISTRY(STN),
MEDLINE (STN),
EMBASE (STN),
BIOSIS (STN),
JSTPlus (JDream),
JMEDPlus(JDream),
JST7580 (JDream),
PubMed
特許請求の範囲 【請求項1】
式I
【化1】
JP0005672496B2_000005t.gif

[式中、Arは、置換又は無置換のアリール基である]
で表される化合物を含有する抗HCV薬。
【請求項2】
アリール基が、フェニル基又は2-ナフチル基である請求項1に記載の抗HCV薬。
【請求項3】
Arが、パラ位が炭素数1~4個のアルキル基、炭素数1~4個のアルコキシ基もしくはハロゲンで置換されたフェニル基、又は無置換の2-ナフチル基である請求項1に記載の抗HCV薬。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、抗C型肝炎ウイルス(HCV)薬に関する。
【背景技術】
【0002】
抗ウイルス化学療法の進歩は、多くのウイルス疾患に対する選択的な抗ウイルス剤の創製を成し遂げ、臨床における有効性も確認されている。しかし、C型肝炎ウイルス(HCV)については、未だ満足な結果が得られていない。HCVのキャリアは世界に1億人近くいると推定され、また、日本のHCVキャリアの数は約160万人で、全人口の1.3%と推定されている。また、毎年3万人が肝硬変で、3千人が肝癌で死亡している。
【0003】
HCVに対しては、既に、インターフェロンとリバビリン(1-[(2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド)との併用療法により、ある程度の治療効果を上げている。しかし、日本に多いウイルスのタイプ(1b)はインターフェロンが効きにくく、また、インターフェロンやリバビリンは高価であり、副作用が強いため治療を中断せざるを得ない場合も多い。したがって、リバビリンよりも副作用が少なく安価である有効な抗HCV薬の開発が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、抗HCV活性を有する多くの薬剤が開発中であるが、薬剤耐性ウイルスの出現や副作用の問題等から、さらに新規な化学構造を有する有効な抗HCV薬の創製と開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明者らは、培養細胞におけるHCV遺伝子複製の抑制を指標として、新規化合物の探索及び構造展開研究を遂行することにより、選択的な抗HCV活性を有する新規骨格の化合物を同定することに成功し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
【0006】
(1)式I
【化1】
JP0005672496B2_000002t.gif
[式中、Arは、置換又は無置換のアリール基である]
で表される化合物を含有する抗HCV薬。
(2)アリール基が、フェニル基又は2-ナフチル基である上記(1)に記載の抗HCV薬。
【発明の効果】
【0007】
本発明における化合物は、高い抗HCV活性を有し、抗HCV薬として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】試験化合物6についてのルシフェラーゼアッセイ及び細胞生存アッセイの測定結果を示すグラフである。
【図2】試験化合物7についてのルシフェラーゼアッセイ及び細胞生存アッセイの測定結果を示すグラフである。
【図3】試験化合物8についてのルシフェラーゼアッセイ及び細胞生存アッセイの測定結果を示すグラフである。
【図4】試験化合物10についてのルシフェラーゼアッセイ及び細胞生存アッセイの測定結果を示すグラフである。
【図5】試験化合物12についてのルシフェラーゼアッセイ及び細胞生存アッセイの測定結果を示すグラフである。
【図6】試験化合物13についてのルシフェラーゼアッセイ及び細胞生存アッセイの測定結果を示すグラフである。
【図7】試験化合物14についてのルシフェラーゼアッセイ及び細胞生存アッセイの測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の抗HCV薬は、式Iで表される化合物を含有する。
【化2】
JP0005672496B2_000003t.gif

【0010】
ここで、式I中、Arは置換又は無置換のアリール基である。置換又は無置換のアリール基としては、置換基を有していても良い炭素数6~24の芳香族基であり、具体的には、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、2-アントリル基、9-アントリル基、2-フルオレニル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ピセニル基、4-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、2-メチルフェニル基、4-エチルフェニル基、3-エチルフェニル基、2-エチルフェニル基、4-n-プロピルフェニル基、4-イソプロピルフェニル基、2-イソプロピルフェニル基、4-n-ブチルフェニル基、4-イソブチルフェニル基、4-sec-ブチルフェニル基、2-sec-ブチルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、3-tert-ブチルフェニル基、2-tert-ブチルフェニル基、4-n-ペンチルフェニル基、4-イソペンチルフェニル基、2-ネオペンチルフェニル基、4-tert-ペンチルフェニル基、4-n-ヘキシルフェニル基、4-(2’-エチルブチル)フェニル基、4-n-ヘプチルフェニル基、4-n-オクチルフェニル基、4-(2’-エチルヘキシル)フェニル基、4-tert-オクチルフェニル基、4-n-デシルフェニル基、4-n-ドデシルフェニル基、4-n-テトラデシルフェニル基、4-シクロペンチルフェニル基、4-シクロヘキシルフェニル基、4-(4’-メチルシクロヘキシル)フェニル基、4-(4’-tert-ブチルシクロヘキシル)フェニル基、3-シクロヘキシルフェニル基、2-シクロヘキシルフェニル基、4-エチル-1-ナフチル基、6-n-ブチル-2-ナフチル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2,4-ジエチルフェニル基、2,3,5-トリメチルフェニル基、2,3,6-トリメチルフェニル基、3,4,5-トリメチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2,5-ジイソプロピルフェニル基、2,6-ジイソブチルフェニル基、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル基、2,5-ジ-tert-ブチルフェニル基、4,6-ジ-tert-ブチル-2-メチルフェニル基、5-tert-ブチル-2-メチルフェニル基、4-tert-ブチル-2,6-ジメチルフェニル基、9-メチル-2-フルオレニル基、9-エチル-2-フルオレニル基、9-n-ヘキシル-2-フルオレニル基、9,9-ジメチル-2-フルオレニル基、9,9-ジエチル-2-フルオレニル基、9,9-ジ-n-プロピル-2-フルオレニル基、4-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、2-メトキシフェニル基、4-エトキシフェニル基、3-エトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、4-n-プロポキシフェニル基、3-n-プロポキシフェニル基、4-イソプロポキシフェニル基、2-イソプロポキシフェニル基、4-n-ブトキシフェニル基、4-イソブトキシフェニル基、2-sec-ブトキシフェニル基、4-n-ペンチルオキシフェニル基、4-イソペンチルオキシフェニル基、2-イソペンチルオキシフェニル基、4-ネオペンチルオキシフェニル基、2-ネオペンチルオキシフェニル基、4-n-ヘキシルオキシフェニル基、2-(2’-エチルブチル)オキシフェニル基、4-n-オクチルオキシフェニル基、4-n-デシルオキシフェニル基、4-n-ドデシルオキシフェニル基、4-n-テトラデシルオキシフェニル基、4-シクロヘキシルオキシフェニル基、2-シクロヘキシルオキシフェニル基、2-メトキシ-1-ナフチル基、4-メトキシ-1-ナフチル基、4-n-ブトキシ-1-ナフチル基、5-エトキシ-1-ナフチル基、6-メトキシ-2-ナフチル基、6-エトキシ-2-ナフチル基、6-n-ブトキシ-2-ナフチル基、6-n-ヘキシルオキシ-2-ナフチル基、7-メトキシ-2-ナフチル基、7-n-ブトキシ-2-ナフチル基、2-メチル-4-メトキシフェニル基、2-メチル-5-メトキシフェニル基、3-メチル-4-メトキシフェニル基、3-メチル-5-メトキシフェニル基、3-エチル-5-メトキシフェニル基、2-メトキシ-4-メチルフェニル基、3-メトキシ-4-メチルフェニル基、2,4-ジメトキシフェニル基、2,5-ジメトキシフェニル基、2,6-ジメトキシフェニル基、3,4-ジメトキシフェニル基、3,5-ジメトキシフェニル基、3,5-ジエトキシフェニル基、3,5-ジ-n-ブトキシフェニル基、2-メトキシ-4-エトキシフェニル基、2-メトキシ-6-エトキシフェニル基、3,4,5-トリメトキシフェニル基、4-ビフェニリル基、3-ビフェニリル基、2-ビフェニリル基、4-(4’-メチルフェニル)フェニル基、4-(3’-メチルフェニル)フェニル基、4-(4’-メトキシフェニル)フェニル基、4-(4’-n-ブトキシフェニル)フェニル基、2-(2’-メトキシフェニル)フェニル基、4-(4’-クロロフェニル)フェニル基、3-メチル-4-フェニルフェニル基、3-メトキシ-4-フェニルフェニル基、ターフェニル基、3,5-ジフェニルフェニル基、10-フェニル-9-アントリル基、10-(3,5-ジフェニルフェニル)-9-アントリル基、9-フェニル-2-フルオレニル基、4-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、2-フルオロフェニル基、4-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、2-クロロフェニル基、4-ブロモフェニル基、2-ブロモフェニル基、4-クロロ-1-ナフチル基、4-クロロ-2-ナフチル基、6-ブロモ-2-ナフチル基、2,3-ジフルオロフェニル基、2,4-ジフルオロフェニル基、2,5-ジフルオロフェニル基、2,6-ジフルオロフェニル基、3,4-ジフルオロフェニル基、3,5-ジフルオロフェニル基、2,3-ジクロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,5-ジクロロフェニル基、3,4-ジクロロフェニル基、3,5-ジクロロフェニル基、2,5-ジブロモフェニル基、2,4,6-トリクロロフェニル基、2,4-ジクロロ-1-ナフチル基、1,6-ジクロロ-2-ナフチル基、2-フルオロ-4-メチルフェニル基、2-フルオロ-5-メチルフェニル基、3-フルオロ-2-メチルフェニル基、3-フルオロ-4-メチルフェニル基、2-メチル-4-フルオロフェニル基、2-メチル-5-フルオロフェニル基、3-メチル-4-フルオロフェニル基、2-クロロ-4-メチルフェニル基、2-クロロ-5-メチルフェニル基、2-クロロ-6-メチルフェニル基、2-メチル-3-クロロフェニル基、2-メチル-4-クロロフェニル基、3-クロロ-4-メチルフェニル基、3-メチル-4-クロロフェニル基、2-クロロ-4,6-ジメチルフェニル基、2-メトキシ-4-フルオロフェニル基、2-フルオロ-4-メトキシフェニル基、2-フルオロ-4-エトキシフェニル基、2-フルオロ-6-メトキシフェニル基、3-フルオロ-4-エトキシフェニル基、3-クロロ-4-メトキシフェニル基、2-メトキシ-5-クロロフェニル基、3-メトキシ-6-クロロフェニル基、5-クロロ-2,4-ジメトキシフェニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。

【0011】
上記の中でも、置換又は無置換のフェニル基又は2-ナフチル基が好ましく、置換基の数は1又は2置換であることが好ましい。置換基の種類としては、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数1~4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1~4個のアルコキシ基、フッ素、塩素等のハロゲンであることが好ましい。

【0012】
特に、抗HCV活性及び細胞毒性の観点から、パラ位が炭素数1~4個のアルキル基、炭素数1~4個のアルコキシ基もしくはハロゲンで置換されたフェニル基、又は無置換の2-ナフチル基が好ましい。

【0013】
上記の各化合物は、慣用の有機合成法により得ることができる。具体的には、コウジ酸(5-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-4-ピロン、式Iにおいて、-C(=O)Arが-Hである化合物に相当する)を原料として合成することができる。コウジ酸は、グルコース等の糖を麹菌で発酵させることによって得ることができ、このコウジ酸を、所定のAr基を有する芳香族カルボン酸、酸クロリド又は酸無水物とエステル化反応させることにより目的の式Iの化合物を得ることができる。この際、コウジ酸の3位のOH基は、必要に応じて、予めベンジル基等の保護基で保護した上でエステル化を行ない、その後に脱保護して反応を行うことができる。

【0014】
上記の化合物は、抗HCV薬として、慣用の製剤担体と組み合わせて製剤化することができる。投与形態としては、特に限定はなく、必要に応じ適宜選択して使用され、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、徐放性製剤、液剤、懸濁剤、エマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤等の経口剤、注射剤、坐剤等の非経口剤が挙げられる。

【0015】
経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される。また、これらに加えて、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を適宜添加することができる。

【0016】
結合剤としては、例えばデンプン、デキストリン、アラビアゴム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等が挙げられる。

【0017】
崩壊剤としては、例えばデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。

【0018】
界面活性剤としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート80等が挙げられる。

【0019】
滑沢剤としては、例えばタルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコール等が挙げられる。

【0020】
流動性促進剤としては、例えば軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。

【0021】
注射剤は、常法に従って製造され、希釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、オリーブ油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイズ油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等を用いることができる。さらに必要に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤等を加えてもよい。また、注射剤は、安定性の観点から、バイアル等に充填後冷凍し、通常の凍結乾燥技術により水分を除去し、使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製することもできる。式Iの化合物の注射剤中における割合は、5~50重量%の間で変動させ得るが、これに限定されるものではない。

【0022】
その他の非経口剤としては、直腸内投与のための坐剤等が挙げられ、常法に従って製造される。

【0023】
製剤化した抗HCV薬は、剤形、投与経路等により異なるが、例えば、1日1~4回を1週間から3ヶ月の期間、投与することが可能である。

【0024】
経口剤として所期の効果を発揮するためには、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人の場合、式Iの化合物の重量として、例えば0.1~1000mg、好ましくは1~500mgを、1日数回に分けて服用することが適当である。

【0025】
非経口剤として所期の効果を発揮するためには、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人の場合、式Iの化合物の重量として、例えば0.1~1000mg、好ましくは1~500mgを、静注、点滴静注、皮下注射、筋肉注射により投与することが適当である。

【0026】
また、本発明の化合物は、HCV感染に対して有効な他の薬剤と合わせて使用しても良い。これらは、治療の過程において別々に投与されるか、例えば錠剤、静脈用溶液、又はカプセルのような単一の剤形において、本発明の化合物と合わせられる。このような他の薬剤としては、例えば、インターフェロン-α、リバビリン、あるいは、現在臨床試験中の化合物、具体的には、HCVプロテアーゼインヒビター(例えば、ITMN-191(R-7227)、MK-7009、TMC435、Boceprevir(SCH503034)、Telaprevir等)、RNAポリメラーゼインヒビター(例えば、R7128、VCH-759、Valopicitabine等)、DEBIO-025(シクロフィリンインヒビター)、Celgosivir(グルコシダーゼIインヒビター)、BMS-790052(NS5Aインヒビター)等が挙げられる。
【実施例】
【0027】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
【実施例】
【0028】
ルシフェラーゼ遺伝子含有サブゲノムHCV RNAレプリコン細胞(LucNeo#2、Goto M, Watashi K, Murata T, Hishiki T, Hijikata M, Shimotohno K. "Evaluation of the anti-hepatitis C virus effects of cyclophilin inhibitors, cyclosporin A, and NIM811." Biochem. Bipphys. Res. Commun. 343: 879-884, 2006.を参照)を、10%FBS及び1mg/mlのG418(タンパク質合成阻害剤)を添加したDMEM培地に懸濁させた(50,000細胞/ml)。24時間のインキュベーションの後、各試験化合物を様々な濃度で含有する、G418を含まない新鮮な培養培地で細胞を3日間インキュベートした。
【実施例】
【0029】
ルシフェラーゼアッセイのため、細胞をPBSで洗い、断続的に振盪させながら溶菌液で10分間処理した。そして、細胞溶解物(25μl)を白色マイクロタイタープレートに移した。各ウェルにルシフェラーゼアッセイ試薬(100μl)を加え、ルシフェラーゼ活性を照度計で測定した。細胞生存アッセイについては、テトラゾリウム色素溶液(10μl)を各ウェルに加えた。1時間のインキュベーションの後、マイクロプレートリーダーにより比吸光度(450nm)を測定した。その結果を表1及び図1~6に示す。
【実施例】
【0030】
【表1】
JP0005672496B2_000004t.gif
【実施例】
【0031】
表及び図1~6に示すように、本発明の化合物(No.5~13)は、それ以外の化合物に比べて、高い抗HCV活性を有し、細胞毒性が低いため、抗HCV薬として優れた化合物である。特に、置換基Arが、メチル基(No.6)、メトキシ基(No.7)、フッ素(No.9)及び塩素(No.10)で置換されたフェニル基、及び2-ナフチル基(No.12)である場合は、より高い抗HCV活性を示すことが明らかとなった。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6