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明細書 :白色花を生じるトルコギキョウ[Eustomagrandiflorum(Raf.)Shinn.]を選別する方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5709140号 (P5709140)
登録日 平成27年3月13日(2015.3.13)
発行日 平成27年4月30日(2015.4.30)
発明の名称または考案の名称 白色花を生じるトルコギキョウ[Eustomagrandiflorum(Raf.)Shinn.]を選別する方法
国際特許分類 C12Q   1/68        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
A01G   1/00        (2006.01)
FI C12Q 1/68 ZNAA
C12N 15/00 A
A01G 1/00 301Z
請求項の数または発明の数 5
全頁数 31
出願番号 特願2011-518602 (P2011-518602)
出願日 平成22年6月10日(2010.6.10)
国際出願番号 PCT/JP2010/060256
国際公開番号 WO2010/143749
国際公開日 平成22年12月16日(2010.12.16)
優先権出願番号 2009139477
優先日 平成21年6月10日(2009.6.10)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成24年12月6日(2012.12.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
発明者または考案者 【氏名】坂田 祐介
【氏名】橋本 文雄
【氏名】清水 圭一
【氏名】ウレド ラバ イセルモ
個別代理人の代理人 【識別番号】100091096、【弁理士】、【氏名又は名称】平木 祐輔
【識別番号】100118773、【弁理士】、【氏名又は名称】藤田 節
【識別番号】100169579、【弁理士】、【氏名又は名称】村林 望
審査官 【審査官】伊達 利奈
参考文献・文献 特開2004-236516(JP,A)
国際公開第2004/103065(WO,A1)
特開2007-325533(JP,A)
NAKATSUKA, T., et al.,,Two different mutations are involved in the formation of white-flowered gentian plants.,Plant Science, 2005, Vol.169, pp.949-958
Breeding Science,2006, Vol.56, pp.389-397
園芸学会雑誌,2002, Vol.71, Suppl.2, p.407
調査した分野 C12Q 1/68
C12N 15/00-15/90

JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
特許請求の範囲 【請求項1】
トルコギキョウ[Eustoma grandiflorum (Raf.) Shinn.]のDNAサンプルから、アントシアニン合成酵素(ANS)遺伝子中の有色花関連マーカーを検出することを含む、白色花を生じるトルコギキョウを選別する方法であって、前記有色花関連マーカーは、配列番号1のヌクレオチド2366~2459若しくは配列番号19のヌクレオチド2379~2472、又は配列番号1のヌクレオチド2366~2459若しくは配列番号19のヌクレオチド2379~2472において、1~数個のヌクレオチドの置換、付加、欠失若しくは挿入を含むポリヌクレオチドである、前記方法
【請求項2】
配列番号1のヌクレオチド2366~2459又は配列番号19のヌクレオチド2379~2472に隣接する5'側配列及び3'側配列に特異的にアニーリングすることができる正方向プライマー及び逆方向プライマーから成るプライマーセットによるDNAサンプルのPCR増幅と、その後の電気泳動によって、ANS遺伝子の遺伝子型の決定を行うことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記プライマーセットは、配列番号3に示す正方向プライマー及び配列番号4に示す逆方向プライマーから成ることを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
配列番号1のヌクレオチド2366~2459又は配列番号19のヌクレオチド2379~2472に隣接する5'側配列と3'側配列に特異的にアニーリングすることができる正方向プライマー及び逆方向プライマーから成るプライマーセットを含む、白色花を生じるトルコギキョウを選別するためのキット。
【請求項5】
前記プライマーセットは、配列番号3に示す正方向プライマー及び配列番号4に示す逆方向プライマーから成ることを特徴とする、請求項4記載のキット。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、トルコギキョウ[Eustoma grandiflorum(Raf.)Shinn.]のアントシアニン合成酵素(ANS)遺伝子中の白色花関連マーカーを利用した、白色化を生じるトルコギキョウの選別方法、及び白色化を生じるトルコギキョウを選別するためのキットに関する。
【背景技術】
【0002】
トルコギキョウ[Eustoma grandiflorum(Raf.)Shinn.]は、リンドウ科に属し、アメリカ南西部を原産とする一年性の草本である。本種は、その大きな花と長い茎、そして花持ちのよさの点で、日本で最も人気の高い切花の一つとなっている。典型的なトルコギキョウの野生種の花色は紫色であり、その主要色素はデルフィニジン系のアントシアニンである。主に日本における商業育種によって、ピンク、白、クリーム色、藤色、赤などの多様な花色の系統が作出されているが、更なる花色の多彩化、効率的な花色育種法が望まれている。
例えば、花色の複対立遺伝子が提唱されているが、白色花の形成機構はまだDNAレベルでは詳しく証明されていない(特許文献1)。
一方、野田らは、トルコギキョウでアントシアニン合成に関わるフラボノール合成酵素(FLS)、ジヒドロフラボノール4還元酵素(DFR)、カルコン合成酵素(CHS)、アントシアニン合成酵素(ANS)などの発現を詳しく解析しているが、これらの遺伝子と白色花との関係は不明である(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】国際公開WO2004/103065号パンフレット
【0004】

【非特許文献1】N.Noda et al.、「Regulation of gene expression involved in flavonol and anthocyanin biosynthesis during petal development in lisianthus(Eustoma grandiflorum)」Physiologia Plantarum 2004年、第122巻、305-313.
【発明の概要】
【0005】
上記のような状況下、現在までは、個々のトルコギキョウが白色花か否かは、生育の後期に花が形成されるまで栽培を行わないと判別することができなかった。また、有色花系統が白色花遺伝子をヘテロでもっている場合には、子孫を作って花が咲くまで調査を行わないと白色花を生じるか判別できないため、白色花を生じる可能性を試験当代で判定することはできなかった。
したがって、トルコギキョウの白色花発現に関係する特定の遺伝子マーカーを見出し、該遺伝子マーカーに基づいて、開花前に又は有色品種から、白色花を生じるトルコギキョウを選別することができれば、白色花を有するトルコギキョウを効率的に育種できると考えられる。
そこで本発明は、トルコギキョウの白色花に関連する遺伝子マーカーの開発、及び当該マーカーを利用した、開花前に又は有色品種から、白色花を生じるトルコギキョウを選別する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、白色花及び有色花のトルコギキョウにおいて、アントシアニン生合成に関与する遺伝子群を調査する過程で、各遺伝子の配列情報に基づいて設計したプライマーを用いてRT-PCR分析を行ったところ、白色花の系統ではアントシアニン合成酵素(ANS)の増幅が認められないことを確認した(図1)。
そこで白色花系統と有色花系統との間でANS遺伝子の塩基配列を調査し、両者を比較したところ、エクソンの配列は特定の連続した94ヌクレオチドの欠失を除いて約98%同一であり、イントロンの配列においては顕著な違いがあることを見出した(図2及び8)。
本発明は、上記塩基配列の差異に基づく白色花のトルコギキョウの選別方法であり、以下の特徴を包含する。
(1)トルコギキョウ[Eustoma grandiflorum(Raf.)Shinn.]のDNAサンプルから、アントシアニン合成酵素(ANS)遺伝子中の白色花関連マーカー又は有色花関連マーカーのいずれかを検出することを含む、白色花を生じるトルコギキョウを選別する方法。
(2)白色花関連マーカーは、配列番号2若しくは20に示すポリヌクレオチド、又はそれらのポリヌクレオチドにおいて1~複数個のヌクレオチドの置換、付加、欠失若しくは挿入を含むポリヌクレオチドである、上記(1)記載の方法。
(3)有色花関連マーカーは、配列番号1若しくは19に示すポリヌクレオチド、又はそれらのポリヌクレオチドにおいて1~複数個のヌクレオチドの置換、付加、欠失若しくは挿入を含むポリヌクレオチドである、上記(1)記載の方法。
(4)有色花関連マーカーは、配列番号1のヌクレオチド2366~2459若しくは配列番号19のヌクレオチド2379~2472、又は配列番号1のヌクレオチド2366~2459若しくは配列番号19のヌクレオチド2379~2472において、1~数個のヌクレオチドの置換、付加、欠失若しくは挿入を含むポリヌクレオチドである、上記(1)記載の方法。
(5)白色花関連マーカー及び有色花関連マーカーの双方を検出することにより、ANS遺伝子の遺伝子型を決定することをさらに含む、上記(1)記載の方法。
(6)配列番号1のヌクレオチド2366~2459又は配列番号19のヌクレオチド2379~2472に隣接する5’側配列及び3’側配列に特異的にアニーリングすることができる正方向プライマー及び逆方向プライマーからなるプライマーセットによるDNAサンプルのPCR増幅と、その後の電気泳動によって前記決定を行うことを特徴とする、上記(5)記載の方法。
(7)前記プライマーセットは、配列番号3に示す正方向プライマー及び配列番号4に示す逆方向プライマーからなることを特徴とする、上記(6)記載の方法。
(8)白色花関連マーカーがホモ型で存在する場合に、トルコギキョウの花色を白色と判定することをさらに含む、上記(5)記載の方法。
(9)白色花関連マーカーがヘテロ型で存在する場合に、試験当代は有色花であるが、自殖により白色花を生じるものであると判定することをさらに含む、上記(5)記載の方法。
(10)以下の(i)又は(ii)のいずれか1つ以上を含む、白色花を生じるトルコギキョウを選別するためのキット。
(i)配列番号2若しくは20に示すヌクレオチド配列又はその相補的配列を有する核酸プローブ;及びストリンジェントな条件下で配列番号2若しくは20に示すヌクレオチド配列又はその相補的配列とハイブリダイズするが配列番号1及び19に示すヌクレオチド配列並びにその相補的配列とハイブリダイズしない、15塩基以上の長さを有する核酸プローブ、よりなる群から選択される少なくとも1つの白色花関連マーカーを検出するための核酸プローブ
(ii)配列番号1若しくは19に示すヌクレオチド配列又はその相補的配列を有する核酸プローブ;ストリンジェントな条件下で配列番号1若しくは19に示すヌクレオチド配列又はその相補的配列とハイブリダイズするが配列番号2及び20に示すヌクレオチド配列並びにその相補的配列とハイブリダイズしない、15塩基以上の長さを有する核酸プローブ;及び配列番号1のヌクレオチド2366~2459又は配列番号19のヌクレオチド2379~2472の少なくとも一部に特異的にハイブリダイズ可能であり、かつ15塩基以上の長さを有する核酸プローブ、よりなる群から選択される少なくとも1つの有色花関連マーカーを検出するための核酸プローブ
(11)前記核酸プローブは標識化されている、上記(10)記載のキット。
(12)前記(i)及び(ii)を含むことを特徴とする、上記(10)記載のキット。
(13)前記(i)の核酸プローブと、前記(ii)の核酸プローブとが異なる標識を有する、上記(12)記載のキット。
(14)配列番号1のヌクレオチド2366~2459又は配列番号19のヌクレオチド2379~2472に隣接する5’側配列と3’側配列に特異的にアニーリングすることができる正方向プライマー及び逆方向プライマーからなるプライマーセットを含む、白色花を生じるトルコギキョウを選別するためのキット。
(15)前記プライマーセットは、配列番号3に示す正方向プライマー及び配列番号4に示す逆方向プライマーからなることを特徴とする、上記(14)記載のキット。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2009-139477号の明細書及び/又は図面に記載される内容を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1は、アントシアニン生合成に関与する様々な遺伝子の、有色花系統AM及び白色花系統KS間での発現差を示す電気泳動図を示す。なお図中の略記は次の通りである:CHS、カルコン合成酵素;CHI、カルコンイソメラーゼ;F3H、フラバノン3-水酸化酵素;FLS、フラボノール合成酵素;DFR、ジヒドロフラボノール4-還元酵素;ANS、アントシアニン合成酵素;7GT、アントシアニジン7-糖転移酵素;M、DNAサイズマーカー。
図2は、有色花系統AM(配列番号1)及び白色花系統KS(配列番号2)間でのANS遺伝子の配列比較を示す。下線部は、白色系花系統で特徴的な連続した94ヌクレオチドの欠失部位を示す。
図3は、トルコギキョウの有色花系統AMの花を示す。
図4は、トルコギキョウの白色花系統KSの花を示す。
図5は、トルコギキョウの有色花系統AMとトルコギキョウの白色花系統KSの交雑個体の花を示す。
図6は、トルコギキョウの有色花系統AMとトルコギキョウの白色花系統KSの交雑個体の自殖後代の分離した集団のANS遺伝子のPCRの結果を示す。
図7は、トルコギキョウの栽培品種のANS遺伝子のPCRの結果を示す。各レーンのサンプルは次の通りである:M、DNAサイズマーカー;1、AM(有色花);2、KS;3、AW;4、ロジーナグリーン;5、キュートグリーン;6、キングオブイエロー;7、あすかタイプホワイト;8、スピカホワイト;9、つくしの新雪(以上白色花)。
図8は、有色花系統AM(配列番号19)及び白色花系統KS(配列番号20)間でのANS遺伝子の配列比較を示す。下線部は、白色系花系統で特徴的な連続した94ヌクレオチドの欠失部位を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、白色花を生じるトルコギキョウ[Eustoma grandiflorum(Raf.)Shinn.]を選別する方法(以下、本発明の方法という)に関する。
本発明でいう「白色花」とは、植物の花の主要色素の一つであるアントシアニンを全く生合成しないか、又はその生合成量が非常に少ないため、肉眼で色素の発現を識別できず白く見える花をいい、レモン色、黄色、緑色の花を含む。これに対して「有色花」とは、アントシアニンが肉眼で観察可能な程度に発現している、赤、青、紫、オレンジ、ピンク、黒色の花をいう。また本発明で使用する「白色花を生じる」とは、試験当代が白色花であること、及び試験当代は有色花であるが、自殖により潜在的に白色花を生じること、の両者を指す。
本発明の方法は、トルコギキョウのDNAサンプルから、アントシアニン合成酵素(ANS)遺伝子中の白色花関連マーカーを検出することを含んでいる。
本発明に使用されるトルコギキョウのDNAは、花形成前のトルコギキョウの組織、例えば種子、葉、根、茎から、又は、あらゆる時点での有色品種の組織(花を含む)から、抽出することにより取得することができる。DNAの抽出は、当業者に一般的な手法に従って行えばよい。すなわち、トルコギキョウの組織を微塵切りにし、これを適当なバッファー中でホモジナイズした後、フェノール抽出などの公知のDNA抽出法にて、全DNAを抽出する。またその際に使用するDNA抽出キットは市販のものであってよく、例えばPlant Genomics DNA Miniキット(バイオジーン社)などを使用することができる。
本発明でいう白色花関連マーカーとは、花組織で正常にANSを発現するANS遺伝子にはない、花組織で正常に発現されないANS遺伝子に特徴的なヌクレオチド配列をいう。そのようなヌクレオチド配列として、配列番号2若しくは20に示す白色花品種のANS遺伝子(以下、白色花遺伝子と称する)又はその変異体、あるいは配列番号2又は20に示す白色花遺伝子において、それぞれ配列番号1又は19に示す有色花品種のANS遺伝子(以下、有色花遺伝子と称する)の対応領域と、塩基配列が顕著に異なる領域(以下、白色花領域と称する)を挙げることができる。
本発明でいう白色花遺伝子の変異体としては、配列番号2又は20に示すポリヌクレオチドにおいて1~複数個のヌクレオチドの置換、付加、欠失若しくは挿入を含むポリヌクレオチドが挙げられる。ここで「複数個」とは、100個以下、好ましくは50個以下、40個以下、30個以下、20個以下、そして最も好ましくは10個以下の整数をいう。
また、本発明でいう白色花遺伝子の変異体としては、配列番号2又は20に示すポリヌクレオチドに対して80%以上、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%、96%、97%、98%、99%以上のヌクレオチド同一性を有するポリヌクレオチドが挙げられる。
さらに、本発明でいう白色花遺伝子の変異体としては、配列番号2又は20に示すポリヌクレオチドと相補的なポリヌクレオチドから成るDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドが挙げられる。ここで、「ストリンジェントな条件」は、当業者が適宜設定でき、例えば30~50℃で、3~5xSSC、0.1~1%SDS中で1~15時間のハイブリダイゼーション、その後の、例えば0.1~2xSSC、0.1~1%SDS中、室温~70℃での洗浄を含んでいる。ストリンジェント条件の例は、例えばSambrookら、Molecular Cloning、A Laboratory Mannual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989に開示されている。
上記白色花遺伝子の変異体には、配列番号2若しくは20に示す塩基配列又はその相補的配列の突然変異体、及び異なるトルコギキョウ白色花品種のホモログが含まれる。
白色花領域は、例えば本願明細書の図2及び8に示される有色花遺伝子と白色花遺伝子の配列アライメントから、両配列間で顕著に異なる配列領域を選択することによって特定することができる。
本発明の方法において、白色花関連マーカーの検出は、当業者に公知の任意の手法に従って行うことができる。そのような手法として、ANS遺伝子領域のPCR増幅と、その後の塩基配列決定による検出;白色花関連マーカーの少なくとも一部に特異的にハイブリダイズする標識化プローブを用いた検出(例えばサザンハイブリダイゼーション、マイクロアレイなどの手法による)などを挙げることができる。上記手法による白色花関連マーカーの検出に際し、当業者は適宜最適な条件を設定することができる。
具体的に、上記目的で使用されるPCRプライマーの長さは、15~50塩基、好ましくは17~25塩基の範囲で設定することができる。PCR条件は、目的のANS遺伝子領域が増幅可能な限り限定されないが、例えば94~95℃で10秒~1分の変性、50~65℃で10秒~1分間のアニーリング、72℃で30秒~10分の伸長反応を1サイクルとし、20~50サイクル反応を行うことを含む。
目的の白色花関連マーカーを該白色花関連マーカーの一部に特異的にハイブリダイズする標識化プローブを用いて検出する場合、使用されるプローブの長さは、15塩基以上、例えば20~200塩基、25~100塩基、25~50塩基であり、サンプルとプローブとの接触はストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下にて行うものとする。ここでストリンジェントな条件は、プローブの長さ、目的の白色花関連マーカーの塩基配列に基づいて当業者が適宜設定でき、例えば30~50℃で、3~5xSSC、0.1~1%SDS中で1~15時間のハイブリダイゼーション、その後の、例えば0.1~2xSSC、0.1~1%SDS中、室温~70℃での洗浄を含んでいる。ストリンジェント条件の例は、例えばSambrookら、Molecular Cloning、A Laboratory Mannual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989に開示されている。プローブの標識化は当業者に公知であり、例えば蛍光ラベル化剤、放射性同位元素を使用することによって行うことができる。
上記のようにしてトルコギキョウのDNAサンプルから目的とする白色花関連マーカーが検出された場合には、白色花を生じるトルコギキョウとして試験当代を選別することができる。
本発明の方法は、遺伝子マーカーを利用するため、花形成前を含むあらゆる時点で白色花を生じる系統の選別が可能であり、選別に要する時間を大幅に短縮することができる。また所望でない花色品種を育成する不都合を回避することができるため、育成に必要な畑面積はより少なくて済み、農薬、肥料などの農業資材の節約にも資する。
一方、上記白色花関連マーカーの検出は、試験当代が白色花であることを保証するものではない。なぜなら、白色形質は劣性であるため、ANS遺伝子が有色花遺伝子と白色花遺伝子とをヘテロ型で有している場合には、上記白色花関連マーカーが検出できたとしても試験当代は有色花となるからである。
したがって本発明の方法は、上記白色花関連マーカーの検出に代えて又はこれに加えて、ANS遺伝子中の有色花関連マーカーを検出することを含むことができる。
本発明において、有色花関連マーカーとして、配列番号1若しくは19に示す有色花遺伝子又はその変異体、あるいは配列番号1又は19に示す有色花遺伝子において、それぞれ配列番号2又は20に示す白色花遺伝子の対応領域と、塩基配列が顕著に異なる領域(以下、有色花領域と称する)を挙げることができる。
本発明でいう有色花遺伝子の変異体としては、配列番号1又は19に示すポリヌクレオチドにおいて1~複数個のヌクレオチドの置換、付加、欠失若しくは挿入を含むポリヌクレオチドが挙げられる。ここで「複数個」とは、200個以下、好ましくは100個以下、より好ましくは50個以下、40個以下、30個以下、20個以下、そして最も好ましくは10個以下の整数をいう。
また、本発明でいう有色花遺伝子の変異体としては、配列番号1又は19に示すポリヌクレオチドに対して80%以上、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%、96%、97%、98%、99%以上のヌクレオチド同一性を有するポリヌクレオチドが挙げられる。
さらに、本発明でいう有色花遺伝子の変異体としては、配列番号1又は19に示すポリヌクレオチドと相補的なポリヌクレオチドから成るDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドが挙げられる。ここで、「ストリンジェントな条件」は、当業者が適宜設定でき、例えば30~50℃で、3~5xSSC、0.1~1%SDS中で1~15時間のハイブリダイゼーション、その後の、例えば0.1~2xSSC、0.1~1%SDS中、室温~70℃での洗浄を含んでいる。ストリンジェント条件の例は、例えばSambrookら、Molecular Cloning、A Laboratory Mannual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989に開示されている。
上記有色花遺伝子の変異体には、配列番号1若しくは19に示す塩基配列又はその相補的配列の突然変異体、及び異なるトルコギキョウ有色花品種のホモログが含まれる。
有色花領域は、例えば本願明細書の図2及び8に示される有色花遺伝子と白色花遺伝子の配列アライメントから、両配列間で顕著に異なる配列領域を選択することによって特定することができる。本発明において好ましい有色花領域として、有色花遺伝子(配列番号1)のヌクレオチド2366~2459若しくは有色花遺伝子(配列番号19)のヌクレオチド2379~2472又はその変異体を挙げることができる。
ここで「配列番号1のヌクレオチド2366~2459又は配列番号19のヌクレオチド2379~2472の変異体」としては、配列番号1のヌクレオチド2366~2459又は配列番号19のヌクレオチド2379~2472において、1~数個のヌクレオチドの置換、付加、欠失若しくは挿入を含むポリヌクレオチドが挙げられる。ここで「数個」とは、10以下の整数、好ましくは5以下の整数をいう。
また、「配列番号1のヌクレオチド2366~2459又は配列番号19のヌクレオチド2379~2472の変異体」としては、配列番号1のヌクレオチド2366~2459又は配列番号19のヌクレオチド2379~2472に対して80%以上、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%、96%、97%、98%、99%以上のヌクレオチド同一性を有するポリヌクレオチドが挙げられる。
さらに、「配列番号1のヌクレオチド2366~2459又は配列番号19のヌクレオチド2379~2472の変異体」としては、配列番号1のヌクレオチド2366~2459又は配列番号19のヌクレオチド2379~2472と相補的なポリヌクレオチドから成るDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドが挙げられる。ここで、「ストリンジェントな条件」は、当業者が適宜設定でき、例えば30~50℃で、3~5xSSC、0.1~1%SDS中で1~15時間のハイブリダイゼーション、その後の、例えば0.1~2xSSC、0.1~1%SDS中、室温~70℃での洗浄を含んでいる。ストリンジェント条件の例は、例えばSambrookら、Molecular Cloning、A Laboratory Mannual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989に開示されている。
有色花関連マーカーの検出は、上記白色花関連マーカーの検出と同様にして行うことができるが、例えば有色花関連マーカーの少なくとも一部に特異的にハイブリダイズ可能なプローブは、有色花関連マーカーを検出することができるだけでなく、該プローブによる検出が認められない場合には、白色花関連マーカーの検出を行うことなく試験当代は白色花であると判定することができるため、好ましい。具体的に、トルコギキョウのDNAサンプルへの上記プローブの結合が検出されなかった場合には、白色遺伝子をホモ型で有しているため、試験当代は白色花であると判定することができる。
一方、トルコギキョウのDNAサンプルへの上記プローブの結合が検出された場合には、有色花遺伝子をホモ型又はヘテロ型で有しているため、試験当代は有色花であると判定することができる。なおこの場合には、上述した白色花関連マーカーの検出と組合せてANS遺伝子の遺伝子型を決定することにより、自殖により白色花を生じるトルコギキョウを選別することができる。
上記遺伝子型の決定は、上記の通り白色花関連マーカー及び有色花関連マーカーを個々に検出することによって行ってもよいが、配列番号1のヌクレオチド2366~2459又は配列番号19のヌクレオチド2379~2472(94ヌクレオチド)を挟む領域を増幅することができるプライマーセットを用いたPCR増幅と、その後の電気泳動により、簡便に行うことができる。上記の通り、有色花遺伝子と白色花遺伝子のエクソン配列は、前記94ヌクレオチドの有無を除いて約98%の配列同一性を有するため、配列番号1のヌクレオチド2366~2459に隣接する5’側配列と3’側配列に特異的にアニーリングすることができる正方向プライマーと逆方向プライマーの多くは、配列番号2のこれに相当する領域とも特異的にアニーリングすることができる。同様に、配列番号19のヌクレオチド2379~2472に隣接する5’側配列と3’側配列に特異的にアニーリングすることができる正方向プライマーと逆方向プライマーの多くは、配列番号20のこれに相当する領域とも特異的にアニーリングすることができる。したがって、上記正方向プライマーと逆方向プライマーからなるプライマーセットを用いたトルコギキョウのDNAサンプルのPCR増幅は、ANS遺伝子がヘテロ型である場合に、前記94ヌクレオチドだけ長さの異なる2種類の増幅産物を生じさせることができる。この2種類の増幅産物は、電気泳動(例えばアガロースゲル)によって視覚的に識別可能であるため、白色花関連マーカーの検出と、それに基づく遺伝子型の決定とを同時に行うことができる。すなわち、上記電気泳動によって長さの異なる2本のバンドが検出された場合には、白色花関連マーカーをヘテロで有しているため、試験当代は有色花であるが、自殖により白色花を生じるものであると判定することができる。一方、1本のバンドが検出された場合には、白色花関連マーカーをホモ型で有するものであるか増幅産物の長さに基づいて判定し、試験当代が有色花であるか又は白色花であるかを判定することができる。
上記プライマーセットの例として、配列番号3に示す正方向プライマーと配列番号4に示す逆方向プライマーとからなるプライマーセットを挙げることができるが、これに限定されるものではなく、例えば本願明細書に添付の図2及び8の配列アライメントに基づいて、当業者は適宜適切なプライマーセットを構築することができる。
上記本発明の方法により、従来は試験当代で選別することができなかった、潜在的に白色花系統を生じる有色花系統の選別も、当代個体の花形成前に簡便に行うことができ、育種規模のコンパクト化のみならず育種年限の短縮も可能になる。
本発明はさらに、白色花を生じるトルコギキョウを選別するためのキットを包含する。本発明に係るキットは、少なくとも白色花関連マーカー又は有色花関連マーカーのいずれかを特異的に検出するための構成を含んでいる。そのような構成の例として、これに限定されるものではないが、以下に示す核酸プローブを挙げることができる:
(i)配列番号2若しくは20に示すヌクレオチド配列又はその相補的配列を有する核酸プローブ;及びストリンジェントな条件下で配列番号2若しくは20に示すヌクレオチド配列又はその相補的配列とハイブリダイズするが配列番号1及び19に示すヌクレオチド配列並びにその相補的配列とハイブリダイズしない、15塩基以上の長さを有する核酸プローブ、からなる群より選択される少なくとも1つの白色花関連マーカーを検出するための核酸プローブ
(ii)配列番号1若しくは19に示すヌクレオチド配列又はその相補的配列を有する核酸プローブ;ストリンジェントな条件下で配列番号1若しくは19に示すヌクレオチド配列又はその相補的配列とハイブリダイズするが配列番号2及び20に示すヌクレオチド配列並びにその相補的配列とハイブリダイズしない、15塩基以上の長さを有する核酸プローブ;及び配列番号1のヌクレオチド2366~2459又は配列番号19のヌクレオチド2379~2472の少なくとも一部に特異的にハイブリダイズ可能であり、かつ15塩基以上の長さを有する核酸プローブ、からなる群より選択される少なくとも1つの有色花関連マーカーを検出するための核酸プローブ。
上記核酸プローブのサイズは、20~90塩基、好ましくは30~70塩基、例えば40~60塩基の長さである。また上記核酸プローブは、蛍光ラベル化剤、放射性同位元素などのラベル化剤によって標識されていることが好ましい。そのような蛍光ラベル化剤、放射性同位元素として、これに限定されるものではないが、ローダミン、フルオレセイン、ダンシル、及びそれらの誘導体、Cyダイ、32P並びに35Sなどが挙げられる。
本発明に係るキットは、好ましくは、白色花関連マーカー及び有色花関連マーカーの双方を特異的に検出するための構成を含んでいる。この場合、有色花関連マーカーの検出と白色花関連マーカーの検出とを区別できるように、白色花関連マーカー用の核酸プローブの標識と有色花関連マーカー用の核酸プローブの標識とが異なることが好ましい。
本発明に係るキットは、最も好ましくは、トルコギキョウのANS遺伝子の遺伝子型を判定することができる構成を含むものであり、そのような構成の例として、これに限定されるものではないが、配列番号1のヌクレオチド2366~2459又は配列番号19のヌクレオチド2379~2472に隣接する5’側配列と3’側配列に特異的にアニーリングすることができる正方向プライマー及び逆方向プライマーからなるプライマーセットが挙げられる。
また上記プライマーセットの具体例として、配列番号3に示す正方向プライマーと配列番号4に示す逆方向プライマーとからなるプライマーセットを挙げることができる。
以下、本発明の一例を実施例として詳細に説明するが、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
【実施例1】
【0008】
アントシアニン生合成に関与する遺伝子群の有色花品種及び白色花品種間での発現の比較
RNA抽出は、Plant Total RNA Extraction Miniprep System(VIOGENE)を使用し、100mgの花弁から行った。抽出後のDNA除去のために、deoxyribonuclease、amplification grade(Invitrogen)を使用した。cDNA合成にはSuperScriptTM II First-Strand Synthesis System(Invitrogen)を使用した。いずれも製品に添付されたプロトコールに従って実験を行った。
RT-PCRのプライマーは非特許文献1に報告されている各遺伝子の配列を参考に設計した以下のようなものである:CHS用プライマー、5’-AGAGGTGAGAAGGGCTCAAAG-3’(配列番号5)及び5’-CGAGACACTGTGTAGAACCACTG-3’(配列番号6);CHI用プライマー、5’-TTCCTCCACTCCTTCCCTTT-3’(配列番号7)及び5’-ATTCGGGTTGCCAAACTCTT-3’(配列番号8);F3H用プライマー、5’-TGGCTCCATCTACACTAACAGC-3’(配列番号9)及び5’-GATCTCCTCAATAGGCTTGCTC-3’(配列番号10);DFR用プライマー、5’-CCCTGAAAGCCTGTAAGAGC-3’(配列番号11)及び5’-TACGTGTCCTTGCCATGTTC-3’(配列番号12);ANS用プライマー、5’-CCCCAGAGTAGAAAGCTTGG-3’(配列番号13)及び5’-TCCTGAAGAGCTTGTGCTTG-3’(配列番号14);7GT用プライマー、5’-AAACCTTGSTCCATGGGTCAA-3’(配列番号15)及び5’-TGCTCAGCAAACATAGGCCACGTC-3’(配列番号16)。
RT-PCR反応は以下の条件で行った。先ず反応液は合計を20μl[1×Ex Taq Buffer、0.2mM dNTPs、0.5units TaKaRa Ex TaqTM HS、0.5μM forward、reverse各プライマー(各10μM)、約25ngの一本鎖cDNA]とし、94℃で1分間熱変性させた後、さらに熱変性後(94℃30秒)、アニーリング(60℃30秒)、伸長反応(72℃1.5分)を25サイクルおよび30サイクルで繰り返し行い、72℃で7分間反応させた後、最後に4℃まで冷却させた。PCR増幅産物は0.8%アガロースゲル(AMRESCO)で電気泳動(50V、1×TAE、60分)し、エチジウムブロマイド(EtBr)溶液(100倍EtBr 4μl、TAE Buffer 400ml)で30分間染色した後、ゲルをUV照射下で観察した。
図1から分かるとおり、白色花品種KSではアントシアニン合成酵素(ANS)遺伝子の増幅が認められないことが分かった。
【実施例2】
【0009】
アントシアニン合成酵素(ANS)遺伝子配列の有色花品種及び白色花品種間での比較
ゲノムDNA抽出は、Plant Genomic DNA Extraction Miniprep Systemに添付されているプロトコールに従って使用し、100mgの若い葉から行った。抽出したゲノムDNAを対象に、ANS遺伝子の全長ORFを含むプライマー(5’-ATTCAGCAAAAGTAAAGATCAAAGCA-3’(配列番号17)及び5’-CATGCATATTACATGGTTGAATCC-3’(配列番号18))を用いてゲノミックPCRを行った。反応液の合計を50μl[1×Buffer for KOD-plus-ver.2、0.2mM dNTPs、1.5mM MgSO、1.0units KOD-plus-、0.3mM each forward、reverse各プライマー(各10μM)、約25ng鋳型DNA]とし、94℃で2分間熱変性させた後、さらに熱変性後(94℃15秒)、アニーリング(63℃30秒)、伸長反応(68℃3分)を35サイクル繰り返し行い、68℃で4分間反応させた後、最後に4℃まで冷却させた。PCR増幅産物は1%アガロースゲルで電気泳動(50V 1×TAE、60分)し、エチジウムブロマイド(EtBr)溶液(100倍EtBr 4μl、TAE Buffer 400ml)で30分間染色した後、ゲルをUV照射下で観察し、目的の遺伝子が増えていることを確認した。
その後、泳動に使用しなかった残りのPCR増幅産物からDNAを精製した。精製はPCR-M Clean Up System(VIOGENE)を用い、添付されているプロトコールに従って行った。シークエンス解析は鹿児島大学学内共同研究施設である遺伝子実験施設のシークエンスサービスを利用し、施設の推奨する方法に従って行った。塩基配列およびアミノ酸配列のマルチプルアライメントにはGENETYX version 8 program(GENETYX Co.)を用いた。
【実施例3】
【0010】
白色花品種アントシアニン合成酵素(ANS)遺伝子中の94ヌクレオチドの欠失を利用した、白色花品種と有色花品種の識別
トルコギキョウの有色花系統AM(図3)と白色花系統KS(図4)を交配し、有色花の後代を得た(図5)。この後代を自殖させ種子を収穫し、その種子を播種して植物体になるまで育成したところ有色花23個体、白色花8個体が得られた。これは、メンデルの法則の3:1に分離比に適合している。
これらの後代のうち有色花10個体、白色花6個体からDNAを抽出した。DNA抽出は、バイオジーン社のプラントゲノムミニプレップシステムを用いてマニュアルに従って行った。
次に図2及び8に示すANS遺伝子の配列アライメントに基づいて、94塩基欠失部分を挟み込む形で増幅可能なプライマー(5’-TGGATCACAGCCAAATGTGT-3’(配列番号3)及び5’-TGGTTGAATCCATGTCTTTTG-3’(配列番号4)のDNA配列を有するオリゴヌクレオチド)を設計した。
PCR反応はGeneAmp9700システム(ABI社)を使用して行った。反応液20μl中には10ng DNA、0.5units TAKARA EXTaq(タカラバイオ社)、0.2mM dNTP、0.5μM、2μl 10xEXTaqバッファーが含まれる。PCR条件は、95℃で10秒間のディネーチャー、62℃で30秒間のアニール、72℃で30秒間の伸長反応を1サイクルとし、30サイクル反応させた。
反応後、2%アガロースゲル(バイオジーン社)上の電気泳動によりバンドの確認を行った。
その結果を図6に示す。図6からわかるように、有色花のトルコギキョウでは、491bpのバンドが必ずあり、白色花のトルコギキョウでは397bpの短いバンドしか検出できない。
また、トルコギキョウの他の白色花品種6種(ロジーナグリーン、キュートグリーン、キングオブイエロー、あすかタイプホワイト、スピカホワイト、つくしの新雪)についても上記と同様の検出を行った(図7)。図7に示すように、他のトルコギキョウの白色花の品種でも397bpの短いバンドしか検出できなかった。また、有色花の品種は必ず491bpのバンドを有していた。
以上の結果、本発明では白色花遺伝子を持つトルコギキョウを完全に識別できる方法が確立された。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明によれば、白色花のトルコギキョウに関連する新規な遺伝子マーカー、及び該マーカーを利用した白色花を生じるトルコギキョウの選別方法が提供される。遺伝子マーカーを利用することにより、開花前若しくは花形成前を含むあらゆる時点で白色花を生じる系統の選別が可能であるため、選別に要する時間を大幅に短縮することができる。また所望でない花色品種を育成する不都合を回避することができるため、育成に必要な畑面積はより少なくて済み、農薬、肥料などの農業資材の節約にもなる。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
[配列表]
JP0005709140B2_000002t.gifJP0005709140B2_000003t.gifJP0005709140B2_000004t.gifJP0005709140B2_000005t.gifJP0005709140B2_000006t.gifJP0005709140B2_000007t.gifJP0005709140B2_000008t.gifJP0005709140B2_000009t.gifJP0005709140B2_000010t.gifJP0005709140B2_000011t.gifJP0005709140B2_000012t.gifJP0005709140B2_000013t.gifJP0005709140B2_000014t.gif
図面
【図2】
0
【図8】
1
【図1】
2
【図3】
3
【図4】
4
【図5】
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【図6】
6
【図7】
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