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明細書 :高分子ゲルを用いたセンサ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2014-032162 (P2014-032162A)
公開日 平成26年2月20日(2014.2.20)
発明の名称または考案の名称 高分子ゲルを用いたセンサ
国際特許分類 G01L   1/00        (2006.01)
FI G01L 1/00 Z
請求項の数または発明の数 6
出願形態 OL
全頁数 9
出願番号 特願2012-174382 (P2012-174382)
出願日 平成24年8月6日(2012.8.6)
発明者または考案者 【氏名】橋本 稔
出願人 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
審査請求 未請求
要約 【課題】 センサ素子自体が柔軟性を有し、小荷重の作用により容易に変形する作用を利用した、新規な構成を有する高分子ゲルを用いたセンサを提供する。
【解決手段】 高分子ゲルを利用したセンサ素子10と、センサ素子10に作用する荷重を電気信号として検知する検知部20とを備え、前記センサ素子10は、誘電性高分子材料からなるゲルシート12a、12bと、ゲルシート12a、12bの内層に配置された電極層13a、13bと、導電体からなるメッシュ体14とを有し、検知部20は、メッシュ体13と電極層13a、13bとに電気的に接続されている。
【選択図】 図1
特許請求の範囲 【請求項1】
高分子ゲルを利用したセンサ素子と、該センサ素子に作用する荷重を電気信号として検知する検知部とを備え、
前記センサ素子は、誘電性高分子材料からなるゲルシートと、該ゲルシートを厚さ方向に挟む、電極層と、導電体からなるメッシュ体とを配置した構成を基本構造とし、
前記検知部は、前記メッシュ体と電極層とに電気的に接続されていることを特徴とする高分子ゲルを用いたセンサ。
【請求項2】
前記センサ素子は、電極層を内蔵したゲルシートと、メッシュ体とを交互に積層した構成を備えることを特徴とする請求項1記載の高分子ゲルを用いたセンサ。
【請求項3】
前記誘電性高分子材料からなるゲルシートが、ポリ塩化ビニルを基材とし、可塑剤としてアジピン酸ジブチルを使用して作製したものであることを特徴とする請求項1または2記載の高分子ゲルを用いたセンサ。
【請求項4】
請求項1記載のセンサに使用するセンサ素子であって、
誘電性高分子材料からなるゲルシートと、該ゲルシートを厚さ方向に挟む、電極層と、導電体からなるメッシュ体とを配置した構成を基本構造とすることを特徴とするセンサ素子。
【請求項5】
前記センサ素子は、前記電極層を内蔵したゲルシートと、メッシュ体とを交互に積層した構成を備えることを特徴とする請求項4記載のセンサ素子。
【請求項6】
前記誘電性高分子材料からなるゲルシートが、ポリ塩化ビニルを基材とし、可塑剤としてアジピン酸ジブチルを使用して作製したものであることを特徴とする請求項4または5記載のセンサ素子。




発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、PVC(ポリ塩化ビニル))ゲル等の高分子ゲルを圧力あるいは変位等の検知に利用する高分子ゲルを用いたセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
圧力センサには、圧電素子あるいは歪ゲージといった外力の作用によって電圧が変化したり抵抗値が変化したりすることを利用するものがある。これらは外力によるセンサ素子の特性変化を電気信号等としてとらえるものである。これらのセンサには、外力の作用によって変形しやすい部分(可撓性部)や錘を設けて感度を上げるといった構造的な工夫を設けたもの(特許文献1等)、誘電特性等の特性を向上させる素材、たとえば電気分極を保持する多孔性樹脂フィルム(特許文献2、3)などが検討されている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2010-139264号公報
【特許文献2】特公平05-041104号公報
【特許文献3】特開2010-89495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
センサ素子に外力(荷重)が作用した際のセンサ素子の変形あるいは特性変化を利用する圧力センサ、とくに圧電素子や歪ゲージなど素材自体の変形を利用するものでは、外力が作用した際の変形量が僅かであり、大きな外力(荷重)を作用させてはじめて検知可能になるといった問題があった。
本発明は、センサ素子自体が柔軟性を有し、小荷重の作用により容易に変形する作用を利用した、新規な構成を有する高分子ゲルを用いたセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る高分子ゲルを用いたセンサは、高分子ゲルを利用したセンサ素子と、該センサ素子に作用する荷重を電気信号として検知する検知部とを備え、前記センサ素子は、誘電性高分子材料からなるゲルシートと、該ゲルシートを厚さ方向に挟む、電極層と、導電体からなるメッシュ体とを配置した構成を基本構造とし、前記検知部は、前記メッシュ体と電極層とに電気的に接続されていることを特徴とする。
ゲルシートと、ゲルシートを厚さ方向に挟んで配置される電極層とメッシュ体とからなる基本構造という意味は、センサ素子としてこの基本構造を最小の構成として含むことを意味する。センサ素子は、この基本構造を積み重ね方向に同一順序で繰り返す構成(必要であれば電気的な短絡を防止する絶縁層を介在させ)としたり、交互に積み重ねたりする構成とすることができる。
【0006】
また、前記センサ素子は、電極層を内蔵したゲルシートと、メッシュ体とを交互に積層した構成を備えることを特徴とする。電極層を内蔵したゲルシートとメッシュ体とを交互に積層する構成とすることにより、ゲルシート、電極層、メッシュ体を効率的に積層することができ、複数層に積層した構成とすることにより、小荷重の作用によってもセンサ素子が変形しやすくなり、変形による信号を検知しやすくなって、検出感度を向上させることができる。
また、前記誘電性高分子材料からなるゲルシートが、ポリ塩化ビニルを基材とし、可塑剤としてアジピン酸ジブチルを使用して作製したものは、応答特性が良好で、荷重や変位の測定が容易になるという利点がある。
【0007】
また、前記高分子ゲルを用いたセンサに使用するセンサ素子として、誘電性高分子材料からなるゲルシートと、該ゲルシートを厚さ方向に挟む、電極層と、導電体からなるメッシュ体とを配置した構成を基本構造とするセンサ素子が好適に利用できる。
また、前記センサ素子は、前記電極層を内蔵したゲルシートと、メッシュ体とを交互に積層した構成を備えることにより、荷重あるいは変形量の検出感度を向上させることができ、前記誘電性高分子材料からなるゲルシートが、ポリ塩化ビニルを基材とし、可塑剤としてアジピン酸ジブチルを使用して作製したものはとくに好適に使用できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る高分子ゲルを用いたセンサは、センサ素子が、誘電性高分子材料と電極層とメッシュ体とからなることから容易にかつ安価に製造することができ、センサ素子が柔軟性を有することから、数グラム程度の小荷重を検出することが容易であり、種々の用途に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る高分子ゲルを用いたセンサの構成を示す図である。
【図2】センサの他の構成を示す図である。
【図3】加圧試験での構成を示す図である。
【図4】センサ素子に荷重を作用させたときの検知部の出力を示すグラフである。
【図5】センサ素子に作用する荷重と発生電圧との関係を示すグラフである。
【図6】センサ素子に作用する荷重とセンサ素子の変位量との関係を示すグラフである。
【図7】センサ素子の変形量と発生電圧との関係を示すグラフである。
【図8】比較例のセンサ素子について、荷重と発生電圧との関係を示すグラフである。
【図9】比較例のセンサ素子について、荷重と変位量との関係を示すグラフである。
【図10】比較例のセンサ素子の変形量と発生電圧との関係を示すグラフである。
【図11】センサの積層数によって発生電圧がどのように変化するかを実験した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(センサの構成)
図1は、本発明に係る高分子ゲルを用いたセンサの構成例を示す。
このセンサは、高分子ゲルを利用したセンサ素子10と、センサ素子10と電気的に接続された検知部20とを備える。
センサ素子10はポリ塩化ビニル(PVC)からなる第1のゲルシート12a及び第2のゲルシート12bと、第1のゲルシート12aと第2のゲルシート12bの対向面間に挟まれて配置されるメッシュ体14とからなる。第1のゲルシート12aと第2のゲルシート12bの内層には電極層13a、13bが設けられている。
検知部20は電極層13a、13bとメッシュ体14との間に生じる電圧を検知するものであり、電極層13a、13bとメッシュ体14がそれぞれ検知部20と電気的に接続されている。

【0011】
後述する加圧試験に使用したセンサでは、第1のゲルシート12a及び第2のゲルシート12bとして、直径32mm、厚さ1.4mmの、平面形状が円形のゲルシートを使用し、ゲルシートの厚さ方向の中央に、厚さ0.05mmのステンレス箔を電極層13a、13bとして埋設したものを使用した。メッシュ体14には、平面径30mm、線径0.2mm、開き目1.07mmのステンレスメッシュを使用した。

【0012】
ゲルシートは、ポリ塩化ビニル(PVC)を、アジピン酸ジブチル(DBA)を可塑剤として加えた溶剤テトラヒドロフラン(THF)に完全に溶解した後、この溶液をシャーレにキャストし、容器を数日間水平に保持してTHFを完全に蒸発させることによって得られる。ゲルシートは簡単にカットできるから、所要の大きさに切り出して使用する。内層に電極層を備えるゲルシートは、2枚のゲルシートによってステンレス箔を挟み込むことで得られる。

【0013】
PVCゲルは、アジピン酸ジブチル(DBA)以外の、フタル酸ジブチル(DBP)等の可塑剤を用いて作製することもできる。実施形態のセンサ素子10において、可塑剤にアジピン酸ジブチル(DBA)を使用したのは、フタル酸ジブチル(DBP)等を可塑剤としたものよりもメッシュ体14との粘着性が低く、荷重センサとしての応答性がよいからである。

【0014】
なお、ゲルシートに使用する高分子材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)の他に、ポリメタクリル酸メチル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ナイロン6、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル等の誘電性高分子材料を用いることができる。これらの誘電性高分子材料は、いずれもゲルシートを形成して電気刺激した際に、屈曲変形やクリープ変形をなすという特性を有している。

【0015】
(加圧試験)
図3に、上述したセンサを用いる加圧試験の概略構成を示す。加圧試験は、試験機の基台30にセンサ素子10をのせ、センサ素子10の上に錘34をのせて荷重を作用させる方法で行った。
実際には、支持板32を介して錘34の荷重をセンサ素子10に作用させ、センサ素子10に荷重を作用させる状態と無荷重とする状態とを切り換えるため、試験機のリフター36により支持板32を昇降させる構成とした。

【0016】
図4(a)、(b)、(c)、(d)は、荷重をそれぞれ20グラム、50グラム、100グラム、200グラムとした場合の検知部20の出力を示す。いずれの測定においても、リフター36により荷重を作用させる状態と無荷重とする状態を10秒ごとに交互に切り替えて測定を行った。
測定結果は、センサ素子10に荷重が作用したときと無荷重のときに対応して、電圧が発生する状態と電圧がゼロになる状態が交互にあらわれることを示す。検知部20の出力は略矩形波であり、荷重の作用に対するセンサ素子10の応答性が良好であることを示す。また、出力電圧はセンサ素子10に作用させる荷重を大きくするとともに増大し、検知部20の出力が荷重の大きさを反映する。

【0017】
図5は、センサ素子10に加えた荷重と発生電圧との関係を示すグラフである。グラフは、10秒間隔で10回~12回にわたり荷重を作用させた状態と無荷重とした状態を繰り返し、荷重を作用させたときの発生電圧の平均値を示す。荷重が0グラム~100グラムの範囲では、荷重と発生電圧とが略比例する関係にあるのに対して、荷重が100グラムを超えると徐々に発生電圧が飽和する傾向が見られる。本実施形態のセンサは10グラム程度のわずかな荷重であっても検知できる点が特徴的である。
このセンサ素子10に作用する荷重と発生電圧との関係から、センサ素子10を応力センサとして利用することができる。

【0018】
(変位測定試験)
図6は、センサ素子10に荷重を作用させた際のセンサ素子10の変位量を示すグラフである。グラフ値は、荷重を作用させた状態と無荷重とした状態を、12回繰り返し行ったときの平均値を示す。荷重を大きくするとともに変位量が大きくなる。変位量の測定は、レーザ変位計を使用して、支持板32の垂直上方からレーザ光を照射し、加重と同期した変位を測定する方法で行った。

【0019】
センサ素子10に荷重を作用させたときの発生電圧との関係を利用して、図6の荷重とセンサ素子10の変位量との相関関係を、センサ素子10の変位量と発生電圧との相関関係を示すグラフにあらわすことができる。図7に、センサ素子10の変位量と発生電圧との関係を示す。このセンサ素子10の発生電圧と変位量との関係から、センサ素子10を変位センサとして利用することができる。

【0020】
図3に示すように、センサ素子10に荷重を作用させると、第1のゲルシート12aと第2のゲルシート12bに挟まれたメッシュ体14の空隙部分にゲルが入り込む。図3では、メッシュ体14に対向する部分のゲルシート(ゲル部分12c)が撓むようにしてメッシュ体14の網目の間に入り込んだ様子を示す。
PVCゲルは柔軟性を有するから、荷重を加えることによってメッシュ体14の空隙部分にゲルが入り込むように変形する。荷重を大きくするとメッシュ体14へのゲルの入り込み量が大きくなり、センサ素子10の変位量が大きくなる(図6)。

【0021】
(比較実験)
ゲルシートが変形することによって電圧が発生する作用を確かめるため、メッシュ体14のかわりにステンレス箔(厚さ0.01mm、直径30mm)をゲルシートで挟み込んだ試験用の素子を作製し、ステンレス箔とゲルシートの内層に設けた電極層とをそれぞれ検知部20に接続して加圧実験を行った。図3に示す試験装置を使用し、前述した加圧試験と同様に、10秒間隔で素子に荷重を作用させた状態と無荷重にした状態を繰り返し、発生電圧を測定した。
図8が比較例のセンサ素子について測定した、荷重と発生電圧との関係、図9が荷重と変位量との関係、図10が変位量と発生電圧との関係を示す。

【0022】
上記の比較試験ではゲルシート間に配置したのはステンレス箔であるから、厚さ方向に荷重を加えても、ゲルシートは平板状のまま厚さ方向に圧縮されるのみで、ゲルには湾曲等の局所的な大きな変形は生じない。本願発明に係るセンサ素子に荷重を作用させた際に電圧が発生するのは、ゲルが変形することによって、ゲル中で電荷移動が生じ、電極に相当する電極層とメッシュ体が帯電することによると考えられる。ゲルに局所的大変形を起こさせる方法として、メッシュ体のような、ゲルに荷重を作用させた際にゲルが入り込む空間を備える電極をゲルシート間に介在させる方法はきわめて有効である。メッシュ体のように微小な空間(隙間空間)を多数備えた電極を使用することで、多数の変形が生じ、電極(メッシュ体)との接触面積が大きくなり、電極が帯電しやすくなって検知効率を上げることができると考えられる。

【0023】
図1に示すセンサ素子10は電極層13aを内蔵した第1のゲルシート12aと、電極層13bを内蔵した第2のゲルシート12bによりメッシュ体14を挟む配置としている。センサ素子10において発生する電圧はゲルシートの変形に伴うものであるから、図1に示す実施形態のセンサ素子10において、電極層13a、13bの外側部分のゲルシートは電圧発生にはほとんど寄与せず、実質的には電気的な絶縁層として作用している。電圧を発生させるセンサ素子の基本構造としては、ゲルシートと電極として作用するメッシュ体と電極層とがあればよい。

【0024】
図2(a)に、本発明に係る高分子ゲルを用いたセンサの基本構造を示す。センサ素子10aは、誘電性高分子材料からなるゲルシート12と、ゲルシート12を厚さ方向に挟んで電極層13と導電体からなるメッシュ体14とを配置した構成を有する。電極層13とメッシュ体14は検知用の電極を兼ね、それぞれ検知部20と電気的に接続される。センサ素子10aを、応力センサあるいは変位センサとして測定対象物に装着する際には、電極層13及びメッシュ体14が装着物と電気的に短絡しないように設置する。

【0025】
図2(b)は、図1に示したセンサ素子10を厚さ方向に複数枚(複数段)重ねた形態のセンサ素子10bの例である。このセンサ素子10bは、電極層13を内蔵したゲルシート12とメッシュ体14とを交互に積層した構成を有する。最外層にゲルシート12を配置することにより、センサ素子10bの最外層が絶縁層となる。検知部20とセンサ素子10bとは、積層した各々の電極層13とメッシュ体14とをそれぞれ接続する。

【0026】
センサ素子10bのように、ゲルシートとメッシュ体とを交互に積層した積層構造体とした場合は、単層のセンサ素子と比較して、わずかな外力(荷重)をセンサ素子10bに作用させただけで、センサ素子10bは厚さ方向に変位するから、単層のセンサ素子と比較して、より小さな荷重の検出が可能になり、荷重の検出感度を向上させることができる。また、センサ素子10bに荷重を作用させたときの変位量も、単層のセンサ素子と比較して大きくあらわれるから、変位量の検知精度も向上する。ゲルシートとメッシュ体の積層数は任意に設定することが可能であり、用途に応じて積層数を適宜調節してセンサを構成することができる。

【0027】
図11は、積層構造のセンサ素子に荷重を作用させたときに、積層数によって発生電圧がどのように変化するかを実験した結果を示す。積層数1とは、図1に示すように、メッシュ体14が一層の場合であり、積層数2とは、図2(b)の構成でメッシュ体14を二層としたもの、積層数3はメッシュ体14を三層としたものである。
図11は、それぞれのセンサ素子に100グラムの荷重を加えた場合の発生電圧を示す。積層数を増やすことに伴い、発生電圧が増大している。センサ素子に加える荷重を10グラム、20グラム、50グラムとした場合も同様の結果が得られている。すなわち、センサ素子を積層構造とすることにより、荷重の検出感度、変位量の検出感度を向上させることができる。

【0028】
(用途例)
本発明に係る高分子ゲルを用いたセンサに用いるセンサ素子は、PVCゲル等の誘電性高分子材料と、メッシュ体と、金属箔等の電極層とからなるきわめて簡易な材料構成を有する。したがって、製作が容易であり安価に製造できるという利点がある。検知部も電圧計あるいは電流計といった一般的な機器あるいは電子回路で済ますことができる。
また、本発明に係るセンサ素子は、ゲルシートとメッシュ体と電極層とを積層した構成を有するから、薄くコンパクトに、軽量に形成することができ、センサ素子の平面形状や大きさを任意に設定することができる。したがって、用途に応じてセンサ素子の形状や大きさ、積層数を適宜設定することが容易に可能であり、種々の用途及び要求特性に応じてセンサを提供することができる。

【0029】
なお、センサ素子に使用する誘電性高分子材料には種々のものがあるから、用途に応じて材料を適宜選択したり、可塑剤や使用材料の組成を調節して所望の特性が得られるように設計することが可能である。
また、電極層に使用する材料も適宜導電材料を選択して使用することが可能である。ステンレス箔を電極層とする場合は、数μm~数十μm程度の厚さのステンレス箔を使用すればよい。
また、メッシュ体に使用する材料もとくには限定されないが、#10~#160程度の導電性メッシュ体であればよい。

【0030】
本発明に係る高分子ゲルを用いたセンサは、種々の用途に利用できるものであり、とくにその用途が限定されるものではないが、応力センサ(荷重センサ)としては、数グラム~数百グラム程度の荷重の検知が可能であることから、たとえば、ロボットの把持部に装着して物を持つ力を検知する、手の握る力の検知用としてリハビリに使用する、衣服を着たときの圧力(衣服圧)の検知に使用するといった用途が考えられる。
また、変位センサとしては、測定対象物の基準位置からの変位を検知するといった使い方の他に、ブレーキパッドの摩耗量を検知する場合のように、対象物の変動を検知する(対象物と相手方との間隙量を検知する)センサとして利用するといったことが可能である。
【符号の説明】
【0031】
10、10a、10b センサ素子
12、12a、12b ゲルシート
13、13a、13b 電極層
14 メッシュ体
20 検知部
34 錘
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図5】
3
【図6】
4
【図7】
5
【図8】
6
【図9】
7
【図10】
8
【図11】
9
【図4】
10