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明細書 :T細胞受容体のクローニング方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6126804号 (P6126804)
公開番号 特開2014-023445 (P2014-023445A)
登録日 平成29年4月14日(2017.4.14)
発行日 平成29年5月10日(2017.5.10)
公開日 平成26年2月6日(2014.2.6)
発明の名称または考案の名称 T細胞受容体のクローニング方法
国際特許分類 C12N  15/09        (2006.01)
C12Q   1/02        (2006.01)
C12Q   1/68        (2006.01)
C07K  14/725       (2006.01)
C12N   5/0783      (2010.01)
C12N   5/10        (2006.01)
FI C12N 15/00 ZNAA
C12Q 1/02
C12Q 1/68 A
C07K 14/725
C12N 5/0783
C12N 5/10
請求項の数または発明の数 11
全頁数 25
出願番号 特願2012-164442 (P2012-164442)
出願日 平成24年7月25日(2012.7.25)
審査請求日 平成27年7月10日(2015.7.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】305060567
【氏名又は名称】国立大学法人富山大学
発明者または考案者 【氏名】村口 篤
【氏名】岸 裕幸
【氏名】小林 栄治
【氏名】小澤 龍彦
個別代理人の代理人 【識別番号】110000109、【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
審査官 【審査官】柴原 直司
参考文献・文献 日本免疫学会総会・学術集会記録, (2011), 40, p.45(1-D-W6-10-P)
MBL研究用試薬 Allergy & Immunology T-Select MHC Tetramer, 2008
Vaccine, (2005), 23, [36], p.4541-4551
調査した分野 C12N 15/00-15/90
C12N 5/10
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
MEDLINE/BIOSIS(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
1) 抗原Aに特異的なT細胞を含むT細胞群を、T細胞受容体(TCR)遺伝子増幅上有効な条件で刺激する工程(ただし、ヒト個体において刺激する場合を除く。);
2) 抗原Aに特異的なT細胞を含むT細胞群から、抗原Aに特異的なT細胞を特定して1個ずつ容器へソートする工程;および
3) 容器内の1個の活性化された抗原A特異的T細胞をPCRに供して、抗原Aに特異的なTCR遺伝子を増幅する工程
を含む、抗原Aに特異的なTCR遺伝子の製造方法であって
TCR遺伝子増幅上有効な条件が、IL-2またはIL-7およびPHA;抗CD3抗体、抗CD28抗体およびIL-2;抗原ペプチド、抗CD28抗体およびIL-2;またはPMAおよびCHXの存在下で細胞群を維持することあり、
工程1)、2)および3)が、この順で実施される、製造方法。
【請求項2】
さらに、
4) 取得したTCRをTCRを発現していないT細胞株に導入し、発現させ、その抗原特異性を検証する工程
を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
すべての工程を10日間以内に行う、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
工程2)が、フローサイトメトリーまたはチップイムノスポットアッセイ(Immunospot-array assay on a chip、ISAAC)法により実施される、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
工程2)が、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子と抗原A由来抗原ペプチド(p)との複合体を多量体化したもの(典型的には四量体化したもの(MHC/p四量体))と、抗CD4抗体または抗CD8抗体とを用いてフローサイトメトリーによりソートする工程である、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
工程2)が、抗インターフェロン-γ(IFN-γ)抗体と、抗CD4抗体または抗CD8抗体とを用いてフローサイトメトリーによりソートする工程である、請求項4に記載の製造方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に定義された工程を含み、得られた抗原Aに特異的なTCR遺伝子を別のT細胞に導入して抗原Aに特異的な組換えT細胞を得る工程をさらに含む、組換えT細胞の製造方法。
【請求項8】
抗原AがTCR遺伝子治療により処置可能な疾患または状態に関連する抗原であり、別のT細胞が、当該処置可能な疾患または状態にある対象由来である、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
抗原Aががん関連抗原であり、がん特異的TCR遺伝子、またはがん特異的組換えT細胞が製造される、請求項1~8のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項10】
がんの処置に用いるための、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
がんまたは感染症にある対象におけるTCRレパートリーの解析のために行われる、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、T細胞受容体(TCR)の、迅速なクローニング方法に関する。本発明は、T細胞の解析、ペプチドワクチン等の医薬品の有効性の解析、病気の診断・治療等の分野で有用である。
【背景技術】
【0002】
主として特定のがんへの適用が検討されているT細胞受容体(TCR)遺伝子治療においては、がん患者のリンパ球に、がん抗原特異的なTCRの遺伝子が導入される。遺伝子導入されたリンパ球は大量に培養された後、そのがん患者に戻されるが、腫瘍抗原ペプチドを認識するTCRがリンパ球上に発現しているので、これが腫瘍抗原を提示するがん細胞を認識して特異的に攻撃し、最終的にがん細胞を消滅させることが期待できる。
【0003】
遺伝子治療に用いるための抗原特異的なTCRの遺伝子を得るには、患者から回収した末梢血リンパ球(PBL)中のT細胞の中からがん抗原を認識できるT細胞を特定し、TCR遺伝子をクローニングする必要がある。そのために一般に行われるアプローチは、抗原特異的T細胞クローンの樹立を含み、これには通常、数ヶ月を必要とする。
【0004】
一方、抗原特異的T細胞のTCRレパートリーについて数多くの研究がなされている。これは、一般に行われる分析法、例えば、TCRβ(TRB)V遺伝子ファミリーの産物を標的とするモノクローナル抗体(mAb)のパネルを用いるFACSに基づく方法(非特許文献1)およびTRBV特異的プライマーのパネルを用いるPCRに基づく方法(非特許文献2~4)により実施されてきた。しかし、従来のレパートリー解析は、TCRα(TRA)VとTRBVの両方を解析しておらず、TCRレパートリーの解析としては、不完全なものである。
また、T細胞クローンの樹立を含むこれらの方法はTCRレパートリーに偏りを引き起こす可能性があるという懸念が提起されている(非特許文献5および6)。すなわち、T細胞クローンを樹立する工程で、増殖しやすいT細胞クローンが増殖してくるであろうし、PCRを用いた解析については、プライマーにより増幅効率が異なる可能性がある。
【0005】
他方、本発明者らのグループおよび他のグループにより、ヒト(非特許文献7)およびマウス(非特許文献8)のTCRのCDR3αおよびCDR3βの転写産物の同時同定を可能にするsingle cell RT-PCRプロトコルが報告されている。しかしながら、それらのsingle cell RT-PCRプロトコルでは完全なタンパク質翻訳領域を含むTCRα/βcDNAペアをクローニングし、それを細胞で発現させることによって、その抗原特異性を決定するには至っていない。
【先行技術文献】
【0006】

【非特許文献1】Bieganowska, K. et al. Direct analysis of viral-specific CD8+ T cells with soluble HLA-A2/Tax11-19 tetramer complexes in patients with human T cell lymphotropic virus-associated myelopathy. J Immunol 162, 1765-1771 (1999).
【非特許文献2】Hara, H. et al. Detection of human T lymphotrophic virus type I (HTLV-I) proviral DNA and analysis of T cell receptor V beta CDR3 sequences in spinal cord lesions of HTLV-I-associated myelopathy/tropical spastic paraparesis. J Exp Med 180, 831-839 (1994).
【非特許文献3】Saito, M. et al. In vivo selection of T-cell receptor junctional region sequences by HLA-A2 human T-cell lymphotropic virus type 1 Tax11-19 peptide complexes. J Virol 75, 1065-1071 (2001).
【非特許文献4】Eiraku, N. et al. Clonal expansion within CD4+ and CD8+ T cell subsets in human T lymphotropic virus type I-infected individuals. J Immunol 161, 6674-6680 (1998).
【非特許文献5】Zhou, J., Dudley, M.E., Rosenberg, S.A. & Robbins, P.F. Selective growth, in vitro and in vivo, of individual T cell clones from tumor-infiltrating lymphocytes obtained from patients with melanoma. J Immunol 173, 7622-9 (2004).
【非特許文献6】Polz, M.F. & Cavanaugh, C.M. Bias in template-to-product ratios in multitemplate PCR. Appl Environ Microbiol 64, 3724-30 (1998).
【非特許文献7】Ozawa, T., Tajiri, K., Kishi, H. & Muraguchi, A. Comprehensive analysis of the functional TCR repertoire at the single-cell level. Biochem Biophys Res Commun 367, 820-825 (2008).
【非特許文献8】Dash, P. et al. Paired analysis of TCRalpha and TCRbeta chains at the single-cell level in mice. J Clin Invest 121, 288-295 (2011).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
TCR遺伝子治療やTCRのレパートリー研究において、迅速で、かつ偏りの少ないTCR遺伝子のクローニングシステムがあれば望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、偏りのないTCRレパートリーを分析するだけでなく、抗原特異的TCRα/βcDNAペアを回収でき、それらの機能を評価することも可能にする、TCRクローニングシステムを確立することを試みた。本発明者らは、当初、抗原特異的なT細胞をセルソーターで分離し、1個ずつチューブに入れ、RT-PCRにより単一T細胞からTCR cDNAを増幅することを試みたが、この方法では増幅の効率が非常に低く、クローニングは困難であることが判明した。次いで、先の方法と同様に抗原特異的なT細胞を1個ずつチューブに入れ、T細胞を刺激剤で刺激した後にRT-PCRを適用したが、効率の低さは改善されなかった。そこで、T細胞を集団のまま刺激剤で刺激し、その後セルソーターにより抗原特異的T細胞を1個ずつチューブにソートした後、RT-PCRを適用したところ、驚くべきことに、7~8割の細胞からTCR cDNAを回収することができることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明は、以下を提供する:
[1] 1) 抗原Aに特異的なT細胞を含むT細胞群を、または抗原Aに特異的な1個のT細胞を、T細胞受容体(TCR)遺伝子増幅上有効な条件で刺激する工程;
2)抗原Aに特異的なT細胞を含むT細胞群から、抗原Aに特異的なT細胞を特定して1個ずつ容器へソートする工程;および
3)容器内の1個の活性化された抗原A特異的T細胞をPCRに供して、抗原Aに特異的なTCR遺伝子を増幅する工程
を含む、抗原Aに特異的なTCR遺伝子の製造方法。
[2] さらに、
4)取得したTCRをTCRを発現していないT細胞株に導入し、発現させ、その抗原特異性を検証する工程
を含む、1に記載の製造方法。
[3] すべての工程を10日間以内に行う、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4] 工程1)のTCR遺伝子増幅上有効な条件が、少なくともインターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-7(IL-7)、フィトヘマグルチニン(PHA)、ホルボール12-ミリステート13-アセテート( (phorbol 12-myristate 13-acetate、PMA) 、シクロヘキシミド(CHX)、抗CD3抗体、抗CD28抗体、および抗原ペプチドから選択される少なくとも一つの存在下で、細胞群または細胞を8時間~3日間維持することである、[1]~[3]のいずれか一に記載の製造方法。
[5] 工程1)のTCR遺伝子増幅上有効な条件が、IL-2またはIL-7およびPHA;抗CD3抗体、抗CD28抗体およびIL-2;抗原ペプチド、抗CD28抗体およびIL-2;PMAおよびCHXの存在下で細胞群または細胞を維持することである、[4]に記載の製造方法。
[6] 工程1)が、T細胞群を刺激するものであり、工程1)、2)および3)が、この順で実施される、[1]~[5]のいずれか一に記載の製造方法。
[7] 工程2)がフローサイトメトリーまたはチップイムノスポットアッセイ(Immunospot-array assay on a chip、ISAAC)法により実施される、[1]~[6]のいずれか一に記載の製造方法。
[8] 工程2)が、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子と抗原A由来抗原ペプチド(p)との複合体を多量体化(典型的には4量体化)したもの(MHC/p四量体)と、抗CD4抗体または抗CD8抗体とを用いてフローサイトメトリーによりソートする工程である、[7]に記載の製造方法。
[9] 工程2)が、抗インターフェロン-γ(IFN-γ)抗体と、抗CD4抗体または抗CD8抗体とを用いてフローサイトメトリーによりソートする工程である、[7]に記載の製造方法。
[10] [1]~[9]のいずれか一に定義された工程を含み、得られた抗原Aに特異的なTCR遺伝子を別のT細胞に導入して抗原Aに特異的な組換えT細胞を得る工程をさらに含む、組換えT細胞の製造方法。
[11] 抗原AがTCR遺伝子治療により処置可能な疾患または状態に関連する抗原であり、別のT細胞が、当該処置可能な疾患または状態にある対象由来である、[10]に記載の製造方法。
[12] 抗原Aががん関連抗原であり、がん特異的TCR遺伝子、またはがん特異的組換えT細胞が製造される、[1]~[11]のいずれか一に記載の製造方法。
[13] がんの処置に用いるための、[12]に記載の製造方法。
[14] がんまたは感染症にある対象におけるTCRレパートリーの解析のために行われる、[1]~[9]のいずれか一に記載の方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、従来の方法より短期間で、例えば約10日以内に、目的のTCR遺伝子がクローニングできる。
本発明は培養工程を実質的に含まないように設計することができる。従来の培養工程を含む方法では、培養工程により、細胞集団において増殖が容易なものの割合が拡大され、その結果、偏ったレパートリーの分析がなされる可能性がある。しかしながら、本発明によればそのような問題が低減される。
本発明によれば、出現頻度が比較的低いT細胞クローンのTCR遺伝子であっても、クローニングできる可能性がある。このことは、TCR遺伝子治療に用いる候補TCRを選択する場合等、目的のTCRを選択する場合に有利であろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明により提供される一態様、hTEC10システムの概略図。(a)hTEC10システムの手順を示す概略図。簡潔には、ヒト末梢血リンパ球中のT細胞をMHC/ペプチド(MHC/p)四量来を用いて染色することで、抗原特異的T細胞を検出し、セルソータにより1個ずつ分離する。分離した一個のT細胞からヒトTCRのcDNAを増幅し、発現ベクターの中にクローニングし、その後、TCR陰性T細胞株TG40へ導入する。次いでTCRが発現したTG40をMHC/p四量体で染色することにより、TCRの抗原特異性を評価する。あるいは抗原ペプチドでTCRを発現させたTG40細胞を刺激し、活性化マーカーであるCD69が細胞表面に発現するかを解析することでも、発現したTCRの抗原特異性を評価することができる。本発明では、その全プロセスを10日以内に行うことができる。(b)1)抗原特異的T細胞のFACS解析(MHC/p四量体を用いて抗原特異的T細胞を検出した場合と、サイトカインの分泌を指標に抗原特異的T細胞を検出した場合の2例)、2)増幅されたTCRα/β鎖のcDNAの分析、および3)TCRを導入したT細胞株を用いた特異性アッセイの代表的なデータ(TCRが発現したTG40をMHC/p四量体で染色し、フローサイトメータにて解析したデータ)。
【図2】hTEC10により得られたEBV特異的ヒトTCRα/βペアの分析。(a)ヒトPBL中のEBウイルス(EBV)特異的CD8+T細胞の検出。19人のHLA-A24+の健常人であるドナーから調製したPBLを、抗CD8抗体およびHLA-A*2402にEBV由来ペプチド(BRLF-1、BMLF-1、LMP-2、EBNA3AおよびEBNA3B)が結合したMHC/p四量体の混合物で染色し、FACSを用いて分析した。2人のドナー(BおよびI)の代表的なデータを示す。(b)10人のEBV不顕性感染の健常人であるドナーからクローニングされたTCR cDNAの配列を用いたEBV特異的CD8+T細胞のレパートリー解析。“n”は分析したT細胞クローンの数である。“r”はレパートリーの数を表す。星印は、そのレパートリーが1個のT細胞クローンのみから得られたことを示す。(c)10人のEBV不顕性感染の健常人であるドナーのCD8+T細胞中のEBV特異的MHC/p四量体陽性細胞のクローン性と割合の間の関係。多様性(%)を次の式を用いて計算した:多様性(%)=r/n×100。“R2”は相関指数を示す。(d)抗原特異性の決定。TG40細胞にクローニングしたTCRを導入し、抗CD3抗体およびEBV特異的MHC/p四量体混合物で染色した。(e)抗原ペプチド刺激によるCD69の発現の増進。E-21(左)またはF-7(右)TCR発現TG40を、それぞれのEBVペプチド(BRLF-1、BMLF-1、LMP-2、EBNA3AまたはEBNA3B)の存在下でHLA-A24+PBLと共に培養し、CD69の発現をFACSにより解析した。(F)プライマリーT細胞上でのクローニングしたBRLF-1特異的TCRの発現。プライマリーT細胞に3種類のBRLF-1特異的Vβ5.1+TCR(Q-22、U-19またはF-39)をレトロウイルスにより導入し、TCRの発現を抗Vβ5.1抗体およびBRLF-1特異的MHC/p四量体染色により解析した。それぞれのプロフィール中の値は、Vβ5.1+細胞集団中のBRLF-1特異的MHC/p四量体陽性細胞の百分率である。(G)クローニングしたTCRを導入したプライマリーT細胞の抗原特異的細胞障害性。EBウイルス特異的TCRを導入したプライマリーT細胞を、BRLF-1ペプチドまたはEBNA3Aペプチドでパルスしておいたカルセイン標識T2-A24細胞と共に培養した。黒丸および白丸は、それぞれBRLF-1およびEBNA3AペプチドでパルスしたT2-A24細胞に対する細胞障害性を示す。カルセインの標的細胞からの放出を4時間後に測定し、方法の節で記述したように溶解(%)を算出した。示した結果は、3通りの実験の平均±SDである。
【図3】5'-RACE single cell PCR法における偏りの欠如。EBV特異的BRLF-1特異的MHC/p四量体陽性および陰性CD8+T細胞のレパートリー分析。TCRのレパートリーは、IMGT/V-Questツール( HYPERLINK "http://www.imgt.org/)を用いて分析した。EBV" http://www.imgt.org/)を用いて分析した。EBV特異的MHC/p四量体陽性CD8+T細胞のレパートリーは特定のレパートリーに偏っているが、 HYPERLINK "http://www.imgt.org/)を用いて分析した。EBV" EBV特異的MHC/p四量体陰性のCD8+T細胞のレパートリーは特定のレパートリーに偏っていない。したがって、本方法で用いている5'-RACE single cell PCR法は偏ることなく万遍無く様々なVα, Vβを増幅する。
【図4】TCR遺伝子をコードするレトロウイルスベクターの導入効率。F2Aで連結した、BRLF-1特異的TCRα/β遺伝子(a)、またはAFP特異的TCRα/β遺伝子(b)をコードしたレトロウイルスベクターのプライマリーT細胞への導入効率を確認するため、IRES(internal ribosome entry site)を介してTCR遺伝子に連結したEGFPの発現レベルをFACSで解析した。
【図5】正常プライマリーT細胞へ導入されたクローン化されたTCRは、導入されたT細胞に、抗原でパルスした細胞に対する抗原特異的細胞障害活性を与える。(a)健常人ドナーより調製したPBLをCD3CD28ビーズで2日間刺激し、活性化され増殖しているPBLに、EBNA3A特異的TCR(E-21)またはBRLF-1特異的TCR(Q-22)をレトロウイルスを用いて導入した。7日後に、導入したTCRの発現を、細胞を抗CD8抗体、およびEBNA3AあるいはBRLF-1特異的MHC/p四量体を用いて染色し、フローサイトメトリーを用いて解析した。図中の値は、CD8+細胞集団におけるMHC/p四量体陽性細胞のパーセンテージである。(b)TCRを導入したプライマリーT細胞を、カルセインを細胞内に導入し、さらにEBNA3AペプチドでパルスしたT2-A24細胞とともにインキュベートした。4時間後に細胞障害によるカルセインの放出を測定した。示した結果は、3回の実験の平均値±SDである。
【図6】hTEC10システムによる、AFPペプチドワクチン接種されたHCC患者からのAFPペプチド特異的TCRの分析。(a)患者1の臨床応答。患者1を、AFP357およびAFP403ペプチドで、72週間、隔週でワクチン接種した。AFP由来のペプチドワクチン接種の前および後に、患者の臨床応答を血清AFPレベルにより監視した。血清AFPレベルは酵素免疫アッセイにより測定された(上段)。患者1の臨床応答はMRIによっても監視された(下段)。青い矢印は、代表的なMRI検査が行われた際のデータを示す。赤い矢印は、肝臓におけるHCCの病巣を示す。(b)患者2の臨床応答。患者2を、AFP357およびAFP403ペプチドで、88週間、隔週でワクチン接種した。患者の臨床応答を、血清中のAFPレベルを酵素免疫アッセイにて測定することにより監視した(上段)。患者2の臨床応答はCTによっても監視された(下段)。AFPレベルを経時的に追跡した上段の図中の矢印は、代表的なCT検査が行われた時点を示す。CT写真(下段)中の矢印は、腹壁および肺におけるHCCの転移性病巣を示す。(c)HCC患者のPBL中のAFPペプチド特異的CD8+T細胞の検出。ペプチドワクチンで処置されたHCC患者からのPBLを、AFP357ペプチドで3週間刺激した。刺激の後、その細胞を抗CD8抗体およびHLA-A*2402/AFP357ペプチド四量体で染色し、FACSを用いて分析した。(d)HLA-A*2402/AFP357ペプチド四量体+CD8+T細胞のレパートリー。そのレパートリーをIMGT/V-Questツール(http://www.imgt.org/)を用いて分析した。“n”は分析したT細胞クローンの数である。“r”はレパートリーの数を表す。星印は、そのレパートリーが一個のT細胞クローンのみから得られたことを示す。(e)TCRを導入したプライマリーT細胞上のAFP357特異的TCRの発現。健常人であるドナーから調製したプライマリーT細胞に、7種類のAFP特異的TCRのcDNA(AFP1-14、AFP2-18、およびAFP2-29)をレトロウイルスにより導入し、TCRの発現を抗CD8抗体およびHLA-A*2402/AFP357ペプチド四量体を用いた染色により分析した。(F)TCRを導入したプライマリーT細胞の細胞障害性。AFP357ペプチド特異的TCRを導入したT細胞を、AFP357ペプチド有りまたは無しでパルスしておいた51Cr-標識C1RA24細胞と共にインキュベートした。黒丸および白丸は、それぞれAFP357ペプチドでパルスしたC1R-A24あるいはペプチドパルスしていないC1R-A24細胞に対する細胞障害性を示す。51Crの放出を4時間後に測定し、方法の節で記述したように細胞溶解率(%)を算出した。
【図7】特異的ペプチドを用いた刺激によるサイトカイン分泌CD8+T細胞のレパートリー分析。(a)ドナーFからのPBLをBRLF-1ペプチドで14日間刺激した。インビトロでの刺激の後、そのPBLを、BRLF-1ペプチド有りまたは無しで、抗CD28抗体の存在下6時間再刺激した。応答した細胞によるIFN-γの分泌を、IFN-γ分泌アッセイキットを用いて分析した。(b)IFN-γ+CD8+T細胞のレパートリーを分析し、ドナーFのBRLF-1特異的MHC/p四量体+CD8+T細胞のレパートリーと比較した。“n”は分析したT細胞クローンの数である。“r”はレパートリーの数を表す。同じ色は同じVα/Vβレパートリーを意味する。
【図8】IL-2/PHA、IL-7/PHAによる増幅率。PBLを集団のまま刺激剤存在下で2日間培養した後、セルソーターによりCD3陽性のT細胞を1個ずつチューブにソートし、RT-PCRを適用した。各チューブからのサンプル10μlを、1%アガロースゲルを用いて電気泳動し、エチジウムブロマイド(EtBr)で染色した。●は、TCRα/βcDNAペアが増幅できたもの、Nは細胞なしの系(ネガティブコントロール)を示す(図9および10において同じ)。刺激剤存在下での2日間の培養によるペア増幅率は、Il-2およびPHAで刺激した場合が30/30 (100%)、IL-7/PHAの場合が30/30 (100%)であった。一方、培地のみ(刺激なし)で2日間培養した場合の増幅率は17/30 (56.7%)であった。
【図9】IL-7単独による増幅率。刺激剤を変更した以外は図8の場合と同様に実施した。2日間の培養によるペア増幅率は、培地のみ(刺激なし)の場合が53.3%、Il-2およびPHAで刺激した場合が93.3%、IL-7単独の場合が66.6%%であった。
【図10】CHX、PHA/CHXによる増幅率。humanCD3+細胞を用い、また刺激剤存在下での培養時間を12時間とし、他の点は図8の場合と同様に実施した。12時間の培養によるペア増幅率は、培地のみ(刺激なし)の場合が46.6%、CHX単独の場合が66.7%、PMA/CHXの場合が93.3%%であった。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明および明細書で「 ~ 」で数値範囲を表す場合は、特に記載した場合を除き、その範囲は両端の数値を含む。

【0013】
本発明は、TCR遺伝子のクローニング方法を提供する。より具体的には、下記の工程を含む、抗原Aに特異的なTCR遺伝子の製造方法を提供する:
1) 抗原Aに特異的なT細胞を含むT細胞群を、または抗原Aに特異的な1個のT細胞を、T細胞受容体(TCR)遺伝子増幅上有効な条件で刺激する工程;
2) 抗原Aに特異的なT細胞を含むT細胞群から、抗原Aに特異的なT細胞を特定して1個ずつ容器へソートする工程;および
3) 容器内の1個の刺激された抗原A特異的T細胞をPCRに供して、抗原Aに特異的なTCR遺伝子を増幅する工程。

【0014】
工程1)は、TCR遺伝子増幅上有効な条件で、T細胞群または1個のT細胞を刺激する工程である。TCR遺伝子増幅上有効な条件とは、工程3)のPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を有効に行えるようにT細胞を処理する条件であり、これは通常、PCRを行うのに十分な程度にまで、鋳型となりうるmRNAを増やす条件である。

【0015】
この条件は、典型的には、少なくともIL-2、の存在下で、好ましくはIL-2およびPHAの存在下で、処理上有効な期間、T細胞を維持することある。また、T細胞を集団で維持すると、PCRを行うのに十分な程度にまで、鋳型となりうるmRNAを増やすことが達成される場合がある。

【0016】
IL-2 は、一般的には、単球・マクロファージの活性化、B細胞の増殖と抗体産生能の亢進、およびT細胞の増殖および活性化の作用があることが知られている。PHA(フィトヘマグルチニン、Phytohaemagglutinin)は、一般的には分裂促進物質として知られている。同様の活性を有する物質であれば、これらに代替して用いることができるであろう。

【0017】
本発明者らの検討によると、工程1)のTCR遺伝子増幅上有効な条件は、少なくともインターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-7(IL-7)、フィトヘマグルチニン(PHA)、ホルボール12-ミリステート13-アセテート(phorbol 12-myristate 13-acetate、PMA)、シクロヘキシミド(CHX)、抗CD3抗体、抗CD28抗体、抗CD28抗体、および抗原ペプチドからなる群より選択される少なくとも一つの存在下で、細胞群または細胞を維持することである。これらの刺激剤は、一種類のみ用いてもよい。一種類のみ用いる場合の好ましい例の一つは、IL-7 およびCHXである。

【0018】
刺激剤は、工程3)における抗原特異的TCRα/βcDNAペアの増幅率を高めるとの観点からは、組み合わせて用いることが好ましい場合がある。本発明者らの検討によると、抗原特異的TCRα/βcDNAペアの高い増幅率が確認されている組み合わせは、IL-2またはIL-7とPHAとの組み合わせであり、また、PMAとCHXとの組み合わせである。他に、抗CD3抗体、抗CD28抗体およびIL-2の組み合わせ、抗原ペプチド、抗CD28抗体およびIL-2の組み合わせも有効であろう。

【0019】
刺激剤は、T細胞を培養・維持することができる培地(例えば、RPMI1640)または緩衝液に、適切な濃度で溶解して用いることができる。IL-2またはIL-7を用いる場合、その濃度は、例えば10~5000 IU/ml、より特定すると30~1000 IU/ml、さらに特定すると50~500 IU/mlとすることができる。PHAを用いる場合、その濃度は、例えば0.1~100μg/ml、より特定すると0.5~50μg/ml、さらに特定すると1~9μg/mlとすることができる。PMAを用いる場合、その濃度は、例えば0.1~100 ng/ml、より特定すると0.5~50 ng/ml、さらに特定すると1~20 ng/mlとすることができる。CHXを用いる場合、その濃度は、例えば0.1~100μg/ml、より特定すると0.5~50μg/ml、さらに特定すると1 ng/ml~20μg/mlとすることができる。培地または緩衝液は、他に、血清(例えば、熱非働化ウシ胎児血清)、抗生物質(例えば、ストレプトマイシン、およびペニシリン)を含んでいてもよい。

【0020】
処理上有効な期間は、本発明者らの検討によると、IL-2とPHAとを実施例の条件で用いる場合は、0.5~3日間、好ましくは24時間~64時間、より好ましくは36~60時間、典型的には2日間である。
他の条件、例えば、温度、5% CO2雰囲気下等の条件は、T細胞を培養するための通常の条件にしたがえばよい。

【0021】
本発明の一態様においては、工程1)では、T細胞を集団で、すなわちT細胞群を培養または刺激する。T細胞群を刺激する場合、近隣の細胞との相互作用(細胞間接着、サイトカイン等の液性因子)の影響により、工程3)における増幅効率が向上できる。集団で刺激する場合、T細胞は、培養するために適した通常の細胞密度になるように刺激剤を含む培地に懸濁し、例えば1×105~1×107 cells/mlに、好ましくは5×105~5×106 cells/mlに懸濁し、適切な培養器に適切な量播種され、培養することにより刺激することができる。

【0022】
ここで用いる培養器としては、例えば市販の24 wellプレートを用いることができ、各wellに1mlずつ1×106 cells/mlの細胞懸濁液を播種することにより、1×106 cells/wellの集団のT細胞を刺激することができる。また、市販の96 wellプレートを用いもよく、各wellに200μlずつ1×106 cells/mlの細胞懸濁液を播種することにより、2×104 cells/wellの集団のT細胞を刺激することができる。

【0023】
また、本発明の別の態様においては、工程1)ではT細胞を1個ずつ刺激する。この場合、先に工程2)を実施することによりT細胞を特定して1個ずつ適切な容器に分離し、次いで工程1)を実施することにより、本発明を実施できる。T細胞を1個ずつ刺激した場合であっても、刺激剤より刺激できることは明らかであるので、刺激をしない場合(なお、本発明者らの検討によると、刺激をせずに(培地のみを用いて)集団で12時間培養したある実験においては、抗原特異的TCRα/βcDNAペアの増幅率は36.4%であった。)に比較して、工程3)における抗原特異的TCRα/βcDNAペアの増幅率は上がると予想される。また、ソートするチューブにサイトカインを分泌し、共刺激分子(CD80,CD137L)を発現するようにした人工細胞で刺激する方法などが報告(Proc Natl Acad Sci U S A. 2012 Mar 6;109(10):3885-90)されており、このような方法を応用すれば、単一細胞に分離してからの刺激でも、T細胞群を刺激した場合と同程度の高い効果が得られる可能性がある。なお本発明で細胞の状態に関し、「単独」、「1個」というときは、特に記載した場合を除き、その細胞以外の細胞を含まない環境にあることをいう。また「集団」、「群」というときは、複数の細胞が存在する環境にあることをいう。

【0024】
工程2)は、目的のT細胞を特定し、1個ずつPCRのための容器へソートする工程である。この工程は、種々の既存の手段、例えばフローサイトメトリーまたはチップを用いたイムノスポットアッセイ(Immunospot-array assay on a chip、ISAAC)法により、実施することができる。

【0025】
フローサイトメトリー (flow cytometry) は、微細な粒子を流体中に分散させ、その流体を細く流して、個々の粒子を光学的に分析する手法であり、微粒子を選択的に回収することもできる。細胞上の表面マーカーの解析 のためにも汎用されており、典型的には、2種類の表面マーカーに着目し、双方が陽性である細胞を、分類するために用いられる。

【0026】
本発明の一態様においては、工程2)は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子と抗原A由来抗原ペプチド(p)との複合体を多量体化したもの(典型的には四量体化したもの(MHC/p四量体))と、抗CD4抗体または抗CD8抗体とを用い、両方に反応性であるT細胞をフローサイトメトリーによりソートすることにより実施される。なお、本発明および明細書では、MHC分子とpとの複合体を多量体化したものとして、MHC/p四量体を例に説明することがあるが、その説明は、特に記載した場合を除き、五量体などの他の多量体にも当てはまる。

【0027】
本明細書の実施例には、MHC/p四量体を用いる抗原特異的TCRの迅速で直接的なクローニング結果が示されている。この態様は、特異的なT細胞が明確にソートできる点で優れている。現在、入手できるMHC/p四量体のほとんどは、MHCクラスI分子にペプチドが結合したものを四量体化したものである。この四量体はCD8陽性T細胞に結合する。したがって、このような場合は、MHC/p四量体に反応性であり、かつCD8陽性であるT細胞をソートするのがよい。一方、MHCクラスII分子にペプチドが結合したものを用いて抗原特異的T細胞を検出することもできる。このMHC/p四量体はCD4陽性T細胞に結合する。したがって、このMHCクラスIIとペプチドと複合体を四量体化したものを用いる場合は、CD4陽性の抗原特異的T細胞をソートするのがよい。

【0028】
本発明の別の態様においては、工程2)は、抗インターフェロン-γ(IFN-γ)抗体と、抗CD4抗体または抗CD8抗体とを用い、ペプチドに反応してIFN-γを分泌するCD8+T細胞をフローサイトメトリーによりソートすることにより実施される。MHC/p四量体の入手可能性は限られているが、本発明によればMHC/p四量体を用いることなく抗原特異的T細胞を検出するために用いることができる。この態様においては、ドナーからのPBLを刺激剤で刺激した後、刺激化PBLを、抗原および抗CD28抗体の存在下で再刺激するとよい。これにより、IFN-γ分泌細胞をIFN-γ分泌アッセイキットを用いて染色することができ、CD4陽性またはCD8陽性であり、かつIFN-γ陽性であるT細胞を、目的のT細胞として特定・ソートすることができる。

【0029】
工程2)は、ISAAC法によっても実施することができる。この方法は、基体の一方の主表面に複数のウェルを有し、ウェルが1つのT細胞のみが入る大きさであるマイクロウェルアレイを用いて行うものである。マイクロウェルアレイを用いる方法に関しては、本発明者らの先の出願を参照することができる。この方法においては、T細胞が抗原を認識したときに産生される物質(産生物質)の少なくとも一部と結合性を有する物質(結合性物質)として、産生物質に対する抗体を用いることができる。そして産生物質の有無の検出は、産生物質と特異的に結合する物質を用いる場合と、結合性物質と特異的に結合する物質を用いる場合とがある。検出のための物質の典型例は、抗体である。具体的には、マイクロウェルアレイ上のウェルに1個ずつT細胞を配置し、チップ上でペプチドにてT細胞を刺激する。チップ表面には抗IFN-γ抗体をコートしておく。刺激されたT細胞をIFN-γを分泌し、分泌されたIFN-γはウェル周囲のチップ表面の抗IFN-γ抗体にトラップされる。トラップされたIFN-γを蛍光標識された抗IFN-γ抗体を結合させることで検出する。このようにして同定されたIFN-γ分泌T細胞をキャピラリーにて回収し、TCRの増幅に供する。

【0030】
工程3)は、容器内の1個の活性化された(刺激されたと同義である。)抗原A特異的T細胞をPCRに供して、抗原Aに特異的なTCR遺伝子を増幅する工程である。特定された細胞は、増殖させてからPCRに供してもよいが、1個または数個の細胞を対象としてcDNAの増幅が行えるPCRの手法が種々知られており、本発明においても、そのような公知の手法を適用することができる。典型的には、まず細胞溶解を行い、続いてdTアダプタープライマー(RT dT Primer 2)を用いた逆転写反応によりmRNAからcDNA合成を行う。得られたcDNAは増幅してもよく、またはそのまま、鋳型として使用して、また適切に設計されたプライマーを用いて、リアルタイムPCR(定量PCR、qPCR)を行う。

【0031】
本発明の一態様においては、工程1)、2)および3)が、この順で実施される。

【0032】
本発明の方法は、さらに、工程4)として、取得したTCRをTCRを発現していないT細胞株に導入し、発現させ、その抗原特異性を検証する工程、を含んでもよい。

【0033】
本発明の方法は、得られた抗原Aに特異的なTCR遺伝子を別のT細胞に導入して抗原Aに特異的な組換えT細胞を得る工程をさらに含む、組換えT細胞の製造方法としても実施することができる。

【0034】
また、組換えのための対象となるT細胞は、TCR遺伝子治療により処置可能な疾患または状態にある対象(患者)由来とすることができる。このような疾患または状態の典型的な例は、がんまたは感染症であり、好ましくは、がんである。本発明に用いられる抗原は、がん関連抗原であってもよい。がん関連抗原の例は、本明細書の実施例に示したもののほか、WT1、CEA、CA19-9、CA125、PSA、CA72-4、SCC、MK-1、MUC-1、p53、HER2、G250、gp-100、MAGE、BAGE、SART、MART、MYCN、BCR-ABL、TRP、LAGE、GAGE、およびNY-ESO1である。

【0035】
本発明の適用が期待できる疾患には、がんまたは感染症が含まれ、がんには、成人のがんおよび幼児期のがんが含まれ、また消化器がん、肺がん、および難治性の食道がん、頭頸部がん、卵巣がん、多発性骨髄種等が含まれる。感染症には、ウイルス感染症(例えば、後天性免疫不全症候群(AIDS)、成人T細胞性白血病、エボラ出血熱、インフルエンザ、ウイルス性肝炎、ウイルス性髄膜炎、黄熱、風邪症候群、狂犬病、サイトメガロウイルス感染症、重症急性呼吸器症候群 (SARS)、進行性多巣性白質脳症、水痘、帯状疱疹、手足口病、デング熱、伝染性紅斑、伝染性単核球症、天然痘、風疹、急性灰白髄炎(ポリオ)、麻疹 、咽頭結膜熱(プール熱)、マールブルグ出血熱、ハンタウイルス腎出血熱、ラッサ熱、流行性耳下腺炎、ウエストナイル熱、ヘルパンギーナ、チクングニア熱)、細菌感染症、リケッチア感染症、寄生性感染症、プリオン病が含まれる。

【0036】
本発明の方法は、本発明で疾患または状態に関連して「処置」というときは、特に記載した場合を除き、発症リスクの低減、予防、治療、進行の抑制を含む。

【0037】
以下、本発明を実施例により説明する。
【実施例1】
【0038】
〔方法〕
健常人であるドナーおよびHLAの分類
ヒトの実験は、富山大学の倫理委員会の承認を得て実施された。すべての対象からインフォームドコンセントを得た。末梢血リンパ球(PBL)を、ヘパリン添加された血液試料からFicoll-Hypaque(Immuno-BioloGical Laboratories)を用いた密度勾配遠心分離により分離した。HLA-A24ハプロタイプ陽性に関するスクリーニングは、PBLを抗HLA-A24抗体(One Lambda)、続いてFITC標識抗マウスIgG抗体(ICN/Cappel)を用いて染色した後、フローサイトメトリーにより解析し、実施した。
【実施例1】
【0039】
ペプチドワクチン接種された患者
HLA-A24拘束AFP357(EYSRRHPQL、配列番号1)およびAFP403(KYIQESQAL、配列番号2)ペプチドワクチンを用いた臨床試験(試験登録:UMIN000003514)を、金沢大学病院で実施した。HCCステージIIIまたはIVの検証された放射線医学的診断を有する患者がこの試験に登録された。その患者にそれぞれ用量あたり3.0mGのAFP由来ペプチドワクチンを与えた。Neo MPS, Inc.(カリフォルニア州サンディエゴ)でGMPグレードとして合成されたペプチドを、不完全フロインドアジュバント(Montanide ISA-51 VG;SEPPIC,フランス、パリ)を含有する乳化溶液として、隔週の皮下免疫処置により投与した。臨床応答を、血清AFP値、ダイナミックCTまたはMRIにより監視し、固形腫瘍における応答評価基準、第1.1版にしたがって評価した。ヘルシンキ宣言にしたがってすべての患者はその試験に参加するために書面によるインフォームドコンセントを提供し、この試験は地域の倫理委員会により承認された(金沢大学医療倫理委員会、第858号)。
【実施例1】
【0040】
患者からの血液試料を、市販の免疫アッセイ(Fuji Rebio)を用いてHBsAGおよびHCVAbに関して試験した。患者からのPBLのHLAに基づく分類を、ポリメラーゼ連鎖反応-逆配列-特異的オリゴヌクレオチド(PCR-RSSO)法を用いて実施した。血清AFPレベルは酵素免疫アッセイ(Abbott Japan)により測定された。患者からのPBLを以前に記述された20ように分離し、80%FCSおよび10%ジメチルスルホキシドを含有するRPMI1640培地中で再懸濁し、使用まで凍結保存した。
【実施例1】
【0041】
細胞株
RPMI1640およびDMEM培地(Wako Pure Chemical)に10%熱非働化ウシ胎児血清(Biowest)、100μg/mlストレプトマイシン、および100U/mlペニシリンを補い細胞の培養に用いた。ヒトCD8(hCD8)発現TG40細胞(熊本大学のDr.Uenoによりご厚意で提供して頂いた;理研のDr.Saitoから許可を得た)およびT2-A24細胞(愛知県がんセンター研究所のDr.Kuzushimaによりご厚意で提供して頂いた)を、RPMI1640培地中で維持した。PLAT-E(東京大学のDr.Kitamuraによりご厚意で提供して頂いた)およびPhoenix-A(スタンフォード大学のDr.G.Nolanによりご厚意で提供して頂いた)をDMEM培地中で維持した。
【実施例1】
【0042】
細胞刺激
IL-2/PHAの場合: 1×106 cells/ mlの細胞懸濁液を、24 wellプレートの各ウェルに1mlずつ播種し(1×106 cells/ well)、刺激した。刺激は、RPMI1640(Wako Pure Chemical)に、10%熱非働化ウシ胎児血清(Biowest)、100μg/mlストレプトマイシン、100U/ml ペニシリン、100 IU/ml Recombinant human IL-2(Peprotech Cat. 200-02)および3 ug/ml PHA(Wako Pure Chemical)を添加した培地で、細胞を37℃、5%CO2の条件下で2日間培養することにより行った。
【実施例1】
【0043】
CHX/PMAの場合: 1×106 cells/ mlの細胞懸濁液を、96 wellプレート(Flat bottom)に200μlずつ播種し(2×104 cells/ well)、刺激した。刺激は、RPMI1640(Wako Pure Chemical)に、10%熱非働化ウシ胎児血清(Biowest)、100μg/mlストレプトマイシン100U/mlペニシリン、10 ug/ml CHX(Wako Pure Chemical)、および10 ng/ml PMA(Wako Pure Chemical)を添加した培地で、細胞を37℃、5%CO2の条件下で所定の時間培養することにより行った。なお刺激後、自動磁気細胞分離装置(autoMACS、ミルテニーバイオテク株式会社)を用いてCD3+ポジティブセレクションを行った後、TCR増幅を行った。
【実施例1】
【0044】
抗体およびMHC/p四量体染色
EBV特異的T細胞を、PE標識HLA-A24/ペプチド四量体で染色した。用いたEBVペプチドの配列は以下の通りである:TYPVLEEMF(BRLF-1 198~206、配列番号3)、DYNFVKQLF(BMLF-1 320~328、配列番号4)、IYVLVMLVL(LMP2 222~230、配列番号5)、RYSIFFCYM(EBNA3A 246~254、配列番号6)、およびTYSAGIVQI(EBNA3B 217~225、配列番号7)。AFP特異的T細胞を、PE標識HLA-A24/ペプチド(AFP 357~365)四量体で染色した(文献13)。すべてのMHC/p四量体はMBLから購入した。FITC標識抗CD8抗体(MBL)、抗CD3ε抗体(eBioscience)、APC標識ストレプトアビジン(eBioscience)、およびPE標識抗CD69抗体(eBioscience)をフローサイトメトリーのために用いた。
【実施例1】
【0045】
Single cell RT-PCR
IL-2およびPHAにより2日間刺激しておいたPBLをMHC/p四量体にて染色し、MHC/p四量体陽性細胞を、FACSAriaII(Becton Dickinson)を用いて、29.2μgのDynabeads Oligo(dT)(文献25)(Invitrogen)、2.9μlの溶解/結合緩衝液(Invitrogen)および0.29pmolのそれぞれの遺伝子に特異的なプライマーからなる細胞溶解溶液を含有するMicroAmp(登録商標)反応チューブ(Applied Biosystems)の中にそれぞれ単一細胞ソートした。
【実施例1】
【0046】
プライマーの配列は以下の通りであった:
alpha-RT(5'-AGCAGTGTTTGGCAGCTCTT-3'、配列番号8)、
beta1-RT(5'-CTGGCAAAAGAAGAATGTGT-3'、配列番号9)、および
beta2-RT(5'-ACACAGATTGGGAGCAGGTA-3'、配列番号10)。
【実施例1】
【0047】
細胞はチューブの中で溶解した。そして、poly-A RNAをDynabead上のOligo(dT)に結合させた。次いでそのDynabeadsを、4.0U SuperScriptIII(Invitrogen)、0.3U マウスRNase阻害剤(New England Biolabs)、0.5mMのそれぞれのdNTP、5mM DTT、0.2% Triton X-100、および1×First-Strand Buffer(Invitrogen)を含有する溶液の中に移した。逆転写(RT)反応を50℃で40分間行った。RT反応の後、Dynabeadsを8U 末端デオキシヌクレオチド転移酵素(Roche)、0.5mM dGTP、0.4U マウスRNase阻害剤、4mM MGCl2、0.2% Triton-X 100、5% P-K緩衝液[1M K2HPO4および1M KH2PO4、pH 7.0]を含有する別の溶液の中に移し、37℃で40分間保温してcDNAの3'末端にポリdGを付加した。次いでそのDynabeadsを第1PCR反応混合物を含有する新しいPCRチューブの中に移した。第1PCRを、製造業者の説明書にしたがって、PrimeSTAR HS DNAポリメラーゼ(TaKaRa)、および、AP-1、alpha-1st、beta1-1stおよびbeta2-1stプライマーを用いて実施した。
【実施例1】
【0048】
AP-1(5'-ACAGCAGGTCAGTCAAGCAGTAGCAGCAGTTCGATAACTTCGAATTCTGCAGTCGACGGTACCGCGGGCCCGGGATCCCCCCCCCCCCCDN-3'、配列番号11)、alpha-1st(5'-AGAGGGAGAAGAGGGGCAAT-3'、配列番号12)、beta1-1st(5'-CCATGACGGGTTAGAAGCTC-3'、配列番号13)、およびbeta2-1st(5'-GGATGAAGAATGACCTGGGAT-3'、配列番号14)を用いたPCRサイクルは以下の通りであった:95℃で5分間、続いて30サイクルの95℃で15秒間、60℃で5秒間、および72℃で1分30秒間。
【実施例1】
【0049】
結果として得られたPCR産物を水で100倍希釈し、その希釈したPCR産物2μlを鋳型DNAとして23μlのnested PCR反応液に添加した。nested PCRは、アダプタープライマーAP-2(5'-AGCAGTAGCAGCAGTTCGATAA-3'、配列番号15)およびTCRαの定常領域に特異的なプライマー(alpha-Nest;5'-GGTGAATAGGCAGACAGACTT-3'、配列番号16)またはTCRβの定常領域に特異的なプライマー(beta-Nest;5'-GTGGCCAGGCACACCAGTGT-3'、配列番号17)を用いたこと以外は、第1PCRと同様の反応液を用いて実施された。PCRサイクルは以下の通りであった:98℃で1分間、続いて35サイクルの98℃で15秒間、60℃で5秒間、および72℃で45秒間。
【実施例1】
【0050】
次いでそのPCR産物を、alpha-nestまたはbeta-nestプライマーを用いて、直接塩基配列を決定するか、あるいは、PCR産物を発現ベクター中へのサブクローニングした後に塩基配列を決定するか、した。そのTCRレパートリーはIMGT/V-Questツール(http://www.imgt.org/)(文献15)を用いて分析した。
【実施例1】
【0051】
レトロウイルスのトランスフェクション
TCRαまたはβ鎖をコードするcDNAをpMXベクター(東京大学のDr.Kitamuraによりご厚意で提供して頂いた)の中に挿入し、次いでレトロウイルスパッケージング細胞株であるPLAT-Eに、FuGENE 6(Roche)を用いてトランスフェクトした。トランスフェクションの72時間後に、トランスフェクトされたPLAT-E細胞から組換えレトロウイルスを含む培養上清を集め、polybrene(SiGma-Aldrich)と一緒にhCD8-TG40細胞に添加した。組換えレトロウイルスを感染させたhCD8-TG40細胞にTCRが発現するかは、CD3εの細胞表面への発現およびEBV特異的MHC/p四量体の細胞への結合をフローサイトメトリーにより分析し、観察した。ヒトPBLへの導入に関して、TCRαおよびTCRβ鎖をウイルスのF2A配列(文献16)を介して連結し、pMX-IRES-EGFPベクター(東京大学のDr.Kitamuraによりご厚意で提供して頂いた)の中にクローニングし、Phoenix Aレトロウイルスパッケージング細胞株の中にトランスフェクトした。
【実施例1】
【0052】
クローニングされたTCRの抗原特異性の決定
クローニングされたTCRα/βペアの抗原特異性を、CD69誘導アッセイおよび/またはMHC/p四量体染色を用いて分析した。簡潔には、TCR発現hCD8-TG40細胞を、HLA-A24+PBLと共に、EBVペプチド(BRLF-1、BMLF-1、LMP2、EBNA3AまたはEBNA3B)のそれぞれの存在下で、5%CO2中で37℃において一夜培養した。培養後、CD69の細胞表面発現をフローサイトメトリーにより分析した。LMP2に関する抗原特異性の場合は、蛍光標識LMP2特異的HLA-A24四量体を用いて細胞を染色し、その結合をフローサイトメータを用いて分析した。
【実施例1】
【0053】
クローニングされたTCRを導入されたPBLの調製
5×105個のPBLを、製造業者の説明書にしたがってインビトロでCD3CD28 Dynabeads(Invitrogen)および30U/ml組換えhIL-2(Peprotech)で刺激した。2日後、TCRをコードするレトロウイルスの上清を、50μg/ml retronectin(TaKaRa)で一夜コートしておいたプレートに添加した。32℃において1900×g、2時間遠心することにより、その上清中のレトロウイルスをそのプレート上にスピンロードした(spin-loaded)。刺激されたPBLを洗浄し、0.5×106個/mlのこれらの細胞を、レトロウイルスをロードしたプレート中のそれぞれのウェルに添加した。そのプレートを32℃において1000×g、10分間遠心後、5%CO2中で37℃において一夜培養した。次の日(3日目)に、そのPBLを新しく用意したレトロウイルスでコートしたプレートの上に2日目と同様にして移し、5%CO2中で37℃において培養した。10日目に、TCRを導入したPBLをMHC/p四量体染色およびフローサイトメトリーにより適切なTCRの発現に関して評価した。
【実施例1】
【0054】
CTLアッセイ
TCRを導入したPBLの細胞障害性を、カルセインAM(Wako Pure Chemical Industries)放出アッセイを用いて測定した。簡潔には、ペプチドをロードしたT2-A24標的細胞をカルセインAMで37℃、30分間標識した。次いで、その標的細胞および、TCRを導入したPBL(エフェクター細胞)を、示したエフェクター細胞対標的細胞(E/T)比で96ウェルプレートに蒔き、5%CO2を含有する加湿した空気の中で37℃、4時間培養した。培養後、その上清を新しいウェルに移し、FLUOstar OPTIMAマイクロプレートリーダー(BMG LABTECH)を用いて蛍光を測定した。細胞障害性の百分率を、次の式を用いて計算した:%溶解=(F実験-F自然発生)/(F最大-F自然発生)×100。アッセイは3通りで行われた。AFP特異的TCRの場合、TCRを導入したPBLの細胞障害性は51Cr放出アッセイ(文献13)により測定した。
【実施例1】
【0055】
〔結果〕
単一抗原特異的ヒトCD8+T細胞からの抗原特異的TCRの迅速なクローニングおよび機能評価
図1aに、本発明者らが確立した迅速なクローニングおよび機能アッセイシステムの概略を示す。本発明のシステムは、10日以内に単一抗原特異的ヒトT細胞からTCRα/βcDNAペアを得てそれらの抗原特異性を確認することができる。本発明者らはこのシステムをhTEC10システム(10日以内でのヒトTCRの効率的なクローニング(human TCR efficient cloning within 10 days))と名付けた。このシステムでは、ヒト抗原特異的T細胞を抗原特異的MHC/p四量体による染色またはサイトカイン分泌の分析により決定し(図1a左方)、FACSにより単一細胞(single cell)を分離する。TCRのcDNAを単一細胞から増幅し(図1a中程)、発現ベクターの中にクローニングし、TCR陰性T細胞株TG40の中に導入する。次いでそのTCRの抗原特異性を、導入されたTG40を、MHC/p四量体で染色すること(図1a右方)およびCD69の発現を分析することにより評価する。この全プロセスは10日以内に行うことができる。図1bに示してあるように、単一細胞からのTCRの増幅は非常に効率的である。
【実施例1】
【0056】
ヒトの疾患におけるT細胞の分析に関してhTEC10システムを評価するため、本発明者らはまずHLA-A24+EBV潜伏感染性の健常人であるドナーに由来するEBV特異的CD8+T細胞を分析した。現在までに、5種類のHLA-A*2402拘束性EBVエピトープであるBRLF-1、BMLF-1、LMP2、EBNA3AおよびEBNA3Bが同定されている(文献9)。したがって、本発明者らは本研究においてEBV特異的CD8+T細胞を検出するために5種類のEBウイルスエピトープのHLA-A*2402拘束性四量体混合物を用いた。本発明者らは、19人のHLA-A24陽性のドナーから調製したCD8+T細胞集団内でMHC/p四量体陽性細胞の様々な出現頻度(0.64%~0.00%)を検出した(図2aおよび表1)。
【実施例1】
【0057】
【表1】
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【実施例1】
【0058】
次いで、本発明者らはFACSを用いて、そのEBV特異的MHC/p四量体陽性細胞の出現頻度がCD8+T細胞集団の0.06%より大きかった10人のドナーのPBLからMHC/p四量体陽性細胞を単一細胞分離した。本発明者らは、分離された単一細胞から5'-RACE法(前掲非特許文献7)を用いて444ペアのTCRαおよびβのcDNAを増幅した。次いで本発明者らは、それぞれのドナーからのEBV特異的TCRペアの配列を分析した。本発明者らは、EBV特異的TCRの多様性が高度に制限されている(それぞれのドナーにおいて1~10)ことを見出した(図2b、3)。MHC/p四量体-の細胞のTCRレパートリーはいずれかのVα/Vβ亜集団に向かって偏っていなかったため(図3)、MHC/p四量体+の細胞におけるTCRレパートリーの偏りは5'-RACE法によるPCRの増幅効率の偏りによるものではなかった。
【実施例1】
【0059】
本発明者らのシステムが、一般に用いられるクローニング法では見失う可能性のある出現頻度の低い抗原特異的T細胞クローン(図2bにおいて星印により示した。)をクローニングしうることは重要である。それぞれのドナーから得られたT細胞クローンの数がMHC/p四量体+CD8+T細胞の割合と逆相関していたことも重要である(図2c)。これはEBVの潜伏を制御するためにそれぞれのドナーから特異的なクローンが拡大されたことを示唆している。
【実施例1】
【0060】
クローニングされたTCRの抗原特異性の決定
クローニングされたTCRの抗原特異性を決定するため、本発明者らはまずそのcDNAをTG40細胞に移入し、それらをMHC/p四量体混合物を用いて染色した。TG40上で発現されたTCRの95パーセントが、そのMHC/p四量体混合物に結合した(図2d)。次いで本発明者らは、クローニングしたTCRの抗原ペプチド特異性をCD69誘導アッセイを用いて決定した。本発明者らは、TCRを発現するTG40細胞を、それぞれのEBVペプチドの存在下でHLA-A24+末梢血リンパ球(PBL)と共に培養し、早期リンパ球活性化マーカーであるCD69の発現を調べた。図2eで示したように、TCR E-21に関して、CD69の発現はEBNA3Aペプチドにより有意に増大していたが、他のペプチドでは増大していなかった。TCR F-7の場合、CD69の発現はBRLF-1ペプチドにより有意に増大していたが、他のペプチドでは増大していなかった。これらの結果は、E-21 TCRがEBNA3Aに特異的であり、F-7 TCRはBRLF-1に特異的であることを示している。本発明者らが379種類のTCRの同族抗原をCD69誘導アッセイを用いて分析した際、本発明者らは、EBV特異的TCRの中のBRLF-1、BMLF-1、EBNA3A、EBNA3BおよびLMP-2に特異的なTCRの割合がそれぞれ57.1、21.1、18.8、2.0、および1.1%であることを発見した(表2)。これらのデータは以前の報告(文献10および11)と一致している。
【実施例1】
【0061】
【表2】
JP0006126804B2_000003t.gif
【実施例1】
【0062】
クローニングされたEBV特異的TCRを導入したプライマリーT細胞による、標的細胞の殺傷
クローニングされたEBウイルス特異的TCRを導入したプライマリーT細胞が同族抗原を提示する標的細胞に対して細胞障害活性を示すかどうかを決定するため、本発明者らは末梢血T細胞を正常なドナーから調製し、BRLF-1特異的Vβ5.1+TCR(Q-22、U-19、F-39)をプライマリーT細胞の中にレトロウイルスにより導入し、BRLF-1ペプチドでパルスしておいたHLA-*2402を遺伝子導入したTAP欠損T2細胞株であるT2-A24細胞(文献12)を殺傷するそれらの能力を比較した。BRLF-1特異的MHC/p四量体は、Q-22、U-19、およびF-39 TCRを導入したT細胞集団においてそれぞれ12.0%、7.6%および1.2%のVβ5.1+細胞に結合した(図2f)。ベクター中のIRES(internal ribosome entry site)を介してTCR遺伝子に連結したEGFPの発現レベルはほとんど同じであった。これは使用したレトロウイルスベクターが類似の導入効率を有していたことを示している(図2fおよび図4a)。次いで本発明者らは、BRLF-1特異的TCRを導入したT細胞の、BRLF-1ペプチドまたはEBNA3AペプチドでパルスしておいたT2-A24細胞に対する細胞障害活性を決定した。図2gにおいて示したように、BRLF-1特異的TCRを導入したT細胞はBRLF-1でパルスしたT2-A24細胞に対して細胞障害性を示したが、EBNA3Aでパルスした細胞には細胞障害性を示さず、これはそれらの細胞障害活性がペプチド特異的であったことを示している。同様に、EBNA3A特異的TCR(E-21)を導入したT細胞はEBNA3AでパルスしたT2-A24細胞に対して細胞障害性を示したが、BRLF-1でパルスした細胞には細胞障害性を示さなかった(図5)。これらの結果は、クローニングされたEBV特異的TCRを導入したプライマリーT細胞は同族抗原を提示する標的細胞に対して細胞障害活性を有することを示しており、これはhTEC10システムがTCR遺伝子療法のためのTCRの候補を同定することができる可能性があることを示している。
【実施例1】
【0063】
hTEC10システムのがん患者への臨床適用
hTEC10システムをがん患者に適用するため、本発明者らは腫瘍関連抗原(TAA)特異的TCRを得てそれらの細胞障害性を調べることを望んだ。以前の研究において、肝細胞がん(HCC)を有する患者はα-フェトタンパク質(AFP)特異的CTL応答を有していたことが示されており、いくつかの免疫原性AFP由来CTLエピトープが同定されている(文献13および14)。HCCを有する患者へのAFP由来ペプチドのワクチン接種の有効性を決定するための臨床試験は既に実施されており、何人かの患者が臨床応答を示した。本研究において、本発明者らはまず、AFP由来ペプチドワクチンで処置され、臨床応答を示した2人のHCC患者からPBLを得た。これらの患者の臨床経過を図6aおよびbに示す。B型肝炎ウイルス(HBV)に感染しており門脈に血管侵入した大きなHCC腫瘍を有していた1人目の患者(患者1)に、AFP357およびAFP403ペプチドを隔週で72週間ワクチン接種した。ワクチン接種の後、高い血清AFP値が正常化し、磁気共鳴映像法(MRI)により評価したところ、HCCの大きさが減少し、最終的には消滅した(図6a)。その患者は完全寛解(CR)を示した。HBVに感染しており腹壁および肺にHCCの多数の転移性病巣を有していた2人目の患者(患者2)に、AFP357およびAFP403ペプチドを隔週で88週間の間ワクチン接種した。ワクチン接種の後、高い血清AFP値が減少し、コンピューター断層撮影法(CT)により評価したところ、腹壁のHCCの転移性病巣が消滅した(図6b)。肺転移からの病巣の大きさおよび数は88週間の処置にわたって変化しなかった。この患者は安定疾患(SD)を示した。
【実施例1】
【0064】
次いで本発明者らは、その処置の間に得られたPBLをAFP由来ペプチドと共に3週間培養し、そのAFP特異的CD8+T細胞をインビトロで拡大した。続いて本発明者らはそのHLA-A*2402/AFPペプチド四量体陽性CD8+T細胞をFACSを用いて調べた。図6cに示したように、患者1および2においてそれぞれ1.5および2.6%のCD8+T細胞がMHC/p四量体染色で陽性であった。次いで本発明者らは、HLA-A*2402/AFPペプチド四量体陽性CD8+T細胞をFACSを用いて一個ずつ選別し、TCRのcDNAを増幅し、それらの配列を分析した。本発明者らは、患者1および患者2からそれぞれ73および126個のAFP特異的TCRを得た。配列分析は、hTEC10システムが患者1および患者2からそれぞれ3および4種類のT細胞クローンを得たことを明らかにし(図6d)、これはこれらの患者においてペプチドワクチン接種がAFP特異的T細胞の少数のクローンの拡大を誘導したことを示唆している。あるいは、インビトロでの培養が結果として少数のクローンのAFP特異的T細胞の拡大をもたらしたことが考えられる。AFP特異的なマイナーなクローンの事例(図6d)で見出されたように、hTEC10システムが非常に稀な抗原特異的T細胞からTCRをクローニングすることができたことは重要である。次いで本発明者らは、健常人であるドナーから末梢血T細胞を調製し、得られたAFP特異的TCRの内の3種類をプライマリーT細胞へレトロウイルスにより導入し、HLA-A*2402/AFPペプチド四量体の結合をFACSを用いて分析した。T細胞の16~33%にそのTCRが導入され(図4)、全CD8+細胞の0.5~2.1%の範囲がそのHLA-A*2402/AFPペプチド四量体に結合した(図6e)。次いで本発明者らは、その導入されたT細胞の、AFPペプチドでパルスしたC1R-A24細胞に対する細胞障害活性を決定した。図6fに示したように、TCRを導入したT細胞はAFPペプチドでパルスしたC1R-A24細胞に対して著しい細胞障害性を示したが、パルスしなかった細胞には細胞障害性を示さず、これはその細胞障害活性がペプチド特異的であったことを示している。これらの結果は、hTEC10システムががん患者から機能するTAA特異的TCRをクローニングすることができることを示している。
【実施例1】
【0065】
hTEC10システムの向上
本発明者らは、MHC/p四量体を用いる抗原特異的TCRの迅速で直接的なクローニングを示した。しかし、MHC/p四量体の入手可能性は限られている。したがって、本発明者らはインビトロペプチド刺激の後にサイトカイン分泌T細胞からTCRのcDNAをクローニングするための新規のシステムを確立することを試みた。本発明者らは、健常なEBV潜伏性ドナーからPBLを得て、それらをBRLF-1と共に培養してインビトロでBRLF-1特異的CD8+T細胞を拡大した。インビトロ培養の後、PBLをBRLF-1ペプチド有り、または無しで抗CD28抗体の存在下で再刺激した。IFN-γ分泌細胞をIFN-γ分泌アッセイキットを用いて染色した。図7aで示したように、ペプチド刺激により0.61%のCD8+T細胞がIFN-γ陽性であった。次いで本発明者らはT細胞をFACSにより一個ずつ選別し、そのTCRのcDNAを増幅し、それらの配列を分析した。本発明者らは12個のTCRを得て、それらのレパートリーをMHC/p四量体染色法から得られたレパートリーと比較した。その結果、サイトカインの分泌を指標に得られたTCRのレパートリーの83パーセントがMHC/p四量体染色法から得られたレパートリーと同じであり(図7b)、これは本発明のシステムを、MHC/p四量体を用いることなく抗原特異的T細胞を検出するために用いることができることを示唆している。
【実施例1】
【0066】
〔考察〕
この研究で、本発明者らは、抗原特異的TCRレパートリーを分析し、がんのTCR遺伝子療法のための見込みのある候補TCRを提供するための、一個の抗原特異的ヒトT細胞に由来するTCRのcDNAの迅速かつ直接的なクローニングおよび機能評価システム(hTEC10システム、図1)を確立した。そのhTEC10システムは以下の理由のため革新的である:
1)一般に用いられるTCRクローニング法が数ヶ月を必要とするのに対し、このシステムは本発明者らが10日以内にTCRを得ることを可能にする。
2)一般に用いられるシステムはその培養条件により結果として偏ったTCRレパートリーをもたらすのに対し、本発明者らはこのシステムを用いて一個のプライマリーT細胞から偏りのないTCRα/βペアを同時に得ることができる。そして、hTEC10システムは主要な、および非常に稀な抗原特異的T細胞クローンの両方からのTCRのcDNAを同定することができる(図2bおよび図5d)。
3)このシステムはTCRの抗原特異性および機能を効率的に分析することを可能にする。
【実施例1】
【0067】
最初に、本発明者らは本発明者らのhTEC10システムをEBVに不顕性感染している健常者のヒトT細胞レパートリーの分析のために適用することを試みた。本発明者らは10人の健常人であるドナーに由来する379個のEBV特異的TCRα/βcDNAペアを得て、それらのレパートリーを分析した。以前の報告16,17と一致して、そのEBウイルス特異的TCRのレパートリーは非常に限定されていた(図2b)。興味深いことに、PBL中のEBV特異的CD8+T細胞の出現頻度はそのレパートリーの大きさと逆相関しており(図2c)、これは少数の選択されたT細胞クローンがEBVの潜伏を制御していることを示している。
【実施例1】
【0068】
2番目に、がんの遺伝子療法に使用できる見込みのある候補TCRを決定するために、本発明者らはhTEC10システムを用いて、AFPペプチドワクチン接種での処置が奏功していたHCCの患者に由来するPBLを分析した。本発明者らは、患者1および患者2からのAFP特異的CD8+T細胞からそれぞれ73および126個のTCRのcDNAのペアを得て、それは7種類の別個のTCRレパートリーの中に分類された。それらの内の3種類は強力な抗原特異的細胞障害性を示し(図5f)、これはAFPペプチドワクチン接種が有効であるHCC患者の中に質の高いAFP特異的CTLが存在することを示唆している。
【実施例1】
【0069】
3番目に、患者1から得られたAFP特異的T細胞クローンは3個の亜集団の中に分類することができる(図6d)。患者1のPBLから選別された73個のHLA-A*2402/AFPペプチド四量体陽性T細胞の内で、68個の細胞はAFP1-2と同じTCRレパートリーを発現しており、1個のT細胞はAFP1-14を発現しており、そして4個のT細胞はAFP1-16と同じTCRレパートリーを発現していた。図6fで示したように、AFP1-14 TCRはその3種類のTCRの中で最も高いCTL活性をT細胞に与えた。この結果は、細胞の主要な集団上で発現しているTCRがいつも優れたCTL活性を与えるとは限らないことを示している。このことからも示唆されるように、hTEC10システムの多数の抗原特異的TCRクローンをクローニングする能力は、TCR遺伝子療法のための見込みのあるTCR候補を得るための機会を増大させる。
【実施例1】
【0070】
最後に、MHC/ペプチド複合体の多量体、特にMHCクラスII/ペプチド複合体多量体の製造はまだ難しいため、本発明者らは特異的なペプチドで刺激したサイトカイン分泌CD8+T細胞からTCRα/βcDNAペアを検出して回収するためにhTEC10システムを適用することを試みた。図7に示したように、特異的なペプチドで刺激したIFN-γ分泌細胞から得られた12個のTCRの配列は、同じドナーからの細胞のMHC/ペプチド四量体染色から回収された配列と一致した。図2eで示したCD69誘導アッセイの結果と合わせると、本発明者らはMHC/ペプチド多量体で染色する必要なしに、特異的なペプチドで刺激したサイトカイン分泌CD8+T細胞をこのシステムを用いて回収し、抗原特異的TCRを取得することができる。
【実施例1】
【0071】
結論として、本発明者らは、本発明者らが知る限り初めて、10日以内に一個のヒトT細胞からTCRα/βcDNAペアを直接回収し、それらの機能特性を評価することができる、迅速かつ効率的なクローニングシステムを確立した。このシステムを用いて、本発明者らはEBV特異的CTLのレパートリー分析を実証した。本発明者らは、AFPペプチドワクチン接種での処置が成功していたHCC患者から候補HCC特異的TCRを得ることができることも示した。本発明者らのシステムは、TCRレパートリー分析およびTCR遺伝子療法を促進することができる。
【実施例2】
【0072】
抗原特異的TCRα/βcDNAペア増幅率の検討
(1) ヒトPBLを、集団のまま刺激剤(IL-2およびPHA、またはIL-7およびPHA)存在下で2日間培養した。次いで、セルソーターによりCD3陽性のT細胞を1個ずつチューブにソートし、RT-PCRを適用した。そして、各チューブからのサンプル10μlを、1%アガロースゲルを用いて電気泳動し、EtBrで染色した。結果を図8に示した。刺激剤存在下での2日間の培養による抗原特異的TCRα/βcDNAペア増幅率は、Il-2およびPHAで刺激した場合が30/30(100%)、IL-7/PHAの場合が30/30(100%)であった。一方、培地のみ(刺激なし)で2日間培養した場合の増幅率は17/30(56.7%)であった。
【実施例2】
【0073】
(2) (1)同様に、ただしIL-7単独、またはIL-2およびPHAで刺激し、増幅率に与える影響を見た。結果を図9に示した。2日間の培養による抗原特異的TCRα/βcDNAペア増幅率は、培地のみ(刺激なし)の場合が53.3%、刺激した場合が93.3%、IL-7単独の場合が66.6%%であった。
【実施例2】
【0074】
(3) CHX、PHA/CHXによる増幅率。ヒトCD3陽性のT細胞を用い、また刺激剤存在下での培養時間を12時間とし、他の点は図8の場合と同様に実施した。12時間の培養による抗原特異的TCRα/βcDNAペア増幅率は、培地のみ(刺激なし)の場合が46.6%、CHX単独の場合が66.7%、PMA/CHXの場合が93.3%%であった。
【実施例2】
【0075】
〔実施例で引用した文献〕
文献9. Kuzushima, K. et al. Tetramer-assisted identification and characterization of epitopes recognized by HLA A*2402-restricted Epstein-Barr virus-specific CD8+ T cells. Blood 101, 1460-1468 (2003).
文献10. Lim, A. et al. Frequent contribution of T cell clonotypes with public TCR features to the chronic response against a dominant EBV-derived epitope: application to direct detection of their molecular imprint on the human peripheral T cell repertoire. J Immunol 165, 2001-2011 (2000).
文献11. Argaet, V.P. et al. Dominant selection of an invariant T cell antigen receptor in response to persistent infection by Epstein-Barr virus. J Exp Med 180, 2335-2340 (1994).
文献12. Miyahara, Y. et al. Determination of cellularly processed HLA-A2402-restricted novel CTL epitopes derived from two cancer germ line genes, MAGE-A4 and SAGE. Clin Cancer Res 11, 5581-5589 (2005).
文献13. Mizukoshi, E., Nakamoto, Y., Tsuji, H., Yamashita, T. & Kaneko, S. Identification of alpha-fetoprotein-derived peptides recognized by cytotoxic T lymphocytes in HLA-A24+ patients with hepatocellular carcinoma. Int J Cancer 118, 1194-1204 (2006).
文献14. Mizukoshi, E. et al. Comparative analysis of various tumor-associated antigen-specific t-cell responses in patients with hepatocellular carcinoma. Hepatology 53, 1206-1216 (2011).
文献15. Giudicelli, V., Chaume, D. & Lefranc, M.P. IMGT/V-QUEST, an integrated software program for immunoglobulin and T cell receptor V-J and V-D-J rearrangement analysis. Nucleic Acids Res 32, W435-440 (2004).
文献16. Ryan, M.D., King, A.M. & Thomas, G.P. Cleavage of foot-and-mouth disease virus polyprotein is mediated by residues located within a 19 amino acid sequence. J Gen Virol 72 ( Pt 11), 2727-2732 (1991).
【配列表フリ-テキスト】
【0076】
配列番号1:ペプチドワクチンAFP357
配列番号2:ペプチドワクチンAFP403
配列番号3:EBVペプチドBRLF-1 198~206
配列番号4:EBVペプチドBMLF-1 320~328
配列番号5:EBVペプチドLMP2 222~230
配列番号6:EBVペプチドEBNA3A 246~254
配列番号7:EBVペプチドEBNA3B 217~225
配列番号8:PCRプライマーalpha-RT
配列番号9:PCRプライマーbeta1-RT
配列番号10:PCRプライマーbeta2-RT
配列番号11:PCRプライマーAP-1
配列番号12:PCRプライマーalpha-1st
配列番号13:PCRプライマーbeta1-1st
配列番号14:PCRプライマーbeta2-1st
配列番号15:nested PCRプライマーAP-2
配列番号16:nested PCRプライマーalpha-Nest
配列番号17:nested PCRプライマーbeta-Nest
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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