TOP > 国内特許検索 > 多孔質アルミニウム材料の製造方法 > 明細書

明細書 :多孔質アルミニウム材料の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5737677号 (P5737677)
公開番号 特開2013-023715 (P2013-023715A)
登録日 平成27年5月1日(2015.5.1)
発行日 平成27年6月17日(2015.6.17)
公開日 平成25年2月4日(2013.2.4)
発明の名称または考案の名称 多孔質アルミニウム材料の製造方法
国際特許分類 C25D  15/02        (2006.01)
C22C   1/08        (2006.01)
C25D   5/48        (2006.01)
C25D   7/00        (2006.01)
H01M   4/66        (2006.01)
H01M   4/80        (2006.01)
FI C25D 15/02 F
C22C 1/08 D
C25D 5/48
C25D 7/00 G
C25D 15/02 N
H01M 4/66 A
H01M 4/80 C
請求項の数または発明の数 3
全頁数 9
出願番号 特願2011-157709 (P2011-157709)
出願日 平成23年7月19日(2011.7.19)
審査請求日 平成26年7月14日(2014.7.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
発明者または考案者 【氏名】三宅 正男
【氏名】塩見 卓
【氏名】平藤 哲司
個別代理人の代理人 【識別番号】110000280、【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
審査官 【審査官】阿川 寛樹
参考文献・文献 特開2006-233272(JP,A)
特開2012-255185(JP,A)
国際公開第2011/001932(WO,A1)
特表2006-519312(JP,A)
特開2009-280892(JP,A)
特開2010-232171(JP,A)
調査した分野 C25D 15/00- 15/02
C25D 1/00- 1/22
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
多孔質構造を有するアルミニウム材料を製造する方法であって、有機溶媒および当該有機溶媒に対して不溶の水溶性物質の粒状物の存在下でアルミニウムを電析させた後、当該アルミニウムの電析によって得られた電析物に含まれている水溶性物質の粒状物を水に溶解させ、当該水溶性物質の粒状物を電析物から除去することを特徴とする多孔質アルミニウム材料の製造方法。
【請求項2】
アルミニウム原料としてアルミニウムハロゲン化物を用い、当該アルミニウムハロゲン化物を前記有機溶媒に溶解させた溶液および当該有機溶媒に対して不溶の水溶性物質の粒状物の存在下でアルミニウムを電析させる請求項1に記載の多孔質アルミニウム材料の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の製造方法によって得られた多孔質アルミニウム材料。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質アルミニウム材料の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、リチウムイオン電池の正極集電体などの用途に有用な多孔質アルミニウム材料の製造方法に関する。本発明の製造方法によって得られた多孔質アルミニウム材料が用いられたリチウムイオン電池の正極集電体は、充放電の高速化などの電池特性の向上に期待されるものである。
【背景技術】
【0002】
現在実用化されているリチウムイオン電池の正極は、酸化コバルトリチウム(LiCoO2)に代表される活物質層がアルミニウム集電体上に形成された構造を有する。電池の充放電速度は、正極におけるリチウムイオンの移動が律速しているため、アルミニウム集電体を多孔質化することによってリチウムイオンの移動距離を短縮すれば、充放電の高速化が可能となることが考えられる。また、アルミニウム集電体を多孔質化すれば、より多くの活物質を安定にアルミニウム集電体に保持することができるため、電池の高容量化や長寿命化を図ることが期待される。
【0003】
したがって、近年、電池の正極に用いられる集電体に用いることができる多孔質アルミニウム材料の開発が求められている。
【0004】
ニッケル水素電池やアルカリ電池の正極集電体に用いられるニッケルについては、既に多孔質化したものが実用化されている。例えば、多孔材料の製造法として、連続気泡を有する高分子多孔体の樹脂部に、化学酸化重合によって導電性高分子層を形成し、その高分子導電層上にさらに電気めっきによってニッケルなどの金属層を形成した後、当該高分子材料を加熱することによって除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法によれば、ニッケルなどの金属層を形成させることができるが、アルミニウムは、水溶液から電析しないため、アルミニウム層を形成させることが困難である。
【0005】
前記多孔材料の製造法以外にも、水溶性の塩を利用して多孔質アルミニウムを作製する方法として、アルミニウム微粉末と水溶性塩粉末との混合粉末を圧粉したものを加熱することによって焼結させた後、水洗で水溶性塩粉末を除去することによってアルミニウムの多孔体を製造する焼結スペーサー法が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方法には、混合粉末を高温で焼結させる必要があるのでエネルギー効率が非常に低く、焼結という煩雑な操作を必要とすることから、工業的生産性の面で劣っている。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開平06-248491号公報
【0007】

【非特許文献1】M. Hakamada, Y. Yamada, T. Nomura, H. Kusada, Y. Chen, and M. Mabuchi, Mater. Trans., 46 (2005), 186
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、焼結などのようなエネルギー効率が低く煩雑な操作を必要とせずに、簡単な操作で多孔質アルミニウム材料を効率よく製造することができる方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
(1) 多孔質構造を有するアルミニウム材料を製造する方法であって、有機溶媒に対して不溶の水溶性物質の粒状物および当該有機溶媒の存在下でアルミニウムを電析させた後、当該アルミニウムの電析によって得られた電析物に含まれている水溶性物質の粒状物を水に溶解させ、当該水溶性物質の粒状物を電析物から除去することを特徴とする多孔質アルミニウム材料の製造方法、
(2) アルミニウム原料としてアルミニウムハロゲン化物を用い、当該アルミニウムハロゲン化物を前記有機溶媒に溶解させた溶液および当該有機溶媒に対して不溶の水溶性物質の粒状物の存在下でアルミニウムを電析させる前記(1)に記載の多孔質アルミニウム材料の製造方法、および
(3) 前記(1)または(2)に記載の製造方法によって得られた多孔質アルミニウム材料
に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の多孔質アルミニウム材料の製造方法によれば、焼結などのようなエネルギー効率が低く煩雑な操作を必要とせずに、簡単な操作で多孔質アルミニウム材料を効率よく製造することができるという優れた効果が奏される。このようにして得られた多孔質アルミニウム材料は、リチウムイオン電池の正極集電体などの用途に使用することが期待されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例1で得られた多孔質アルミニウム材料の走査型電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の多孔質アルミニウム材料の製造方法は、多孔質構造を有するアルミニウム材料を製造する方法である。本発明の多孔質アルミニウム材料の製造方法は、前記したように、有機溶媒に対して不溶の水溶性物質の粒状物および当該有機溶媒の存在下でアルミニウムを電析させた後、当該アルミニウムの電析によって得られた電析物に含まれている水溶性物質の粒状物を水に溶解させ、当該水溶性物質の粒状物を電析物から除去することを特徴とする。

【0013】
有機溶媒に対して不溶の水溶性物質は、水に対して溶解するが、有機溶媒に対して溶解しない性質を有する物質である。なお、有機溶媒に対して不溶の水溶性物質は、電析時の温度で有機溶媒に対して不溶であるが、水溶性物質の粒状物を電析物から除去する際の温度〔例えば、常温(25℃)〕で水溶性を有する物質を意味する。当該水溶性物質の有機溶媒に対する不溶性は、有機溶媒の種類によって異なるので一概には決定することができないため、当該水溶性物質は、有機溶媒の種類に応じて適宜選択することが好ましい。水溶性物質は、水溶性物質の粒状物を電析物から除去する際の温度〔例えば、常温(25℃)〕で水に対して溶解するが、電析時の温度で有機溶媒に対して溶解しない性質を有するのであれば、有機物質であってもよく、無機物質であってもよい。

【0014】
前記有機物質としては、例えば、前記有機溶媒としてジメチルスルホンなどの有機溶媒を用いる場合、ポリアクリルアミドなどのアミド系樹脂、尿素樹脂、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウムなどの脂肪酸金属塩などに代表される有機酸塩などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。

【0015】
前記無機物質としては、例えば、前記有機溶媒としてジメチルスルホンなどの有機溶媒を用いる場合、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどのアルカリ土類金属ハロゲン化物、硫酸銅などの無機酸塩などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。

【0016】
有機溶媒に対して不溶の水溶性物質のなかでは、多孔質アルミニウム材料の製造効率を高める観点から無機酸塩が好ましく、重金属を含まないことから後処理が容易であるので、アルカリ金属ハロゲン化物およびアルカリ土類金属ハロゲン化物がより好ましい。

【0017】
有機溶媒に対して不溶の水溶性物質の粒状物の粒子径は、目的とする多孔質アルミニウム材料が有する孔径によって異なるので一概には決定することができないことから、当該多孔質アルミニウム材料に要求される孔径に応じて適宜決定することが好ましい。前記水溶性物質の粒状物の粒子径は、通常、1μm~1mm程度の範囲内から選択される。なお、多孔質アルミニウム材料が有する孔径は、水溶性物質の粒状物が水に溶解することによって形成されるため、当該水溶性物質の粒状物の粒子径とほぼ同一となる。したがって、本発明の多孔質アルミニウム材料の製造方法によれば、有機溶媒に対して不溶の水溶性物質の粒状物の粒子径を調整することにより、得られる多孔質アルミニウム材料が有する孔径を容易に調整することができる。

【0018】
前記水溶性物質の粒状物の形状としては、例えば、球状、楕円球状、立方体状、直方体上、円柱状、円錐状、角柱状、角錐状、斜方面体状などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記水溶性物質の粒状物の形状は、多孔質アルミニウム材料に要求される孔の形状に応じて適宜調整することが好ましい。

【0019】
有機溶媒としては、アルミニウムの電析を効率よく行なう観点から、例えば、式(I):
(R12SO2 (I)
(式中、R1は、それぞれ独立して1~4のアルキル基を示す)
で表されるジアルキルスルホンが好ましい。ジアルキルスルホンとしては、例えば、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジブチルスルホンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのジアルキルスルホンは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらのジアルキルスルホンのなかでは、アルミニウムの電析を効率よく行なう観点から、ジメチルスルホンが好ましい。

【0020】
アルミニウムの電析の際に用いられるアルミニウム原料としては、前記有機溶媒に溶解するアルミニウム原料が用いられる。好適なアルミニウム原料としては、例えば、フッ化アルミニウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウムなどのアルミニウムハロゲン化物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアルミニウム原料は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。

【0021】
アルミニウム原料は、通常、前記有機溶媒に溶解させて用いられる。アルミニウム原料が常温で前記機溶媒に溶解しない場合には、当該アルミニウム原料が前記有機溶媒に溶解する温度以上の温度に加熱することにより、アルミニウム原料を当該有機溶媒に溶解させることが好ましい。アルミニウム原料が有機溶媒に溶解する温度は、当該アルミニウム原料および有機溶媒の種類によって異なるので一概には決定することができない。通常、アルミニウム原料が有機溶媒に溶解する温度は、150℃以下の低温であることから、本発明の多孔質アルミニウム材料の製造方法は、多孔質アルミニウム材料をエネルギー効率よく製造することができるという利点を有する。

【0022】
アルミニウム原料の量は、多孔質アルミニウム材料を効率よく製造する観点から、前記有機溶媒1モルあたり、好ましくは0.05~1モル、より好ましくは0.1~0.5モルである。

【0023】
本発明においては、有機溶媒に対して不溶の水溶性物質の粒状物および当該有機溶媒の存在下でアルミニウムを電析させる。その際、アルミニウム原料としてアルミニウムハロゲン化物を用い、当該アルミニウムハロゲン化物を前記有機溶媒に溶解させた溶液および当該有機溶媒に対して不溶の水溶性物質の粒状物の存在下でアルミニウムを電析させることが好ましい。

【0024】
有機溶媒に対して不溶の水溶性物質の粒状物および当該有機溶媒の存在下でアルミニウムを電析させる際には、有機溶媒に対して不溶の水溶性物質の粒状物を電解槽に充填する。なお、電解槽の大きさおよび形状は、目的とする多孔質アルミニウム材料の大きさおよび形状に適したものであればよく、本発明は、当該電解槽の大きさおよび形状によって限定されるものではない。また、電解槽中には、アルミニウム原料を前記有機溶媒に溶解させた有機溶媒溶液を電解液として入れる。

【0025】
なお、本発明においては、先に有機溶媒に対して不溶の水溶性物質の粒状物を電解槽に充填しておき、その後にアルミニウム原料を前記有機溶媒に溶解させたアルミニウム原料の有機溶媒溶液を入れてもよいが、操作性を高める観点から、電解槽中に先にアルミニウム原料を前記有機溶媒に溶解させたアルミニウム原料の有機溶媒溶液を入れておき、その後に有機溶媒に対して不溶の水溶性物質の粒状物を当該電解槽に充填することが好ましい。

【0026】
電解槽中に入れたアルミニウム原料の有機溶媒溶液の電解は、陽極としてアルミニウム板が用いられる。アルミニウム板は、少なくとも表面がアルミニウムで形成されていることを意味する。したがって、前記アルミニウム板は、アルミニウムのみで構成されていてもよく、あるいはモリブデンなどの金属基材の表面がアルミニウムで被覆された複合体であってもよい。陰極としては、例えば、ニッケル板、銅板、炭素電極、グラファイト電極などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。

【0027】
アルミニウムを電析させる際の陰極電位は、電析物を基板上に均一に析出させる観点から、アルミニウム参照電極に対して-0.5V以下であることが好ましく、電析効率を高める観点から-2.0V以上であることが好ましい。

【0028】
また、アルミニウム原料の有機溶媒溶液に通電する際の電流密度は、アルミニウムを効率よく電析させる観点から、好ましくは0.5mA/cm以上、より好ましくは1mA/cm2以上であり、前記水溶性物質の粒状物間の間隙にアルミニウムを十分に析出させる観点から、好ましくは15mA/cm以下、より好ましくは10mA/cm以下である。

【0029】
アルミニウムを電析させる際のアルミニウム原料の有機溶媒溶液の温度は、当該アルミニウム原料および有機溶媒の種類によって異なるので一概には決定することができないが、電析効率を高める観点から、アルミニウム原料が有機溶媒に溶解する温度~150℃程度であることが好ましい。

【0030】
アルミニウムの電析に要する時間は、電解槽の大きさ、陰極電位などによって異なるので一概には決定することができないことから、アルミニウムの電析の終点は、電解槽中でアルミニウムが十分に析出するまでとすることができる。

【0031】
以上のようにしてアルミニウムの電析を行なうと、有機溶媒に対して不溶の水溶性物質の粒状物同士の間隙を埋めるようにしてアルミニウムが析出する。

【0032】
アルミニウムが電析した後には、次に、得られた電析物に含まれている前記水溶性物質の粒状物を水に溶解させることによって電析物から除去する。

【0033】
電析物に含まれている前記水溶性物質の粒状物を水に溶解させる方法としては、例えば、電解槽から電析物を取り出した後、この電析物を水中に浸漬するなどの方法で水洗することによって電析物に含まれている水溶性物質の粒状物を水に溶解させる方法、電解槽中に水を添加して電析物に含まれている水溶性物質の粒状物を水に溶解させる方法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの方法のなかでは、前者の方法は、電析物に含まれている水溶性物質の粒状物を効率よく水に溶解させることができることから好ましい方法である。

【0034】
電析物に含まれている前記水溶性物質の粒状物を水に溶解させる際の水温は、前記水溶性物質の粒状物を効率よく溶解させる観点から、前記水溶性物質の粒状物の水に対する溶解度が最も高くなる温度であることが好ましい。この温度は、前記水溶性物質の種類によって異なるので一概には決定することができないことから、当該水溶性物質の種類に応じて設定することが好ましい。なお、前記水には、電析したアルミニウムなどに悪影響を与えないなどの本発明の目的を阻害しない範囲内で、前記水溶性物質の粒状物の水に対する溶解度を高める物質が溶解していてもよい。

【0035】
以上のようにして電析物に含まれている前記水溶性物質の粒状物を水に溶解させるだけで、多孔質アルミニウム材料を効率よく製造することができる。

【0036】
本発明の多孔質アルミニウム材料の製造方法によって得られた多孔質アルミニウム材料は、例えば、リチウムイオン電池の正極集電体などの用途に好適に使用することができる。この多孔質アルミニウム材料をリチウムイオン電池の正極集電体に用いた場合には、充放電の高速化などの電池特性の向上を期待することができる。
【実施例】
【0037】
次に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
【実施例】
【0038】
実施例1
ジメチルスルホンと塩化アルミニウムとをモル比で10:2の割合で混合し、得られた混合物をガラス製の電解槽内に入れ、110℃の温度に加熱し、塩化アルミニウムを溶解させることにより、塩化アルミニウム溶液を得た。
【実施例】
【0039】
粒径が10~50μmの範囲内にある塩化ナトリウム粉末を電解槽に添加したところ、塩化ナトリウム粉末は塩化アルミニウム溶液に溶解せずに、粉末の状態で電解槽の底部に約2cmの厚さで堆積した。
【実施例】
【0040】
電析基板としてニッケル板、対極としてアルミニウム板、参照電極としてアルミニウム線を用い、各電極を電解槽内の塩化ナトリウム粉末層中に挿入し、陰極電位-1.0Vにて定電位電析を12時間行なうことにより、電析物を得た。得られた電析物を水温が25℃の水中に浸漬し、電析物に含まれている塩化ナトリウム粉末を十分に溶解させることにより、多孔質アルミニウム材料を得た。
【実施例】
【0041】
得られた多孔質アルミニウム材料の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。図1に示されるように、多孔質アルミニウム材料には、厚さが2μm程度であるアルミニウム片の骨格が三次元的に繋がっており、各アルミニウム片の間隙には、直径が約5~50μm程度の孔が多数形成されていた。これらの孔は、もともと電解槽中で塩化ナトリウム粒子が存在していた箇所であると考えられる。
【実施例】
【0042】
以上の結果から、本発明の多孔質アルミニウム材料の製造方法によれば、有機溶媒からのアルミニウムの電析と有機溶媒に対して不溶の水溶性物質の粒状物の水洗という非常に簡単な操作により、多孔質アルミニウム材料を効率よく容易に製造することができることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の多孔質アルミニウム材料の製造方法によれば、比較的低温で電析を行なった後、水洗するという非常に簡便な操作でアルミニウム多孔体を効率よく製造することができるので、多孔質アルミニウム材料の製造プロセスの大幅な簡素化および低コスト化を図ることができる。
【0044】
本発明の多孔質アルミニウム材料の製造方法は、多孔質アルミニウム材料の製造のみならず、他の種々の金属多孔質体の製造方法にも応用することが期待される。
図面
【図1】
0