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明細書 :磁気浮上制御装置およびハイブリッド型磁気軸受け

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5465249号 (P5465249)
登録日 平成26年1月31日(2014.1.31)
発行日 平成26年4月9日(2014.4.9)
発明の名称または考案の名称 磁気浮上制御装置およびハイブリッド型磁気軸受け
国際特許分類 F16C  32/04        (2006.01)
FI F16C 32/04 A
請求項の数または発明の数 13
全頁数 22
出願番号 特願2011-522712 (P2011-522712)
出願日 平成22年7月12日(2010.7.12)
国際出願番号 PCT/JP2010/004512
国際公開番号 WO2011/007544
国際公開日 平成23年1月20日(2011.1.20)
優先権出願番号 2009167937
優先日 平成21年7月16日(2009.7.16)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成25年5月24日(2013.5.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504203572
【氏名又は名称】国立大学法人茨城大学
発明者または考案者 【氏名】増澤 徹
【氏名】佐々木 瑛祐
個別代理人の代理人 【識別番号】100097113、【弁理士】、【氏名又は名称】堀 城之
【識別番号】100162363、【弁理士】、【氏名又は名称】前島 幸彦
審査官 【審査官】河端 賢
参考文献・文献 特開2007-120635(JP,A)
特開2005-121157(JP,A)
特開2007-009949(JP,A)
特開2003-087909(JP,A)
特開2003-021140(JP,A)
調査した分野 F16C 32/04
特許請求の範囲 【請求項1】
バイアス用永久磁石によって形成されるバイアス磁束と、電磁石によって形成される制御磁束とによって前記電磁石に対する磁気浮上対象物の位置を制御する磁気浮上制御装置であって、
前記バイアス磁束が前記電磁石の電磁石コアを通るように形成されると共に、
前記制御磁束の磁路となるバイパス磁路が前記バイアス用永久磁石と並列に形成されており、
該バイパス磁路が前記バイアス磁束の通過を阻止する方向に磁化されていることを特徴とする磁気浮上制御装置。
【請求項2】
前記バイパス磁路が永久磁石と磁性体とで構成され、前記バイパス磁路の永久磁石によって形成される磁束が前記バイアス磁束として機能することを特徴とする請求項1記載の磁気浮上制御装置。
【請求項3】
前記バイアス用永久磁石および前記バイパス磁路が前記磁気浮上対象物に設けられていることを特徴とする請求項2記載の磁気浮上制御装置。
【請求項4】
前記電磁石を磁極となる2つの突極が前記磁気浮上対象物に対向するように配置させ、
前記バイアス用永久磁石を磁極が前記磁気浮上対象物の前記電磁石との対向面と平行になるように配置させ、
前記バイパス磁路の永久磁石を磁極が前記磁気浮上対象物の前記電磁石との対向面と垂直になるように配置させることを特徴とする請求項3記載の磁気浮上制御装置。
【請求項5】
前記バイパス磁路の永久磁石として、2つの永久磁石が前記電磁石の2つの突極に対向してそれぞれ設けられ、2つの永久磁石の磁力は、前記電磁石の2つの突極と前記磁気浮上対象物とのそれぞれ間隙の磁束密度が同一になるように設定されていることを特徴とする請求項4記載の磁気浮上制御装置。
【請求項6】
前記バイアス用永久磁石および前記バイパス磁路が前記電磁石に設けられていることを特徴とする請求項2記載の磁気浮上制御装置。
【請求項7】
バイアス用永久磁石によって形成されるバイアス磁束と、電磁石によって形成される制御磁束とによって前記電磁石に対する磁気浮上ロータの位置を制御するハイブリッド型磁気軸受けであって、
前記バイアス磁束が前記電磁石の電磁石コアを通るように形成されると共に、
前記制御磁束の磁路となるバイパス磁路が前記バイアス用永久磁石と並列に形成されており、
該バイパス磁路が前記バイアス磁束の通過を阻止する方向に磁化されていることを特徴とするハイブリッド型磁気軸受け。
【請求項8】
前記バイパス磁路が永久磁石と磁性体とで構成され、前記バイパスの永久磁石によって形成される磁束が前記バイアス磁束として機能することを特徴とする請求項7記載のハイブリッド型磁気軸受け。
【請求項9】
径方向に着磁されて円環状に配置されている前記バイアス用永久磁石と、当該バイアス用永久磁石の各磁極を接続する前記バイパス磁路とが前記磁気浮上ロータに設けられ、
前記電磁石は、磁極となる2つの突極が前記磁気浮上ロータに軸方向から対向するように配置され、前記電磁石によって前記磁気浮上ロータの軸方向の位置を制御させることを特徴とする請求項8記載のハイブリッド型磁気軸受け。
【請求項10】
前記バイパス磁路の永久磁石として、前記磁気浮上ロータの軸方向に着磁されて円環状に配置されている永久磁石が設けられていることを特徴とする請求項9記載のハイブリッド型磁気軸受け。
【請求項11】
前記バイパス磁路の永久磁石として、2つの永久磁石が前記電磁石の2つの突極に対向してそれぞれ設けられ、2つの永久磁石の磁力は、前記電磁石の2つの突極と前記磁気浮上対象物とのそれぞれ間隙の磁束密度が同一になるように設定されていることを特徴とする請求項10記載のハイブリッド型磁気軸受け。
【請求項12】
前記バイアス用永久磁石および前記バイパス磁路が前記電磁石に設けられていることを特徴とする請求項8記載のハイブリッド型磁気軸受け。
【請求項13】
軸方向に着磁された円筒状の前記バイアス用永久磁石と、当該バイアス用永久磁石の各磁極を接続する前記バイパス磁路とが前記磁気浮上ロータに設けられ、
前記電磁石は、磁極となる2つの突極が前記磁気浮上ロータに径方向から対向するように配置され、前記電磁石によって前記磁気浮上ロータの径方向の位置を制御させることを特徴とする請求項8記載のハイブリッド型磁気軸受け。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、永久磁石と電磁石を併用して浮上対象物の位置を制御する磁気浮上制御装置およびハイブリッド型磁気軸受けに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の永久磁石と電磁石を併用するハイブリッド型磁気軸受けとしては、複数の電磁石と永久磁石の磁気力を制御することにより非接触状態で支持され回転するロータを有するハイブリッド型磁気軸受け(特許文献1)や、人工心臓用の磁気軸受け(特許文献2)が知られており、電磁石により生ずる電磁石磁束に永久磁石により生ずるバイアス磁束を重畳することにより、磁気軸受けの制御に必要な磁束を得ようとする技術は上記により知られている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2007-120635号公報
【特許文献2】特開2005-121157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のハイブリッド型磁気軸受けにおいては、電磁石により生ずる電磁石磁束と、永久磁石により生ずるバイアス磁束とから磁路が3次元的に構成されているため、各々の磁束のもれ損失が大きく、効率を高めることが出来ないという問題点がある。また、構造が複雑であり、製作が困難であるという問題点がある。
【0005】
磁束のもれ損失を少なくし、またハイブリッド型磁気軸受けの製作を容易とするための解決手段として、磁路を2次元的に構成することが考えられる。しかし、磁路を2次元的に構成した場合、特許文献2に記載の磁気軸受けのように、電磁石によって形成する磁束と永久磁石により生ずるバイアス磁束が共に同一の永久磁石を通る磁路を形成することとなり、電磁石によって形成する磁束が永久磁石の大きい磁気抵抗により弱められ、磁気軸受けの移動制御に必要な大きな磁束を得ることが困難となる。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みて、永久磁石と電磁石とを互いの磁束が重畳する位置に配置しても、電磁石によって形成される制御磁束について、バイアス磁束を発生させるための永久磁石の磁気抵抗の影響を減少させることにより、電磁石により形成される制御磁束の損失を抑制し、磁気浮上対象物の位置制御を行うための大きな磁束を得ることの出来る磁気浮上制御装置およびハイブリッド型磁気軸受けを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、バイアス用永久磁石によって形成されるバイアス磁束と、電磁石によって形成される制御磁束とによって前記電磁石に対する磁気浮上対象物の位置を制御する磁気浮上制御装置であって、前記バイアス磁束が前記電磁石の電磁石コアを通るように形成されると共に、前記制御磁束の磁路となるバイパス磁路が、前記バイアス用永久磁石と並列に形成されており、該バイパス磁路が前記バイアス磁束の通過を阻止する方向に磁化されていることを特徴とする。
さらに、本発明の磁気浮上制御装置は、前記バイパス磁路が永久磁石と磁性体とで構成され、前記バイパス磁路の永久磁石によって形成される磁束が前記バイアス磁束として機能することを特徴とする。
さらに、本発明の磁気浮上制御装置は、前記バイアス用永久磁石および前記バイパス磁路が前記磁気浮上対象物に設けられていることを特徴とする。
さらに、本発明の磁気浮上制御装置は、前記電磁石を磁極となる2つの突極が前記磁気浮上対象物に対向するように配置させ、前記バイアス用永久磁石を磁極が前記磁気浮上対象物の前記電磁石との対向面と平行になるように配置させ、前記バイパス磁路の永久磁石を磁極が前記磁気浮上対象物の前記電磁石との対向面と垂直になるように配置させることを特徴とする。
さらに、本発明の磁気浮上制御装置は、前記バイパス磁路の永久磁石として、2つの永久磁石が前記電磁石の2つの突極に対向してそれぞれ設けられ、2つの永久磁石の磁力は、前記電磁石の2つの突極と前記磁気浮上対象物とのそれぞれ間隙の磁束密度が同一になるように設定されていることを特徴とする。
さらに、本発明の磁気浮上制御装置は、前記バイアス用永久磁石および前記バイパス磁路が前記電磁石に設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、バイアス用永久磁石によって形成されるバイアス磁束と、電磁石によって形成される制御磁束とによって前記電磁石に対する磁気浮上ロータの位置を制御するハイブリッド型磁気軸受けであって、前記バイアス磁束が前記電磁石の電磁石コアを通るように形成されると共に、前記制御磁束の磁路となるバイパス磁路が、前記バイアス用永久磁石と並列に形成されており、該バイパス磁路が前記バイアス磁束の通過を阻止する方向に磁化されていることを特徴とする。
さらに、本発明のハイブリッド型磁気軸受けは、前記バイパス磁路が永久磁石と磁性体とで構成され、前記バイパスの永久磁石によって形成される磁束が前記バイアス磁束として機能することを特徴とする。
さらに、本発明のハイブリッド型磁気軸受けは、径方向に着磁されて円環状に配置されている前記バイアス用永久磁石と、当該バイアス用永久磁石の各磁極を接続する前記バイパス磁路とが前記磁気浮上ロータに設けられ、前記電磁石は、磁極となる2つの突極が前記磁気浮上ロータに軸方向から対向するように配置され、前記電磁石によって前記磁気浮上ロータの軸方向の位置を制御させることを特徴とする。
さらに、本発明のハイブリッド磁気軸受けは、前記バイパス磁路の永久磁石として、前記磁気浮上ロータの軸方向に着磁されて円環状に配置されている永久磁石が設けられていることを特徴とする。
さらに、本発明のハイブリッド磁気軸受けは、前記バイパス磁路の永久磁石として、2つの永久磁石が前記電磁石の2つの突極に対向してそれぞれ設けられ、2つの永久磁石の磁力は、前記電磁石の2つの突極と前記磁気浮上対象物とのそれぞれ間隙の磁束密度が同一になるように設定されていることを特徴とする。
さらに、本発明のハイブリッド磁気軸受けは、前記バイアス用永久磁石および前記バイパス磁路が前記電磁石に設けられていることを特徴とする。
さらに、本発明のハイブリッド型磁気軸受けは、軸方向に着磁された円筒状の前記バイアス用永久磁石と、当該バイアス用永久磁石の各磁極を接続する前記バイパス磁路とが前記磁気浮上ロータに設けられ、前記電磁石は、磁極となる2つの突極が前記磁気浮上ロータに径方向から対向するように配置され、前記電磁石によって前記磁気浮上ロータの径方向の位置を制御させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の磁気浮上制御装置は、上述のように、バイアス磁束が電磁石の電磁石コアを通るように形成されると共に、制御磁束の磁路となるバイパス磁路が、バイアス用永久磁石と並列に形成されており、該バイパス磁路がバイアス磁束の通過を阻止する方向に磁化されているように構成することにより、バイアス用永久磁石と電磁石との互いの磁束が重畳する位置に配置しても、電磁石によって形成される制御磁束がバイパス磁路を通ることになるため、バイアス磁束を発生させるためのバイアス用永久磁石の磁気抵抗の影響を減少させ、電磁石により形成される制御磁束の損失を抑制し、磁気浮上対象物の位置制御を行うための大きな磁束を得ることができる。これにより、バイアス用永久磁石と電磁石とを互いの磁束が重畳する位置に配置することができ、装置を小型化することができる。
さらに、本発明の磁気浮上制御装置は、バイパス磁路を永久磁石と磁性体とで構成することにより、バイパス磁路の永久磁石によって形成される磁束をバイアス磁束として機能させることができ、磁気吸引力を効率よく向上させることができる。
さらに、本発明の磁気浮上制御装置は、バイアス用永久磁石およびバイパス磁路を磁気浮上対象物に設けることにより、制御磁束を形成する電磁石の構成を簡略化することができ、電磁石のメンテナンスを容易に行うことができる。
さらに、本発明の磁気浮上制御装置は、電磁石を磁極となる2つの突極が磁気浮上対象物に対向するように配置させ、バイアス用永久磁石を磁極が磁気浮上対象物の電磁石との対向面と平行になるように配置させ、バイパス磁路の永久磁石を磁極が磁気浮上対象物の電磁石との対向面と垂直になるように配置させることにより、バイパス磁路の永久磁石の断面積を確保しやすいため、バイパス磁路の磁気抵抗を効率よく減少させることができ、バイアス用永久磁石を含めた全体の磁気抵抗を減少させることができる。
さらに、本発明の磁気浮上制御装置は、バイパス磁路の永久磁石として、2つの永久磁石が電磁石の2つの突極に対向してそれぞれ設けられ、2つの永久磁石の磁力は、電磁石の2つの突極と磁気浮上対象物とのそれぞれ間隙の磁束密度が同一になるように設定されるように構成することにより、電磁石の2つの突極において、均等な条件で磁気吸引力を作用させることができる。
さらに、本発明の磁気浮上制御装置は、バイアス用永久磁石およびバイパス磁路を電磁石に設けることにより、磁気浮上対象物の構成を簡略化して軽量化することができるため、浮上制御を容易に行うことができる。
また、本発明のハイブリッド型磁気軸受けは、バイアス磁束が電磁石の電磁石コアを通るように形成されると共に、制御磁束の磁路となるバイパス磁路が、バイアス用永久磁石と並列に形成されており、該バイパス磁路がバイアス磁束の通過を阻止する方向に磁化されているように構成することにより、バイアス用永久磁石と電磁石との互いの磁束が重畳する位置に配置しても、電磁石によって形成される制御磁束がバイパス磁路を通ることになるため、バイアス磁束を発生させるためのバイアス用永久磁石の磁気抵抗の影響を減少させ、電磁石により形成される制御磁束の損失を抑制し、磁気浮上対象物の位置制御を行うための大きな磁束を得ることができる。これにより、バイアス用永久磁石と電磁石とを互いの磁束が重畳する位置に配置することができ、装置を小型化することができる。
さらに、本発明のハイブリッド型磁気軸受けは、バイパス磁路を永久磁石と磁性体とで構成することにより、バイパス磁路の永久磁石によって形成される磁束をバイアス磁束として機能させることができ、磁気吸引力を効率よく向上させることができる。
さらに、本発明のハイブリッド型磁気軸受けは、径方向に着磁されて円環状に配置されているバイアス用永久磁石と、当該バイアス用永久磁石の各磁極を接続するバイパス磁路とが磁気浮上ロータに設けられ、電磁石は、磁極となる2つの突極が磁気浮上ロータに軸方向から対向するように配置され、電磁石によって磁気浮上ロータの軸方向の位置を制御させるように構成することにより、電磁石の電磁石コアを通過する磁束が磁気浮上ロータの回転により変化しないので、渦電流損等鉄損を低くすることができると共に、磁気浮上ロータの径方向に電磁石を配置する必要がないため、スリムな装置を実現することができる。
さらに、本発明のハイブリッド型磁気軸受けは、バイパス磁路の永久磁石として、磁気浮上ロータの軸方向に着磁されて円環状に配置されている永久磁石を設けることにより、バイパス磁路の永久磁石の断面積を確保しやすいため、バイパス磁路の磁気抵抗を効率よく減少させることができ、バイアス用永久磁石を含めた全体の磁気抵抗を減少させることができる。
さらに、本発明のハイブリッド型磁気軸受けは、バイパス磁路の永久磁石として、2つの永久磁石が電磁石の2つの突極に対向してそれぞれ設けられ、2つの永久磁石の磁力は、電磁石の2つの突極と磁気浮上対象物とのそれぞれ間隙の磁束密度が同一になるように設定されるように構成することにより、電磁石の2つの突極において、均等な条件で磁気吸引力を作用させることができる。
さらに、本発明のハイブリッド型磁気軸受けは、バイアス用永久磁石およびバイパス磁路を電磁石に設けることにより、磁気浮上ロータの構成を簡略化して軽量化することができるため、浮上制御を容易に行うことができる。
さらに、本発明のハイブリッド型磁気軸受けは、軸方向に着磁された円筒状のバイアス用永久磁石と、当該バイアス用永久磁石の各磁極を接続するバイパス磁路とが磁気浮上ロータに設けられ、電磁石は、磁極となる2つの突極が磁気浮上ロータに径方向から対向するように配置され、電磁石によって磁気浮上ロータの径方向の位置を制御させるように構成することにより、電磁石の電磁石コアを通過する磁束が磁気浮上ロータの回転により変化しないので、渦電流損等鉄損を低くすることができると共に、磁気浮上ロータの軸方向に電磁石を配置する必要がないため、装置を薄く構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係る磁気浮上制御装置の基本的な構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の変形例の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の更なる変形例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態の更なる変形例を示す図である。
【図5】図4に示す本発明の実施の形態の応用例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係るハイブリッド型磁気軸受けの構成を示す図である。
【図7】図6に示す第1の実施例に係るハイブリッド型磁気軸受けの断面を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係るハイブリッド型磁気軸受けの構成を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施例に係るハイブリッド型磁気軸受けの構成を示す図である。
【図10】図9に示す第3の実施例の断面を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施例に係るハイブリッド型磁気軸受けの構成を示す図である。
【図12】図1に示す磁気浮上制御装置の電磁石から見た磁気等価回路図である。
【図13】図6に示すように電磁石を複数配置したハイブリッド型磁気軸受けにおいて電磁石から見た磁気等価回路図である。
【図14】バイパス磁路の永久磁石の厚さをパラメータとした有限要素法による数値解析に用いた磁気浮上制御装置の形状および寸法を示す図である。
【図15】バイパス磁路の永久磁石の厚さをパラメータとした有限要素法の数値解析結果を示す図である。
【図16】バイパス磁路の永久磁石の厚さをパラメータとした有限要素法の数値解析結果を示す図である。
【図17】バイパス磁路の永久磁石の厚さをパラメータとした有限要素法の数値解析結果を示す図である。
【図18】バイパス磁路の永久磁石の厚さをパラメータとした有限要素法の数値解析結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を図に基づいて説明する。

【0011】
図1は本発明の実施の形態である磁気浮上制御装置100の基本的な構成を示す。図1において、20は電磁石コア1に電磁石コイル2を巻回した電磁石である。3、5および8はそれぞれ左側、中央、及び右側に配置された棒状の磁性体、4および7は夫々左側及び右側に配置された棒状の永久磁石、6は中央に配置された棒状の永久磁石である。左側に配置された永久磁石4と右側に配置された永久磁石7が他の磁石手段を構成する。また、電磁石コア1は、磁極となる2つの突極1a、1cを有するコの字形状であり、2つの突極1a、1cは、それぞれ磁性体3、8に対向する位置に配置される。

【0012】
磁性体3、5、8、永久磁石4、7、中央に配置された永久磁石6は図示しない磁気浮上対象物上に固定され、自体も磁気浮上対象物50となる。永久磁石6は、バイアス磁束10を形成し、電磁石20によって形成される制御磁束9とバイアス磁束10とで、磁気浮上対象物50に対して電磁石20に引きつける方向の引力を作用させる。一方、磁気浮上対象物50には、図示しない電磁石や永久磁石、又は重力等によって、電磁石20から離れる方向(図中下方向)の離力が作用しており、当該離力と制御磁束9およびバイアス磁束10による引力とをバランスさせることで磁気浮上対象物50が浮上する。また、電磁石コイル2に流される電流を変化させ、制御磁束9の強さを制御することで、磁気浮上対象物を上下(図のZ軸方向)に移動制御することができ、さらに、磁気浮上対象物50に作用する離力が変化した場合でも、制御磁束9の強さを制御することで、磁気浮上対象物50を同じ位置に制御することが可能になる。 15は空間又は非磁性体部を示す。

【0013】
このように、永久磁石6、他の磁石手段である永久磁石4、7および磁性体3、5、8を含んで構成された1つの磁気浮上対象物50は、断面矩形状に一体的に形成され、電磁石20に対向配置される。

【0014】
バイアス磁束10を形成する永久磁石6は、浮上支持対象物50の中央に、磁極が電磁石20との対向面と平行になるように配置され、図面上で水平配置される永久磁石6は左端がN極に、右端がS極に着磁されている。磁気浮上対象物50の左側に配置される永久磁石4は、磁極が電磁石20との対向面と垂直になるように、上面がN極に、下面がS極に着磁されている。浮上支持対象物の右側に配置される永久磁石7も、磁極が電磁石20との対向面と垂直になるように、上面がS極に、下面がN極に着磁されている。この構成により、永久磁石4、7の断面積を確保しやすいため、バイパス磁路9Aの磁気抵抗を効率よく減少させることができ、永久磁石6を含めた全体の磁気抵抗を減少させることができる。

【0015】
左側の永久磁石4の上面のN極は、永久磁石6の図示左端のN極と、電磁石20の突極1aと対向する磁性体3を介して接続され、右側の永久磁石7の上面のS極は、永久磁石6の図示右端のS極と、電磁石20の突極1cと対向する磁性体8を介して接続される。また、左側の永久磁石4の下面のS極と右側の永久磁石7の下面のN極は磁性体5を介して接続される。

【0016】
当該接続構成により、図1において実線で示す、永久磁石6により発生する永久磁石磁束であるバイアス磁束10の磁路が、左側の磁性体3、電磁石コア1、右側の磁性体8とから構成される。

【0017】
また、磁性体3、左側の永久磁石4、磁性体5、右側の永久磁石7および磁性体8により、中央に配置される永久磁石6と並列に、バイパス磁路9Aが形成される。バイパス磁路9Aの形成に際しては、例えば、同一性能の永久磁石が使用される場合、即ち、透磁率が同じである同一材質で構成した場合、磁束方向における永久磁石4および永久磁石7の板幅は、永久磁石6の中に形成される図において水平方向の板幅に比べてはるかに小さなものとされる。このため、中央に配置される磁気抵抗の大きい永久磁石6と比較し、バイパス磁路9Aの磁気抵抗は小さいものとなる。

【0018】
このように、バイパス磁路9Aは、永久磁石4、7によってバイアス磁束10の通過を阻止する方向に磁化されている。即ち、永久磁石4、7は、バイパス磁路9Aを磁化させるバイパス磁路用永久磁石として用いられる。永久磁石4、7と永久磁石6とがそれぞれ接続された磁性体3、8において、バイアス磁束10を形成する永久磁石6の磁極に対して磁束方向で同一極になるように永久磁石4、7が配設されることで、バイパス磁路9Aがバイアス磁束10の通過を阻止する方向に磁化される。また、永久磁石4、7によるバイパス磁路9Aの磁気抵抗が永久磁石による磁気抵抗に比べて小さくなるようにして形成されて配設される。

【0019】
永久磁石4、6、7の着磁方向を全て逆にすると共に、電磁石コイル2に流れる電流の向きを反対にすることで制御磁束9の向きを逆にしても良く、それにより本実施の形態の効果を何ら損なうものではない。ここでは、本発明の実施の形態の説明に当って、上記の永久磁石4、6、7の着磁方向で説明する。

【0020】
図1に示す破線は、電磁石コイル2と電磁石コア1からなる電磁石20により発生する電磁石磁束である制御磁束9を示す。制御磁束9は、中央に配置された永久磁石6が横方向に細長い断面形状のため磁気抵抗が大きいので、永久磁石6をほとんど通過しない。ここで、電磁石20により発生する制御磁束9の大部分は、バイパス磁路9Aを通る構成となる。即ち、左右の永久磁石4および7は、それら磁極間の長さが永久磁石6の磁極間の長さに比較して短くなるように磁性部材5と接続されているので、永久磁石7、磁性体5、永久磁石4で形成されるバイパス磁路9Aの磁気抵抗が永久磁石6の磁気抵抗に比べて小さくなり、制御磁束9はバイパス磁路9Aを通る構成となる。

【0021】
バイパス磁路9Aは磁気抵抗が小さいため、バイパス磁路9Aを通過する制御磁束9には殆ど損失が生じない。そして、殆ど損失を生じることなくバイパス磁路9Aを通過する制御磁束9は、左側の永久磁石4及び磁性体3を通過して、永久磁石6により形成されるバイアス磁束10と重畳され、磁気浮上対象物50の位置を制御する大きな制御磁束を得ることが可能となる。

【0022】
この場合に、上述のように、左側の永久磁石4の上面のN極は磁性体3を介して中央の
永久磁石6のN極と同極同士が接続され、右側の永久磁石7の上面のS極は磁性体8を介
して中央の永久磁石6のS極と同極同士が接続され、バイパス磁路9Aは、バイアス磁束10の通過を阻止する方向に磁化されている。このため、中央の永久磁石6により発生するバイアス磁束10の浮上支持対象物50内での短絡が防止され、バイアス磁束10の損失を防ぐことができる。

【0023】
さらには、バイパス磁路9Aを構成する他の磁石手段である永久磁石7、永久磁石4からもバイアス磁束が発生する。即ち、永久磁石7、永久磁石4から発生するバイアス磁束は制御磁束9と同じ磁路を通過し、制御磁束9に重畳されることになる。なお、電磁石コア1の2つの突極1a、1cにそれぞれ対向する永久磁石4、7の磁力は、電磁石コア1の2つの突極1a、1cと浮上支持対象物50の磁性体3、8とのそれぞれ間隙の磁束密度が同一になるように設定することで、電磁石20の2つの突極1a、1cにおいて、均等な条件で磁気吸引力を作用させることができる。

【0024】
このように、本実施の形態においては、バイパス磁路9Aにより電磁石磁束9の損失が防止され、中央の永久磁石6の短絡を防ぐことによリバイアス磁束10の損失が防止され、他の磁石手段により発生するバイアス磁束が電磁石磁束9に重畳され、ハイブリッド型磁気軸受けに発生する総合的な磁束の発生効率を大きくした制御磁束を形成することが可能となる。

【0025】
図1に示す実施の形態は図2に示す如く変形しても同様の効果が得られる。即ち、図2に示す例は、図1に示す永久磁石7を磁性体7′ に変更したことを示す。バイパス磁路9Aを磁化させる他の磁石手段である永久磁石として1個の永久磁石4が用いられる。このように、永久磁石4および7はいずれか一方でも良い。そして、電磁石20により発生する制御磁束9およびバイアス磁束10の方向は、永久磁石4と永久磁石6の同極同士が接する磁性体3において同方向になる。

【0026】
また、図2に示す実施の形態を、図3に示すように変形しても同様の効果が得られる。即ち、図2に示す永久磁石4は磁性体4′ に変更され、磁性体5の一部に永久磁石16を介在させている。この構成にあっても、永久磁石16は、磁性体3、4′ 、5、7′、8で構成されるバイパス磁路9Aを磁化させる他の磁石手段として機能し、永久磁石6によるバイアス磁束10の通過を阻止する方向にバイパス磁路9Aを磁化させ、かつ永久磁石16による磁気抵抗、即ちバイパス磁路9Aの磁気抵抗が永久磁石6の磁気抵抗に比べて小さく形成される。

【0027】
本発明の実施の形態として、バイアス磁束を発生する永久磁石6およびバイパス磁路9Aを形成する他の磁石手段である永久磁石4、7が、浮上支持対象物50に配設される構成を説明した。 しかしながら、本発明の実施の形態は上述の構成に限定されることなく、永久磁石6によるバイアス磁束10が制御磁束9に重畳され、制御磁束9が永久磁石6の磁気抵抗により弱められないようにバイパス磁路9Aが構成されるのであれば、バイアス磁束10を発生させる永久磁石6、バイパス磁路9Aおよびバイパス磁路9Aを磁化させる他の磁石手段である永久磁石4、7は、電磁石コア1に配設されていても良い。

【0028】
例えば、図4に示す本発明の実施の形態の変形例にあっては、バイアス磁束10を発する永久磁石6およびバイパス磁路9Aが電磁石20の電磁石コア1に備えられる。電磁石20の電磁石コア1は、それぞれ開放端を有する突極1aおよび突極1cと、突極1aと突極1cとを接続する接続部1bとからなるコの字状であり、永久磁石6は、突極1aおよび突極1cの一部と接続部1bとをショートカットして突極1aと突極1cとに架け渡されている。また、永久磁石6によってショートカットされた突極1aおよび突極1cの一部と接続部1bとが永久磁石6と並列なバイパス磁路9Aとなり、バイパス磁路9Aには、他の磁石手段である永久磁石4、7が配置されている。同一性能の永久磁石が使用される場合、即ち、透磁率が同じである同一材質で構成した場合、磁束方向における左側の永久磁石4と、右側の永久磁石7の板幅は、磁束方向における中央の永久磁石6の板幅と比較して小さく形成され、永久磁石4、7によるバイパス磁路9Aの磁気抵抗が永久磁石6の磁気抵抗に比べて小さくなるように形成されて配設される。

【0029】
図4に示す永久磁石6は、突極1cと接続された図示右端がS極に着磁され、突極1aと接続された図示左端がN極に着磁される。左側の永久磁石4は、突極1aに配置され、永久磁石6のN極に面する下面がN極に着磁され、上面がS極に着磁される。右側の永久磁石7は、突極1cに配置され、永久磁石6のS極に面する下面がS極に着磁され、上面がN極に着磁される。

【0030】
即ち、左側の永久磁石4の下面と、永久磁石6の左端は、電磁石コア1の一部である突極1aにより接続され、右側の永久磁石7の下面と、永久磁石6の右端は、電磁石コア1の一部である突極1cにより接続される。また、左側の永久磁石4の上面と、右側の永久磁石7の上面とは、電磁石コア1の一部である接続部1bにより接続される。

【0031】
上述の接続構成により、N極に着磁された永久磁石6の左端が突極1aを介して同極の左側永久磁石4の下面と接続されているため、中央の永久磁石6の左端から発生するバイアス磁束10は電磁石コア1内で短絡することなく、図に示す磁路を構成する。

【0032】
本実施の形態において、電磁石コイル2と電磁石コア1から構成される電磁石により発生する制御磁束9は、バイアス磁束10の磁束方向と同じ方向に発生するようにされる。

【0033】
ここで、制御磁束9は、バイパス磁路9Aに比べて永久磁石6の磁気抵抗が大きいため、永久磁石6内を殆ど通過しない。しかし、左側の永久磁石4と、右側の永久磁石7は、中央の永久磁石6と比較し、制御磁束9の磁路方向の幅(厚さ)が小さく形成されており、中央の永久磁石6よりも永久磁石4、接続部1bおよび永久磁石7を通過する磁路方向の磁気抵抗が小さい。従って、接続部1bにより接続された左側の永久磁石4と、右側の永久磁石7とからバイパス磁路9Aが構成され、制御磁束9はより磁気抵抗の小さいバイパス磁路9Aを通過する。このため、制御磁束9が中央の永久磁石6の磁気抵抗により弱められることがなく、バイアス磁束10に重畳され、磁気浮上対象物50の位置を制御する大きな制御磁束を得ることができる。

【0034】
このように、本発明の実施の形態にあっては、バイアス磁束10を発生する永久磁石6および制御磁束9の磁路となるバイパス磁路9Aは、電磁石コア1に配設されていても良い。この場合、永久磁石6およびバイパス磁路9Aの配置は、図4に示す例に限定されるものではなく、例えば図5に示すように、永久磁石6を電磁石コイル2の下側、即ち突極1a、1cの先端側に移動させ、バイパス磁路9Aに電磁石コイル2を配置しても良く、この場合には、永久磁石6の磁極と磁気浮上対象物50とを近付けることができるため、永久磁石6によって形成されるバイアス磁束10の漏れを少なくでき、磁気浮上対象物50にバイアス磁束10を効率よく作用させることができる。

【0035】
また、図4、図5に示す例にあっても、例えば図2、図3に示すように、バイパス磁路9Aを磁化させる他の磁石手段として、永久磁石4、7のいずれか1個が備えられる構成であっても良い。
【実施例】
【0036】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
【実施例1】
【0037】
本発明の第1の実施例として、2個の磁気浮上制御装置100が組み込まれた、円板状の磁気浮上ロータに対するハイブリッド型磁気軸受け200を図6に示す。磁気浮上対象物50は、Z軸方向の中心軸を有する円板状の磁気浮上ロータになっており、図1では棒状であった永久磁石4、6、7、磁性体3、5、8は、磁気浮上対象物50である円板状の磁気浮上ロータが移動制御される方向に有る軸、即ち、本実施例においては磁気浮上ロータの中心軸に対して円環状配置とされ、内部が非磁性体51で満たされている。図6に示すハイブリッド型磁気軸受け200の一方の断面は、磁気浮上対象物50である磁気浮上ロータが回転しても図1に示す磁気浮上制御装置100と同じであり、図1の符号は図6の符号と対応する。本実施例では図6に示すごとく2つの磁気浮上制御装置100を使用し、2つの電磁石20が磁気浮上対象物50である磁気浮上ロータに対して軸方向から対向するように配置されている。
【実施例1】
【0038】
図6に示す2個の磁気浮上制御装置100が組み込まれたハイブリッド型磁気軸受け200の断面を図7に示す。各図において同一符号は同一物を示し、電磁石コア1と電磁石コイル2からなる電磁石20を有する磁気浮上制御装置100が左右に2組配置される。
【実施例1】
【0039】
この場合、永久磁石6は円環状となっており、径方向(Z軸に直交する方向)に着磁されて(例えば、外周側がN、内周側がS)、本例では径方向において円環状の磁性体3と8ではさみ込まれている。また、永久磁石4も円環状となっており、本例では上下方向(Z軸方向)に着磁(例えば上側がN、下側がS)されており、上下方向(Z軸方向)において円環状の磁性体3と5ではさみ込まれている。さらに、永久磁石7も円環状となっており、本例では磁性体8の下に配設され、上下方向(Z軸方向)において円環状の磁性体8と5ではさみ込まれている。この構成により、図1に示す例と同様に、磁性体3、永久磁石4、磁性体5、永久磁石7および磁性体8により、磁気浮上ロータである磁気浮上対象物50の径方向において、円環状の永久磁石6の各磁極を接続する円環状のバイパス磁路9Aが永久磁石6と並列に形成されることになる。永久磁石4の径方向の厚みは磁性体3と等しくとるのが妥当であるがその限りではない。磁性体5の径方向厚みは磁性体3、永久磁石6、磁性体8の径方向厚みを加えた厚みが妥当であるがその限りではない。
なお、本実施例1では、永久磁石6、永久磁石4および永久磁石7の形状を円環状としたが、永久磁石6、永久磁石4および永久磁石7が円環状に配置されていれば、形状が円環状に限定されることはない。例えば、円弧状の複数の永久磁石を円環状に配置しても良く、多数の棒磁石を円環状に配置しても良い。
【実施例1】
【0040】
電磁石コイル2が電磁石コア1に巻かれる位置は図1に示す例と変わりはない。図6では図1の永久磁石7は磁性体8の下に配設されるが、外部からは隠れて見えていない。このように磁石配列された円板状の磁気浮上対象物50の一方面に、突極1aを磁性体3に、突極1cを磁性体8にそれぞれ対向させるように電磁石20を配置することにより、磁気浮上対象物50に対して吸引力を発生させることが可能となり、磁気浮上対象物50に対してかかる下向きの力、即ち電磁石20から離れる方向に作用する離力とバランスをとることで、磁気浮上対象物50を浮上させ、磁気浮上対象物50の軸方向の位置を制御させることができる。磁気浮上対象物50に作用する離力としては、磁気浮上対象物50の下方、即ち電磁石20が配置されている面の反対面側に配置された、磁気浮上対象物50を回転させる図示しないモータステータによる引力や、磁気浮上対象物50にかかる重力等が考えられる。なお、本実施例では、2個の磁気浮上制御装置100がX軸方向に配置されているため、磁気浮上制御装置100による軸方向の位置制御によって、簡単にY軸周りの回転を制御することが可能となるが、磁気浮上制御装置100が1個であっても、Y軸からずれて配置されていれば、Y軸周りの回転を制御することが可能となる。また、もう1対の磁気浮上制御装置100を図中の磁気浮上制御装置100と直交する位置に配置することにより、簡単にX軸周りの回転も制御可能となるが、磁気浮上制御装置100が1個であっても、X軸からずれて配置されていれば、X軸周りの回転を制御することが可能となる。さらに、Z軸方向の位置とX、Y軸周りの回転を制御する場合、Z軸方向の位置とX、Y軸周りの2回転度の計測を行い、閉ループ制御をかけるために渦電流センサ等の非接触型位置センサを円板状の磁気浮上対象物50の上面(又は下面)に最低3つ配置することになる。
【実施例1】
【0041】
本実施例では、径方向に着磁されて円環状に配置されている永久磁石6と、永久磁石6の各磁極を接続する円環状のバイパス磁路9Aとが磁気浮上ロータである磁気浮上対象物50に設けられていると共に、電磁石20の電磁石コア1が同心円上に配置され、電磁石20の電磁石コア1を通過する磁束は円板状の磁気浮上対象物50の回転により変化しないので、渦電流損等鉄損の低いハイブリッド型磁気軸受け200を構成することが可能となる。なお、バイパス磁路9Aも円環状に配置されている永久磁石6のそれぞれに対応して設けられるため、円環状に配置されていれば、形状が必ずしも円環状である必要がない。
【実施例1】
【0042】
本実施例では磁気浮上対象物50が円板状の磁気浮上ロータである場合について説明した。しかし、磁気浮上対象物50の形状は円板状の磁気浮上ロータに限定されず、その内部を中空とした円環状の磁気浮上ロータでも良く、このような形態を含むものとして使用する。
【実施例2】
【0043】
図8に、本発明の第2の実施例としての円板状の磁気浮上ロータに対するハイブリッド型磁気軸受け300の構成を示す。
【実施例2】
【0044】
図6に示す第1の実施例に係るハイブリッド型磁気軸受け200に、図8のように、磁気浮上対象物50である円板状の磁気浮上ロータの外周面に径方向から対向させて1対の径方向電磁石30を配置させ、径方向電磁石30の電磁石コア31の突極を磁気浮上対象物50の外周面に露出した磁性体3および磁性体5にそれぞれ対向させて配置することで、永久磁石6、永久磁石4で生じた磁束が径方向電磁石30の電磁石コア31を通る。この状態で電磁石コイル32に電流を流せば、電磁石コア31と磁気浮上対象物50である円環状浮上体外周縁の間隙の磁束の強弱制御が可能となり、磁気浮上対象物50である円環状浮上体の径方向、例えばX軸方向の位置も制御可能となる。
【実施例2】
【0045】
径方向の位置を制御するもう1対の径方向電磁石30を図8中の径方向電磁石30と直交するように、磁気浮上対象物50である円板状浮上体外周縁に対向させて配置することで、磁気浮上対象物50の径方向、例えばY軸方向の位置も制御可能となる。よって、 軸方向の位置を制御する1対の電磁石20二組、径方向の位置を制御する1対の径方向電磁石30二組を用いることによりX、Y、Z軸方向の3方向位置とX、Y軸周りの2回転の5軸制御が可能となる。さらに、X、Y、Z軸方向の3方向の位置とX、Y軸周りの回転を制御する場合、X、Y、Z軸方向の3方向位置とX、Y軸周りの2回転度の計測を行い、閉ループ制御をかけるために渦電流センサ等の非接触型位置センサを磁気浮上対象物50の上面(又は下面)に最低3つ(Z軸方向位置、X、Y軸周りの2回転度)、径方向外周部に2つ(X、Y軸方向位置)を配置することになる。また、このように構成することにより、ハイブリッド型磁気軸受け300の姿勢によって、磁気浮上対象物50に様々な方向から重力が作用しても対応可能である。
【実施例2】
【0046】
このように構成されたハイブリッド型磁気軸受け300は、径方向電磁石30の電磁石コア31に流れる磁束が円環状浮上体の回転により変化しないので、渦電流損等鉄損の低いハイブリッド型磁気軸受け300を構成することが可能となる。
【実施例2】
【0047】
また、本実施例における磁気浮上ロータの形状は円板状に限定されず、その内部が中空である円環状の形状でも良く、このような形態を含むものとして使用する。
【実施例2】
【0048】
ここで、磁気浮上ロータが円環状である場合には、本実施例における径方向電磁石30の配置は図8に示す構成に限定されず、例えば電磁石コア31と電磁石コイル32からなる径方向電磁石30を円環中央内部に互いに背中向きに配置して、径方向電磁石30の突極が磁性体8と5に対向するように配置しても同様の効果が得られる。
【実施例3】
【0049】
図9に、本発明の第3の実施例として、2個の磁気浮上制御装置100が組み込まれた、円柱状の磁気浮上ロータに対するハイブリッド型磁気軸受け400の構成例を示す。また、図9に示すハイブリッド型磁気軸受け400の断面図を図10に示す。各図において同一符号は同一物を示し、電磁石コア1と電磁石コイル2からなる電磁石20が左右に、即ち磁気浮上制御装置100を構成する電磁石20は、磁気浮上対象物50である磁気浮上ロータの側面に対向、即ち磁気浮上ロータに対して径方向から対向して配置され、2個の電磁石30を含むハイブリッド型磁気軸受け400の断面図は図10のようになる。
【実施例3】
【0050】
図1では棒状として表した永久磁石6を、第3の実施例では、図9に示すように円筒状にしたものを使う。図1では棒状であった永久磁石4、6、7、磁性体3、5、8は、磁気浮上対象物50である円柱状の磁気浮上ロータの中心軸に対して円環状配置とされ、内部が非磁性体51で満たされている。なお、本例では、内部を非磁性体51としたが、内部を非磁性体とする必要はなく、例えば磁性体で構成した場合には、磁性体5として機能することになる。永久磁石6は図9中上下方向、即ち円柱状の磁気浮上ロータの軸方向に着磁され(例えば、上側がN、下側がS)、本例では上下方向(Z軸方向)おいて円環状の磁性体3と8ではさみ込まれている。また、永久磁石4も円筒状となっており、本例では径方向に着磁(例えば外周側がN、内周側がS)されており、径方向において円筒状の磁性体3と5ではさみ込まれている。さらに、永久磁石7も円筒状となっており、本例では磁性体8の内側に配設され、径方向において円筒状の磁性体8と5ではさみ込まれている。この構成により、図1に示す例と同様に、磁性体3、永久磁石4、磁性体5、永久磁石7および磁性体8により、磁気浮上ロータである磁気浮上対象物50の軸方向において、円筒状の永久磁石6の各磁極を接続する円環状のバイパス磁路9Aが永久磁石6と並列に形成されることになる。永久磁石4の上下方向の高さは磁性体3と等しくとるのが妥当であるがその限りではない。磁性体5の上下方向の高さは磁性体3、永久磁石6、磁性体8の上下方向の高さを加えた高さが妥当であるがその限りではない。電磁石コイルがコアに巻かれる箇所は図1に示す例と変わりはない。本図では図1の永久磁石7は磁性体8の内側に配設されるが、外部からは隠れて見えていない。
【実施例3】
【0051】
このように磁石配列された円柱状の磁気浮上対象物50の周面に、突極1aを磁性体3に、突極1cを磁性体8にそれぞれ対向させるように電磁石20を配置することにより、磁気浮上対象物50に対して径方向に吸引力を発生させることが可能となる。従って、磁気浮上対象物50の径方向(左右)である図9に示すY軸方向に対向して一対の電磁石20を配置することにより、磁気浮上対象物50に対して浮上体径方向Y軸方向にプッシュプル方式で吸引力を発生させることが可能となり、Y軸方向の位置を制御することができる。また、径方向の位置を制御するもう1対の電磁石20を図9中の電磁石20と直交する位置に、即ちX軸方向に対向させて配置することによりX軸方向にも吸引力を発生することができる。このように構成することにより、発生した吸引力で磁気浮上対象物50の位置はX軸、Y軸、2次元平面上の任意の点に制御可能となると共に、例えば下方向に重力がかかっているとしても十分な吸引力を発生可能なので、磁気浮上対象物50を径方向に吸引することで浮上させることが可能である。この場合、X、Y軸方向の位置の計測を行い、閉ループ制御をかけるために渦電流センサ等の非接触型位置センサを円筒状浮上体の外周部に2つ配置することになる。
【実施例3】
【0052】
このハイブリッド型磁気軸受け400において、電磁石20の電磁石コア1を通る磁束は磁気浮上対象物50の回転により変化しないので、渦電流損等鉄損の低い磁気軸受を構成することが可能となる。
【実施例3】
【0053】
また、本実施例における磁気浮上対象物50は円柱状の磁気浮上ロータに限定されるものではなく、その内部が中空の円筒状の磁気浮上ロータであっても良い。
【実施例3】
【0054】
磁気浮上対象物50を円筒状の磁気浮上ロータとした場合には、本実施例における永久磁石と磁性体の配置は図9に示す構成に限定されるものではなく、例えば磁性体5が円筒の外周面側に、磁性体3、8、永久磁石6が円筒の内周面側に配置されても良い。この場合、電磁石コア1と電磁石コイル2からなる電磁石20を円筒中央内部に互いに背中向きに配置して、突極(電磁石コア1の凸状に突き出している部分)が磁性体3と磁性体8に対向するように配置しても同様の効果が得られる。
【実施例4】
【0055】
図11に、本発明の第4の実施例としての円柱状の磁気浮上ロータに対するハイブリッド型磁気軸受け500の構成例を示す。図11において、各図と同一符号は同一物を示し、電磁石コア1と電磁石コイル2からなる電磁石20が左右に、即ち2個の電磁石20が磁気浮上ロータに対して径方向から対向して配置されている。
【実施例4】
【0056】
図9に示す第3の実施例に係るハイブリッド型磁気軸受400に対して、図11に示すように磁気浮上対象物50である円柱状の磁気浮上ロータの上面に対向させて1対の軸方向電磁石40を配置させ、軸方向電磁石40の電磁石コア41の突極を磁気浮上対象物50の上面に露出した磁性体3および磁性体5にそれぞれ対向させて配置することで、永久磁石6、他の磁石手段としての永久磁石4で生じた二つの磁束が重畳されて電磁石コア1を通る。この状態で電磁石コイル42に電流を流せば、電磁石コア41と磁気浮上対象物50である円柱状浮上体上面の間隙の磁束の強弱制御が可能となり、磁気浮上対象物50である円柱の軸方向Z軸方向の位置と、Z軸方向と直交する、例えばY軸周りの回転も制御可能となる。他の1対の軸方向電磁石40を図11中の軸方向電磁石40と直交するように、磁気浮上対象物50である円柱状浮上体上面に対向させて配置することで、磁気浮上対象物50である円柱状浮上体のZ軸方向と直交する、例えばX軸周りの回転も制御可能となる。よって、径方向の位置を制御する1対の電磁石20を二組、 軸方向の位置を制御する1対の軸方向電磁石40二組を用いることによりX、Y、Z軸方向の3方向位置とX、Y軸周りの2回転の5軸制御が可能となる。さらに、X、Y、Z軸方向の3方向の位置とX、Y軸周りの回転を制御する場合、X、Y、Z軸方向の3方向位置とX、Y軸周りの2回転度の計測を行い、閉ループ制御をかけるために渦電流センサ等の非接触型位置センサを磁気浮上対象物50の上面(又は下面)に最低3つ(Z軸方向位置、X、Y軸周りの2回転度)、径方向外周部に2つ(X、Y軸方向位置)を配置することになる。また、このように構成することにより、ハイブリッド型磁気軸受け300の姿勢によって、磁気浮上対象物50に様々な方向から重力が作用しても下向きの力がかかるが対応可能である。
【実施例4】
【0057】
このように構成されたハイブリッド型磁気軸受け500は、電磁石20の電磁石コア41に流れる磁束が円柱状浮上体の回転により変化しないので、渦電流損等鉄損の低いハイブリッド型磁気軸受け500を構成することが可能となる。
【実施例4】
【0058】
また、本実施例における磁気浮上対象物50は円柱状の磁気浮上ロータに限定されるものではなく、その内部が中空の円筒状の磁気浮上ロータであっても良い。
【実施例4】
【0059】
磁気浮上対象物50を円筒状とした場合には、本実施例における永久磁石と磁性体の配置は図11に示す構成に限定されるものではなく、例えば磁性体5が円筒の外周面側に、磁性体3、8、永久磁石6が円筒の内周面側に配置されても良い。この場合、電磁石コア1と電磁石コイル2からなる電磁石20を円筒中央内部に互いに背中向きに配置して、突極(電磁石コア1の凸状に突き出している部分)が磁性体3と磁性体8に対向するように配置しても同様の効果が得られる。
【実施例4】
【0060】
次に、図1に示す磁気浮上制御装置における永久磁石4の磁気抵抗と、バイパス磁路9Aの永久磁石6、7の磁気抵抗との関係を、図12に示す電磁石20から見た磁気等価回路を用いて検討する。図12において、Femは、電磁石20の起磁力、Φem-gは、回路内エアギャップ(突極1a、1cと磁気浮上対象物50との間のエアギャップ)中の磁束、Φem-1は、永久磁石6を通る磁束、Φem-2は、永久磁石4、7を通る磁束、Rgは、回路内エアギャップの磁気抵抗、R1は、永久磁石6の磁気抵抗、R2は、永久磁石4、7の磁気抵抗をそれぞれ示している。
【実施例4】
【0061】
図12に示す磁気等価回路において回路全体の合成抵抗Rcは、
Rc=2Rg+[1/{(1/R1)+(1/2R2)}]
=2Rg+2R1R2/(R1+2R2)となる。
ここで、永久磁石4、7の磁気抵抗を永久磁石6の磁気抵抗を基準にして表すことで、R2=kR1とすると、
Rc=2Rg+R1・2k/(2k+1)
となり、回路全体の合成抵抗Rcは、2k/(2k+1)
【実施例4】
【0062】
永久磁石6の磁気抵抗R1にかかっている2k/(2k+1)は、kの値が1に比べて非常に大きい場合、すなわち永久磁石6の磁気抵抗R1に比べて永久磁石4、7の磁気抵抗R2が極めて大きい場合に1となり、そうでない場合は、必ず1以下になる。従って、バイパス磁路9Aを設けることにより、回路全体の磁気抵抗Rcが減少することになり、電磁石20による発生磁束および発生吸引力を増加させることになる。
【実施例4】
【0063】
なお、図6に示すように、円板状の磁気浮上ロータに対して複数の電磁石20を配置した場合には、電磁石20で発生する磁束は磁性体3、8を通って他の電磁石20を通るため、3次元的経路をとることになる。そこで、円板状の磁気浮上ロータに対して4個の電磁石20を配置したハイブリッド型磁気軸受けのモデルにおいて、図13に示す電磁石20から見た磁気等価回路を用いて検討する。
【実施例4】
【0064】
図12に示す磁気等価回路において回路全体の合成抵抗Rcは、
Rc=2Rg+[1/{(3/2Rg)+(4/R1)+(2/R2)}]
となる。
ここで、永久磁石4、7の磁気抵抗に起因する値である(2/R2)は、r2=∞のとき、すなわちバイパス磁路9Aを設けない場合に「0」になり、バイパス磁路9Aを設け場合には、必ず「0」よりも大きな値となることが判り、結果として回路全体の合成抵抗Rcが減少することになる。
【実施例4】
【0065】
このように図12に示す磁気等価回路を用いた検証では、kの値が小さいほど、すなわち永久磁石6の磁気抵抗R1に比べて永久磁石4、7の磁気抵抗R2が小さいほど、回路全体の磁気抵抗Rcが減少することが判る。しかしながら、永久磁石6の磁気抵抗R1に比べて永久磁石4、7の磁気抵抗R2が小さくなりすぎると、電磁石20による発生磁束および発生吸引力を増加するものの、永久磁石6の磁束がバイパス磁路9Aに漏れてしまい、バイアス磁束が減少してしまうことが想定される。
【実施例4】
【0066】
そこで、円板状の磁気浮上ロータに対して4個の電磁石20を配置したハイブリッド型磁気軸受けのモデルにおいて、バイパス磁路9Aの永久磁石4、7の厚みIを変動させるパラメータとして、有限要素法による数値解析を行い、発生吸引力(N)、力係数(N/A:単位電流当たりに発生する吸引力)を検討した。検討に用いた形状および寸法は、図14に示す通りである。また、解析条件は、メッシュ数を約24万(233,326)とし、永久磁石4、6、7としてネオジム磁石(保磁力:962kA/m、残留磁束密度:1.43T、比透磁率:1.18)を、磁性体3、5、8としてSUY-1(JIS規格)をそれぞれ用いた。さらに、電磁石20の励磁電流を-1A、0A、1Aとし、それぞれにおいて、バイパス磁路9Aの永久磁石4、7の厚みIを0.1mm、0.3mm、0.5mm、0.7mm、1.0mm、1.3mm、1.5mm、2.0mm、3.0mm、4.0mmに変動させて数値解析を行った。なお、磁気抵抗が永久磁石の断面積に単純に反比例し、厚さに単純に比例すると考えると、永久磁石4、7の厚みI=0.1mmの場合、(バイパス磁路9Aの磁気抵抗2R2)/(永久磁石6の磁気抵抗R1)≒0.02になり、(合成抵抗Rc)/(永久磁石6の磁気抵抗R1)≒0.02になる。同様に、
厚みI=0.3mmの場合、2R2/R1≒0.06、Rc/R1≒0.06、
厚みI=0.5mmの場合、2R2/R1≒0.10、Rc/R1≒0.09、
厚みI=0.7mmの場合、2R2/R1≒0.14、Rc/R1≒0.13、
厚みI=1.0mmの場合、2R2/R1≒0.21、Rc/R1≒0.17、
厚みI=1.3mmの場合、2R2/R1≒0.27、Rc/R1≒0.21、
厚みI=1.5mmの場合、2R2/R1≒0.31、Rc/R1≒0.24、
厚みI=2.0mmの場合、2R2/R1≒0.41、Rc/R1≒0.29、
厚みI=3.0mmの場合、2R2/R1≒0.62、Rc/R1≒0.38、
厚みI=4.0mmの場合、2R2/R1≒0.83、Rc/R1≒0.45となる。
【実施例4】
【0067】
図15は、バイパス磁路9Aの永久磁石4、7の厚みIをパラメータとして変動させた場合の電磁石20の励磁電流と磁気吸引力との関係を示すグラフであり、図16は、横軸をバイパス磁路9Aの永久磁石4、7の厚みIにして図15に示すグラフを書き直したものである。なお、永久磁石4、7の厚みIが0mmの場合は,バイパス磁路9Aを取り除いた永久磁石6のみで解析を行った結果である。
【実施例4】
【0068】
図17は、図15のグラフの傾き(力係数(N/A):単位電流あたり発生可能な力を表す)に対するバイパス磁路9Aの永久磁石4、7の厚みIの影響を示すグラフであり、図18は、力係数を磁気浮上対象物50の質量で除した加速度係数(N/(A・kg))とバイパス磁路9Aの永久磁石4、7の厚みIの関係を示すグラフである。なお、加速度係数は,大きいほど「高加速度に耐える」、「高速に動かせる」等の磁気浮上対象物50を磁気浮上させる際の制御性(動特性)の良さを表す。
【実施例4】
【0069】
図15および図16を参照すると、バイパス磁路9Aの永久磁石4、7の厚みIが0.3mm以下、すなわち2R2/R1≒0.06以下の場合では、永久磁石4、7によって形成される磁束が加わっているにもかかわらず、厚みI=0、すなわちバイパス磁路9Aを取り除いた永久磁石6のみの場合よりも磁気吸引力が弱くなっていることが判る。また、図17を参照すると、バイパス磁路9Aの永久磁石4、7の厚みIが0.3mm以下、すなわち2R2/R1≒0.06以下の場合では、厚みI=0、すなわちバイパス磁路9Aを取り除いた永久磁石6のみの場合よりも力係数(N/A)が小さな値となっている。さらに、図18を参照すると、バイパス磁路9Aの永久磁石4、7の厚みIが0.5mm以下、すなわち2R2/R1≒0.10以下の場合では、厚みI=0、すなわちバイパス磁路9Aを取り除いた永久磁石6のみの場合よりも加速度係数(N/(A・kg))が小さな値となっている。これらの現象は、永久磁石6の磁気抵抗R1に比べてバイパス磁路9Aの磁気抵抗2R2が小さすぎ、永久磁石6の磁束の大部分がバイパス磁路9Aに漏れてしまうことに起因すると考えられ、バイパス磁路9Aの磁気抵抗2R2は、永久磁石4、7の厚みI=0.7mmの場合の、2R2/R1≒0.14以上が望ましいことが判る。
【実施例4】
【0070】
また、図16を参照すると、永久磁石4、7の厚みIを大きくすることにより、磁気吸引力が増加し、本例では、100Nあたりに漸近している。この漸近効果は、バイパス磁路9Aを設けることによる磁気抵抗低下効果に依るものであると考えられる。なお、永久磁石4、7の厚みIを大きくすることにより、厚みI=0、すなわちバイパス磁路9Aを取り除いた永久磁石6のみの場合に比較して磁気吸引力が数倍に増加しているが、これは、磁気抵抗低下効果よりも二次永久磁石によるバイアス磁束増加に起因するものと考えられる。
【実施例4】
【0071】
さらに、図17を参照すると、永久磁石4、7の厚みIを大きくすることにより、力係数が増加し、本例では、14N/Aに漸近している。この漸近効果も、バイパス磁路9Aを設けることによる磁気抵抗低下効果に依るものであると考えられる。
【実施例4】
【0072】
さらに、図18を参照すると、永久磁石4、7の厚みIを大きくすることにより、磁気浮上対象物50の質量が増加するため、加速度係数は、永久磁石4、7の厚みI=2mmで最大値となっている。
【実施例4】
【0073】
以上の結果により、永久磁石6よりも0.14倍以上の磁気抵抗2R2を有するバイパス磁路9Aを永久磁石6と並列に設けることにより、永久磁石6のみの場合に比べて、磁気吸引力、力係数、加速度係数が向上することが判る。また、制御性能、すなわち加速度係数に関しては、磁気浮上対象物50の質量増加によって、永久磁石4、7の厚みIに最適値(本列の場合には、厚みI=2mm)が存在することが判る。
【符号の説明】
【0074】
1、31、41 電磁石コア
1a、1c 突極
1b 接続部
2、32、42 電磁石コイル
3 磁性体
4 永久磁石
5 磁性体
6 永久磁石
7 永久磁石
8 磁性体
9 制御磁束
9A バイパス磁路
10 バイアス磁束
15 空間又は非磁性体部
20 電磁石
30 径方向電磁石
40 軸方向電磁石
50 磁気浮上対象物
51 非磁性体
100 磁気浮上制御装置
200、300、400、500 ハイブリッド型磁気軸受け
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
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【図13】
12
【図14】
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【図15】
14
【図16】
15
【図17】
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【図18】
17