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明細書 :放射線位置検出器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6057207号 (P6057207)
公開番号 特開2014-071088 (P2014-071088A)
登録日 平成28年12月16日(2016.12.16)
発行日 平成29年1月11日(2017.1.11)
公開日 平成26年4月21日(2014.4.21)
発明の名称または考案の名称 放射線位置検出器
国際特許分類 G01T   1/20        (2006.01)
G01T   1/161       (2006.01)
FI G01T 1/20 C
G01T 1/20 E
G01T 1/20 G
G01T 1/20 B
G01T 1/161 C
請求項の数または発明の数 7
全頁数 11
出願番号 特願2012-220063 (P2012-220063)
出願日 平成24年10月2日(2012.10.2)
審査請求日 平成27年7月28日(2015.7.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
発明者または考案者 【氏名】山本 誠一
個別代理人の代理人 【識別番号】110000822、【氏名又は名称】特許業務法人グローバル知財
審査官 【審査官】後藤 孝平
参考文献・文献 実開昭63-005483(JP,U)
特開平02-213794(JP,A)
再公表特許第2009/098753(JP,A1)
特表2005-524853(JP,A)
調査した分野 G01T 1/20
G01T 1/161
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
シンチレータブロックと光センサーを光学的に結合した構造の放射線位置検出器において、
1)シンチレータブロックと光センサーとの間に傾斜面を有するライトガイド設け、前記ライトガイドは、シンチレータブロックを構成するシンチレータの長手方向を傾斜面の垂線方向とし、光センサーの受光面の垂線方向をガイド方向とし、シンチレータブロックとの接合面を傾斜面とし、前記ライトガイドと光センサーとの間に、スリットを有するスリット型ライトガイドを設け、該スリットにより前記ライトガイドから出射する光を光センサーの中央部に寄せ、
或は、
2)シンチレータブロックが光の出る部分を斜めにカットされて傾斜面を有し、シンチレータブロックの前記傾斜面と光センサーの受光面とが並行であり、隣接する複数のシンチレータブロックと光センサーとの間に、スリットを有するスリット型ライトガイドを設け、該スリットによりシンチレータブロックから出射する光を光センサーの中央部に寄せ、
シンチレータブロック毎に光センサーを結合するのではなく、隣接する複数のシンチレータブロックに1個の光センサーを結合させたことを特徴とする放射線位置検出器。
【請求項2】
光センサーの配置の角数の2倍以上の角数をシンチレータブロックの配置の角数とする検出器リングを構成することを特徴とする請求項1に記載の放射線位置検出器。
【請求項3】
前記ライトガイドが複数のライトガイドを束ねた構造である、請求項1又は2に記載の放射線位置検出器。
【請求項4】
前記ライトガイドが複数の光ファイバーを束ねた構造である、請求項1又は2に記載の放射線位置検出器。
【請求項5】
前記ライトガイドと前記シンチレータブロックが一体形成された構造である、請求項1又は2に記載の放射線位置検出器。
【請求項6】
前記シンチレータブロックは、発光減衰時間の異なる少なくとも2層の多層構造であり、
前記光センサーの出力信号の波形から各層の信号波形を弁別することを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の放射線位置検出器。
【請求項7】
前記シンチレータブロックは、同一特性のシンチレータブロックから成る2層構造であり、各層のシンチレータブロックを構成するそれぞれのシンチレータの中心位置を、相対的に径の略1/2だけシフトさせて配置し、前記光センサーの出力信号から各層の信号を位置演算により弁別することを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の放射線位置検出器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ポジトロン放射型断層撮像装置(Positron Emission Tomography: PET装置)に用いるシンチレーション検出器に関し、特にPET装置において、高分解能を必要とする放射線検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
放射性同位体を被検体に投与し、体内の放射性同位体の分布を測定して画像表示するPET装置が知られている。放射性同位体には、崩壊するときにポジトロン(陽電子)を放出する性質を有するポジトロン核種がある。ポジトロン核種は、人工的に製造される核種で、PET装置では炭素11C、窒素13N、酸素15O、フッ素18Fなどが用いられることが多い。ポジトロンは放出されるとすぐに電子と衝突して消滅するが、同時に、2本の消滅ガンマ線(511keV)を正反対方向に放射する。
【0003】
PET装置は、生体に投与したポジトロン放出核種からの消滅ガンマ線を検出し断層画像を作成する装置であり、医学生理学的に重要な種々の機能画像を得ることができることから、研究用途に用いられると共に臨床的にも広く使用されている。
ここで、PET装置を小動物のイメージングに用いる場合、被検体が小さいために高分解能が要求される。PET装置の分解能を向上するために、小さなピクセルで構成されたシンチレータブロックを位置有感型光電子増倍管(PSPMT)やシリコンフォトマルアレー(Si-PMアレー)などの位置有感型光センサーに光学結合し、光センサーの出力信号を重心演算することにより高分解能を得る試みが行われている。
しかし、位置有感型光センサーのサイズが比較的大きいことから、リング状にシンチレータブロックを配置した場合に、6角形や8角形など角数の小さなリング形状に配置せざるを得ない場合が多い。
【0004】
一方、従来からライトガイドの配置を工夫して、大面積の位置識別型測定に対応可能な放射線検出器が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照。)。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2000-346947号公報
【特許文献2】特開2008-249730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の如く、被検体が小さい小動物などのイメージングにPET装置を用いる場合、高分解能化を図るために、シンチレータブロックを位置有感型光センサーに光学結合し、光センサーの出力信号を重心演算している。
しかしながら、位置有感型光センサーのサイズが比較的大きいことから、6角形や8角形など角数の小さなリング状にシンチレータブロックを配置しなければならず、シンチレータブロック間に比較的大きな隙間(ギャップ)が生じてしまう。そして、ギャップ部分を通り抜ける消滅ガンマ線では、同時計数データは得ることができないため、画像に歪みを生じてしまうといった問題がある。
【0007】
図1(A)では、8角形のリング状に配置されたシンチレータブロックにおいて、被検体4の中のポジトロン核種のポジトロンが消滅点5から、正反対方向に放射する2本の消滅ガンマ線6が存在する場合に、シンチレータブロック2の間のギャップ3から1本の消滅ガンマ線が通り抜ける様子を示している。すなわち、8角形のリング状に配置されたシンチレータブロックの場合、シンチレータブロック間のギャップの割合が大きく消滅ガンマ線がその間から逃げやすい。また、図1(A)からシンチレータブロック2の各セルの位置は円形から大きく外れており、画像再構成時の画像の歪みが大きい。
【0008】
一方、図1(B)では、16角形のリング状に配置されたシンチレータブロックにおいて、被検体4の中のポジトロン核種のポジトロンが消滅点5から、正反対方向に2本の消滅ガンマ線6が放射され、シンチレータブロック2に捕獲される様子を示している。図1(B)のような16角形のリング状に配置されたシンチレータブロックの場合、シンチレータブロック2間のギャップ3は小さく、消滅ガンマ線がギャップ部分を通り抜ける可能性は低くなる。すなわち、16角形のリング状に配置されたシンチレータブロックの場合、ギャップの大きさは相対的に小さくなり、かつ、セルの配置が円形に近くなり、画像再構成時の画像の歪みが少なくできる。
【0009】
上記状況に鑑みて、本発明は、シンチレータブロックのリング状配置における位置有感型光センサーのサイズに起因する角数の制約を緩和して、小さい被検体のイメージングに用いる高分解能の放射線検出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点の放射線検出器は、シンチレータブロックと光センサーを光学的に結合した構造の放射線位置検出器において、シンチレータブロックと光センサーとの間に傾斜面を有するライトガイド設け、ライトガイドと光センサーとの間に、スリットを有するスリット型ライトガイドを設け、該スリットによりライトガイドから出射する光を光センサーの中央部に寄せ、シンチレータブロック毎に光センサーを結合するのではなく、隣接する複数のシンチレータブロックに1個の光センサーを結合させる。
上記のライトガイドは、シンチレータブロックを構成するシンチレータの長手方向を傾斜面の垂線方向とし、光センサーの受光面の垂線方向をガイド方向とし、シンチレータブロックとの接合面を傾斜面とする。

【0011】
上記の構成によれば、リング状に配置されたシンチレータブロックにおいて、隣接する複数のシンチレータブロックに1個の位置有感型光センサーを結合させることが可能であり、位置有感型光センサーのサイズの制約から決まる光センサーの配置の角数の2倍から数倍の角数を持つシンチレータブロックのリングを構成することができる。従って、円形に近いシンチレータブロック配置が可能となり、高分解能な放射線検出器を提供できる。
【0012】
ライトガイドの傾斜面は、シンチレータの長手方向を傾斜面の垂線方向とし、光センサーの受光面の垂線方向をガイド方向とし、シンチレータブロックとの接合面を傾斜面とする。これにより、シンチレータブロックを構成するシンチレータの中を通る光の光路の進行方向の向きを変化させることができる。
ライトガイドは、シンチレータブロックの発光による光を損失なしに光センサーの受光面にガイドすることにより、光信号を電気的に転換させる。
ライトガイドの形状は、シンチレータの長手方向と光センサーの受光面の垂線方向から決まる面を断面とした場合、断面形状が傾斜部分を斜面とする直角三角形か、傾斜部分を斜面とする台形などである。
【0013】
隣接する複数のシンチレータブロックに1個の光センサーを結合させるとは、隣接する2個のシンチレータブロック、隣接する3個のシンチレータブロック、或いは、隣接する4個以上のシンチレータブロックに1個の光センサーを結合させることを意味する。
光センサーは、具体的には位置有感型光センサーが好適に用いられ、波形解析スペクトル、エネルギースペクトルに加えて、シンチレータで検出された放射線の位置の情報を得ることが可能になる。位置情報の計算は、光センサーの出力信号の重心演算を行い、高分解能化を図る。
【0014】
上記の本発明の放射線検出器において、光センサーの配置の角数の2倍以上の角数をシンチレータブロックの配置の角数とする検出器リングを構成する。
これにより、被検体が小さい小動物などのイメージングに用いる高分解能のPET装置を提供できる。
【0015】
本発明の放射線検出器を用いて、例えば、角数6の光センサーの配置、つまり、6個の光センサーが6角柱の側面を形成するような配置で検出器リングを構成する場合、2倍の角数なら、12個のシンチレータブロックが12角柱の側面を形成するように配置して検出器リングを構成する。正12角柱の場合、隣接するシンチレータブロックの垂線の交角は360°の12等分の30°となり、2倍の角数なら1つの光センサーの受光面に2つのシンチレータブロックの光をガイドするライトガイドが2つ設けられる。それぞれのシンチレータブロックに結合されるライトガイドにおいて、光センサーの受光面を基準とした傾斜角は15°となる。
【0016】
また、角数6の光センサーの配置で3倍の角数なら、18個のシンチレータブロックが18角柱の側面を形成するように配置して検出器リングを構成する。その場合、隣接するシンチレータブロックの垂線の交角は360°の18等分の20°となり、3倍の角数なら1つの光センサーの受光面に3つのシンチレータブロックの光をガイドするライトガイドが2つ或いは3つ設けられる。3つのシンチレータブロックの両端2つのシンチレータブロックに結合されるライトガイドにおいて、光センサーの受光面を基準とした傾斜角は20°となる。
【0017】
また、角数6の光センサーの配置で4倍の角数なら、24個のシンチレータブロックが24角柱の側面を形成するように配置して検出器リングを構成する。その場合、隣接するシンチレータブロックの垂線の交角は360°の24等分の15°となり、4倍の角数なら1つの光センサーの受光面に4つのシンチレータブロックの光をガイドするライトガイドが4つ設けられる。それぞれのシンチレータブロックに結合されるライトガイドにおいて、光センサーの受光面を基準とした傾斜角は7.5°と22.5°の2種類となる。
【0018】
また、同様に、角数8の光センサーの配置、つまり、8個の光センサーが8角柱の側面を形成するような配置で検出器リングを構成する場合、2倍の角数なら、16個のシンチレータブロックが16角柱の側面を形成するように配置して検出器リングを構成する。正16角柱の場合、隣接するシンチレータブロックの垂線の交角は360°の16等分の22.5°となり、2倍の角数なら1つの光センサーの受光面に2つのシンチレータブロックの光をガイドするライトガイドが2つ設けられる。それぞれのシンチレータブロックに結合されるライトガイドにおいて、光センサーの受光面を基準とした傾斜角は11.25°となる。
【0019】
また、角数8の光センサーの配置で3倍の角数なら、24個のシンチレータブロックが24角柱の側面を形成するように配置して検出器リングを構成する。その場合、隣接するシンチレータブロックの垂線の交角は360°の24等分の15°となり、3倍の角数なら1つの光センサーの受光面に3つのシンチレータブロックの光をガイドするライトガイドが2つ或いは3つ設けられる。3つのシンチレータブロックの両端2つのシンチレータブロックに結合されるライトガイドにおいて、光センサーの受光面を基準とした傾斜角は15°となる。
【0020】
ここで、ライトガイドは複数のライトガイドを束ねた構造であることが好ましい。また、ライトガイドは複数の光ファイバーを束ねた構造であることが好ましい。シンチレータブロックのどの位置のシンチレータの中を光が通ってきたのかという位置情報を保持したまま、光センサーに光を導くためである。
また、上記の放射線検出器において、ライトガイドとシンチレータブロックが一体形成された構造であることが好ましい。

【0021】
上記の放射線検出器ライトガイドと光センサーとの間に、スリットを有するスリット型ライトガイドが設けられ、該スリットによりライトガイドから出射する光を光センサーの中央部に寄せる
スリット型ライトガイドは、光を光センサーの中央部に寄せると共に、重心演算の精度を上げるために光センサーのセンサーアレー間に広げる作用がある。

【0022】
また、上記の放射線検出器において、シンチレータブロックは、発光減衰時間の異なる少なくとも2層の多層構造であり、光センサーの出力信号の波形から各層の信号波形を弁別することが好ましい。
ここで、多層構造とは、シンチレータの長手方向(光の進行方向)に発光減衰時間の異なる層が重なっている構造である。多層構造を形成させるには、例えば、Ce濃度の異なるGSOシンチレータを重ねる。
【0023】
また、上記の放射線検出器において、シンチレータブロックは、同一特性のシンチレータブロックから成る2層構造であり、各層のシンチレータブロックを構成するそれぞれのシンチレータの中心位置を、相対的に径の略1/2だけシフトさせて配置し、光センサーの出力信号から各層の信号を位置演算により弁別することが好ましい。
上記構成によれば、波形解析による信号の弁別を行わずとも、各層の信号を位置演算により弁別することが可能となる。
【0024】
次に、本発明の第2の観点の放射線検出器について説明する。
本発明の第2の観点の放射線検出器は、シンチレータブロックと光センサーを光学的に結合した構造の放射線位置検出器において、シンチレータブロックが光の出る部分を斜めにカットされて傾斜面を有し、シンチレータブロック毎に光センサーを結合するのではなく、隣接する複数のシンチレータブロックに1個の光センサーを結合させる。
上記のシンチレータブロックの傾斜面と光センサーの受光面は互いに並行にする。また、隣接する複数のシンチレータブロックと光センサーとの間に、スリットを有するスリット型ライトガイドが設けられ、該スリットによりシンチレータブロックから出射する光を光センサーの中央部に寄せる。
【0025】
シンチレータブロックの光の出る部分を斜めにカットし傾斜面を形成することで、第1の観点の放射線検出器における傾斜面を有するライトガイドを用いることが不要となり、部品点数を削減できる。そして、隣接する複数のシンチレータブロックの光の出る面を同一平面に揃え、スリット型ライトガイドを介して光センサーに結合する。
【0026】
上記の第2の観点の放射線検出器において、光センサーの配置の角数の2倍以上の角数をシンチレータブロックの配置の角数とする検出器リングを構成する。
これにより、被検体が小さい小動物などのイメージングに用いる高分解能のPET装置を提供できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、少ない位置有感型光センサーを用いて、円形に近い形にシンチレータブロックを配置し検出器リングを構成することができ、歪みが無く高分解能のPET画像を得ることができるといった効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】角数の小さなリング状に配置したシンチレータブロックの問題点の説明図
【図2】実施例1の放射線検出器の構成図
【図3】実施例1の放射線検出器で構成された検出器リングの構成図
【図4】(A)LYSOシンチレータブロックの2次元位置ヒストグラム、(B)エネルギースペクトル
【図5】実施例1の放射線検出器で構成された検出器リングで撮像したマウスの断層画像(F-18-NaF投与後撮像)
【図6】実施例2の放射線検出器の構成図
【図7】実施例2の放射線検出器で構成された検出器リングの構成図
【図8】実施例3の放射線検出器の構成図
【図9】実施例4の放射線検出器の構成図
【図10】実施例5の放射線検出器の構成図

【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
【実施例1】
【0030】
図2は、実施例1の放射線検出器の構成図を示している。実施例1(他の実施例でも同じ)では位置有感型光センサーとしてSi-PMアレーを用いている。シンチレータブロック(2a,2b)は、0.5(mm)×0.7(mm)×5(mm)のLYSO結晶を用いたシンチレータ(LYSOシンチレータ)を平面方向に11個、体軸方向に13個配置している。このシンチレータブロック2セット(2a,2b)は、それぞれ3角形のライトガイド(7a,7b)2個に光学的に結合されている。
【0031】
ライトガイド(7a,7b)は、光ファイバーを束ねたもので作られており、その角度は隣接するシンチレータブロック(2a,2b)間の角度が22.5°になるようにしてある。ライトガイド(7a,7b)は、スリット10を設けた別のスリット型ライトガイド8に光学結合され、4×4に配置した光センサー9(Si-PMアレー)に光学結合されている。Si-PMアレーの1チャンネルのサイズは3(mm)×3(mm)である。スリット型ライトガイド8は発光を中央部に集めて、周辺部の空間分解能を向上させる働きをする。符号11はSi-PMアレーの各チャンネルの信号端子である。


【0032】
図2に示すように、消滅ガンマ線6によるLYSOシンチレータの発光は、シンチレータの中を通り、傾斜面を有する光ファイバー製のライトガイド7aに到達する。そこでわずかに光の進行方法の向きが変わり、位置の情報を保持したままスリット型ライトガイド8に導かれる。スリット型ライトガイド8によって、光は光センサー9(Si-PMアレー)の中央部に寄せられると共に、重心演算の精度を向上すべく光センサー9(Si-PMアレー)の受光面への照射面積が広がっている。シンチレータの光は、光センサー9(Si-PMアレー)によって電気信号に変換されて電子回路で重心演算される。
【0033】
図3は、実施例1の放射線検出器で構成された検出器リングの構成図を示している。
図3の検出器リングは、図2の構造のブロック検出器8個をリング状に配置しPET装置を構成したものである。
光センサー9(Si-PMアレー)は8角形であるが、シンチレータブロック2は16角形になっている。すなわち、シンチレータブロックのリング状配置における位置有感型光センサーのサイズに起因する角数の制約を緩和し、位置有感型光センサーの角数の2倍の角数のシンチレータブロックのリング状配置を実現して、小さい被検体のイメージングに用いる高分解能のPET装置を作製した。
【0034】
図4(A)に、作製したPET装置で得られたLYSOシンチレータブロックの2次元位置ヒストグラムを示す。11×13に配置したLYSOシンチレータブロック2個をほぼ完全に弁別できていることが確認できる。また、図4(B)に、作製したPET装置で得られたLYSOシンチレータブロックの2エネルギースペクトルを示す。図4(B)に示すスペクトルから、優れたエネルギー分解能が得られていることが確認できる。
作製したPET装置では、0.75(mm)の空間分解能を得ることができた。図5に、作製したPET装置で撮像したマウスの断層画像(F-18-NaF投与後撮像)を示す。高い空間分解能で歪みの無い良好なPET画像が得られていることが確認できる。
【実施例2】
【0035】
図6は実施例2の放射線検出器の構成図、図7は実施例2の放射線検出器で構成された検出器リングの構成図を示している。
実施例2では、1つの光センサーの受光面に3つのシンチレータブロックの光をガイドするライトガイドが2つ設けられるブロック検出器を説明する。
図6に示すように、シンチレータブロック3セット(2a,2b,2c)の内、両端のシンチレータブロック(2a,2b)には、直角3角形のライトガイド(7a,7b)が設けられる。ライトガイド(7a,7b)の傾斜角は30°になるようにしてある。ライトガイド(7a,7b)は、スリット10を設けた別のスリット型ライトガイド8に光学結合され、光センサー9(Si-PMアレー)に光学結合されている。
【0036】
そして、図7に示すように、角数4(4角形)の光センサーの配置とし、角数4の3倍の12個のシンチレータブロックが12角柱の側面を形成するように配置して角数12の検出器リングを構成している。
隣接するシンチレータブロックの垂線の交角は360°の12等分の30°である。3倍の角数の場合、1つの光センサーの受光面に3つのシンチレータブロックの光をガイドするライトガイドが2つ或いは3つ設けられる。実施例2では、3つのシンチレータブロックの両端2つのシンチレータブロックに結合される2つのライトガイドを用いている。
【実施例3】
【0037】
図8は、実施例3の放射線検出器の構成図を示している。実施例3の放射線検出器では、シンチレータブロックの光の出る部分を斜めにカットして、傾斜面を有する光ファイバー製のライトガイドを用いること無く、スリット型ライトガイド8に接続する。実施例3の構成により、傾斜面を有するライトガイドを用いる必要がなく、部品点数を減少させることが可能となる。
【実施例4】
【0038】
図9は、実施例4の放射線検出器の構成図を示している。実施例4の放射線検出器では、シンチレータブロックを2層構造とし、シンチレータブロック21と22で発光減衰時間の異なるものを用いて波形解析により2層のシンチレータブロックの信号を弁別する。この構成によって、PET装置の視野中心から離れた場所における空間分解能を向上できる。
その他は、実施例1と同様である。
なお、シンチレータブロックの厚みを厚くすることで感度を高くしてもよい。また、シンチレータ(21,22)として、Ce濃度の異なる2種のGSOあるいはLGSOを用いてもよい。さらに、シンチレータブロックを3層,4層にすることも可能である。
【実施例5】
【0039】
図10は、実施例5の放射線検出器の構成図を示している。実施例5の放射線検出器では、シンチレータブロックを2層構造とし、シンチレータブロック21と23の位置を相対的に各シンチレータの径の1/2程度動かして配置させる。これにより、シンチレータブロック21と23が、同じシンチレータであっても位置演算することで2層のシンチレータブロックの信号を弁別することが可能となる。
なお、上記の構成で、さらに、シンチレータブロック21と23に、相互に異なる発光減衰のシンチレータを用いてもよい。シンチレータブロック21と23を異なる発光減衰のシンチレータとすることによって、波形解析によっても2層を弁別することが可能となるからである。また、シンチレータブロックを3層,4層にすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、PET装置に有用である。
【符号の説明】
【0041】
2,2a,2b,2c,20,21,22 シンチレータブロック
3 ギャップ
4 被検体
5 ポジトロン消滅点
6 消滅ガンマ線
7,7a,7b ライトガイド
8 スリット型ライトガイド
9 光センサー(Si-PMアレー)
10 スリット
11 チャンネルの信号端子
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9