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明細書 :フレンツェル眼鏡用眼振撮影装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5578687号 (P5578687)
公開番号 特開2013-031631 (P2013-031631A)
登録日 平成26年7月18日(2014.7.18)
発行日 平成26年8月27日(2014.8.27)
公開日 平成25年2月14日(2013.2.14)
発明の名称または考案の名称 フレンツェル眼鏡用眼振撮影装置
国際特許分類 A61B   3/113       (2006.01)
A61B  10/00        (2006.01)
A61F   9/04        (2006.01)
FI A61B 3/10 B
A61B 10/00 W
A61F 9/04 300
請求項の数または発明の数 3
全頁数 8
出願番号 特願2012-047451 (P2012-047451)
出願日 平成24年3月3日(2012.3.3)
優先権出願番号 2011151280
優先日 平成23年7月7日(2011.7.7)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成26年1月17日(2014.1.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】305060567
【氏名又は名称】国立大学法人富山大学
発明者または考案者 【氏名】将積 日出夫
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100114074、【弁理士】、【氏名又は名称】大谷 嘉一
審査官 【審査官】九鬼 一慶
参考文献・文献 特開昭62-149302(JP,A)
米国特許出願公開第2008/0278685(US,A1)
将積日出夫,渡辺行雄,牛島良介,フレンツェル眼鏡用超小型眼振撮影装置の試作,Equilibrium Research,日本,2011年10月,Vol.70 No.5 ,Page.377
加我君孝,新正由紀子,張青,増田毅,竹腰英樹,フレンツェル眼鏡で眼振を観察して“めまい疾患”が初めてわかる,医療,日本,2011年 5月20日,Vol.65 No.5 ,Page.251-257
調査した分野 A61B 3/113
A61F 9/04
A61B 10/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Science Direct
特許請求の範囲 【請求項1】
フレンツェル眼鏡のフレンツェルレンズの前面に装着する眼振撮影装置であって、本体部とアダプタ部とを備え、本体部は接眼レンズを介してカメラモジュールを配置するとともにフラッシュメモリのメモリスロットを有し、撮影した動画はフラッシュメモリに記録可能であり、アダプタ部はフレンツェル眼鏡の少なくとも片眼に装着可能であり、
前記カメラモジュールは映像素子にCMOSを用いたCMOSカメラモジュールからなり、フレンツェル眼鏡に有する照明ランプの明るさで撮影可能であり、外部機器と接続するための有線ケーブルが無いことを特徴とする眼振撮影装置。
【請求項2】
前記本体部は音声の受信手段を有し、記録ファイル形式としてAVI形式を採用することで、動画記録と同時に音声入力が可能であることを特徴とする請求項記載の眼振撮影装置。
【請求項3】
前記本体部は液晶モニターを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の眼振撮影装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、眼球運動観察に使用するフレンツェル眼鏡に取り付けて、眼球運動を動画撮影するための眼振撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フレンツェル眼鏡は、眼振検査に用いるための約10ジオプトリの凸レンズと照明ランプを有する眼鏡である。
ここで、眼振検査とは眼球の動きに異常がないかどうかを調べる検査であり、物を注視した状態で眼振の有無を調べる注視眼振検査と、物を注視しない状態で眼振の有無を調べる非注視眼振検査とが主にある。
フレンツェル眼鏡は主に非注視眼振検査に用いる特殊なメガネであり、患者等の眼の焦点が合わないようにするために約10ジオプトリの厚い凸レンズが付いていて、眼科医等からは患者等の目が大きく見え、眼球の動きが観察しやすいようになっている。
また、暗闇でも眼球の動きが観察しやすいように小さな豆電球等の照明ランプが付いているのが一般的である。
【0003】
眼球運動は病気の原因、重症度を客観的に評価する1つの重要な指標であるため、後日、検証が必要となった場合等のために記録保存が望ましい。
しかし、これまで簡単に眼球運動の動画を記録及び保存することができなかったために、医師はフレンツェル眼鏡で観察した眼球運動の特徴を診療録に記録するに留めているのが一般的であった。
【0004】
特許文献1はCCDカメラを備えたフレンツェル眼鏡を開示するが、フレンツェル眼鏡とは別にCCDの光源を発生させる本体が必要であり、この本体とCCDカメラは一般的に有線ケーブルで接続する必要がある。
従って、頭位眼振検査、頭位変換眼振検査等、頭を動かして眼球運動を観察する場合、この有線ケーブルが頭部運動の邪魔になる問題があった。
また、このようなフレンツェル眼鏡の他に光源発生本体が必要であると、高価であるのみならず持ち運びが大変であった。
なお、特許文献1の公報には赤外線カメラ及び赤外線発光器が遮光ゴーグルの内部に設けられ、互いに無線で信号を送受信する構成にしてもよいと記載されているものの、具体的な構成の開示がなく、また仮に無線にできたとしてもCCDカメラ及び赤外線発光器は重く、実用的ではない。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特許第4464144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、フレンツェル眼鏡に取り付け、取り外しが容易で軽量であり、眼球運動観察への支障がない眼振撮影装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る眼振撮影装置は、フレンツェル眼鏡のフレンツェルレンズの前面に装着する眼振撮影装置であって、本体部とアダプタ部とを備え、本体部は接眼レンズを介してカメラモジュールを配置するとともにフラッシュメモリのメモリスロットを有し、撮影した動画はフラッシュメモリに記録可能であり、アダプタ部はフレンツェル眼鏡の少なくとも片眼に装着可能であり、前記カメラモジュールは映像素子にCMOSを用いたCMOSカメラモジュールからなり、フレンツェル眼鏡に有する照明ランプの明るさで撮影可能であり、外部機器と接続するための有線ケーブルが無いことを特徴とする。

【0008】
ここで、カメラモジュールはフレンツェル眼鏡に有する照明ランプの明るさで撮影可能であるのが好ましく、本体部は音声の受信手段を有し、記録ファイル形式としてAVI形式を採用することで、動画記録と同時に音声入力が可能であるのが望ましい。
【0009】
本発明に用いるカメラモジュールとしては映像素子にCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化物半導体)を用いたCMOSカメラモジュールが好ましい。
CMOSを用いた固体撮像素子は、CCDよりも消費電力が少なく、安価で画像処理回路をオンチップ化できる。
また、CMOSイメージセンサは最低照度おおよそ1ルックスとなっていて、フレンツェル眼鏡に取り付けられている豆電球等の小型照明ランプ下でも明瞭な画像を記録することが可能である。
【0010】
本発明に用いるフラッシュメモリに制限はないが、入手が容易なものとしてSDHCカードが好ましい。
SDHCカードには小型化されたminiSDHCカード,microSDHCカード等がある。
また、カメラモジュールの作動に用いる電源は、小型化,軽量化の観点からリチウムイオン二次電池を用いるのが好ましい。
本発明でカメラモジュールの前に接眼レンズを設けたのは、フレンツェル眼鏡の厚い凸レンズを介した眼球運動の画像を明瞭に記録するためである。
【0011】
頭の動かし方に合せて、眼球運動を撮影した方が後の検証に有用なことから、音声入力のためのマイク、受信手段を有してもよく、その場合記録ファイル形式にAVI形式を用いることができる。
【0012】
本発明における眼振撮影装置は、本体部に電源スイッチのボタン、録画の操作ボタンを設けるのが好ましく、このようにすると頭の動作やフレンツェル眼鏡の観察に応じて簡単に記録の開始、終了ができる。
また、本体部に液晶モニターを備えてもよく、この液晶モニターを有すると動画画像をその場で確認したり、録画した画像を再生することができる。
また、画像のズームイン,ズームアウトも可能であるのが好ましい。
さらには、小型赤外カメラを内蔵してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る眼振撮影装置は、リチウムイオン二次電池を含めて重量80g以下の約50g程度に軽量、小型化が可能であり、フレンツェル眼鏡に取り付け、取り外しが容易である。
従って、小型、軽量で持ち運びが容易で眼球運動観察における頭の移動動作の影響が小さい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る眼振撮影装置の例を示し、(a)はアダプタ部側から見た斜視図、(b)は本体部側から見た斜視図を示す。
【図2】フレンツェル眼鏡への眼振撮影装置の取り付け例を示し、(a)は取り付け前、(b)は取り付け後を示す。
【図3】患者にフレンツェル眼鏡及び眼振撮影装置を装着した例を示し、(a)は眼振撮影装置の装着前、(b)は装着後を示す。
【図4】本体部に液晶モニターを設けた眼振撮影装置の例を示す。(a)はアダプタ部側から見た外観図、(b)は液晶モニター側から見た外観図を示す。
【図5】液晶モニター付眼振撮影装置をフレンツェル眼鏡に取り付ける例を示す。(a)は取り付け前、(b)は取り付け後を示す。
【図6】赤外カメラ付眼振撮影装置の例を示す。(a)はアダプタ部側から見た外観図、(b)は液晶モニター側から見た外観図を示す。
【図7】赤外カメラ付眼振撮影装置をフレンツェル眼鏡に取り付ける例を示す。(a)は取り付け前、(b)は取り付け後を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る眼振撮影装置10は、モジュールを内蔵した本体部11とアダプタ部12を有する。
アダプタ部12は、図2,3に示すようにフレンツェル眼鏡20の例えば凸レンズ22の周囲のレンズ枠23等に取り付け、取り外しができるようになっている。
アダプタ部12は市販されているフレンツェル眼鏡の少なくとも片眼に取り付けるのが目的であり、その形状に制限がない。
本実施例では、凸レンズの前方に突出しているレンズ枠23の凸壁に嵌着できる筒状になっている。

【0016】
本体部11はアダプタ部12の内側に配設した接眼レンズ13と、この接眼レンズ13の後方で、本体部11の内部にCMOSカメラモジュールを有する。
なお、フレンツェル眼鏡の内部には図示を省略した照明ランプを有し、この照明にて眼球運動を動画撮影する。
動画サイズは640×480ピクセル,記録レイトは1秒間30フレーム,記録ファイルとしてAVI形式を採用した例となっている。
これにより、連続5分の動画撮影が10回以上できる。

【0017】
本体部11はフラッシュメモリを差し込むためのメモリスロット14及び、miniUSB端子18を有する。
また、本体部11は電源のオン/オフスイッチ16及び電源オンにより点灯する電源ランプ(赤色LED)16aを有し、録画オンの状態で点灯する録画ランプ(青色LED)17aを装着状態で外側の側面になる位置に有する。
本実施例では、フレンツェル眼鏡に取り付けた状態で幅寸法約50mm、高さ寸法約60mm、奥行き寸法約45mmに抑えることができ、メモリカード及びリチウムイオン電池を入れた状態で重量が約50gとなった。

【0018】
本実施例の本体部11は音声入力のためのマイク15を有し、医師等の言葉が動画とともに記録できるようになっている。

【0019】
図3に示すように患者1の両眼にヘッドホルダー21を用いてフレンツェル眼鏡20を取り付ける。
眼球運動を撮影及び記録したい場合には、フレンツェル眼鏡の片眼に本発明に係る眼振撮影装置10を取り付ける。
電源ボタン16,録画ボタン17が装着状態で本体部11の外側の側面にあり、上面に表示ランプ及びマイクを有する。
これにより、電源ボタン16,録画ボタン17の操作にて開始、終了が容易である。

【0020】
図4及び図5に液晶モニターを備えた眼振撮影装置10aの例を示す。
先の実施例と同一機能の部分は同じ符号を付してあり、追加した機能について説明する。
本体部11のアダプタ部12とは反対の面(裏面)に液晶モニター30の画像が表れるように、モニターを内蔵した例になっている。
本体部11にモード切替スイッチ19を設け、録画モードと再生モードの切替えができる。
これにより、撮影中の動画を記録と同時にモニター画面で確認できるとともに録画した動画を再生することができる。
また、液晶モニター30は、表示画像の拡大(ズームイン)及び縮小(ズームアウト)が可能になっている。
マイク等の図示は省略したが、先の実施例と同様に有する。
図6及び図7には、本体部に2.7型液晶モニター30を内蔵した赤外カメラ付きの眼振撮影装置10bの例を示す。
モード切替スイッチ19aにより、動画と静止画との切替えも可能になっている。
本実施例は、フレンツェル眼鏡20に遮光キャップ24を取り付けることができるとともに、このフレンツェル眼鏡20に赤外発光LEDランプ25を有する例となっている。
眼振撮影装置10bのアダプタ部12は、フレンツェル眼鏡の遮光キャップのホルダー枠23aに嵌合するようになっている。
この実施例では、赤外線撮影画像をモニターにて確認できる。
また、音声認識するマイク等の機能も第1の実施例と同様に備えている。
【符号の説明】
【0021】
10 眼振撮影装置
11 本体部
12 アダプタ部
13 レンズ
14 メモリスロット
15 マイク
16 電源スイッチ
16a 電源ランプ
17 録画ボタン
17a 録画ランプ
18 USB端子
19 モード切替スイッチ
20 フレンツェル眼鏡
21 ヘッドホルダー
22 凸レンズ
23 レンズ枠
30 液晶モニター
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6