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明細書 :立ち上がり補助具

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5136985号 (P5136985)
公開番号 特開2009-261484 (P2009-261484A)
登録日 平成24年11月22日(2012.11.22)
発行日 平成25年2月6日(2013.2.6)
公開日 平成21年11月12日(2009.11.12)
発明の名称または考案の名称 立ち上がり補助具
国際特許分類 A61H   3/00        (2006.01)
A61G   5/00        (2006.01)
A61H   1/02        (2006.01)
FI A61H 3/00 Z
A61G 5/00 502
A61H 1/02 R
請求項の数または発明の数 1
全頁数 6
出願番号 特願2008-112074 (P2008-112074)
出願日 平成20年4月23日(2008.4.23)
審査請求日 平成23年4月22日(2011.4.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】305060567
【氏名又は名称】国立大学法人富山大学
発明者または考案者 【氏名】小泉 邦雄
【氏名】中林 美奈子
【氏名】新鞍 真理子
【氏名】丸谷 芳正
【氏名】河原 雅典
【氏名】鳥海 清司
【氏名】稲葉 聡
個別代理人の代理人 【識別番号】100095430、【弁理士】、【氏名又は名称】廣澤 勲
審査官 【審査官】土田 嘉一
参考文献・文献 実用新案登録第2606657(JP,Y2)
特開2003-024398(JP,A)
登録実用新案第3096533(JP,U)
特開2003-102795(JP,A)
米国特許第05305773(US,A)
調査した分野 A61H 3/00
A61G 5/00
A61H 1/02
特許請求の範囲 【請求項1】
底面が床面に接する一対の基台とその基台の中央部上面に各々立設された一対の支柱とが、所定の間隔を空けて設けられ、前記支柱は、前記基台に対して前方に傾斜して立設され、前記基台の前方部同士および前記支柱の上方部同士が連結部材を介して各々連結され、前記支柱の側面には複数の取付部が上下方向に並設され、前記各取付部には、各々複数の把持部材の端部が着脱可能に取り付けられ、前記各基台と各把持部材間には、前記支柱の長手方向及び前記把持部材の突出方向に開口した開口部が形成され、前記一対の基台間、前記一対の支柱間及び前記把持部間には前記各連結部材以外には互いを繋ぐ部材が設けられていないことを特徴とする立ち上がり補助具。
記載の立ち上がり補助具。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、高齢者や身体の不自由な人などが、床やベッドから立ち上がる場合の補助具として使用する立ち上がり補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
足腰が弱い高齢者や障害者等が寝た状態や腰掛けた状態から自力で立ち上がる場合、その動作が容易に行えるように補助する立ち上がり補助具が用いられる。従来、この種の補助具としては、例えば、特許文献1に開示されているように、2枚の板を両端に配置して垂直方向に立てて支え土台板とし、その間に起き上がり立ち上がり用の複数の手すりを平行に取り付けた起き上がり立ち上がり用据置手すりがある。この複数本の手すりは、低位置から高位置まで段階的に配置されているので、使用者は、座位の状態で下方の手すりを握り、順番に上方の手すりに持ち替えながら徐々に立位に移行する動作を行うことによって、楽に立ち上がることができる。
【0003】
また、特許文献2に開示されているように、ベース板に一対の支持杆を所定の間隔をもて対向させて立設し、この一対の支持杆に、1乃至複数の手すり杆を上下方向に所定の間隔をもって掛け渡して設けた立ち上がり補助具もある。この特許文献2に開示された立ち上がり補助具には、ベースに立設した下部支持杆と、下部支持杆に対して固定具で所定の高さ位置に固定した上部支持杆とからなり、上部支持杆に一本以上の手すり杆が掛け渡して設けられた構成の立ち上がり補助具も開示されている。この構成によれば、使用者の体型や身体的な特徴に合わせて、上部支持杆を使いやすい高さに調節することができる。

【特許文献1】特開2004-188141号公報
【特許文献2】特開2007-82661号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の起き上がり立ち上がり用据置手すりにあっては、手すりの高さを調整することができないため、異なる体型や身体的な特徴を有する使用者にとっては、使いにくい場合があった。また、使用者が該手すりを握って立ち上がるとき、手を伸ばした一の方向でしが体重が支えられないため、立ち上がりやすさにも問題があり、使用者が自力で立ち上がるためのバランス感覚を養う訓練には不向きなものであった。
【0005】
また、特許文献2の立ち上がり補助具にあっても、使用者の身体に対して一の方向でしか体重が支えられないため、上記手すりと同様の問題があり、使用者が自力で立ち上がるための訓練には不向きなものであった。
【0006】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたもので、自力で立ち上がることが困難な足腰の弱い人でも自力で立ち上がりやすく、歩行や機能回復訓練にも適した立ち上がり補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、底面が床面に接する一対の基台とその基台の中央部上面に各々立設された一対の支柱とが、所定の間隔を空けて設けられ、前記支柱は、前記基台に対して前方に傾斜して立設され、前記基台の前方部同士および前記支柱の上方部同士が連結部材を介して各々連結され、前記支柱の側面には複数の取付部が上下方向に並設され、前記各取付部には、各々複数の把持部材の端部が着脱可能に取り付けられ、前記各基台と各把持部材間には、前記支柱の長手方向及び前記把持部材の突出方向に開口した開口部が形成され、前記一対の基台間、前記一対の支柱間及び前記把持部間には前記各連結部材以外には互いを繋ぐ部材が設けられていない立ち上がり補助具である。
【発明の効果】
【0009】
この発明の立ち上がり補助具によれば、使用者が立ち上がるとき、左右の支柱に取り付けられた把持部材を両手で握って体位を変更する動作となるため、前後左右の方向に体重移動が容易に可能であり、自力で立ち上がる動作が容易になり、さらにはバランス感覚を養う訓練にも適している。また、把持部材を取り付ける位置を変更することができるので、使用者の体型や身体的な特徴に合わせ、容易に使いやすい状態に設定することができる。さらに、使用者側に開口部が設けられているので、歩行用に使用することが可能であるとともに、起立状態での家事等の作業において、体を支える補助具としても使用可能であり、幅広い用途に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の一実施形態について、図1に基づいて説明する。立ち上がり補助具10は、図1に示すように、細長の板状の基台12と、該基台12の長手方向中央部の上面に立設された支柱14とが、例えば約50cmの間隔を空けて、左右一対で互いに平行に設けられている。そして、基台12の前端部同士が連結部材16で連結され、支柱14の上端部同士が連結部材18で連結され、左右一対の支柱14が自立している。なお、左右一対の支柱14は、互いに平行に且つ基台12に対して前方に約15度傾斜した角度で立設されている。さらに、支柱14の後方側面には、後述する把持部材20が取り付けられる取付穴22が複数個形成されている。取付穴22は、所定の直径と深さを有し、上下方向に例えば約5cm程度の間隔を空けて13個並設されている。
【0011】
把持部材20は、例えば直径約3cmで長さ約20cmの円筒状の把持部20aを備え、把持部20aの一方の端面には、図示しない突起部が形成されている。この突起部は、支柱14の取付穴22に挿入されて嵌合し、螺子等の固定具で固定される形状に形成されている。このような形態の把持部材20は、例えば、支柱14後方側面の上方から3個目、7個目、11個目の取付穴22に合計6個取り付けられ、各把持部20aは、後方に向けて略水平な角度に突出するよう取り付けられている。これにより、各基台12と各把持部材20間には、支柱14の長手方向及び把持部材20の突出方向に開口した開口部24が形成される。
【0012】
次に、この立ち上がり補助具10の使用方法について、以下に説明する。まず、例えば椅子やベッドに腰掛けている使用者が立ち上がるとき、立ち上がり補助具10は、使用者の正面に開口部24が配置される。使用者は、掴みやすい高さである下方の一対の把持部20aを両手で掴み、立ち上がる動作に入る。そして、徐々に上方の把持部20aに片手ずつ持ち替えながら立位に移行する。
【0013】
このときの把持部材20の個数や取付位置は、あらかじめ使用者の身体の特徴に合わせ、立ち上がりやすいように、取付穴22を選択して把持部材20が取り付けられているので、立ち上がり補助具10を使用することに対して、使用者に不快感や違和感を与えることはない。また、把持部材20の突出方向端部には、支柱14等の障害物がないため、使用者は、開口部24側から前方に向けて自然に手を伸ばすことよって、滑らかな動作で把持部20aを握ることができる。また、立ち上がる動作は、左右の把持部20aを両手で握って体位を変更する動きになるため、前後左右の方向に体重移動が生じ、自力で立ち上がることができるように回復するためのバランス感覚を養う訓練にもなる。
【0014】
また、立ち上がり補助具10は、簡易的な歩行補助具としても使用することができる。使用者は、立位の状態で上方の左右一対の把持部20aを握って前方に向かって歩行する。このとき、使用者側には開口部24が位置し、連結部材16は、基台12の前端部に取り付けられているため、歩みを進めるときに障害にならない。また、左右一対の支柱14は、基台12に対して前方に傾斜した角度で立設されているので、支柱14の上端部を連結する連結部材18は身体を前方に移動するときの障害にならず、また、身体の位置を、歩行しながらも常に左右の把持部20aの間に置くことができるので、正常な歩行動作に近い体重移動が可能となる。
【0015】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、左右一対の基台と連結部材及び左右一対の支柱と把持部材とで構成される開口部の形状は、使用者の体型や身体的特徴に合わせ、コの字形、C形、U形等自由に設定できる。また、各連結部材の形状も同様に変更可能であり、例えば、使用者が一層滑らかに前方へ体重移動できるよう、連結部材を前方に向けて湾曲させた形状等にしてもよい。
【0016】
また、各部材は、使用者の体重を十分保持できる強度を備えていればよく、金属、木材、合成樹脂、あるいはこれらを組み合わせるなど自由である。金属の場合にはパイプ構造等のフレームを用いる等して軽量化を図ることが好ましい。
【0017】
また、把持部の形態は、使用者が握りやすく滑りにくい形状や材質であればよく、優しい質感の木材や、滑り止めの効果が優れたゴムなど適宜選択できる。
【0018】
さらに、把持部材を支柱に着脱可能に取り付ける構造は、把持部材に設けられた左右方向の貫通穴を用いて支柱の側面に設けた取付穴に螺子止めするなど、他の周知の方法であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の立ち上がり補助具の一実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
10 立ち上がり補助具
12 基台
14 支柱
16,18 連結部材
20 把持部材
20a 把持部
22 取付穴
24 開口部
図面
【図1】
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