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明細書 :歩行器具

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5240907号 (P5240907)
公開番号 特開2009-261509 (P2009-261509A)
登録日 平成25年4月12日(2013.4.12)
発行日 平成25年7月17日(2013.7.17)
公開日 平成21年11月12日(2009.11.12)
発明の名称または考案の名称 歩行器具
国際特許分類 A61H   3/04        (2006.01)
A61G   5/00        (2006.01)
FI A61H 3/04
A61G 5/00 509
請求項の数または発明の数 6
全頁数 10
出願番号 特願2008-112636 (P2008-112636)
出願日 平成20年4月23日(2008.4.23)
審査請求日 平成23年4月22日(2011.4.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】305060567
【氏名又は名称】国立大学法人富山大学
発明者または考案者 【氏名】小泉 邦雄
【氏名】中林 美奈子
【氏名】新鞍 真理子
【氏名】丸谷 芳正
【氏名】河原 雅典
【氏名】鳥海 清司
【氏名】稲葉 聡
個別代理人の代理人 【識別番号】100095430、【弁理士】、【氏名又は名称】廣澤 勲
審査官 【審査官】土田 嘉一
参考文献・文献 特開2003-024398(JP,A)
実開昭57-123137(JP,U)
特表2007-503264(JP,A)
実用新案登録第2606657(JP,Y2)
米国特許第05305773(US,A)
調査した分野 A61H 3/04
A61G 5/00
特許請求の範囲 【請求項1】
前輪が取り付けられた一対のフレーム体により構成された前輪側フレーム体と、後輪が取り付けられた一対のフレーム体により構成された後輪側フレーム体が設けられた歩行器具において、
前記後輪側フレーム体には、左右一対のグリップが、高さの異なる位置であって前記後輪側に突出して複数対設けられ、
前記前輪側フレーム体には、前記後輪側フレーム体に設けられた前記グリップ対と同じ突出方向で相対的に低い位置に、左右一対のグリップが設けられ、前記後輪側フレーム体と前記前輪側フレーム体は、左右に設けられた軸部材を回転軸として揺動し、前後方向に折り畳み可能に互いに軸着されたことを特徴とする歩行器具。
【請求項2】
前輪が取り付けられた一対のフレーム体を左右両端部に連結した連結バーと、後輪が取り付けられた一対のフレーム体を左右両端部に連結した連結バーが設けられた請求項1記載の歩行器具。
【請求項3】
前記各連結バーは、使用者の膝、腹、胸の少なくともいずれかに当たる位置に設けられた請求項2記載の歩行器具。
【請求項4】
前記各連結バーのうちの少なくとも一つは、使用者の腰掛けの位置に設けられた請求項2記載の歩行器具。
【請求項5】
前記グリップは、少なくとも上段のフレームに設けられたグリップが高さ調節可能に取り付けられた請求項1記載の歩行器具。
【請求項6】
前記前輪側フレーム体又は前記後輪用フレーム体のいずれかの左右一対のフレーム体には、着座用の座部が設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の歩行器具。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、高齢者や身体の不自由な人などが室内や室外において、立ち上がり、立位保持、歩行、家事作業などをするときに、その補助具として使用される歩行器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歩行器具は、車輪が取り付けられたフレームの所定の位置に、一定高さのハンドルが設けられ、手押しにより移動可能に形成されたものが多い。また、折り畳み可能な構造を有するものや、簡単な椅子が設けられた歩行器具も知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている起立式歩行器は、使用者がベッド等に腰掛けた状態から歩行器に向かって立ち上がろうとしたり、あるいは、歩行器から離れてベッド等に座ろうとして、歩行用のハンドルの下方に設けられた支え腕部に掴まると、その支え腕部に荷重が加わって車輪にブレーキが掛かる構造を備えている。
【0004】
また、特許文献2に開示されているサドル付き歩行器は、折り畳み用パイプである手摺りに荷重が加わると車輪にブレーキが掛かる構造を備えている。

【特許文献1】特開2000-279号公報
【特許文献2】特開2004-105396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の起立式歩行器にあっては、支え腕部が一定の高さに設けられているので、例えば、支え腕部が、使用者がベッドや椅子に腰掛けた状態から立ち上がるのに都合のよい高さに設定されているとすれば、床に座った状態から立ち上がるときは掴まりにくく、不都合を感じるものであった。
【0006】
一方、特許文献2のサドル付き歩行器にあっては、使用者が掴まる手摺りの両端部が支柱で閉じられているため、使用者が歩行器の側方に配置された左右一対の手摺りを同時に掴もうとするとき、この支柱が障害となり、滑らかな動作で手摺りを握ることができなかった。また、左右何れかの側の手摺りを両手で掴んで立ち上がることは、難しいものであった。
【0007】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたもので、足腰の弱い使用者が自力で立ち上がるときや立位保持、歩行、家事作業などの動作を補助することができ、他人の介助を借りずに長期間快適に使用し続けることができ、使用することでリハビリや介護予防が可能な歩行器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、前輪が取り付けられた一対のフレーム体により構成された前輪側フレーム体と、後輪が取り付けられた一対のフレーム体により構成された後輪側フレーム体が設けられた歩行器具であって、前記後輪側フレーム体には、左右一対のグリップが、高さの異なる位置であって前記後輪側に突出して複数対設けられ、前記前輪側フレーム体には、前記後輪側フレーム体に設けられた前記グリップ対と同じ突出方向で相対的に低い位置に、左右一対のグリップが設けられ、前記後輪側フレーム体と前記前輪側フレーム体は、左右に設けられた軸部材を回転軸として揺動し、前後方向に折り畳み可能に互いに軸着された歩行器具である。
【0009】
前記後輪側フレーム体と前記前輪側フレーム体は、左右一対に設けられた軸部材を回転軸として揺動し、前後方向に折り畳み可能に互いに軸着されたものである。
【0010】
前輪が取り付けられた一対のフレーム体を左右両端部に連結した連結バーと、後輪が取り付けられた一対のフレーム体を左右両端部に連結した連結バーが設けられたものである。
【0011】
前記各連結バーは、使用者の膝、腹、胸の少なくともいずれかに当たる位置に設けられたものである。また、前記各連結バーのうちの少なくとも一つは、使用者の腰掛けの位置に設けられたものである。これにより、各連結バーは、立位保持、家事作業などにおいて、人が前方に行き過ぎて、歩行器具ごと転倒するなどの事故を防止する。またこれらの連結バーの当接部には適宜、スポンジやタオルなどのクッション材を設けておくと良い。
【0012】
前記グリップは、少なくとも上段のフレームに設けられたグリップが高さ調節可能に取り付けられたものである。さらに、前記前輪側フレーム体又は前記後輪用フレーム体のいずれかの左右一対のフレーム体には、着座用の座部が設けられていても良い。

【発明の効果】
【0013】
この発明の歩行器具によれば、床に座った状態からの立ち上がるときや、ベッド等に腰掛けた状態からの立ち上がるときなど、いずれの立ち上がり動作をする場合においても、都合のよい高さのグリップを手摺りとして掴まることができる。また、左右一対のグリップを両手で握って体位を変える動作となるため、前後左右の方向に体重移動が生じ、立ち上がるときのバランス感覚を養うための身体機能回復訓練にも適している。さらに、立位保持、歩行、家事作業などをするときも好都合で、他人の介助を借りなくても使い易く、快適に使用し続けることが出来る。
【0014】
さらに、前輪側フレーム体と後輪が取り付けられたフレーム体とが、軸部材を支点に前後方向に折り畳み可能に組み付けられているので、歩行器具を使用しないときにコンパクトに収納等することができる。
【0015】
また、各グリップを、高さ調節可能に取り付けることにより、使用者の体型や使用者が使用する椅子等の高さが様々であっても、使用者が使いやすい設定に容易に変更することができる。また、上段のグリップを、左右それぞれが高さ調節可能とすることにより、立位保持・家事作業において自分の一番好都合な肘高さに左右を合わることが出来、長時間の使用も容易なものとなる。さらに、歩行器具に着座用の座部が設けられているので、例えば屋外で歩行訓練を行う場合でも、いつでも休憩をとることができる。
【0016】
このように、使用者ができるだけ他人の介助を借りずに行動できるよう配慮されており、歩行訓練や日常の家事作業を取り入れたリハビリや、介護予防をする身体機能回復訓練プログラムを実施するために用いる歩行器具として適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の歩行器具の第一の実施形態について、図1、図2に基づいて説明する。この実施形態の歩行器具10は、図1に示すように、後輪側フレーム体12と前輪側フレーム体14とを備えている。
【0018】
後輪側フレーム体12は、主フレーム16、上段フレーム18、中段フレーム20が一体に組み付けられたものである。主フレーム16は、略S字形に形成され、一方の端部に後輪22が取り付けられ、S字の中央部にはストッパ24が取り付けられている。上段フレーム18はL字形に形成され、一方の辺の端部に上段グリップ26とブレーキレバー28が取り付けられている。中段フレーム20は、ほぼ真っ直ぐに形成され棒体で、一方の端部に中段グリップ30が取り付けられている。
【0019】
上記3つのフレーム16,18,20は、後述する上連結バー32の一方の端部に形成されたフレーム固定体34を介して一体に組み付けられている。主フレーム16の端部と中段フレーム20の端部は、フレーム固定体34に溶接等で固着されている。一方、上段フレーム18は、上段グリップ26が付いていない側の一辺が、フレーム固定体34が有する貫通孔に上下摺動可能に挿通され、フレーム固定体34の図示しないレバーによって締め付け固定されている。すなわち、3つのフレーム16,18,20がフレーム固定体34を介して、左右のうちの片側のフレーム体を構成している。そして、上連結バー32により左右のフレーム体が左右一対に連結され、後輪側フレーム体12を構成している。
【0020】
一方、前輪側フレーム体14は、略L字形に形成され、一方の辺の端部に前輪36を360度の方向に首振り可能に取り付けられ、もう一方の辺の端部には下段グリップ38が取り付けられた下段フレーム40を備えている。そして、一対の下段フレーム40は、所定の間隔を空けて左右に対向し、L字の屈曲部付近同士は中連結バー42で連結され、前輪36が取り付けられた端部付近同士はフロント連結バー44で連結され、前輪側フレーム体14を構成している。なお、下段フレーム40が左右に対向する間隔は、後輪側フレーム体12の左右一対のフレーム体の間に入るように、後輪側フレーム体12が対向する間隔よりも、やや狭めに設定されている。
【0021】
このような構成を有する後輪側フレーム体12と前輪側フレーム体14は、以下のように組み付けられる。まず、前輪側フレーム体14が、後輪側フレーム体12の内側に配置される。そして、主フレーム16のS字屈曲部付近と、下段フレーム40のL字屈曲部付近同士が、一対の軸部材46を介して互いに軸着され、軸部材46を中心軸として前後方向に折り畳み可能に組み付けられる。
【0022】
また、歩行器具10が使用可能に置かれたときは、図1に示すように、3対のグリップは、高い方から上段グリップ26、中段グリップ30、下段グリップ38の順に位置し、各グリップの突端は、いずれも歩行器具10の後方に向いている。また、下段フレーム40と主フレーム16は、軸部材46を中心に交差し、主フレーム16に取り付けられたストッパ24によって、下段フレーム40の水平部分の下面が支持されている。
【0023】
なお、後輪には図示しない後輪制動機構が設けられ、使用者がブレーキ操作を行うと、ブレーキレバー28の前方端部に接続された図示しないブレーキワイヤを介して後輪制動機構が作用し、後輪の回転が制御されるように構成されている。
【0024】
次に、歩行器具10が使用される態様について説明する。例えば、椅子やベッドに腰掛けている使用者が立ち上がるとき、歩行器具10は、使用者の正面に開口部48が配置される。使用者は、掴みやすい高さにある一対の中段グリップ30を両手で掴み、立ち上がる動作に入る。そして、徐々に上段グリップ26に持ち替えながら立位に移行する。
【0025】
一方、床に座っている使用者が立ち上がるときは、使用者は、掴みやすい高さにある一対の下段グリップ38を両手で掴み、立ち上がる動作に入る。そして、徐々に中段グリップ30から上段グリップ26へと持ち替えながら立位に移行する。
【0026】
立ち上がった後、歩行動作に入ると、使用者は上段グリップ26を両手で掴み、前方に歩を進める。立ち止まる際は、ブレーキレバー28を操作して後輪の回転を停止させる。
【0027】
そして、歩行器具10を離れて所定の場所に着座するときは、上記の立ち上がりの動作と逆の手順をもって着座する。
【0028】
このとき、上段グリップ26の取り付け高さは、図2に示すように、フレーム固定体34の貫通孔に挿通された上段フレーム18の固定位置を調節することによって、あらかじめ使用者の体型等に合わせて立ち上がり等しやすいように設定されている。従って、歩行器具10を立ち上がりの補助用に使用することに対して、使用者に不快感や違和感を与えることはない。また、各グリップの突端側には支柱等の障害物がないため、使用者は、開口部48側から前方に向けて自然に手を伸ばすことよって、滑らかな動作で各グリップを握ることができる。また、立ち上がる動作は、左右の各グリップを両手で握って体位を変更する動作となるため、前後左右の方向に体重移動が生じ、立ち上がるときのバランス感覚を養うことにも効果的である。
【0029】
また、歩行器具10は、図2に示すように、後輪側フレーム体12と前輪側フレーム体14が、軸部材46を支点に前後方向に折り畳むことによって、簡単にコンパクトな形状にすることができる。従って、歩行器具10を所定の保管場所に収納するときや、自動車で運搬等するときに大きなスペースをとらず便利である。
【0030】
以上説明したように、歩行器具10は、使用者ができるだけ他人の介助を借りずに行動できるよう配慮されているので、歩行訓練や日常の家事作業を取り入れた身体機能回復訓練プログラムを実施するために用いる歩行器具として有効である。
【0031】
次に、この発明の歩行器の第二の実施形態について、図3、図4に基づいて説明する。ここで、第一の実施形態の歩行器具10と同様の構成は、同一の符号を付して説明する。この実施形態の歩行器具60は、上段グリップ26と中段グリップ30とが、一体のフレームである上中段フレーム72に設けられているものである。以下、歩行器具60の構成を詳しく説明する。
【0032】
歩行器具60は、図3に示すように、前輪側フレーム体62と、後輪が取り付けられた一対のフレーム体である後輪側フレーム体64とを備えている。前輪側フレーム体62は、略L字形に形成され、一方の辺の端部に前輪36を360度の方向に首振り可能に取り付けられ、もう一方の辺の端部に下段グリップ38が取り付けられた下段フレーム40を備えている。また、下段フレーム40のL字の屈曲部内側には、補強用フレーム40aが取り付けられている。さらに、下段フレーム40のL字の屈曲部付近の外側面と、前輪36が取り付けられた端部付近の外側面の2箇所に、後述する止め金具74と係合する引掛部40b,40cが形成されている。そして、一対の下段フレーム40は、所定の間隔を空けて左右に対向し、L字の屈曲部付近同士が図示しない連結バーで連結され、前輪側フレーム体62を構成している。
【0033】
後輪側フレーム体64は、主フレーム16、上中段フレーム72を備えている。主フレーム16は略S字形に形成され、一方の端部に後輪22が取り付けられ、S字の中央部はストッパ24が取り付けられている。また、S字の各屈曲部内側には、補強用フレーム16a,16bが取り付けられている。一方、上中段フレーム72はU字形に形成され、一方の端部に上段グリップ26とブレーキレバー28が、他方の端部には中段グリップ30が各々取り付けられている。また、中段グリップ30付近のフレーム部分には、U字の平行部から直角に外側に向けて支持部72aが形成されている。さらに、U字の内側には、補強用フレーム72bが取り付けられている。
【0034】
上記2つのフレーム16,72は、フレーム固定体34を介して一体に組み付けられている。主フレーム16の上端部は、フレーム固定体34に溶接等で固着されている。一方、上中段フレーム72は、フレーム固定体34が有する貫通孔に、支持部72aが上下摺動可能に挿通され、レバー34aによって締め付け固定されている。
【0035】
後輪22が取り付けられた一対のフレーム体は、前輪側フレーム体62の左右側方に配置される。そして、主フレーム16のS字屈曲部付近と、下段フレーム40の下段グリップ38側の一辺の中央付近同士が、軸部材46を介して互いに軸着され、軸部材46を支点に前後方向に折り畳み可能に組み付けられている。また、後輪側フレーム体64の左右一対のフレーム体を連結した連結バーは、軸部材46が設けられた連結用フレームを兼用したものでも良い。このとき、後輪側フレーム体64は、左右対称の位置関係を維持して回動可能に設けられている。
【0036】
歩行器具60が使用可能に置かれたときは、図3に示すように、3対のグリップは、高い方から上段グリップ26、中段グリップ30、下段グリップ38の順に設けられ、各グリップの突端は、いずれも歩行器具60の後方に向いている。また、下段フレーム40と主フレーム16は、軸部材46を中心に交差し、主フレーム16に取り付けられたストッパ24によって、下段フレーム40の水平部分の下面が支持されている。
【0037】
さらに、主フレーム16の内側面であって軸部材46のやや下方の位置に、止め金具74が取り付けられている。止め金具は、一方の端部の軸部16bを中心に歩行器具60の前後方向に回動可能に軸着されている。そして止め金具74のもう一方の一端に形成された係合部74bが下段フレーム40の引掛部40bに係合し、前輪側フレーム体62と後輪側フレーム体64の固定を補助している。
【0038】
また、歩行器具60は、図4に示すように、フレーム固定体34の貫通孔に挿通された支持部72aの固定位置を調節することによって、上段グリップ26と中段グリップ30の取り付け高さを、調整することができる。また、前輪フレーム体62と後輪側フレーム体64が、軸部材46を支点に前後方向に折り畳むことができる。また、折り畳んだ状態で、止め金具74の係合部74bを下段フレーム40の引掛部40cに係合することによって、前輪側フレーム体62と後輪側フレーム体64の折り畳まれた状態に固定することができる。
【0039】
次に、この発明の歩行器具の第三の実施形態について、図5に基づいて説明する。ここで、第一の実施形態の歩行器具10と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。第三の実施形態の歩行器具70では、歩行器具10と同様に形成された下段フレーム40の水平部分に、合成樹脂繊維などの布材である座部シート82を張り渡し、簡単な座席を形成している。よって、例えば屋外で歩行訓練を行う場合でも、いつでも休憩をとることができる。また、座部シート82以外の構成は歩行器具10と同様であるため、立ち上がる動作の補助具としての作用効果も兼ね備えている。
【0040】
また、各連結バー32,42,44は、立位保持、家事作業などにおいて、人が前方に行き過ぎて、歩行器具ごと転倒するなどの事故を防止するため、使用者の膝、腹、胸の少なくともいずれかに当たる位置に設けられているとよい。さらに、これらの連結バー32,42,44の当接部には適宜、スポンジやタオルなどのクッション材を設けておくと良い。
【0041】
また、各連結バー32,42,44のうちの少なくとも一つは、使用者の腰掛けの位置に設けられたものでも良い。これにより、使用者が小休止等を取る場合に、容易に腰掛けることができる。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。グリップは、高さの異なる位置に合計3対以上構成される構造であればよく、後輪側フレーム体12と前輪側フレーム体14に各々に設けられるグリップの数は自由に設定可能である。また、各グリップの高さ調節構造は、各グリップ対が独立して調節可能な構造や、特定のグリップ対同士の間隔が固定のまま調節される構造など、特に限定されない。
【0043】
また、各フレーム体の組み付け構造は、グリップの高さ調整機能を阻害しない構造であれば、螺子止め、溶接、圧入などによる組み付けの他、当初から一体に形成されたものであってもよく、適宜選択可能である。また、中段グリップや下段グリップにもブレーキレバーを設け、立ち上がり動作中に前輪や後輪の回転を停止させるよう構成してもよい。
【0044】
また、フレームや座部等の材質は、使用者の体重を十分保持できる強度を備えていればよく、金属、合成樹脂、あるいはこれらを組み合わせるなど自由である。金属材を用いる場合には、パイプ構造等の中空構造のものを用いる等して軽量化を図ることが好ましい。
【0045】
さらに、各グリップの形態は、使用者が適度に滑りにくく握りやすい形状や材質であればよく、優しい質感の木材や、滑り止めの効果が優れたゴムなど適宜選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】この発明の第一の実施形態の歩行器具の斜視図である。
【図2】第一の実施形態の動作を説明する側面図である。
【図3】この発明の第二の実施形態の歩行器具の側面図である
【図4】第二の実施形態の動作を説明する側面図である。
【図5】この発明の第三の実施形態の歩行車具の斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
10,60,80 歩行器具
12,64 後輪側フレーム体
14,62 前輪側フレーム体
16 主フレーム
18 上段フレーム
20 中段フレーム
22 後輪
26 上段グリップ
30 中段グリップ
32 上連結バー
34 フレーム固定体
36 前輪
38 下段グリップ
40 下段フレーム
42 中連結バー
44 フロント連結バー
46 軸部材
72 上中段フレーム
72a 支持部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4