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明細書 :食後過血糖改善剤、およびピロリジン型イミノ糖またはその塩

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5645137号 (P5645137)
登録日 平成26年11月14日(2014.11.14)
発行日 平成26年12月24日(2014.12.24)
発明の名称または考案の名称 食後過血糖改善剤、およびピロリジン型イミノ糖またはその塩
国際特許分類 C07D 207/12        (2006.01)
A61K  31/40        (2006.01)
A61P   3/10        (2006.01)
A61P   3/04        (2006.01)
A61P   3/06        (2006.01)
A61P   9/12        (2006.01)
A61P   9/10        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
FI C07D 207/12 CSP
A61K 31/40
A61P 3/10
A61P 3/04
A61P 3/06
A61P 9/12
A61P 9/10 101
A61P 43/00 111
請求項の数または発明の数 3
全頁数 23
出願番号 特願2011-540510 (P2011-540510)
出願日 平成22年11月9日(2010.11.9)
国際出願番号 PCT/JP2010/069950
国際公開番号 WO2011/058975
国際公開日 平成23年5月19日(2011.5.19)
優先権出願番号 2009257689
2010216292
優先日 平成21年11月11日(2009.11.11)
平成22年9月28日(2010.9.28)
優先権主張国 日本国(JP)
日本国(JP)
審査請求日 平成25年10月31日(2013.10.31)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】305060567
【氏名又は名称】国立大学法人富山大学
発明者または考案者 【氏名】加藤 敦
【氏名】足立 伊佐雄
【氏名】高畑 廣紀
【氏名】今堀 龍志
個別代理人の代理人 【識別番号】100088155、【弁理士】、【氏名又は名称】長谷川 芳樹
【識別番号】100113435、【弁理士】、【氏名又は名称】黒木 義樹
【識別番号】100126653、【弁理士】、【氏名又は名称】木元 克輔
審査官 【審査官】清水 紀子
参考文献・文献 米国特許出願公開第2007/0088164(US,A1)
ASANO,N. et al.,Journal of Natural Products,2004年,Vol.67,No.5,p.846-50,化合物1-3、Table 1
SUGIYAMA,M. et al.,Journal of the American Chemical Society,2007年,Vol.129,No.47,p.14811-7,化合物19,21, Table 4
CALVERAS,J. et al.,Chemistry--A European Journal,2009年,Vol.15,No.30,p.7310-28,化合物4, p.7317左欄下から2段落目
KATO,A. et al.,Journal of Natural Products,2007年,Vol.70,No.6,p.993-7,化合物2, p.996左欄下から2段落目
調査した分野 C07D 207/12
A61K 31/40
A61P 1/00-43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項4】
下記一般式[1c]で表される相対配置を有するピロリジン型イミノ糖またはその塩。
【化1】
JP0005645137B2_000023t.gif
[式中、R1aは、フェニル基で置換された炭素数1~10のアルキル基、および、ヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数2~5のアルキル基からなる群から選択される基を示し;R2a、R、RおよびRは、いずれも水素原子を示す。]
【請求項5】
1aが、フェニルメチル基、ヒドロキシプロピル基または炭素数2~5のアルキル基である、請求項4に記載のピロリジン型イミノ糖またはその塩。
【請求項6】
マルターゼ、イソマルターゼおよびスクラーゼの3種のグルコシダーゼを阻害する、請求項4または5に記載のピロリジン型イミノ糖またはその塩を含有するグルコシダーゼ阻害剤。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、食後過血糖改善作用を有するピロリジン型イミノ糖に関する。より詳細には、糖尿病およびそれに付随する疾患、例えば糖尿病性合併症、肥満症、高脂血症、動脈硬化症、高血圧症などの疾患を予防あるいは治療する薬物を調製するためのピロリジン型イミノ糖およびその塩に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は慢性的な高血糖を主徴とし、種々の特徴的な代謝異常を伴う疾患群である。糖尿病患者は厚生労働省の調査によると246万9000人(2005年)であり、2002年と比較すると8%の増加が見られた。また、2002年の調査によると糖尿病が強く疑われる人の数はおよそ740万人、糖尿病の可能性を否定できない人を含めると1620万人とされている。世界の糖尿病患者数は2億4600万人(2007年)であり、2025年には3億8000万人に増加すると予測されている。糖尿病患者の増加とともに、血液透析や網膜症・腎症・神経障害といった糖尿病性合併症の患者数も増加している。
【0003】
近年、インスリン分泌応答が低下するため、食後に血糖値が大きく上昇してしまう、食後過血糖が注目されている。食後過血糖は、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起す要因となる。これは高血糖を維持した場合より発生率が高くなる。
【0004】
現在、臨床で用いられている糖尿病治療薬はスルフォニル尿素薬(SU剤)、フェニルアラニン誘導体、α-グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド剤、チアゾリジン誘導体、インスリン製剤などに大別される。このうち、小腸α-グルコシダーゼ阻害剤としてはアカルボース、ボグリボース、イミノ糖のミグリトールがある。α-グルコシダーゼ阻害薬は経口投与可能な薬剤で容易に服用できることから、患者に服用負担が少ない薬剤といえる。
【0005】
一方、イミノ糖は、母核の環構造に対応して、ピロリジン型、ピペリジン型、インドリチジン型、ピロリチジン(ピロリジジン)型およびノルトロパン型の5つに分類される。上記ミグリトールは、ピペリジン型に属する。
【0006】
ピロリジン型のイミノ糖で、グルコシダーゼ阻害作用を示すのものとして、例えば、DMDP (2R,5R-dihydroxymethyl-3R,4R-dihydroxypyrrolidine)(非特許文献1)、Broussonetine(非特許文献2)、1,4-dioxy-1,4-imino-L-allitol(特許文献1)などが知られている。
【0007】
他方、ウイルス感染の治療に用いることができる2-アルキル-ヒドロキシメチル-3,4-ジヒドロキシピロリジンが知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】米国特許第4894388号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0088164号明細書
【0009】

【非特許文献1】J. Med. Chem. 1994, 37, 3701-3706
【非特許文献2】Chem. Pharm. Bull. 48(9) 1281-1285(2000)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記食後過血糖改善作用を利用した糖尿病およびそれに付随する疾患、例えば糖尿病性合併症、肥満症、高脂血症、動脈硬化症、高血圧症などを予防あるいは治療する医薬を提供することを目的とする。また、本発明は、食後過血糖改善作用を有する化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、意外にも、下記一般式[1]で表されるピロリジン型イミノ糖が、食後過血糖改善作用を有することを見出し、本発明を完成させた。本発明は、下記一般式[1]で表されるピロリジン型イミノ糖またはその塩を含有する食後過血糖改善剤を提供する。
【0012】
【化1】
JP0005645137B2_000002t.gif

【0013】
ここで式[1]中、Rは、アリール基、ヒドロキシ基、および、保護されたヒドロキシ基からなる群から選択される基で置換されていてもよいアルキル基を示し;Rは、水素原子、アルキル基またはイミノ保護基を示し;R、RおよびRはそれぞれ、同一または異なって、水素原子またはヒドロキシ保護基を示す。
【0014】
また、上記一般式[1]で表されるピロリジン型イミノ糖またはその塩は、Rが、フェニル基およびヒドロキシ基からなる群から選択される基で置換されていてもよい炭素数1~12のアルキル基であり;R、R、RおよびRが、いずれも水素原子であることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、下記一般式[1a]で表されるピロリジン型イミノ糖またはその塩を提供する。
【0016】
【化2】
JP0005645137B2_000003t.gif

【0017】
ここで式[1a]中、R1aは、フェニル基で置換された炭素数1~10のアルキル基、または、ヒドロキシ基および保護されたヒドロキシ基からなる群から選択される基で置換されていてもよい炭素数2~5のアルキル基を示し;R2aは、水素原子またはイミノ保護基を示し;R、RおよびRはそれぞれ、同一または異なって、水素原子またはヒドロキシ保護基を示す。
【0018】
上記一般式[1]または一般式[1a]で表されるピロリジン型イミノ糖またはその塩は、マルターゼ、イソマルターゼおよびスクラーゼなどのグルコシダーゼ阻害作用を有し、食後過血糖改善効果を示す。すなわち、これらのイミノ糖を有効成分とする医薬は、糖尿病およびそれに付随する疾患、例えば糖尿病性合併症、肥満症、高脂血症、動脈硬化症、高血圧などを予防あるいは治療する医薬として有用である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記食後過血糖改善作用を利用した糖尿病およびそれに付随する疾患、例えば糖尿病性合併症、肥満症、高脂血症、動脈硬化症、高血圧症などを予防あるいは治療する医薬を提供することができる。また、本発明によれば、食後過血糖改善作用を有する化合物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】化合物1(表1中のNo.1)の食後過血糖に及ぼす効果を示す。
【図2】化合物3(表1中のNo.3)の食後過血糖に及ぼす効果を示す。
【図3】化合物1(表1中のNo.1)の食後過血糖に及ぼす効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の食後過血糖改善剤は、下記一般式[1]で表されるピロリジン型イミノ糖またはその塩を有効成分として含有する。

【0022】
【化3】
JP0005645137B2_000004t.gif

【0023】
ここで式[1]中、Rは、アリール基、ヒドロキシ基、および、保護されたヒドロキシ基からなる群から選択される基で置換されていてもよいアルキル基を示し;Rは、水素原子、アルキル基またはイミノ保護基を示し;R、RおよびRはそれぞれ、同一または異なって、水素原子またはヒドロキシ保護基を示す。

【0024】
上記一般式[1]の中でも、食後過血糖改善剤の有効成分として、より好ましいものは、一般式[1]の異性体のうち、下記一般式[1b]で表される相対配置を有するピロリジン型イミノ糖またはその塩である。

【0025】
【化4】
JP0005645137B2_000005t.gif

【0026】
ここで式[1b]中、Rは、アリール基、ヒドロキシ基、および、保護されたヒドロキシ基からなる群から選択される基で置換されていてもよいアルキル基を示し;Rは、水素原子、アルキル基またはイミノ保護基を示し;R、RおよびRはそれぞれ、同一または異なって、水素原子またはヒドロキシ保護基を示す。

【0027】
また、上記一般式[1]または[1b]で表されるピロリジン型イミノ糖またはその塩は、Rが、フェニル基およびヒドロキシ基からなる群から選択される基で置換されていてもよい炭素数1~12のアルキル基であり;R、R、RおよびRが、いずれも水素原子であることが好ましい。

【0028】
また、本発明は、下記一般式[1a]で表されるピロリジン型イミノ糖またはその塩を提供する。

【0029】
【化5】
JP0005645137B2_000006t.gif

【0030】
ここで式[1a]中、R1aは、フェニル基で置換された炭素数1~10のアルキル基、または、ヒドロキシ基および保護されたヒドロキシ基からなる群から選択される基で置換されていてもよい炭素数2~5のアルキル基を示し;R2aは、水素原子またはイミノ保護基を示し;R、RおよびRはそれぞれ、同一または異なって、水素原子またはヒドロキシ保護基を示す。

【0031】
より好ましくは、一般式[1a]の異性体のうち、以下の一般式[1c]で表される相対配置を有するピロリジン型イミノ糖またはその塩である。

【0032】
【化6】
JP0005645137B2_000007t.gif

【0033】
ここで式[1c]中、R1aは、フェニル基で置換された炭素数1~10のアルキル基、または、ヒドロキシ基および保護されたヒドロキシ基からなる群から選択される基で置換されていてもよい炭素数2~5のアルキル基を示し;R2aは、水素原子またはイミノ保護基を示し;R、RおよびRはそれぞれ、同一または異なって、水素原子またはヒドロキシ保護基を示す。

【0034】
上記一般式[1]、[1a]、[1b]または[1c]で表されるピロリジン型イミノ糖またはその塩は、マルターゼ、イソマルターゼおよびスクラーゼなどのグルコシダーゼ阻害作用を有し、食後過血糖改善効果を示す。すなわち、これらのイミノ糖を有効成分とする医薬は、糖尿病およびそれに付随する疾患、例えば糖尿病性合併症、肥満症、高脂血症、動脈硬化症、高血圧などを予防あるいは治療する医薬として有用である。

【0035】
本明細書において、特に断らない限り、各用語は、次の意味を有する。ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニル基などの直鎖状または分岐鎖状のC1~12アルキル基を意味する。低級アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチルおよびヘキシル基などの直鎖状または分岐鎖状のC1~6アルキル基を意味する。炭素数2~5のアルキル基とは、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチルおよびペンチル基を意味する。アリール基とは、フェニル、ナフチル、インダニルおよびインデニル基などを意味する。

【0036】
ヒドロキシ保護基とは、通常のヒドロキシ基の保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、ベンジルオキシカルボニル、4-ニトロベンジルオキシカルボニル、4-ブロモベンジルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、1,1-ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル、2,2,2-トリブロモエトキシカルボニル、2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、2-(フェニルスルホニル)エトキシカルボニル、2-(トリフェニルホスホニオ)エトキシカルボニル、2-フルフリルオキシカルボニル、1-アダマンチルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、S-ベンジルチオカルボニル、4-エトキシ-1-ナフチルオキシカルボニル、8-キノリルオキシカルボニル、アセチル、ホルミル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、メトキシアセチル、フェノキシアセチル、ピバロイルおよびベンゾイルなどのアシル基;メチル、tert-ブチル、2,2,2-トリクロロエチルおよび2-トリメチルシリルエチルなどの低級アルキル基;アリルなどの低級アルケニル基;ベンジル、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアル低級アルキル基;テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニルおよびテトラヒドロチオピラニルなどの含酸素および含硫黄複素環式基;メトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、2-メトキシエトキシメチル、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、1-エトキシエチルおよび1-メチル-1-メトキシエチルなどの低級アルコキシ-および低級アルキルチオ-低級アルキル基;メタンスルホニルおよびp-トルエンスルホニルなどの低級アルキル-およびアリール-スルホニル基;並びにトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、 tert-ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリルおよびtert-ブチルメトキシフェニルシリルなどの置換シリル基などを意味する。

【0037】
イミノ保護基とは、通常のイミノ基の保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、(モノ、ジ、トリ)クロロアセチル、トリフルオロアセチル、フェニルアセチル、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、フタロイル、スクシニルなどアシル基;メトキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、トリクロロエトキシカルボニル、トリブロモエトキシカルボニル、1,1-ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、2-エチルヘキシルオキシカルボニル、t-ペンチルオキシカルボニル、t-ブトキシカルボニルおよび1-アダマンチルオキシカルボニルなどのアルキルオキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、o-ブロモベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニルおよび4-(フェニルアゾ)ベンジルオキシカルボニルなどのアルアルキルオキシカルボニル基;フェニルオキシカルボニル、4-フルオロフェニルオキシカルボニル、4-メトキシフェニルオキシカルボニル、8-キノリルオキシカルボニルおよび2-フルフリルオキシカルボニルなどのアリールオキシカルボニル基;ベンジル、ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアルアルキル基;メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、2-メトキシエトキシメチル、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルおよび1-エトキシエチルなどのアルコキシアルキル基;2-ニトロフェニルチオおよび2,4-ジニトロフェニルチオなどのアリールチオ基;メタンスルホニルおよびp-トルエンスルホニルなどのアルキルスルホニルもしくはアリールスルホニル基;N,N-ジメチルアミノメチレンなどのジアルキルアミノアルキリデン基;ベンジリデン、2-ヒドロキシベンジリデン、2-ヒドロキシ-5-クロロベンジリデンおよび2-ヒドロキシ-1-ナフチルメチレンなどのアルアルキリデン基;3-ヒドロキシ-4-ピリジルメチレンなどの含窒素複素環式アルキリデン基;シクロヘキシリデン、2-エトキシカルボニルシクロヘキシリデン、2-エトキシカルボニルシクロペンチリデン、2-アセチルシクロヘキシリデンおよび3,3-ジメチル-5-オキシシクロヘキシリデンなどのシクロアルキリデン基;ジフェニルホスホリルおよびジベンジルホスホリルなどのジアリールもしくはジアルアルキルホスホリル基;5-メチル-2-オキソ-2H-1,3-ジオキソール-4-イル-メチルなどの含酸素複素環式アルキル基;トリメチルシリル基などの置換シリル基などを意味する。

【0038】
一般式[1]、[1a]、[1b]または[1c]のピロリジン型イミノ糖は、塩とすることもできる。それらの塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸および硫酸などの鉱酸との塩;ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩;並びにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩など、通常知られているイミノ基などの塩基性基から生じる塩を挙げられる。上記した塩の中で、好ましい塩としては、薬理学的に許容される塩が挙げられる。

【0039】
一般式[1]、[1a]、[1b]または[1c]のピロリジン型イミノ糖またはその塩において、異性体(例えば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体など)が存在する場合、本発明の化合物は、それらすべての異性体を包含するものとする。また、本発明の化合物は、水和物、溶媒和物であってもよく、どのような結晶形を有していてもよい。

【0040】
一般式[1]のピロリジン型イミノ糖は、例えば、以下の方法により製造することができる。
【化7】
JP0005645137B2_000008t.gif

【0041】
上式中、Xは、ハロゲン原子を示し;Rは、アリール基、ヒドロキシ基、および、保護されたヒドロキシ基からなる群から選択される基で置換されていてもよいアルキル基を示す。

【0042】
式[2]の化合物を、ハロゲン化反応に付すことにより一般式[3]の化合物を製造することができる。ハロゲン化反応はアルコールをハロゲン化アルキルとする公知の方法を利用することができ、例えば、トリフェニルホスフィンとヨウ素を用いるアッペル反応などを利用すればよい。なお、式[2]の化合物は、例えば、Chem. Eur. J. 2006,12,6607-6620に記載の方法に準じて製造することができる。

【0043】
一般式[3]の化合物を、例えば、ニッケル触媒によるCsp-Cspクロスカップリング反応に付すことにより、一般式[4]の化合物を製造することができる。具体的には、Ni(cod)、2,6-bis(4-isopropyl-4,5-dihydrooxazol-2-yl)pyridine (iPr-Pybox)の存在下で、一般式[3]の化合物とプロピル亜鉛試薬をN,N-ジメチルアセタミド中で反応させればよい。

【0044】
一般式[4]の化合物を、例えば、オキソン(Oxone:商品名)を用いたエポキシ化反応に付すことにより、一般式[5]の化合物を製造することができる。

【0045】
一般式[5]の化合物を、酸性条件下でエポキシの開裂を行うことにより、一般式[6]の化合物を製造することができる。

【0046】
一般式[5]の化合物を、アルカリを用いた脱カルボニル反応に付すことにより、一般式[1d]の化合物を製造することができる。

【0047】
一般式[1d]の化合物を、ブチルアルデヒドなどのアルキルアルデヒドとシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素試薬とを用いた還元的アミノ化反応に付すことにより、環中の窒素原子にアルキル基が導入された一般式[1]の化合物を製造することができる。

【0048】
一般式[1]または[6]の化合物において、ヒドロキシ保護基またはイミノ保護基の導入・脱離は、公知の方法で行えばよい。

【0049】
式[2]または一般式[3]~[6]の化合物において、異性体(例えば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体など)が存在する場合、これらすべての異性体を使用することができ、また水和物、溶媒和物およびすべての結晶形を使用することができる。また、一般式[3]~[6]の化合物は、単離せずにそのまま次の反応に用いてもよい。

【0050】
このようにして得られた一般式[1]の化合物は、抽出、晶出、蒸留およびカラムクロマトグラフィーなどの通常の方法によって単離精製することができる。

【0051】
本発明の化合物は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊抑制剤、固結・付着防止剤、滑沢剤、吸収・吸着担体、溶剤、増量剤、等張化剤、溶解補助剤、乳化剤、懸濁化剤、増粘剤、被覆剤、吸収促進剤、ゲル化・凝固促進剤、光安定化剤、保存剤、防湿剤、乳化・懸濁・分散安定化剤、着色防止剤、脱酸素・酸化防止剤、矯味・矯臭剤、着色剤、起泡剤、消泡剤、無痛化剤、帯電防止剤、緩衝・pH調節剤などの各種医薬品添加物を配合して、経口剤(錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤など)、注射剤、坐剤、外用剤(軟膏剤、貼付剤など)、エアゾール剤などの医薬品製剤とすることができる。

【0052】
上記製剤の投与方法は、特に限定されないが、製剤の形態、患者の年齢、性別その他の条件、患者の症状の程度に応じて適宜決定される。本発明の製剤の有効成分の投与量は、用法、患者の年齢、性別、疾患の形態、その他の条件などに応じて適宜選択されるが、通常成人に対して、1日0.1~500mgを1回から数回に分割して投与すればよい。
【実施例】
【0053】
以下、本発明の代表的な化合物の製造例および薬理作用に係る試験例を挙げて、本発明を説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
【実施例】
【0054】
<製造例>
以下の製造例において、NMRスペクトルは、JEOL JNM-AL 400 spectrometer (1H-NMR;400MHz, 13C-NMR;100MHz) を用いて測定した。化学シフトは重クロロホルム中の残存chloroform (CHCl3)およびtetramethylsilane (TMS) を内基準物質とし、ppmで示した。各シグナルの分裂パターンの略語として、s (singlet)、d (doublet)、dd (double doublet)、ddd (double double doublet)、 t (triplet)、dt (doublet triplet)、q (quartet)、quin (quintet)、m (multiplet)、br (broad) を用いた。赤外吸収スペクトル (IR) はPerkin-Elmer 1725 X series FT-IR spectrophotometer を用いて測定した。
カラムクロマトグラフィーは充填剤にKANTO Silica Gel 60 N (100-210 μm) を使用した。各種溶媒(塩化メチレン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、N,N-ジメチルアセタミド(DMA))は、市販の脱水されているものを使用した。また、湿気に敏感な反応はアルゴン気流下で行った。
【実施例】
【0055】
<製造例1>化合物1の製造
【化8】
JP0005645137B2_000009t.gif
【実施例】
【0056】
(1)(3R,6aR)-1,2-Dehydro-3-iodemethyl-5-oxapyrrolizidin-4-one [3a]
(3R,6aR)-1,2-Dehydro-3-hydroxymethyl-5-oxapyrrolizidin-4-one (2a;124mg)、イミダゾール(139mg)およびトリフェニルホスフィン(541mg)をナスフラスコに入れ乾燥後、容器内をアルゴン置換し塩化メチレン(4.0mL)を加えた。氷冷し、ヨウ素(407mg)を加え、10分間撹拌した。その後、反応液が黄色から無色透明になるまで飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を滴下した。反応液を塩化メチレン(30mL×3)で抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:エーテル)に付し、3aを171mg得た。
【実施例】
【0057】
[α]D23= +141.61(CHCl3,c=1.0)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ: 3.28-3.37(2H,m),4.23(1H,dd,J=8.7,6.3Hz),4.64(1H,t,J=3.7Hz),4.77-4.81 (1H,m),4.85-4.91(1H,m),6.01-6.04(2H,m)
13C-NMR(100MHz,CDCl3)δ: 8.60,64.51,67.20,68.84,130.73,13.28,162.11
IR (neat)cm-1: 1749
【実施例】
【0058】
(2)(3R,6aR)-1,2-Dehydro-3-butyl-5-oxapyrrolizidin-4-one [4a]
Bis(1,5-cyclooctadiene)nickel(0)(48.4mg)、[(R,R)-2,6-Bis(4-isopropyl-2oxazolin-2-yl)]pyridine(109.4mg)をナスフラスコに入れ乾燥後、容器内をアルゴン置換し、DMA(7.0mL)を加えた。室温で20分間撹拌させた。そのとき混合液は深青色を示した。この混合液(7.0mL)を3a(291mg)と別途調製したプロピルジンクブロマイド(n-propylzinc bromide)DMA溶液(4.6mL)との混合溶液に加え、室温で20時間撹拌した。反応後、反応液にヨウ素(440mg)を加え、室温で10分間撹拌し、反応を停止させた。反応液を短いシリカゲルのパットで濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)に付し、4aを156mg得た。
【実施例】
【0059】
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ: 0.87-0.96(3H,m),1.26-1.46(4H,m),1.52-1.6(2H,m),4.18-4.23(1H,m),4.54-4.61(2H,m),4.73-4.76(1H,m),5.83-5.85(1H,m),6.01-6.03(1H,m)
【実施例】
【0060】
(n-Propylzinc bromideのDMA溶液調製法)
亜鉛末(980mg)をナスフラスコに入れ減圧乾燥後、容器内をアルゴン置換し、DMA(10mL)を加えた。室温でヨウ素(127mg)を加え、反応液が透明になるまで撹拌した。次に1-ブロモプロパン(1.0mL)を加え、80℃で3時間撹拌し、n-propylzinc bromideのDMA溶液とした。
【実施例】
【0061】
(3)(1aR,1bS,6S,6aS)-6-Butyl-tetrahydro-6-oxa-3-aza-bicyclo[3.1.0]hex-1(5)-eno[3,2-c]oxazol-4(1aH)-one [5a]
(3R,6aR)-1,2-Dehydro-3-butyl-5-oxapyrrolizidin-4-one (4a)(64mg)をナスフラスコに入れ、アセトニトリル(6.4mL)を加えた。氷冷後、4.0×10-4M EDTA水溶液(4.4 mL)、トリフルオロアセトン(340μL)を加えた。反応溶液を撹拌し、オキソン(Oxone:商品名)(2.705g)と炭酸水素ナトリウム(549mg)の混合物を2時間かけて加えた。反応後、反応液を塩化メチレン(30mL×3)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;エーテル)に付し、5aを171mg得た。
【実施例】
【0062】
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ: 0.9(3H,t,J=7.2Hz),1.26-1.58(6H,m),3.58(2H,dd,J=26.7,2.9Hz), 3.97 (1H, dd, J= 8.7,3.9Hz),4.03(1H,dd,J=9.2,4.8Hz),4.46(1H,dd,J=9.2,4.3Hz),4.53(t,J=8.7,1H)
【実施例】
【0063】
(4)(5S,6S,7S,7aS)-5-Butyl-tetrahydro-6,7-dihydroxypyrrolo[1,2-c]oxazol-3-(1H)-one [6a]
(1aR,1bS,6S,6aS)-6-Butyl-tetrahydro-6-oxa-3-aza-bicyclo[3.1.0]hex-1(5)-eno[3,2-c]oxazol-4(1aH)-one (5a)(171mg)をナスフラスコに入れ、室温でTHF(4.6mL)、水(3.0mL)およびトリフルオロ酢酸(781μL)を加え、80℃で71時間撹拌させた。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;エーテル)に付し、6aを136mg得た。
【実施例】
【0064】
[α]D24= +20.31(CHCl3 c=1.0)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ: 0.90-0.95(3H,m),1.25-1.69(6H,m),3.65-3.67(1H,m),3.84-3.88 (1H,m),3.90-3.98(2H,m),4.34(1H,dd,J=9.7,3.9Hz),4.52(1H,dd,J=9.2,7.7Hz)
13C-NMR(100MHz,CDCl3)δ: 13.99,22.42,28.20,32.81,61.99,65.29,66.85,80.93,83.74,162.45
IR(neat)cm-1: 1731,3377
【実施例】
【0065】
(5)(2S,3S,4S,5S)-2-Butyl-5-(hydroxymethyl)pyrrolidine-3,4-diol [1e]
(5S,6S,7S,7aS)-5-Butyl-tetrahydro-6,7-dihydroxypyrrolo[1,2-c]oxazol-3-(1H)-one (6a)(71mg)をナスフラスコに入れ、室温でエタノール(2.7mL)、水(1.4mL)および水酸化ナトリウム(143mg)を加え、100℃で12時間加熱還流させた。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;メタノール:水酸化アンモニウム=60:1)に付し、1e(化合物1)を38mg得た。
【実施例】
【0066】
[α]D27= -47.73(c=1.0,CH3OH)
1H-NMR(400MHz,CD3OD)δ: 0.93(3H,t,J=6.8Hz),1.36-1.45(6H,m),1.71(1H,m),2.91(1H,dd,J=13.0,7.7Hz),3.04(1H,dd,J=10.6,6.3Hz),3.58-3.63(2H,m),3.68(1H,dd,J=11.6,4.3Hz),3.77(1H,t,J=6.8Hz)
13C-NMR(100MHz,CD3OD)δ: 14.33,23.77,29.83,34.45,62.67,62.87,64.56,79.13,83.10
IR(KBr)cm-1: 3285
【実施例】
【0067】
<製造例2>化合物2の製造
上記製造例1の(1)~(4)と同様な方法を用い、以下の化合物を得た。
【実施例】
【0068】
(2R,3R,4R,5R)-2-Butyl-5-(hydroxymethyl)pyrrolidine-3,4-diol (化合物2)
【化9】
JP0005645137B2_000010t.gif
[α]D27= +47.15(c=0.8,CH3OH)
1H-NMR(400MHz,CD3OD)δ: 0.93(t,J=6.7Hz,3H),1.28-1.46(m,6H),1.65-1.72(m,1H),2.88(dt,J=5.3,7.7Hz,1H),2.99(dt,J=4.3,6.3Hz,1H),3.57-3.63(m,2H),3.68(dd,J=3.9,6.3Hz,1H),3.76(t,J=6.3Hz,1H).
13C-NMR(100MHz,CD3OD)δ: 14.34,23.83,29.92,34.78,62.75,63.03,64.49,79.41,83.42
【実施例】
【0069】
<製造例3>化合物3の製造
【化10】
JP0005645137B2_000011t.gif
【実施例】
【0070】
(1)(3R,6aR)-1,2-Dehydro-3-octyl-5-oxapyrrolizidin-4-one [4b]
Bis(1,5-cyclooctadiene)nickel(0) (48.4mg)、[(R,R)-2,6-Bis(4-isopropyl-2oxazolin-2-yl)pyridine (109.4mg) をナスフラスコに入れ乾燥後、容器内をアルゴン置換し、DMA(7.0mL)を加えた。室温で20分間撹拌した。そのとき混合液は深青色を示した。この混合液(7.0mL) を3a (291mg)と別途調製したヘプチルジンクイオダイド(n-heptylzinc iodide)DMA溶液(4.6mL)の混合溶液に加え、室温で20時間撹拌した。反応後、反応液にヨウ素(440mg)を加え、室温で10分間撹拌し、反応を停止させた。DMA、ヨウ素、無機塩を除くために、反応液を短いシリカゲルのパットに通した。パットを通した反応液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1)に付し、4bを102mg得た。
【実施例】
【0071】
[α]D26= +130.57(CHCl3,c=0.7)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ: 0.86-0.89(3H,m),1.26-1.46(14H,m),4.20(1H,dd,J=8.8,5.9Hz),4.53-4.60(2H,m),4.73(1H,m),5.83-5.85(1H,m),6.01-6.03(1H,m)
13C-NMR(100MHz,CDCl3)δ: 14.10,22.64,26.21,29.22,29.44,29.47,31.84,34.41,63.86,67.50, 68.74, 127.96, 135.34,63.00
【実施例】
【0072】
(n-Heptylzinc iodideのDMA溶液調製法)
亜鉛末(980mg)をナスフラスコに入れ、減圧乾燥後、容器内をアルゴン置換し、DMA(10mL)を加えた。室温でヨウ素(127mg)を加え、反応液が透明になるまで撹拌した。次に1-ヨードヘプタン (1.7mL)を加え、室温で3時間撹拌し、n-heptylzinc iodideのDMA溶液とした。
【実施例】
【0073】
(2)(1aR,1bS,6S,6aS)-6-Octyl-tetrahydro-6-oxa-3-aza-bicyclo[3.1.0]hex-1(5)-eno[3,2-c]oxazol-4(1aH)-one [5b]
(3R,6aR)-1,2-Dehydro-3-octyl-5-oxapyrrolizidin-4-one (4b)(93mg)をナスフラスコに入れ、アセトニトリル(2.9mL)を加えた。氷冷後、4.0×10-4M EDTA水溶液(2.0 mL)、トリフルオロアセトン(340μL)を加えた。反応溶液を撹拌し、オキサン(商品名)(1.199 g)と炭酸水素ナトリウム(247mg)の混合物を2時間かけて加えた。反応後、反応液を塩化メチレン(30mL×3)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;エーテル)に付し、5bを91mg得た。
【実施例】
【0074】
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ: 0.88(3H,t,J=7.2Hz),1.27-1.54(14H,m),3.58(2H,dd,J=26.6,2.9Hz),3.96(1H,dd,J=8.7,3.9Hz),4.02(1H,dd,J=9.7,3.9Hz),4.45-4.55(2H,m)
【実施例】
【0075】
(3)(5S,6S,7S,7aS)-5-Octyl-tetrahydro-6,7-dihydroxypyrrolo[1,2-c]oxazol-3-(1H)-one [6b]
(1aR,1bS,6S,6aS)-6-Octyl-tetrahydro-6-oxa-3-aza-bicyclo[3.1.0]hex-1(5)-eno[3,2-c]oxazol-4(1aH)-one (5b)(91mg) をナスフラスコに入れ、室温でTHF(1.9mL)、水(1.3mL)およびトリフルオロ酢酸(329μL)を加え、80℃で70時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;エーテル)に付し、6bを58mg得た。
【実施例】
【0076】
[α]D25= +11.28(CHCl3,c=0.5)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ: 0.88(3H,t,J=6.8Hz),1.27-1.68(14H,m),3.62-3.67(1H,m),3.83-3.87(1H,m),3.89-3.96(2H,m),4.31-4.37(1H,m),4.46-4.54(1H,m)
13C-NMR(100MHz,CDCl3)δ: 14.10,22.66,26.14,29.29,29.35,29.43,29.51,29.56,31.87,33.08,62.07,65.36,66.93,162.58
IR(neat)cm-1: 1731,3343
【実施例】
【0077】
(4)(2S,3S,4S,5S)-2-Octyl-5-(hydroxymethyl)pyrrolidine-3,4-diol [1f]
(5S,6S,7S,7aS)-5-Octyl-tetrahydro-6,7-dihydroxypyrrolo[1,2-c]oxazol-3-(1H)-one (6b)(54mg)をナスフラスコに入れ、室温でエタノール(1.8mL)、水(0.9mL)および水酸化ナトリウム(95.4mg)を加え、100℃で14時間加熱還流させた。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;メタノール:水酸化アンモニウム=100:1)に付し、1f(化合物3)を31.7mg得た。
【実施例】
【0078】
[α]D28= -36.59(CH3OH,c=1.0)
1H-NMR(400MHz,CD3OD)δ : 0.87-0.91(3H,m),1.20-1.50(14H,m),1.67(1H,brs),2.86(1H,dd,J=12.6,7.2Hz),2.97(1H,dd,J=10.6,6.3H),3.56-3.60(2H,m),3.66(dd,J=11.6,4.3Hz),3.76(1H,t,J=6.8Hz)
13C-NMR(100MHz,CD3OD)δ : 14.45,23.73,27.74,30,42,30.66,30.88,33.06,35.17,62.74,63.11,64.46,79.47,83.48
IR (KBr)cm-1: 3288
【実施例】
【0079】
<製造例4>化合物4~11の製造
上記製造例3の(1)~(4)と同様な方法を用い、以下の化合物を得た。
【実施例】
【0080】
(2R,3R,4R,5R)-2-Octyl-5-(hydroxymethyl)pyrrolidine-3,4-diol (化合物4)
【化11】
JP0005645137B2_000012t.gif
[α]D27= +36.57(c=1.0,CH3OH)
1H-NMR(CD3OD,400MHz)δ: 0.89(t,J=7.0Hz,3H),1.22-1.50(m,13H),1.59-1.72(m,1H),2.84(dd,J=7.7,12.6Hz,1H),2.93-2.97(m,1H),3.55-3.59(m,3H),3.63-3.67(m,1H),3.74(t,J=6.8Hz,1H)
13C-NMR(CD3OD,100MHz)δ: 14.44,23.67,27.69,30.36,30.61,30.84,32.99,35.28,62.51,63.30,64.23,79.58,83.59
【実施例】
【0081】
(2S,3S,4S,5S)-2-Pentyl-5-(hydroxymethyl)pyrrolidine-3,4-diol(化合物5)
【化12】
JP0005645137B2_000013t.gif
[α]D24= -53.5(CH3OH,c=1.44)
1H-NMR(400MHz,CD3OD)δ: 0.91(t,J=7.0Hz,3H),1.24-1.50(m,7H),1.60-1.73(m,1H),2.81-2.86(m,1H),2.93-2.97(m,1H),3.55-3.59(m,2H),3.63-3.67(m,1H),3.74(t,J=6.5Hz,1H)
13C-NMR(100MHz,CD3OD)δ: 14.39,23.66,27.46,33.14,35.32,62.65,63.34,64.40,79.64,83.68
【実施例】
【0082】
(2S,3S,4S,5S)-2-Hexyl-5-(hydroxymethyl)pyrrolidine-3,4-diol(化合物6)
【化13】
JP0005645137B2_000014t.gif
[α]D24= -51.1(CH3OH,c=1.18)
1H-NMR(400MHz,CD3OD)δ: 0.90(t,J=6.3Hz,3H),1.25-1.48(m,9H),1.62-1.72(m,1H),2.86(dd,J=12.5,7.2Hz,1H),2.97(dd,J=10.9,6.0Hz,1H),3.56-3.60(m,2H),3.64-3.68(m,1H),3.75(t,J=6.5Hz,1H)
13C-NMR(100MHz,CD3OD)δ: 14.41,23.67,27.70,30.54,32.94,35.26,62.69,63.23,64.41,79.57,83.58
【実施例】
【0083】
(2S,3S,4S,5S)-2-Heptyl-5-(hydroxymethyl)pyrrolidine-3,4-diol (化合物7)
【化14】
JP0005645137B2_000015t.gif
[α]D24= -46.1(CH3OH,c=1.00)
1H-NMR(400MHz,CD3OD)δ: 0.90(t,J=6.8Hz,3H),1.20-1.50(m,11H),1.60-1.75(m,1H),2.84(dd,J=12.6,7.7Hz,1H),2.96(dd,J=10.6,6.3Hz,1H),3.55-3.59(m,2H),3.64-3.68(m,1H),3.74(t,J=6.5Hz,1H)
13C-NMR(100MHz,CD3OD)δ: 14.43,23.73,27.77,30.39,30.86,33.01,35.32,62.67,63.29,64.41,79.61,83.64
【実施例】
【0084】
(2S,3S,4S,5S)-2-Nonyl-5-(hydroxymethyl)pyrrolidine-3,4-diol (化合物8)
【化15】
JP0005645137B2_000016t.gif
[α]D23= -45.5(CH3OH,c=1.33)
1H-NMR(400MHz,CD3OD)δ: 0.89(t,J=6.8Hz,3H),1.22-1.50(m,15H),1.62-1.72(m,1H),2.84(dd,J=12.5,7.2Hz,1H),2.97(m,1H),3.55-3.60(m,2H),3.64-3.68(m,1H),3.74(t,J=6.8Hz,1H)
13C-NMR (100MHz,CD3OD)δ: 14.45,23.73,27.77,30.47,30.71,30.89,33.07,35.31,62.69,63.28,64.42,79.61,83.63
【実施例】
【0085】
(2S,3S,4S,5S)-2-Decyl-5-(hydroxymethyl)pyrrolidine-3,4-diol (化合物9)
【化16】
JP0005645137B2_000017t.gif
1H-NMR(400MHz,CD3OD)δ: 0.87-0.91(3H,m),1.20-1.50(18H,m),1.70(1H,m),1.90(1H,s),2.91(1H,m),3.03(1H,m),3.56-3.60(2H,m),3.69(dd,J=11.6,4.3Hz),3.78(1H,t,J=6.8Hz)
13C-NMR(100MHz,CD3OD)δ: 14.45,23.73,27.68,30.47,30.67,30.74,30.82,33.07,34.81,62.71,62.94,64.60,79.18,83.15
【実施例】
【0086】
(2S,3S,4S,5S)-2-(hydroxymethyl)-5-(4-methylpentyl)pyrrolidine-3,4-diol (化合物10)
【化17】
JP0005645137B2_000018t.gif
1H-NMR(400MHz,CD3OD)δ : 0.89(6H,d,J=6.3Hz),1.21-1.25(2H,m),1.30-1.65(5H,m),2.86(1H,m),2.97(1H,dt,J=6.3,5.3Hz),3.56-3.60(2H,m),3.66(dd,J=11.6,4.3Hz),3.75(1H,t,J=6.8Hz)
13C-NMR(100MHz,CD3OD)δ : 22.99,22.01,25.59,29,12,35.51,40.28,62.74,63.21,64.44,79.55,83.57
【実施例】
【0087】
(2S,3S,4S,5S)-2-(hydroxymethyl)-5-(4-phenylbutyl)pyrrolidine-3,4-diol (化合物11)
【化18】
JP0005645137B2_000019t.gif
1H-NMR(400MHz, CD3OD)δ: 1.30-1.55(3H,m),1.60-1.75(3H,m),2,62(2H,d,J=7.7Hz),2.87(1H,m),2.99(1H,m),3.55-3.61(2H,m),3.66(dd,J=11.1,3.9Hz),3.75(1H,t,J=6.8Hz),7.10-7.17(3H,m),7.21-7.25(2H,m)
13C-NMR(100MHz,CD3OD)δ: 27.33,32.81,34,93,36.80,62.74,63.01,64.51,79.38,83.39,126.68,129.28,129.42,143.78
【実施例】
【0088】
<製造例5>化合物12の製造
(2S,3S,4S,5S)-1,2-dibutyl-5-(hydroxymethyl)pyrrolidine-3,4-diol (化合物12)
【化19】
JP0005645137B2_000020t.gif
(2S,3S,4S,5S)-2-Butyl-5-(hydroxymethyl)pyrrolidine-3,4-diol (1e)(19mg)をナスフラスコに入れ、メタノール(20mL)を加えた。氷冷後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(9.9mg)、n-ブチルアルデヒド(30μL)を加え、2時間撹拌した。反応後、反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、化合物12を11.2mg得た。
【実施例】
【0089】
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ: 0.87-0.94(6H,m),1.25-1.50(9H,m),1.58-1.67(1H,m),2.57-2.72(2H,m),2.85(1H,brs),3.07(1H,brd,J=10.1Hz),3.72-3.81(2H,m),3.86(1H,brs),4.11(1H,brd,J=3.4Hz),4.20(3H,brs)
13C-NMR(100MHz,CDCl3)δ: 13.92,14.03,20.58,22.85,25.24,28.36,29.50,46.56,58.90,67.74,69.45,79.97,80.42
【実施例】
【0090】
<製造例6>化合物13の製造
【化20】
JP0005645137B2_000021t.gif
【実施例】
【0091】
(1)(3R,6aR)-1,2-Dehydro-3-(6-benzyloxyhexyl)-5-oxapyrrolizidin-4-one [4c]
Bis(1,5-cyclooctadiene)nickel(0) (16mol%)、 [(R,R)-2,6-Bis(4-isopropyl-2-oxazolin-2-yl)]pyridine (32mol%) をナスフラスコに入れ乾燥後、容器内をアルゴン置換し、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)を加えた。室温で20分間撹拌させた。この混合液を3aと別途調製した5-ベンジルオキシヘプチルジンクブロマイドのDMA溶液を混合溶液に加え、室温で20時間撹拌した。反応後、反応液を処理し、4cを68%の収率で得た。
【実施例】
【0092】
[α]D24= +99.0(CHCl3,c=1.14)
1H-NMR(CDCl3,400MHz)δ: 1.36-1.65(m,10H),3.46(t,J=6.8Hz,2H),4.20(dd,J=5.6,8.5Hz,1H),4.50-4.59(m,4H),4.71-4.75(m,1H),5.83-5.84(m,1H),5.99-6.02(m,1H),7.27-7.34(m,5H)
13C-NMR(CDCl3,100MHz)δ: 26.03,26.10,29.18,29.62,34.28,63.84,67.42,68.73,70.37,72.83,127.43,127.58,128.00,128.31,135.24,138.64,162.97
【実施例】
【0093】
(2)(1R,2S,3R,6aR)-1,2-Epoxy-3-{6-(benzyloxy)hexyl}-5-oxapyrrolizidin-4-one [5c]
(3R,6aR)-1,2-Dehydro-3-(6-benzyloxyhexyl)-5-oxapyrrolizidin-4-one (4c)をナスフラスコに入れ、アセトニトリルを加えた。氷冷後、4.0×10-4M EDTA水溶液、トリフルオロアセトンを加えた。反応溶液を撹拌し、オキソン(Oxone:商品名)と炭酸水素ナトリウムの混合物を加え、0℃で5時間反応させた。反応液を処理し、収率90%で5cを得た。
【実施例】
【0094】
[α]D24= +26.8 (CHCl3,c=1.26)
1H-NMR(CDCl3,400MHz)δ: 1.25-1.64(m,10H),3.47(t,J=6.5Hz,2H),3.53(d,J=2.4Hz,1H),3.60(d,J=2.4Hz,1H),3.95(dd,J=4.1,8.5Hz,1H),4.00-4.03(m,1H),4.46(dd,J=4.1,8.9Hz,1H),4.50-4.54(m,3H),7.27-7.37(m,5H)
13C-NMR(CDCl3,100MHz)δ: 25.96,29.03,29.57,29.88,55.24,57.16,58.70,60.39,64.64,70.30,72.84,127.45,127.59,128.31,138.62,162.54
【実施例】
【0095】
(3)
・(5S,6S,7S,7aS)-5-(6-Benzyloxyhexcyl) -tetrahydro-6,7-dihydroxypyrrolo[1,2-c]oxazol-3-(1H)-one [6c1]
(1R,2S,3R,6aR)-1,2-Epoxy-3-{6-(benzyloxy)hexyl}-5-oxapyrrolizidin-4-one (5c)をナスフラスコに入れ、室温でテトラヒドロフラン、水およびトリフルオロ酢酸を加え80℃で72時間撹拌した。反応液を処理し、収率75%で6c1を得た。
【実施例】
【0096】
[α]D23= +10.7(CHCl3,c=1.40)
1H-NMR(CDCl3,400MHz)δ: 1.24-1.70(m,10H),3.47(t,J=6.5Hz,2H),3.60(brs,1H),3.75-3.91(m,3H),4.30-4.38(m,1H),4.40-4.52(m,3H)
13C-NMR(CDCl3,100MHz)δ: 25.84,25.95,29.03,29.50,32.75,61.98,64.99,67.07,0.46, 72.85,80.53,83.24,127.60,127.74,128.36,138.31,162.72
【実施例】
【0097】
・(5S, 6S, 7S, 7aS)-5-(6-Hydroxyhexyl)-tetrahydro-6,7-dihydroxypyrrolo[1,2-c] oxazol-3-(1H)-one [6c2]
(5S,6S,7S,7aS)-5-(6-Benzyloxyhexcyl) -tetrahydro-6,7-dihydroxypyrrolo [1,2-c]oxazol-3-(1H)-one [6c1]を、水素雰囲気下、エタノール中、5%パラジウム炭素(10wt%)の存在下、室温で一晩撹拌した。反応液を処理し、収率72%で6c2を得た。
【実施例】
【0098】
[α]D22 = +10.7(CH3OH,c=1.00)
1H-NMR(CD3OD,400MHz)δ: 1.33-1.71(m,10H),3.50-3.55(m,3H),3.74(dd,J=5.6,7.0 Hz,1H),3.80-3.85(m,2H),4.32(dd,J=3.9,8.7Hz,1H),4.54(t,J=8.7Hz,1H)
13C-NMR(CD3OD,100MHz)δ: 26.83,27.27,30.19,33.55,34.14,62.96,63.71,66.68,68.36 81.80,84.18,164.19
【実施例】
【0099】
(4)(2S,3S,4S,5S)-2-(6-Hydroxyhexyl)-5-(hydroxymethyl)pyrrolidine-3,4-diol [1e]
(5S, 6S, 7S, 7aS)-5-(6-Hydroxyhexyl)-tetrahydro-6,7-dihydroxypyrrolo[1,2-c] oxazol-3-(1H)-one (6c2)をナスフラスコに入れ、室温でエタノール、水および水酸化ナトリウム(10.4当量)を加え、100℃で1時間加熱還流した。反応液を処理し、収率80%で1g(化合物13)を得た。
【実施例】
【0100】
[α]D22= -40.9(CH3OH,c=1.42)
1H-NMR(CD3OD,400MHz)δ: 1.28-1.58(m,9H),1.68-1.80(m,1H),3.02(brs,1H),3.15(brs,1H),3.51-3.56(m,2H),3.66-3.75(m,3H),3.80-3.85(m,1H)
13C-NMR(CD3OD,100MHz)δ: 26.78,27.48,30.47,33.53,33.91,61.76,62.90,63.27,64.88,78.42,82.33
【実施例】
【0101】
次に、薬理作用に係る試験例を示す。
<試験例1>
・小腸グルコシダーゼに対する阻害活性
ラット小腸由来グルコシダーゼは、ラット小腸粘膜より Kesslerらの方法(Biochim. Biophys. Acta 506, 136-154(1978))により酵素(マルターゼ、イソマルターゼおよびスクラーゼ)を調製し使用した。50mMリン酸緩衝液(pH6.8)、基質として25mMのマルトース、イソマルトースまたはスクロースを含む反応液に、酵素溶液を加え、阻害剤存在下または非存在下、37℃で10分間インキュベートした。100℃、3分間の煮沸により反応を停止し、遊離したグルコースをグルコースCIIテスト(和光純薬工業)で定量した。結果を表1に示す。なお、比較対照としてアカルボースおよびミグリトールを用いて同様の実験を行った。表中の数値は、50%阻害濃度(IC50;μM)を示す。
【実施例】
【0102】
【表1】
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【実施例】
【0103】
<試験例2>
(マルトース負荷試験)
・化合物1(表1中のNo.1)の食後過血糖に及ぼす効果
一晩絶食させた7週齢のddy系雄性マウス(Japan SLC, Inc.より購入、平均体重30g)を用い、薬物を投与しないコントロール群、アカルボースを30mg/kg体重となるように投与した群および化合物1(表1中のNo.1)を2.5mg/kg体重となるように投与した群の3群に分けた(各群5匹)。薬物は胃ゾンテにて経口投与し、マルトース溶液を負荷する30分前におこなった。薬物投与から30分後にマルトース溶液を、それぞれ2.5g/kg体重となるように胃ゾンテにて経口投与し、投与開始から15、30、60および120分後に尾静脈から採血をおこない、血糖値を測定した。血糖値の測定はアントセンスIII(バイエルメディカル社製)にて測定した。結果を図1に示す。図1中の「○」は、薬物を投与しないコントロール群、「●」は、アカルボースを30mg/kg体重となるように投与した群、「◇」は、化合物1を2.5mg/kg体重となるように投与した群を示す。
【実施例】
【0104】
図1より、薬物を投与せず、マルトース溶液のみを投与したコントロール群では、投与後、速やかな血糖値の上昇が認められ、15分後には血糖値が308±15mg/dL、30分後には354±32mg/dLに達した。その後、血糖値は徐々に低下し、120分後には投与開始前の正常血糖値まで回復した。一方、化合物1を投与した群では投与開始から15分後の血糖値は、255±12mg/dL、30分後には261±20mg/dLとコントロールに比べ有意に食後過血糖を抑制した。それに対しアカルボースを投与した群では投与開始から15分後の血糖値は、236±14mg/dLと有意な阻害作用を示したが、その後の効果は化合物1よりも明らかに弱いものであった。
【実施例】
【0105】
・化合物3(表1中のNo.3)食後過血糖に及ぼす効果
一晩絶食させた7週齢のddy系雄性マウス(Japan SLC, Inc.より購入、平均体重30g)を用い、薬物を投与しないコントロール群、化合物3を1mg/kg体重となるように投与した群および化合物3を0.5mg/kg体重となるように投与した群の3群に分けた(各群5匹)。薬物は胃ゾンテにて経口投与し、マルトース溶液を負荷する30分前におこなった。薬物投与から30分後にマルトース溶液を、それぞれ2.5g/kg体重となるように胃ゾンテにて経口投与し、投与開始から15、30、60および120分後に尾静脈から採血をおこない、血糖値を測定した。血糖値の測定はアントセンスIII(バイエルメディカル社製)にて測定した。結果を図2に示す。図2中の「○」は、薬物を投与しないコントロール群、「◇」は、化合物3を1mg/kg体重となるように投与した群、「■」は、化合物3を0.5mg/kg体重となるように投与した群を示す。
【実施例】
【0106】
図2より、化合物3を投与した群では投与開始からコントロールに比べ有意に食後過血糖を抑制し、0.5mg/kg体重の投与でも十分な血糖上昇抑制効果を示すことが明らかになった。
【実施例】
【0107】
<試験例3>
(スクロース負荷試験)
・化合物1(表1中のNo.1)の食後過血糖に及ぼす効果
一晩絶食させた7週齢のddy系雄性マウス(Japan SLC, Inc.より購入、平均体重30g)を用い、薬物を投与しないコントロール群および化合物1を0.25mg/kg体重となるように投与した群の2群に分けた(各群5匹)。薬物は胃ゾンテにて経口投与し、スクロース溶液を負荷する30分前におこなった。薬物投与から30分後にスクロース溶液を、それぞれ0.25mg/kg体重となるように胃ゾンテにて経口投与し、投与開始から15、30、60および120分後に尾静脈から採血をおこない、血糖値を測定した。血糖値の測定はアントセンスIII(バイエルメディカル社製)にて測定した。結果を図3に示す。図3中の「○」は、薬物を投与しないコントロール群、「●」は、化合物1を0.25mg/kg体重となるように投与した群を示す。
【実施例】
【0108】
図3より、薬物を投与せず、スクロース溶液のみを投与したコントロール群では、投与後、速やかな血糖値の上昇が認められ、15分後には血糖値が140±6mg/dL、30分後には154±4mg/dLに達した。その後、血糖値は徐々に低下し、120分後には投与開始前の正常血糖値まで回復した。一方、化合物1を投与した群では投与開始から15分後の血糖値は、106±5mg/dL、30分後には111±7mg/dLとコントロールに比べ有意に食後過血糖を抑制した。
【実施例】
【0109】
<試験例4>
・α-グルコシダーゼおよびβ-グルコシダーゼに対する阻害活性
ラット小腸以外を酵素源とするグリコシダーゼに対する阻害効果を検証する目的で、酵母由来のα-グルコシダーゼおよび牛肝臓由来β-グルコシダーゼに対する50%阻害活性を測定した。その結果、酵母由来のα-グルコシダーゼに対する50%阻害活性は、化合物3で364μM、化合物4で26μMであった。また、牛肝臓由来β-グルコシダーゼに対する50%阻害活性は、化合物3で334μM、化合物4で0.21μMであった。
【産業上の利用可能性】
【0110】
一般式[1]で表されるピロリジン型イミノ糖またはその塩は、グルコシダーゼ阻害作用を有し、食後過血糖改善効果を発揮する。これらのイミノ糖を有効成分とする医薬は、糖尿病およびそれに付随する疾患、例えば糖尿病性合併症、肥満症、高脂血症、動脈硬化症、高血圧症などを予防あるいは治療する薬剤として有用である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2