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明細書 :淡雪せんだん草とゲットウの焼却灰による強アルカリイオン液の作成

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5838567号 (P5838567)
公開番号 特開2012-176386 (P2012-176386A)
登録日 平成27年11月20日(2015.11.20)
発行日 平成28年1月6日(2016.1.6)
公開日 平成24年9月13日(2012.9.13)
発明の名称または考案の名称 淡雪せんだん草とゲットウの焼却灰による強アルカリイオン液の作成
国際特許分類 C02F   1/68        (2006.01)
A23L   2/00        (2006.01)
FI C02F 1/68 510B
C02F 1/68 530A
C02F 1/68 540Z
C02F 1/68 520Z
C02F 1/68 510A
A23L 2/00 V
請求項の数または発明の数 3
全頁数 5
出願番号 特願2011-041799 (P2011-041799)
出願日 平成23年2月28日(2011.2.28)
審査請求日 平成26年1月9日(2014.1.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
発明者または考案者 【氏名】星村 義一
個別代理人の代理人 【識別番号】110000084、【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
【識別番号】100068700、【弁理士】、【氏名又は名称】有賀 三幸
【識別番号】100077562、【弁理士】、【氏名又は名称】高野 登志雄
【識別番号】100096736、【弁理士】、【氏名又は名称】中嶋 俊夫
【識別番号】100117156、【弁理士】、【氏名又は名称】村田 正樹
【識別番号】100111028、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 博人
審査官 【審査官】井上 能宏
参考文献・文献 特開2007-130568(JP,A)
特開2004-091434(JP,A)
特開2004-359732(JP,A)
調査した分野 C02F 1/00~ 1/78
A61K 35/00~36/9068
特許請求の範囲 【請求項1】
ゲットウ又はコセンダングサの植物体を500~700℃で常圧又は加圧下に焼却した灰を水に投入することを特徴とするアルカリイオン水の製造法。
【請求項2】
コセンダングサが、アワユキセンダングサである請求項記載のアルカリイオン水の製造法。
【請求項3】
アルカリイオン水のpHが11~13である請求項又は記載のアルカリイオン水の製造法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は簡便に無色透明なアルカリイオン水を製造する方法及びアルカリイオン水に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、陽極と陰極の間に素焼、多孔質プラスチック等の隔膜を設け、これに水道水又はミネラル水を入れて、電解することにより、陰極にアルカリ性水、陽極に酸性水を得るアルカリイオン水生成器が広く普及しており、アルカリイオン水は、飲料、調理、医療等に、酸性水は、美容、殺菌等に用いられている。このアルカリイオン水生成器の陽極としては、フェライト電極、酸化イリジウム電極、白金電極が用いられ、陰極としては、ステンレス鋼が使用されているが、電解によりアルカリイオン水を製造すると、水中の硬度成分が陰極にスケールとして付着し、槽電圧が高くなり、ついには通電不能となるため、定期的なスケール除去が必要であった。特許文献1には、電極の極性をごく短時間反転させることによるスケール付着の防止が開示されている。
【0003】
一方、本発明者は、ゲットウ植物体焼却灰又はゲットウ植物体焼却灰とアルミニウム粉体との混合物の放電プラズマ焼結体を水に投入することによりアルカリイオン水が得られることを報告している(特許文献2)。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開平03-109988号公報
【特許文献2】特開2007-130568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電解処理によるアルカリイオン水の製造には陽極、陰極及び隔膜が必要である。一方、特許文献2の方法においては、放電プラズマ焼結装置を必要とし、アルカリイオン水の製造手段は簡便でなく、また装置が高価であった。
従って本発明の課題は、安価かつ簡便にアルカリイオン水を得る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者は、より簡便なアルカリイオン水の製造を開発すべく種々検討したところ、ゲットウ又はコセンダングサの植物体を焼却した灰を水に投入することによりアルカリイオン水が得られることを見出した。しかしながら、得られるアルカリイオン水には、少なからず着色があり、飲料、調理、医療等に用いるには問題があった。そこでさらに検討を続けたところ、前記植物体の焼却灰のうち、500℃未満の温度で焼却された焼却灰を用いて得られたアルカリイオン水は黄色に着色し、一方700℃超の温度で焼却して得られた焼却灰を用いて得られたアルカリイオン水は赤色系に着色するものの、500~700℃の温度で焼却して得られた焼却灰を用いて得られたアルカリイオン水が無色透明となり、味及び臭いもないことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明はゲットウ又はコセンダングサの植物体を500~700℃で常圧又は加圧下に焼却した灰を水に投入することにより得られるアルカリイオン水を提供するものである。
また、本発明は、ゲットウ又はコセンダングサの植物体を500~700℃で常圧又は加圧下に焼却した灰を水に投入することを特徴とするアルカリイオン水の製造法を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のアルカリイオン水は、簡便に得られ、無色透明で、味及び臭いもなく、飲料、調理、医療などに広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ゲットウ焼却灰を水に投入したときのpH変化を示す。
【図2】アワユキセンダングサ焼却灰を水に投入したときのpHの変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のアルカリイオン水の製造に用いられる植物体は、ゲットウ又はコセンダングサである。ここで、ゲットウ(月桃)は、ショウガ科の植物であり、その抽出物は殺菌作用、防虫作用を有することが知られている。本発明に用いるゲットウ植物体は、ゲットウの茎、根、葉、花、果実、種子のいずれでもよく、茎及び葉等を含むものであってもよい。一方、コセンダングサ(Bidens pilosa L.)は、センダングサ属の植物である。コセンダングサとしては、コセンダングサ(B.pilosa var.pilosa)、コシロノセンダングサ(B.pilosa var.minor(Blume)Sherff)、シロノセンダングサ(B.pilosa var.radiata Sch.Bipo)、及びアワユキセンダングサ(B.pilosa var.bisetosa)が挙げられるが、アワユキセンダングサが特に好ましい。これらのコセンダングサは、葉、花、茎、根、果実、種子のいずれでもよく、茎及び葉を用いるのがより好ましい。

【0011】
これらの植物体は、生のものをそのまま焼却してもよく、乾燥した後に焼却してもよい。

【0012】
これらの植物体の焼却条件は、常圧下でも加圧下でもよいが、常圧下が経済的である。本発明においては、焼却温度が重要であり、500~700℃で焼却するのが、得られた焼却灰を水に投入することによりアルカリイオン水の着色を防止する点から重要である。500℃未満の焼却では、得られるアルカリイオン水が黄色に着色する。一方、700℃超の焼却では、得られるアルカリイオン水が赤~褐色に着色する。500~700℃で焼却して得られた焼却灰を水に投入した場合に、選択的に無色透明なアルカリイオン水が得られる。より好ましい焼却温度は550~650℃であり、さらに好ましくは570~620℃である。

【0013】
焼却時間は、植物体全体が灰になるまでの時間でよく、植物体の乾燥状態によって調整すればよい。

【0014】
得られた焼却灰を水に投入すれば、その水のpHが速やかに11~13に上昇し、簡便にアルカリイオン水が得られる。焼却灰の投入量は水1Lあたり5~40gで十分である。pHの上昇に要する時間は1秒~1分である。また、用いられる水は、天然水であっても水道水であってもよく、その温度は5~60℃、さらに15~30℃でよい。

【0015】
水に投入した焼却灰は、pHが安定した後、ろ過などの手段により除去すればよい。

【0016】
得られたアルカリイオン水は、pH11~13であり、そのpHは長期間安定している。また無色透明であり、無味、無臭である。従って、飲料、調理、医療等に有用である。
【実施例】
【0017】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0018】
実施例1
ゲットウ植物体(茎及び葉を含むもの)を、加熱処理なし、300℃、600℃又は900℃の温度で焼却した。得られた焼却灰を水道水1Lあたり40g投入した。得られたアルカリイオン水のpH変化を図1に示す。
また、得られたアルカリイオン水を肉眼観察したところ、加熱処理なし、300℃焼却灰を用いて得られたアルカリイオン水は黄色であった。また、900℃焼却灰を用いて得られたアルカリイオン水は、赤色であった。一方、600℃焼却灰を用いて得られたアルカリイオン水は無色透明であり、無味、無臭であった。
【実施例】
【0019】
実施例2
アワユキセンダングサ(茎及び葉を含む)を、加熱処理なし、300℃、600℃又は900℃の温度で焼却した。得られた焼却灰を水道水1Lあたり40g投入した。得られたアルカリイオン水のpH変化を図2に示す。
また、得られたアルカリイオン水を肉眼観察したところ、加熱処理なし、300℃焼却灰を用いて得られたアルカリイオン水は黄色であった。また、900℃焼却灰を用いて得られたアルカリイオン水は、赤色であった。一方、600℃焼却灰を用いて得られたアルカリイオン水は無色透明であり、無味、無臭であった。
【実施例】
【0020】
実施例3
アワユキセンダングサ(茎及び葉を含む)を用い、400℃、500℃、600℃、700℃又は800℃の温度で焼却した。得られた焼却灰を水道水1Lあたり40g投入した。得られたアルカリイオン水は速やかにpHが11~13になった。
また、得られたアルカリイオン水を肉眼観察したところ、400℃焼却灰を用いて得られたアルカリイオン水は黄色であった。また、800℃焼却灰を用いて得られたアルカリイオン水は、赤色であった。一方、500~700℃焼却灰を用いて得られたアルカリイオン水は無色透明であり、無味、無臭であった。ただし、600℃付近の焼却灰が最も色が良好であった。
図面
【図1】
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【図2】
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