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明細書 :摩擦圧接による突起部の形成

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5429760号 (P5429760)
登録日 平成25年12月13日(2013.12.13)
発行日 平成26年2月26日(2014.2.26)
発明の名称または考案の名称 摩擦圧接による突起部の形成
国際特許分類 B23K  20/12        (2006.01)
B21J   5/06        (2006.01)
FI B23K 20/12 310
B23K 20/12 340
B21J 5/06 C
請求項の数または発明の数 4
全頁数 17
出願番号 特願2012-105082 (P2012-105082)
出願日 平成24年5月2日(2012.5.2)
審査請求日 平成24年6月1日(2012.6.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
発明者または考案者 【氏名】加藤 数良
個別代理人の代理人 【識別番号】110001210、【弁理士】、【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
【識別番号】100106530、【弁理士】、【氏名又は名称】古宮 一石
特許請求の範囲 【請求項1】
マグネシウム合金板、アルミニウム合金板及び銅板から選ばれる板が溶融後、盛り上げられた状態で、頂部の外側部にそって環状部分を有する頂部及び側壁部を有する中空円柱状に形成されていることを特徴とする突起部。
【請求項2】
マグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれる板の表面を、高速回転する中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具により摩擦し、前記工具を板内に侵入させ、前記工具の中空円筒部内側の板を溶融し、中空円筒部内に盛り上がった状態とし、頂部及び側壁部を有する中空円柱を形成し、前記工具が底面に達したところで、前記工具の回転を止めて、中空円柱をこれら工具から引き離して冷却することにより請求項1記載の突起部を形成することを特徴とする突起部の形成方法。
【請求項3】
前記中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具の端部の形状が、ストレート型(Straight型(a))、傾斜型(Taper型(b))、環状急傾斜型(Chamfering型(c))、又は階段型(Step型(d))から選ばれることを特徴とする請求項2記載の突起部の形成方法。
【請求項4】
回転可能に且つ推進する方向に移動可能な回転駆動による摩擦圧接・移動手段の主軸の先端部に取付け手段を介して中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具を取り付け、マグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれる板の表面を、高速回転する中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具により摩擦し、板中に侵入させ、前記工具の中空円筒部内側の板を溶融し、中空円筒部内に盛り上がった部分とし、頂部及び側壁部を有する中空円柱を形成し、前記工具が底面に達したところで、回転を止めて、中空円筒部内側の盛り上がった部分を、前記工具から引き離して請求項1記載の突起部を形成することを特徴とする突起部の形成装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、摩擦圧接による突起部の形成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノートパソコンや携帯電話などのモバイル機器の軽量化を目的にアルミニウム合金やマグネシウム合金薄板が筐体などに用いられている。この筐体にはその組立や筺体に基板、モータなどの取付けるために突起部を設ける必要がある。従来、これらの突起部を形成する際には鍛造法が専ら採用されてきた。この方法は大型の機械を用いて材料の塑性加工の特性を利用するものであり、複雑な操作が必要とされる。例えば、特許文献1(特開平2-6034号公報)に記載されている凸部の形成では、ダイの凹部に対向する位置から偏心したパンチ側凸部により長さ方向及び板厚方向に塑性流動を与えて、素板材に所定形状の凸部を形成する。この方法によると、凸部の形成と同様に、凸部の反対側に必要としない凹部が必然的に形成されるという問題点があり、日経BP社刊「日経メカニカル」第2000.10.no.553号の第70~71頁(非特許文献1)に記載によると、マグネシウム合金を押し出し鍛造すると、流れ模様が発生するなど、表面の外観品質に課題が残り、特に、高いボスを形成した場合、ボスの反対側がくぼんでしまうなどの問題点が指摘されている。
これらのことから形成すべき凸部の周囲の板材を押圧、又は更に形成すべき凸部の裏面に設けた突出部を押圧することにより、形成すべき凸部に向けて素板材の一部が塑性流動させて凸部を形成する(特許文献2、特開2002-273540号)、マグネシウム合金板材に、その厚さ方向の荷重を印加して、凸部を形成する工程を有するマグネシウム合金部品の製造方法において、前記板材表面の凸部を形成しようとする領域近傍における合金材料の流動性Aを、その裏面近傍における合金材料の流動性Bよりも、大きくなるように制御する(特許文献3 特開2004-337935)などの種々の操作が必要であることが指摘されている。
以上の方法では、塑性流動性を利用していることが理解できるが、塑性流動を利用するために種々の煩雑な細かい操作を必要とし、細かい操作をほどこしても、依然として問題点を完全に解決することが困難な状況にあり、従来の方法とは相違する突起部及び突起部の形成方法が必要とされている。
【0003】
前記の材料を用いる突起部の形成に際し材料の塑性流動性を利用して突起部を形成するうえで、鍛造法以外の方法としては以下の方法が候補として考えられる。
スタッド溶接を用いる場合については、筐体表面への凹みや熱影響などの問題があり、これを排除することが困難であると考えられ、現段階では有効な手段ではない。
摩擦圧接による方法では、摩擦圧接自体摩擦面の温度と回転速度の調節が必要とされ(特許文献5、特公昭52-11294号など)、板状態にフインなどを摩擦圧接により取付けようとすると、位置決めなどを考慮して振動手段を採用する(特許文献6 特開11-340392)、圧入の際の圧力調整が必要である(特許文献7 特開2006-255749号公報、特許文献8 特開2006-187778号公報、特許文献9 特開2007-105735号公報)など煩雑な操作が必要とされ、突起部の摩擦圧接により接合された部分の強度が単に一つの材料により形成されている突起部と同じレベルの強度を維持できるかどうかが問題となる。この点では有効な手段ではないと考えられる。
摩擦圧接処理は、通常、回転する中実円柱状体を板材に接触させて板材に凹み部分を形成し、凹み部分の周辺部の材料を溶融軟化させることを利用するために用いるものであり、突起部の形成に利用された事例はない。回転する中実円柱状体による凹みの周辺を溶融軟化させ、その結果により起こる塑性流動は、凹み部分の形成には有効に作用するが、この方法が直ちに突起部を形成するという適用例は考えられない。摩擦圧接処理は、回転するプローブを、板材表面を移動させることによる変形加工を行うものであり(特許文献10 特開2004-74255号公報、特許文献11 特開2005-118877号公報)、移動しない場合には単に材料中の特定部分を溶融状態に保つことにとどまる(特許文献12 特開2005-305480号公報)。
従来の方法では、単に金属板の摩擦圧接処理によって突起部を形成することは期待することはできない。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開平2-6034号公報
【特許文献2】特開2002-273540号公報
【特許文献3】特開2004-337935号公報
【特許文献4】特開2004-337935号公報
【特許文献5】特公昭52-11294号公報
【特許文献6】特開11-340392号公報
【特許文献7】特開2006-255749号公報
【特許文献8】特開2006-187778号公報
【特許文献9】特開2007-105735号公報
【特許文献10】特開2004-74255号公報
【特許文献11】特開2005-118877号公報
【特許文献12】特開2005-305480号公報
【0005】

【非特許文献1】「日経メカニカル」第2000.10.no.553号、第70~71頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、摩擦圧接により得られる新規な形状の突起部及び新規な形状の突起部の新規な製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意前記題を解決すべく、従来の方法では用いられなかった手段を適用することにより、以外にも前記課題を解決することができた。具体的には以下の通りである。
(1)摩擦圧接処理では前記の回転する中実のプローブにより、板材表面を移動させ、プローブの外側を摩擦により塑性変形させ、それにより溶接などの加工を行うものである。中実のプローブを一点で回転させて摩擦圧接処理を行い、板材中に侵入すると、プローブの外側に接する板を溶融させて板材に塑性流動を与えることができる。
本発明者らは中実ではなく、中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具を回転させながら、板材の表面から内面に向かい圧力をかけて押し込むと、これら工具は回転しながら、徐々に板材の内部に侵入し、これら工具の外側の板は溶融を起す一方、これら工具の中空円筒部内の板も、溶融し、塑性流動を起こし、前記工具の中空円筒部内側では溶融した板を盛り上がった状態で取り込み、前記工具が底面に達したところで、回転を止めて、中空円筒部内側の盛り上がった部分を、これら工具から引き離して冷却すると、従来技術では予想されなかった、新たな形状の突起部を形成することができる。
用いる板材が一枚であった場合には、突起部は中空であり、突起部外側の頂部は比較的に平坦であり、孔を開けることができる形状であり、側壁部を有する形状となる。底部は開放状態となる。
用いる板が二枚であった場合には、前記工具の侵入を上側の板の底面に達したところで終了させると、上側の板が頂部及び側壁部を形成している中空円柱状に変形し、下側の板に前記中空円柱状の形状物が前記摩擦圧接により固定されることにより、底部を有する新たな形状の突起部を形成することができる。
いずれの突起部の頂部も中空円筒状工具の内側にそって盛り上がる結果、頂部の外側部分は環状に盛りあがった部分が形成される。
この形状の突起部は絞り加工により成形加工した場合にはこのような部分は存在せず、突起部の形状としては従来知られていない形状となる。使用に際しては、外側の形状が使用に際して適切でないと思われるときには、滑らかな形状にすることができる。又、高さなどが適当でない場合には適当な長さに切断して使用することもできる。
用いる板が一枚による突起部は、頂部に孔を開け、ねじ山を付けることにより、ねじによる固定手段として用いることができる。
用いる板が二枚による突起部は、頂部に孔を開け、ねじ山を付けることにより、ねじによる固定手段として用いることができることの他、外側にねじ山をきることにより利用することができる。
この結果、この筐体にはその組立や筺体に器具を取付けるための突起部として利用できることができる。
(2)具体的には以下のようになる。
(a)摩擦圧接処理による新規な突起部の形成及び製造方法
板(マグネシウム合金板、アルミニウム合金板、及び銅板など)の表面を、高速回転する中空円筒状工具又は段つき中空円筒状工具により摩擦し、板の底面にまで侵入させることにより、前記工具の中空円筒部内側に板の部分を盛り上がらせ、前記工具が底面に達したところで、回転を止めて、中空円筒部内側の盛り上がった部分を、これら工具から引き離して冷却すると、従来技術では予想されなかった、新たな形状の突起部(図4)を得ることができる。得られた突起部は、頂部は比較的に平坦であり、側壁部を有する中空円筒状の形状となる。
盛り上がる高さは中空円筒部内側の高さ以下であり、突起部の外径は中空円筒状工具の内径より僅かに短い。頂部の外側にそって環状に盛りあがった部分が存在する。絞り加工により成形加工した場合にはこのような部分は存在しない。
突起部の外部形状や断面形状は、用いる中空円筒状工具及び段つき中空円筒状工具の形状により相違するものとなる。
(b)摩擦圧接処理による新規な底部を有する突起部の形成及び製造方法
二枚に積み重ねられている上側の板材がマグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれる板材であり、下側の板材がマグネシウム合金板、アルミニウム合金板、銅板、アルミニウム板又は鉄板から選ばれる板材(材料については一枚目と相違するものを用いることができる。)であり、上側の板の表面を、中空円筒状工具又は段つき中空円筒状工具を高速回転させて摩擦圧接させて、侵入すると、中空円筒状工具の中空円筒部内に向かって、上側の板材の部分が盛り上がり、上側の板は下側の板に摩擦圧接された形状の新規な形状の突起部(図6から8)を得ることができる。得られた突起部は中空であり、頂部の外側部分は環状に盛りあがった部分が存在する。絞り加工により成形加工した場合にはこのような部分は存在せず、又、底部を有するものとなり、この形状の構造体は従来知られていないものである。使用に際しては、外側の形状が使用に際して適切でないと思われるときには、滑らかな形状にすることができる。又、高さなどが適当でない場合には適当な長さに切断して使用することもできる。
突起部の高さは円筒工具の内側の高さ以下であり、突起部の外径は中空円筒状工具の内径より僅かに短い。突起部の外部形状や断面形状は、用いる中空円筒状工具の切断面により相違する。
突起部の外部形状や断面形状は、用いる中空円筒状工具又は段つき中空円筒状工具の形状により相違するものとなる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、(1)一枚の板(マグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれる)の表面を、中空円筒状工具又は段つき中空円筒状工具を高速回転で摩擦圧接すると、前記工具の中空円筒部内に板が盛り上がり、新規な形状の突起部を得ることができる。この突起部形状は中空であり、頂部は比較的に平坦であり、孔を明けることができる形状である。
又、本発明によれば、二枚板(上側はマグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれ、下側はマグネシウム合金板、アルミニウム合金板、銅板、アルミニウム板又は鉄板から選ばれる)の上側の板の表面を、中空円筒状工具又は段つき中空円筒状工具を高速回転で摩擦圧接すると、前記工具の中空円筒部内に板の部分が盛り上がり、新規な形状の突起部を形成する。この突起部形状は中空であり、頂部は比較的に平坦であり、下側の板が底部に圧接された新規な形状の突起部を得ることができる。
前記突起部はねじ止めが可能な固定手段を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の中空円筒状工具による摩擦圧接処理を行う装置の全体図(一枚板を用いる場合)
【図2】中空円筒状工具の端部の種々の形状を示す図
【図3】中空円筒状工具及び段付中空円筒状工具を示す図
【図4】アルミニウム合金薄板をSUS304ステンレス鋼製外径15mm、内径10mmの中空円筒状工具を用いて、形成した中空円柱を示す図
【図5】本発明の中空円筒状工具による摩擦圧接処理を行う装置の全体図(二枚板を用いる場合)
【図6】AZ31マグネシウム合金薄板を、SUS304ステンレス鋼製外径8mm、内径4mmの中空円筒状工具を用いて、形成した中空円柱を示す図
【図7】AZ31マグネシウム合金薄板を、SUS304ステンレス鋼製外径8mm、内径5mmの中空円筒状工具を用いて、形成した底部を有する中空円柱を示す図
【図8】AZ31マグネシウム合金薄板を、SUS304ステンレス鋼製外径8mm、内径5mmの中空円筒状工具を用いて、形成した底部を有する中空円柱を示す図
【図9】AZ31マグネシウム合金薄板を、SUS304ステンレス鋼製外径6mm、内径3mmの中空円筒状工具を用いて、形成した底部を有する中空円柱を示す図
【図10】AZ31マグネシウム合金薄板を、SUS304ステンレス鋼製外径8mm、内径5mmの段付中空円筒状工具を用いて、形成した底部を有する中空円柱を示す図
【図11】中空円筒状工具の端部の種々の形状に応じて突起部が変化することを示す図
【図12】突起部中央部横断面の巨視的組織を示す図
【図13】突起部中心の底部から頂部までの高さを測定した結果を示す図
【図14】突起部の圧縮強度は、端部の形状に応じて変化することを示す図
【図15】突起部破断面の状態を示す図

【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(a)摩擦圧接処理による形成される突起部及びその製造方法
マグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれる一枚板の表面を高速回転する中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具により摩擦圧接処理し、中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具を前記板内に侵入させることにより、前記工具の中空円筒部内側の前記板を溶融状態で中空円筒部内側に盛り上がった状態とし、前記工具を板の底面に達したところで、その回転を止めて、中空円筒部内側の盛り上がった部分を、これら工具から引き離して冷却することにより、マグネシウム合金板、アルミニウム合金板及び銅板から選ばれる板が盛り上げられて側壁部及び頂部が形成され、中空円柱状である突起部を得ることができる。
【0011】
本発明の突起部の形成装置は以下の通りである。
回転しつつ推進する方向に移動可能となる回転可能に且つ推進する方向に移動可能な回転駆動による摩擦圧接・移動手段の主軸の先端部に取付け手段を介して中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具を取り付け、マグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれる板の表面を、高速回転する中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具により摩擦圧接し、板内に侵入させ、板内に侵入させることにより、前記工具の中空円筒部内側の前記板を溶融状態で中空円筒部内側に盛り上がった状態とし、頂部及び側壁部を有する中空円柱を形成し、前記工具が底面に達したところで、前記工具の回転を止めて、中空円柱をこれら工具から引き離して冷却することにより、前記工具から引き離して突起部を形成する突起部の形成装置である。
図1は本発明の中空円筒状工具による摩擦圧接処理Aを行う装置の全体図である。
摩擦攪拌処理装置の支持台8にはコラム7が上方へ延びるように設けられている。支持台8の上面には図示しないクランプ手段により板材4が固定されている。板材は、マグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれる。コラム7には、回転可能に且つ推進する方向に移動可能となる圧接推進・回転駆動用モータ1が設けられている。主軸9の先端には取付け手段5であるチャックが設けられている。
回転可能に且つ推進する方向に移動可能な回転駆動による摩擦圧接・移動手段となる摩擦圧接・移動用モータ1の主軸の先端部に取付け手段を介して中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具が取り付け、板材4の表面を中空円筒状工具又は段つき中空円筒状工具3により摩擦圧接し、板4中に侵入させ、前記工具の中空円筒部内側の板材を溶融させる。前記工具の中空円筒部内側の前記板を溶融状態で中空円筒部内側に盛り上がった状態とし、頂部及び側壁部を有する中空円柱6を形成し、前記工具が底面に達したところで、前記工具の回転を止めて、中空円柱をこれら工具から引き離して冷却することにより目的とする、一枚のマグネシウム合金板、アルミニウム合金板及び銅板から選ばれる材料が盛り上げられて側壁部及び頂部が形成され、中空円柱状である前記板による突起部を得ることができる。
【0012】
用いる板材4は、マグネシウム合金板、アルミニウム合金板、又は銅板から選ばれる。板材4は、中空円筒状工具又は段つき中空円筒状工具を構成する材料よりも融点が低く、且つ熱膨張率が大きい。板材の厚みは適宜決定することができる。一般に薄板であればよく、通常0.3mm以上であり、2mm程度の範囲のものが使用される。実施例では、1.4mmのものを挙げている。
【0013】
中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具3には前記の板材を用いる場合であれば、SUS304ステンレス鋼製のものを用いることができる。使用する材料に応じて決定すればよい。これら工具3は板材4よりも融点が高く且つ熱膨張率が小さい材料であれば、使用することができる。
中空円筒状工具及び段付中空円筒状工具は^に示されている。
中空円筒状工具の内径は形成しようとする突起部の外径に応じて適宜決定することができる。具体的には、外径15mm、内径10mm、外径8mm、内径5mm;外径6mm、内径3mm;外径6mm、内径3mmなど多くの形状のものを使用しており、適宜選択して使用できる。外径としては最大で、20mm程度、内径15mm程度のものを使用できる。又、外径としては最小で、5mm程度、内径3mm程度のものを使用できる。
中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具3の端部は種々の形状のものを使用できる(図2)。この形状に応じて形成される突起部6の形状も変化する。
加工(摩擦圧接処理)の条件は、前記中空円筒状工具の形状、回転数、板材にかかる圧力及び加工時間により定まる。
【0014】
中空円筒状工具3の回転数は、5000rpm以上であればよく、8000から10000rpmが採用される。勿論、10000rpm以上でもよく、使用する装置により定まる。発明者らの実験によれば、50000rpm程度を確認している。
中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具3による板材にかかる摩擦圧力は、15MPa以上で十分であり、実施例では30MPaの場合を挙げている。上限は使用する装置により定まる。不必要に高くする必要はない。
周速度は150m/min程度あればよい。
【0015】
一枚板の表面を、中空円筒状工具又は段つき中空円筒状工具3を高速回転で板を摩擦圧接し、前記工具3を板中に侵入させると、これら工具の中空円筒部内側に板が盛り上がった状態で入り込み、中空円筒部内に盛り上がる高さは、一般的に5mmから7mm程度である(7mm程度については確認している。)。中空円筒状工具の中空円筒部の高さは、この高さ以上の高さのものを使用することが必要である。これよりも短い高さとすると、盛り上がる状態の後、出ていくところがなく、トラブルが発生する。得られる突起部の高さは突起部が冷却されるので、この高さより低い。
【0016】
突起部形状の外側は中空円筒状工具を写し取ったと同じような形状となり、突起部外周には中空回転工具による擦過痕が残存する。突起部先端部外周には、ばりによる盛り上がりが認められる(頂部の外側部にそって、環状に盛りあがった部分が認められる。)。突起部内部は板材が内部に取り込まれた形状をしており中空円柱状であり、底面では中空であることが観察される。
図4に示されるように、中空円柱状の突起部外径はほぼ10mmに近く、突起部高さは7mmに近い。突起部外径に対して突起部外形の高さは高く、形状は急俊である(深絞り加工などではこのような形状を成形加工することはできないものと考えられる。)。頂部には平坦部が見られる。同じく^にも中空円柱状の図を示している。
頂部には平坦部があり、孔を明けることができる。ねじきりを設けることができ、筐体などのねじ止めするために用いることができる。
得られる突起部の圧縮強度は、ねじ止めに耐えることができる。筐体をねじ止めする手段として広範囲の利用が考えられる。
【0017】
(b)摩擦圧接処理による新規な突起部及びその製造方法
二枚に積み重ねられている上側の板がマグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれる板であり、下側の板がマグネシウム合金板、アルミニウム合金板、銅板、アルミニウム板又は鉄から選ばれる板(板の材料については上側の板と相違するものを用いることができる。)を用いる。
マグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれる上側の板の表面を高速回転する中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具により摩擦圧接処理し、中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具を前記板内に侵入させる。前記工具の中空円筒部内側の前記板を溶融し、中空円筒部内側に盛り上がった状態とし、上側の板材により頂部及び側面部を形成している中空円柱を形成する。
前記工具が上側の板の底面に達したところで、その回転を止めて、変形された中空円柱に、摩擦圧接により下側の板による底部を形成し、上側の板による中空円柱状に、下側の板による底部を摩擦圧接した新規な形状の突起部を得ることができる。
これらを工具から引き離して冷却することにより、独立した形状の新規な形状の突起部を完成することができる。
【0018】
本発明の二枚の板により形成されている突起部の形成装置は以下の通りである。
回転可能に且つ推進する方向に移動可能な回転駆動による摩擦圧接・移動手段の主軸の先端部に取付け手段を介して中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具を取り付け、二枚に積み重ねられている上側の板材がマグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれる板であり、下側の板がマグネシウム合金板、アルミニウム合金板、銅板、アルミニウム板又は鉄板から選ばれる板であり、上側の板を、高速回転する中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具により摩擦圧接し、上側の板中に前記工具を侵入させ、前記工具の中空円筒部の内側の板を溶融し、盛り上げられた状態で頂部及び側壁部を有する中空円柱に形成し、前記工具が上側の板材の底面に達したところで、工具の回転を止めて、形成された中空円柱に、摩擦圧接により下側の板材による底部を形成し、これを工具から引き離すことによる、二枚の板による突起部の形成装置である。
図5は本発明の中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具3による摩擦圧接処理Bを行う装置の全体図である。
摩擦攪拌処理装置の支持台8にはコラム7が上方へ延びるように設けられている。支持台8の上面には図示しないクランプ手段により板4が固定されている。
板4は、二枚に積み重ねられている上側の板がマグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれる板であり、下側の板がマグネシウム合金板、アルミニウム合金板、銅板、アルミニウム板又は鉄から選ばれる板(板の材料については上側の板と相違するものを用いることができる。)を用いる。
コラム7には、回転可能に且つ推進する方向に移動可能な回転駆動による摩擦圧接・移動手段である摩擦圧接・移動用モータ1が設けられている。主軸9の先端には取付け手段であるチャック3が設けられている。
回転可能に且つ推進する方向に移動可能な回転駆動による摩擦圧接・移動手段となる摩擦圧接・移動用モータ1の主軸の先端部に取付け手段であるチャック5を介して中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具3を取り付け、板材4の表面を中空円筒状工具又は段つき中空円筒状工具により摩擦圧接し、板中に侵入させ、前記工具の中空円筒部内側の板材を溶融させる。前記工具の中空円筒部内側の前記板を溶融状態で中空円筒部内側に盛り上がった状態とし、頂部及び側壁部を有する中空円柱を形成し、前記工具が底面に達したところで、前記工具の回転を止めて、中空円柱をこれら工具から引き離して冷却することにより目的とする、上側の板であるマグネシウム合金板、アルミニウム合金板及び銅板から選ばれる材料が盛り上げられて側壁部及び頂部が形成され、前記工具が上側の板の底面に達したところで、その回転を止めて、変形された中空円柱6に、摩擦圧接により下側の板による底部10を形成し、上側の板による中空円柱状に、下側の板による底部を摩擦圧接した新規な形状の突起部を製造する。
【0019】
二枚に積み重ねられている上側の板がマグネシウム合金板、アルミニウム合金板又は銅板から選ばれる板材であり、下側の板材がマグネシウム合金板、アルミニウム合金板、銅板、アルミニウム板又は鉄から選ばれる板材料については一枚目と相違するものを用いることができる。)である。
上側の板は、中空円筒状工具又は段つき中空円筒状工具を構成する材料よりも融点が低く、且つ熱膨張率が大きいものを選択する。
板材の厚みは適宜決定することができる。上側の板材は一般に薄板であればよく、通常0.3mm以上であり、2mm程度の範囲のものが使用される。実施例では、1.4mmのものを挙げている。下側の板材は底部を形成するものであるから、格別限定されない。上側の板材以下の厚さのものでも、裏面に凹みなどの生じても、かまわないなどの場合には問題ない。同じ程度の厚さのものを用いておけば凹みなどが生ずる問題はない。
【0020】
中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具3には前記の板材を用いる場合あれば、SUS304ステンレス鋼製のものを用いることができる。使用する材料に応じて決定すればよい。これら工具3は板材4よりも融点が高く且つ熱膨張率が小さい材料であれば、使用することができる。
中空円筒状工具及び段付中空円筒状工具は図3に示されている。
中空円筒状工具の内径は形成しようとする突起部の外径に応じて適宜決定することができる。具体的には、外径15mm、内径10mm、外径8mm、内径5mm;外径6mm、内径3mm;外径6mm、内径3mmなど多くの形状のものを使用しており、適宜選択して使用できる。外径としては最大で、20mm程度、内径15mm程度のものを使用できる。又、外径としては最小で、5mm程度、内径3mm程度のものを使用できる。
中空円筒状工具3の端部は種々の形状のものを使用できる(図2)。この形状に応じて形成される突起部6の形状も変化する。
加工(摩擦圧接処理)の条件は、前記中空円筒状工具の形状、回転数、板材にかかる圧力及び加工時間により定まる。
【0021】
中空円筒状工具3の回転数は、前記の場合と同じであり、同様に操作してよい。回転数は5000rpm以上であればよく、8000から10000rpmが採用される。勿論、10000rpm以上でもよく、使用する装置により定まる。発明者らの実験によれば、50000rpm程度を確認している。
【0022】
中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具3による板材にかかる摩擦圧力は、15MPa以上で十分であり、実施例では30MPaの場合を挙げている。上限は使用する装置により定まる。不必要に高くする必要はない。
周速度は150m/min程度あればよい。
【0023】
上側の板の表面を、中空円筒状工具又は段つき中空円筒状工具を高速回転で摩擦侵入すると、これら工具の中空円筒部内側に板材が盛り上がった状態で入り込み、中空円筒部内に盛り上がる高さは、一般的に5mmから7mm程度である(7mm程度については確認している。)。中空円筒状工具の中空円筒部の高さは、この高さ以上の高さのものを使用することが必要である。これよりも短い高さとすると、盛り上がる状態の後、出ていくところがなく、トラブルが発生する。得られる突起部の高さは突起部が冷却されるので、この高さより低い。
【0024】
突起部の形状は図7から図11に示すとおりである。
突起部形状の外側は中空円筒状工具を写し取ったと同じような形状となり、突起部外周には中空回転工具による擦過痕が残存する。突起部先端部外周には、ばりによる盛り上がりが認められる(頂部の外側部にそって、環状に盛りあがった部分が認められる。)。突起部内部は板材が内部に取り込まれた形状をしており中空円柱であり、底面には下側の板に底部が形成されている。又底部には凹みを有していない。
図7から10に示されるように、中空円柱の突起部外径は中空円筒状工具の内径に近く、突起部高さは5から7mmに近い。突起部外径に対して突起部外形の高さは高く、形状は急俊である(深絞り加工などではこのような形状を成形加工することはできないものと考えられる。)。頂部には平坦部が見られる。
頂部に孔を明けることにより、ねじをきることができる。又、突起部の外側にもねじ山を設けることができる。筐体などのねじ止めするために用いることができる。
得られる突起部の圧縮強度は、ねじ止めに耐えることができる。筐体をねじ止めする手段として広範囲の利用できる。
また、突起部中央部横断面の巨視的組織は図12に示される。得られる高さの一例を示すと、図13に示すとおりである。高さは円筒工具の内側の高さ以下であり、用いる中空円筒状工具の切断面により相違する。
得られる突起部の圧縮強度は、端部の形状に応じて変化する(図14)。階段型(Step型(d))の場合が最も強い強度を示している。
突起部破断面の状態は図15に示すとおりである。
以下に具体例を実施例として示す。
【0025】
市販のアルミニウム合金薄板(板厚1.4mm)を、□30mmに機械加工した後、加工面を脱脂洗浄したものを用いた。中空円筒状工具は円筒状SUS304ステンレス鋼製とし、工具外径15mm、内径10mmのものを用いた。
加工時には冶具により前記アルミニウム合金薄板を固定した。加工に際しては予備実験の結果より中空円筒状工具回転数9550rpm、摩擦圧力が30MPaとした。中空円筒状工具が板厚と同一の1.4mm押込まれた状態で終了した。得られた突起部の外観観察、組織観察、引張試験(突起部内にねじ加工を行い試験片とした。)を室温で行なった。
突起部の外観形状は図4に示すとおりである。突起部形状の外側は中空円筒状工具を写し取ったような状態となり、突起部外周には回転工具による擦過痕が残存していた。突起部先端部外周には、ばりによる盛り上がりが認められた(頂部の外側部にそって、環状に盛りあがった部分が認められた。)。突起部内部は取り込まれた形状で中空円柱状であり、底面では中空であることが観察された。
中空円柱状の突起部外径はほぼ10mmに近く、突起部高さは7mmに近い。
突起部外径の割には突起部外形の高さは高く、形状は急俊である(深絞り加工などではこのような形状を成形加工することはできないものと考えられる。)。頂部には平坦部が見られる。
【0026】
市販のAZ31マグネシウム合金薄板(板厚1.0mm)を、板として用いた。□30mmに機械加工した後、加工面を脱脂洗浄したものを用いた。段付中空円筒状工具は円筒状SUS304ステンレス鋼製とし、外形8mm、内径4mmの中空中空円筒状工具により、予備実験の結果より中空円筒状工具回転数9600rpm、摩擦圧力が30MPaとした。中空円筒状工具が板厚と同一の1.0mm押込まれた状態で終了した。得られた突起部の外観観察、組織観察、引張試験(突起部内にねじ加工を行い試験片とした。)を室温で行なった。
突起部の外観形状は図6に示すとおりである。突起部形状の外側は中空円筒状工具を写し取ったような状態となり、突起部外周には回転工具による擦過痕が残存していた。突起部先端部外周には、ばりによる盛り上がりが認められた(頂部の外側部にそって、環状に盛りあがった部分が認められた。)。突起部内部は取り込まれた形状で中空円柱である。裏面より中空円柱内部が観察できる。
中央部に穴を開けた。
中空円柱の突起部外径はほぼ4mmに近く、突起部高さは6mmに近い。
突起部外径の割には突起部外形の高さは高く、形状は急俊である(深絞り加工などではこのような形状を成形加工することはできないものと考えられる。)。頂部には平坦部が見られる。
【0027】
市販のAZマグネシウム合金薄板(板厚1.0mm)を上下2枚の板として用いた。□30mmに機械加工した後、加工面を脱脂洗浄したものを用いた。段付中空円筒状工具は円筒状SUS304ステンレス鋼製とし、工具外径8mm、内径5mmのものを用いた。
加工時には冶具により前記マグネシウム合金薄板を固定した。加工に際しては予備実験の結果より中空円筒状工具回転数10000rpm、摩擦圧力が30MPaとした。中空円筒状工具が板厚と同一の1.0mm押込まれた状態で終了した。得られた突起部の外観観察、組織観察、引張試験(突起部内にねじ加工を行い試験片とした。)を室温で行なった。
突起部の外観形状は^に示すとおりである。突起部形状の外側は中空円筒状工具を写し取ったような状態となり、突起部外周には回転工具による擦過痕が残存していた。突起部先端部外周には、ばりによる盛り上がりが認められた(頂部の外側部にそって、環状に盛りあがった部分が認められた。)。突起部内部は中空円柱であり、下側の板による底部が観察された。
中空円柱状の突起部外径はほぼ5mmに近く、突起部高さは7mmに近い。
突起部外径の割には突起部外形の高さは高く、形状は急俊である(深絞り加工などではこのような形状を成形加工することはできないものと考えられる。)。頂部には平坦部が見られる。
裏側には僅かな跡が観察された。
【0028】
市販のAZ31マグネシウム合金薄板(板厚1.0mm)を上下2枚の板として用いた。□30mmに機械加工した後、加工面を脱脂洗浄したものを用いた。中空円筒状工具は円筒状SUS304ステンレス鋼製とし、工具外径8mm、内径5mmのものを用いた。
加工時には冶具により前記マグネシウム合金薄板を固定した。加工に際しては予備実験の結果より中空円筒状工具回転数10000rpm、摩擦圧力が30MPaとした。中空円筒状工具が板厚と同一の1.0mm押込まれた状態で終了した。得られた突起部の外観観察、組織観察、引張試験(突起部内にねじ加工を行い試験片とした。)を室温で行なった。
突起部の外観形状は図8に示すとおりである。突起部形状の外側は中空円筒状工具を写し取ったような状態となり、突起部外周には回転工具による擦過痕が残存していた。突起部先端部外周には、ばりによる盛り上がりが認められた(頂部の外側部にそって、環状に盛りあがった部分が認められた。)。突起部内部は取り込まれた形状で中空円柱であり、下側の板による底部が摩擦圧接により形成されていることが観察された。
中空円柱状の突起部外径は、5mmに近く、突起部高さは7mmに近い。
突起部外径の割には突起部外形の高さは高く、形状は急俊である(深絞り加工などではこのような形状を成形加工することはできないものと考えられる。)。頂部には平坦部が
【0029】
市販のAZ31マグネシウム合金薄板(板厚1.0mm)を、上下2枚の板として用いた。□30mmに機械加工した後、加工面を脱脂洗浄したものを用いた。段付中空円筒状工具は円筒状SUS304ステンレス鋼製とし、工具外径8mm、内径3mmのものを用いた。
加工時には冶具により前記マグネシウム合金薄板を固定した。加工に際しては予備実験の結果より中空円筒状工具回転数9600rpm、摩擦圧力が30MPaとした。中空円筒状工具が上側の板厚と同一の1.0mm押込まれた状態で終了した。得られた突起部の外観観察、組織観察、引張試験(突起部内にねじ加工を行い試験片とした。)を室温で行なった。
突起部の外観形状は図9に示すとおりである。突起部形状の外側は中空円筒状工具を写し取ったような状態となり、突起部外周には回転工具による擦過痕が残存していた。突起部先端部外周には、ばりによる盛り上がりが認められた(頂部の外側部にそって、環状に盛りあがった部分が認められた。)。突起部内部は取り込まれた形状で中空円柱状であり、下側の板による底部が摩擦圧接により形成されていることが観察された。裏面に跡が観察される。
中空円柱の突起部外径はほぼ5mmに近く、突起部高さは6mmに近い。
突起部外径の割には突起部外形の高さは高く、形状は急俊である(深絞り加工などではこのような形状を成形加工することはできないものと考えられる。)。頂部には平坦部が見られる。
【0030】
市販のAZ31マグネシウム合金薄板(板厚1.0mm)を、上下2枚の板として用いた。□30mmに機械加工した後、加工面を脱脂洗浄したものを用いた。段付中空円筒状工具は円筒状SUS304ステンレス鋼製とし、工具外径8mm、内径5mmのものを用いた。
加工時には冶具により前記マグネシウム合金薄板を固定した。加工に際しては予備実験の結果より中空円筒状工具回転数9600rpm、摩擦圧力が30MPaとした。中空円筒状工具が上側の板厚と同一の1.0mm押込まれた状態で終了した。得られた突起部の外観観察、組織観察、引張試験(突起部内にねじ加工を行い試験片とした。)を室温で行なった。
突起部の外観形状は図10に示すとおりである。突起部形状の外側は中空円筒状工具を写し取ったような状態となり、突起部外周には回転工具による擦過痕が残存していた。突起部先端部外周には、ばりによる盛り上がりが認められた(頂部の外側部にそって、環状に盛りあがった部分が認められた。)。突起部内部は取り込まれた形状で中空円柱状であり、下側の板による底部が摩擦圧接により形成されていることが観察された。裏面に跡が観察される。
中空円柱の突起部外径はほぼ5mmに近く、突起部高さは6mmに近い。
突起部外径の割には突起部外形の高さは高く、形状は急俊である(深絞り加工などではこのような形状を成形加工することはできないものと考えられる。)。頂部には平坦部が見られる。
【0031】
市販のAZ31マグネシウム合金薄板(板厚1.0mm,σ=13.6%,50.3HK0.05)を、□30mmに機械加工した後、加工面を脱脂洗浄したものを用いた。工具は円筒状SUS304ステンレス鋼製とし、^に示される機械加工したものを使用した。工具内径は生成した突起内部にM4のねじ加工することを想定して6mmとした。
加工時には上板と下板との重ね代が25mmとなるように冶具により固定した。加工に際しては予備実験の結果より中空円筒状工具回転数9550rpm、摩擦圧力が30MPaとし、中空円筒状工具が上板の板厚と同一の1.4mm押込まれた状態で終了した。得られた突起部の外観観察、組織観察、引張試験(突起部内にM4のねじ加工を行い試験片とした。)を室温で行なった。
【0032】
試験結果は以下の通りであった。
突起部の外観形状は図11に示すとおりである。突起部形状は中空円筒状工具を写し取ったような状態となり、突起部外周には回転工具による擦過痕が残存している。突起部先端部外周には、ばりによる盛り上がりが認められた。Taperでは、ばりが突起部先端を覆うような状態となった。Straightでは突起部側面に螺旋状の模様が観察された。
下板裏面には熱影響による変色や変形は、Taper,Chamferingでは認められなかったが、Straight,Stepで僅かに変色が観察された。図には示されていないが、分離した上板は中空円筒状工具により打ちぬかれた状態であり、打抜かれた穴の周囲に、僅かに、ばりが観察された。
突起部中央部横断面の巨視的組織を示す図12では、中空円筒状工具の端部の形状の相違に関わらず、突起部内部には中空(空洞)であることが示されている。突起部の肉厚は突起部頂部では母材(板材)と同程度であったが、突起部側面では突起部頂部から底部にかけて徐々に肉厚は減少した。Straightでは他の中空円筒状工具の形状と比較して空洞は大きく、突起部底部は肉厚の減少が明瞭であった。突起部底部と下板との接合界面には、スタッド溶接に見られるナゲットの生成は観察されなかった。また、中空円筒状工具の形状には関係なく下板の変形は認められなかった。
【0033】
突起部中心の底部から頂部までの高さを突起高さとし、測定した結果を^として示した。図中に示した理論値は突起部が母材と同じ肉厚で、ばりなどによる損失がない理想的な状態で成形されたとして算出した値である。突起部高さはStraightが最も高く、次いでStep,Chamferingとなり、Taperは最も低く、理論値との差も大きかった。このことは
外部観察で明らかなようにTaperでは突起部先端を覆うような状態のばりが発生するためと考える。Straightでは巨視的組織で観察されたように,突起部の底部の肉厚が薄くなるために突起部の高さが理論値より大きくなった。
【0034】
引張試験の結果(図14)によれば、突起部の引張荷重はStep,Chamferingが高く、約650Nの値を示し、次いでTaperであり、突起部底部に薄肉部が存在するStraightは低い値となった。
突起部の引張試験後の断面の状態を示す結果(図15)によれば、破断位置は最も強度の高いChamfering,Stepでは突起部底部より破断したが、Taperは上板と下板との接合部から剥離した。Straightでは薄肉部から破断した。
【符号の説明】
【0035】
A:摩擦圧接処理装置
B:摩擦圧接処理装置
1:摩擦圧接・移動用モータ
2:摩擦圧接・移動用モータ支持部
3:中空円筒状工具又は段付中空円筒状工具
4:板材
5:チャック
6:突起部
7:コラム
8:支持台
9:主軸
10:底部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14