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明細書 :抗菌物質生産菌と発酵菌を共培養する発酵法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2013-150599 (P2013-150599A)
公開日 平成25年8月8日(2013.8.8)
発明の名称または考案の名称 抗菌物質生産菌と発酵菌を共培養する発酵法
国際特許分類 C12N   1/20        (2006.01)
C12N   1/16        (2006.01)
C12P   7/10        (2006.01)
C12C  11/00        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
C12R   1/25        (2006.01)
FI C12N 1/20 ZNAA
C12N 1/20 A
C12N 1/16 A
C12P 7/10
C12C 11/00
C12N 15/00 A
C12N 1/20 A
C12R 1:25
請求項の数または発明の数 11
出願形態 OL
全頁数 22
出願番号 特願2012-284396 (P2012-284396)
出願日 平成24年12月27日(2012.12.27)
優先権出願番号 2011285614
優先日 平成23年12月27日(2011.12.27)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】森永 康
【氏名】古川 壮一
【氏名】荻原 博和
出願人 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000774、【氏名又は名称】特許業務法人 もえぎ特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 4B024
4B064
4B065
Fターム 4B024AA03
4B024AA05
4B024AA17
4B024CA04
4B064AC03
4B064CA02
4B064CA06
4B064CA34
4B064CA37
4B064CC06
4B064CD09
4B064CD21
4B064CD22
4B064DA10
4B064DA16
4B065AA30X
4B065AA80X
4B065AC14
4B065AC20
4B065BB15
4B065BB26
4B065BB29
4B065BC03
4B065BC41
4B065BC50
4B065CA06
4B065CA41
4B065CA60
要約 【課題】雑菌汚染の心配がなく、微生物の流出が起きない長期的に安定して有用な物質を生産できる発酵法の提供。
【解決手段】バクテリオシンを生産する乳酸菌と酵母を共培養することによって得られる凝集物を用いることにより、雑菌汚染や微生物流出の心配がなく、長期的に安定して有用な物質を生産できる発酵法を得た。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
バクテリオシンを生産する乳酸菌と酵母とを共培養することによって得られる凝集物を用いる発酵法。
【請求項2】
バクテリオシンを生産する乳酸菌が、酵母との共凝集性を示し、酵母と共培養した場合に乳酸菌と酵母からなる凝集物を形成する乳酸菌である請求項1に記載の発酵法。
【請求項3】
凝集物がバイオフィルムまたは凝集体である請求項1または2に記載の発酵法。
【請求項4】
バクテリオシンを生産する乳酸菌が、ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌である請求項1~3のいずれかに記載の発酵法。
【請求項5】
バクテリオシンを生産する乳酸菌が、ラクトバチルス・プランタラム HM23株(受領番号 NITE AP-1168)である請求項1~4のいずれかに記載の発酵法。
【請求項6】
酵母が、サッカロマイセス・セレビシエに属する酵母である請求項1~5のいずれかに記載の発酵法。
【請求項7】
バイオフィルムの形成にあたり、担体を用いる請求項3~6のいずれかに記載の発酵法。
【請求項8】
担体がガラスまたはセルロースを含む担体である請求項7に記載の発酵法。
【請求項9】
反復回分培養法または連続発酵法によって行われる請求項1~8のいずれかに記載の発酵法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の発酵法によってエタノールを生産する方法。
【請求項11】
受領番号 NITE AP-1168(HM23)として寄託された乳酸菌。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌物質生産菌としてバクテリオシンを生産する乳酸菌と、当該バクテリオシンに耐性を有する酵母とを共培養することによって得られる凝集物を用い、発酵を行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エタノール、乳酸等の有機酸類、フェネチルアルコール等の香料成分等、有用な物質を微生物の発酵により生産する方法が利用されている。このような発酵法として、一回ずつ原料と微生物を準備して行うバッチ法、微生物菌体の回収系を組込んだ反復回分培養法(半連続発酵法)、または最初に準備した微生物に原料を順次加えることによって持続的に発酵を続ける連続発酵法が知られている。
このうち、反復回分培養法(半連続発酵法)や連続発酵法は、継続的に発酵を続けることにより、有用な物質を大量に生産できる方法として、工業的な利用が期待されているが、発酵を長期的に行うと雑菌汚染が起こりやすく、望むような収率で安定して有用な物質が得られないという問題があった。また、これらの発酵法を実施し、雑菌汚染等が起きた場合には、大量の廃棄物が生じるため廃棄のためのコスト等が非常に高くなるというリスクもあった。
さらに、これらの発酵法では、有用な物質を回収する際に、微生物も一緒に流出(Wash out)してしまい、安定して発酵が続けられない等の問題もあり、雑菌汚染の心配がなく、微生物の流出が起きない長期間実施可能な発酵法の提供が望まれていた。
【0003】
本発明者らは、酵母と乳酸菌とを共培養することにより、これらの微生物が担体に固定化されたバイオフィルムが得られることを見出し(例えば、特許文献1、参照)、このバイオフィルムが有用な物質(エタノール等)の生産を目的とする反復回分培養法に利用できることを確認している(非特許文献1、参照)。
このバイオフィルムを用いた発酵法では、微生物の流出を避けた状態で有用な物質が回収できるため、発酵を長期的に安定して行うことが可能となる。しかし、このようなバイオフィルムを用いただけでは、雑菌汚染の問題を十分に解消し得るとはいえなかった。
【0004】
また、単に乳酸菌と酵母を共培養すればバイオフィルムを形成するともいえず、乳酸菌、酵母およびセラミックビーズ(担体)を充填したバイオリアクター中に糖液を送液し、エタノールと乳酸を含む発酵液を得て、これをウスターソースの製造に利用する系が開示されているが(特許文献2、3、参照)、この系においては、乳酸菌と酵母がバイオフィルムを形成していないため、発酵液の回収に伴い、乳酸菌や酵母が流出する可能性が高かった。
また、発酵中の雑菌汚染を抑制するために、加熱殺菌をした原料溶液を利用したり、食塩濃度が2~16重量%となるような条件で発酵を実施したりすることを必要とする技術でもあり、厳密な管理を行わない限り、雑菌汚染が起こらないとはいえなかった。
【0005】
そこで、本発明者らは雑菌汚染の問題を十分に解消し、長期的に安定して反復回分培養法(半連続発酵法)や連続発酵法等の発酵法を行うことを目的として、本発明において、抗菌物質であるバクテリオシンを生産する乳酸菌の活用に着目した。
従来、このような乳酸菌はバクテリオシンを得ることを目的として培養されており、この乳酸菌が生産したバクテリオシンは、家畜用抗菌剤、反芻動物用のメタン生成抑制剤や飼料組成物、または保存性の高い食品等の製造に利用されてきた(例えば、特許文献4~7、参照)。しかし、バクテリオシン以外の有用な物質を得るために、バクテリオシンを生産する乳酸菌を利用することについては検討されていなかった。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特許第4686791号
【特許文献2】特開平8-9936号公報
【特許文献3】特開平6-189722号公報
【特許文献4】特開2006-169197号公報
【特許文献5】国際公開WO2005/045053号パンフレット
【特許文献6】特開2010-200730号公報
【特許文献7】特開2006-166853号公報
【0007】

【非特許文献1】平成22年度 日本生物工学会大会講演要旨集 82頁、3P-1098
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、雑菌汚染の心配がなく、微生物の流出が起きない長期的に安定して有用な物質を生産できる発酵法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、抗菌物質生産菌としてバクテリオシンを生産する乳酸菌と、当該バクテリオシンに耐性を有する酵母を共培養することによって得られる凝集物を用いることにより、雑菌汚染の心配がなく、微生物の流出が起きない長期的に安定して有用な物質を生産できる発酵法が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の発酵法では、乳酸菌と酵母とが、安定な菌叢を保持した凝集物を形成しているため、微生物が流出するおそれがない。また、乳酸菌自体が産生するバクテリオシンによって雑菌汚染が抑制されるため、発酵液のpHを一定に保ったり、原料を殺菌処理して発酵に用いたりする、雑菌汚染を抑制するための手間も必要なく、そのまま反復回分培養法(半連続発酵法)や連続発酵法を簡便に続けることが可能となる。
【0010】
すなわち、本発明は次の(1)~(11)の発酵法、エタノールを生産する方法等に関する。
(1)バクテリオシンを生産する乳酸菌と酵母とを共培養することによって得られる凝集物を用いる発酵法。
(2)バクテリオシンを生産する乳酸菌が、酵母との共凝集性を示し、酵母と共培養した場合に乳酸菌と酵母からなる凝集物を形成する乳酸菌である上記(1)に記載の発酵法。
(3)凝集物がバイオフィルムまたは凝集体である上記(1)または(2)に記載の発酵法。
(4)バクテリオシンを生産する乳酸菌が、ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌である上記(1)~(3)のいずれかに記載の発酵法。
(5)バクテリオシンを生産する乳酸菌が、ラクトバチルス・プランタラム HM23株(受領番号 NITE AP-1168)である上記(1)~(4)のいずれかに記載の発酵法。
(6)酵母が、サッカロマイセス・セレビシエに属する酵母である上記(1)~(5)のいずれかに記載の発酵法。
(7)バイオフィルムの形成にあたり、担体を用いる上記(3)~(6)のいずれかに記載の発酵法。
(8)担体がガラスまたはセルロースを含む担体である上記(7)に記載の発酵法。
(9)反復回分培養法または連続発酵法によって行われる上記(1)~(8)のいずれかに記載の発酵法。
(10)上記(1)~(9)のいずれかに記載の発酵法によってエタノールを生産する方法。
(11)受領番号 NITE AP-1168(HM23)として寄託された乳酸菌。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、抗菌物質であるバクテリオシンが生産されている状態で発酵を進めることができるため、反復回分培養法や連続発酵法により、雑菌汚染を抑制しながら、長期的かつ大量にエタノール等のアルコール類、乳酸等の有機酸、フラノン類等の香料成分等の有用物質を生産することが可能となる。また、バクテリオシンが生産されている状態で発酵が進められ、十分に雑菌汚染が抑制できることから、発酵のための材料の殺菌処理等も軽減することができ、費用、時間等の負担を長期的に減らすことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】バイフィルムリアクターを用いた連続エタノール発酵用装置の概要を示した図である(実施例1)。
【図2】ラクトバチルス・プランタラムHM23株(受領番号NITE AP-1168)(以下、HM23株と示す場合がある)のバイオフィルム形成能を示した図である(試験例3)。

【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の「発酵法」は、“バクテリオシンを生産する乳酸菌と酵母とを共培養することによって得られる凝集物を用いること”を必須条件として行うものであればよく、その他の方法を含んでいてもよい。
本発明の「凝集物」とは、乳酸菌と酵母によって形成される「凝集体」や「バイオフィルム」等のことをいう。
「凝集体」とは固体同士が何らかの相互作用により接着(付着)し合って形成する集合体のことで、ここでは酵母と乳酸菌という異種の細胞同士の接着によって形成されるものをいう。また、「バイオフィルム」とは固液界面、気液界面などの界面に形成される細胞集合体であって、酵母と乳酸菌の細胞同士の接着により形成される「凝集体」が固体等の担体の表面や内部に形成され、付着した形態のものをいう。
本発明の具体的な「発酵法」として、“反復回分培養法”または“連続発酵法”が挙げられる。
通常の発酵法では、培養槽内で殺菌した培地に種菌を接種して培養し、培養終了後発酵槽内の発酵液を槽外に回収してから、発酵槽を洗浄・培地を入れて殺菌し、再び種菌を接種して培養を行う回分培養法が主に行われている。
これに対し、“反復回分培養法”では、まず、1)通常の回分培養法と同様に培養を開始し、培養終了後に発酵液を培養槽の外部に流出させ回収する。次に、2)発酵液を引き抜いた培養槽を洗浄・殺菌することなく、新たな培地を満たし、新たな種菌を接種することなく、再び培養を開始する。そして、3)1)および2)の操作を反復する。
このような1)~3)の手順によって行われる“反復回分培養法”では、種菌を接種する作業を省くために、菌を含む発酵液を次の培養の種菌として一部発酵槽内に残しておく方法が用いられている。しかし、本発明における“反復回分培養法”による発酵法では、発酵液を全て培養槽の外部に流出させ回収しても、「バクテリオシンを生産する乳酸菌」と「酵母」とが凝集物上に維持され、発酵槽内に保持されているため、新たに種菌を接種する必要がない。また、本発明の“反復回分培養法”では、発酵液を槽内に残す必要もないため効率よく発酵を行うことができる。
さらに、“連続発酵法”では、殺菌した培地を継続的に凝集物上に維持されている“バクテリオシンを生産する乳酸菌と酵母”に供給し、これと平行して“バクテリオシンを生産する乳酸菌と酵母”が培地を発酵することによって得られる発酵液を持続的に回収することが可能であり、“反復回分培養法”よりも効率よく発酵を行うことができる。
【0014】
本発明の「発酵法」のうち、“連続発酵法”の概略を、一例として、図1に(1)~(7)の矢印として示した。この概略図では凝集物として「バイオフィルム」を用いており、(1)で原料が原料貯槽に貯められ、(2)~(4)で原料が原料貯槽からチューブポンプを経て、本発明で使用するバイオフィルムリアクターに流入し、(5)~(6)で本発明で使用するバイオフィルムリアクターによって発酵された原料の発酵液が、該バイオフィルムリアクターから流出し、発酵液貯液に貯められる。そして、(7)で、発酵液貯液に貯められた発酵液を回収する、という、原料の流入経路および発酵液の流出経路からなるものである。
図1に示したような形態で、本発明の「連続発酵法」を行い、発酵液に含まれる目的物を回収する場合には、バイオフィルムリアクターから回収する発酵液に含まれる目的物の濃度が低下しないように原料の注入を行うことが好ましい。原料の注入速度が速ければ速い程、得られる目的物の量が多くなるため、目的物の濃度の最大値を維持できる範囲で原料の注入速度を調整することが特に好ましい。凝集物として「凝集体」を用いる場合も同様である。
【0015】
図1では、原料および発酵液を管のようなもので流すような形で示しているが、本発明の「連続発酵法」は必ずしもこのような必要はなく、例えば、原料を加えた状態の原料貯槽や回収のための発酵液貯液を必要に応じて付け替えたりする等、バイオフィルムへの原料の供給、および得られた発酵液の回収が継続して行える形態であればどのようなものであってもよい。
このような、本発明の「連続発酵法」を行うための機器としては、従来知られているいずれの機器も用いることができる。また、独自に作成した機器等を用いても良く、バイオフィルムも必ずしもリアクターを用いて作成したものでなくても良い。
なお、凝集物として「凝集体」を用いた場合も同様に従来知られているいずれの機器も用いることができるが、「連続発酵法」を行うにあたり凝集体を破壊しない機器を用いることが好ましく、攪拌等の機能を有さない機器や、攪拌等の機能を有する機器でも、撹拌による「凝集体」の機械的な力に起因する崩壊を最小限にとどめるように調整した機器等を使用することが好ましい。
【0016】
本発明の「凝集物」のうち、「バイオフィルム」とは、固液界面、気液界面などの界面に形成される細胞集合体であって、乳酸菌と酵母の細胞同士の接着により形成される「凝集体」が固体等の担体の表面や内部等に形成され、付着した形態のものをいう。
この「バイオフィルム」は、担体を含む状況で、乳酸菌と酵母がいずれも安定して生育できる条件で共培養することで形成することができる。ここで用いる「担体」としては、本発明の「バイオフィルム」が形成され得る「担体」であれば、いずれの物を用いることもできる。微生物が付着可能な表面積ができるだけ広く、かつ目詰まりを起こさない、多孔質の物質を含む「担体」であることが好ましい。このような物質として、例えば、ガラス、セルロース、ラテックス、ゼオライト、セラミック、焼結ガラス等を挙げることができ、これらを含む「担体」として、ガラスビーズ、セルロースビーズ、ラテックスビーズ、ゼオライト、セラミックビーズ、焼結ガラス、イナワラ、バガス、木材チップ等を本発明の「担体」とすることもできる。また、軽石、活性炭、ウレタンフォームまたはウレタンスポンジのような水処理用微生物固定化担体等も本発明の「担体」として用いることができる。これらの「担体」は、例えば、ガラスビーズとセルロースビーズのように、複数組み合わせてバイオフィルムの形成に用いてもよい。
また、「担体」の形状はどのような形状であってもよく、ビーズ状、繊維状、薄い板状やフィルム状等が挙げられる。「担体」の大きさは、本発明の「連続発酵法」を実施する規模に合わせて調整することができ、例えばガラスビーズ等であれば直径1mm~100mmのもの等が挙げられる。また、イナワラ等を「担体」とする場合には、そのまま用いてよいが、適当な長さ、例えば5mm程度の長さに切断したものを用いてもよく、殺菌してもよいが、未殺菌のものを使用してもよい。
【0017】
「バイオフィルム」の形成は、従来知られているいずれの方法によって行っても良いが、たとえば、ステンレス等の金属製やプラスチック製あるいはガラス製等の容器等に担体となるものを加え、これに凝集物を形成し得る「ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌」を含む培養液および「酵母」を含む培養液を加え、一定時間共培養することで、担体上にバイオフィルムを形成させることができる。
ここで行う一定時間の共培養は、凝集物を形成し得る「バクテリオシンを生産する乳酸菌」および「酵母」が生育可能な温度範囲でバイオフィルムが形成され得る時間であればよく、例えば、25~35度で、16~48時間、共培養を行う等が挙げられる。
また、ステンレス等の金属製、プラスチック製やガラス製等の容器等に加える担体は、使用する担体の種類に応じて適宜加えておけばよく、例えば担体としてガラスビーズ、セルロースビーズ等を使用する場合には、容器の容量を最大限利用するために概ね目いっぱい充填することが好ましい。
【0018】
本発明の「凝集物」のうち、「凝集体」とは、固体同士が何らかの相互作用により接着(付着)し合って形成する集合体のことで、ここでは酵母と乳酸菌という異種の細胞同士の接着によって形成されるものをいう。
「凝集体」は、乳酸菌と酵母がいずれも安定して生育できる条件で、凝集物を形成し得る乳酸菌と酵母を共培養することで形成することができる。
この共培養は、「ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌」と「酵母」のいずれもが生育可能な温度範囲で凝集体が形成され得る時間行えばよく、例えば、25~35度で、16~48時間共培養を行う等が挙げられる。
共培養には乳酸菌の菌液と酵母の菌液を混合したり、酵母と乳酸菌を含む菌液をそのまま培養したりすればよく、必要に応じてこれらの菌液を緩やかに撹拌しながら共培養すると、細胞同士の接触の機会を高めることができる。この撹拌は、使用する装置に応じて、「凝集体」形成に適する撹拌条件を設定すればよい。
【0019】
本発明の「バクテリオシンを生産する乳酸菌」は、凝集物を形成し得る「バクテリオシンを生産する乳酸菌」であれば、いずれの乳酸菌を用いることもできる。
さらに、本発明の「バクテリオシンを生産する乳酸菌」は、酵母との共凝集性を示す「バクテリオシンを生産する乳酸菌」であることが好ましい。ここで、「酵母との共凝集性」とは、酵母と共存した場合に「バクテリオシンを生産する乳酸菌」の細胞と酵母の細胞が細胞間で接着して凝集塊を形成する性質のことをいう。具体的には、一晩(12~16時間)培養した「バクテリオシンを生産する乳酸菌」と酵母とを含む細胞懸濁液を培地中で混合し、静置した後30分以内に目視にて凝集塊の形成が認められるような場合、このような「バクテリオシンを生産する乳酸菌」は、酵母との共凝集性を示す「バクテリオシンを生産する乳酸菌」であるといえる。
【0020】
このような本発明の「バクテリオシンを生産する乳酸菌」のひとつとして、ラクトバチルス・プランタラムに属する乳酸菌が挙げられる。さらに具体的には、本発明者らが鯖寿司より分離した菌株であり、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)において、NITE AP-1168として受領番号を受けているラクトバチルス・プランタラム HM23株(受領日:2011年11月29日)等が挙げられる。
本発明の発酵法に利用できる、この「バクテリオシンを生産する乳酸菌」は、配列表配列番号1に示される16SrDNAの366個の部分塩基配列(HM23株由来)および配列表配列番号2に示される16SrDNAの150個の部分塩基配列(HM23株由来)を有するものであることが好ましい。
さらに、本発明の「バクテリオシンを生産する乳酸菌」は、バクテリオシンを生産する乳酸菌と酵母からなる凝集物を形成し得る「バクテリオシンを生産する乳酸菌」であれば、その16SrDNAの塩基配列において、配列表配列番号1に示される部分塩基配列、および配列表配列番号2に示される部分塩基配列と高い相同性(同一性)を有する部分塩基配列を含むものであってもよい。
ここで、「高い相同性(同一性)」とは、通常、97%以上の相同性をいい、好適には、99%以上の相同性をいい、最も好適には、100%の相同性をいう。
このような16SrDNAの塩基配列を示す「バクテリオシンを生産する乳酸菌」は、ラクトバチルス・プランタラムHM23株と近縁の菌株であっても良く、また、近縁株以外の菌株であっても良い。
【0021】
また、本発明の「酵母」も乳酸菌との共培養により、凝集物を形成し得る「酵母」であれば、凝集性を有する酵母に限らず、単独では凝集性を有さない酵母等、いずれの酵母を用いることもできる。このような酵母として、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)BY4741株またはサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)NBRC0282株)等を挙げることができる。
凝集物を形成し得る「バクテリオシンを生産する乳酸菌」と「酵母」であれば、どのような菌株を組み合わせても良い。また、例えば、本発明の「発酵法」により、発酵液から回収する目的物をエタノールとする場合は、エタノール生成能力にすぐれ、高濃度のエタノールに耐性をもつ「酵母」と高濃度のエタノールに耐性をもつ「バクテリオシンを生産する乳酸菌」を組み合わせて用いることが好ましい。
【0022】
本発明の「発酵法」においては、得たい目的物が発酵液から回収できる原料であればいずれのものも用いることができる。
発酵液から回収したい目的物が、例えば、エタノールである場合には、糖分を含む原料が挙げられ、デンプンやセルロースの糖化液等、バイオマス由来の糖分を含んだ溶液を主体とする培地や果汁、野菜くずなどの廃棄物、海藻等を酸や酵素を利用して糖化したもの等を原料として挙げることもできる。これらの原料は未殺菌のものであっても良く、殺菌されたものを用いてもよい。
本発明の「発酵法」において使用する原料は、水性溶液の状態で凝集物に接することが好ましい。このような水性溶液状の原料は、殺菌、未殺菌のいずれであっても調製後の保存性を高めるために、pH5以下に調整して使用するのが好ましい。
また、原料は、例えば、1日~2日に1回の間隔で調製する等、適宜な間隔で調製して用いることが好ましく、大量に作りだめするのは好ましくない。
凝集物として「凝集体」により「連続発酵法」を行う場合には、「凝集体」の沈降による発酵効率の低下を避けるために、「凝集体」が沈降しない程度の撹拌をすることが好ましい。撹拌の方式としては、撹拌羽を用いる撹拌、発生する二酸化炭素によるガスリフト効果を利用する撹拌等、いかなる方式でも良いが、「連続発酵法」において使用する装置において、「凝集体」を沈降させることなく、また、破壊することのない条件の範囲で撹拌を行うことが好ましい。
【0023】
以下に実施例および試験例を示し、さらに本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限られるものではない。
【実施例1】
【0024】
バクテリオシンを生産する乳酸菌の分離と同定
新たに鯖ずしを分離源として多数の乳酸菌を分離しスクリーニングした。その結果、酵母との共培養において凝集物を形成する能力を有し、かつ、バクテリオシン(抗菌性物質)を産生する乳酸菌としてHM23株を取得した。
HM23株は同定試験の結果、グラム陽性乳酸桿菌で、カタラーゼ陰性、ホモ乳酸発酵、ペプチドグリカンタイプはDAP型であった。
また、16SrDNAの塩基配列を分析した結果、配列表配列番号1に示す部分塩基配列、および配列表配列番号2に示す部分塩基配列を有するものであった。これらの結果より、本発明によって分離されたHM23株はラクトバチルス・プランタラムに属する菌株と同定された。
本発明者らは、このラクトバチルス・プランタラムHM23株を、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に寄託し、NITE AP-1168として受領番号を受けている(受領日:2011年11月29日)。
【0025】
[試験例1]
ラクトバチルス・プランタラムHM23株の抗菌性
1.試料
1)培地
(1)MRS液体培地(DIFCO製)
プロテオース ペプトン No.3,10.0g:牛エキス,10.0g:酵母エキス,5.0g:デキストロース,20.0g:ポリソルベート 80,1.0g:クエン酸アンモニウム,2.0g:酢酸ナトリウム,5.0g:硫酸マグネシウム,0.1g:硫酸マンガン,0.05g:リン酸2カリウム,2.0g:(1L中)
(2)トマトジュース寒天培地(DIFCO製)
トマトジュース20g、ペプトン10g、ミルクペプトン10g、寒天11gを0.06モル濃度のpH6.5MESバッファー(同仁化学製)に溶解後、オートクレーブ殺菌して調製した寒天平板
(3)ラクトバチルスアガーAOAC培地(DIFCO製)
ミルクペプトン15g/l、酵母エキス5g/l、デキストロース10g/l、トマトジュース5g、リン酸1カリウム2g、ポリソルベート80 1g、 寒天10g
2)微生物
(1)乳酸菌
ラクトバチルス・プランタラムHM23株と、被験菌としてペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaseus)JCM5883株(独立行政法人 理化学研究所バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM)より入手)を用いた。
(2)酵母
サッカロマイセス・セレビシエBY4741株(ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)より入手)を用いた。
【0026】
2.抗菌性の評価
1)ラクトバチルス・プランタラムHM23株をMRS液体培地で30℃一晩前培養して得た培養液(5μl)を、トマトジュース寒天培地に接種し、30℃、20時間培養して培養プレートAを作成した。
2)ラクトバチルスアガーAOAC培地をオートクレーブ殺菌後、50℃程度まで冷却した後、被験菌のペディオコッカス・ペントサセウスJCM5883株をMRS液体培地で30℃一晩前培養した発酵液を1/100量接種し、上記1)で調製した培養プレートAに直ちに重層した。
3)上記2)で調製した培養プレートAを30℃、20時間培養し、阻止円の形成を観察した。
なお、上記培養プレートAの調製において、200u/mlのプロテアーゼ(天野エンザイム製ウマミザイム)を含む寒天平板も作成し、プロテアーゼの存在下で阻止円が形成されるか否かを調べることにより、HM23株の産生するバクテリオシンがプロテアーゼで分解されるものであるか否かも合わせて調べた。
【0027】
3.結果
表1に示したように、ラクトバチルス・プランタラムHM23株は、ペディオコッカス・ペントサセウスJCM5885株に対して阻止円を形成し抗菌活性を示したが、サッカロマイセス・セレビシエBY4741株に対しては抗菌性を示さなかった。
また、サッカロマイセス・セレビシエBY4741株との共培養時にもペディオコッカス・ペントサセウスJCM5885株に対し同様の抗菌性物質を産生した。
なお、HM23株による阻止円はプロテアーゼの存在下では形成されなかったことから、HM23株の産生する抗菌物質はプロテアーゼで分解されるバクテリオシンであることが明確に示された。
【0028】
【表1】
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【0029】
[試験例2]
バクテリオシンを生産する乳酸菌の酵母との共凝集性の評価
1.試料
1)培地
(1)MRS液体培地(DIFCO製)
(2)YPD培地
酵母エキス1%、ポリペプトン2%、グルコース2%(pH5.8)となるように調製し、必要に応じてオートクレーブにて120℃、20分間で殺菌した。
2)微生物
(1)乳酸菌
ラクトバチルス・プランタラムHM23株を用いた。
また、比較として、ラクトバチルス・プランタラムNCIMB8826株(NCIMB:アバジーン AB21 9YA,スコットランドより入手)、ラクトバチルス・カゼイ・サブシーシス・ラムノーサスNBRC3831株(独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンターNBRCより入手)を用いた。
これらの菌をそれぞれ一晩10mlのMRS液体培地にて静置培養し、細胞を遠心分離して回収した。その後、YPD培地で2回洗浄した後、10mlのYPD培地にそれぞれ懸濁し、乳酸菌懸濁液を調製した。
(2)酵母
サッカロマイセス・セレビシエBY4741株(ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)より入手)を用いた。これを一晩10mlのYPD培地にて静置培養し、細胞を遠心分離して回収した。その後、YPD培地で2回洗浄した後、10mlのYPD培地に懸濁し、酵母懸濁液を調製した。
3)共凝集性の評価
上記2)にて調製した乳酸菌懸濁液1.0mlと酵母懸濁液1.0mlをミニシャーレ(40mmφ)中で混合した後、混合液を室温にて静置し、30分後に凝集塊の形成の有無を目視にて観察し、凝集塊の形成の程度を評価した。
乳酸菌懸濁液の代わりにYPD培地1.0mlを酵母懸濁液と混合したもの、および、酵母懸濁液の代わりにYPD培地1.0mlの各乳酸菌懸濁液と混合したものを対照として測定した。
その結果、表2に示したように、HM23株は酵母(BY4741株)との強い凝集性を示し、懸濁液混合後30分以内に目視で観察可能な凝集塊を形成した。これに対して、NCIMB8826株やNBRC3831株では凝集塊が観察されなかった。
【表2】
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【実施例2】
【0030】
<バイオフィルムリアクターの作成>
1.試料
1)培地
(1)YPD培地
試験例2と同様に調製したものを用いた。
(2)YPD培地(グルコース10%)
酵母エキス1%、ポリペプトン2%、グルコース10%(pH5.8)となるように調製し、必要に応じてオートクレーブにて120℃、20分間で殺菌した。
2)微生物
(1)酵母
サッカロマイセス・セレビシエBY4741株(ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)より入手)を用いた。
(2)乳酸菌
ラクトバチルス・プランタラムHM23株を用いた。
3)担体
(1)セルロースビーズ(4mmφ):ビスコパールA(AH4050L)(レンゴー株式会社製)
【0031】
2.バイオフィルムリアクター(A)の作成
上記1.の試料と、乳酸菌としてラクトバチルス・プランタラムHM23株、酵母としてサッカロマイセス・セレビシエBY4741株を用い、次の1)~3)の手順により、バイオフィルムリアクター(A)を作成した。
1)プラスチック製の注射筒を利用して作成した50mL容のカラムリアクターにセルロースビーズを充填し、未殺菌のYPD培地を20mL加え、オートクレーブにて120℃、20分間殺菌した。
2)上記1)で殺菌したカラムリアクター内に、殺菌したYPD培地にて、24時間静置培養したラクトバチルス・プランタラムHM23株の培養液と、酵母サッカロマイセス・セレビシエBY4741株の培養液を0.2mLずつ接種した。
3)上記2)を30℃にて24時間培養することで、各担体上にバイオフィルムを形成させ、バイオフィルムリアクター(A)を得た。
【0032】
[試験例3]
ラクトバチルス・プランタラムHM23株のバイオフィルム形成能の確認
乳酸菌としてラクトバチルス・プランタラムHM23株、酵母としてサッカロマイセス・セレビシエBY4741株を用い、次の1)~4)の手順により、ラクトバチルス・プランタラムHM23株の酵母との共培養によるバイオフィルム形成能を調べた。比較としてラクトバチルス・プランタラムHM23株のみ、または酵母のみを用いてバイオフィルム形成能を試験した。
1)酵母は試験例2と同様に調製したYPD培地を用いて27℃で24時間前培養した。
また、ラクトバチルス・プランタラムHM23株はMRS培地(DIFCO製)を用いて27℃で24時間前培養した。
2)上記1)で得られた前培養菌液を、それぞれYPD培地に接種し、これを96穴タイタープレートに1ウェル当たり100μL分注した。前培養菌液は1菌株のみを接種する場合はYPD培地の100分の1量接種し、2菌株接種する場合は1菌株当たりYPD培地の200分の1量接種した。
3)前培養菌液接種後、30℃で24時間静置培養を行った。
4)上記3)の後、クリスタルバイオレット(0.1%)染色法によりバイオフィルムを染色した。染色したバイオフィルムから色素を200μlの70%(v/v)エタノール溶液で溶出し、溶出した色素の590nmにおける吸光度を測定し、バイオフィルム形成量として評価した。
【0033】
その結果、図2に示すように、ラクトバチルス・プランタラムHM23株(図2、HM複合)は酵母との共培養により、高いバイオフィルム形成能を示すことが確認された。なお、図2において、ラクトバチルス・プランタラムHM23株のみのものはHM単独、酵母のみのものは酵母単独として示した。
【実施例3】
【0034】
発酵法(反復回分培養法)によるエタノール生産(1)
上記実施例2で作成したバイオフィルムリアクター(A)において、次の1)~3)の手順により、反復回分培養法により、エタノールの生産を行った。
1)実施例2で作成したバイオフィルムリアクター(A)から培養後の発酵液を取り出し、実施例2と同様に調製した新鮮なYPD培地(グルコース10%)またはYPD培地(グルコース20%)に置換して、30℃にて24時間培養した。
なお、YPD培地(グルコース20%)は、 酵母エキス1%、ポリペプトン2%、グルコース20%(pH5.8)となるように調製し、必要に応じてオートクレーブにて120℃、20分間で殺菌することで調製した。
2)上記1)の培養後の発酵液を回収し、新たに新鮮なYPD培地(グルコース10%または20%)に置換して、30℃にて24時間培養した。
3)合計の培養回数が10回となるように、上記2)を繰り返し、反復回分培養法を行った。
【0035】
エタノール生産量の測定
上記において、全ての培養が終了した時点で、24時間毎に各バイオフィルムリアクター(A)から引抜いた発酵液中のエタノール濃度をアルコール濃度計「アルコメイトAL-3」(株式会社ウッドソン 理研計器(株)製)にて分析した。
【0036】
表3、4に本発明のバイオフィルムリアクター(A)を用いた場合のエタノール生産量(w/v%)を示した。その結果、本発明のバイオフィルムリアクター(A)を用いた場合、いずれのYPD培地を用いた場合でも、10回という複数回の反復回分培養にもかかわらず、安定にエタノールが生産できることが確認できた。
【0037】
【表3】
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【0038】
【表4】
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【0039】
[試験例4]
発酵法(反復回分培養法)における乳酸菌および酵母の生菌数計測
実施例3の発酵法(反復回分発培養法)における生菌数の推移を解析した。
酵母の生菌数測定には、クロラムフェニコール100μg/ml、プロピオン酸ナトリウム10μg/mlを添加したYPD培地(試験例2と同様に調製した)を使用し、乳酸菌の生菌数測定にはアジ化ナトリウム10μg/ml、シクロヘキシミド10μg/mlを添加したMRS液体培地(DIFCO製)を使用した。生菌数はセルロースビーズ1個当たりの生菌数として示した。
その結果、表5に示すように、YPD培地(グルコース10%)を原料とした場合、発酵2日目から10日目にかけて、酵母はビーズ当たり107個以上、乳酸菌は106個以上を維持しており、菌叢の安定性が確認された。またYPD培地(グルコース20%)を原料とした場合、2日目の酵母が少なめだったが、5日目以降は106個以上と安定しおり、10日目においても酵母、乳酸菌とも106個以上の値を示した。
従って、この結果より、HM23株と酵母を組み合わせて作製されたバイオフィルムは、菌が安定して存在し、本発明の発酵法(反復回分培養法)に適していることが明かとなった。
【0040】
【表5】
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【実施例4】
【0041】
発酵法(反復回分培養法)によるエタノール生産(2)
実施例2と同様にBY4741株とHM23株を使用してバイオフィルムリアクター(A)を作成し、実施例2と同様に調製したYPD培地(グルコース10%)、YPD培地(グルコース15%)または実施例3と同様に調製したYPD培地(グルコース20%)を用いて、20日間にわたる長期の反復回分培養法を行った。
なお、YPD培地(グルコース15%)は、酵母エキス1%、ポリペプトン2%、グルコース15%(pH5.8)となるように調製し、必要に応じてオートクレーブにて120℃、20分間で殺菌することで調製した。
【0042】
その結果、表6に示すように、いずれのYPD培地を用いた場合でも、4日目以降は極めて安定して発酵が行われ、エタノールが生産できることが確認できた。
また、TSB平板培地(カゼインペプトン17g/l、ソイペプトン3g/l、塩化ナトリウム5g/l、リン酸二カリウム2.5g/l、グルコース2.5g/l、寒天15g/l、pH7.3)を用いて20日後の発酵液中の菌叢を調べたところ、酵母と乳酸菌以外の雑菌の存在は見出されなかった。
従って、これらの結果より、HM23株等のバクテリオシンを生産する乳酸菌を用いたバイオフィルムリアクターは、発酵における安定性や雑菌排除能が優れており、有用性が高いこと確認できた。
【0043】
【表6】
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【実施例5】
【0044】
発酵法(連続培養法)によるエタノール生産
1.バイオフィルムリアクター(B)の作成
全容670mLのガラス容器をカラムリアクター容器とし、乳酸菌としてラクトバチルス・プランタラムHM23株、酵母としてサッカロマイセス・セレビシエNBRC0282株(独立行政法人 製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター生物資源課(NBRC)より入手)を用い、次の1)~3)の手順により、バイオフィルムリアクター(B)を作成した。
1)全容670mLのガラス容器にセルロースビーズ(4mmφ)を充填し、オートクレーブにて120℃、20分間殺菌した。
2)殺菌したYPD培地(試験例2と同様に調製したもの)500mLに、サッカロマイセス・セレビシエNBRC0282株またはラクトバチルス・プランタラムHM23株を接種し、それぞれ24時間静置培養した。
3)上記2)で得られた培養後の培養液を5mLずつ接種して混合した後、上記1)で調整したカラムリアクターに注入した。
4)上記3)のカラムリアクターを殺菌したYPD培地350mLで満たした後、30℃で24時間培養することで、セルロースビーズ上にバイオフィルムを形成させ、バイオフィルムリアクター(B)を得た。
【0045】
2.発酵法(連続発酵法)によるエタノール生産
上記1.で作成したバイオフィルムリアクター(B)により、次の手順により、エタノールの生産を行った。
即ち、バイオフィルムリアクター(B)に、実施例2と同様に調製し、殺菌したYPD培地(グルコース10%)を、チューブポンプを用いて18mL/hの速度で連続的に注入し、同様の速度でバイオフィルムリアクター(B)から発酵液を引き抜いた。
なお、比較例1として、上記1と同様の手順により、サッカロマイセス・セレビシエNBRC0282株の培養液のみを接種することで作成した酵母単独バイオフィルムリアクターを用い、上記と同様の方法で、連続発酵法によるエタノールの生産も試みた。
【0046】
3.エタノール生産量の測定
上記2.において、24時間毎に各バイオフィルムリアクターから引抜いた発酵液中のエタノール濃度をアルコール濃度計「アルコメイトAL-3」(株式会社ウッドソン 理研計器(株)製)にて分析した。
その結果、表7に示したように、バイオフィルムリアクター(B)を用いた場合、培養5日目にはエタノール濃度が約3.6%(w/v)に到達し、5日目から12日目に至るまで約4%(w/v)のエタノールが連続的かつ安定的に生産されたことが確認できた。
また、引抜いた発酵液のpHを測定したところ、人為的にpH調整をしなくても、連続発酵の2日目から12日目に至る間のすべてにおいて、pH4以下の範囲に維持されていることが分かった。さらに、12日後の発酵液中の菌叢を解析したところ、いずれの担体を用いた場合においても、雑菌の汚染は全く認められなかった。
一方、酵母単独バイオフィルムリアクターを用いた場合では、連続発酵開始5日目にエタノール濃度3.5%(w/v)に到達したが、バイオフィルムリアクター(B)を用いた場合に比べてエタノール濃度が低く、更に8日目以降雑菌の汚染が発生し、連続発酵を中止せざるを得なかった。
従って、これらの結果より、HM23株等のバクテリオシンを生産する乳酸菌を用いたバイオフィルムリアクターは、発酵における安定性や雑菌排除能が優れており、有用性が高いこと確認できた。また、バクテリオシンを生産する乳酸菌と酵母とを組み合わせることにより、連続発酵法によって、長期間安定にエタノールの生産が可能であることが示された。
本発明のバイフィルムリアクターを用いた連続エタノール発酵用装置の概要を図1に示した。
【0047】
図1において、a.は原料貯槽、b.はチューブポンプ、c.は本発明で使用するバイオフィルムリアクター、およびd.は発酵液貯液を示す。また、(1)~(7)の矢印は以下のような原料の流入経路および発酵液の流出経路を示したものである。
(1)原料がa.原料貯槽に貯められる。
(2)~(4)a.原料貯槽からb.チューブポンプを経てc.本発明で使用するバイオフィルムリアクターに流入する。
(5)~(6)c.本発明で使用するバイオフィルムリアクターによって発酵された原料の発酵液が、該バイオフィルムリアクターから流出し、d.発酵液貯液に貯められる。
(7)d.発酵液貯液から発酵液が回収される。
【0048】
【表7】
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【実施例6】
【0049】
麦汁を原料とする連続発酵法によるエタノール(ビール)の生産
原料として麦汁(糖濃度11.5%(w/v))を供給培地として使用して、連続発酵法により、安定的なエタノール(ビール)の生産が可能かどうかを検討した。原料の麦汁は市販のモルトエキス(Advanced Brewing社より購入した手作りビールキットのモルトエキス)を溶解することで調製した。麦汁は調製後、100℃、3分間加熱、室温で冷却後、無菌操作を行うことなく培地貯槽に移し替えて連続発酵に用いた。なお供給培地は1日1回調製した。
【0050】
実施例2、2.と同様に作成したラクトバチルス・プランタラムHM23株とサッカロマイセス・セレビシエNBRC0282株を利用したバイオフィルムリアクターに麦汁を10mL/hの速度で連続的に注入し、同様の速度でバイオフィルムリアクターから発酵液を引き抜いた。供給側の培地貯槽は室温で保持した。7日間、連続発酵法を行い、実施例2と同様の方法で引抜き液中のエタノール濃度を測定した。
その結果を表8に示した。麦汁を原料とした場合にも、エタノールを連続的に安定生産できることが確認された。また、連続発酵法によって得られる培養後の培養液のpHは全ての運転期間を通じてpH3~5の間に維持されていた。
【0051】
【表8】
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【実施例7】
【0052】
イナワラを担体とするバイオフィルムリアクター(C)によるエタノール生産
微生物として、サッカロマイセス・セレビシエBY4741株とラクトバチルス・プランタラムHM23株を使用して、実施例2と同様にバイオフィルムリアクターの作成を行った。
具体的には、実施例2、2.1)と同様に、プラスチック製の注射筒を利用して作成した50mL容のカラムリアクターにセルロースビーズの代わりに5mm程度の長さに切断したイナワラ(未殺菌)を充填し、未殺菌のYPD培地を20mL加え、オートクレーブにて120℃、20分間殺菌した後、実施例2、2.2)および3)の手順でバイオフィルムリアクター(C)を得た。
【0053】
このバイオフィルムリアクター(C)と、対照として、実施例2と同様にセルロースビーズを担体として作製したバイオフィルムリアクター(A)を用い、実施例3と同様の発酵法(反復回分培養法)により、エタノールの生産を行った。
その結果、表9に示すように、イナワラを担体とした場合にも、セルロースビーズを担体とした場合と同様に安定してエタノールを生産できることが確認できた。
また、培養開始から10日後の発酵液中の菌叢を解析したところ、いずれの担体を用いた場合においても、雑菌の汚染は全く認められなかった。
これらの結果より、担体としてイナワラを用いても、バクテリオシンを生産する乳酸菌を用いたバイオフィルムリアクターは発酵における安定性や雑菌排除能が優れており、有用性が高いこと確認できた。
従って、この結果より、本発明を活用することにより、農村地域で容易に入手することができる農産廃棄物であるイナワラを担体としてバイオフィルムを形成させることにより、エタノールを生産させる、地域分散型のバイオマス利用バイオエタノール発酵システムの確立が容易になると考えられた。
【0054】
【表9】
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【実施例8】
【0055】
イナワラを担体とするバイオフィルムリアクター(D)によるエタノール生産
1.試料
1)微生物
(1)酵母
サッカロマイセス・セレビシエBY4741株をYPD培地(DIFCO製)にて、30℃、24時間の静置培養を2回繰り返し、前培養することで種培養液を得た。
(2)乳酸菌
ラクトバチルス・プランタラムHM23株をMRS培地(DIFCO製)にて、30℃、24時間の静置培養を2回繰り返し、前培養することで種培養液を得た。
【0056】
2.バイオフィルムリアクター(D)の作成
50mL容ファルコンチューブに5mm程度の長さに切断したイナワラ(未殺菌)を2g充填し、金網で固定化した。
これに殺菌したYPD培地に酵母および乳酸菌の種培養液を1/200量ずつ接種したものを20ml加え、30℃、24時間共培養して、未殺菌のイナワラ表面にバイオフィルムを形成させ、イナワラ(未殺菌)を担体とするバイオフィルムリアクター(D)を得た。
【0057】
3.反復回分発酵によるエタノール生産
1)上記2.で作成したバイオフィルムリアクター(D)内の培地を実施例2と同様に調製したYPD培地(グルコース10%)20mlに置換し、30℃にて24時間培養した。
2)上記1)の培養後の発酵液を回収し、新たに新鮮なYPD培地(グルコース10%または20%)に置換して、30℃にて24時間培養した。
3)合計の培養回数が10回となるように、上記2)を繰り返し、反復回分培養法を行った。
【0058】
4.エタノール生産量の測定
生成されたエタノールの濃度はアルコール濃度計「アルコメイトAL-3」(株式会社ウッドソン 理研計器(株)製)にて分析した。発酵試験開始2日目以降10日目までの発酵成績を表10に示したが、開始後3日目以降安定した発酵成績が得られ、この間pHは3以上4以下に維持されていた。従って、この結果より、イナワラ(未殺菌)を担体とし、そのまま殺菌せず発酵を行った場合にも、安定してエタノールを生産できることが確認できた。
【0059】
【表10】
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【0060】
5.雑菌排除の検討
上記3.の反復回分発酵の発酵試験開始前(酵母、乳酸菌を接種しない場合)と発酵試験10日目のリアクターバイオフィルムリアクター(D)内の湿重量10gのイナワラを採取して、90mlの生理食塩水を加え、十分に均一化した後に適宜希釈し、PCA培地(一般生菌用;ペプトン 5.0g、酵母エキス2.5g、グルコース1.0g、寒天15.0g、蒸留水1L、pH7.0)、乳酸菌選択培地(MRS+アジ化ナトリウム10mg/L、シクロヘキシミド10mg/L+寒天15.0g、pH6.5)または酵母用選択培地(YPD+プロピオン酸ナトリウム2g/L+クロラムフェニコール100mg/L+寒天15.0g、pH6.5)に塗抹して生菌数を測定した。
【0061】
その結果、表11に示したように、発酵試験開始前の無殺菌イナワラ1g(湿重量)には2.5×105の雑菌が付着しており、付着菌の多くはそのコロニー形態から枯草菌ではないかと考えられた。
一方、発酵試験終了後にはイナワラ1g(湿重量)当たり一般生菌数が4.6×107に増加していたが、乳酸菌が5.1×107、また酵母が1.7×107計測されたことから、一般生菌として計測されたのは全て乳酸菌あるいは酵母と考えられた。このことは、平板培地上に出現したコロニーの形状からも確認できた。
従って、これらの結果より、イナワラ(未殺菌)を担体とし、そのまま殺菌せず発酵を行った場合にも、酵母と乳酸菌の共培養系においては、もともとイナワラに付着していた枯草菌などの雑菌が排除され、高収率なエタノール発酵が可能になることが確認できた。
【0062】
【表11】
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【実施例9】
【0063】
<凝集体の作成>
1.試料
1)微生物
(1)酵母
サッカロマイセス・セレビシエBY4741株をYPD培地(DIFCO製)にて、30℃、24時間の静置培養を2回繰り返し、前培養することで種培養液を得た。
(2)乳酸菌
ラクトバチルス・プランタラムHM23株をMRS培地(DIFCO製)にて、30℃、24時間の静置培養を2回繰り返し、前培養することで種培養液を得た。
【0064】
2.凝集体の作成
全容1Lのジャーファーメンター(BMJ-01、エイブル株式会社製)の撹拌羽を全て取り除き、底部の撹拌子のみとし、撹拌を最小限にとどめることにより、撹拌に伴う凝集体の破壊を防止したものをリアクターとした。
これに、500mlのYPD培地を入れて殺菌した後、酵母および乳酸菌の種培養液を1/200量ずつ接種し、30℃、150rpmでこれらの菌が沈降しない程度に緩やかに撹拌しながら24時間共培養した。共培養後に顕微鏡観察したところ酵母と乳酸菌の共凝集体の形成が認められた。
【0065】
3.連続発酵によるエタノール生産
上記2.で作成した凝集体のリアクターにより、次の手順により、エタノールの生産を行った。
即ち、リアクターにチューブポンプを用いてグルコース濃度10%のYPD培地を20ml/hの速度で連続的に供給するとともに、培養液面に設置したチューブを経由してチューブポンプにより最上部の培養液を引き抜いた。
これにより、凝集体の大部分をリアクター内部に残しつつ、培養液容量を一定に保ちながら30℃にて連続培養を行った。
【0066】
4.エタノール生産量の測定
上記3.の連続発酵によるエタノール生産において生成されたエタノールの濃度を、アルコール濃度計「アルコメイトAL-3」(株式会社ウッドソン 理研計器(株)製)にて分析した。
連続培養を開始後2日目に3.9%(w/v)のエタノール濃度に達し、その後10日目まで安定した発酵成績が得られた。この間9日間のエタノールの平均濃度は4.2%(w/v)であった。また、連続培養を開始した2日目以降10日目まで、培養液のpHは3.5から4.0の範囲に保たれていた。そして、顕微鏡観察の結果、リアクター内には連続培養開始2日目以降10日目の培養終了まで顕著な共凝集体が保持されていることも確認できた。
従って、これらの結果より、酵母と乳酸菌の凝集体により、連続発酵によるエタノール発酵が可能なことが確認できた。
【0067】
5.発酵法(反復回分培養法)によるエタノール生産
上記2.で作成した凝集体のリアクターにより、次の1)~3)の手順により、反復回分培養法により、エタノールの生産を行った。
1)上記2.で作成した凝集体のリアクターから共培養後、撹拌を停止して30分間静置して、凝集体を沈降させた。その後上澄み部分の発酵液を取り出し、実施例2と同様に調製した新鮮なYPD培地(グルコース10%)に置換して、30℃にて24時間培養した。
2)上記1)の培養後の発酵液を回収し、新たに新鮮なYPD培地(グルコース10%)に置換して、30℃、150rpmでこれらの菌が沈降しない程度に緩やかに撹拌しながら24時間培養した。
3)合計の培養回数が10回となるように、上記2)を繰り返し、反復回分培養法を行った。
【0068】
6.エタノール生産量の測定
上記5.において、全ての培養が終了した時点で、24時間毎に凝集体のリアクターから引抜いた発酵液中のエタノール濃度をアルコール濃度計「アルコメイトAL-3」(株式会社ウッドソン 理研計器(株)製)にて分析した。
表12に本発明の凝集体のリアクターを用いた場合のエタノール生産量(w/v%)を示した。その結果、本発明の凝集体のリアクターを用いた場合、10回という複数回の反復回分培養にもかかわらず、安定にエタノールが生産できることが確認できた。
【0069】
【表12】
JP2013150599A_000013t.gif

【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の発酵法によって雑菌汚染を抑制しながら、反復回分培養法や連続発酵法を行うことが可能となり、長期的にエタノール等のアルコール類、乳酸等の有機酸、フラノン類等の香料成分等の有用物質を生産することが可能となる。
本発明の発酵法では、バクテリオシンを生産する乳酸菌を使用するため、雑菌汚染を抑制するための処理が軽減され、従来の方法より単純な工程で発酵を進めることができる。また、殺菌に必要な熱エネルギー等も大幅に削減できる。このような本発明の発酵法は、再生可能エネルギーであるバイオマスエネルギー生産のきわめて重要な要素技術として活用され得る。
【受託番号】
【0071】
(1)NITE AP-1168
【0072】
[寄託生物材料への言及]
(1)Lactobacillus plantarum HM23株
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8(郵便番号292-0818)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付(受領日)
2011年11月29日
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号(受領番号)
NITE AP-1168
図面
【図1】
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【図2】
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