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明細書 :果実の生産方法および果実の結実する植物体の栽培装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5544572号 (P5544572)
公開番号 特開2012-055242 (P2012-055242A)
登録日 平成26年5月23日(2014.5.23)
発行日 平成26年7月9日(2014.7.9)
公開日 平成24年3月22日(2012.3.22)
発明の名称または考案の名称 果実の生産方法および果実の結実する植物体の栽培装置
国際特許分類 A01G   7/00        (2006.01)
FI A01G 7/00 601Z
請求項の数または発明の数 11
全頁数 26
出願番号 特願2010-202157 (P2010-202157)
出願日 平成22年9月9日(2010.9.9)
審査請求日 平成25年8月2日(2013.8.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】511169999
【氏名又は名称】石川県公立大学法人
発明者または考案者 【氏名】加納 恭卓
個別代理人の代理人 【識別番号】110001139、【氏名又は名称】SK特許業務法人
【識別番号】100130328、【弁理士】、【氏名又は名称】奥野 彰彦
【識別番号】100130672、【弁理士】、【氏名又は名称】伊藤 寛之
審査官 【審査官】坂田 誠
参考文献・文献 実開昭63-129445(JP,U)
特開2009-232839(JP,A)
特開平09-66(JP,A)
調査した分野 A01G 7/00
A01G 13/02
特許請求の範囲 【請求項1】
果実の生産方法であって、
前記果実の結実する植物体の果梗及び茎のうち、該果梗及び該茎の結合部の近傍領域の少なくとも一部に果実の周囲を取り囲まない断熱材又は蓄熱材を固定し保温する工程を含む、生産方法。
【請求項2】
請求項1に記載の生産方法において、
前記近傍領域が、前記果梗及び前記茎が形成するT字領域である、生産方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の生産方法において、
前記近傍領域が、前記結合部から300cm以内の領域である、生産方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の生産方法において、
前記保温する工程が、果肉肥大期間の少なくとも一部を含む期間にわたって保温する工
程を含む、生産方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の生産方法において、
前記断熱材または蓄熱材が、前記果梗又は茎の周囲を囲むように設けられている、生産方法。
【請求項6】
請求項5に記載の生産方法において、
前記保温する工程が、前記断熱材又は蓄熱材の内側に設けられた加熱部によって前記断熱材又は蓄熱材の内側の温度制御をする工程を含む、生産方法。
【請求項7】
果実の結実する植物体の栽培装置であって、
前記植物体の果梗及び茎のうち、該果梗及び該茎の結合部の近傍領域の少なくとも一部を保温するための果実の周囲を取り囲まない断熱部を備える、栽培装置。
【請求項8】
請求項7に記載の栽培装置において、
前記断熱部が、前記果梗又は茎の周囲を囲むように構成されている、栽培装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の栽培装置において、
前記断熱部の内側に設けられた加熱部をさらに備える、栽培装置。
【請求項10】
請求項9に記載の栽培装置において、
前記果梗、前記茎、または前記断熱部内側の温度を測定する温度センサと、
該温度センサの検出する温度に基づいて、前記加熱部の加熱強度を制御する制御部と、
を備える栽培装置。
【請求項11】
請求項7から10のいずれかに記載の栽培装置であって
前記断熱部は、反射材、断熱材、蓄熱材、および保温材の少なくともひとつからなる、
栽培装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、果実の生産方法および果実の結実する植物体の栽培装置に関する。
【背景技術】
【0002】
果実の生産において、温度管理の方法として、通常、ハウス、ビニールを筒状にしたトンネル、または畑の表面を紙やプラスチックフィルム等で覆うマルチング等によって温度管理が行われる。
【0003】
しかしながら、これら温度管理方法は、毎日の日射量の変化によって温度が左右されるため、果実の生産において、安定的に適した温度にすることが必要である。
【0004】
果実の生産における温度管理として、例えば、特許文献1には、保温容器でスイカの果実を取り囲み加温することで果肉を肥大化させる栽培法または装置の技術が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、温室メロンの早出し栽培方法として、温室内にて苗床の上部または側面をマルチフィルムで覆い、メロン苗の第一果着果位置付近に熱媒体を通す配管を設置することが記載されている。
【0006】
また、特許文献3には、短縮茎の部分を局部的に直接加温することにより植物の葉部の伸長に必要な所定の温度範囲に維持する事で、植物体の休眠打破や草勢維持を行うことが可能な植物栽培方法が記載されている。
【0007】
また、特許文献4には、作物の茎稈から分岐する所定の枝梗の果房部位に設けた熱交換装置において、該熱交換装置が加温触媒と冷却媒体を切換可能に導通されるようにする。さらに、該熱交換装置が、果房部位で該果房を支持するように構成されている植物栽培の熱交換装置が記載されている。
【0008】
また、特許文献5には、節間が伸長し葉や側枝が茎上に散生してついた主茎、枝、又はシュートをつくる長茎植物の栽培方法が記載されている。またこの文献には、長茎植物の株元の地際から主茎の第1側枝節又は第10節までの主幹部分の全部分又は一部分は、ヒータにより局所的に直接加温し、当該株元部分の加温制御を行うと記載されている。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】特開2009-232839号公報
【特許文献2】特開平1-171415号公報
【特許文献3】特開2005-237371号公報
【特許文献4】特開昭51-74835号公報
【特許文献5】特開2007-259727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記文献記載の従来技術は、以下の点で改善の余地を有していた。
第一に、特許文献1では、スイカにカバーをかけ加温している。そのため、商品として売るスイカの想定サイズ以上の大きさのカバーが必要である。したがって、カバーを設置する場所の確保が必要である。また、栽培初期段階の果実に対してカバーが大きい。そのため、カバーの内側である果実以外の空間の方が果実より加温される体積が大きく加温効率が悪くなる。そのため、この方法にはコスト面で問題があった。また、果実の肥大化によって、果実全体的にわたって糖度が高くなるまでに時間がかかる。
【0011】
第二に、特許文献2では、苗床の上部、側面に苗床を覆うマルチフィルムを使用しており、さらにメロン苗第一果着果位置付近に熱媒体を通す配管を布設している。そのため、苗床を覆うマルチフィルムを設け、さらに配管を通すために工事の必要がある。したがって、メロン栽培中にこの技術を導入することは困難である。さらに苗床が広ければ広いほどその工事コストが高くなるという問題があった。
【0012】
第三に、特許文献3では、植物体の休眠打破や草勢維持を目的としている。すなわち、この方法が果実の生産に役立つかどうかは不明である。また、実施例2の植物栽培装置は、短縮茎を直接ヒータで暖めている。そのため、温度管理に不具合が生じた場合には、その果実全体に悪影響を及ぼす可能性を有する問題があった。
【0013】
第四に、特許文献4では、果実植物の茎稈から分岐する所定段数の枝梗の花房位置に、結実する果実の重量を受けて支持する部材として熱交換装置が取り付けられている。そのために植物体と熱交換装置の接地面積が狭く、熱伝導率が悪いという問題があった。
【0014】
第五に、特許文献5では、株元の地際から主茎の第1側枝節又は第10節までの主幹部分は、ヒータにより局所的に直接加温されている。そのために、株元の地際にヒータを取り付ける際に茂っている植物の葉をかき分け、ヒータを取り付けるという、果実の生産効率が悪い問題があった。また果実の甘さについての記載がなく果実の糖度を高くするかどうか不明である。
【0015】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり糖度または糖含量が高い果実を簡便かつ低コストで生産するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によれば、果実の結実する植物体の果梗及び茎のうち、該果梗及び該茎の結合部の近傍領域の少なくとも一部に断熱材または蓄熱材を固定し保温する工程を含む、生産方法が提供される。
【0017】
この生産方法によれば、果梗及び茎の結合部の近傍領域の少なくとも一部に断熱材または蓄熱材を固定することで、後述する実施例で示すように糖度または糖含量が高い果実が得られる。
【0018】
また、本発明によれば、植物体の果梗及び茎のうち、該果梗及び該茎の結合部の近傍領域の少なくとも一部を保温するための断熱部を備える、栽培装置が提供される。
【0019】
この構成によれば、断熱部によって果梗及び茎の結合部の近傍領域の少なくとも一部が保温されるため断熱部によって、糖度または糖含量が高い果実が得られる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、果梗及び茎の結合部の近傍領域の少なくとも一部が保温しているため、糖度または糖含量が高い果実が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態に係る断熱部を果実の結実する植物体の茎に固定した概念図である。
【図2】実施形態に係る断熱部を果実の結実する植物体に固定した図である。
【図3】実施形態に係る断熱部の断面を示した断面図である。
【図4】実施形態に係る断熱部内側および果実の温度の測定データを示すグラフである。
【図5】実施形態に係る果実の大きさまたは重さの測定データを示したグラフである。
【図6】実施形態に係る果実の糖度または糖含量の測定部位を示した概念図である。
【図7】実施形態に係る果実の糖度の測定データを示したグラフである。
【図8】実施形態に係る果実の糖含量の測定データを示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。なお、以下、茎は枝、幹、蔓、地下茎等を含むことは当業者に理解されるところである。

【0023】
<果実の生産方法>
本実施形態に係る果実の生産方法は、果実の結実する植物体の果梗及び茎のうち、果梗及び茎の結合部の近傍領域の少なくとも一部に断熱材または蓄熱材を固定し保温する工程を含む、生産方法である。この生産方法によると、後述する実施例で、実証されているように、糖度または糖含量の高い果実101が得られる。すなわち、従来方法による生産方法と比較して、糖度または糖含量の高い果実101を短期間で生産することができる。

【0024】
(i)果実の種類
本実施形態で用いる果実の結実する植物体としては、例えば、ウリ科、バラ科、ミカン科、ブドウ科、またはウルシ科に属する植物が好ましい。さらに本実施形態で用いる果実の結実する植物体としては、ウリ科、バラ科、ミカン科、またはウルシ科に属する植物中でもスイカ、メロン、リンゴ、ナシ、洋ナシ、モモ、イチゴ、ビワ、アンズ、サクランボ、ミカン、ブドウ、マンゴーが特に好ましい。さらに本実施形態で用いる果実の結実する植物体として最も好ましいのは、スイカ、メロン、またはリンゴである。なぜならば、スイカやメロンの果実は大きいために、糖度が果肉全体的に上がるためには時間がかかるためである。またリンゴは、蜜を形成するためである。すなわち、これらの果実には、本実施形態の技術を特に好適に適用してより糖度または糖含量の高い果実を従来法より短期間で得ることができるからである。

【0025】
(ii)保温について
図1は実施形態に係る果実101の生産方法を説明するための概略図である。この図に示すように、果梗102及び茎103の結合部の近傍領域の少なくとも一部に断熱部201を固定し保温する。例えば、断熱部201を固定する場所は、果梗102及び茎103の結合部の近傍領域が好ましい。すなわち、果梗102及び茎103の結合部または果実101から300cm以内に設置するのがより好ましい。果梗102及び茎103の結合部または果実101から200cm以内に設置するのがさらに好ましい。最も好ましいのは、断熱部201を果実101から100cm以内に設置することである。さらに、断熱部201は、果梗102及び茎103にて形成するT字領域であればより好ましい。この断熱部201を果梗102及び茎103の結合部の近傍に固定させるほど、断熱部201で保温された果梗102及び茎103の結合部近傍領域の内側の導管篩管もよりよく保温される。すなわち、果実101へ流れる養水分が適切な範囲に温度調節されることで効率よく果実に熱を伝えることができ、果実の保温効果が増すためである。

【0026】
また、果実101の結実する植物体の果梗102及び茎103のうち、断熱部201を固定し保温する領域の果梗102または茎103の長軸方向の長さは、果梗102及び茎103の結合部から5mm以上、200cm以下の範囲内が好ましい。より好ましいのは果梗102または茎103の長軸方向の長さが1cm以上、100cm以下の範囲内のものである。最も好ましいのは、果梗102または茎103長軸方向の長さが1cm以上、30cm以下の範囲内ものである。この断熱部201が茎103の長軸方向に沿って配設される長さが長ければ長いほど、安定的に果梗102または茎103の内側の導管篩管も保温される。そのために果実101へ流れる養水分が温度調節され、果実101の保温効果が増すためである。

【0027】
また、保温する期間は、例えば、果実101の細胞が分裂する細胞分裂期間、果肉細胞が肥大する果肉肥大期間、または甘さを増していく成熟期間のうち果肉肥大期間の少なくとも一部を含む期間にわたって保温するのがより好ましい。最も好ましいのは保温する期間が、開花5日目または6日目から開花20日目から開花60日目までの期間である。果実101の成長する過程において、果実101に養水分が送られる。そのためこの期間に保温することで、果実101の保温効果が増すことにより、生産効率があがるからである。

【0028】
また、保温工程では、例えば、断熱部201の内側において、果実101の生産における適切な温度範囲より、2℃以下の低い温度に下がった場合、加熱部202は断熱部201内側、果梗102または茎103を加温するようにしてもよい。このとき、設定温度より2℃以上の高い温度に上昇した場合、制御部203によって、加熱部202の加温を停止するのが好ましい。また、保温工程では、断熱部201の内側において、6月などの夏期に、気温の下降する午後6時から翌日午前6時の間に加熱部202によって加温するようにしてもよい。このとき、断熱部201の内側の温度について、気温より5℃以上の高い温度に維持されるのが好ましい。また、冬期については、夏期に比べ日中が短い為、断熱部201の内側は、気温の下降する午後4時から翌日午前7時の間に加熱部202によって加温するようにしてもよい。このとき、断熱部201の内側の温度が、気温より5℃以上の高い温度に維持されるのが好ましい。なぜならば、断熱部201の内側を、安定した温度によって保温することができる。そのため、果実の保温効果が増すからである。

【0029】
また、保温工程では、例えば、果実101の温度が、生産における適切な温度範囲より、2℃以下の低い温度に下がった場合、加熱部202によって断熱部201の内側、果梗102または茎103を加温し、設定温度より5℃以上の高い温度に上昇した場合、制御部203によって加熱部202の加温を停止するようにしてもよい。また、保温工程では、6月などの夏期について、気温が上昇する午前6時から午後6時までの昼間に加温を行わず、気温の下降する午後6時から翌日午前6時の夜間に加熱部202によって加温するようにしてもよい。このとき、果実101の温度について、気温より5℃以上の高い温度に維持されるのが好ましい。また、冬期については、気温が上昇する午前7時から午後4時までの昼間に、加温を行わず、気温の下降する午後4時から翌日午前7時の夜間に加熱部202によって加温するようにしてもよい。このとき、果実101の温度が、気温より5℃以上の高い温度に維持されるのがより好ましい。夜間に果実の温度を上げることで光合成された糖の果実への移動する転流が果実101の生産に対して効率的に起きる。すなわち、糖度の高い果実を短期間で生産できる。

【0030】
(iii)断熱部201内側または果実101の温度測定
本実施形態で用いる断熱部201の内側または果実101の温度測定として、例えば、断熱部201の内側の温度測定は、断熱部201の内側に温度センサを備えて行うことが好ましい。また、果実101の温度測定は果実101の果肉組織に温度センサを差し込んで行うことが好ましい。さらに果実101の温度測定は果皮から2cmの深さのところに温度センサを差し込んで行うことがより好ましい。また、断熱部201の内側または果実101の温度測定は、温度センサにて測定させた温度データを温度データロガーで保存することがより好ましい。断熱部201の内側または果実101の温度測定を行うことで、果実101の生産におけるより適切な温度範囲が分かるためである。

【0031】
(iv)果実101の糖度または糖含量の測定
本実施形態で用いる果実101の糖度または糖含量の測定は、例えば、果実101の糖度測定については、Brix計を用いて測定してもよい。このとき、果実101の内部組織を用いるのが好ましい。果実101の糖度測定について、Brix計を用いて測定するとき、果実101を赤道面で折半した近傍の果肉を帯状に切り取り、帯状の果肉組織をさらに左から右へ細断した組織片を用いるのがより好ましい。このようにすれば果実101の内部組織の部分的な糖度を正確に測定することができる。すなわち、全体的に糖含量の高い果実101であるか判断することができる。

【0032】
また、果実101の糖含量の測定については、例えば、HPLCを用いて測定してもよい。このとき、果実101の内部組織片果汁を10倍希釈して測定するのが好ましい。果実101の糖含量について、HPLCを用いて測定するとき果実101の内部組織片果汁は、果実101を赤道面で折半した近傍の果肉を帯状に切り取り、帯状の果肉組織をさらに左から右へ細断した組織片を用いるのが好ましい。果実101の内部組織の部分的な糖含量を正確に測定することができ、全体に糖含量の高い果実であるか判断ができるからである。また、果実101の糖含量の測定する糖については、例えば、単糖、オリゴ糖、および多糖の少なくとも一つを測定するのが好ましい。また果実101の糖含量を測定する糖について、アルドース、またはケトースがより好ましい。果実101の糖含量を測定する糖については、スクロース、グルコース、フルクトースが特に好ましい。甘味を感じる甘味度は糖類によって異なるので、糖含量を正確に測定することで、甘味の強い果実であるか判断することができるからである。

【0033】
<実施形態2:果実101の結実する植物体の栽培装置>
本実施形態に係る果実101の栽培装置は、果実の結実する植物体の果梗102及び茎103のうち、果梗102及び茎103の結合部の近傍領域の少なくとも一部を保温するための断熱部201を備える、栽培装置である。この栽培装置によると、後述する実施例で実証されているように、糖度または糖含量の高い果実101が得られる。すなわち、従来方法による生産方法と比較して、糖度または糖含量の高い果実101を短期間で生産できる。

【0034】
図3は実施形態に係る断熱部201の断面を示した断面図である。断熱部201の設置形態は特に限定するものではないが、例えば、果梗102又は茎103の周囲を囲むように設けることが好ましい。断熱部201を、果梗102又は茎103の周囲の一部を囲むように設けることがより好ましく、さらに好ましいのは、果梗102又は茎103の周囲の全部を囲むように設けることである。この断熱部201を、果梗102又は茎103を囲むように設けることで断熱部201の内部の熱が逃げにくく、また外部から熱が侵入しにくいので、保温効果が高まるためである。

【0035】
また、断熱部201を果梗102または茎103の固定状態は、例えば、断熱部201によって果梗102または茎103を包むように固定することが好ましい。また、断熱部201によって果梗102または茎103を挟みこむように固定することがより好ましい。断熱部201によって、果梗102または茎103を中心として線対称の位置で両方向から挟みこむように固定することがよりさらに好ましい。断熱部201によって果梗102または茎103を挟みこむように固定することによって安定して固定できるからである。

【0036】
また、加熱部202は、特に限定はしないが、例えば、電熱ヒータなどの電力を利用して加熱する加熱部202が好ましい。太陽光線や太陽熱などの太陽エネルギーを利用して加熱する加熱部202がより好ましい。本実施形態は、従来技術と比べ加温する場所は狭くコストが少なくてすむが、さらに環境負荷のない太陽エネルギーを利用することでコストを削減することができ、また果実温度を高く保持でき、果実の糖度または糖含量を増大することができる。

【0037】
また、加熱部202は、特に限定はしないが、例えば、オイルヒータ、熱水ヒータ、温風ヒータ、赤外線ヒータまたは電熱ヒータの少なくともひとつから構成されるのが好ましい。加熱部202が、石英管ヒータ、セラミックヒータ、シーズヒータ、リボンヒータ、ノズルヒータ、バンドヒータ、ベルトヒータ、シリコンラバーヒータ、フレキヒータ、モールドヒータ、およびペルチェ素子の少なくともひとつから構成されるのがより好ましい。果梗102または茎103の特徴や特性に適した加熱部202によって加温をすることができ、果実の保温効果が増すためである。

【0038】
また、制御部203は、特に限定はしないが、例えば、バイメタル、サーミスタまたは熱電対を検知器とする温度センサを備えるのが好ましい。制御部203は、白金抵抗センサ、ロジウム鉄抵抗センサ、セルノックス抵抗センサ、ゲルマニウム抵抗センサ、酸化ルテニウム抵抗センサ、およびキャパシタンスセンサの温度センサを少なくともひとつから構成されるのがより好ましい。果梗102または茎103の特徴や特性に適した制御部203の温度センサによって検出する断熱部201の内側の温度に基づいて、加熱部202の加熱強度を制御するので、断熱部201の内側の温度が安定した温度によって保温することができ果実101の保温効果が増すためである。

【0039】
また、断熱部201は特に限定しないが、例えば、防水材、防露材、放熱材、防腐材、耐酸性材、反射材、断熱材301、蓄熱材302、および保温材303の少なくともひとつから構成されるのが好ましい。これらの中でも特に、反射材、断熱材301、蓄熱材302、および保温材303の少なくとも一つから構成されるのがより好ましい。さらにこれらの中でも、断熱材301、蓄熱材302、または保温材303から構成されるのが最も好ましい。断熱部の素材の効果によって、さらに果実101の保温効果が増すためである。

【0040】
また、断熱材301は、例えば、アルミホイルなどの金属系断熱材、グラスウールなどの繊維系断熱材、ポリスチレンフォームなどの発泡系断熱材、または真空断熱材が好ましい。断熱材は、グラスウール、セルロースファイバー、炭化コルク、ウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、またはアルミホイルが特に好ましい。断熱材301の素材の断熱効果によって、さらに果実101の保温効果が増すためである。

【0041】
また、蓄熱材302は、例えば、塩化カルシウムなどの無機水和塩、パラフィンなどの有機物化合物、または水が好ましい。蓄熱材は、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、パラフィン、または水が特に好ましい。例えば、太陽光線や太陽熱などの太陽エネルギーを利用することによって、日没後でも潜熱を利用して、加温することができる。蓄熱材302の素材の蓄熱効果によって、さらに果実101の保温効果が増すためである。

【0042】
また、保温材303は、例えば、アスベストなどの繊維系断熱材、発泡ポリエチレンなどの発泡系断熱材、または気泡緩衝材が好ましい。保温材303は、気泡緩衝材を用いるのがより好ましい。なぜならば保温材303の素材の保温効果によって、さらに果実101の保温効果が増すためである。

【0043】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。

【0044】
例えば、上記実施の形態では断熱部201を固定する場所を果梗102及び茎103の結合部または果実101から300cm以内に設置するのがより好ましいとしたが、メロンなどの草本植物に対しては、果梗102及び茎103の結合部または果実101から100cm以内に設置するのがより好ましい。メロンなどの草本植物に対しては、果梗102及び茎103の結合部または果実101から50cm以内に設置するのがさらに好ましい。メロンなどの草本植物に対して、最も好ましいのは、断熱部201を果実101から30cm以内に設置することである。このようにすれば、果実が地面に近くにあるような、果梗102及び茎103の結合部の近傍領域に断熱部201の取り付けが安易な植物体の場合、果実101により近い場所に断熱部201を設置することで、果実101の保温効果が増すという利点が得られる。

【0045】
例えば、上記実施の形態では果梗102及び茎103の結合部の近傍領域を果梗102及び茎103が形成するT字領域としたが、果梗102、茎103、または葉柄が形成する十字領域、H字領域、I字領域、または多形領域としてもよい。このようにすれば、葉柄または側枝などの茎103が多く集まる部分を保温することで、内部の導管篩管も保温され、より多くの養水分が温度調節され、効率よく果実101に熱を伝えることができ、果実101の保温効果が増すという利点が得られる。

【0046】
例えば、上記実施の形態では保温する期間を果実101の細胞分裂期間、果肉肥大期間、成熟期間のうち果肉肥大期間の少なくとも一部を含む期間としたが、結実前、結実後、または果実101の熟成期間後としてもよい。このようにすれば、結実前または果実101の熟成期間後の温度によって果実101の生産に影響されやすい結実する植物体の種類によっても果実101の生産性が向上するためである。

【0047】
例えば、上記実施の形態では保温温度は、20℃以上が好ましいとしたが、0℃以下の温度、0℃以上20℃以下の低温、20℃以上45℃以下の平温、または45℃以上の高温としてもよい。このようにすれば、保温温度を0℃以下の温度にした場合は、果実101の水分を凍らすことで、果実101の糖やその他溶質が未凍結部分に濃縮され、高糖度の果汁を得ることができる。また果実101の出荷にあわせて、保温温度を低温にし、果実101の成長を人為的に遅らせることができる。また、高温にすると、早期に果実101を熟することができるためである。

【0048】
例えば、上記実施の形態では保温工程が、加熱部202によって断熱部201の内側の温度制御をする工程を含むとしたが、冷却部によって断熱部201の内側の温度制御をする工程を含むとしてもよい。このようにすれば、例えば、断熱部201の断熱作用を超えたときに、断熱部201の内側の温度が上がるのを防ぐことができ、安定した温度によって保温することができ果実101の保温効果が増すためである。

【0049】
例えば、上記実施の形態では断熱部201による果梗102または茎103の固定状態は、断熱部201によって果梗102または茎103をつつむように固定するとしたが、果梗102または茎103の全方向を固定部で囲い固定してもよい。このようにすれば、例えば、メロンなど果梗または茎の有無でその商品価値が大きくかわる果実において、果梗102または茎103の全方向を囲い固定することで果梗102または茎103の保護する新たな効果を生むことができる。

【0050】
例えば、上記実施の形態では断熱部201による果梗102または茎103の固定状態は、断熱部201によって果梗102または茎103を包むように固定するとしたが、果実101と果梗102および/または茎103を包むように固定してもよい。このようにすれば、果梗102または茎103の保温による果実101の保温効果とともに果実101の保護ができるためである。

【0051】
例えば、上記実施の形態では断熱部201による果梗102または茎103の固定状態は、断熱部201によって果梗102または茎103を包むように固定するとしたが、さらに、断熱部201の外側から接着テープなどの結束物で固定してもよい
このようにすれば、断熱部201と果梗102または茎103がより強固に固定され保温効果が増すためである。

【0052】
例えば、上記実施の形態では断熱部201の構造が、断熱部201の内側に設けられた加熱部202をさらに備えることしたが、断熱部201の内側に設けられた冷却部をさらに備えるとしてもよい。このようにすれば、例えば、断熱部201の断熱作用を超えたときに、断熱部201の内側の温度が上がるのを防ぐことができる。すなわち、安定した温度によって保温することができ、果実101の保温効果が増すためである。
【実施例】
【0053】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0054】
<実施例1:スイカ果実近辺の基部側と頂部側の茎に設置した断熱部内側およびスイカ果実の温度測定>
スイカ品種「祭ばやしNK」の5月15日に開花した果実を用いた。5月20日の開花5日目のスイカ果実近辺の基部側および頂部側の主枝2カ所に対して、茎に沿って断熱材によって茎を固定し電熱ケーブルを設置した。固定した茎と電熱ケーブルを気泡緩衝材にて包み、その上からアルミホイルでさらに包んだ。このようにして、長さ30cm断熱部を設けた。スイカ果実近辺の基部側および頂部側の主枝2カ所に設置した断熱部を図2に示す。電熱ケーブルのスイッチを入れ、断熱部内側の温度を最低温度30℃、最高温度40℃までになるように設定し保温を開始した。またスイカ果実の温度測定は、温度センサを果皮から2cmの深さのところに差し込んで行った。
【実施例】
【0055】
このようにしてスイカ果実近辺の基部側と頂部側の茎に設置した断熱部内側の温度測定とスイカ果実の温度を測定した結果を図4に示す。
【実施例】
【0056】
上記の結果、従来技術のビニルハウスよりも、午後6時から翌日午前6時の夜間の温度を高く維持することができた。また午前7時から午後4時のスイカ果実温度が従来技術よりも低くなった。これは、断熱部による直射日光の遮蔽効果と想定される。そのため、光合成された糖をスイカ果実への移動する転流の起こる時間帯がずれるのではないかと想定される。さらに、午後6時から翌日午前6時の夜間に果実の温度を上げることで、光合成された糖をスイカ果実への移動する転流が果実の生産に対して効率的に起きる。すなわち、糖度の高い果実を短期間で生産できる。
【実施例】
【0057】
<実施例2:開花24日目および開花37日目のスイカ果実の大きさおよび重量の測定>
実施例1におけるスイカ果実を開花24日目および開花37日目で採取し、縦軸の直径、横軸の直径、重量を測定した。測定結果を以下の表1および図5に示す。
【実施例】
【0058】
【表1】
JP0005544572B2_000002t.gif
【実施例】
【0059】
上記の結果、スイカ果実5つについて測定した結果、従来技術と比べ、スイカ果実の縦軸の直径、横軸の直径、重量に対して有意差はなかった。
【実施例】
【0060】
<実施例3:スイカ果実の糖度と糖含量測定>
開花24日目および開花37日目のスイカ果実を採取し、糖度および糖含量を測定した。糖度および糖含量は、スイカ果実を赤道面で折半し、上半部と下半部からそれぞれ2cmの厚さで分取した円盤状の果肉をさらに最大直径にそって幅2cmで帯状に切り取り、帯状の果肉組織を左から右へと幅1.5cmごとに細断した組織片を用いた。果肉組織の測定部位の概念図は図6に示す。これらの各組織片を糖度についてはBrix計にて測定し、また糖含量は各組織片果汁を10倍に希釈後、HPLCで測定した。
【実施例】
【0061】
このようにしてスイカの果実の糖度を測定した結果を以下の表2および図7に示し、糖含量を測定した結果を以下の表3および図8に示す。なお、図のaには各組織片についての測定結果を示し、図のbには各組織片の測定結果の平均値を示す。
【実施例】
【0062】
【表2】
JP0005544572B2_000003t.gif
【実施例】
【0063】
【表3】
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【実施例】
【0064】
上記の結果、スイカ果実5つについて測定した結果、従来技術よりも糖度が高くなった。また、糖含量では、従来技術と比べグルコースについては差異がみられなかったが、スクロースについては開花24日目の果実において糖含量が高く有意差があった。フルクトースについては、開花24日目の果実および開花37日目の果実の両方ともに糖含量が高く有意差があった。
【実施例】
【0065】
<実施例4:メロン果実近辺の第1側枝の茎に設置した断熱部内側およびメロン果実の温度測定>
開花したメロン果実を用いた。開花から5日後の果実近辺の第一側枝の茎に対して、茎に沿って断熱材によって茎を固定し電熱ケーブルを設置した。固定した茎と電熱ケーブルを気泡緩衝材にて包み、その上からアルミホイルでさらに包んだ。また雨などの水分を断熱部内側に侵入するのを防ぐため端をビニルテープにて止めた。このようにして、長さ30cmの断熱部を設けた。メロン果実近辺の第1側枝の茎に設置した断熱部を図2に示す。電熱ケーブルのスイッチを入れ、断熱部内側の温度を最低温度30℃、最高温度40℃までになるように設定し保温を開始した。またメロン果実の温度測定は、温度センサを果皮から2cmの深さのところに差し込んで行った。
【実施例】
【0066】
このようにしてメロン果実近辺の第一側枝の茎に設置した断熱部内側の温度測定とメロン果実の温度測定した結果を図4に示す。
【実施例】
【0067】
上記の結果、従来技術のビニルハウスよりも、午後6時から翌日午前6時の夜間の平均温度を高く維持することができた。また日によってばらつきがあるが約午後12時から約午後7時のメロン果実温度が従来技術よりも低くなった。これは、断熱部による直射日光の遮蔽効果と想定される。このことによって昼間温度が従来技術よりも低くなっている。そのため、光合成された糖をメロン果実への移動する転流の起こる時間帯がずれるのではないかと想定される。午後6時から翌日午前6時の夜間にメロン果実の温度を上げることで、光合成された糖をメロン果実への移動する転流が果実の生産に対して効率的に起きる。すなわち、糖度の高いメロン果実を短期間で生産できる。なお、5月29日の午後5時から翌日5月30日の午前4時の従来技術による果実温度は、明らかに異常値であり、この時の温度センサが不調であったと推測する。
【実施例】
【0068】
<実施例5:開花40日間目のメロン果実の長さ、直径、重量の測定>
実施例4における開花40日間目のメロン果実の、縦軸の直径、横軸の直径、重量測定結果を以下の表4および図5に示す。
【実施例】
【0069】
【表4】
JP0005544572B2_000005t.gif
【実施例】
【0070】
上記の結果、メロン果実5つについて測定した結果、従来技術と比べ、メロン果実の縦軸の直径、横軸の直径、重さに対して、有意差はなかった。
【実施例】
【0071】
<実施例6:メロン果実の糖度と糖含量測定>
開花40日目のメロン果実を採取し、糖度および糖含量を測定した。糖度および糖含量は、メロン果実を赤道面で折半し、上半部と下半部からそれぞれ2cmの厚さで分取した円盤状の果肉をさらに最大直径にそって幅2cmで帯状に切り取り、帯状の果肉組織を左から右へと幅1.5cmごとに細断した組織片を用いた。果肉組織の測定部位の概念図は図6に示す。これらの各組織片を糖度についてはBrix計にて測定し、また糖含量は各組織片果汁を10倍に希釈後、HPLCで測定した。
【実施例】
【0072】
このようにしてメロン果実の糖度を測定した結果を以下の表5および図7に示す。糖含量を測定した結果を以下の表6および図8に示す。なお、図のaには各組織片についての測定結果を示し、図のbには各組織片の測定結果の平均値を示す。
【実施例】
【0073】
【表5】
JP0005544572B2_000006t.gif
【実施例】
【0074】
【表6】
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【実施例】
【0075】
上記の結果、メロン果実5つについて測定した結果、従来技術よりも糖度が高くなり、有意差があった。また、糖含量では、従来技術と比べフルクトースについては差異がみられなかったが、グルコース、スクロースについては含有量が高く有意差があった。
【実施例】
【0076】
<実施例7:リンゴ果実近辺の枝に設置した断熱部内側およびリンゴ果実の温度測定>
リンゴの開花した果実を用いた。4月24日に開花してから47日後の6月30日に果実から100cm離れた枝に対して、枝に沿って断熱材によって枝を固定し電熱ケーブルを設置した。固定された枝と電熱ケーブルとを気泡緩衝材にて包み、その上からアルミホイルでさらに包んだ。また断熱部内側に、雨などの水分の侵入を防ぐため、ビニルテープを用いて、周囲を巻くようにして止める。このようにして、長さ100cmの断熱部を設けた。リンゴ果実近辺の枝に設置した断熱部を図2に示す。電熱ケーブルのスイッチを入れ、断熱部内側の温度を最低温度30℃、最高温度40℃までになるように設定し保温を開始した。また保温は6月30日まで行い10日間保温した。リンゴ果実の温度測定は、温度センサを果皮から2cmの深さのところに差し込んで行った。
【実施例】
【0077】
このようにしてリンゴ果実から100cm離れた枝に設置した断熱部内側の温度測定と断熱部から100cm以内に着果しているリンゴ果実の温度測定した結果を図4に示す。
【実施例】
【0078】
上記の結果、従来技術のビニルハウスよりも、リンゴ果実の温度を高く保持することができ、特に夜間の温度を高く維持することができた。また、従来技術は、ビニルハウスの温度変化とリンゴ果実の温度変化を比べると時間軸でズレが生じている。すなわち、従来技術は、リンゴ果実へ温度が伝達するまでに時間差がある。一方、実施例では、加熱部の温度とリンゴ果実の温度の変化が連動している。このことから、実施例の方が、熱伝導率が良いことがわかる。
【実施例】
【0079】
<実施例7:開花47日目のリンゴ果実の重量の測定>
実施例6における開花47日目のリンゴ果実の重量を測定した。測定結果を図5に示す。
【実施例】
【0080】
上記の結果、リンゴ果実5つについて測定した結果、従来技術と比べ、重量に対して、有意差はなかった。
【実施例】
【0081】
<実施例8:リンゴ果実の糖度と糖含量測定>
開花47日目のリンゴ果実を採取し、糖度および糖含量を測定した。糖度についてはBrix計にて測定し、また糖含量はリンゴ果実組織果汁を10倍に希釈後、HPLCで測定した。
【実施例】
【0082】
このようにしてリンゴ果実の糖度と糖含量を測定した結果を図7に示し、糖含量を測定した結果を以下の表1および図8に示す。なお、図のaには各組織片についての測定結果を示し、図のbには各組織片の測定結果の平均値を示す。
【実施例】
【0083】
上記の結果、リンゴ果実5つを測定した結果、従来技術よりも糖度が高くなり、有意差があった。また、糖含量では、従来技術と比べグルコース、スクロース、フルクトースについて含有量が高く有意差があった。
【実施例】
【0084】
<結果の考察>
上記の実施例1~8の実験結果から、上記断熱部のような果梗または茎に固定した栽培装置を用いて果実を生産すると、従来技術と比べ果実の糖度または糖含有量を増加していることがわかる。すなわち、従来技術よりも糖度または糖含量が高い果実を生産することができる。
【実施例】
【0085】
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0086】
101 果実
102 果梗
103 茎
201 断熱部
202 加熱部
203 制御部
301 断熱材
302 蓄熱材
303 保温材
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7