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明細書 :パルス磁気を用いた非破壊検査装置及び非破壊検査方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5522699号 (P5522699)
公開番号 特開2014-044087 (P2014-044087A)
登録日 平成26年4月18日(2014.4.18)
発行日 平成26年6月18日(2014.6.18)
公開日 平成26年3月13日(2014.3.13)
発明の名称または考案の名称 パルス磁気を用いた非破壊検査装置及び非破壊検査方法
国際特許分類 G01N  27/82        (2006.01)
FI G01N 27/82
請求項の数または発明の数 3
全頁数 15
出願番号 特願2012-185726 (P2012-185726)
出願日 平成24年8月24日(2012.8.24)
審査請求日 平成25年8月8日(2013.8.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
発明者または考案者 【氏名】塚田 啓二
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100080621、【弁理士】、【氏名又は名称】矢野 寿一郎
審査官 【審査官】田中 洋介
参考文献・文献 特開2008-298502(JP,A)
特開2012-002633(JP,A)
特開2008-145137(JP,A)
特開2005-106823(JP,A)
特開昭54-108685(JP,A)
特開昭63-065361(JP,A)
特開2012-093095(JP,A)
特開2004-294353(JP,A)
特開2005-308728(JP,A)
特開平10-170481(JP,A)
特開昭57-182643(JP,A)
特開2008-046069(JP,A)
特開平10-300726(JP,A)
橋本源基 他,保温材下配管外面欠陥の磁気的検査装置の開発,日本非破壊検査協会講演大会講演概要集,2012年 5月22日,2012年春季,63-64頁
調査した分野 G01N 27/72-27/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
被検査配管の欠陥を非破壊検査するパルス磁気を用いた非破壊検査装置であって、
前記被検査配管を挿通し、当該被検査配管に対して任意の位置に配置可能な一対の励磁コイルと、
当該一対の励磁コイルの少なくとも一つにパルス電圧を印加するパルス電源と、
前記被検査配管の外周面上で、前記一対の励磁コイルの間に配置され、前記被検査配管の中心軸方向に平行な磁場を検出する磁気センサと、
前記一対の励磁コイルの少なくとも一つを前記パルス電源で駆動した際に発生するパルス磁場を前記磁気センサにより検出し、当該磁気センサにより検出したパルス磁場の信号のピーク値及び信号の時間減衰を解析する信号解析手段と、
前記一対の励磁コイルの一方の励磁コイルと他方の励磁コイルの電流の方向をそれぞれ同じ方向あるいは反対方向に切り替え、あるいは前記一対の励磁コイルの片方だけ駆動するように切り替える電源切り替え回路と、を備え、
前記パルス電源は、前記一対の励磁コイルを駆動することで、前記被検査配管に対して、方形波であって、所定の繰り返し周波数及びデューティ比のパルス磁場を印加し、
前記信号解析手段は、前記被検査配管の欠陥の有無におけるパルス磁場の信号のピーク値及び信号の時間減衰を比較することで欠陥を特定することを特徴とするパルス磁気を用いた非破壊検査装置。
【請求項2】
前記一対の励磁コイルの両方または一方の励磁コイルに対して、隣接した位置もしくは同じ位置に、当該一対の励磁コイルのそれぞれに対応する磁気検出用磁気コイルを設け、当該一対の励磁コイルのどちらか一方だけにパルス磁場を発生させ、パルス磁場を発生した一方の励磁コイルから離れた位置にある磁気検出用磁気コイルで得られたパルス磁場応答を解析する手段を備えたことを特徴とする請求項に記載のパルスを用いた非破壊検査装置。
【請求項3】
請求項に記載の非破壊検査装置を用いて、
前記被検査配管の欠陥を非破壊検査する方法であって、
前記一対の励磁コイルに前記被検査配管を挿通し、前記パルス電源により前記一対の励磁コイルを駆動することで、前記被検査配管に対してパルス磁場を印加する工程と、
前記一対の励磁コイルにより発生した前記被検査配管の中心軸方向に平行な磁場を前記磁気センサにより検出する工程と、
前記磁気センサの出力信号におけるパルス強度および信号時間減衰を解析する工程と、
前記一対の励磁コイルのどちらか一方だけをパルス電源で駆動してパルス磁場を発生させ、当該パルス磁場を発生した励磁コイルから離れた位置にある磁気検出用磁気コイルで得られたパルス磁場応答を解析することで前記被検査配管の欠陥を特定する工程と、を有することを特徴とするパルス磁気を用いた非破壊検査方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼材料等でできた配管および断熱材で保温等がなされ、さらに外装板金で覆われた多重配管における腐食や疲労、亀裂などの欠陥を非破壊で探傷するパルス磁気を用いた非破壊検査装置及び非破壊検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鋼材の欠陥を検査する方法として、磁気を用いた渦電流探傷方法や漏洩磁束探傷方法がある。渦電流探傷方法は、測定対象に交流の磁場を印加させて、測定対象に発生する渦電流の変化をみるものである。すなわち、測定対象に交流の磁場を印加した場合、測定対象の欠陥のない部分に対して欠陥がある部分は渦電流の分布が変化するので、渦電流が作る磁場も変化することになる。この渦電流の変化をサーチコイルや、磁気抵抗素子(MR)等の磁気センサで検出することで欠陥検査が行われている。一方、漏洩磁束探傷法は、測定対象に直流あるいは交流の磁場を印加させ、欠陥部から漏れ出る磁束をサーチコイルあるいは磁気センサで検出するものである。
【0003】
磁気を用いた渦電流探傷方法や漏洩磁束探傷方法の測定対象の形状としては様々なものがあるが、鉄鋼材料でできた配管を検査する方法としては、貫通コイルや内挿コイルあるいは上置コイルによるものなどが知られている(非特許文献1参照)。特に測定対象として配管を計測するコイルの形態としては、配管をコイルの中に貫通させて計測する貫通コイルや、配管の中にコイルを挿入して検査する内挿コイルが良く知られている。例えば、一層構造の配管を検査する場合、貫通コイルがよく使われ、配管表面の欠陥が検査されている。
【0004】
もう一つの方法である内挿コイルを使用する方法では、一般には配管内部の溶液などを空にして配管内にコイルを挿入し、励磁コイルにより磁場を印加して、サーチコイルあるいは磁気センサで欠陥による磁場の変化を検知している。この励磁コイルにより印加する磁場としては、正弦波などのような周期的なものや、パルスなどの時間波形のもの(パルス法)が使われている。このパルス法を使ったものとしては、励磁コイルから検出部を所定間隔離して構成し、該励磁コイルにより磁場が配管に印加され、印加磁場が配管を伝わって傷のあるところで漏れてきた磁場を検出部により検出するリモートフィールド法がある。
【0005】
配管の周囲を断熱材によって保温し、さらに断熱材の外側に薄い鋼板等の外装板金で覆っている2重配管構造の断熱配管は、プラント等で多く使われている。しかし、このような断熱配管の欠陥検査を行う場合、2重配管構造という複雑な構造となっているため、貫通コイルの適用が困難になっている。2重配管構造の断熱配管の内側の腐食検査には、そのまま内挿コイルを使うことが可能である。内装コイルを使用する探傷方法のひとつとして、パルス波を用いたリモートフィールド法が報告されている(特許文献1参照)。しかし、断熱配管の場合、配管内部の腐食だけでなく、配管外側表面つまり断熱材に覆われた配管表面の腐食が発生しやすい。このため、内挿コイルを使用する探傷方法では得られる信号が非常に微弱になる。一般には、断熱配管の磁気的検査が困難であるため、配管表面の腐食を検査する方法としては、配管表面を覆う断熱材をはがして目視検査等が行われている。
【0006】
2重配管構造の断熱配管の外側から磁気を用いて検査を行う場合では、断熱材の存在によって励磁コイルと検出コイル(磁気センサ)との距離が遠くなり、また、貫通コイルの場合ではコイル径が配管径よりかなり大きくなることや、断熱材外側の外装板金の存在により、欠陥による信号変化が小さくなってしまう問題がある。このため、磁気センサとして高感度な超伝導量子干渉素子SQUIDを用いるとともに、さらに環境雑音などを取り除き微弱な信号だけを取り出すために2つ以上SQUIDを用いてその差を取る方法が報告されている。またその方法の一つとして一対の貫通コイルで交流磁場を印加してロックイン検波することにより微弱な磁気信号をとらえている方法が本発明者により報告されている(特許文献2参照)。
【0007】
また、一対の貫通コイルで交流磁場を断熱配管に印加してロックイン検波する欠陥検査方法としては、磁気抵抗素子(MR)を用いた磁気センサを用い、配管の中心軸に平行な成分を計測するものを、本発明者は先に報告した。(特許文献3参照)。特許文献3に記載の検査方法では、平行な成分を検出することにより欠陥による微弱な磁場変化を効率良くとらえることができるようになっている。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】特開2004-294341号公報
【特許文献2】特開2012-93095号公報
【特許文献3】特許第4487082号公報
【0009】

【非特許文献1】非破壊検査技術シリーズ「渦電流探傷試験I」社団法人日本非破壊検査協会、pp.32-43
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特に断熱配管検査用の磁気検査方法では、配管の欠陥による信号が微小なため、当該欠陥による信号が欠陥以外の部分からの信号に埋もれてしまう問題があった。このため、上述した特許文献2、3のように、一対の貫通コイルで正弦波など交流の磁場を印加して、ロックイン検波し信号強度と位相を解析することにより欠陥の検出を高感度化した検査方法が本発明者により開発された。しかし、当該検査方法により良好な信号を得るためには大きな交流磁場を印加する必要があり、そのための電力供給量が大きな交流電源が必要とされた。例えば、広いプラントなどの配管を検査する場合、大きな電源では可搬性が悪く、また、電源を可搬できない場合どこから電源をとるかといった検査装置への電力供給面の課題が発生し、検査に大きな支障があった。また、検査装置が有する計測回路の構成としてもロックイン検波回路などを必要としない、より簡単な回路構成のものが望まれていた。
【0011】
そこで、本発明は、断熱配管検査等に適用可能であり、電源容量負荷が小さくてすみ、回路構成としてロックイン検波しなくても良好な磁気信号が得られる、パルス磁気を用いた非破壊検査装置及び非破壊検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の第一の形態は、
被検査配管の欠陥を非破壊検査するパルス磁気を用いた非破壊検査装置であって、
前記被検査配管を挿通し、当該被検査配管に対して任意の位置に配置可能な一対の励磁コイルと、
当該一対の励磁コイルの少なくとも一つにパルス電圧を印加するパルス電源と、
前記被検査配管の外周面上で、前記一対の励磁コイルの間に配置され、前記被検査配管の中心軸方向に平行な磁場を検出する磁気センサと、
前記一対の励磁コイルの少なくとも一つを前記パルス電源で駆動した際に発生するパルス磁場を前記磁気センサにより検出し、当該磁気センサにより検出したパルス磁場の信号のピーク値及び信号の時間減衰を解析する信号解析手段と、
前記一対の励磁コイルの一方の励磁コイルと他方の励磁コイルの電流の方向をそれぞれ同じ方向あるいは反対方向に切り替え、あるいは前記一対の励磁コイルの片方だけ駆動するように切り替える電源切り替え回路と、を備え、
前記パルス電源は、前記一対の励磁コイルを駆動することで、前記被検査配管に対して、方形波であって、所定の繰り返し周波数及びデューティ比のパルス磁場を印加し、
前記信号解析手段は、前記被検査配管の欠陥の有無におけるパルス磁場の信号のピーク値及び信号の時間減衰を比較することで欠陥を特定するパルス磁気を用いた非破壊検査装置である。
【0016】
本発明の第の形態は、
前記一対の励磁コイルの両方または一方の励磁コイルに対して、隣接した位置もしくは同じ位置に、当該一対の励磁コイルのそれぞれに対応する磁気検出用磁気コイルを設け、当該一対の励磁コイルのどちらか一方だけにパルス磁場を発生させ、パルス磁場を発生した一方の励磁コイルから離れた位置にある磁気検出用磁気コイルで得られたパルス磁場応答を解析する手段を備えた、パルス磁気を用いた非破壊検査装置である。
【0018】
本発明の第の形態は、
請求項に記載の非破壊検査装置を用いて、
前記被検査配管の欠陥を非破壊検査する方法であって、
前記一対の励磁コイルに前記被検査配管を挿通し、前記パルス電源により前記一対の励磁コイルを駆動することで、前記被検査配管に対してパルス磁場を印加する工程と、
前記一対の励磁コイルにより発生した前記被検査配管の中心軸方向に平行な磁場を前記磁気センサにより検出する工程と、
前記磁気センサの出力信号におけるパルス強度および信号時間減衰を解析する工程と、
前記一対の励磁コイルのどちらか一方だけをパルス電源で駆動してパルス磁場を発生させ、当該パルス磁場を発生した励磁コイルから離れた位置にある磁気検出用磁気コイルで得られたパルス磁場応答を解析することで前記被検査配管の欠陥を特定する工程と、を有する、パルス磁気を用いた非破壊検査方法である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1の形態によれば、被検査配管を挿通する一対の励磁コイルにより被検査配管の所定の場所に被検査配管の中心軸方向の磁場を印加することができる。また、被検査配管の外周面上において、一対の励磁コイルの間に配置した磁気センサを備えることより、被検査配管中心軸方向に平行な磁場を検出することができる。励磁コイルによって発生した磁場は被検査配管を伝わって磁気センサのところまで伝わっていく。その途中では被検査配管の中心軸方向の磁場が外部に漏れるが、腐食や欠陥によって伝搬される磁場が異なってくる。ここで、励磁コイルをパルス電源で駆動し発生する磁場をパルス磁場とすることにより、パルス磁場の立ち上がり時およびその後一定磁場を印加している時間帯で、磁気センサで検出した立ち上がり磁気信号が時間とともに減衰する。この検出したパルス磁気信号のピーク値や減衰特性を解析することにより配管の腐食や亀裂等の欠陥をより精度よく検知することができる。

【0020】
本発明の第の形態によれば、一対の励磁コイルの一方の励磁コイルと他方の励磁コイルの電流の方向をそれぞれ同じ方向あるいは反対方向に切り替え、あるいは一対の励磁コイルの片方だけ駆動するように切り替える電源切り替え回路を備えている。これにより、一対の励磁コイルで同じ方向の電流で駆動した場合には、被検査配管に同じ方向に磁場を印加することができ、信号強度を強くすることができる。また、一対の励磁コイルでそれぞれを逆向きの電流で駆動した場合には磁気センサに入ってくる印加磁場はお互いに打ち消しあうので、欠陥による信号変化分だけが抽出できるようになる。また、被検査配管の検査部位が接続部や端部になっている場合は、その部分から遠い方の励磁コイル一つだけを駆動させることにより、被検査配管の両端側で構造が大きく異なってもその影響を取り
除くことができる。
【0023】
本発明の第の形態によれば、一対の励磁コイルの両方あるいは一方だけの励磁コイルと隣接する場所あるいは同じ場所に磁気検出用磁気コイルを設け、励磁コイルのどちらか一方だけにパルス磁場を発生させ、パルス磁場が発生した励磁コイルから離れた方の磁気検出用磁気コイルで得られるパルス磁場応答を解析する手段を設けている。この磁気検出用磁気コイルでは、被検査配管を通ってきた全ての磁場信号の変化を検出することができる。外周面上に設けていた磁気センサのパルス応答だけでなく、この磁気検出用磁気コイルの情報を合わせることにより、配管の腐食や亀裂等の欠陥をさらに精度よく検出することができる。
【0025】
本発明の第の形態によれば、磁気検出用磁気コイルによって得られる被検査配管全体を伝わってきたパルス磁場応答の情報を欠陥解析に追加することができる。こうして磁気センサと磁気検出用磁気コイルによる情報を合わせることにより、欠陥による信号変化をより精度よく抽出することができる。

【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例1に係るパルス磁気検査装置の基本構成を示す概略図である。
【図2】断熱配管の構造を示す概略図である。
【図3】欠陥を有する断熱配管を示す図であり、(a)は欠陥を有する断熱配管を示す断面模式図、(b)は欠陥を有する断熱配管の内部の鋼管表面を示す写真である。
【図4】断熱配管が挿通されていない時の磁気センサのパルス磁気応答時間波形である。
【図5】一対の励磁コイルに同じ向きにパルス電流を駆動し、正常断熱配管と欠陥がある断熱配管を計測した時の磁気センサのパルス磁気応答時間波形の比較である。
【図6】一対の励磁コイルに同じ向きにパルス電流を駆動し、正常断熱配管と欠陥がある断熱配管を計測した時の磁気センサのパルス磁気応答時間波形の比較である。
【図7】本発明の実施例2に係るパルス磁気検査装置であり、複数個の磁気センサを並べて配置したパルス磁気検査装置の検査部の概略図である。
【図8】本発明の実施例3に係るパルス磁気検査装置であり、検査部を分割可能にして断熱配管に装着しやすくしたパルス磁気検査装置の検査部の概略図である。
【図9】実施例4に係るパルス磁気検査装置であり、検査部に一対の磁気検出用磁気コイルと、これら磁気検出用磁気コイルの磁気コイル用回路を具備したパルス磁気検査装置を示す概略図である。
【図10】図9に示すパルス磁気検査装置を用いて、一対の励起コイルのうち一つだけを駆動し、それと反対側の励磁コイルの近傍に設置した磁気検出用磁気コイルで検出したパルス磁気応答時間波形における正常断熱配管と欠陥がある断熱配管の比較である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を、添付する図面を参照して詳細に説明する。
また、同様の用途及び機能を有する部材には同符号を付してその説明を省略する。
【実施例1】
【0028】
図1は、本発明の一実施形態であるパルス磁気を用いた非破壊検査装置1-1(以下、パルス磁気検査装置1-1という)の基本構成を示す概略図である。
パルス磁気検査装置1-1は、被検査配管である断熱配管2(図2参照)にパルス磁場を印加して、断熱配管2に流れるパルス磁場の変化を検出することにより断熱配管2の欠陥を探傷する非破壊検査装置であり、一対の励磁コイル3-1、3-2と、磁気センサ4-1と、円筒状の検査部母材5-1とからなる検査部6-1、磁気センサ用回路7-1、パルス電源8、電源切り替え回路9、及び信号解析手段である信号解析装置10を主に具備している。
【実施例1】
【0029】
励磁コイル3-1、3-2は、一対のコイルであり、断熱配管2を挿通し、当該断熱配管2に対して任意の位置に配置可能である。
【実施例1】
【0030】
磁気センサ4-1は、断熱配管2の外周面上で、前記一対の励磁コイル3-1、3-2の間に配置され、断熱配管2の中心軸方向に平行な磁場を検出する手段である。
【実施例1】
【0031】
断熱配管2は、図2に示すように、本実施形態に係るパルス磁気検査装置1-1により検査される円筒形の被検査材であって、断熱配管2の内部には厚さ7.2mmの鋼管2aを有する。この鋼管2aの周囲は、厚さ50mmの断熱材2bで覆われており、当該断熱材2bの周囲は外筒2cとして厚さ0.3mmの溶融亜鉛鉄板で覆われている。また、本実施形態に係るパルス磁気検査装置1-1の性能を試験評価する際に用いる欠陥がある断熱配管として、図3に示すように、断熱配管2が有する鋼管2a表面の中央部の周方向に沿って幅10mmで、欠陥の深さが鋼管2aの厚さの半分である3.6mmの凹状の減肉部を形成した断熱配管を用意した。この鋼管2a表面に上記欠陥を形成した断熱配管2を、欠陥がない断熱配管2と区別するため、断熱配管2Aと呼ぶ。
【実施例1】
【0032】
検査部6-1は、被検査配管である断熱配管2を挿入させパルス磁場を印加するとともに、断熱配管2を伝わっていく磁場の変化を磁気抵抗素子からなる磁気センサ4-1で検出する。ここで、磁気センサとしては磁気抵抗素子(MR素子)のほか、磁気インピーダンス素子、ホール素子、フラックス・ゲート、超伝導量子干渉素子(SQUID)等の極低周波からの磁気信号を計測できる磁気センサを使うことができる。
【実施例1】
【0033】
磁気センサ用回路7-1は、磁気センサ4-1を駆動し、磁場を計測するための回路である。
【実施例1】
【0034】
パルス電源8は、一対の励磁コイル3-1、3-2の少なくとも一つにパルス電圧を印加することができる。パルス電源8は、方形波を出力することができ、所定の繰り返し周波数及びデューティ比で駆動することができる。パルス電源8は、電源切り替え回路9に電気的に接続されている。
【実施例1】
【0035】
電源切り替え回路9は、一対の励磁コイルの一方の励磁コイルと他方の励磁コイルの電流の方向をそれぞれ同じ方向あるいは反対方向に切り替え、あるいは前記一対の励磁コイルの片方だけ駆動するように切り替え可能な回路である。電源切り替え回路9により、一対の励磁コイル3-1および3-2に流れる電流の方向と、両方あるいはどちらか片方だけを動作させることを選択することができる。ここで、両方の励磁コイル3-1および3-2の電流方向を同じにして動作させると、断熱配管2へは同じ方向のパルス磁場を印加することができる。
【実施例1】
【0036】
信号解析装置10は、前記一対の励磁コイル3-1、3-2の少なくとも一つを前記パルス電源8で駆動した際に発生するパルス磁場を磁気センサ4-1により検出し、当該磁気センサ4-1により検出したパルス磁場の応答を解析する信号解析手段である。
【実施例1】
【0037】
次に、パルス磁気検査装置1-1を用いて、断熱配管2を検査する方法を説明する。
【実施例1】
【0038】
パルス磁気検査装置1-1に適用する検査方法は、前記被検査配管である断熱配管2の欠陥を非破壊検査する方法であって、前記一対の励磁コイル3-1、3-2に前記断熱配管2を挿通し、前記パルス電源8により前記一対の励磁コイルを駆動することで、前記断熱配管2に対してパルス磁場を印加する工程と、前記一対の励磁コイル3-1、3-2により発生した前記断熱配管2の中心軸方向に平行な磁場を前記磁気センサ4-1により検出する工程と、前記磁気センサ4-1の出力信号におけるパルス強度および信号時間減衰を解析することで前記断熱配管2の欠陥を特定する工程と、を有する。以下において、パルス磁気検査装置1-1を用いて、断熱配管2を非破壊検査する方法を具体的に説明する。
【実施例1】
【0039】
パルス磁気検査装置1-1において、検査部6-1に断熱配管2が挿通されていない場合のパルス磁場波形、つまり一対の励磁コイル3-1、3-2が磁気センサ4-1の配置場所に形成するパルス磁場の波形を図4に示す。この図4においては、磁気センサ4-1は断熱配管2の中心軸に平行な成分を計測した結果を示している。パルス磁場としては50Hzでデューティ比25%の方形波を与えた。図4に示すように、被検査配管である断熱配管2が挿通されてない場合は、パルス磁場はほぼ与えた磁場波形のままで検出されている。
なお、図4~図6、図10で示す信号強度の単位は、[V]である。
【実施例1】
【0040】
被検査配管として欠陥がある断熱配管2Aと、欠陥がない断熱配管2のそれぞれをパルス磁気検査装置1-1に挿通後、断熱配管2A、断熱配管2のそれぞれにパルス磁場を印加して、磁気センサ4-1の出力信号におけるパルス強度(信号強度)及び信号時間の減衰を測定した結果の比較を図5に示す。ここで、この図5に示す時間波形は信号強度のピークを同じ高さになるように規格化している。正常管である断熱配管2に比べ欠陥のある断熱配管2Aでは信号の減衰が早く、これは欠陥構造として肉厚が薄くなっているため信号減衰が早いものと考えられる。このようにパルス応答特性が欠陥の有無により変化することが分かった。
【実施例1】
【0041】
電源切り替え回路8により、一対の励磁コイルの一方である励磁コイル3-2に流れる電流を、励磁コイル3-1に流れる電流と逆方向になるように切り替えた。切り替えるのは励磁コイル3-1の方でもよく励磁コイル3-1と3-2に流れる方向が逆であれば同じ測定機能が得られる。この逆相の電流により断熱配管2には逆向きの磁場が励磁コイル3-1と励磁コイル3-2のそれぞれから発生するため、磁気センサ4-1の配置場所の磁場はキャンセルされて印加磁場パルス自身の時間波形は計測されない。しかし、断熱配管2が挿通されている場合は配管自身を伝達した磁場が左右の励磁コイル3-1と励磁コイル3-2でキャンセルされない成分が残り信号が小さいながらも検出される。図6は断熱配管2をパルス磁気検査装置1-1に挿入して測定した結果の比較を示している。正常管である断熱配管2では立ち上がりと立下りのところにピークが現れているが、欠陥がある断熱配管2Aはほとんど信号がでていない。ここで、図6では信号強度の変化も示すため、図5とは異なりピーク値によって規格化はせず、信号強度そのものを示している。このように、逆相で励磁コイル3-1、3-2を動作させた場合では印加磁場そのものはキャンセルできるので、被検査配管による信号変化分だけを抽出することができるようになる。
【実施例1】
【0042】
実施例1によれば、断熱配管2を挿通する一対の励磁コイル3-1、3-2により被検査配管の所定の場所に断熱配管2の中心軸方向の磁場を印加することができる。また、断熱配管2の外周面上において、一対の励磁コイル3-1、3-2の間に配置した磁気センサ4-1を備えることより、断熱配管2の中心軸方向に平行な磁場を検出することができる。励磁コイル3-1、3-2によって発生した磁場は断熱配管2を伝わって磁気センサ4-1のところまで伝わっていく。その途中では断熱配管2の中心軸方向の磁場が外部に漏れるが、腐食や欠陥によって伝搬される磁場が異なってくる。ここで、励磁コイル3-1、3-2をパルス電源で駆動し発生する磁場をパルス磁場とすることにより、パルス磁場の立ち上がり時およびその後一定磁場を印加している時間帯で、磁気センサ4-1で検出した立ち上がり磁気信号が時間とともに減衰する。この検出したパルス磁気信号のピーク値や減衰特性を解析することにより配管の腐食や亀裂等の欠陥をより精度よく検知することができる。
【実施例1】
【0043】
さらに、パルス磁気検査装置1-1では、一対の励磁コイル3-1、3-2の一方の励磁コイルと他方の励磁コイルの電流の方向をそれぞれ同じ方向あるいは反対方向に切り替え、あるいは一対の励磁コイルの片方だけ駆動するように切り替える電源切り替え回路8を備えている。これにより、一対の励磁コイル3-1、3-2で同じ方向の電流で駆動した場合には、断熱配管2に同じ方向に磁場を印加することができ、信号強度を強くすることができる。また、一対の励磁コイル3-1、3-2でそれぞれを逆向きの電流で駆動した場合には磁気センサ4-1に入ってくる印加磁場はお互いに打ち消しあうので、欠陥による信号変化分だけが抽出できるようになる。また、断熱配管2の検査部位が接続部や端部になっている場合は、その部分から遠い方の励磁コイル一つだけを駆動させることにより、被検査配管の両端側で構造が大きく異なってもその影響を取り除くことができる。
【実施例2】
【0044】
次に、本発明に係るパルス磁気検査装置の別実施例について図7を用いて説明する。
【実施例2】
【0045】
本実施例に係るパルス磁気検査装置1-2は、被検査配管である断熱配管2(図2参照)に伝わるパルス磁場の変化を検出することにより欠陥を探傷する非破壊検査装置であり、図7に示すように検査部6-2、磁気センサ用回路7-2及び図6には図示しないがすでに実施例1で示したパルス電源8、電源切り替え回路9、信号解析手段である信号解析装置10を主に具備している。一対の励磁コイル3-1、3-2、検査部母材5-1、パルス電源8、電源切り替え回路9、信号解析手段である信号解析装置10は、実施例1と同様であり、詳細な説明は省略する。
【実施例2】
【0046】
検査部6-2の一対の励磁コイル3-1、3-2の間には実施例1で用いた磁気センサ4-1と同様の磁気センサが断熱配管2の外周面上に複数個(本実施例では、8個)並べて配置されている(図7には図示しないが磁気センサ4-2~5以外に検査部6-2の後側に4個の磁気センサ4-6~9が配置されている)。磁気センサ4-2~9は、励磁コイル3-1、3-2の各々から同じ距離となる位置、すなわち励磁コイル3-1と励磁コイル3-2の間の中央部に配置されている。8個の磁気センサ4-2~9で得られた磁場の計測データは、信号解析装置10で解析される。この磁気センサの個数は多いほど空間分解能を向上させることができる。このため、磁気センサ用回路7-2は多チャンネルを同時計測できる回路となっている。実施例1では一個の磁気センサの測定を行うものであり、被検査配管の全周に渡って欠陥がある場合や、磁気センサの直下に欠陥がある場合には検出可能である。しかし、磁気センサの配置場所から離れた位置にある欠陥は捉えづらい。このため、本実施例のように検査部6-2の全周に渡って磁気センサ4-2~9を配置することにより、計測もれを少なくすることができる。また、検査部6-2を被検査配管に挿通した状態で動かして多点計測することにより面データが得られるので、例えばパルス応答時間波形の減衰率や、パルス強度など各種の取得データを空間位置と対応させたマッピングができるので、視覚的に欠陥情報を得ることができるようになる。
【実施例2】
【0047】
実施例2によれば、一対の励磁コイル3-1、3-2の間において、磁気センサ4-2~9を断熱配管2の外周面上に複数個配置したことにより、励磁コイル3-1、3-2の各々から同じ距離にある磁気センサ4-2~9で断熱配管2の円周上のどの位置に欠陥があるかを特定して検出することができる。
【実施例3】
【0048】
次に、本発明に係るパルス磁気検査装置の別実施例について図8を用いて説明する。
【実施例3】
【0049】
本実施例に係るパルス磁気検査装置1-3は、被検査配管である断熱配管2(図2参照)に伝わるパルス磁場の変化を検出することにより欠陥を探傷する非破壊検査装置であり、図8に示すように検査部6-3、及び図8には図示しないがすでに実施例1で示した磁気センサ4-1、磁気センサ用回路7、パルス電源8、電源切り替え回路9、信号解析手段である信号解析装置10を主に具備している。磁気センサ4-1、磁気センサ用回路7、パルス電源8、電源切り替え回路9、信号解析手段である信号解析装置10は、実施例1と同様であり、詳細な説明は省略する。
【実施例3】
【0050】
検査部6-3は、断熱配管2に装着しやすいように、検査部母材5-3を半割できる構造になっており、断熱配管2の任意の位置で挟みこむことができる。ここで、励磁コイル3-3、3-4はコイル接続コネクタ11-1、11-2で簡単に切り離しや電気的に接続ができるようになっている。この構造は実施例1および実施例2にも適用できる。
【実施例3】
【0051】
実施例3によれば、一対の励磁コイル3-3、3-4をコイル円周上における所定位置で分割及び接続可能な電気的接続コネクタであるコイル接続コネクタ11-1、11-2を設けることにより、断熱配管2を励磁コイル3-3、3-4に貫通させて検査を行う場合であっても励磁コイル3-3、3-4を断熱配管2から適宜分離することができる。例えば、従来の貫通型の励磁コイルにおいては、断熱配管に導入すべき端部がない場合、断熱配管を切り離さないと励磁コイルを設置することができないが、本発明の励磁コイルを適用することにより被検査配管のどの部分でも、励磁コイルを分割して被検査配管に取り付けることができる。
【実施例4】
【0052】
次に、本発明に係るパルス磁気検査装置の別実施例について図9を用いて説明する。図9は、本発明の第4の実施形態であるパルス磁気検査装置1-4の基本構成を示す概略図である。
【実施例4】
【0053】
本実施例に係るパルス磁気検査装置1-4は、被検査配管である断熱配管2(図2参照)に伝わるパルス磁場の変化を検出することにより欠陥を探傷する非破壊検査装置であり、すでに実施例1で示した一対の励磁コイル3-1、3-2、磁気センサ4-1、検査部母材5-1、磁気センサ用回路7-1、パルス電源8、電源切り替え回路9、信号解析手段である信号解析装置10は、実施例1と同様であり、詳細な説明は省略する。
【実施例4】
【0054】
パルス磁気検査装置1-4は、該パルス磁気検査装置1-4が有する検査部6-4に一対の励磁コイル3-1、3-2及び磁気センサ4-1を具備している。さらに、励磁コイル3-1、3-2の外側には一対の磁気検出用磁気コイル12-1、12-2が隣接して配置されている。磁気検出用磁気コイル12-1、12-2には、磁気コイル用回路13が取り付けられている。磁気コイル用回路13は、磁気検出用磁気コイル12-1、12-2を駆動し、磁場を計測するための回路である。これより、当該一対の励磁コイル3-1、3-2のどちらか一方だけにパルス磁場を発生させ、パルス磁場を発生した一方の励磁コイルから離れた位置にある、磁気検出用磁気コイル12-1、12-2の一方の磁気検出用磁気コイルで得られたパルス磁場応答を信号解析装置10により解析する。つまり、磁気検出用磁気コイル12-1もしくは12-2によって得られた出力は、磁気センサ4-1の出力とともに信号解析装置10に取り込まれ、該信号解析装置10では欠陥の有無を判定する。
なお、本実施例のように前記一対の励磁コイル3-1、3-2の両方だけでなく、前記一対の励磁コイル3-1、3-2の一方の励磁コイルに対してのみ、磁気検出用磁気コイルを設けてもよい。
また、本実施例では前記一対の励磁コイル3-1、3-2に隣接した位置に磁気検出用磁気コイル12-1、12-2を設けたが、特に限定するものではなく、一対の励磁コイル3-1、3-2と同じ位置に磁気検出用磁気コイルを設ける構成であってもよい。
【実施例4】
【0055】
次に、パルス磁気検査装置1-4を用いて、断熱配管2を検査する方法を説明する。
【実施例4】
【0056】
パルス磁気検査装置1-4に適用する検査方法は、前記被検査配管である断熱配管2の欠陥を非破壊検査する方法であって、前記一対の励磁コイル3-1、3-2に断熱配管2を挿通し、前記パルス電源8により前記一対の励磁コイル3-1、3-2を駆動することで、断熱配管2に対してパルス磁場を印加する工程と、前記一対の励磁コイル3-1、3-2により発生した断熱配管2の中心軸方向に平行な磁場を前記磁気センサ4-1により検出する工程と、前記磁気センサ4-1の出力信号におけるパルス強度および信号時間減衰を解析する工程と、前記一対の励磁コイル3-1、3-2のどちらか一方だけをパルス電源で駆動してパルス磁場を発生させ、当該パルス磁場を発生した励磁コイルから離れた位置にある磁気検出用磁気コイル12-1もしくは磁気検出用磁気コイル12-2で得られたパルス磁場応答を解析することで断熱配管2の欠陥を特定する、磁気検出用磁気コイル12-1、12-2による欠陥特定工程と、を有する。本実施例においては、実施例1で説明した検査方法に加えて、磁気検出用磁気コイル12-1、12-2による上記欠陥特定工程が追加されたものである。以下において、磁気検出用磁気コイル12-1、12-2を用いてなされる、上記欠陥特定工程を説明する。
【実施例4】
【0057】
前記磁気検出用磁気コイル12-1、12-2による欠陥特定工程では、磁気検出用磁気コイル12-1、12-2によって得られるパルス磁場応答の情報が用いられる。具体的に説明すると、磁気検出用磁気コイル12-1、12-2は、その動作原理として、コイルを貫く磁束の時間変化が電圧出力として得られるので、磁気センサ4-1のように直流磁場などの低周波の信号を検出することはできない。このため、図10に示した時間応答波形も立ち上がりと立下りの時間変化が大きいところが、信号としても大きくなっている。正常断熱配管2と欠陥がある断熱配管2Aでは図10に示すようにパルス磁気応答時間波形に違いが見られ、正常断熱配管2の方が、早い減衰を示した。このように磁気センサ4-1による計測情報に磁気検出用磁気コイル12-1、12-2の計測情報を合わせることにより、より検査精度を高めることができる。本実施例のように磁気検出用磁気コイル12-1、12-2を磁気センサ4-1や磁気センサ4-2~9と併用する回路構成は実施例1~3においても適用することができる。
【実施例4】
【0058】
実施例4によれば、一対の励磁コイル3-1、3-2の両方あるいは一方だけの励磁コイルと隣接する場所あるいは同じ場所に磁気検出用磁気コイル12-1、12-2を設け、励磁コイル3-1、3-2のどちらか一方だけにパルス磁場を発生させ、パルス磁場が発生した励磁コイル3-1、3-2のどちらか一方から離れた方の磁気検出用磁気コイル12-1、12-2のどちらか一方で得られたパルス磁場応答を解析する手段である信号解析装置10を設けている。この磁気検出用磁気コイル12-1、12-2では、断熱配管2を通ってきた全ての磁場信号の変化を検出することができる。外周面上に設けていた磁気センサ4-1のパルス応答だけでなく、この磁気検出用磁気コイル12-1、12-2によるパルス磁場応答の情報を合わせることにより、配管の腐食や亀裂等の欠陥をさらに精度よく検出することができる。つまり、実施例4によれば、実施例1における効果に合わせ、磁気検出用磁気コイル12-1、12-2によって得られる被検査配管全体を伝わってきたパルス磁場応答の情報を欠陥解析に追加することができる。こうして磁気センサ4-1と磁気検出用磁気コイル12-1、12-2による情報を合わせることにより、欠陥による信号変化をより精度よく抽出することができる。
【実施例4】
【0059】
本発明によれば、交流電源でなくパルス電源を用いているため、電源容量負荷が小さくてすみ、回路構成としてロックイン検波しなくても良好な磁気信号が得られる、パルス磁気を用いた非破壊検査装置及び非破壊検査方法を提供することができる。
【実施例4】
【0060】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例・設計変更などをその技術的範囲内に包含することは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、石油プラントや化学プラントなど多くのところで使われている鉄鋼配管あるいは断熱材で覆われた鉄鋼配管の表面や内部、内側にある欠陥を検出する非破壊検査装置である。従来の磁気を用いた探傷検査方法では、欠陥による信号変化が微弱なため断熱材を用いた鉄鋼配管には適応できなかったため、断熱材を取り除いて検査されていた。本発明により、鉄鋼配管単体のみならず断熱材をつけた状態での配管の表面や内部、内側にある欠陥の検査に適用できる。
【符号の説明】
【0062】
1-1 パルス磁気検査装置
1-2 パルス磁気検査装置
1-3 パルス磁気検査装置
1-4 パルス磁気検査装置
2 断熱配管
2a 鋼管
2b 断熱材
2c 溶融亜鉛鉄板
3-1 励磁コイル
3-2 励磁コイル
3-3 励磁コイル
3-4 励磁コイル
4-1~9 磁気センサ
5-1 検査部母材
5-3 検査部母材
6-1 検査部
6-2 検査部
6-3 検査部
6-4 検査部
7-1 磁気センサ用回路
7-2 磁気センサ用回路
8 パルス電源
9 電源切り替え回路
10 信号解析装置
11-1 電気的接続コネクタ
11-2 電気的接続コネクタ
12-1 磁気検出用磁気コイル
12-2 磁気検出用磁気コイル
13 磁気コイル用回路
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9