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明細書 :養液栽培装置と方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4195712号 (P4195712)
公開番号 特開2007-300854 (P2007-300854A)
登録日 平成20年10月3日(2008.10.3)
発行日 平成20年12月10日(2008.12.10)
公開日 平成19年11月22日(2007.11.22)
発明の名称または考案の名称 養液栽培装置と方法
国際特許分類 A01G  31/00        (2006.01)
FI A01G 31/00 601E
請求項の数または発明の数 5
全頁数 15
出願番号 特願2006-132600 (P2006-132600)
出願日 平成18年5月11日(2006.5.11)
審査請求日 平成18年5月31日(2006.5.31)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】591106462
【氏名又は名称】茨城県
発明者または考案者 【氏名】中原 正一
個別代理人の代理人 【識別番号】100081927、【弁理士】、【氏名又は名称】北條 和由
審査官 【審査官】松本 隆彦
参考文献・文献 実開平02-023456(JP,U)
特開平05-308864(JP,A)
実開平02-096857(JP,U)
実開平02-070656(JP,U)
特開平01-277435(JP,A)
実開昭52-168833(JP,U)
特開昭55-156528(JP,A)
実開平04-124064(JP,U)
特開平03-049627(JP,A)
調査した分野 A01G31/00-31/02
特許請求の範囲 【請求項1】
ほぼ水平に敷かれ、液肥槽に収納した養液を毛細管現象により汲み上る給水マットと、この給水マット上に少なくとも1列以上並べて配置され、同給水マットから植物体の根系に液肥が供給される複数の栽培ポットとを有する養液栽培装置において、栽培ポットの列の両端側にそれぞれ液肥槽を配置し、それら両端側の液肥槽の中の液肥に水位差を与えると共に、その両端側の液肥槽の水位の高低を交互に切り替える手段を有することを特徴とする養液栽培装置。
【請求項2】
栽培ポットの列の両端側の液肥槽の中の液肥に水位差を与えると共に、その両端側の液肥槽の水位の高低を交互に切り替える手段は、液肥投入口側から両端側の液肥槽に液肥を供給する液肥供給配管系に組み込まれていることを特徴とする請求項1に記載の養液栽培装置。
【請求項3】
液肥槽はその中の液肥を攪拌して液肥槽の幅方向の濃度を均一にする攪拌手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の養液栽培装置。
【請求項4】
ほぼ水平に敷かれ、液肥槽に収納した養液を毛細管現象により汲み上る給水マット上に少なくとも1列以上並べて植物体を植生した栽培ポットを配置し、前記給水マットから栽培ポットに植生した植物体の根系に液肥を供給しながら植物体を栽培する養液栽培方法において、給水マットは、栽培ポットの列の一端側から液肥を供給し、その列の他端側へと液肥を移動させながら栽培ポットに植生した植物体の根系に液肥を供給すると共に、この給水マットの栽培ポットの列方向の液肥の流れを交互に逆方向に切り替えることを特徴とする養液栽培方法。
【請求項5】
給水マットの液肥の流れの切り替えは、定期的に交互に切り替えることを特徴とする請求項4に記載の養液栽培方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、毛細管現象により一端を液肥に漬けた給水マットに液肥を汲み上げ、この給水マットのほぼ水平に敷いた部分に栽培ポットを配置し、その給水マットから栽培ポットに植生された植物体の根系に養液を送りながら植物体を栽培するための養液栽培装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の水の毛細管現象を利用した一般的な養液栽培装置と方法は、例えば、特開平5-308864号公報に記載されたように、親水性の不織布等からなる給水マットの一端を養液槽に漬け、その他端側を養液を回収する養液排水槽の上に垂らし、その中間部を水平に敷くことによって、給水マットの水平部分における液肥の移動を可能にしている。ロックウール等の培地に植物体を植生した栽培ポットを、前記の給水マットの水平部分の上に載せ、培地の中に伸張する植物体の根系に養液を供給しながら、植物体を栽培する。
【0003】
このような養液栽培装置と方法では、栽培の効率向上のため、有る程度の長さを有する給水マットの上に複数の栽培ポットを並べて配置しながら栽培を行うことが一般化されている。
図11、図12は、給水マットの上に複数の栽培ポットを並べて栽培する従来の水の毛細管現象を利用した養液栽培装置と方法を示している。図11の養液栽培装置と方法は、給水マットの一端を養液槽に漬け、その他端側を垂らさずに水平にしたままのものである。図12の養液栽培装置と方法は、給水マットの一端を養液槽に漬け、その他端側を養液を回収する排液槽の上に垂らし、この排液槽から養液の回収を可能としたものである。これら養液栽培装置と方法では、何れも水の毛細管現象によって吸い上げられた給液槽の液肥が給水マット上に置かれた作物によって吸収される。
【0004】
この場合、図11に示した養液栽培装置と方法のように、液肥が給水マットに吸い上げられるだけの方法では、給液槽からの距離によって、植物に生育差が生じてしまう。これは、給水マット上を液肥が移動する間に、植物に吸収されずに液肥中に過剰に残ってしまう成分が生じたり、反対に植物に過剰に吸収されて液肥中に不足してしまう成分が生じたりするためである。この結果、液肥槽に近い位置にある植物は、給液槽内とほぼ同じ液肥が施用されるのに対して、液肥槽から遠い位置にある植物には、到達するまでに組成や濃度が異なってしまった液肥が施用されることになるのである。
【0005】
図12に示した養液栽培装置と方法は、この課題を解決しようとするものである。この図12に示した養液栽培装置と方法のように、給液マットを片側から垂らすことによって、給液マット上の液肥を移動・循環させることが出来、排液槽から養液の回収も可能となる。
【0006】
この図12に示した養液栽培装置と方法を採用することによって、給液マット上の液肥組成や濃度の不均一性は有る程度改善される。しなしながら、その効果は十分ではない。これは、水の毛細管現象によって吸い上げられてマット上を移動する液肥の移動速度が極めて遅いため、植物を栽培している給液マット上を液肥が移動している間に、液肥の組成や濃度が変化してしまうためである。したがって、この方法を導入しても、植物を均一に生育させることは困難である。
【0007】
水の毛細管現象を利用した養液栽培において、植物を均一に生育させるには、植物が吸収できる液肥の状態を給液マット上のどこでも均一にすることが必要である。しかし、前述のような養液栽培装置と方法では、給液マット全体の液肥の状態を同時に一定化することは困難である。

【特許文献1】特願平05-308864号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような従来の養液栽培装置と方法の課題に鑑み、栽培ポットを給液マット上のどこ置いても栽培ポットに植生した植物体の根系に均一に養液を供給し、与えることが出来、さらに液肥の効率的な利用も可能な養液栽培装置と方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明では、前記の目的を達成するため、給液マットの上に配置した栽培ポットの列に沿って液肥の流れを形成すると共に、その流れの方向を随時切り替えることが出来るようにした。これにより、給液マットの上に配置した栽培ポットの列に沿って移動する液肥の流れの方向を定期的に切り替え、栽培ポットの位置によって供給される液肥の量や濃度等にバラツキが生じないようにした。
【0010】
すなわち、本発明による養液栽培装置は、ほぼ水平に敷かれ、液肥槽に収納した養液を毛細管現象により汲み上る給水マットと、この給水マット上に少なくとも1列以上並べて配置され、同給水マットから植物体の根系に液肥が供給される複数の栽培ポットとを有する。そして、栽培ポットの列の両端側にそれぞれ液肥槽を配置し、それら両端側の液肥槽の中の液肥に水位差を与えると共に、その両端側の液肥槽の水位の高低を交互に切り替える手段を有する。
【0011】
この栽培ポットの列の両端側の液肥槽の中の液肥に水位差を与えると共に、その両端側の液肥槽の水位の高低を交互に切り替える手段は、液肥投入口側から両端側の液肥槽に液肥を供給する液肥供給配管系に組み込む。さらに、液肥槽はその中の液肥を攪拌して液肥槽の幅方向の濃度を均一にする攪拌手段を有するのが好ましい。
【0012】
また、本発明による養液栽培方法は、ほぼ水平に敷かれ、液肥槽に収納した養液を毛細管現象により汲み上る給水マット上に少なくとも1列以上並べて植物体を植生した栽培ポットを配置し、前記給水マットから栽培ポットに植生した植物体の根系に液肥を供給しながら植物体を栽培する。この場合に、給水マットは、栽培ポットの列の一端側から液肥を供給し、その列の他端側へと液肥を移動させながら栽培ポットに植生した植物体の根系に液肥を供給すると共に、この給水マットの栽培ポットの列方向の液肥の流れを交互に逆方向に切り替える。この給水マットの液肥の流れの切り替えは、定期的に交互に切り替える。
【0013】
このような本発明による養液栽培装置と方法では、給水マットの栽培ポットを置いた部分において、液肥の流れ(液肥の移動)が栽培ポットの列に沿って逆方向に交互に切り替えることが出来るので、その切り替えを行うことにより、各々の栽培ポットに液肥の養分を与える量や濃度を均一化することが出来る。これにより、栽培ポットを配置した位置に係わらず、植物体の根系には、何れも均一な養分を与えることが出来る。よって、栽培ポットを配置した位置により、植物体の生長にバラツキが生じることなく、均一な生長を望むことが出来る。従って、この液肥の流れの方向の切り替えは、定期的に一定の時間毎に行うのがよい。
【0014】
栽培ポットの列の両端側の液肥槽の中の液肥に水位差を与えると共に、その両端側の液肥槽の水位の高低を交互に切り替える手段を、液肥投入口側から両端側の液肥槽に液肥を交互に切り替えて供給する液肥供給配管系に組み込むことにより、時間制御等により、簡単に液肥の流れの切り替えを実現することが出来る。
【0015】
さらに、液肥槽が幅が広く、複数列の栽培ポットに液肥を供給するような場合、液肥槽はその中の液肥を攪拌して液肥槽の幅方向の濃度を均一にする攪拌手段を有すると、栽培ポットの列毎の液肥の濃度も均一化出来る。従って、栽培ポットの列毎の生長にバラツキが生じない。すなわち、栽培ポットの列毎の生長も均一化することが出来る。
【発明の効果】
【0016】
以上説明した通り、本発明による養液栽培装置と方法では、給水マット上に栽培ポットを配置したことにより植物体の生長にバラツキが生じることなく、給水マットの位置に係わらず、均一な生長を確保することが出来る。また、各々の栽培ポットに液肥の養分を与える量や濃度を均一化することが出来るので、液肥の効率的な施用が可能となる。
【0017】
このように、給液マット上の液肥の流れを定期的に反転させたり、装置内の液肥を定期的に撹拌して液肥の状態の均一性を高めることによって、給液マット上の液肥の均一性を高めることができる。これによって、水の毛細管現象を利用した養液装置を用いた栽培での、作物の生育の揃いを良好にすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明では、給液マットの上に配置した栽培ポットの列に沿って液肥の流れを形成すると共に、その流れの方向を随時切り替えることが出来るようにし、これにより、栽培ポットの位置によって供給される液肥の量や濃度等にバラツキが生じないようにした。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施例をあげて詳細に説明する。
【0019】
図1と図2は、本発明による養液栽培装置の基本的な構成を有する実施例を示している。
水平に設置された栽培ベッドの両側に、液肥槽(a)、(b)を同じ高さに設置する。そして、給液マットを栽培ベッドの上に置き、その両端を2つの液肥槽(a)、(b)に垂らす。図1では、一方の液肥槽(a)を給液側とし、他方の液肥槽(b)を排液側として用いる。給液側として用いる液肥槽(a)に液肥を入れ、この液肥に給液マットの一端を浸漬すると、水の毛細管現象によって、液肥は給液側として用いる液肥槽(a)から給水マットによって栽培ベッド上を移動して行き、排液側として用いる他方の液肥槽(b)に溜まる。この排液側として用いる液肥槽(b)に溜まった液肥を給液側として用いる前記液肥槽(a)に戻すように配管系を接続することにより、栽培ベッド上の給液マットを通して給液側として用いる液肥槽(a)から排液側として用いる他方の液肥槽(b)に向かって、液肥が絶えず移動し続ける。そして、排液側として用いる液肥槽(b)から元の給液側として用いる液肥槽(a)に液肥を戻すことにより、液肥が回収・再利用出来る。
【0020】
さらにこの装置では、給液側として用いた液肥槽(a)を排液側に、排液側として用いた液肥槽(b)を給液側に切り替えることによって、栽培ベッド上の液肥の流れを反転させることができる。この切替えを定期的に行うことによって、栽培ベッド上の液肥の流れを定期的に反転させることができる。
【0021】
図1と図2によりさらに具体的に説明する。この図1と図2に示した例では、栽培ポットの列の両端側に配置された液肥槽(a)、(b)にそれらの液肥の水位を感知するための水位センサー(a)、(b)がそれぞれ設けられている。
【0022】
液肥の供給源となる液肥投入口が設けられ、この液肥投入口から前記2つの液肥槽(a)、(b)に液肥を供給するための配管と、前記2つの液肥槽(a)、(b)から液肥投入口へ液肥を回収するための配管が設けられている。後者の配管には、液肥に推力を与えるポンプPが取り付けられている。さらに、液肥を供給するための配管の分岐点の後にバルブ(c)、(d)が設けられ、液肥を回収するための配管の合流点の手前にそれぞれバルブ(a)、(b)が設けられている。この状態において、給液マットを栽培ベッドの上に置き、その両端を2つの液肥槽(a)、(b)に垂らす。給液マットの一端は給液側として用いる液肥槽(a)の液肥に浸漬するが、給液マットの他端は排液側として用いる液肥槽(b)の液肥に浸漬するか否かはどちらでも差し支えない。
【0023】
この装置において、まず給液側として用いる液肥槽(a)の水位センサ(a)を停止させ、排液側として用いる液肥槽(b)の水位センサー(b)を作動させる。この状態で、液肥が給液側として用いる液肥槽(a)から、水の毛細管現象によって給水マット上を移動して排液側として用いる液肥槽(b)に溜まると、水位センサー(b)が感知してポンプ(a)を作動させ、液肥槽(b)の水位が水位センサー(b)の位置に低下するまで、液肥槽(a)に液肥が戻される。この動作を定期的に繰り返すことによって、液肥槽(a)と液肥槽(b)との間には、常に一定の水位差が生じる。このため、給水マット上には給液側になっている液肥槽(a)から排液槽になっている液肥槽(b)に向けて常に一定速度の液肥の流れが生じる。
【0024】
次にこの状態から、バルブ(a)を開から閉に、バルブ(b)を閉から開に、バルブ(c)を閉から開に、バルブ(d)を開から閉に、それぞれ切り替える。そして、作動させていた水位センサ(b)を停止し、水位センサー(a)を作動させる。この切替えによって、液肥槽(a)は排液側に、液肥槽(b)は給液側にそれぞれ切り替わる。これにより、給水マット上の液肥の流れを反対向きに変えることができる。この液肥の流れの切替えを定期的に行なうことによって、給水マット上の植物を均一に生育させることができる。
【0025】
このような養液栽培装置において、給水マット上に植物を直接置くと、根が給水マットに絡んでしまうので、図3に示すような栽培用ポットを用いることにより、栽培しやすくなる。この場合、図4に示すように、発砲スチロール板等を栽培用ポットの支持板として用いる。なお、支持板には、栽培用ポットと同じ大きさの穴を開けておくと、栽培用ポットの安定性がよい。
【0026】
植物を栽培していると、植物による液肥の吸収によって、給液側の液肥槽と排出側の液肥槽との水位差が小さくなってしまう。このため、図5に示すように液肥タンクから液肥を給液側の液肥槽に補充しなければならない。液肥槽(a)が給液側で、液肥槽(b)が排液側である場合、水位センサー(b)の感知によりポンプ(a)が作動し、液肥槽(b)の水位が水位センサー(b)の位置になるまで液肥が液肥槽(a)に戻される。次いで水位センサー(c)の感知によりポンプ(b)が作動し、水位が水位センサー(c)の位置に達するまで、液肥タンクから液肥槽(a)に液肥が補給される。以下、定期的にこの動作を繰り返すことによって、液肥槽(a)と液肥槽(b)の水位差はほぼ一定に保たれる。この場合、タイマー等を組み合わせることによって、水位センサー(b)の感知によるポンプ(a)の動作が終了した時点で、水位センサー(c)を感知させてポンプ(b)を動作させるとよい。これを逆の順番で動作させると、水位差を一定に保つことはできない。
【0027】
なお、図5の状態からバルブ(a)、(d)を閉じ、バルブ(b)、(c)を開いて給水マット上の液肥の流れを反対向きに替えたときは、液肥槽(a)の水位が下降し、水位センサー(a)で水位を感知した時点でポンプ(a)の動作を終了する。続いて水位センサー(d)を動作させて、その水位センサー(d)が水位を感知するまでポンプ(b)を動作させて液肥タンクから液肥投入口を介して液肥槽(b)に液胞を供給する。そうすると、図5とは逆に、液肥槽(b)が水位の高い給液側となり、液肥槽(a)が水位の低い排液側となり、その間に所定の水位差が乗じる。
【0028】
栽培ベッドが複数ある場合は、図6に示すように、液肥槽の下部の配管を連結すれば、栽培ベッドが1つのものと同様に、給水マット上の液肥の流れを作り出すことができる。また、給液マット上の液肥の流れを反対向きに変えることが出来る配管系も同様にして構成出来る。
【0029】
また、給液マット上の液肥の状態を一定にするためには、栽培ベッド上の液肥の流れを反転させる他に、栽培装置内の液肥の状態を均一にする方法が必要である。これは植物を栽培している状態では、給液マット上を液肥が移動している間に液肥の組成や濃度が変化してしまうため、給液側の液肥槽と排液側の液肥槽とでは液肥の濃度や組成が異なっている。このため、排液側の液肥槽から給液側の液肥槽へ移動させた液肥と、液肥タンクから給液側の液肥槽へ供給した液肥とは、濃度や組成が異なっている。したがって、供給槽内の液肥の濃度や組成を均一な状態に保つためには、供給槽として用いている液肥槽内の液肥を定期的に撹拌する必要がある。
【0030】
図7は、供給側となる液肥槽の幅方向の断面を示している。またその液肥槽に配管を介して接続された液肥投入口を示しているが、排液側となる液肥槽と液肥タンクは図示を省略してある。
液肥の攪拌に当たっては、図7に矢印1で示すように、まず排液側の液肥槽から給液側の液肥槽へ液肥を移動させた後、次いで矢印2で示すように、液肥タンクから液肥投入口を介して給液側の液肥槽へ液肥を補充する。最後にポンプ(c)を作動させて矢印3で示すように液肥を循環させ、給液側の液肥槽内を撹拌するとよい。給液側の液肥槽と排液側の液肥槽の水位差を一定に保ちながら、給液側の液肥槽内の液肥を均一に保つためには、この動作順を変えることは好ましくない。図8は、栽培ベッドが複数ある装置を図7と同様にして図示したものである。この図8に示すように栽培ベッドが複数ある装置でも、前述の液肥の移動、補充、循環の動作は基本的に同じである。
【0031】
給液側の液肥槽と排液側の液肥槽について、それぞれの液肥投入口の側とは反対側の端は、図9に示すように、撹拌切替えのための配管およびバルブ等の設置が必要である。また、図9に示した装置の配管の構成は、「排液側の液肥槽から給液側の液肥槽への液肥の移動専用ポンプ」と「給液側の液肥槽内の液肥の撹拌専用ポンプ」との役割切替え機能の付加により、図10に示すような改良が可能である。
【0032】
図9中に示したポンプ(a)は、排液側の液肥槽から給液側の液肥槽への液肥の移動専用であり、ポンプ(c)は給液側の液肥槽内の液肥の撹拌専用であり、その役割は固定されている。この2つのポンプの役割を切替えできるようにすると、図10に示すように、液肥投入口側の配管を簡便化でき、また、配管上のバルブの数も少なくすることができる。すなわち、図9に示したポンプ(a)とポンプ(c)について、役割を切替えできるようにすると、バルブ(a)、バブル(b)、バルブ(e)、バルブ(f)が不要になるとともに、液肥投入口側の配管をおおむね半分にすることができるため、図10に示すような配管およびバルブ構成となる。
【0033】
図10に示すような装置構成では、液肥槽(a)を給液側とし、液肥槽(b)を排液側とした場合、バルブ(c)を閉じてバルブ(d)を開け、ポンプ(c)を排液側の液肥槽から給液側の液肥槽へ液肥を移動させるために用い、ポンプ(a)を給液側の液肥槽内の液肥を撹拌させるために用いる。反対に、液肥槽(a)を排液側とし、液肥槽(b)を給液側とした場合、バルブ(c)を開けてバブル(d)を閉じ、ポンプ(a)を排液側の液肥槽から給液側の液肥槽へ液肥を移動させるために用い、ポンプ(c)を給液側の液肥槽内の液肥を撹拌させるために用いる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による養液栽培装置の一実施例を示す装置構成概念図である。
【図2】同実施例において図1から液肥の流れの方向が変わった状態を示す装置構成概念図である。
【図3】本発明による養液栽培装置において使用する栽培ポット例を示す概略断面図である。
【図4】本発明による養液栽培装置の他の実施例を示す装置構成概念図である。
【図5】本発明による養液栽培装置の液肥の供給手段の例を示す装置構成概念図である。
【図6】本発明による養液栽培装置の他の実施例を示す装置構成概念図である。
【図7】本発明による養液栽培装置の液肥の攪拌手段の例を示す装置構成概念図である。
【図8】本発明による養液栽培装置の液肥の攪拌手段の他の例を示す装置構成概念図である。
【図9】本発明による養液栽培装置の液肥の供給手段の他の例を示す装置構成概念図である。
【図10】本発明による養液栽培装置の液肥の供給手段の他の例を示す装置構成概念図である。
【図11】養液栽培装置の従来例を示す装置構成概念図である。
【図12】養液栽培装置の他の従来例を示す装置構成概念図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11