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明細書 :口腔内疾患の予防、改善又は治療剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5645192号 (P5645192)
登録日 平成26年11月14日(2014.11.14)
発行日 平成26年12月24日(2014.12.24)
発明の名称または考案の名称 口腔内疾患の予防、改善又は治療剤
国際特許分類 C12N   1/20        (2006.01)
A61K  35/74        (2006.01)
A61P   1/02        (2006.01)
A23L   1/30        (2006.01)
C12R   1/225       (2006.01)
C12R   1/245       (2006.01)
FI C12N 1/20 A
C12N 1/20 E
A61K 35/74 A
A61P 1/02
A23L 1/30 Z
C12N 1/20 E
C12R 1:225
C12N 1/20 E
C12R 1:245
請求項の数または発明の数 7
微生物の受託番号 NITE BP-771
NITE BP-772
NITE BP-775
全頁数 15
出願番号 特願2011-522744 (P2011-522744)
出願日 平成22年7月16日(2010.7.16)
国際出願番号 PCT/JP2010/004626
国際公開番号 WO2011/007584
国際公開日 平成23年1月20日(2011.1.20)
優先権出願番号 2009168122
優先日 平成21年7月16日(2009.7.16)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成25年4月3日(2013.4.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
発明者または考案者 【氏名】二川 浩樹
個別代理人の代理人 【識別番号】110000084、【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
【識別番号】100077562、【弁理士】、【氏名又は名称】高野 登志雄
【識別番号】100096736、【弁理士】、【氏名又は名称】中嶋 俊夫
【識別番号】100117156、【弁理士】、【氏名又は名称】村田 正樹
【識別番号】100111028、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 博人
審査官 【審査官】田村 直寛
参考文献・文献 檜山あや他,口腔由来乳酸菌株によるmutans strepococciおよびCandidaの阻止作用,広島大学歯学雑誌,2009年 6月,Vol.41 No.1,pp.93-94
Journal of Investigative and Clinical Dentistry,2011年,Vol.2,pp.187-196
調査した分野 C12N 1/20
A23L 1/30
A61K 35/74
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株(NITE BP-771)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YU3株(NITE BP-772)及びラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)YU4株(NITE BP-775)から選ばれる1種以上の乳酸菌の菌体若しくは菌体培養物又はこれらの抽出物を有効成分とする口腔内疾患の予防、改善又は治療剤。
【請求項2】
ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株(NITE BP-771)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YU3株(NITE BP-772)及びラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)YU4株(NITE BP-775)から選ばれる1種以上の乳酸菌の菌体若しくは菌体培養物又はこれらの抽出物を含有する食品。
【請求項3】
発酵乳又は発酵飲料である請求項2記載の食品。
【請求項4】
ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株(NITE BP-771)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YU3株(NITE BP-772)及びラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)YU4株(NITE BP-775)から選ばれる1種以上の乳酸菌の菌体若しくは菌体培養物又はこれらの抽出物を有効成分とするう蝕菌、歯周病菌及びカンジダ菌の増殖抑制剤。
【請求項5】
う蝕菌、歯周病菌及びカンジダ菌が、少なくとも、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)及びカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)である請求項4記載のう蝕菌、歯周病菌及びカンジダ菌の増殖抑制剤。
【請求項6】
独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに、NITE BP-771として寄託されたラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株、NITE BP-772として寄託されたラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YU3株及びNITE BP-775として寄託されたラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)YU4株。
【請求項7】
口腔内疾患の予防、改善又は治療剤として使用される、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株(NITE BP-771)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YU3株(NITE BP-772)及びラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)YU4株(NITE BP-775)から選ばれる1種以上の乳酸菌の菌体若しくは菌体培養物又はこれらの抽出物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、う蝕又は歯周病等の口腔内疾患の予防、改善又は治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔内微生物叢は、400~500種類の微生物によって構成されている。このため、口腔内にはう蝕菌、歯周病菌及びカンジダ菌等、様々な病原微生物が存在し、う蝕症、歯周疾患や舌炎、鵞口瘡、口腔カンジダ症等の種々の疾患が引き起こされる。また、最近の研究では、カンジダ菌は歯周病にも関連していることが報告されている。
従って、従来より、抗菌性物質を配合した口腔用組成物に関して多くの提案がなされてきた。しかし、口腔内に抗菌剤を投与しても抗菌剤は短時間のうちに唾液や飲食物によって洗い流され、その効果は一過性のものと言わざるを得なかった。
【0003】
また近年、乳酸菌が大腸内に於いて各種疾病の原因菌を抑制することに鑑み、その手法を歯科疾患に対して応用する研究が行われている。例えば、ラクトバチルス・サリバリウス(特許文献1、特許文献2)、ラクトバチルス・ロイテリ(特許文献3、特許文献4)、ラクトバチ・パラカゼイ(特許文献5)、ラクトバチルス・デルブルッキー(特許文献6)、ラクトバチルス・ファーメンタム(非特許文献1)等の乳酸菌がう蝕や歯周病の予防に有効であることが報告されている。
【0004】
しかしながら、う蝕菌や歯周病菌に対して抗菌力を示す乳酸菌であっても、抗菌スペクトルが狭かったり、或いは発酵能が十分でなく良好な発酵物が得られない、風味が良く嗜好性の優れた発酵物が得られないという問題もあった。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】WO2002/016554パンフレット
【特許文献2】WO2003/082027パンフレット
【特許文献3】特開2003-299480号公報
【特許文献4】特表2008-502360号公報
【特許文献5】特開2008-37859号公報
【特許文献6】特開2008-237198号公報
【0006】

【非特許文献1】三村純代,二川浩樹,牧平清超,檜山あや,高本祐子;日本歯科技工学会誌,29巻特別号,298(2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、口腔内疾患の原因菌に対して抗菌スペクトルが広く、風味が良く嗜好性に優れた発酵物を製造可能な新規乳酸菌株及びこれを用いた食品、口腔内疾患の予防、改善又は治療剤を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、口腔内微生物について鋭意検討したところ、唾液中に存在するラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・カゼイ及びラクトバチルス・パラカゼイに属する特定の乳酸菌株に、う蝕菌、歯周病菌及びカンジダ菌の何れに対しても優れた抗菌力があり、しかもこれらを用いることにより嗜好性に優れた発酵物が製造できることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は以下の1)~8)に係るものである。
1)ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株(NITE BP-771)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YU3株(NITE BP-772)及びラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)YU4株(NITE BP-775)から選ばれる1種以上の乳酸菌の菌体若しくは菌体培養物又はこれらの抽出物を有効成分とする口腔内疾患の予防、改善又は治療剤。
2)ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株(NITE BP-771)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YU3株(NITE BP-772)及びラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)YU4株(NITE BP-775)から選ばれる1種以上の乳酸菌の菌体若しくは菌体培養物又はこれらの抽出物を含有する食品。
3)食品が発酵乳又は発酵飲料である上記2)の食品。
4)ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株(NITE BP-771)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YU3株(NITE BP-772)及びラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)YU4株(NITE BP-775)から選ばれる1種以上の乳酸菌の菌体若しくは菌体培養物又はこれらの抽出物を有効成分とするう蝕菌、歯周病菌及びカンジダ菌の増殖抑制剤。
5)う蝕菌、歯周病菌及びカンジダ菌が、少なくとも、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)及びカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)である4)のう蝕菌、歯周病菌及びカンジダ菌の増殖抑制剤。
6)独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに、NITE BP-771として寄託されたラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株、NITE BP-772として寄託されたラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YU3株及びNITE BP-775として寄託されたラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)YU4株。
7)口腔内疾患の予防、改善又は治療剤として使用される、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株(NITE BP-771)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YU3株(NITE BP-772)及びラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)YU4株(NITE BP-775)から選ばれる1種以上の乳酸菌の菌体若しくは菌体培養物又はこれらの抽出物。
8)ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株(NITE BP-771)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YU3株(NITE BP-772)及びラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)YU4株(NITE BP-775)から選ばれる1種以上の乳酸菌の菌体若しくは菌体培養物又はこれらの抽出物を投与又は摂取することを特徴とする口腔内疾患の予防、改善又は治療方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、う蝕症、歯周疾患や舌炎、鵞口瘡、口腔カンジダ症等の種々の口腔内疾患の予防、改善又は治療効果を発揮する、嗜好性の高い食品、医薬品、口腔内組成物等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1a】 Streptococcus mutansに対する発育阻害効果を示すグラフ。
【図1b】 Streptococcus mutansに対する発育阻害効果を示すグラフ。
【図2】 Streptococcus sobrinusに対する発育阻害効果を示すグラフ。
【図3a】 Porphyromonas gingivalisに対する発育阻害効果を示すグラフ。
【図3b】 Porphyromonas gingivalisに対する発育阻害効果を示すグラフ。
【図4a】 Candida albicansに対する発育阻害効果を示すグラフ。
【図4b】 Candida albicansに対する発育阻害効果を示すグラフ。
【図5】 Candida albicansに対するバイオフィルム形成阻害効果を示すグラフ。
【図6】味についての評価結果(Visual Analogue Scale(VAS)法)を示すグラフ。
【図7】ヨーグルトの抗菌作用を示すグラフ。(A):S. mutans ingbritt株、(B):S. sobirinus B13株
【図8a】ヒト口腔内におけるう蝕菌及び歯周病菌の菌数減少効果を示すグラフ。(A):う蝕菌、(B):P.intermedia(Pi)
【図8b】ヒト口腔内におけるう蝕菌及び歯周病菌の菌数減少効果を示すグラフ。(C):T.forsythensis(Tf)、(D):F.nucleatum(Fuso)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の発酵乳に用いられる乳酸菌は、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・カゼイ及びラクトバチルス・パラカゼイに属する乳酸菌株であり、具体的には、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(住所:〒292-0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に、NITE BP-771として2009年6月10日付で寄託されたラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株、NITE BP-772として2009年6月10日付で寄託されたラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YU3株及びNITE BP-775として2009年6月24日付で寄託されたラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)YU4株である。

【0013】
KO3株は、ヒト唾液中から本発明者らによって初めて分離されたものであり、16S rRNAの塩基配列がラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)strain IDCC3201の塩基配列と1485/1485の間で100%の相同性を示し、グラム染色後の顕鏡下においてクラム陽性桿菌の様相を呈することから、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)と同定された。KO3株の主な菌学的性質を以下に示す。
1)グラム陽性乳酸桿菌、2)ホモ型乳酸発酵、3)カタラーゼ陰性、4)芽胞形成能無し、5)好気条件下でも培養可、6)菌体外多糖類を産生。

【0014】
YU3株は、ヒト唾液中から本発明者らによって初めて分離されたものであり、16S rRNAの塩基配列がラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)ATCC 334の塩基配列と1485/1485の間で100%の相同性を示し、グラム染色後の顕鏡下においてクラム陽性桿菌の様相を呈することから、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)と同定された。YU3株の主な菌学的性質を以下に示す。
1)グラム陽性乳酸球菌、2)ホモ型乳酸発酵、3)カタラーゼ陰性、4)芽胞形成能無し、5)好気条件下でも培養可、6)菌体外多糖類を産生。

【0015】
YU4株は、ヒト唾液中から本発明者らによって初めて分離されたものであり、16S rRNAの塩基配列がラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)strain DJ1 16S ribosomal RNA geneのPartial Sequenceと1477/1477 (100%)の相同性を示し、グラム染色後の顕鏡下においてグラム陽性桿菌の様相を呈することから、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)と同定された。YU4株の主な菌学的性質を以下に示す。
1)グラム陽性乳酸球菌、2)ホモ型乳酸発酵、3)カタラーゼ陰性、4)芽胞形成能無し、5)好気条件下でも培養可、6)菌体外多糖類を産生。

【0016】
本発明においては、上記乳酸菌の菌体を、乳酸菌培養の常法に従って培養し、得られた培養物から遠心分離等の集菌手段によって分離されたものをそのまま用いることのみならず、当該培養・発酵液(培養上清)、その濃縮液や、菌体を酵素や物理的手段を用いて処理した細胞質や細胞壁画分も用いることができる。また、生菌体のみならず死菌体であってもよい。

【0017】
本発明の乳酸菌を培養する培地には、果汁培地、野菜汁培地、牛乳培地、脱脂粉乳培地又は乳成分を含む培地、これを含まない半合成培地等種々の培地を用いることができる。このような培地としては、脱脂乳を還元して加熱殺菌した還元脱脂乳培地、酵母エキスを添加した脱脂粉乳培地、MRS培地、GAM培地等を例示することができる。
培養方法は、静置培養又はpHを一定にした中和培養や、回分培養及び連続培養等、菌体が良好に生育する条件であれば、特に制限はない。

【0018】
本発明の乳酸菌の菌体又は菌体培養物の抽出物とは、菌体又は菌体培養物を、溶媒抽出することにより得られる各種溶剤抽出液、その希釈液、その濃縮液又はその乾燥末を意味するものである。

【0019】
本発明の抽出物を得るために用いられる抽出溶剤としては、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができ、これらを混合して用いることもできる。例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ピリジン類等が挙げられ、このうち、酢酸エチル等のエステル類、エタノール等のアルコール類が好ましい。

【0020】
抽出条件は、使用する溶剤によっても異なるが、例えば、培養液1質量部に対して1~10質量部の溶剤を用い、0~50℃、好ましくは25~37℃の温度で、0.5時間~3時間抽出するのが好ましい。

【0021】
上記の抽出物は、そのまま用いることもできるが、当該抽出物を希釈、濃縮若しくは凍結乾燥した後、必要に応じて粉末又はペースト状に調製して用いることもできる。また、液々分配等の技術により、適宜精製して用いることもできる。

【0022】
本発明の口腔内疾患の予防、改善又は治療剤における、「口腔内疾患」としては、う蝕菌、歯周病菌及びカンジダ菌によって引き起こされる口腔内疾患をいい、例えば、う蝕症;歯肉炎、歯周炎等の歯周病、舌炎、鵞口瘡、口角炎等の口腔カンジダ症等が挙げられる。
また、う蝕菌としては、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus)、歯周病菌としてはポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、プレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)、トレポネーマ・デンティコーラ(Treponema denticola)、タンネレラ・フォーサイセンシス(Tannerella forsythensis)、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)等が挙げられ、カンジダ菌としては、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)等が挙げられる。

【0023】
後記実施例に示すように、本発明の乳酸菌は、う蝕菌であるストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)及びストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus)、歯周病菌であるポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)及びカンジダ菌であるカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)の何れに対しても増殖抑制効果を有する。また、口腔内の歯肉縁下プラークフォーマーとして知られるFusobacterium. nucleatum等のFusobacterium属細菌の増殖を抑制する作用を有する。そして、当該乳酸菌を用いて調製された発酵乳は、風味及び食感が良く、また、既存の発酵乳中の他の乳酸菌、例えばLactobacillus. bulgaricus等と共存させてもその風味を害することがないか或いはより向上させることができる。
従って、当該乳酸菌の菌体若しくは菌体培養物又はこれらの抽出物は、口腔内疾患の予防、改善又は治療剤として、或いはう蝕菌、歯周病菌及びカンジダ菌の増殖抑制剤となり得る。斯かる口腔内疾患の予防、改善又は治療剤、蝕菌、歯周病菌及びカンジダ菌の増殖抑制剤は、それ自体で、当該口腔内の病原微生物により引き起こされる、う蝕症、歯周病、口腔カンジダ症等の口腔内疾患の予防、改善又は治療のための、或いはう蝕菌、歯周病菌及びカンジダ菌の増殖抑制のための食品、医薬品、口腔用組成物等として使用でき、或いは食品、医薬品、口腔用組成物に配合するための素材として使用可能である。また、食品は、虫歯、歯周病、その他の口腔内感染症の予防・改善等をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した健康食品、サプリメント若しくは特定保健用食品等の機能性食品とすることも可能である。

【0024】
医薬品として用いる場合の形態としては経口投与の形態が好ましく、その剤型は、例えば、液剤;錠剤、顆粒剤、細粒剤、粉剤、タブレット等の固形剤;或いは当該液剤又は固形剤を封入したカプセル剤、口腔用スプレー、トローチ等の様々な形態が挙げられる。このような種々の剤型の医薬製剤やサプリメントを調製するには、本発明の菌体や培養物の作用を妨げない範囲で、他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
斯かる経口投与用製剤として用いる場合の該製剤中の本発明の乳酸菌の菌体若しくは菌体培養物又はこれらの抽出物の含有量は、全組成中の1質量%~50質量%、好ましくは10質量%~20質量%である。

【0025】
食品として用いる場合の形態としては、果汁又は野菜汁飲料、炭酸飲料、茶系飲料、乳飲料、発酵乳、発酵果汁、発酵野菜汁、アルコール飲料、清涼飲料等の飲料や、ゼリー状食品や各種スナック類、焼き菓子、ケーキ類、チョコレート、ジャム、パン、ガム、飴、スープ類、漬物、佃煮等の各種食品の他、上述した経口投与製剤と同様の形態(錠剤、カプセル剤、シロップ等)のサプリメント等が挙げられる。

【0026】
本発明の乳酸菌の培養物は、そのままヨーグルト、チーズ、味噌、醤油、漬物等の発酵食品となり、斯かる発酵乳やチーズを素材として使用し、虫歯や歯周病予防、改善用のパンやスナック菓子、ケーキ等にすることもできる。

【0027】
本発明の乳酸菌を利用した発酵は、予めスターターを用意し、これを発酵用原料物質に接種して発酵させる方法が好ましい。ここでスターターとしては、例えば代表的には予め通常の殺菌処理を行った発酵用原料物質、例えば酵母エキスを添加した10%脱脂粉乳などに、乳酸菌を接種して培養したものを挙げることができる。尚、発酵用原料物質には、必要に応じて発酵促進物質、例えばグルコース、澱粉、蔗糖、乳糖、デキストリン、ソルビトール、フラクトースなどの炭素源、酵母エキス、ペプトンなどの窒素源、ビタミン類、ミネラル類などを加えることができる。
乳酸菌の接種量は、一般には発酵用原料物質含有液1mL中に菌体が約1×106cells以上、好ましくは1×107cells前後含まれるものとなる量から選ばれるのが適当である。培養条件は、一般に、発酵温度20-42℃程度、好ましくは25-37℃程度、発酵時間5-72時間程度から選ばれる。斯くして得られる乳酸発酵物は、カード状形態(ヨーグルト様形態)を有しており、このものはそのまま固形食品となり得る。該カード状形態の乳酸発酵物は、これを更に均質化することにより、所望の飲料形態とすることができる。

【0028】
本発明の口腔内疾患の予防、改善又は治療剤等を口腔用組成物として用いる場合の具体的な形態としては、洗口剤、マウスウオッシュ、練歯磨、粉歯磨、水歯磨、口腔用軟膏剤、ゲル剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤、グミゼリー、トローチ、タブレット、カプセル、キャンディー、チューインガム等が挙げられ、好ましくは、練歯磨、洗口剤、グミゼリー、トローチが挙げられる。

【0029】
上記医薬品や食品への本発明乳酸菌の含有量は、特に限定されないが、一日投与量等に合わせて適宜調節すれば良いが、例えば剤型が液体の場合には、乳酸菌体濃度を1×106cells/ml~1×108cells/mlとすることが好ましく、固体の場合には、1×107cells/g~1×1010cells/gとすることが好ましい。

【0030】
本発明の乳酸菌を生菌として投与する場合は、成人一人当たり、1×108~5×1010cfu/日投与することが好ましい。
以下に、実施例及び試験例を示し、本発明についてより詳細に説明する。
【実施例】
【0031】
製造例1 乳酸菌菌体の調製
MRS培地(Difco社)を121℃で20分間滅菌した後、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株(NITE BP-771)として、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(住所:〒292-0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に寄託(2009年6月10日))を接種し、37℃で 48時間大気下で培養し、蒸留水・超純水・緩衝液などで洗浄後、菌体を得ることができる。
【実施例】
【0032】
同様にして、MRS培地(Difco社)を121℃で20分間滅菌した後、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)YU3株(NITE BP-772として、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(住所:〒292-0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に寄託(2009年6月10日))を接種し、37℃で 48時間大気下で培養し、蒸留水・超純水・緩衝液などで洗浄後、菌体を得ることができる。
【実施例】
【0033】
また、MRS培地(Difco社)を121℃で20分間滅菌した後、ラクトバチルス・パラカセイ(Lactobacillus paracasei)YU4株(NITE BP-775として、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(住所:〒292-0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に寄託(2009年6月24日))を接種し、37℃で48時間大気下で培養し、蒸留水・超純水・緩衝液などで洗浄後、菌体を得ることができる。
尚、比較として用いた、Lactobacillus Fermentumは、前記非特許文献1に記載の、ヒト口腔内から採取されたLactobacillus Fermentum SU3株を用い、上記と同様に培養し、試験に供した。
【実施例】
【0034】
試験例1 う蝕菌、歯周病菌及びカンジダ菌に対する抗菌作用
試験方法
-80℃で保存した各菌株を、常温で解凍し、遠沈(3000rpm×5min)にて回収後、滅菌蒸留水(MQ水)で2回洗浄しOD600で0.3(約1.0×109cfu/ml)に調節した。各懸濁液500μlを15mlのMRS Broth、もしくはBrain Heart Infusion Broth(以下BHI Broth:Difco)に接種後37℃で48時間静置培養を行った。その後、3000rpm、5分間(室温)の遠沈後、上清を回収し、抗菌アッセイに用いた。
【実施例】
【0035】
<被験菌株>
う蝕菌(mutans streptococci)として、Streptococcus mutans Ingbritt、Streptococcus sobrinus B13、を用いた。これらの菌の前培養には5%のYeast Extract(Difco)を添加したTryptic Soy Broth(以下TSBY:Difco)を用いて37℃、24時間培養を行った。その後、MQ水で2回洗浄後、OD600で0.3(Streptococcus mutans Ingbritt;1.0×108cfu/ml、Streptococcus sobrinus B13;1.0×108cfu/ml)に調整したものを使用した。
歯周病菌としては、Porphyromonas gingivalis 381株を用い、1%ヘミンおよび0.2%ビタミンKを添加したGAM培地を用いて37℃で7日間AneroPack(MCG)を入れた嫌気ジャー(BBL,Cookeysville,USA)(10%CO2)の中で前培養を行った.その後、リン酸緩衝液(pH 7.4;PBS)で2回洗浄後、OD600で0.3(0.5×107cfu/ml)に調整して用いた。
また、カンジダとしては、Candida albicans MYA274、を用い、Sabouraud Dextrose Broth(Difco)を用いて37℃で24時間前培養し、MQ水で2回洗浄後OD600で0.3(Candida albicans MYA274;1.0×107cells/ml)に調整したものを用いた。
【実施例】
【0036】
<抗菌アッセイ>
24穴プレートにう蝕菌に対してはTSBY、歯周病菌に対しては1%ヘミンおよび0.2%ビタミンKを添加したGAM培地またはBHI培地、カンジダに対してはSabouraud Brothを1ml、各上清1ml、OD600で0.3に調整した乳酸菌の菌懸濁液を50μl接種し、37℃で24時間後、濁度を測定した。コントロールとしてはTSBY、または Sabouraud Brothを1mlに、乳酸菌の前培養に用いた培地と同様の培地、すなわちMRS BrothまたはBHI Brothを1ml添加し、OD600で0.3に調整した菌懸濁液を50μl接種したものを用いた。また、各上清、およびコントロールにつき同様の試料を各々4つずつ作製し、平均値±SDを算出した。
【実施例】
【0037】
結果を、図1a及び1b、図2、図3a及び3b、図4a及び4bに示す。
YU3株、YU4株及びKO3株は、Streptococcus mutansStreptococcus sobrinusPorphyromonas gingivalisCandida albicansの何れに対しても、高い増殖抑制効果を示した。
また、その抗菌力は、公知のLactobacillus Fermentum SU3株よりも優れていた。
【実施例】
【0038】
試験例2 バイオフィルム阻害作用
Nikawaら1996年の方法(Nikawa, H., Nishimura, H. Yamamoto, T., Hamada, T. & Samaranayake, L.P.: The role of saliva and serum in Candida albicans biofilm formation on denture acrylic surfaces. Microbial Ecol Health & Dis 9, 35-48, 1996.)により、Candida albicansによるバイオフィルムアッセイを行った。義歯床用レジン (バイオレジン、松風、京都)を用い、メーカー指示の混液比にて通法通りに、50×50×0.2mmのレジン試料を重合した。これをレジンカッターにより10×10×0.2mmに切断し、バイオフィルムアッセイに用いた。
【実施例】
【0039】
24穴プレート底面にレジン板を置き、ヒト血清(Type、Sigma co.human male AB plasma )を500μl添加し、37℃で1時間インキュベートした。その後ヒト血清を除去した。OD600で0.3に調整したCandida albicans MYA274菌株の懸濁液50μlを試料表面に接種し、37℃で2時間静置し、定着を促進させた。その後MRS培養上清1mlとSabouraud Brothを1ml添加し、37℃で72時間培養を行った。試料表面に形成されたバイオフィルムを壊さないようにレジン試料を静かに取り出し、400mlのMQ水で5秒間洗浄し、余剰の菌の除去を行った。レジン試料に形成されたバイオフィルム量はATPを抽出後、ルミノメーター(AB2200 ルミネッセンサーPSN、ATTO、東京)にてATPの定量により検討を行った。なお、コントロールには乳酸菌培養上清の代わりに同量のMRS Brothを添加したものを用いた。また、各上清、およびコントロールにつき同様の試料を各々4つずつ作製し、平均値±SDを算出した。
【実施例】
【0040】
結果を図5に示す。
YU3株、YU4株及びKO3株は、Candida albicans のバイオフィルム形成を強く抑制した。
【実施例】
【0041】
実施例1 発酵乳の製造(1)
ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)KO3株(NITE BP-771)をMRS培地にて37℃で18時間培養し、前培養液とした。MQ水にて2回洗浄後、遠心分離して菌を回収した。市販の牛乳に「ダノンヨーグルト」(ダノンジャパン株式会社;ビフィズス菌使用)を加えたものに、洗浄した前記のKO3株菌と、牛乳100mLに対して0.1~10%になるようにラクトースを添加して37℃で24時間培養し、発酵乳を得た。
なお、「ダノンヨーグルト」(ビフィズス菌使用)を少量添加し、通常の培養を行った場合に、ビフィズス菌が偏性嫌気性菌であるためヨーグルトに使用されているスターターだけが増殖すると考えられる。
【実施例】
【0042】
試験例3 発酵乳の評価(1)
被験者127名を対象に、味についてのアンケートをVisual Analogue Scale (VAS)法にて実施した。10センチの線の左端にとても美味しい、右端にとてもまずい、中央に普通と記入したスケールバーに、ヨーグルトを食べた後に記入して貰い、左端からの距離を測定して平均をとることにより、定量化した。結果を図6に示す。
また、同時に自由な意見を記載して貰った集計では、「美味しかった」、「まろやか」であると記載した人を合わせると72%であり、本発明の発酵乳は、何れも良好な味を有していることが確認された。
【実施例】
【0043】
実施例2 発酵乳の製造(2)
乳を含む原材料を均一に混合し、加熱・殺菌する。これを冷却し、スターターとしてS. thermophilusを用いて、L. bulgaricusL. rhamnosus KO3株を用いて、37~40℃で発酵させヨーグルト(L8020)を製造した。また、スターターとしてS. thermophilusを用いて、 L. bulgaricusのみによりプラセボヨーグルトを製造した。
【実施例】
【0044】
試験例4 発酵乳の評価(2)
実施例2で調製したL8020ヨーグルトを用いて、う蝕菌に対する抗菌試験を行った。
う蝕菌として、前述したS. mutans ingbritt株とS. sobirinus B13株を用いた。各菌株をTSBYにて前培養後、滅菌蒸留水にて3回洗浄し、1×108cfu/mlに調整した。24穴プレートに1.5mLのTSBYを分注後、各ウェルに100μLの菌液を接種した。
各ヨーグルトを入れたインターセル内を24穴プレートに入れ、24時間培養後の菌量を比較した。
24時間後の菌量はATP量として測定を行った。なお同一のサンプルを4つずつ作成し、平均値±SDを求めた。結果を図7に示す。
図7(A),(B)では、グラフの縦軸にATP量(pmol/well)を示すが、Ingbritt株に対しても、B-13株に対しても、プラセボではやや増加する傾向を認めたが、KO3を添加したL8020ヨーグルトの状態でも有意な抑制効果が認められた。
【実施例】
【0045】
試験例5 発酵乳の評価(3)
実施例2で調製したL8020ヨーグルトを用いて、ヒト試験を行った。
19~25歳の被験者40名を乱数表によって2つのグループに分けた。グループ1はプラセボヨーグルト、グループ2はL8020ヨーグルトを、毎日昼食時に1つ、2週間食べ続けた。
口腔内のう蝕菌及び歯周病菌の保菌数の算定は、BMLのキットを用い唾液を採集後、う蝕菌については培養法、歯周病菌についてはP.intermedia(Pi)、T.forsythensis(Tf)、F.nucleatum(Fuso)の4菌種についてPCR-インベーダー法またはインベーダー法を用いて定量を行った。
唾液採取は、試食開始の3日前にガムチューイング法により5分間の刺激唾液を氷上にて採取し、上記の各菌についての口腔内保菌数を算出し、上記試験の前値とした。
2週間の試食後に、同様にガムチューイング法により刺激唾液を約5mL氷上にて採取し、上記の各菌についての口腔内保菌数を算出し、上記試験の効果の判定を行った結果を図8に示す。
【実施例】
【0046】
図8(A)からわかるようにう蝕菌の口腔内保菌数の前値を100とした場合、プラセボヨーグルトによって60%程度まで減少した。一方、L8020ヨーグルトでは15%程度まで有意な減少を認めた。この結果よりL8020ヨーグルトを2週間摂取することによってう蝕菌の口腔内保菌を有意にかつ効果的に減少させることが明らかとなった。
図(B)からわかるように、Pi菌の口腔内保菌数の前値を100とした場合、プラセボヨーグルトによって180%程度まで増加した。一方、L8020ヨーグルトでは約50%程度まで有意な減少を認めた。この結果よりL8020ヨーグルトを2週間摂取することによってPi菌の口腔内保菌を有意にかつ効果的に減少させることが明らかとなった。
図(C)からわかるように、Tf菌の口腔内保菌数の前値を100とした場合、プラセボヨーグルトによって105%程度まで増加した。一方、L8020ヨーグルトでは約60%程度まで有意な減少を認めた。この結果よりL8020ヨーグルトを2週間摂取することによってTf菌の口腔内保菌を有意にかつ効果的に減少させることが明らかとなった。
図8(D)からわかるようにFuso菌の口腔内保菌数の前値を100とした場合、プラセボヨーグルトによって160%程度まで増加した。一方、L8020ヨーグルトでは約60%程度まで有意な減少を認めた。この結果よりL8020ヨーグルトを2週間摂取することによってTf菌の口腔内保菌を有意にかつ効果的に減少させることが明らかとなった。
なお、Pg菌については、保菌者数が少なく、有意な変化を認めなかった。
【実施例】
【0047】
以上の結果より、L8020ヨーグルトには、う蝕菌、歯周病菌の中のPi菌、Tf菌、歯肉縁下プラークフォーマーとして知られるFusobacterium属細菌を有意に減少させ、通常のヨーグルトと比較して、う蝕及び歯周病関連細菌に対して非常に高い効果があることが明らかとなった。
図面
【図1a】
0
【図1b】
1
【図2】
2
【図3b】
3
【図4b】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8a】
7
【図8b】
8
【図3a】
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【図4a】
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【図5】
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