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明細書 :三次元磁石配列による磁気バレル研磨機

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4982857号 (P4982857)
公開番号 特開2008-238360 (P2008-238360A)
登録日 平成24年5月11日(2012.5.11)
発行日 平成24年7月25日(2012.7.25)
公開日 平成20年10月9日(2008.10.9)
発明の名称または考案の名称 三次元磁石配列による磁気バレル研磨機
国際特許分類 B24B  31/112       (2006.01)
FI B24B 31/112
請求項の数または発明の数 2
全頁数 10
出願番号 特願2007-084729 (P2007-084729)
出願日 平成19年3月28日(2007.3.28)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 1)研究集会名:第9回国際先端砥粒加工シンポジウム(ISAAT2006) 2)主催者名:社団法人砥粒加工学会,国際砥粒加工委員会 大連理工大学 3)開催日:平成18年9月28日
審査請求日 平成21年12月3日(2009.12.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304023994
【氏名又は名称】国立大学法人山梨大学
発明者または考案者 【氏名】吉岡 正人
【氏名】平 晋一郎
個別代理人の代理人 【識別番号】100080654、【弁理士】、【氏名又は名称】土橋 博司
審査官 【審査官】中村 泰二郎
参考文献・文献 特開平04-041172(JP,A)
調査した分野 B24B 31/112
B24B 37/00 -37/34
特許請求の範囲 【請求項1】
容器状をなす研磨槽のほぼ中央に筒状の中空部を形成し、この中空部に四角いブロック状の棒の各側面に永久磁石を1個ずつN極・S極を交互に計4個取り付けた回転体を配置するとともに、底面には磁石付き円盤を取り付けて、磁石付き回転体と磁石付き円盤とを研磨槽の適所に付設したモータで回転させることにより、研磨槽内に工作物とともに投入されているバレルメディアがより広範囲に研磨槽内に分布するようにしたことを特徴とする三次元磁石配列による磁気バレル研磨機。
【請求項2】
磁石を取り付けた回転体が、磁石付き円盤上において昇降可能としたことを特徴とする請求項1に記載の三次元磁石配列による磁気バレル研磨機。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨槽のより広い範囲において研磨でき、研磨能力を向上させることができる三次元磁石配列による磁気バレル研磨機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁気バレル研磨法は、ステンレス鋼、炭素鋼などの磁性体で出来たバレルメディア(研磨工具)に対して、周期的に変動する磁場を加えることにより、メディアに運動エネルギーを与えこれを利用して工作物を研磨する加工法である。
磁気バレル研磨機は磁場の印加方式により、電磁石型、永久磁石型等に分けられ、このうち永久磁石型は機構が簡便であるなどの理由により、小型の機械部品や宝飾品の研磨等においてすでに実用化されている。磁気バレル研磨法の最大の利点は従来のバレル研磨法と比べて、バレルメディアに高速で複雑な運動を与えられることである。このため微細バレルメデイアの使用によって、従来のバレル研磨では加工できなかった複雑微細形状の工作物を短時間に加工することができる。
そのような磁気バレル研磨機は、特開平7-68462号公報(特許文献1参照)および特開平8-52650号公報(特許文献2参照)等に示されている。
【0003】
そこで、市販されている磁気バレル研磨機の構造を図12に示す。強力な永久磁石31を取り付けた磁石円盤32をモータ33により回転させることで、研磨槽34内に回転変動磁場を発生させる。磁石円盤32に取り付けてある永久磁石31は図13に示すような配置をしており、6個の永久磁石31が円盤上に、中心から各半径a,bの円周上にそれぞれ3個ずつ120度間隔に取り付けられている、内側の磁石はS極が2個、N極が1個、外側の磁石にはS極が1個、N極が2個上向きになるように取り付けられている。
【0004】
なお、上記磁石31はすべてリング型ネオジウム磁石(φ18×φ7×6)で、表面磁束密度は0.40Tである。通常の研磨では強磁性のバレルメディア35、水、コンパウンド36、工作物37などを入れた研磨槽34がプレート38上に置かれる、この時、研磨槽34自体が回転するのではなく、磁石円盤32の回転によって発生した回転磁場により、バレルメディア35だけが駆動され、工作物に激しく衝突を繰り返すことで加工が行われる。

【特許文献1】特開平7-68462号公報
【特許文献2】特開平8-52650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記磁気バレル研磨機においては、研磨槽34下部から磁界を発生しているため、研磨槽34下部でのバレルメディア35の運動は強いが、上部になるほど弱くなる。したがって、バレルメディア35の到達高さには限界があり、ある高さまでしか工作物37が研磨されない。
【0006】
さらに、バレルメディア35の回転時に作用する遠心力のため、バレルメディア35が研磨槽34外壁付近に集中し、研磨槽34の内側部分に置かれた工作物を十分に研磨できないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の磁気バレル研磨機におけるバレルメディアの到達高さの限界や、また研磨槽の内側部分に置かれた工作物を十分に研磨できないという問題点を解消し、バレルメディアをより高い位置まで引き上げるとともに、研磨槽の内側部分に置かれた工作物を十分に研磨することができる三次元磁石配列による磁気バレル研磨機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのため、本発明に係る三次元磁石配列による磁気バレル研磨機は、容器状をなす研磨槽のほぼ中央に筒状の中空部を形成し、この中空部に四角いブロック状の棒の各側面に永久磁石を1個ずつN極・S極を交互に計4個取り付けた回転体を配置するとともに、底面には磁石付き円盤を取り付けて、磁石付き回転体と磁石付き円盤とを研磨槽の適所に付設したモータで回転させることにより、研磨槽内に工作物とともに投入されているバレルメディアがより広範囲に研磨槽内に分布するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る三次元磁石配列による磁気バレル研磨機は、前記磁石を取り付けた回転体が、磁石付き円盤上において昇降可能としたことをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る三次元磁石配列による磁気バレル研磨機によれば、従来の磁気バレル研磨機におけるバレルメディアの到達高さの限界をなくしてバレルメディアをより高い位置まで引き上げることができ、また研磨槽の内側部分に置かれた工作物を十分に研磨することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下この発明の三次元磁石配列による磁気バレル研磨機の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は本発明の三次元磁石配列による磁気バレル研磨機の1実施例を示す概略断面図、図2は磁石を取り付けた回転体を示す拡大斜視図、図3は図1の斜視図である。
【0012】
本発明の三次元磁石配列による磁気バレル研磨機は図1~図3に示すように、強力な永久磁石11を取り付けた磁石付き円盤12をモータ13により回転させることで、研磨槽14内に回転変動磁場を発生させるものである。磁石円盤12に取り付けてある前記永久磁石11は前記図13に示すような配置をしている。なお、上記磁石はすべてリング型ネオジウム磁石(φ18×φ7×6)で、表面磁束密度は0.40Tである。
【0013】
この発明においては、前記容器状をなす研磨槽14の中心に筒状の中空部16を形成し、この中空部16に磁石18を取り付けた回転体17を配置するとともに、底面には磁石円盤12を取り付けて、磁石付き回転体17と磁石円盤12とを研磨槽14の適所に付設したモータ13で回転させるようになっている。
そうすることにより、研磨槽14内に回転変動磁場が発生して、研磨槽14の内側部分に置かれた工作物19が研磨される。
同時に、磁石18を取り付けた回転体17によって研磨槽14内に工作物19とともに投入されているバレルメディア20が筒状の中空部16の壁面に沿って引き上げられる。また、磁石付き回転体17によって、回転するバレルメディア20に作用する遠心力に抵抗して、バレルメディア20を研磨槽14の内側に引き寄せる効果を与え、研磨槽14内にバレルメディア20が所定の高さまで立体的、かつより均一に分布するようになる。
図1および図3において、21はモータ等を収納するケース、22はケース21上において研磨槽14を搭載したプレートである。
【0014】
本発明に係る三次元磁石配列による磁気バレル研磨機における磁石18を取り付けた回転体17は、図2に示すように四角いブロック状の棒の各側面に永久磁石18を1個ずつ計4個取り付けたものであり、かつ永久磁石18のN極・S極を交互に配置したものであることが望ましい。
【0015】
以後、この改良した研磨機の性能を従来型研磨機と様々な点で比較する実験を行うが、その際、以下のように研磨方式に名称を与えておく。
磁石円盤のみを設置されている従来の市販型研磨機による研磨方式を「A」と表記する。
磁石の磁極をN、S交互に配置した回転体が、プレートから15mmと30mmの高さに設置された研磨方式をそれぞれ「B」および「C」と表示する。
同様に、回転体に磁石のN極がすべて外向きに配置された研磨方式を「D」(高さ15mm)および「E」(高さ30mm)と表記する。
以下の研磨実験では目的に応じて、工作物の形状や配置を変更した。いずれの実験でもバレルメディア60g、水200cc、コンパウンド2ccは同一条件とした。使用したバレルメディアはステンレス鋼製(SUS304)で直径0.5mm、長さ5mm、質量約7.7mgのピン状バレルメディアである。
磁石円盤と回転体の回転数も1770rpmと一定とした。研磨中のバレルメディアの分布を高速度ビデオカメラ(FASTCAM-hvc:株式会社フォトロン製)を用いて撮影した。撮影は研磨槽の真上と横側から行ない、撮影速度は720コマ/秒とした。
【実施例1】
【0016】
工作物として断面形状10×10mmの正方形、長さ60mmの黄銅(C3604BD)四角棒を使用した。実験を行う前にフライス盤により表面の前加工を行ない、表面粗さRa約1.0μmとした。研磨槽の高さによる研磨状態の相違を調べるため、工作物は研磨槽の中心から半径40mmの位置(図13のP1点)に研磨槽底面に垂直に立てて固定した。前加工した工作物の表面粗さが工作物ごとに多少違い、研磨能力を評価しにくいので、表面粗さによる研磨率Rを数1のように定義した。
【数1】
JP0004982857B2_000002t.gif

研磨率Rの値が大きければ大きいほど、研磨能力が大きいことになる。本実験では研磨された工作物がR>0.1の場合に有効に研磨できたと見なした。前述の5通りの研磨方式を用いて40分間研磨を行った後、底面から10~40mmの範囲の5mm刻みの高さで工作物の表面粗さを測定した。粗さを測定する面は、研磨槽内を回転するバレルメディアが垂直に衝突する面とした。変化は図4aないし図4cに、各高さにおける研磨係数Rの値は図4dにおいて研磨方式ごとに示した。
【0017】
図4の結果から以下のようなことがわかる。先に述べた「有効研磨」の定義によると従来の研磨方式Aでは約15mmの高さまでしか有効に研磨されないが、方式BとCでは約30mmと37mmの高さまで、方式DとEでは約28mmの高さまで有効に研磨できる。すなわち磁石付きの回転体を設置したB、C、D、Eの4つの研磨方式では、いずれもA方式より研磨能力が高い。さらに、B方式よりC方式のほうが有効研磨高さが大きいことから、本実施例の条件の中では、磁石18の設置高さは高い(30mm)方が、高い位置での研磨能力を向上させる効果があることが明らかになった。その原因はバレルメディアが研磨槽内により均一に分布し、互いに衝突する機会が少なく、その結果運動エネルギーが大きくなったためだと考えられる。
【0018】
磁石の極性配置を変えた場合、磁石が同じ高さに設置されたBとD、CとEの結果を比較すると、結果が異なっている。すなわち、磁石のN、S極が交互に配置された回転体を用いる研磨方式(B、C方式)では、すべてN極を外向きに配置した回転体による研磨方式(D、E方式)より、研磨能力が高いことがわかった。以上の結果から、回転体上の磁石の極性配置が研磨の結果に大きく影響することがわかった。これは、極性配置の違いにより磁場分布が異なるためだと考えられる。
図9と図10は、それぞれ磁極が交互に配置された場合(B、C方式)と、N極をすべて外側に向けて配置した場合(D、E方式)の、回転体周囲のバレルメディア分布写真である。これらの写真は、底部の磁石円盤は取り外し、回転体を静止させた状態で撮影した。図中、白い矢印は推定される磁束線の方向を示している。磁束線方向にバレルメディアが大量に並んで分布しているのがわかる。しかし、N極のみの配置(図10)では、磁石と磁石の中間に、バレルメディアの存在しない空白領域が認められる。一方、交互配置(図9)では、このような領域は認められない。さらに、交互配置の方がバレルメディアがより多様な方向を向いている。このような磁場分布の非均一性が研磨効率に影響を及ぼし、交互配置でより良好な研磨結果が得られたと推定される。
【0019】
前記図4からみて、磁気バレル研磨装置の磁石配列を三次元的にすると、工作物の高い位置まで研磨されることがわかり、磁石の三次元配置の有効性が確認できた。さらに、回転体上に配置された磁石の設置高さや磁極の向きは、研磨能力に影響することがわかった。
【実施例2】
【0020】
本実施例では、断面形状が5×5mmの正方形、長さ50mmの黄銅(C3604BD)四角棒を工作物として使用し、研磨実験を行う前にフライス盤により表面の前加工を行い、表面粗さをRa約1.0μmとした。研磨槽の内側、外側においた工作物の研磨能力の相違を調べるため、工作物は研磨槽の中心から半径方向の30mm(内側)と50mm(外側)の位置(図13のP2とP3点)に立てて固定し、A、B、Cの三方式を用いて、30分の研磨実験を行った。図5に、研磨率Rと工作物位置の関係を示す。A方式では内側の研磨能力が小さく、外側が大きい(研磨率には約0.25の差がある)。磁石つき回転体を使用したB、C方式では、内外側の研磨能力の差がA方式より小さく(研磨率には約0.05の差しかない)なることがわかり、磁石付き回転体配置の有効性が確かめられた。
【0021】
上記の結果から磁石付き回転体を設置したことにより、研磨槽内の研磨可能な領域(R>0.1の領域)が広がったことが確認されたが、その原因はバレルメディアが存在する領域が高さ方向にも半径方向にも広がったためと考えられる。そのことを確かめるため、研磨中のバレルメディアの分布状態を調べることとした。高速度ビデオカメラを用いて、研磨槽の真上と横側から運動中のバレルメディアを撮影した。
【0022】
図6はA、B、Cの三つの研磨方式における研磨中のバレルメディアを研磨槽の真上から撮影した写真(カラー写真を手続補足書にて提出)である。写真からB方式とC方式では、A方式よリバレルメディアが内側、外側ともほぼ均一に分布し、内側にも多数のバレルメディアが存在することが分かる。
なお前記結果からB、C方式磁石配列では、A方式より内側、外側ともほぼ同じように研磨されていたが、この結果は、図6に示したバレルメディアの半径方向分布から予想される結果と定性的に一致する。
【0023】
図7はA、B、Cの各研磨方式で研磨中のバレルメディア分布を研磨槽の横側から撮影した写真であり、黒いマーカー線の間隔が10mmである。また、図8は、図7の撮影画像をもとに、バレルメディアの分布をトレースにして示したものである(各高さ領域のメディアの本数は、実験ではモニタ画面上で計測したが、印刷画像ではメディア像が不鮮明なため、トレース像を掲載した)。A方式では、高さ20mm~30mmの間にはバレルメディアが2、3本しか見られず、10mm~20mmの間に20本ほど見られる。これに対して、B方式では20mm~30mmの間にはバレルメディアが15本程認められ、10mm~20mmの間にはバレルメディアが多数存在するのがわかる。C方式では高い領域にもバレルメディアがより多く存在している。しかし、15mm~25mmの間にはバレルメディアがその上下の領域より多少少ない。図4(d)に示されている研磨率Rの値は、C方式の場合、15mm~25mmの高さで小さくなっているが、その原因は、この領域にバレルメディアが少ないためと考えられる。図4に示したように、B、C方式の適用により、工作物の高い部分でもよく研磨されるようになった原因は、磁石付き回転体によりバレルメデイアがより高く上昇したためであることが確かめられた。
【実施例3】
【0024】
工作物に10×10×5mm(約4.5g)のブロック状黄銅(C3406BD)を用い、研磨前にフライス盤により表面粗さがRa約2μmになるように前加工を行った。電子天秤を用い、実験前の工作物の重量を計り、固定されていない工作物5個とバレルメディア60g、水200cc、コンパウンド2ccを研磨糟に投入し、A、B、Cの3つの方式で研磨を行なった。20分、40分、60分研磨した工作物の減少量を測定し、研磨量とした。図11は、A、B、Cの3つの研磨方式における、研磨量と研磨時間の関係を示したものである。研磨量は研磨時間とともに増加している。研磨量は、わずかながらA方式よりもB、C方式のほうが大きい。しかしながら、いずれの加工方式でも60分で研磨量はわずかA:0.64mg、B:0.80mg、C:0.76mgと極めて小さい。この結果は、研磨機の改良は、研磨量の増加に対してもわずかながら寄与しているものの、研磨量自体は非常に小さく、本研磨法が‘削る’よりも‘磨く’ための仕上げ加工に適していることを示すものである。
【0025】
上記各実施例では、永久磁石型の磁気バレル研磨機において、バレルメディアを従来の研磨機より高い位置まで上昇させ、背の高い工作物の研磨を可能にすること、さらにバレルメディアを研磨槽内により均一に分布させることを目的として、磁石配列を三次元的に改良した磁気バレル研磨機を示している。
1)試作した磁気バレル研磨機は、市販されている研磨機より、背が高い工作物(高さ:約35mmまで)でも均一に研磨できることと、研磨槽内の半径方向に広い範囲で研磨できることが明らかになった。
2)バレルメディア分布の観察から、改良した磁気バレル研磨機の磁石付き回転体の設置により、バレルメディアを上昇させる効果と研磨槽の内側へ引張る効果がともに向上することが示されている。また、これが上記1)で述べた研磨能力向上の原因であることも確認された。
3)回転体上の磁石配置高さおよび磁極配列は研磨機の研磨能力に影響し、磁極が交互に設置された方式の方が研磨能力が高いことがわかった。
4)本研究における改良の結果、研磨量はごくわずかに上昇したが、研磨量自体は極めて微小であった。このことから、本研磨法が、工作物を削るよりも磨くのに適した加工法であることが確認された。
【0026】
上記各実施例における三次元磁石配列による磁気バレル研磨機は、前記磁石18を取り付けた回転体17を磁石円盤12上において昇降可能とすることも可能である。
そうすることによって、研磨槽内へ投入する工作物の量や高さ等に応じた適当な高さのバレルメディア分布を得ることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
この発明は、小型の機械部品や宝飾品の研磨等のみならず、従来のバレル研磨では加工できなかった複雑微細形状の工作物を短時間に加工するための三次元磁石配列による磁気バレル研磨機としても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の三次元磁石配列による磁気バレル研磨機の1実施例を示す概略断面図である。
【図2】磁石を取り付けた回転体を示す拡大斜視図である。
【図3】図1の斜視図である。
【図4】a~cは研磨によって生じる工作物の表面粗さの変化を示し、dは各高さにおける研磨係数Rの値を研磨方式ごとに示すグラフである。
【図5】研磨率Rと工作物位置の関係を示すグラフである。
【図6】A、B、Cの三つの研磨方式における研磨中のバレルメディアを研磨槽の真上から撮影した写真である。(カラー写真を手続補足書にて提出)
【図7】A、B、Cの各研磨方式で研磨中のバレルメディア分布を研磨槽の横側から撮影した写真である。(カラー写真を手続補足書にて提出)
【図8】図7の撮影画像をもとに、バレルメディアの分布をトレースにして示したグラフである。
【図9】磁極が交互に配置された場合(B、C方式)の回転体周囲のバレルメディア分布写真である。(カラー写真を手続補足書にて提出)
【図10】N極をすべて外側に向けて配置した場合(D、E方式)の、回転体周囲のバレルメディア分布写真である。(カラー写真を手続補足書にて提出)
【図11】A、B、Cの3つの研磨方式における、研磨量と研磨時間の関係を示したグラフである。
【図12】従来の磁気バレル研磨機の構造を示す概略断面図である。
【図13】磁石円盤に取り付けた永久磁石の配置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
11 永久磁石
12 磁石円盤
13 モータ
14 研磨槽
16 中空部
17 回転体
18 磁石
19 工作物
20 バレルメディア
21 ケース
22 プレート
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12