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明細書 :圧電振動回路

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5861221号 (P5861221)
公開番号 特開2012-085280 (P2012-085280A)
登録日 平成28年1月8日(2016.1.8)
発行日 平成28年2月16日(2016.2.16)
公開日 平成24年4月26日(2012.4.26)
発明の名称または考案の名称 圧電振動回路
国際特許分類 H03B   5/32        (2006.01)
FI H03B 5/32 E
H03B 5/32 J
請求項の数または発明の数 4
全頁数 22
出願番号 特願2011-199017 (P2011-199017)
出願日 平成23年9月13日(2011.9.13)
優先権出願番号 2010205580
優先日 平成22年9月14日(2010.9.14)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成26年9月1日(2014.9.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304023994
【氏名又は名称】国立大学法人山梨大学
発明者または考案者 【氏名】佐藤富雄
【氏名】秋津哲也
審査官 【審査官】▲高▼橋 義昭
参考文献・文献 特開2008-311980(JP,A)
特開2008-263272(JP,A)
特開2000-349621(JP,A)
特開平11-308050(JP,A)
特開昭62-090006(JP,A)
特開平04-179306(JP,A)
特開平11-163633(JP,A)
調査した分野 H03B 5/32
特許請求の範囲 【請求項1】
インバーターの入出力間にコンデンサーと圧電振動子を並列接続した回路と、
第1のコイル、第2のコイルを直列接続した回路を備え、
前記第1のコイル、前記第2のコイルの接続点と回路の接地点間にパスコンデンサーを備え、前記接続点と前記接地点間を交流に対して短絡させ、さらに電源と接地間にはコンデンサーを挿入し、交流に対して短絡させ、前記インバーターの電源端子と接地端子間に電圧を印加し、発振回路として構成することを特徴とした圧電振動回路。
【請求項2】
前記インバーターの入出力間のコンデンサーは、同調キャパシターまたは電圧制御可変容量ダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動回路
【請求項3】
前記インバーターを構成する半導体は、FET、またはバイポーラトランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動回路
【請求項4】
前記圧電振動子は、水晶の結晶体、またはセラミックの焼結体であることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動回路
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
高速データ通信等の基地局装置、周波数測定器等の周波数の基準に使用される圧電発振器および圧電効果を利用してなるセンサー向け圧電発振器に適応する。本発明は、物理計測及び化学計測用の圧電振動用の発振回路に係り、さらに詳しくは、粘度センサー、流速センサー、圧力センサー、温度センサー、振動センサー、浮遊微粒子センサー、揮発性有機化学物質ガス等の気体に対する化学センサー、免疫センサー等として特に流体中に浸漬されて用いられる圧電振動子センサーを発振させるのに好適な圧電振動回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、圧電振動子である水晶振動子を用いた微量天秤と呼ばれる水晶振動子微量天秤(Quartz Crystal Microbalance: QCM)が注目を集めている。このQCMは、水晶振動子の電極に物質が付着して生ずる表面の質量を、水晶振動子など周波数変換素子の共振周波数変化として検出するものである。QCMはナノグラム以下の質量検出が可能である所から、バイオセンサーや化学センサーなどとして医学や生化学、食品や環境測定などの広い分野において微量物質の検出に応用されている。例えば、水晶振動子を液相用質量測定装置として、水晶振動子を液体中に浸して使用する場合がある。このとき、空気中と液体中とでは、振動子の実効的な等価回路定数(クリスタルインピダンス、以下「CI値」と表記)が大幅に増加し、液体中におけるCI値が空気中よりも約10から30倍も大きくなるため、液体中では水晶振動子を発振させることが困難であった。
【0003】
従来技術としてCMOSインバーターによるコルピッツ型発振回路を提示する。さらに、下記特許文献を提示する。特許文献1ならびに特許文献2では、インバーターの入出力間にバイアス設定用抵抗R2あるいは R4を挿入している。またインバーターの入出力を接地から直流電位の分離を得るため、C2、 C3、 Cp1、 Cp2のパスコンデンサを挿入している。これに対して本発明では抵抗を使用する必要が無い、さらにパスコンデンサに相当するコンデンサは一つである。微調整の必要のあるコンデンサと抵抗の本数を減少させたことにより回路が簡素化される。
【0004】
図1にコルピッツ型と呼ばれる従来型の圧電発振回路の回路図を示す。また、図2に同等価発振回路-1を示す。キルヒホッフの法則を適用し式(数1)を得る。
【0005】
【数1】
JP0005861221B2_000002t.gif

【0006】
同じく式(数2)の特性回路方程式を得る。
【0007】
【数2】
JP0005861221B2_000003t.gif

【0008】
式(数3)のように各インピダンスの設定を行い、式(数2)に代入して、図3に同等価発振回路—3に示す等価回路抵抗RC及び、等価回路キャパシタンスCCを得る。結果を式(数4)に示す。
【0009】
【数3】
JP0005861221B2_000004t.gif

【0010】
【数4】
JP0005861221B2_000005t.gif

【0011】
コルピッツ回路においてモーションアームからの回路側の合成等価回路抵抗RPCCi、合成等価キャパシタンスCPCCiを求め、式(数6)を得る。
【0012】
【数5】
JP0005861221B2_000006t.gif

【0013】
【数6】
JP0005861221B2_000007t.gif

【0014】
キャパシターCの値をパラメータとして合成等価抵抗RPCCiと合成等価キャパシタンスを計算すると、Cを大きくすることで、CPCCiは大きくなるのであるが、RPCCiは小さくなる。即ち、発振可能領域が外部から加わる浮遊容量等によるキャパシタンスの増加によって制約される。10 MHzでRPCCiは-1 kΩ以下である。図4に定常発振時の発振回路の近似等価回路—3、図5に近似等価回路—4を示す。以下では、回路側に含めて合成された等価抵抗RCCi、等価キャパシタンスCCCi、等価インダクタンスLCCi、コルピッツ回路の回路側に含めて合成した等価抵抗RpCCi、等価キャパシタンスCpCCiの導出過程を示し、図10において本発明による発振回路のインピダンスと比較している。コルピッツ型発振回路は低周波領域において大きな負性抵抗を示す。0.6 MHzにおいて、負性抵抗の最大値RpCCimaxは近似的に-27kΩに等しい。周波数に対する依存性は3から15 pFまでの個々の等価キャパシタンスCPCCiに対して大きく依存しない。
【先行技術文献】
【0015】

【特許文献1】特開2008-263272公報
【特許文献2】特開2008-311980公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
インバーターを用いて大きな負性抵抗を得、さらに広い発振周波数可変幅を得る圧電発振回路を提供する。及び、大きな負性抵抗を得ることができることを論理的に証明する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するため、圧電振動回路として、インバーターの入出力間にコンデンサーと圧電振動子を並列接続した回路と、第1のコイル、第2のコイルを直列接続した回路を備え、第1のコイル、第2のコイルの接続点と回路の接地点間にパスコンデンサーを備え、接続点と接地点間を交流に対して短絡させ、さらに電源と接地間にはコンデンサーを挿入し、交流に対して短絡させ、前記インバーターの電源端子と接地端子間に電圧を印加し、発振回路として構成することを特徴とする。
【0018】
またインバーターの入出力間のコンデンサーは、同調キャパシターまたは電圧制御可変容量ダイオードであることを特徴とする。
このとき、インバーターを構成する半導体は、FET、またはバイポーラトランジスタであることを特徴とする。
【0019】
また圧電振動子は、水晶の結晶体、またはセラミックの焼結体である。
図6に本発明のうちインバーターの入出力間のコンデンサーは、同調キャパシターとした発振回路を示す。インバーターの入出力間に圧電振動子を挿入し、さらに同インバーターの入力にインダクタンス、同じく同インバーターの出力にインダクタンスを接続し、インダクタンス同士を接続する中点と回路の接地の間にキャパシタンスを接続し発振回路を構成する。また、インバーターの電源端子と接地端子間に直流電圧、および交流電圧に対し短絡とする十分大きなキャパシタンスを挿入する。発明になる回路は回路に付加したCXまたはC4とL2、 L3によるLC共振状態と、水晶振動子の共振状態の結合よりなる2重共振型回路を構成する。2重共振型発振回路の負性抵抗の最大値RCCimaxは10 MHzにおいて近似的に-7 kΩに等しい。さらに、共鳴周波数の近傍において狭い周波数領域において急激な変化を示す。等価抵抗はインダクタンスの特性を示し高周波領域において、容量性の特性を示す。図7、8、9に本発明回路の等価回路を示す。本発明回路では、特許文献1ならびに特許文献2で示された回路と同等あるいは同等以上の機能をより少ない部品で実現している。同図の抵抗はインダクタンスL2および L3のQ値(=ωL/R)を与える抵抗である。各電流源からの電流と電位差により式(数7)が得られる。定電流源のコンダクタンスを合成すると式(数9)の総合コンダクタンスが得られる。
【0020】
【数7】
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【0021】
【数8】
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【0022】
【数9】
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【0023】
キルヒホフの電圧則・電流則を適用し、基礎方程式をなす同次1次方程式を得る。
【0024】
【数10】
JP0005861221B2_000011t.gif

【0025】
【数11】
JP0005861221B2_000012t.gif

【0026】
同式の解が恒常的に0でない条件により特性方程式(数12)が得られる。
【0027】
【数12】
JP0005861221B2_000013t.gif

【0028】
次式に示すインピダンスを規定して代入し、等価的抵抗と等価的インダクタンスを求める。
式(数13)はQ値の定義である。
【0029】
【数13】
JP0005861221B2_000014t.gif

【0030】
各インピダンスを内部抵抗とリアクタンス分に分解して、式(数14)を得る。
【0031】
【数14】
JP0005861221B2_000015t.gif

【0032】
定常発振回路の等価回路から次の式を得る。
【0033】
【数15】
JP0005861221B2_000016t.gif

【0034】
【数16】
JP0005861221B2_000017t.gif

【0035】
【数17】
JP0005861221B2_000018t.gif

【0036】
等価回路-3においてZxtは水晶振動子の等価的インピダンスである。C0を含めて合成してCx、ドライバー回路のインピダンスRc、Lcを含めて合成された等価的抵抗とインダクタンスにすることで、RCCi、 LCCiを発見する。角周波数ωを用いて、インダクタンスLc
キャパシタンスCcに変換できる。同様にLCCiをCCCiに変換できる。回路側に並列容量を含めて合成された合成等価抵抗RCCiと合成等価キャパシタンスCCCiの定義は以下の式(数19)、 (数20)に与えられている。モーションアームからみた合成等価抵抗RCCiと、合成等価キャパシタンスCC、 CCCiと合成等価インダクタンスLC、 LCCiの関係を以下の式(数18)に示す。
【0037】
【数18】
JP0005861221B2_000019t.gif

【0038】
合成等価抵抗および合成等価キャパシタンスを示す。
【0039】
【数19】
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【0040】
【数20】
JP0005861221B2_000021t.gif

【0041】
図10に本発明のうちインバーターの入出力間のコンデンサーを、単一の可変容量ダイオード周波数制御方式での構成とした発振回路を示す。以下、この回路方式を単一ダイオード周波数制御とする。単一ダイオード周波数制御方式は構成する部品点数が少ない特徴があるが、制御電圧の増加する側の変化と減少する側の変化の場合電圧に対する静電容量の変化の様子が異なる。従って、周波数制御において制御電圧勾配の上昇あるいは下降部分の片側だけを常に用いて周波数成御を行う。
【0042】
この問題点を解決するために、2個の可変容量ダイオードを逆極性に接続して制御バイアスを加える方式を2重可変容量ダイオード周波数制御方式での構成とした発振回路を図11に示す。本回路図ではBack-to-Backでの接続としたが、Head-to-Headの接続として制御電圧は逆極性とした構成としてもよい。
【0043】
図10の電圧制御水晶発振回路を用いて試験を行った。回路の回路定数は以下のとおりである。回路定数:パスキャパシターC2 = 10 μF、 C3、 C4、 C8、 C9、 C10= 1000 pF、 C6 = 10 pF、 C7 = 0.1 μF;可変容量ダイオードCx1、 Cx2: 1SV149B、CMOS インバーター IC1: TC7SHU04; L2、 L3= 2.7 μH; Rf4、 Rf5 = 100 Ω; R6、 R7、 R8 = 1 MΩ とした。
【0044】
図12は、単一可変容量ダイオード周波数制御による周波数可変の様子である。可変容量ダイオード電圧制御発振回路における観測された周波数ジャンプと周波数偏差の絶対値 ■:バイアス電圧上昇時の周波数偏差fvd1(↑)、□:バイアス電圧下降時の周波数偏差fvd1(↓)、●:周波数偏差fvd1(↑)の正規化|Δfvd1(↑)/f1|、○:周波数偏差fvd1(↓)の正規化|Δfvd1(↓)/f1|、回路定数:L2、L3= 2.7 μH、Q2、Q3 = 100、Co=10 pF、GM = 10 mA/V。 水晶共振器の等価回路定数: C0 = 5.122 pF、L1 = 12.71 mH、C1= 24.61 pF、R
1 = 24.15Ω、 f1 = 8.9989 MHzとした。
【0045】
図13は理論計算による負性抵抗と周波数可変の変位率を示す。Cxの関数としてバイアス電圧下降時の発振周波数と正規化された周波数偏差、等価負性抵抗である。静電容量Cxに対する負性抵抗の依存性について、バイアス電圧上昇時において、負性抵抗が最大値36Ωに達する前に発振周波数はロックされる。バイアス電圧下降時において負性抵抗Rdciの最大値10kΩにおいて水晶共振が起こる。同じ値Rdciが水晶共振の周波数fxtがLC共振の周波数に等しいときに同じ値が観測された。バイアス電圧上昇中と降下中において、LC共振から水晶共振へのモード遷移が同じ周波数で観測された。
【0046】
図14は、2重可変容量ダイオード周波数制御方式の周波数制御特性を示す。水晶共振状態がより小さいキャパシタンス値において起き、周波数の偏差が101 ppmの急峻な変化を示すまで連続的に発振が起きる。
【0047】
図15は理論解析を示す。Cxが約56 pFにおいて水晶共振が観測された。ここで、2重共振はより広いキャパシタンスの範囲で現れる。この点において、Rdciの絶対値は約10 kΩである。このときに水晶共振のモーションアームは共振状態から離れ、発振モードはLC発振に遷移する。
【0048】
図16、17では、可変容量ダイオード制御回路において周波数の差の制御電圧に対する依存性の直線性の検討結果を示す。単一可変容量ダイオード制御回路では水晶共振とLC共振の不一致を示しているが、2重可変容量ダイオード制御回路でLC共振がロックする発振周波数と水晶共振周波数が一致する。さらに、本発明の2重共振水晶発振回路は、制御電圧が3から7V の範囲で比例係数が約1の線形性を示す。
【0049】
単一可変容量ダイオード制御においてはバイアスの増減において示す周波数変移が異なるのに対して2重可変容量ダイオード制御においては全く同じ周波数変位を示す。
電圧制御発振回路において周波数の安定性は重要である。センサーの駆動回路においては測定の分解能や再現性に関わり、通信用途においては隣接する周波数バンド間の分離に関わる。水晶発振周波数から離れた周波数におけるLC発振と水晶発振周波数近傍の周波数ロック状態における短期安定性の指標としてアラン分散を示す。ここで、アラン分散は式(数21)のように定義される。2重共振のアラン分散は10-10の大きさを示した。この測定において、環境ドリフトはシールドケースによって減少された。この結果は標準的な水晶発振回路と比較して合理的な値を示している。
【0050】
図18、19はバイアス電圧降下時のアラン分散σを示している。有限長のサンプルに対するアラン分散は式(数21)で定義される。回路の発振周波数fτnはカウンターによって指示された周波数である。τはゲート時間、nは順序を表す番号である。発振周波数の偏差は共振周波数f0と偏差Δfτnである。正規化された周波数変移はyτnのように無次元量で定義される。
【0051】
【数21】
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【0052】
正規化されて無次元化された周波数変位が yτn である。
【0053】
【数22】
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【0054】
【数23】
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【0055】
単一可変容量ダイオード制御の場合の短期安定度を示す。水晶発振周波数にロックされているときアラン分散は一般に10-9~10-8台の大きさ、ゲート時間の範囲によっては10-10を示す。次に、2重可変容量ダイオード制御の短期安定度を示す。おなじく、アラン分散は一般に10-9~10-8台の大きさを示す。
【0056】
水中に振動子を浸漬した場合のモデル化について、説明する。水晶振動子が液体中に浸漬された場合、リーク電流の増大や並列容量の増大、粘性によるエネルギーの散逸その他が生じ、誘電率の増大により電極間の並列容量C0の増大が生じる。この静電容量の増大はC0Wと記述される。リーク電流は抵抗RWで記述される。液体中における粘性の増大は等価的抵抗の増大を生じる。増大した等価抵抗はR1Wで記述される。2重共振型発振回路は液体中の水晶振動子に接続されている。C0Wと C0 をRCとLCに導入等価的抵抗をR1CCi、等価的キャパシタンスを C1CCiと記述すると、L1CCi は C1CCiと共振角周波数 ωの項によって表される。RW を R1CCi と C1CCiに含めて合成して RWCCi と CWCCiが求められる。
【0057】
【数24】
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【0058】
【数25】
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【0059】
【数26】
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【0060】
【数27】
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【0061】
【数28】
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【0062】
【数29】
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【発明の効果】
【0063】
本発明の圧電振動回路により、液体媒質中における誘電率あるいは電気伝導度の変化を発振周波数の変化として検出することができる。水中では、微小な電気伝導度の変化として、金属イオン、OHイオンなどの定量が可能であるため、水中におけるイオン反応のモニターに使用できる。強磁場化で水晶振動子の発振周波数が影響を受けないため、強磁場中の液体浸漬環境において同様の測定が可能である。
【0064】
また気体中において大面積の電極を有する水晶振動子は電極間容量の増加によって発振できなくなることがあるが、大面積の電極間容量を負荷容量としてとらえた場合、本発明による回路で励起可能である。
【0065】
さらに同調キャパシターを電圧制御可変容量ダイオードに変更することで、センサー駆動回路として用いた場合、従来の2重共振回路によって実現していた大きな負性抵抗によって液体媒質中での連続発振が可能、回路定数の可変による水晶共振周波数から低周波側への発振周波数の追尾に加えて、電圧調整により自動的な追尾が可能となる。
【0066】
また同調用静電容量を取り替える場合、電源を1度オフにする必要があるが、連続的に可変できるため、センサー駆動回路を動作状態で周波数を変化させることができる。水晶発振回路の同調領域の外側ではLC発振に自動的に移行するため、連続周波数可変範囲が著しく広くなるという効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】従来型発振回路の回路図
【図2】従来型回路の等価回路-1
【図3】従来型回路の等価回路-2
【図4】従来型回路の等価回路-3
【図5】従来型回路の等価回路-4
【図6】本発明になる発振回路の回路図
【図7】本発明になる発振回路の等価回路-1
【図8】本発明になる発振回路の等価回路-2
【図9】本発明になる発振回路の等価回路-3
【図10】単一可変容量ダイオード周波数制御方式での構成とした発振回路
【図11】2重可変容量ダイオード周波数制御方式とした発振回路
【図12】単一可変容量ダイオード周波数制御方式の周波数制御特性
【図13】周波数制御特性の理論解析結果
【図14】2重可変容量ダイオード周波数制御方式の周波数制御特性
【図15】周波数制御特性の理論解析結果
【図16】単一可変容量ダイオード制御における線形性の観測結果
【図17】2重可変容量ダイオード制御における線形性の観測結果
【図18】単一可変容量ダイオード制御でのバイアス電圧降下時のアラン分散σ
【図19】2重可変容量ダイオード制御でのバイアス電圧降下時のアラン分散σ
【図20】従来型回路(Colpitts回路)と発明になる発振回路(Double resonance)の負性抵抗ならびに等価容量の比較
【図21】従来型回路(Colpitts回路)の負性抵抗の並列容量C0をパラメータとした周波数依存性
【図22】本発明回路(Double resonance)の負性抵抗の並列容量C0をパラメータとした周波数依存性
【図23】従来型回路(Colpitts回路)の負性抵抗の並列容量Gmをパラメータとした周波数依存性(回路定数: Gm パラメータとして変化させる; C0 は0 pF。 C2、C3 =20 pF、 R2 =1 MΩ)
【図24】本発明回路(Double resonance)の負性抵抗の並列容量Gmをパラメータとした周波数依存性(回路定数: パラメータとして変化させる; C0 は0 pF。L2、L3 = 30 μH; Q値 Q2 、Q3= 100)
【図25】水中浸漬時の水晶振動子モデル
【図26】水中浸漬時の水晶振動子モデルを用いた発振回路の等価回路-1
【図27】水中浸漬時の水晶振動子モデルを用いた発振回路の等価回路-2
【図28】水中浸漬時の水晶振動子モデルを用いた発振回路の等価回路-3
【図29】水中における発振の場合の負性抵抗の周波数の関数としての提示回路定数 実線 CX= 0 pF; 破線 15 pF; 1点鎖線 30 pF; RW = 10 kΩ 一定 その他の定数: C0W =30 pF; Gm =10 mA/V; L2 、 L3 =10 μH; Q値 Q2 、Q3=100。
【図30】水中発振の場合の負性抵抗の周波数関数による表示回路定数 実線 RW= 10kΩ; 破線 3 kΩ; 1点鎖線 1 kΩ; Cx = 30 pF 一定。 その他の回路定数 C0W = 30 pF; Gm= 10 mA/V; L2 、L3 = 10 μH; Q値 Q2 、Q3= 100。
【図31】水中の圧電振動励振の実施概要
【図32】水中における実験結果の提示
【図33】空気中における実験結果の提示

【実施例1】
【0068】
図21に示すように図6に示す回路を作製し、圧電振動素子3を容器4内の水5に浸漬して実験を行った。発振回路1は液面直上に配置した。
水中における実験結果を図22に示す。図中の○は回路のバイアス電流、△は非共振時のL/C共振周波数、□は水晶振動子の2重共振(Double resonance)周波数、20 pFにおける共振周波数の跳びによる2重共振の始まりを示している。周波数の固定(Frequency locking)が20 pFから36 pFの間で観測された。20 pFにおいて、バイアス電流が突然増大し、つぎに、バイアス電流は次第に減少して行く。L/C共振の共振周波数はキャパシターCXによって調整された。
【0069】
表1は実験に使用した水晶振動子の等価回路定数である。
【0070】
【表1】
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【実施例2】
【0071】
図6の回路を作製し、空気中における実験結果を図23に示す。図中の○は回路のバイアス電流、△は非共振時のL/C共振周波数、□は水晶振動子の2重共振の周波数、4 pFにおける共振周波数の跳びによる2重共振の始まりの例を示している。周波数の固定(Frequency locking)が4 pFから40 pFの間で観測された。L/C共振の共振周波数がキャパシターCXによって調整された。4 pFにおいて、バイアス電流が突然増大し、つぎに、バイアス電流は次第に減少して行く。水中発振と空中発振実験において同じ水晶振動子を使用した。本発明
になる発振回路において、水晶振動子の電極部分を両面とも水中に浸漬している。液体用途の片面だけを露出したQCM、(One Face Open QCM) に対して、本発明回路の実験では両面が液体媒質に触れている。従来型のコルピッツ型発振回路は水中に両面の電極を浸漬すると発振が停止するのに対して、本発明になる発振回路において、水晶振動子の電極部分を両面とも水中に浸漬しても発振特性が得られる。
【符号の説明】
【0072】
1 発振回路
2 出力
3 圧電振動素子
4 液体容器
5 液体(水)
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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