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明細書 :材料特性評価装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2014-074598 (P2014-074598A)
公開日 平成26年4月24日(2014.4.24)
発明の名称または考案の名称 材料特性評価装置
国際特許分類 G01N   3/08        (2006.01)
G01N   3/20        (2006.01)
G01N   3/34        (2006.01)
FI G01N 3/08
G01N 3/20
G01N 3/34 A
G01N 3/34 C
請求項の数または発明の数 10
出願形態 OL
全頁数 19
出願番号 特願2012-220844 (P2012-220844)
出願日 平成24年10月2日(2012.10.2)
発明者または考案者 【氏名】多田 直哉
【氏名】山本 憲吾
【氏名】河合 真二
【氏名】國分 昭雄
【氏名】栄 淳
【氏名】石田 直之
出願人 【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
【識別番号】509311643
【氏名又は名称】株式会社山本金属製作所
個別代理人の代理人 【識別番号】100115200、【弁理士】、【氏名又は名称】山口 修之
【識別番号】100149870、【弁理士】、【氏名又は名称】芦北 智晴
審査請求 未請求
テーマコード 2G061
Fターム 2G061AA02
2G061AB01
2G061AB05
2G061AC10
2G061BA06
2G061BA15
2G061CB02
2G061CB05
2G061DA01
2G061EA01
2G061EB05
要約 【課題】本発明は、棒状又は細線状を有する試験片の材料特性評価装置を提供する。
【解決手段】本材料特性評価装置は、前記試験片端部と離間する位置に可動部が配置され、前記試験片端部と可動部とが互いに磁石の磁力による引力で引き合う磁力発生部を形成する。前記可動部は前記試験片端部と可動部とが互いに近接・離間するように可動である。
【選択図】図6
特許請求の範囲 【請求項1】
棒状又は細線状を有する試験片の材料特性評価装置であって、
前記試験片端部と離間する位置に可動部が配置され、前記試験片端部と可動部とが互いに磁石の磁力による引力で引き合う磁力発生部を形成し、
前記可動部は前記試験片端部と可動部とが互いに近接・離間するように可動である、ことを特徴とする材料特性評価装置。
【請求項2】
前記可動部は、前記試験片の軸線に沿って配設され、前記試験片の自由端の方向に移動する、ことを特徴とする請求項1に記載の材料特性評価装置。
【請求項3】
前記可動部は、前記試験片の軸線と異なる方向に位置に配設され、前記試験片の自由端の方向に移動する、ことを特徴とする請求項1に記載の材料特性評価装置。
【請求項4】
前記可動部は、前記試験片の軸線に対して直角方向に摺動させる機構を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の材料特性評価装置。
【請求項5】
前記磁力発生部に作用する磁力は、可動部に装着されたロードセルにより測定される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の材料特性評価装置。
【請求項6】
前記可動部は、XYZ軸ステージにより移動する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の材料特性評価装置。
【請求項7】
前記可動部は、XYZR軸ステージにより移動する、ことを特徴とする請求項5又は6のいずれか1項に記載の材料特性評価装置。
【請求項8】
前記可動部は、前記ステージに装着する振動発生器により振動する、ことを特徴とする請求項5又は6のいずれか1項に記載の材料特性評価装置。
【請求項9】
前記試験片は、前記可動部と非接触状態で密閉される、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の材料特性評価装置。
【請求項10】
前記試験片の固定端側は、永久磁石により磁力で固定される、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の材料特性評価装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、微小材料の引張、曲げ、疲労強度の測定等するための材料特性評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、次世代技術としてマイクロメートルオーダーの超小型機械であるマイクロマシンが注目されている。マイクロマシンの主要材料であるマイクロマテリアルの利用分野は非常に広く、電子機器分野(超小型モータ、プリンタヘッドノズル)、自動車分野(加速度センサ)、医療分野(カテーテル、体内埋め込み型装置)などで実用化が進められている。
【0003】
一方、マイクロマシンに使用される部品について、繰り返し応力によって生じる破壊に対する評価は確立されておらず、マイクロマテリアルの寿命評価が困難であり、マイクロマシンの開発に多大な時間や労力が必要とされている。
【0004】
例えば、単結晶シリコンをはじめとする各種先進マイクロマテリアルの機械特性は、負荷の方向によって強度に差が生じることがある。したがって、この材料特性は多方向に関して調査される必要がある。材料特性としては、引張強度、引張疲労強度、曲げ強度、曲げ疲労強度などを挙げることができる。
【0005】
また、単結晶シリコンの材料特性は、周囲の湿度状態に大きく影響される。マイクロマシンは先述のとおり医療分野での利用も進められており、生体内の高湿度環境や、腐食環境で使用されることがある。したがって、そのような特殊環境を模擬した状況における試験が必要である。特殊環境とは、高湿・腐食環境のほかに、真空・低湿・高低圧が挙げられる。
【0006】
このようなマイクロマテリアル用の材料特性評価装置として、例えば、特開2003-149108号公報の疲労試験装置が存在する。この疲労試験装置は、超磁歪素子(加わる磁気によって形状変化する素子)による変位で引張圧縮試験を行う装置であり、試験片の両端は機械的に装置本体に固定された機構となっている。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特開2003-149108号公報
【特許文献2】特開2007-85815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の材料特性評価装置(例えば特許文献1)では、負荷方向が一方向に限定されているため、多方向に関して材料特性を調査することが困難又は時間と費用を要するという問題があった。また、形状によっては試験片を作製することができない。
【0009】
また、従来の材料特性評価装置の場合、試験片の両端が装置本体に機械的に固定されているため、試験片と評価装置とが分離した部分がなく試験片周囲を完全密封することが困難又は試験準備が煩雑であった。
【0010】
さらに、引張試験を行う場合、正確な荷重の測定を行うためには、引張方向と荷重センサの検知方向に対し、試験片の中心軸を偏芯なく取り付けることが重要である。しかしながら、上記従来式のように試験片の両端を装置に固定する方式では、偏芯を解消するために試験片取り付けの際に微妙な位置調整が必要となる。その結果、試験準備に多大な労力と時間を要していた。
【0011】
本発明は上記のような課題を解決すべき創作されたものであり、微小材料の迅速かつ効率的な試験を実現し得る材料特性評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の材料特性評価装置は、棒状又は細線状を有する試験片の材料特性評価装置であって、
前記試験片端部と離間する位置に可動部(例えば、図6の実施例では永久磁石(応答治具)14a)が配置され、前記試験片端端部と可動部とが互いに磁石による引力で引き合う磁力発生部を形成し、可動部は試験片端部とその可動部とが互いに近接・離間するように可動である。なお、上記試験片端の反対側の端部は固定端である。
【0013】
本材料特性評価装置は、試験片の一方の端部を装置に固定し、もう一方の端部に磁力を作用させることで引っ張り等することで力学的負荷を与え、疲労試験等を行う構成である。本材料特性評価装置によれば磁力により試験片と分離した状態で負荷を与えるので可動部の位置を変えるだけで容易に試験片に多方向から負荷を与えることが可能である。結果、実際の使用状態を忠実に再現した各種試験が可能となる。
【0014】
したがって、本材料特性評価装置は、マイクロマシンに使用されるシリコン結晶その他のマイクロマテリアルのような、方向によって機械的特性や強度に差がある材料の試験片の評価に有利である。
【0015】
さらに、本材料特性評価装置では試験片を分離した状態で密閉することも可能であるため試験片を液体内等の特殊環境に配設し、このような条件での評価を行うことも容易である。
【0016】
また、本材料特性評価装置の可動部は、前記試験片の軸線に沿って配設され、前記試験片の自由端の方向に移動することができる。これにより試験片の軸線方向の引っ張り疲労荷重を加えることができる。
【0017】
また、本材料特性評価装置の可動部は、前記試験片の軸線と異なる方向(例えば、直交する方向)に配設され、前記試験片の自由端の方向に移動することも可能である。これにより試験片の自由端を多様な3次元方向に曲げる曲げ疲労荷重を加えることができる。
【0018】
さらに、前記可動部は、前記試験片の軸線に対して直角方向に摺動させる機構を有しても良い。これにより試験片の磁力の軸芯方向成分によって、応答部が軸線に沿う位置に摺動し、試験片に大きな荷重を与える前に偏芯を調整することができる。
【0019】
また、前記磁力発生部に作用する磁力は、例えば、可動部に装着されたロードセルにより測定する。これにより、磁力による試験片への力学的負荷をロードセルで測定しながら評価できるので正確・迅速な測定が容易である。
【0020】
さらに、本材料特性評価装置の可動部は、例えばXYZ軸ステージにより移動する。このような3軸方向の移動自在なステージに可動部を配設すれば試験片に対して所望の位置で荷重を与えることが容易であり、また荷重の大きさもその距離により調整容易である。
【0021】
ステージは、さらに回転方向変位も可能なXYZR軸ステージの場合もある。この場合、荷重の方向も容易に調整可能となる。これにより、荷重方向を、試験片軸線方向に沿わせることができるため、偏芯の生じていない状態のまま試験を行うことができる。
【0022】
本材料特性評価装置の可動部は、前記ステージに装着する振動発生器により振動することが好ましい。振動発生器により可動部を振動させることにより試験片に繰り返し荷重を与えることができる。
【0023】
なお、前記試験片の固定端側は、永久磁石により磁力で固定されることが好ましい。試験片の固定端側も永久磁石による磁力で固定する場合、試験片の装置本体への取り付けを磁力によって簡単に行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の材料特性評価装置によれば、マイクロマテリアル等の微小金属材料の迅速かつ効率的な試験を実現することができる。具体的に本材料特性評価装置は、試験片に対し、永久磁石の磁力によって非接触で荷重を与えることができ、永久磁石の動きを変更することで、荷重方向を任意に変えることができる。
【0025】
また、本材料特性評価装置によれば、試験片の装置本体への取り付けを磁力によってワンタッチで行うことができるとともに、試験片を特殊環境内に完全封止できる。さらに、本発明によれば試験片に大きな負荷を与える前に自動調芯が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】引張荷重疲労試験の概要が示されている。
【図2】曲げ荷重疲労試験の概要が示されている。
【図3】試験片を完全封止条件で試験する概要が示されている。
【図4】試験片の自動調軸の概要を示している。
【図5】鉄材-磁石間距離と引張荷重について示すグラフ図である。
【図6】本発明の材料特性評価装置例の略模式図が示されている。
【図7】本発明の材料特性評価装置の他の例の略模式図が示されている。
【図8】本発明の材料特性評価装置のさらに他の例の略模式図が示されている。
【図9】図8の材料特性評価装置の作動例を示している。
【図10】ロードセルからの信号分析周辺を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、本発明の材料特性評価装置で実施する各試験(引張荷重試験、曲げ荷重試験、特殊環境下試験、自動調芯)における概要(基本原理及び構成)を説明する。

【0028】
≪引張荷重試験の概要≫
まず、図1では引張荷重疲労試験の概要が示されている。
本発明で想定する試験片1は線形状又は細形状を有する。試験片1の両端には試験片側の応答部としての磁性材料2が装着されている。この磁性材料2は、FeやNi等の強磁性材料で構成される。試験片1の軸線方向(長手方向)に沿って磁性材料2に対する応答部(可動部)としての永久磁石3が配置される。また、試験片1の一端側は固定端であり、他端は自由端である。固定端側は架台4に磁力又は機械的に固定(若しくはチャッキング)がなされている。

【0029】
この永久磁石3を軸線方向に高速で往復移動または単純移動させることにより、永久磁石3と磁性材料2が最も近づいたとき最大引張り試験力を発生させる。
なお、磁性材料2と永久磁石3とは互いに磁力応答する関係であればいずれが試験片側の応答部であっても良く、参照番号2、3はそれぞれ永久磁石2、磁性材料3の関係、両者とも永久磁石2、3(対抗する磁極は逆である)であっても良い。

【0030】
≪曲げ荷重試験の概要≫
次に図2では曲げ荷重疲労試験の概要が示されている。
試験片1の一端が固定端で他端が自由端であり、自由端側に応答部として磁性材料2が装着される点は図1と同様であるが、図2に示すように永久磁石3’が試験片1の軸線上以外の位置に配置される。この永久磁石3’を磁性材料2方向に高速で往復移動または単純移動させることで、任意の方向に力学的負荷を与えることが可能となる。したがって、多方向に材料特性の評価を行うことができる。

【0031】
≪特殊環境下試験の概要≫
また、試験片1と永久磁石3(可動部)は非接触であるため、図3に示すように試験片1を完全封止条件(カプセル5内)で試験することが可能である。したがって、例えば真空や低・高湿度環境、塩水中等の腐食環境、また生体内を模擬した環境など、多様な特殊環境下試験を簡便に行うことができる。

【0032】
《自動調軸の概要》
さらに、図4は試験片1の軸芯調整の方法が示されており、左図が調軸前、右図が調軸後を示している。永久磁石3’’に、軸線に対して直角方向への摺動機構を備えることで、磁力による自動調芯が可能になる。永久磁石3’’が軸線上からオフセットする位置に配設された場合(つまり、偏芯が生じた場合)、図4に示すように、磁力の軸芯方向成分によって磁石が摺動し、偏芯が解消される。

【0033】
なお、試験片端部・可動部間に生じる引力について検証を行った。なお、試験片端部・可動部間に磁力を与える永久磁石は図1~図3のように可動部3~3’’側に設けても良く、試験片1側に設けても良く、さらには両者に設けても良い。一辺60mm、厚さ10mmの鉄材(試験片側の磁性材料2)に対し、φ30mm、高さ15mmのネオジウム磁石(表面磁束密度 約5000[G])を徐々に近づけていき、その時の引張荷重を測定した。その結果、鉄材-磁石間距離と引張荷重について、図5の関係が得られた。鉄材-磁石間距離が小さくなるに従い、引張荷重が加速度的に大きくなっていることが分かる。また、試験片として例えばφ0.1のSUS304細線を考えたとき、この引張破断荷重は約10N程度と推定されることから、永久磁石による磁力で十分な試験荷重を得られることが示された。

【0034】
次に本発明の材料特性評価装置の具体的な構成例およびその変形例を説明する。

【0035】
≪実施例1≫
図6には本発明の材料特性評価装置例10の略模式図が示されている。
この材料特性評価装置10は、概ね架台部11と、試験片保持部12と、試験片13と、発振部14と、軸芯・負荷方向調整部(以下、「基礎部」)15と、で構成されている。

【0036】
架台部11は、試験片13の上端を固定する固定部11bと、固定部11bを介して試験片13を支持する架台11aとで構成される。図6の固定部11bは永久磁石11bが使用されており、荷重が鉛直方向に向くように試験片13の上端の試験片保持部12aに固定される。

【0037】
試験片13は試験片保持部12で保持され、試験片保持部12は試験片13の両端側で、それぞれ試験片保持部(応答部)12aとこれに連結して試験片13の両端を保持する保持具12bとで構成される。上方の試験片保持部12aは磁性材料で形成されるため永久磁石11bと磁力で固定される。この試験片保持部12aは試験片13の上端を機械的にチャッキングする保持具12bと連結する。また、試験片13の下端も保持具12bで機械的にチャッキングされ、この保持具12bの下部は磁性材料の試験片保持部12aが吊り下げ固定される。試験片保持部12aが装着される試験片13の下端は自由端であり、下方に離間して発振部(可動部)14が配設される。発振部14は基礎部15に載置される。

【0038】
発振部14(可動部)及び基礎部15について説明する。
発振部14は、上方から応答治具(応答部)14aと、ロードセル14bと、振動発生器(バイブレータ)14cとで構成される。基礎部15は、台座15bにXYZ軸ステージ15aが載置されている。発振部14は、3軸方向に可動するXYZ軸ステージ15aの上部にバイブレータ14c、その上にロードセル14b、永久磁石である応答治具14aが水平に設置されている。この応答治具14aはXYZ軸ステージで移動させて宙吊りの試験片13の下部に来るように配置する。

【0039】
そして、永久磁石である応答治具14aは、試験片13の下端の試験片保持部12aとの間に引力を発生させる。これにより、試験片13には下端の試験片保持部12の重力荷重と磁力による引力との引張荷重が加わる。この状態でバイブレータ14bを動作させ、応答治具14aを振動させることにより、試験片13に繰り返し荷重を加えることができる。荷重量はXYZ軸ステージのZ位置調節により調整可能である。

【0040】
また、ロードセル14bは試験片13と別途分離する位置に配設されるため、試験片13の取り付けも容易であり且つ精緻な荷重測定も可能である。また、細線状又は棒状を有する試験片13を対象としている本材料特性評価装置10では、宙吊りの試験片13が保持具12b-永久磁石12a間距離の最も短くなる鉛直方向にて自然に静止するため、試験片位置の調整はわずかで済むことになる。さらに、試験片13の偏芯に関しては、ロードセル14bに横方向荷重の検出機能を持たせることにより、より精度の高い調芯が可能である。

【0041】
《実施例2》
図7には図6の材料特性評価装置10の変形例としての材料特性評価装置例10(1)の略模式図が示されている。
この材料特性評価装置10(1)は図6と同様に、概ね架台部11と、試験片保持部12と、試験片13と、応答部(発振部)14と、基礎部15と、で構成されている。

【0042】
ただし、図7の材料特性評価装置10(1)の場合、発振部取付金具16が設けられている。発振部取付金具16は発振部14を所望の位置に配設すべく基礎部15と発振部14を連結する。図7の場合、試験片13の側方にスペースがあるような場合、曲げ荷重試験が中心の場合に適している。

【0043】
《実施例3》
図8には図6の材料特性評価装置10の他の変形例としての材料特性評価装置例10(2)の略模式図が示されている。
この材料特性評価装置10(2)も図6と同様に、概ね架台部11と、試験片保持部12と、試験片13と、応答部(発振部)14と、基礎部15と、で構成されている。

【0044】
ただし、図8の材料特性評価装置10(2)の場合、基礎部15にXYZ軸ステージ15aだけでなくR軸ステージ15cも追加されている。したがって、発振部14を軸回転させることも可能である。図9では曲げ荷重試験目的で発振部14を回転移動させた状態が示されている。このときの材料特性評価装置10(2)の発振部14は図8の位置からXYZ軸ステージ15aで矢印A方向に移動し、R軸ステージ15cで矢印B方向に回転している。図8~図9の場合、試験片13を多方向から各種試験を容易に行うことができる。

【0045】
最後に上記本材料特性評価装置10~10(2)のロードセル14bからの信号分析について言及する。図10は試験器本体10bと制御装置20との間のブロック図である。ロードセル14bは可動部14が試験片13に負荷する加重を検出し、信号変換する。ロードセル14bが検出する荷重は3軸方向の荷重であり、荷重を検出すると電気信号に変換され制御装置20の荷重検出部21に送信される。荷重検出部21は3軸方向それぞれの荷重と荷重の信号波形を荷重表示部22、波形表示部23で表示する。

【0046】
また、荷重検出部21で検出された3軸方向の荷重が所望の荷重か否かを演算部25で判断する。演算部24は荷重設定部24で予め設定された設定条件に従って判断し、試験器本体10の軸心・負荷方向調整部15を調整する。例えば、所定方向の荷重のみ作用することを設定条件とする場合には、所定方向以外の荷重成分が検出された場合には軸心・負荷方向調整部15を調整する(さらに、調整時の荷重をロードセル14bで検出する)。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上、本発明の材料特性評価装置の実施形態について説明してきたが本発明は特許請求の範囲および明細書に記載する範囲を逸脱しない範囲で他の改良例・変形例が存在することは当業者にとって明白であろう。また、本発明は、マイクロマシンの主要材となるマイクロマテリアルの材料評価に有益であり、その応用範囲は、微小電気機械素子関連分野全般、例えば精密電子機器分野(マイクロアクチュエータ、各種センサ)、自動車分野(加速度センサ、圧力センサ)、印刷分野(プリンタヘッド)、医療機器分野(圧力センサ、超小型モータ)などの材料評価に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 試験片
2 磁性材料
3、3’、3’’ 永久磁石
4、4‘ 架台
5 カプセル
10、10(1)、10(2) 材料特性評価装置
11 架台部
12 試験片保持部
13 試験片
12a 試験片保持部(応答部)
14 発振部(可動部)
14a 応答治具(応答部)
15 基礎部
15a XYZ軸ステージ
16 発振部取付金具

図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9