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明細書 :発電装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5867700号 (P5867700)
公開番号 特開2013-118766 (P2013-118766A)
登録日 平成28年1月15日(2016.1.15)
発行日 平成28年2月24日(2016.2.24)
公開日 平成25年6月13日(2013.6.13)
発明の名称または考案の名称 発電装置
国際特許分類 H02N   2/00        (2006.01)
FI H02N 2/00 D
請求項の数または発明の数 8
全頁数 44
出願番号 特願2011-265034 (P2011-265034)
出願日 平成23年12月2日(2011.12.2)
審査請求日 平成26年10月30日(2014.10.30)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504160781
【氏名又は名称】国立大学法人金沢大学
発明者または考案者 【氏名】上野 敏幸
個別代理人の代理人 【識別番号】100109210、【弁理士】、【氏名又は名称】新居 広守
審査官 【審査官】小林 紀和
参考文献・文献 特開平09-090065(JP,A)
特開2005-312269(JP,A)
特開2006-158113(JP,A)
特開2006-037754(JP,A)
特開2008-295275(JP,A)
特開平07-049388(JP,A)
特表2011-528185(JP,A)
米国特許出願公開第2009/0134747(US,A1)
調査した分野 H02N 2/00
特許請求の範囲 【請求項1】
逆磁歪効果により発電する第1の発電素子と第2の発電素子とを有する発電部と、
前記発電部に振動を与える加振部と、
前記加振部に一端が配置され、前記発電部に前記加振部の振動と異なる振動を与える振動板と、
前記振動板の他端に配置され、慣性により前記加振部の振動と異なる振動が生じる錘とを備え、
前記第1の発電素子および前記第2の発電素子は、それぞれ、
磁歪材料で構成された少なくとも1本の磁歪棒と、
前記磁歪棒の周囲に巻き回され、前記磁歪棒の磁束の変化により電流を発生するコイルと、
磁性体で構成され前記磁歪棒の両端を支持するヨークと
を有し、
前記発電部において、
前記第1の発電素子の前記磁歪棒と前記第2の発電素子の前記磁歪棒とは平行に配置され、
前記第1の発電素子の前記ヨークの一端と前記第2の発電素子の前記ヨークの一端とは一体に形成され、一体に形成された前記第1の発電素子の前記ヨークの一端と前記第2の発電素子の前記ヨークの一端には前記加振部が設けられており、
前記第1の発電素子と前記第2の発電素子とは、線対称に配置され、
前記振動板は、
前記第1の発電素子の前記磁歪棒および前記第2の発電素子の前記磁歪棒と平行に、かつ、一端が前記第1の発電素子の前記ヨークの一端および前記第2の発電素子の前記ヨークの一端と一体に形成されている
発電装置。
【請求項2】
前記発電部と、前記振動板と、前記錘とは、一体に形成されている
請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記振動板は、
前記第1の発電素子および前記第2の発電素子の間の前記第1の発電素子および前記第2の発電素子のそれぞれから等しい距離に配置されている
請求項1または2に記載の発電装置。
【請求項4】
前記振動板は、さらに、
磁力により前記第1の発電素子および前記第2の発電素子の少なくともいずれかの前記ヨークに吸着する永久磁石を備える
請求項1~3のいずれか1項に記載の発電装置。
【請求項5】
前記永久磁石は、
磁力により前記第1の発電素子の前記ヨークに吸着する第1の永久磁石と、
磁力により前記第2の発電素子の前記ヨークに吸着する第2の永久磁石とで構成されている
請求項4に記載の発電装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の発電装置を複数備え、
前記複数の発電装置の錘は、一体に形成されている
発電装置。
【請求項7】
前記錘は、外力により前記発電部に振動を与えるスイッチ部である
請求項1~5に記載の発電装置。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載の発電装置を複数備え、
一の前記発電装置の前記錘は、他の前記発電装置の前記発電部である
発電装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、振動を利用した発電装置に関し、特に、磁歪材料を使用した発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、身近な振動から発電を行うための技術の開発が盛んに行われており、その技術の1つとして圧電素子を用いた発電方法や永久磁石の磁束密度の変化を利用した発電方法が知られている。
【0003】
圧電素子を利用した発電方法の多くは、圧電素子に何らかの方法で外部から力を加えることにより、圧電素子を変形させて発電するものである。圧電素子を変形させるには、例えば、圧電素子に振動を加えて変形させる方法、風圧や音圧などの圧力を間接的に与える方法、錘などの物体を圧電素子に衝突させる方法、変形する物体に圧電素子を取り付ける方法などがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、音による空気の圧力変動を利用して圧電素子により発電する音力発電装置、および、振動による圧力変動を利用して圧電素子により発電する振動力発電装置が記載されている。
【0004】
また、永久磁石の磁束密度の変化を利用した発電方法は、永久磁石の振動に伴うコイルの鎖交磁束密度の時間的変化で発電を行う方法、つまり、電磁誘導を利用した発電方法である(例えば、非特許文献1、特許文献2参照)。
【0005】
非特許文献1では、コイルの内部を磁化の方向と平行方向に振動する永久磁石により、コイル内部の磁束密度が変化して、コイルに電流が発生することにより発電が行われる発電素子が開示されている。
【0006】
特許文献2では、2極に着磁されたバイアス磁石と、外部からの力を加えることで逆磁歪効果により透磁率が変化して磁束の流れが変化する磁歪材料と、磁歪材料を磁気的な異方性を有する方向に周期的に圧縮する圧縮手段と、この周期的に変化する磁束により電流を誘起するコイル手段とを備えた発電素子が開示されている。この発電素子は、上記した周期的に変化する磁束と、コイル芯に巻き廻されたコイルとが鎖交するように、磁歪材料と、コイルと、圧縮手段が配置されている。つまり、長手方向に磁気異方性を有する磁歪材料を、長手方向に周期的に圧縮し、このときコイルに発生する電流により発電を行う構成である。
【0007】
特許文献1に記載された圧電材料は、圧電縦定数が大きく、圧電縦効果(力の方向と電圧を取り出す方向が同じ場合)の発電効率は高い。しかし、単板の圧電材料を曲げることによる曲げ変形を利用して発電する場合には、力の方向と直交する方向で電圧を取り出す(圧電横効果)ため、発電効率が低い。また、圧電材料は、脆性材料であり、曲げや衝撃に対して弱い材料である。そのため、過度な負荷を加えることができず、発電量を増加するために大きな曲げや衝撃を加えることが難しいという問題がある。また、圧電素子は、電気的に誘導性の負荷であるため、低周波数でインピーダンスが高く、圧電素子より低いインピーダンスを有する負荷を繋いだときに、負荷に発生する電圧が小さくなるため、発電により得られる電力が小さくなり、発電の効率が低いという欠点を有している。
【0008】
また、非特許文献1に記載された永久磁石の振動に伴うコイルの鎖交磁束密度の変化を利用した発電方法では、発電量を増加するために、大振幅かつ高周波数で振動子を振動させる必要がある。そこで、振動子として使用される永久磁石の大きさを大きくすると、振動子の質量が増加し、振動子の共振周波数が低くなる。その結果、発電量は大きくならないという問題がある。
【0009】
また、特許文献2に記載された、磁歪材料を周期的に圧縮することによる発電方法では、磁歪材料を長手方向に圧縮するために大きな力が必要である。また、圧縮力は磁歪材料に不均一に加えられるため、発電効率が低くなるという欠点を有している。
【先行技術文献】
【0010】

【特許文献1】特開2006-166694号公報
【特許文献2】特開2008-72862号公報
【0011】

【非特許文献1】保坂寛、“ウェアラブル情報機器のための振動発生技術”、電気学会誌、126巻4号、2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
こうした課題を解決するため、磁歪材料を振動させることにより発電することが考えられる。具体的には、本発明の関連技術として、例えば、磁歪材料からなり平行に配置された2つの磁歪棒と、2つの磁歪棒のそれぞれに巻かれたコイルと、2つの磁歪棒のそれぞれの両端に、2つの磁歪棒を連結するように設けられた2つの連結ヨークとを備え、2つの磁歪棒の軸方向と垂直な方向の振動により、2つの磁歪棒の一方が伸張し、他方が収縮することにより発電することを特徴とする発電素子が考えられる。
【0013】
この構成によれば、磁歪材料からなる2つの磁歪棒の伸張および圧縮により、逆磁歪効果を利用して磁束密度の時間的変化から発電することができる。2つの磁歪棒を組み合わせて発電素子が構成されているので、発電素子に2つの磁歪棒の軸方向と垂直な方向の振動が与えられると、2つの磁歪棒の一方は伸張し、他方は圧縮する。これにより、小さな力で効率よく発電することができる。また、曲げや衝撃などの外力に強い磁歪材料を磁歪棒に使用するので、発電素子に大きな曲げや衝撃を加えることができ、発電量を多くすることができる。
【0014】
しかし、磁歪材料を使用する上記構成においては、発電素子の振動は、発電素子を取り付けた壁面や振動物などに吸収されるため振動が長時間持続せず、発電を長時間続けることが難しい。
【0015】
また、発電を効率よく行うためには、発電素子は高い周波数で振動することが望ましいが、発電素子を低い周波数で振動する振動物に取り付けた場合には発電素子を高い周波数で振動させることができず、発電量を増加することが難しいという課題がある。
【0016】
上記課題を鑑み、本発明は、発電を長時間行うことができ、かつ、発電量を増加することができる発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を達成するため、本発明の一形態に係る発電装置は、逆磁歪効果により発電する第1の発電素子と第2の発電素子とを有する発電部と、前記発電部に振動を与える加振部と、前記加振部に一端が配置され、前記発電部に前記加振部の振動と異なる振動を与える振動板と、前記振動板の他端に配置され、慣性により前記加振部の振動と異なる振動が生じる錘とを備え、前記第1の発電素子および前記第2の発電素子は、それぞれ、磁歪材料で構成された少なくとも1本の磁歪棒と、前記磁歪棒の周囲に巻き回され、前記磁歪棒の磁束の変化により電流を発生するコイルと、磁性体で構成され前記磁歪棒の両端を支持するヨークとを有し、前記発電部において、前記第1の発電素子の前記磁歪棒と前記第2の発電素子の前記磁歪棒とは平行に配置され、前記第1の発電素子の前記ヨークの一端と前記第2の発電素子の前記ヨークの一端とは一体に形成され、一体に形成された前記第1の発電素子の前記ヨークの一端と前記第2の発電素子の前記ヨークの一端には前記加振部が設けられており、前記第1の発電素子と前記第2の発電素子とは、線対称に配置され、前記振動板は、前記第1の発電素子の前記磁歪棒および前記第2の発電素子の前記磁歪棒と平行に配置されている。
【0018】
この構成によれば、発電部に配置された第1の発電素子および第2の発電素子は、磁歪材料からなる磁歪棒の伸張および圧縮により、逆磁歪効果を利用して磁束密度の時間的変化から発電することができる。ここで、発電部は、第1の発電素子の一端と第2の発電素子の一端とは一体に形成され、かつ、平行に配置されて線対称の形状をしているので、音叉振動を生じる。すなわち、第1の発電素子に振動が与えられると、第2の発電素子は第1の発電素子の振動と逆位相かつ同一周波数の振動を生じる。これにより、第1の発電素子の振動が第1の発電素子の根元部分、つまり、第1の発電素子のヨークの一端と第2の発電素子のヨークの一端とが一体に形成されている部分に及ぼす力と、第2の発電素子の振動が第2の発電素子の根元部分に及ぼす力の向きは逆方向となり相殺される。したがって、発電部の根元部分の耐性は強くなり、発電部は壊れにくくなる。よって、発電素子に大きな曲げや衝撃を加えることができるので、発電量を多くすることができる。
【0019】
また、第1の発電素子の振動が第1の発電素子の根元部分に及ぼす力と第2の発電素子の振動が第2の発電素子の根元部分に及ぼす力の向きは逆方向となり相殺されるので、発電部の振動は根元部分に吸収されにくく、音叉振動が長時間持続する。したがって、発電量を多くすることができる。
【0020】
また、振動板に配置された錘の慣性により、発電部は振動を与えられ音叉振動を生じる。発電部に生じる音叉振動は、加振部の振動よりも高周波となるため、低周波振動を高周波振動に変換することができる。これにより、効率よく発電することができる。
【0021】
また、前記発電部と、前記振動板と、前記錘とは、一体に形成されていることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、発電装置を構成する各部の接続部分が少なくなるため、振動を減衰させる要因となる機械損失を減少させることができる。これにより、振動を長時間持続させることができる。また、部品数が少なくなることから発電装置の組み立てが容易になり、生産性を向上することができる。
【0023】
また、前記振動板は、前記第1の発電素子および前記第2の発電素子の間の前記第1の発電素子および前記第2の発電素子のそれぞれから等しい距離に配置され、かつ、一端が前記第1の発電素子の前記ヨークの一端および前記第2の発電素子の前記ヨークの一端と一体に形成されていることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、振動板が第1の発電素子および第2の発電素子の間に、第1の発電素子および第2の発電素子と一体に形成されるので、振動板により第1の発電素子および第2の発電素子のいずれにも振動を与えることができる。また、振動板が第1の発電素子および第2の発電素子から等しい距離に配置されるので、振動板の振動により第1の発電素子および第2の発電素子の音叉振動が妨げられることがない。したがって、発電部は長時間音叉振動を持続することができ、発電効率を向上することができる。
【0025】
また、前記振動板は、さらに、磁力により前記第1の発電素子および前記第2の発電素子の少なくともいずれかの前記ヨークに吸着する永久磁石を備えることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、振動板が第1の発電素子および第2の発電素子のいずれかに吸着することができるので、発電部に振動を与えやすく、発電効率を向上することができる。
【0027】
また、前記永久磁石は、磁力により前記第1の発電素子の前記ヨークに吸着する第1の永久磁石と、磁力により前記第2の発電素子の前記ヨークに吸着する第2の永久磁石とで構成されていることが好ましい。
【0028】
この構成によれば、振動板は第1の発電素子および第2の発電素子のいずれにも吸着することができるので、発電部に振動を与え易く、発電効率をより向上することができる。
【0029】
また、上記した特徴を有する発電装置を複数備え、前記複数の発電装置の錘は、一体に形成されていることが好ましい。
【0030】
この構成によれば、発電装置を複数備えることにより、発電効率を向上することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によると、発電を長時間行うことができ、かつ、効率よく発電量を増加することができる発電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の関連技術に係る発電素子の構成を示す概略図である。
【図2A】実施の形態1に係る発電装置の構成を示す概略図である。
【図2B】図2Aに示した発電装置の動作を説明するための図である。
【図2C】図2Aに示した発電装置の動作を説明するための図である。
【図3A】実施の形態1の変形例に係る発電装置の構成を示す概略図である。
【図3B】図3Aに示した発電装置の動作を説明するための図である。
【図3C】図3Aに示した発電装置の動作を説明するための図である。
【図3D】実施の形態1の変形例に係る発電装置の他の構成を示す概略図である。
【図4A】実施の形態2に係る発電装置の構成を示す概略図である。
【図4B】図4Aに示した発電装置の動作を説明するための図である。
【図4C】図4Aに示した発電装置の動作を説明するための図である。
【図5】実験に使用した発電装置の構成を示す写真である。
【図6】実験に使用した発電装置を配置した測定装置の写真である。
【図7A】図5に示した発電装置の構成を示す概略図である。
【図7B】図7Aに示した発電装置の動作を示す図である。
【図7C】図7Aに示した発電装置の動作を示す図である。
【図8A】第1の発電素子を励振した場合であって、発電部に音叉振動が生じている場合の第1の発電素子および第2の発電素子の発電電圧の時間応答を示す図である。
【図8B】図8Aに示した発電電圧の時間応答の計測と同時に計測した第1の発電素子の振幅の時間応答を示す図である。
【図9A】第1の発電素子を励振した場合であって、発電部に音叉振動が生じていない場合の第1の発電素子および第2の発電素子の発電電圧の時間応答を示す図である。
【図9B】図9Aに示した発電電圧の時間応答の計測と同時に計測した第1の発電素子の振幅の時間応答を示す図である。
【図10A】図8Aの一部を拡大した図である。
【図10B】図8Bの一部を拡大した図である。
【図11A】図9Aの一部を拡大した図である。
【図11B】図9Bの一部を拡大した図である。
【図12A】第2の発電素子を励振した場合であって、発電部に音叉振動が生じている場合の第1の発電素子および第2の発電素子の発電電圧の時間応答を示す図である。
【図12B】図12Aに示した発電電圧の時間応答の計測と同時に計測した第2の発電素子の振幅の時間応答を示す図である。
【図13A】第2の発電素子を励振した場合であって、発電部に音叉振動が生じていない場合の第1の発電素子および第2の発電素子の発電電圧の時間応答を示す図である。
【図13B】図13Aに示した発電電圧の時間応答の計測と同時に計測した第2の発電素子の振幅の時間応答を示す図である。
【図14A】図12Aの一部を拡大した図である。
【図14B】図12Bの一部を拡大した図である。
【図15A】図13Aの一部を拡大した図である。
【図15B】図13Bの一部を拡大した図である。
【図16A】実施の形態2の変形例1に係る発電装置の構成を示す概略図である。
【図16B】図16Aに示した発電装置の動作を説明するための図である。
【図16C】図16Aに示した発電装置の動作を説明するための図である。
【図16D】実施の形態2の変形例1に係る発電装置の他の構成を示す概略図である。
【図16E】実施の形態2の変形例1に係る発電装置の他の構成を示す概略図である。
【図17A】実施の形態2の変形例2に係る発電装置の構成を示す概略図である。
【図17B】実施の形態2の変形例2に係る発電装置の他の構成を示す概略図である。
【図17C】実施の形態2の変形例2に係る発電装置の他の構成を示す概略図である。
【図17D】実施の形態2の変形例2に係る発電装置の他の構成を示す概略図である。
【図18A】実施の形態3に係る発電装置の構成を示す概略図である。
【図18B】実施の形態3に係る発電装置の構成を示す概略図である。
【図18C】図18Bに示した発電装置の動作を説明するための図である。
【図18D】実施の形態3に係る発電装置の他の構成を示す概略図である。
【図19】実施の形態3の変形例に係る発電装置の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは一例である。したがって、これらの各形態により、本発明が限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。

【0034】
(発電素子の構成)
まず、本発明の関連技術に係る発電素子について、図1を参照して説明する。

【0035】
図1は、本発明の関連技術に係る発電素子900Bの構成を示す概略図である。

【0036】
図1に示すように、発電素子900Bは、ヨーク920と、コイル916Cと、磁歪材料からなる磁歪棒918Cとを備える。なお、図1は発電素子900Bを一方向から見た上面図であるが、発電素子900Bの構成の理解を容易にするために、図1において、磁歪棒918Cと、コイル916Cとは、断面図で示している。

【0037】
磁歪棒918Cは、例えば鉄ガリウム合金であるGalfenolからなり、延性を有し、それぞれ、1mm×0.5mm×10mmの直方体の棒状の形状をしている。また、磁歪棒918Cの両端は、ヨーク920に機械的に連結されている。

【0038】
磁歪棒918Cには、コイル916Cが巻かれている。コイル916Cは、例えば、銅線からなり巻数はそれぞれ250巻である。コイル916Cの巻数により、発電素子900Bに発生する電圧の大きさを調整することが可能である。また、コイル916Cは、樹脂により巻き回された銅線の間が埋められ、一体となっている。

【0039】
ここで、磁界中において、磁歪棒918Cが伸張または圧縮されるようにヨーク920を振動させることにより、磁歪棒918Cに逆磁歪効果が生じる。その結果、コイル916Cの周囲の磁束が変化する。したがって、コイル916Cに起電力が生じる。こうして、発電素子900Bは振動により発電することができる。

【0040】
また、発電素子900Bには、バイアスの磁界を印加するためのNd-Fe-B磁石(図示せず)が設けられている。また、発電素子900Bの下面側には界磁用のバックヨーク(図示せず)が設けられている。バックヨークは、磁歪棒Cにバイアス磁化を印加し易くするための構成である。なお、なるべく減衰が少なくなるようバックヨークを用いない開磁路にしてもよい。

【0041】
ここで、発電素子900Bの発電量は、振動を長時間持続させることにより、増加することができる。

【0042】
また、発電素子900Bによる発生電圧は、いずれも以下の式(1)で求められる。

【0043】
【数1】
JP0005867700B2_000002t.gif

【0044】
ここで、Nはコイルの巻数であり、Φは磁束である。したがって、時間当たりの磁束の変化量を増やすことにより、発生電圧を大きくすることができる。時間当たりの磁束の変化量は、発電素子の共振周波数など、その機械的特性により決定される。発電素子の発電電圧を大きくするためには、発電素子の共振周波数を高くすることがより容易な方法である。

【0045】
しかし、磁歪材料を使用する上記構成においては、発電素子の振動は、発電素子を取り付けた壁面や振動物などに吸収されるため長時間持続せず、発電を長時間続けることが難しい。

【0046】
また、上記したように、発電を効率よく行うためには、発電素子は高い周波数で振動することが望ましいが、発電素子を低い周波数で振動する振動物に取り付けた場合には、発電素子を高い周波数で振動させることができず発電量を増加することが難しい。

【0047】
本発明は、この課題を解決する。以下、本発明の実施の形態について説明する。

【0048】
(実施の形態1)
図2Aは、本発明の実施の形態1に係る発電装置の構成を示す概略図である。図2Bおよび図2Cは、図2Aに示した発電装置の動作を説明するための図である。

【0049】
図2Aに示すように、発電装置10は、第1の発電素子105Aと第2の発電素子105Bとで構成される発電部100と、振動板101と、錘102と、加振部103とを備えている。

【0050】
第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bの構成は、図1に示した発電素子900Bと同様、1つの磁歪棒の変形により発電が行われる構成である。つまり、第1の発電素子105Aは、磁歪棒106Aと、コイル107Aと、磁歪棒106Aの両端を支持するヨーク108Aとを備えている。同様に、第2の発電素子105Bは、磁歪棒106Bと、コイル107Bと、磁歪棒106Bの両端を支持するヨーク108Bとを備えている。なお、図2Aから図2Cは、発電装置10を一方向から見た上面図であるが、発電部100の構成の理解を容易にするために、図2Aから図2Cにおいて、磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bと、コイル107Aおよびコイル107Bは、断面図で示している。

【0051】
発電部100は、線対称の形状を有している。具体的には、いわゆる音叉形状をしている。すなわち、発電部100において、第1の発電素子105Aの磁歪棒106Aと第2の発電素子105Bの磁歪棒106Bとは平行に配置され、第1の発電素子105Aのヨーク108Aの一端と第2の発電素子105Bのヨーク108Bの一端とが一体となるように形成されている。また、第1の発電素子105Aのヨーク108Aおよび第2の発電素子105Bのヨーク108Bの他端側の長さは、ヨーク108Aおよびヨーク108Bの一端側の長さに比べると長くなっている。

【0052】
振動板101は、例えば、バネ性を有する磁性ステンレスで構成された板状の形状を有している。振動板101は、発電部100の第2の発電素子105Bと対向するように、第2の発電素子105Bと平行に配置されている。振動板101の他端には、慣性により加振部103の振動と異なる振動を生じる錘102が配置されている。

【0053】
また、振動板101は、第2の発電素子105Bと対向する面に永久磁石109を備えている。永久磁石109は、磁性材料で構成されたヨーク108Bと磁力により吸着することができ、永久磁石109の吸脱着により第2の発電素子105Bに振動を与えることができる。なお、振動板101は、永久磁石109を備えない構成であってもよい。この場合、振動板101を第2の発電素子105Bに直接接触することにより振動を与えることができる。

【0054】
加振部103は、発電部100の根元部分、つまり、ヨーク108Aの一端とヨーク108Bの一端とが一体に形成されている部分に配置されている。加振部103は、第1の発電素子105Aの磁歪棒106Aおよび第2の発電素子105Bの磁歪棒106Bの軸方向と垂直な方向(図2Aにおける上下方向)の振動を発電部100に与える。なお、加振部103は、振動を発生する振動装置であってもよいし、例えば、自動車の車体、橋梁など振動するものであればどのようなものであってもよい。

【0055】
発電部100および振動板101は、以下のようにして形成される。

【0056】
ヨーク108Aおよびヨーク108Bは、例えば、バネ性を有する磁性ステンレスで構成され、ワイヤー放電加工により切り出される。また、ヨーク108Aおよびヨーク108Bは、ヨーク108Aおよびヨーク108Bの一部であって、ヨーク108Aおよびヨーク108Bが対向する面にそれぞれ凹状部分を有するように切り出される。その後、除錆と超音波洗浄を行い、ヨーク108Aおよびヨーク108Bに形成された凹状部分に、例えばGalfenolで構成された棒状の形状を有する磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bがそれぞれはめ込まれる。なお、ヨーク108Aおよびヨーク108Bは、ヨーク108Aおよびヨーク108Bの一部であって、ヨーク108Aおよびヨーク108Bが対向する面と反対側の面にそれぞれ凹状部分を有するように切り出され、この凹状部分に磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bがそれぞれはめ込まれる構成であってもよい。

【0057】
磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bは、発電用のコイル(例えば、1630巻き、95Ω)107Aおよびコイル107Bがそれぞれ巻き回されている。さらに、磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bは、ヨーク108Aおよびヨーク108Bにそれぞれエポキシ系接着剤や溶接などで強固に接合される。

【0058】
なお、バイアスの界磁を生じるために、第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bは、バックヨークと、Nd-Fe-B磁石(例えば、2×3×2mm、残留磁束密度1.2T)とを備える(図示せず)。なるべく減衰が少なくなるようバックヨークを用いない開磁路にしてもよい。

【0059】
また、振動板101は、ヨーク108Aおよびヨーク108Bと同様、バネ性を有する磁性ステンレスで構成され、ワイヤー放電加工により板状に切り出される。なお、振動板101は、板状でなくても棒状やその他の形状であってもよい。

【0060】
このような構成により、発電装置10は以下のような動作により発電をすることができる。以下、発電装置10の動作について説明する。

【0061】
図2Aに示した発電装置10は、加振部103が静止している状態である。このとき、振動板101に配置された永久磁石109は、第2の発電素子105Bのヨーク108Bに吸着している。この状態から、図2Bに示すように、加振部103が上方向に振動すると、発電部100および振動板101は加振部103の振動に伴い上方向に移動する。一方、振動板101に取り付けられた錘102は慣性により静止を続けようとする。

【0062】
第2の発電素子105Bのヨーク108Bと永久磁石109は吸着しているので、第2の発電素子105Bは下方向に湾曲する。この湾曲に伴う第2の発電素子105Bのたわみに比例した復元力が永久磁石109の吸着力以上になると、図2Cに示すように、永久磁石109の吸着が突発的に外れ、第2の発電素子105Bに振動が励振される。

【0063】
また、発電部100は、第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bを有する音叉形状をしているので、振動を与えていない第1の発電素子105Aには音叉振動、つまり、第2の発電素子105Bの振動と逆位相かつ同一周波数の振動が生じる。このときの振動の周波数は、一例として100~1kHzである。

【0064】
第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bのそれぞれは、上記振動により、曲げ力Pを受ける。このとき、曲げ力Pの方向は、磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bの軸方向に対して垂直の方向である。ヨーク108Aおよびヨーク108Bは、それぞれ曲げ振動する。これにより、第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bは、それぞれ共振する。このときの共振周波数は、一例として100~1kHzである。

【0065】
また、上記振動によりヨーク108Aまたはヨーク108Bに曲げ力Pが与えられると、磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bは、曲げ変形される。具体的には、磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bは伸張し、ヨーク108Aおよびヨーク108Bの磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bと対向する部分はそれぞれ収縮する。また、ヨーク108Aまたはヨーク108Bが上記した向きの曲げ力Pと逆向きの曲げ力Pを受けると、磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bはそれぞれ収縮し、ヨーク108Aおよびヨーク108Bの磁歪棒106Aまたは磁歪棒106Bと対向する部分はそれぞれ伸張する。

【0066】
このように、磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bが伸縮することにより、磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bの磁化は逆磁歪効果により増加または減少する。これにより、コイル107Aおよびコイル107Bを貫く磁束密度が変化する。この磁束密度の時間的変化により、コイル107Aおよびコイル107Bに誘導電圧(または誘導電流)が発生し発電することができる。発電素子100の第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bは、振動が持続する期間、連続した発電を行うことができる。

【0067】
ここで、第1の発電素子105Aには、第2の発電素子105Bの振動と逆位相かつ同一周波数の振動が発生するので、第1の発電素子105Aの振動が第1の発電素子105Aの一端、つまり、音叉形状の発電部100の根元部分に及ぼす力と、第2の発電素子105Bの振動が第2の発電素子105Bの一端、つまり、発電部100の根元部分に及ぼす力の向きとは逆方向となり相殺される。これにより、発電部100の根元部分に第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bの振動が吸収されにくくなり、音叉振動が長時間持続する。

【0068】
また、発電部100に生じる音叉振動は、加振部103が発電部100に与える振動よりも高周波となる。したがって、加振部103で発生する低周波振動を、発電部100において高周波振動に変換することができる。

【0069】
以上、本実施の形態に係る発電装置10によれば、第1の発電素子105Aの振動が発電部100の根元部分に及ぼす力と、第2の発電素子105Bの振動が発電部100の根元部分に及ぼす力の向きとは逆方向となり相殺される。これにより、発電部100の根元部分に第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bの振動が吸収されにくくなり、音叉振動が長時間持続する。したがって、発電量を増加することができる。

【0070】
また、発電部100の根元部分の耐性は強くなり、発電部100は壊れにくくなるので、第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bに大きな曲げや衝撃を加えることができる。これにより、発電量を多くすることができる。

【0071】
また、発電部100に生じる音叉振動は、加振部103が発電部100に与える振動よりも高周波となるため、加振部103で発生する低周波振動を、発電部100において高周波振動に変換することができる。これにより、第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bでの単位時間当たりの振動回数が増加するため、効率よく発電することができる。

【0072】
なお、上記した発電装置10では、第2の発電素子105Bと対向するように振動板101を配置しているが、第1の発電素子105Aと対向するように振動板101を配置してもよい。

【0073】
また、上記した発電装置10では、加振部103が静止した状態で磁石109がヨーク108Bに吸着しているが、加振部103が静止した状態で磁石109とヨーク108Bとの間に隙間が設けられている構成であってもよい。

【0074】
また、磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bを形成する磁歪材料は、Galfenolに限らずその他の材料であってもよい。Galfenolを用いた場合には、応力を加えることによるGalfenolの内部磁化の変化は、飽和磁束密度が1T程度まで変化するので、発電装置10における発電量を上げることができる。

【0075】
Galfenol以外の磁歪材料としては、例えば、鉄コバルト合金であるパーメンジュールであってもよい。

【0076】
また、ヨーク108Aおよびヨーク108Bに与えられる曲げ力Pの方向は、磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bの軸方向に対して垂直の方向で、磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bの一方が伸張し他方が収縮するのであれば、どのような向きに与えられてもよい。

【0077】
また、磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bの形状は、直方体の棒状の形状に限らず、例えば円柱状の棒状の形状や、その他の形状であってもよい。

【0078】
(実施の形態1の変形例)
次に、実施の形態1の変形例について説明する。

【0079】
図3Aは、本変形例に係る発電装置の構成を示す概略図である。図3Bおよび図3Cは、図3Aに示した発電装置の動作を説明するための図である。

【0080】
本変形例に係る発電装置11が実施の形態1に係る発電装置10と異なる点は、発電装置11が錘102を備える代わりに、錘としての機能とスイッチとしての機能を兼ね備えたスイッチ部110を備える点である。

【0081】
図3Aに示すように、発電装置11は、第1の発電素子105Aと第2の発電素子105Bとで構成される発電部100と、振動板101と、スイッチ部110と、加振部103とを備えている。

【0082】
第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bの構成は、図1に示した発電素子900Bと同様、1つの磁歪棒の変形により発電が行われる構成である。つまり、第1の発電素子105Aは、磁歪棒106Aと、コイル107Aと、磁歪棒106Aの両端を支持するヨーク108Aとを備えている。同様に、第2の発電素子105Bは、磁歪棒106Bと、コイル107Bと、磁歪棒106Bの両端を支持するヨーク108Bとを備えている。なお、図3Aから図3Cは、発電装置11を一方向から見た上面図であるが、発電部100の構成の理解を容易にするために、図3Aから図3Cにおいて、磁歪棒106Aおよび磁歪棒106Bと、コイル107Aおよびコイル107Bは、断面図で示している。

【0083】
発電部100は、線対称の形状を有している。具体的には、いわゆる音叉形状をしている。すなわち、発電部100において、第1の発電素子105Aの磁歪棒106Aと第2の発電素子105Bの磁歪棒106Bとは平行に配置され、第1の発電素子105Aのヨーク108Aの一端と第2の発電素子105Bのヨーク108Bの一端とが一体となるように形成されている。また、第1の発電素子105Aのヨーク108Aおよび第2の発電素子105Bのヨーク108Bの他端側の長さは、ヨーク108Aおよびヨーク108Bの一端側の長さに比べると長くなっている。

【0084】
振動板101は、例えば、バネ性を有する磁性ステンレスで構成された板状の形状を有している。振動板101は、発電部100の第2の発電素子105Bと対向するように、第2の発電素子105Bと平行に配置されている。振動板101の他端には、錘としての機能とスイッチとしての機能を兼ね備えたスイッチ部110が配置されている。

【0085】
また、振動板101は、第2の発電素子105Bと対向する面に永久磁石109を備えている。永久磁石109は、磁性材料で構成されたヨーク108Bと磁力により吸着することができ、永久磁石109の吸脱着により第2の発電素子105Bに振動を与えることができる。なお、振動板101は、永久磁石109を備えない構成であってもよい。この場合、振動板101を第2の発電素子105Bに直接接触することにより振動を与えることができる。

【0086】
加振部103は、発電部100の根元部分、つまり、ヨーク108Aの一端とヨーク108Bの一端とが一体に形成されている部分に配置されている。加振部103は、第1の発電素子105Aの磁歪棒106Aおよび第2の発電素子105Bの磁歪棒106Bの軸方向と垂直な方向(図3Aにおける上下方向)の振動を発電部100に与える。

【0087】
発電部100および振動板101の形成方法は、実施の形態1に示した発電部100および振動板101と同様であるため、説明を省略する。

【0088】
このような構成により、発電装置11は以下のような動作により発電をすることができる。以下、発電装置11の動作について説明する。

【0089】
図3Aに示した発電装置11は、加振部103が静止している状態である。このとき、振動板101に配置された永久磁石109は、第2の発電素子105Bのヨーク108Bに吸着している。この状態から、図3Bに示すように、スイッチ部110に、例えば指111で下方向の力を加える。第2の発電素子105Bのヨーク108Bと永久磁石109は吸着しているので、第2の発電素子105Bは下方向に湾曲する。この湾曲に伴う第2の発電素子105Bのたわみに比例した復元力が永久磁石109の吸着力以上になると、図3Cに示すように、永久磁石109の吸着が突発的に外れ、第2の発電素子105Bに振動が励振される。

【0090】
これにより、実施の形態1に示した発電装置10と同様、発電装置11においても、第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bのそれぞれは、振動が持続する期間、逆磁歪効果により発電をすることができる。

【0091】
また、図3Dは、本変形例に係る発電装置の他の構成を示す概略図である。

【0092】
図3Dに示すように、発電装置は、発電部100と、振動板と錘の機能を兼ね備えた振動部120とを備え、発電部100と振動部120とは一体に形成されている。つまり、発電部100を構成するヨーク108Aおよびヨーク108Bと、振動板と、錘とが、レーザ加工、プレス、ワイヤーEDM等により、同一の材料から切り出されて一体に形成されている。振動部120は、発電部100の周囲を囲むように配置されている。

【0093】
発電部100の根元部分は、加振部103に接続され、加振部103の振動によって振動部120が振動し発電部100に直接接触する。これにより、振動部120は発電部100に振動を与えることができる。なお、振動部120は、第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bと対向する面の少なくともいずれかに永久磁石を備える構成であってもよい。

【0094】
このような構成とすることにより、図3Dに示す発電装置においては、発電装置を構成する各部の接続部分が少なくなるため、振動を減衰させる要因となる機械損失を減少させることができる。これにより、振動を長時間持続させることができる。また、部品数が少なくなることから発電装置の組み立てが容易になり、生産性が向上するという利点がある。

【0095】
また、図3Dに示すように、振動部120を発電部100の周囲を取り囲む形状とすることにより、発電装置の小スペース化を図ることができる。

【0096】
以上、本変形例に係る発電装置11によれば、加振部103が静止している場合であっても、振動板110により第2の発電素子105B(または、第1の発電素子105A)に振動を与えることにより音叉振動を励起して発電することができる。

【0097】
また、本変形例に係る発電装置11によれば、第1の発電素子105Aの振動が発電部100の根元部分に及ぼす力と、第2の発電素子105Bの振動が発電部100の根元部分に及ぼす力の向きとは逆方向となり相殺される。これにより、発電部100の根元部分に第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bの振動が吸収されにくくなり、音叉振動が長時間持続する。したがって、発電量を増加することができる。

【0098】
また、発電部100の根元部分の耐性は強くなり、発電部100は壊れにくくなるので、第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bに大きな曲げや衝撃を加えることができる。これにより、発電量を多くすることができる。

【0099】
また、発電部100に生じる音叉振動は、スイッチ部110を押すことにより振動板101が発電部100に与える振動の周波数よりも高周波となるため、加振部103で発生する低周波振動を、発電部100において高周波振動に変換することができる。これにより、第1の発電素子105Aおよび第2の発電素子105Bでの単位時間当たりの振動回数が増加するため、効率よく発電することができる。

【0100】
なお、上記した発電装置11では、第2の発電素子105Bと対向するように振動板101を配置しているが、第1の発電素子105Aと対向するように振動板101を配置してもよい。

【0101】
また、発電装置は、発電部100と、振動板と錘の機能を兼ね備えた振動部120とを備え、発電部100と振動部120を一体に形成することにより、機械損失を低減し振動を長時間持続させることができる。

【0102】
また、振動部120を発電部100の周囲を取り囲む形状とすることにより、発電装置の小スペース化を図ることができる。

【0103】
(実施の形態2)
次に、本発明に係る実施の形態2について説明する。

【0104】
本実施の形態に係る発電装置が実施の形態1に示した発電装置と異なる点は、錘を有する振動板が、発電部の第1の発電素子および第2の発電素子の間の第1の発電素子および第2の発電素子から等しい距離に配置されている点である。また、本実施の形態に係る発電装置において、発電部と振動板は一体に形成されている。以下、詳細に説明する。

【0105】
図4Aは、本実施の形態に係る発電装置の構成を示す概略図である。また、図4Bおよび図4Cは、図4Aに示した発電装置の動作を説明するための図である。

【0106】
図4Aに示すように、発電装置20は、第1の発電素子205Aと第2の発電素子205Bとで構成される発電部200と、振動板201と、錘202と、加振部203とを備えている。

【0107】
第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの構成は、図1に示した発電素子900Bと同様、1つの磁歪棒の変形により発電が行われる構成である。つまり、第1の発電素子205Aは、磁歪棒206Aと、コイル207Aと、磁歪棒206Aの両端を支持するヨーク208Aとを備えている。同様に、第2の発電素子205Bは、磁歪棒206Bと、コイル207Bと、磁歪棒206Bの両端を支持するヨーク208Bとを備えている。なお、図4Aから図4Cは、発電装置20を一方向から見た上面図であるが、発電部200の構成の理解を容易にするために、図4Aから図4Cにおいて、磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bと、コイル207Aおよびコイル207Bは、断面図で示している。

【0108】
発電部200は、線対称の形状を有している。具体的には、いわゆる音叉形状をしている。すなわち、発電部200において、第1の発電素子205Aの磁歪棒206Aと第2の発電素子205Bの磁歪棒206Bとは平行に配置され、第1の発電素子205Aのヨーク208Aの一端と第2の発電素子205Bのヨーク208Bの一端とが一体となるように形成されている。また、第1の発電素子205Aのヨーク208Aおよび第2の発電素子205Bのヨーク208Bの他端側の長さは、ヨーク208Aおよびヨーク208Bの一端側の長さに比べると長くなっている。

【0109】
振動板201は、例えば、バネ性を有する磁性ステンレスで構成され、板状の形状を有している。振動板201は、発電部200の第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの間の第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bから等しい距離に配置されている。振動板201の一端は、発電部200の根元部分に配置されるように、発電部200と一体に形成されている。つまり、第1の発電素子205Aの一端と、第2の発電素子205Bの一端と、振動板201の一端とは、発電部200の根元部分において一体に形成されている。振動板201の他端には、慣性により加振部203の振動と異なる振動を生じる錘202が配置されている。

【0110】
また、振動板201は、第1の発電素子205Aと対向する面に永久磁石209Aを備えている。永久磁石209Aは、磁性材料で構成されたヨーク208Aと磁力により吸着することができ、永久磁石209Aの吸脱着により第1の発電素子205Aに振動を与えることができる。

【0111】
また、振動板201は、第2の発電素子205Bと対向する面に永久磁石209Bを備えている。永久磁石209Bは、磁性材料で構成されたヨーク208Bと磁力により吸着することができ、永久磁石209Bの吸脱着により第2の発電素子205Bに振動を与えることができる。

【0112】
なお、振動板201は、永久磁石209Aおよび永久磁石209Bの両方を備える構成であってもよいし、永久磁石209Aおよび永久磁石209Bの少なくともいずれかを備える構成であってもよい。また、永久磁石209Aおよび永久磁石209Bのいずれも備えない構成であってもよい。この場合、振動板201を第1の発電素子205Aまたは第2の発電素子205Bに直接接触することにより振動を与えることができる。

【0113】
加振部203は、発電部200の根元部分、つまり、ヨーク208Aの一端とヨーク208Bの一端とが一体に形成されている部分に配置されている。加振部203は、第1の発電素子205Aの磁歪棒206Aおよび第2の発電素子205Bの磁歪棒206Bの軸方向と垂直な方向(図4Aにおける上下方向)の振動を発電部200に与える。

【0114】
発電部200および振動板201は以下のようにして一体に形成される。

【0115】
ヨーク208A、ヨーク208Bおよび振動板201は、例えば、バネ性を有する磁性ステンレスで構成され、ワイヤー放電加工により切り出される。振動板201は、2×0.5×22mmの板状の形状に切り出される。また、ヨーク208Aおよびヨーク208Bは、ヨーク208Aおよびヨーク208Bの一部であって、ヨーク108Aおよびヨーク108Bが対向する面にそれぞれ凹状部分を有するように切り出される。その後、除錆と超音波洗浄を行い、ヨーク208Aおよびヨーク208Bに形成された凹状部分に、例えばGalfenolで構成された棒状の形状を有する磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bがそれぞれはめ込まれる。なお、ヨーク208Aおよびヨーク208Bは、ヨーク208Aおよびヨーク208Bの一部であって、ヨーク208Aおよびヨーク208Bが対向する面と反対側の面にそれぞれ凹状部分を有するように切り出され、この凹状部分に磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bがそれぞれはめ込まれる構成であってもよい。

【0116】
磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bは、発電用のコイル(例えば、1630巻き、95Ω)207Aおよびコイル207Bがそれぞれ巻き回されている。さらに、磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bは、ヨーク208Aおよびヨーク208Bにそれぞれエポキシ系接着剤で強固に接合される。

【0117】
なお、バイアスの界磁を生じるために、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bは、バックヨークと、Nd-Fe-B磁石(例えば、2×3×2mm、残留磁束密度1.2T)とを備える(図示せず)。なるべく減衰が少なくなるようバックヨークを用いない開磁路にしてもよい。

【0118】
このような構成により、発電装置20は以下のような動作により発電をすることができる。以下、発電装置20の動作について説明する。

【0119】
図4Aに示した発電装置20は、加振部203が静止している状態である。このとき、振動板201に配置された永久磁石209Bは、第2の発電素子205Bのヨーク208Bに吸着していない。この状態から、図4Bに示すように、加振部203が上方向に振動すると、発電部200および振動板201は加振部203の振動に伴い上方向に移動する。一方、振動板201に取り付けられた錘202は慣性により静止を続けようとする。したがって、振動板201に配置された永久磁石209Bは、第2の発電素子205Bのヨーク208Bに吸着する。

【0120】
次に、図4Cに示すように、加振部203が下方向に振動すると、発電部200および振動板201は加振部203の振動に伴い下方向に移動する。一方、振動板201に取り付けられた錘202は慣性により静止を続けようとする。第2の発電素子205Bのヨーク208Bと永久磁石209Bは吸着しているので、第2の発電素子205Bは上方向に湾曲する。この湾曲に伴う第2の発電素子205Bのたわみに比例した復元力が永久磁石209Bの吸着力以上になると、図4Cに示すように、永久磁石209Bの吸着が突発的に外れ、第2の発電素子205Bに振動が励振される。

【0121】
また、発電部200は、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bを有する音叉形状をしているので、振動を与えていない第1の発電素子205Aには音叉振動、つまり、第2の発電素子205Bの振動と逆位相かつ同一周波数の振動が生じる。このときの振動の周波数は、一例として100~1kHzである。

【0122】
第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bのそれぞれは、上記振動により、曲げ力Pを受ける。このとき、曲げ力Pの方向は、磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bの軸方向に対して垂直の方向である。ヨーク208Aおよびヨーク208Bは、それぞれ曲げ振動する。これにより、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bは、それぞれ共振する。このときの共振周波数は、一例として100~1kHzである。

【0123】
また、上記振動によりヨーク208Aまたはヨーク208Bに曲げ力Pが与えられると、磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bは、曲げ変形される。具体的には、磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bは伸張し、ヨーク208Aおよびヨーク208Bの磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bと対向する部分はそれぞれ収縮する。また、ヨーク208Aまたはヨーク208Bが上記した向きの曲げ力Pと逆向きの曲げ力Pを受けると、磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bはそれぞれ収縮し、ヨーク108Aおよびヨーク108Bの磁歪棒206Aまたは磁歪棒206Bと対向する部分はそれぞれ伸張する。

【0124】
このように、磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bが伸縮することにより、磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bの磁化は逆磁歪効果により増加または減少する。これにより、コイル207Aおよびコイル207Bを貫く磁束密度が変化する。この磁束密度の時間的変化により、コイル207Aおよびコイル207Bに誘導電圧(または誘導電流)が発生し発電することができる。発電素子200の第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bは、振動が持続する期間、連続した発電を行うことができる。

【0125】
ここで、第1の発電素子205Aには、第2の発電素子205Bの振動と逆位相かつ同一周波数の振動が発生するので、第1の発電素子205Aの振動が第1の発電素子205Aの一端、つまり、音叉形状の発電部200の根元部分に及ぼす力と、第2の発電素子205Bの振動が第2の発電素子205Bの一端、つまり、発電部200の根元部分に及ぼす力の向きとは逆方向となり相殺される。これにより、発電部200の根元部分に第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの振動が吸収されにくくなり、音叉振動が長時間持続する。

【0126】
また、振動板201は、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bから等しい距離に配置されているので、振動板201の振動が第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの音叉振動に影響することはない。したがって、振動板201の振動の影響を与えることなく、振動板201により第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bに音叉振動を励振することができる。

【0127】
また、発電部200に生じる音叉振動は、加振部203が発電部200に与える振動よりも高周波となる。したがって、加振部203で発生する低周波振動を、発電部200において高周波振動に変換することができる。

【0128】
なお、上記した発電装置20では、加振部203の振動により永久磁石209Bとヨーク208Bとが吸脱着する場合について説明したが、加振部203の振動により、永久磁石Aとヨーク208Aとが吸脱着する場合も、上記した動作と同様の動作となり、同様の効果が得られる。

【0129】
次に、本実施の形態に係る発電装置の発電量について説明するために、音叉形状を有する発電装置の発電量の確認実験について説明する。

【0130】
図5は、本実験に使用した発電装置の構成を示す写真である。図6は、本実験に使用した発電素子を配置した測定装置の写真である。図7Aは、図5に示した発電装置の構成を示す概略図である。図7Bおよび図7Cは、本実験における発電装置の動作を示す図である。

【0131】
図5および図7Aに示す発電装置は、図4Aに示した発電装置20において錘202の配置を省略した構成である。つまり、発電部200は、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bにより構成されている。また、ヨーク208Aおよびヨーク208Bは一体に形成され、音叉形状を有している。また、図7Aから図7Cは、本実験に係る発電装置を一方向から見た上面図であるが、発電部200の構成の理解を容易にするために、図7Aから図7Cにおいて、磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bと、コイル207Aおよびコイル207Bは、断面図で示している。

【0132】
実験装置は、図6に示すように、発電部200を固定するジグと、レーザ変位計(Laser displacement sensor)210とを備えている。レーザ変位計210は、出力したレーザ光を第1の発電素子205Aのヨーク208Aまたは第2の発電素子205Bのヨーク208Bに照射し、その反射光から第1の発電素子205Aまたは第2の発電素子205Bの変位を計測する。なお、図6において、Harvester1は第1の発電素子205A、Harvester2は第2の発電素子205Bである。

【0133】
本実験では、発電部200をジグ(加振部203)に固定し、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bのヨーク208Aおよびヨーク208Bの先端付近の変位をレーザ変位計210で計測し、コイル207Aおよびコイル207Bに発生する電圧を電圧プローブ(入力インピーダンス:1MΩ)にて測定した。なお、本実験においては、加振部203は振動させず、振動板201に力を加えることにより、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bに振動を与え、発生する電圧を計測した。また、振動板201は第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの励振のために利用されるもので、第1の発電素子205Aに対向する面および第2の発電素子205Bに対向する面の両側に永久磁石209Aおよび永久磁石209Bが貼付けてある。

【0134】
例えば、図7Bに示すように、振動板201を上方向にたわませ、永久磁石209Aが第1の発電素子205Aのヨーク208Aに吸着すると、第1の発電素子205Aは下方向に湾曲する。第1の発電素子205Aが吸着した振動板201に下方向の力を加え、第1の発電素子205Aをさらに湾曲させ、これに伴う第1の発電素子205Aのたわみに比例した復元力が永久磁石209Aの吸着力以上になると、図7Cに示すように、永久磁石209Aの吸着が突発的に外れ、第1の発電素子205Aに振動が励振される。

【0135】
また、発電部200は、音叉形状を有しているので、振動を与えていない第2の発電素子205Bには音叉振動、つまり、第1の発電素子205Aの振動と逆位相かつ同一周波数の振動が生じる。この時の第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの振幅と発生した電圧を同時に測定した。

【0136】
また、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの両方を固定せず自由にした場合は、発電部200には音叉振動が励振されるが、振動板201により振動が励振されない第2の発電素子205Bを固定すると、第1の発電素子205Aの振動は片持ちの振動になる。そこで、第2の発電素子205Bを自由にした場合と固定した場合の第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの振幅および発生する電圧を比較することで、音叉振動の有無による発電効果を比較検証した。

【0137】
はじめに、振動板201により第1の発電素子205Aに振動を与えた場合であって、発電部200に音叉振動が生じている場合と生じていない場合について説明する。

【0138】
図8Aは、振動板201により第1の発電素子205Aに振動を与えた場合であって、発電部200に音叉振動が生じている場合の第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの発電電圧の時間応答を示す図である。同図中において実線で示すHarvester1のグラフは、第1の発電素子205Aによる発電電圧を示している。また、同図中において波線で示すHarvester2のグラフは、第2の発電素子205Bによる発電電圧を示している。

【0139】
第1の発電素子205Aに振動を与えた場合、第2の発電素子205Bは、音叉振動により振動する。図8Aに示すように、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bには、振動に対応した電圧が発生している。このときの第1の発電素子205Aの振動周波数は、一例として454Hzである。また、第2の発電素子205Bの振動周波数は、一例として430Hzである。うねりの周波数は60Hz程度である。また、第1の発電素子205Aの発電電圧は、時間の経過とともに小さくなっている。第1の発電素子205Aの発電電圧は、0.2s程度発生している。

【0140】
図8Bは、図8Aに示した発電電圧の時間応答の計測と同時に計測した第1の発電素子205Aの振幅の時間応答を示す図である。

【0141】
図8Bに示すように、第1の発電素子205Aの振幅は、一例として初期変位が0.415mmであり、時間の経過とともに減衰している。第1の発電素子205Aの振動は、0.2s程度持続している。

【0142】
図9Aは、振動板201により第1の発電素子205Aに振動を与えた場合であって、発電部200に音叉振動が生じていない場合の第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの発電電圧の時間応答を示す図である。同図中において実線で示すHarvester1のグラフは、第1の発電素子205Aによる発電電圧を示している。また、同図中において波線で示すHarvester2のグラフは、第2の発電素子205Bによる発電電圧を示している。

【0143】
第1の発電素子205Aを励振した場合、図9Aに示すように、第1の発電素子205Aには振動に対応した電圧が発生している。このときの第1の発電素子205Aの振動周波数は、一例として470Hzである。第2の発電素子205Bは固定しているので、発電電圧はほとんど発生していない。また、第1の発電素子205Aの発電電圧は、時間の経過とともに小さくなっている。第1の発電素子205Aの発電電圧は、0.08s程度発生している。

【0144】
図9Bは、図9Aに示した発電電圧の時間応答の計測と同時に計測した第1の発電素子205Aの振幅の時間応答を示す図である。

【0145】
第1の発電素子205Aの振幅は、一例として初期変位が0.42mmであり、時間の経過とともに減衰している。第1の発電素子205Aの振動は、0.08s程度持続している。

【0146】
図8Aと図9A、図8Bと図9Bをそれぞれ比較すると、図8Aに示す音叉振動を発生させた場合のほうが図9Aに示す音叉振動を発生させない場合よりも発生電圧が大きいことがわかる。また、音叉振動を発生させた第1の発電素子205Aにおいて振動が持続することがわかる。具体的には、音叉振動を発生させない場合、第1の発電素子205Aの振動は0.08s程度で終了するのに対し、音叉振動を発生させた場合、第1の発電素子205Aの振動は音叉振動を発生させない場合の2倍以上の時間0.2s程度も持続する。さらに、音叉振動を発生させた場合、第2の発電素子205Bも第1の発電素子205Aと同程度の振幅で電圧が発生しており、同様に振動が持続する。

【0147】
図10Aおよび図10Bは、それぞれ図8Aおよび図8Bの一部を拡大した図である。図11Aおよび図11Bは、それぞれ図9Aおよび図9Bの一部を拡大した図である。

【0148】
図10Aと図11Aより、第2の発電素子205Bによる発電電圧は、第1の発電素子205Aによる発電電圧とほぼ逆位相であり、ほぼ同一の周波数で発生している。したがって、第2の発電素子205Bは、第1の発電素子205Aの振動による音叉振動を励振し、第1の発電素子205Aの振動と逆位相かつほぼ同一の周波数で振動が発生していることがわかる。

【0149】
また、図10Bと図11Bより、振動を与えた第1の発電素子205Aの振幅は、音叉振動を発生している場合もしていない場合も、ほぼ同一であることがわかる。

【0150】
次に、振動板201により反対側の第2の発電素子205Aに振動を与えた場合であって、発電部200に音叉振動が生じている場合について説明する。

【0151】
図12Aは、振動板201により第2の発電素子205Bに振動を与えた場合であって、発電部200に音叉振動が生じている場合の第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの発電電圧の時間応答を示す図である。同図中において実線で示すHarvester1のグラフは、第1の発電素子205Aによる発電電圧を示している。また、同図中において波線で示すHarvester2のグラフは、第2の発電素子205Bによる発電電圧を示している。

【0152】
第2の発電素子205Bに振動を与えた場合、第1の発電素子205Aは、音叉振動により振動する。図12Aに示すように、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bには振動に対応した電圧が発生している。このときの第2の発電素子205Bの振動周波数は、一例として458Hzである。また、第1の発電素子205Aの振動周波数は、一例として403Hzである。うねりの周波数は78Hz程度である。また、第2の発電素子205Bの発電電圧は、時間の経過とともに小さくなっている。第1の発電素子205Aの発電電圧は、0.2s程度発生している。

【0153】
図12Bは、図12Aに示した発電電圧の時間応答の計測と同時に計測した第2の発電素子205Bの振幅の時間応答を示す図である。

【0154】
図12Bに示すように、第2の発電素子205Bの振幅は、一例として初期変位が0.55mmであり、時間の経過とともに減衰している。第1の発電素子205Aの振動は、0.17s程度持続している。

【0155】
図13Aは、振動板201により第2の発電素子205Bに振動を与えた場合であって、発電部200に音叉振動が生じていない場合の第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの発電電圧の時間応答を示す図である。同図中において実線で示すHarvester1のグラフは、第1の発電素子205Aによる発電電圧を示している。また、同図中において波線で示すHarvester2のグラフは、第2の発電素子205Bによる発電電圧を示している。

【0156】
第2の発電素子205Bに振動を与えた場合、図13Aに示すように、第2の発電素子205Bには振動に対応した電圧が発生している。このときの第2の発電素子205Bの振動周波数は、一例として490Hzである。第1の発電素子205Aは固定しているので、発電電圧はほとんど発生していない。また、第2の発電素子205Bの発電電圧は、時間の経過とともに小さくなっている。第2の発電素子205Bの発電電圧は、0.07s程度発生している。

【0157】
図13Bは、図13Aに示した発電電圧の時間応答の計測と同時に計測した第2の発電素子205Bの振幅の時間応答を示す図である。

【0158】
第2の発電素子205Bの振幅は、一例として初期変位が0.55mmであり、時間の経過とともに減衰している。第2の発電素子205Bの振動は、0.07s程度持続している。

【0159】
図12Aと図13A、図12Bと図13Bをそれぞれ比較すると、図12Aに示す音叉振動を発生させた場合のほうが図13Aに示す音叉振動を発生させない場合よりも発生電圧が大きいことがわかる。また、音叉振動を発生させた第2の発電素子205Bにおいて振動が持続することがわかる。また、音叉振動を発生させない場合、第2の発電素子205Bの振動は0.07s程度で終了するのに対し、音叉振動を発生させた場合、第2の発電素子205Bの振動は音叉振動を発生させない場合の2倍以上の時間0.17s程度も持続する。さらに、音叉振動を発生させた場合、第1の発電素子205Aも第2の発電素子205Bと同程度の振幅で電圧が発生しており、同様に振動が持続する。

【0160】
図14Aおよび図14Bは、それぞれ図12Aおよび図12Bの一部を拡大した図である。図15Aおよび図15Bは、それぞれ図13Aおよび図13Bの一部を拡大した図である。

【0161】
図14Aと図15Aより、第1の発電素子205Aによる発電電圧は、第2の発電素子205Bによる発電電圧とほぼ逆位相であり、ほぼ同一の周波数で発生している。したがって、第1の発電素子205Aは、第2の発電素子205Bの振動による音叉振動を励振し、第1の発電素子205Bの振動と逆位相かつほぼ同一の周波数で振動が発生していることがわかる。

【0162】
また、図14Bと図15Bより、振動を与えた第1の発電素子205Aの振幅は、音叉振動を発生している場合もしていない場合も、ほぼ同一であることがわかる。

【0163】
また、図14Aに示すように、音叉振動を発生させた場合には、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの発電電圧、第2の発電素子205Bの振幅にうねりが大きく見られた。また、図14Bと図15Bより、振動開始時においては、音叉振動を発生させない場合の単調な減衰よりも、音叉振動を発生させた場合のほうが振幅の減衰率が大きかった。なお、うねりは第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bそれぞれの曲げ一次共振周波数の差異で生じるものであると考えられ、音叉振動を有効に使って発電するためにはなるべくこの差異を小さくする必要があると思われる。

【0164】
以上の結果から、音叉形状を有する発電部200の構成により固定端、つまり、発電部200の根元部分において、振動の減衰を大幅に減少することができるので、振動が長く持続しかつ2個の発電部から同程度の電力が取り出せる。したがって、大幅な発電量および効率の向上ができることが実証された。今回の結果は小型の発電素子のものであり、大型の場合でも同様の原理が適用できる。

【0165】
以上、本実施の形態に係る発電装置20によれば、第1の発電素子205Aの振動が発電部200の根元部分に及ぼす力と、第2の発電素子205Bの振動が発電部200の根元部分に及ぼす力の向きとは逆方向となり相殺される。これにより、発電部200の根元部分に第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの振動が吸収されにくくなり、音叉振動が長時間持続する。したがって、発電量を増加することができる。

【0166】
また、発電部200の根元部分の耐性は強くなり、発電部200は壊れにくくなるので、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bに大きな曲げや衝撃を加えることができる。これにより、発電量を多くすることができる。

【0167】
また、振動板201は、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bから等しい距離に配置されているので、振動板201の振動が第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの音叉振動に影響することはない。したがって、振動板201の振動の影響を与えることなく、振動板201により第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bに音叉振動を励振することができる。

【0168】
また、発電部200に生じる音叉振動は、加振部203が発電部200に与える振動よりも高周波となるため、加振部203で発生する低周波振動を、発電部200において高周波振動に変換することができる。これにより、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bでの単位時間当たりの振動回数が増加するため、効率よく発電することができる。

【0169】
なお、上記した発電装置20では、加振部203の振動により永久磁石209Bとヨーク208Bとが吸脱着する場合について説明したが、加振部203の振動により、永久磁石Aとヨーク208Aとが吸脱着する場合も、上記した動作と同様の動作となり、同様の効果が得られる。

【0170】
また、振動板201は、永久磁石209Aおよび永久磁石209Bの両方を備える構成であってもよいし、永久磁石209Aおよび永久磁石209Bの少なくともいずれかを備える構成であってもよい。また、永久磁石209Aおよび永久磁石209Bのいずれも備えない構成であってもよい。この場合、振動板201を第1の発電素子205Aまたは第2の発電素子205Bに直接接触することにより振動を与えることができる。

【0171】
また、磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bを形成する磁歪材料は、Galfenolに限らずその他の材料であってもよい。Galfenolを用いた場合には、応力を加えることによるGalfenolの内部磁化の変化は、飽和磁束密度が1T程度まで変化するので、発電装置10における発電量を上げることができる。

【0172】
Galfenol以外の磁歪材料としては、例えば、鉄コバルト合金であるパーメンジュールであってもよい。

【0173】
また、ヨーク208Aおよび磁歪棒208Bに与えられる曲げ力Pの方向は、磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bの軸方向に対して垂直の方向で、磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bの一方が伸張し他方が収縮するのであれば、どのような向きに与えられてもよい。

【0174】
また、磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bの形状は、直方体の棒状の形状に限らず、例えば円柱状の棒状の形状や、その他の形状であってもよい。

【0175】
(実施の形態2の変形例1)
次に、実施の形態2の変形例1について説明する。

【0176】
図16Aは、本変形例に係る発電装置の構成を示す概略図である。図16Bおよび図16Cは、図16Aに示した発電装置の動作を説明するための図である。

【0177】
本変形例に係る発電装置21が実施の形態2に係る発電装置20と異なる点は、発電装置21が錘202を備える代わりに、錘としての機能とスイッチとしての機能を兼ね備えたスイッチ部212を備える点である。

【0178】
図16Aに示すように、発電装置21は、第1の発電素子205Aと第2の発電素子205Bとで構成される発電部200と、振動板201と、スイッチ部212と、加振部203とを備えている。

【0179】
第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの構成は、図1に示した発電素子900Bと同様、1つの磁歪棒の変形により発電が行われる構成である。つまり、第1の発電素子205Aは、磁歪棒206Aと、コイル207Aと、磁歪棒206Aの両端を支持するヨーク208Aとを備えている。同様に、第2の発電素子205Bは、磁歪棒206Bと、コイル207Bと、磁歪棒206Bの両端を支持するヨーク208Bとを備えている。なお、図16Aから図16Cは、発電装置21を一方向から見た上面図であるが、発電部200の構成の理解を容易にするために、図16Aから図16Cにおいて、磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bと、コイル207Aおよびコイル207Bは、断面図で示している。

【0180】
発電部200は、線対称の形状を有している。具体的には、いわゆる音叉形状をしている。すなわち、発電部200において、第1の発電素子205Aの磁歪棒206Aと第2の発電素子205Bの磁歪棒206Bとは平行に配置され、第1の発電素子205Aのヨーク208Aの一端と第2の発電素子205Bのヨーク208Bの一端とが一体となるように形成されている。また、第1の発電素子205Aのヨーク208Aおよび第2の発電素子205Bのヨーク208Bの他端側の長さは、ヨーク208Aおよびヨーク208Bの一端側の長さに比べると長くなっている。

【0181】
振動板201は、例えば、バネ性を有する磁性ステンレスで構成された板状の形状を有している。振動板201は、発電部200の第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの間の第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bから等しい距離に配置されている。振動板201の一端は、発電部200の根元部分に配置されるように、発電部200と一体に形成されている。つまり、第1の発電素子205Aの一端と、第2の発電素子205Bの一端と、振動板201の一端とは、発電部200の根元部分において一体に形成されている。振動板201の他端には、錘としての機能とスイッチとしての機能を兼ね備えたスイッチ部212が配置されている。

【0182】
また、振動板201は、第1の発電素子205Aと対向する面に永久磁石219を備えている。永久磁石219は、磁性材料で構成されたヨーク208Aと磁力により吸着することができ、永久磁石209の吸脱着により第1の発電素子205Aに振動を与えることができる。

【0183】
なお、振動板201は、第1の発電素子205Aと対向する面に永久磁石219を備える構成であってもよいし、第1の発電素子205Aと対向する面および第2の発電素子205Bと対向する面の両方に永久磁石219を備える構成であってもよい。また、永久磁石209Aおよび永久磁石209Bのいずれも備えない構成であってもよい。この場合、振動板201を第1の発電素子205Aまたは第2の発電素子205Bに直接接触することにより振動を与えることができる。

【0184】
加振部203は、発電部200の根元部分、つまり、ヨーク208Aの一端とヨーク208Bの一端とが一体に形成されている部分に配置されている。加振部203は、第1の発電素子205Aの磁歪棒206Aおよび第2の発電素子205Bの磁歪棒206Bの軸方向と垂直な方向(図16Aにおける上下方向)の振動を発電部200に与える。

【0185】
発電部200および振動板201の形成方法は、実施の形態2に示した発電部200および振動板201と同様であるため、説明を省略する。

【0186】
このような構成により、発電装置21は以下のような動作により発電をすることができる。以下、発電装置21の動作について説明する。

【0187】
図16Aに示した発電装置21は、加振部203が静止している状態である。このとき、振動板201に配置された永久磁石219は、第1の発電素子205Aのヨーク208Aに吸着している。この状態から、図16Cに示すように、スイッチ部212に、例えば指213で下方向の力を加える。第1の発電素子205Aのヨーク208Aと永久磁石219は吸着しているので、第1の発電素子205Aは下方向に湾曲する。この湾曲に伴う第1の発電素子205Aのたわみに比例した復元力が永久磁石219の吸着力以上になると、図16Cに示すように、永久磁石219の吸着が突発的に外れ、第1の発電素子205Aに振動が励振される。

【0188】
また、発電部200は、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bを有する音叉形状をしているので、振動を与えていない第2の発電素子205Bには音叉振動、つまり、第1の発電素子205Aの振動と逆位相かつ同一周波数の振動が生じる。

【0189】
これにより、実施の形態2に示した発電装置20と同様、発電装置21においても、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bのそれぞれは、振動が持続する期間、逆磁歪効果により発電をすることができる。

【0190】
以上、本変形例に係る発電装置21によれば、加振部203が静止している場合であっても、振動板212により第2の発電素子205B(または、第1の発電素子205A)に振動を与えることにより音叉振動を励起して発電することができる。

【0191】
また、本変形例に係る発電装置21によれば、第1の発電素子205Aの振動が発電部200の根元部分に及ぼす力と、第2の発電素子205Bの振動が発電部200の根元部分に及ぼす力の向きとは逆方向となり相殺される。これにより、発電部200の根元部分に第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの振動が吸収されにくくなり、音叉振動が長時間持続する。したがって、発電量を増加することができる。

【0192】
また、発電部200の根元部分の耐性は強くなり、発電部200は壊れにくくなるので、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bに大きな曲げや衝撃を加えることができる。これにより、発電量を多くすることができる。

【0193】
また、振動板201は、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bから等しい距離に配置されているので、振動板201の振動が第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bの音叉振動に影響することはない。したがって、振動板201の振動の影響を与えることなく、振動板201により第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bに音叉振動を励振することができる。

【0194】
また、発電部200に生じる音叉振動は、加振部203が発電部200に与える振動よりも高周波となるため、加振部203で発生する低周波振動を、発電部200において高周波振動に変換することができる。これにより、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bでの単位時間当たりの振動回数が増加するため、効率よく発電することができる。

【0195】
なお、上記した発電装置21では、振動板201は、第1の発電素子205Aと対向する面に永久磁石219を備えているが、第2の発電素子205Bと対向する面に永久磁石219を備えてもよい。また、振動板201は、第1の発電素子205Aと対向する面および第2の発電素子205Bと対向する面の両方に永久磁石219を備える構成であってもよい。

【0196】
また、振動板201は、永久磁石219を備えない構成であってもよい。この場合、振動板201を第1の発電素子205Aまたは第2の発電素子205Bに直接接触することにより振動を与えることができる。

【0197】
また、図16Dは、本変形例に係る発電装置の他の構成を示す概略図である。

【0198】
図16Dに示すように、発電装置は、発電部200と、振動板と錘の機能を兼ね備えた振動部220とを備え、発電部200と振動部220とは一体に形成されている。つまり、発電部200を構成するヨーク208Aおよびヨーク208Bと、振動板と、錘とが、レーザ加工、プレス、ワイヤーEDM等により、同一の材料から切り出されて一体に形成されている。振動部220は、発電部200の周囲を囲むように配置されている。

【0199】
発電部200の根元部分は、加振部203に接続され、加振部203の振動によって振動部220が振動し発電部200に直接接触する。これにより、振動部220は発電部200に振動を与えることができる。なお、振動部220は、第1の発電素子205Aおよび第2の発電素子205Bと対向する面の少なくともいずれかに永久磁石を備える構成であってもよい。

【0200】
このような構成とすることにより、図16Dに示す発電装置においては、発電装置を構成する各部の接続部分が少なくなるため、振動を減衰させる要因となる機械損失を減少させることができる。これにより、振動を長時間持続させることができる。また、部品数が少なくなることから発電装置の組み立てが容易になり、生産性が向上するという利点がある。

【0201】
また、図16Dに示すように、振動部220を発電部200の周囲を取り囲む形状とすることにより、発電装置の小スペース化を図ることができる。

【0202】
また、図16Eは、本変形例に係る発電装置の他の構成を示す概略図である。

【0203】
図16Eに示すように、発電装置は、発電部200と、振動板と錘の機能を兼ね備えた振動部231とを備えている。つまり、発電部200を構成するヨーク208Aおよびヨーク208Bと、振動板と、錘とが、レーザ加工、プレス、ワイヤーEDM等により、同一の材料から切り出されて一体に形成されている。

【0204】
また、振動部231のヨーク208Aおよびヨーク208Bと対向する面には、ヨーク208Aおよびヨーク208Bと磁気により吸着する永久磁石232Aおよび永久磁石232Bがそれぞれ設けられている。

【0205】
また、ヨーク208Aおよびヨーク208Bの根元部分230と、振動部231は、それぞれ異なる振動物に接続される。

【0206】
このような構成とすることにより、図16Eに示す発電装置においては、2つの振動物の上下の相対的な位置の変化により、ヨーク208Aまたはヨーク208Bに振動部231の永久磁石232Aまたは永久磁石232Bが吸脱着し、発電装置の振動を励振することができる。これにより、異なる2つの振動物間に発電装置を配置する場合に、効率よく発電することができる。

【0207】
(実施の形態2の変形例2)
次に、実施の形態2の変形例2について説明する。

【0208】
図17A~図17Dは、本変形例に係る発電装置の構成を示す概略図である。

【0209】
本変形例に係る発電装置が実施の形態2に係る発電装置20と異なる点は、発電装置が複数の発電部および振動板を備え、さらに、各振動板に共通する1つの錘を備える点である。以下詳細に説明する。なお、発電部200の構成は上記した実施の形態2に係る発電部200と同様である。また、図17Aから図17Cは、それぞれ発電装置22、23、24を一方向から見た上面図であるが、発電部200の構成の理解を容易にするために、図17Aから図17Cにおいて、磁歪棒206Aおよび磁歪棒206Bと、コイル207Aおよびコイル207Bは、断面図で示している。

【0210】
図17Aに示すように、本変形例に係る発電装置22は、実施の形態2に示した発電装置20を並列に2つ備えた構成をしている。すなわち、発電装置22は、2つの発電部200と、2つの振動板201を備えている。2つの振動板201は、2つの振動板201に共通する錘222を備えている。

【0211】
この構成によれば、発電装置の個数を増加しているため、1回の発電における発電量を増加することができる。したがって、効率よく発電量を増加することができる。

【0212】
また、図17Bに示すように、本変形例に係る発電装置23は、実施の形態2に示した発電装置20を並列に4つ備えた構成をしている。すなわち、発電装置23は、4つの発電部200と、4つの振動板201を備えている。4つの振動板201は、4つの振動板201に共通する錘232を備えている。

【0213】
この構成によれば、発電装置の個数をより増加しているため、1回の発電における発電量をより増加することができる。したがって、より効率よく発電量を増加することができる。

【0214】
なお、図17Cは、2つの発電部200のヨークを連結することで、2つの発電部200を直列に配置した発電装置24の構成を示している。2つの発電部200の根元部分は、固定されていてもよいし、振動物に取り付けられてもよい。

【0215】
このような構成であっても、発電部200の一方の発電素子に振動を与えることにより、他方の発電素子に音叉振動を励振して、効率よく発電することができる。

【0216】
また、図17Dは、発電部200Aに一端が接続された振動板201Aの他端に発電部200Bが連結され、発電部200Bに一端が接続された振動板201Bの他端に発電部200Cが連結された発電装置25の構成を示している。発電部200Aの根元部分は固定されていてもよいし、振動物に取り付けられてもよい。また、振動板201Cの他端は、固定されていてもよいし、振動物に取り付けられてもよい。また、振動板201Cの他端には、錘が取り付けられてもよい。このような構成とすることにより、発電装置の個数を増加しつつ、振動板に連結された発電部を錘として使用することができる。これにより、発電装置25全体の長さが長くなるので、発電装置25全体を大きく湾曲することができ、効率よく発電することができる。また、発電装置25が湾曲したときに、連結された複数の発電部200A、200B、200Cにより同時に発電することができるので、1回の発電における発電量をより増加することができる。

【0217】
(実施の形態3)
なお、本発明に係る発電装置は、上記した実施の形態に示した発電装置に限らず、例えば次のような構成であってもよい。

【0218】
以下に、本発明に係る実施の形態3について説明する。

【0219】
本実施の形態に係る発電装置が実施の形態1に示した発電装置と異なる点は、第1の発電素子および第2の発電素子のヨークがL字形状に屈曲した形状をしており、かつ、ヨークの先端に錘が配置されている点である。以下、詳細に説明する。

【0220】
図18Aおよび図18Bは、本実施の形態に係る発電装置の構成を示す概略図である。また、図18Cは、図18Bに示した発電装置の動作を説明するための図である。

【0221】
図18Aおよび図18Bに示すように、発電装置30は、第1の発電素子305Aと第2の発電素子305Bとで構成される発電部300と、錘302Aおよび錘302Bと、加振部303とを備えている。

【0222】
第1の発電素子305Aおよび第2の発電素子305Bの構成は、図1に示した発電素子900Bと同様、1つの磁歪棒の変形により発電が行われる構成である。つまり、第1の発電素子305Aは、磁歪棒306Aと、コイル307Aと、磁歪棒306Aの両端を支持するヨーク308Aとを備えている。同様に、第2の発電素子305Bは、磁歪棒306Bと、コイル307Bと、磁歪棒306Bの両端を支持するヨーク308Bとを備えている。

【0223】
ここで、第1の発電素子305Aが図1に示した発電素子900Bと異なる点は、ヨーク308Aが、磁歪棒306Aの軸方向に対してほぼ垂直方向に屈曲されたL字形状を有する点である。同様に、第2の発電素子305Bが図1に示した発電素子900Bと異なる点は、ヨーク308Bが、磁歪棒306Bの軸方向に対してほぼ垂直方向に屈曲されたL字形状を有する点である。また、第1の発電素子305Aのヨーク308Aと、第2の発電素子305Bのヨーク308Bとは、互いに反対方向に屈曲されている。

【0224】
なお、図18Aから図18Cは、発電装置30を一方向から見た上面図であるが、発電部300の構成の理解を容易にするために、図18Aから図18Cにおいて、磁歪棒306Aおよび磁歪棒306Bと、コイル307Aおよびコイル307Bは、断面図で示している。

【0225】
発電部300は、線対称の形状を有している。すなわち、発電部300において、第1の発電素子305Aの磁歪棒306Aと第2の発電素子305Bの磁歪棒306Bとは平行に配置され、第1の発電素子305Aのヨーク308Aの一端と第2の発電素子305Bのヨーク308Bの一端とが一体となるように形成されている。また、第1の発電素子305Aのヨーク308Aの他端と第2の発電素子305Bのヨーク308Bの他端は、上記したように互いに異なる方向に屈曲したL字形状を有している。

【0226】
また、第1の発電素子305Aのヨーク308Aの他端には、慣性により加振部303の振動と異なる振動を生じる錘302Aが配置されている。同様に、第2の発電素子305Bのヨーク308Bの他端には、慣性により加振部303の振動と異なる振動を生じる錘302Bが配置されている。

【0227】
加振部303は、発電部300の根元部分、つまり、ヨーク108Aの一端とヨーク108Bの一端とが一体に形成されている部分に配置されている。加振部303は、第1の発電素子305Aの磁歪棒306Aおよび第2の発電素子305Bの磁歪棒306Bの軸方向と平行な方向(図18Aにおける上下方向)の振動を発電部300に与える。そして、L字形状を有するヨーク308Aおよびヨーク308Bにより、磁歪棒306Aおよび磁歪棒306Bの軸方向と平行な方向(図18Aにおける上下方向)の振動は、磁歪棒306Aおよび磁歪棒306Bの軸方向と垂直な方向(図18Aにおける左右方向)の振動に変換され、磁歪棒306Aおよび磁歪棒306Bに与えられる。

【0228】
次に、発電装置30の動作について説明する。

【0229】
図18Bに示した発電装置30は、加振部303が静止している状態である。この状態から、図18Cに示すように、加振部303が上方向に振動すると、発電部300は加振部303の振動に伴い上方向に移動する。一方、ヨーク308Aおよびヨーク308Bに取り付けられた錘302Aおよび錘302Bは慣性により静止を続けようとする。これにより、ヨーク308Aおよびヨーク308BのL字形状に屈曲された部分は、下方向に湾曲する。

【0230】
ヨーク308AのL字形状に屈曲された部分が下方向に湾曲することにより、磁歪棒306Aは磁歪棒306Bに近づく方向に湾曲される。同様に、ヨーク308BのL字形状に屈曲された部分が下方向に湾曲することにより、磁歪棒306Bは磁歪棒306Aに近づく方向に湾曲される。

【0231】
つまり、L字形状を有するヨーク308Aおよびヨーク308Bにより、磁歪棒306Aおよび磁歪棒306Bの軸方向と平行な方向(図18Aにおける上下方向)の加振部303の振動は、磁歪棒306Aおよび磁歪棒306Bの軸方向と垂直な方向(図18Aにおける左右方向)の振動に変換され、磁歪棒306Aおよび磁歪棒306Bに与えられる。

【0232】
同様に、加振部303が下方向に振動すると、発電部300は加振部303の振動に伴い下方向に移動する。一方、ヨーク308Aおよびヨーク308Bに取り付けられた錘302Aおよび錘302Bは慣性により静止を続けようとする。これにより、ヨーク308Aおよびヨーク308BのL字形状に屈曲された部分は、上方向に湾曲する。

【0233】
ヨーク308AのL字形状に屈曲された部分が上方向に湾曲することにより、磁歪棒306Aは磁歪棒306Bから離れる方向に湾曲される。同様に、ヨーク308BのL字形状に屈曲された部分が上方向に湾曲することにより、磁歪棒306Bは磁歪棒306Aから離れる方向に湾曲される。

【0234】
つまり、L字形状を有するヨーク308Aおよびヨーク308Bにより、磁歪棒306Aおよび磁歪棒306Bの軸方向と平行な方向(図18Aにおける上下方向)の振動は、磁歪棒306Aおよび磁歪棒306Bの軸方向と垂直な方向(図18Aにおける左右方向)の振動に変換され、磁歪棒306Aおよび磁歪棒306Bに与えられる。

【0235】
また、第1の発電素子305Aおよび第2の発電素子305Bは音叉形状をしているので、振動が与えられた直後は第1の発電素子305Aおよび第2の発電素子305Bの振動が異なっていても、時間の経過とともに、第1の発電素子305Aおよび第2の発電素子305Bに音叉振動が励振される。

【0236】
これにより、実施の形態1に示した発電装置10と同様、発電装置30においても、第1の発電素子305Aおよび第2の発電素子305Bのそれぞれは、振動が持続する期間、逆磁歪効果により発電をすることができる。

【0237】
以上、本実施の形態に係る発電装置30によれば、磁歪棒306Aおよび磁歪棒306Bの軸方向と平行な方向(図18Aにおける上下方向)の振動は、磁歪棒306Aおよび磁歪棒306Bの軸方向と垂直な方向(図18Aにおける左右方向)の振動に変換され、磁歪棒306Aおよび磁歪棒306Bに与えられる。これにより、加振部303の振動方向が、磁歪棒306Aおよび磁歪棒306Bと平行な方向であっても、効率よく発電をすることができる。

【0238】
また、本実施の形態に係る発電装置31によれば、第1の発電素子305Aの振動が発電部300の根元部分に及ぼす力と、第2の発電素子305Bの振動が発電部300の根元部分に及ぼす力の向きとは逆方向となり相殺される。これにより、発電部300の根元部分に第1の発電素子305Aおよび第2の発電素子305Bの振動が吸収されにくくなり、音叉振動が長時間持続する。したがって、発電量を増加することができる。

【0239】
また、発電部300の根元部分の耐性は強くなり、発電部300は壊れにくくなるので、第1の発電素子305Aおよび第2の発電素子305Bに大きな曲げや衝撃を加えることができる。これにより、発電量を多くすることができる。

【0240】
また、発電部300に生じる音叉振動は、加振部303が発電部300に与える振動よりも高周波となるため、加振部303で発生する低周波振動を、発電部300において高周波振動に変換することができる。これにより、第1の発電素子305Aおよび第2の発電素子305Bでの単位時間当たりの振動回数が増加するため、効率よく発電することができる。

【0241】
また、図18Dは、本実施の形態に係る発電装置の他の構成を示す概略図である。

【0242】
図18Dに示す発電装置は、バネ311Aおよびバネ311Bと、錘312Aおよび錘312Bと、永久磁石313Aおよび永久磁石313Bとを備える。

【0243】
バネ311Aおよびバネ311Bは、それぞれ発電部300の根元部分において、発電部300のヨークと対向する位置に配置されている。また、錘312Aおよび錘312Bは、それぞれバネ311Aおよびバネ311Bに連結されている。また、永久磁石313Aおよび永久磁石313Bは、それぞれ錘312Aおよび錘312Bにおいて、発電部300のヨークと対向する面に配置されている。

【0244】
このような構成により、加振部303が振動したときに、永久磁石313Aおよび永久磁石313Bは発電部300のヨークに磁気により吸脱着する。これにより、発電部300に錘312Aおよび錘312Bが配置されていない構成であっても、発電部300に振動を与えて発電することができる。

【0245】
なお、上記した実施の形態では、第1の発電素子および第2の発電素子は、ヨークがL字形状に屈曲した形状を有しているとしたが、L字形状に限らず、その他の角度に屈曲した形状であってもよい。

【0246】
(実施の形態3の変形例)
次に、実施の形態3の変形例について説明する。

【0247】
図19は、本変形例に係る発電装置の構成を示す概略図である。

【0248】
本変形例に係る発電装置31が実施の形態3に係る発電装置30と異なる点は、第1の発電素子および第2の発電素子が、立体交差するように配置されている点である。

【0249】
図19に示すように、発電装置31は、第1の発電素子315Aと第2の発電素子315Bとで構成される発電部310と、錘312Aおよび錘312Bと、加振部303とを備えている。

【0250】
第1の発電素子315Aおよび第2の発電素子315Bの構成は、図1に示した発電素子900Bと同様、1つの磁歪棒の変形により発電が行われる構成である。つまり、第1の発電素子315Aは、磁歪棒316Aと、コイル317Aと、磁歪棒316Aの両端を支持するヨーク318Aとを備えている。同様に、第2の発電素子315Bは、磁歪棒316Bと、コイル317Bと、磁歪棒316Bの両端を支持するヨーク318Bとを備えている。

【0251】
ここで、第1の発電素子315Aが図1に示した発電素子900Bと異なる点は、ヨーク318Aが、磁歪棒316Aの軸方向と異なる方向に屈曲された形状を有する点である。同様に、第2の発電素子315Bが図1に示した発電素子900Bと異なる点は、ヨーク318Bが、磁歪棒316Bの軸方向と異なる方向に屈曲された形状を有する点である。また、第1の発電素子315Aと、第2の発電素子315Bとは、立体交差するように配置されている。

【0252】
なお、図19は、発電装置31を一方向から見た上面図であるが、発電部310の構成の理解を容易にするために、図19において、磁歪棒316Aおよび磁歪棒316Bと、コイル317Aおよびコイル317Bは、断面図で示している。

【0253】
発電部310は、線対称の形状を有している。すなわち、発電部310において、第1の発電素子315Aの磁歪棒316Aと第2の発電素子315Bの磁歪棒316Bとは、線対称に配置され、第1の発電素子315Aのヨーク318Aの一端と第2の発電素子315Bのヨーク318Bの一端とが一体となるように形成されている。また、第1の発電素子315Aのヨーク318Aの他端と第2の発電素子315Bのヨーク318Bの他端は、上記したように互いに異なる方向に屈曲した形状を有している。

【0254】
また、第1の発電素子315Aのヨーク318Aの他端には、慣性により加振部303の振動と異なる振動を生じる錘312Aが配置されている。同様に、第2の発電素子315Bのヨーク318Bの他端には、慣性により加振部303の振動と異なる振動を生じる錘312Bが配置されている。第1の発電素子315Aと第2の発電素子315Bとは、線対称となるように配置されている。

【0255】
加振部303は、発電部310の根元部分、つまり、ヨーク318Aの一端とヨーク318Bの一端とが一体に形成されている部分に配置されている。加振部303は、第1の発電素子315Aの磁歪棒316Aおよび第2の発電素子315Bの磁歪棒316Bの軸方向と異なる方向(図19における上下方向)の振動を発電部310に与える。そして、ヨーク318Aおよびヨーク318Bにより、磁歪棒316Aおよび磁歪棒316Bの軸方向と異なる方向(図19における上下方向)の振動のうち、磁歪棒316Aおよび磁歪棒316Bの軸方向と垂直な方向の振動成分が、磁歪棒316Aおよび磁歪棒316Bに与えられる。

【0256】
また、第1の発電素子315Aおよび第2の発電素子315Bは線対称に配置されているので、振動が与えられた直後は第1の発電素子315Aおよび第2の発電素子315Bの振動が異なっていても、時間の経過とともに、第1の発電素子315Aおよび第2の発電素子315Bに音叉振動が励振される。

【0257】
これにより、実施の形態3に示した発電装置30と同様、発電装置31においても、第1の発電素子315Aおよび第2の発電素子315Bのそれぞれは、振動が持続する期間、逆磁歪効果により発電をすることができる。

【0258】
また、発電装置の第1の発電素子315Aおよび第2の発電素子315Bが立体交差するように配置するので、立体交差しないように配置する場合に比べて、発電装置31が配置されるスペースを小さくすることができる。

【0259】
以上、本変形例に係る発電装置31によれば、磁歪棒316Aおよび磁歪棒316Bの軸方向と異なる方向(図19における上下方向)の振動は、磁歪棒316Aおよび磁歪棒316Bの軸方向と垂直な方向の振動に変換され、磁歪棒316Aおよび磁歪棒316Bに与えられる。これにより、加振部303の振動方向が、磁歪棒316Aおよび磁歪棒316Bの軸方向垂直な方向と異なる方向であっても、効率よく発電をすることができる。

【0260】
また、本変形例に係る発電装置31によれば、第1の発電素子315Aの振動が発電部310の根元部分に及ぼす力と、第2の発電素子315Bの振動が発電部310の根元部分に及ぼす力の向きとは逆方向となり相殺される。これにより、発電部310の根元部分に第1の発電素子315Aおよび第2の発電素子315Bの振動が吸収されにくくなり、音叉振動が長時間持続する。したがって、発電量を増加することができる。

【0261】
また、発電部310の根元部分の耐性は強くなり、発電部310は壊れにくくなるので、第1の発電素子315Aおよび第2の発電素子315Bに大きな曲げや衝撃を加えることができる。これにより、発電量を多くすることができる。

【0262】
また、発電部310に生じる音叉振動は、加振部303が発電部310に与える振動よりも高周波となるため、加振部303で発生する低周波振動を、発電部310において高周波振動に変換することができる。これにより、第1の発電素子315Aおよび第2の発電素子315Bでの単位時間当たりの振動回数が増加するため、効率よく発電することができる。

【0263】
また、発電装置の第1の発電素子315Aおよび第2の発電素子315Bが立体交差するように配置するので、立体交差しないように配置する場合に比べて、発電装置31が配置されるスペースを小さくすることができる。

【0264】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形を行ってもよい。

【0265】
例えば、上記した実施の形態では、線対称に配置された第1の発電素子と第2の発電素子とを備えた発電装置について説明したが、発電素子の数は2つに限らず、線対称の配置であれば、複数個(ただし、偶数個)備えていてもよい。このような構成とすることにより、発電装置は、さらに磁歪棒およびコイルを備えるので、発電量をより多くすることができる。

【0266】
また、上記した実施の形態では、第1の発電素子および第2の発電素子は、ヨークがL字形状に屈曲した形状を有しているとしたが、線対称の配置であれば、L字形状に限らず、その他の角度に屈曲した形状であってもよい。

【0267】
また、加振部は、振動を発生する振動装置であってもよいし、例えば、自動車の車体、橋梁など振動するものであればどのようなものであってもよい。

【0268】
また、上記した実施の形態では、磁歪棒を構成する磁歪材料の一例としてGalfenolについて説明したが、磁歪材料はGalfenolに限らずその他の材料であってもよい。例えば、鉄コバルト合金であるパーメンジュールであってもよい。

【0269】
また、磁歪棒の形状は、上記した実施の形態では直方体の棒状の形状に限らず、例えば円柱状の棒状の形状であってもよいし、その他の形状であってもよい。また、磁歪棒の大きさは、上記した例に限らず変更してもよい。

【0270】
また、上記した発電素子は、バックヨークを備えない構成の発電素子を例として説明したが、バックヨークを備える発電素子としてもよい。

【0271】
また、本発明に係る発電装置には、上記実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係る発電装置を備えた各種機器等、例えば、携帯電話機や音楽プレーヤーなどの携帯電子機器、体内センサ、超小型電力供給装置等も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0272】
本発明は、振動が発生する機器等、特に、日常的に振動が発生する携帯電話機や音楽プレーヤー等の電子装置に搭載される発電装置として有用である。
【符号の説明】
【0273】
10、11、20、21、22、23、24、25、30、31 発電装置
100、200、200A、200B、200C、300、310 発電部
101、201、201A、201B、201C 振動板
103、203、303 加振部
105A、205A、305A、315A 第1の発電素子
105B、205B、305B、315B 第2の発電素子
106A、106B、206A、206B、306A、306B、316A、316B 磁歪棒
107A、107B、207A、207B、307A、307B、317A、317B コイル
108A、108B、208A、208B、308A、308B、318A、318B ヨーク
109、209A、209B、219、232A、232B、313A、313B 永久磁石
102、202、222、232、302A、302B、312A、312B 錘
110、212 スイッチ部
120、220、231 振動部
230 根元部分
900B 発電素子
916C コイル
918C 磁歪棒
920 ヨーク
図面
【図1】
0
【図2A】
1
【図2B】
2
【図2C】
3
【図3A】
4
【図3B】
5
【図3C】
6
【図3D】
7
【図4A】
8
【図4B】
9
【図4C】
10
【図7A】
11
【図7B】
12
【図7C】
13
【図8A】
14
【図8B】
15
【図9A】
16
【図9B】
17
【図10A】
18
【図10B】
19
【図11A】
20
【図11B】
21
【図12A】
22
【図12B】
23
【図13A】
24
【図13B】
25
【図14A】
26
【図14B】
27
【図15A】
28
【図15B】
29
【図16A】
30
【図16B】
31
【図16C】
32
【図16D】
33
【図16E】
34
【図17A】
35
【図17B】
36
【図17C】
37
【図17D】
38
【図18A】
39
【図18B】
40
【図18C】
41
【図18D】
42
【図19】
43
【図5】
44
【図6】
45