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明細書 :64Cuの分離精製方法及び64Cuの分離精製装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5880931号 (P5880931)
公開番号 特開2013-113821 (P2013-113821A)
登録日 平成28年2月12日(2016.2.12)
発行日 平成28年3月9日(2016.3.9)
公開日 平成25年6月10日(2013.6.10)
発明の名称または考案の名称 64Cuの分離精製方法及び64Cuの分離精製装置
国際特許分類 G21G   4/08        (2006.01)
C22B  15/00        (2006.01)
C22B  23/00        (2006.01)
C22B   3/00        (2006.01)
C22B   7/00        (2006.01)
B01J  41/04        (2006.01)
FI G21G 4/08 Z
C22B 15/00 104
C22B 23/00 102
C22B 3/00
C22B 7/00 G
B01J 41/04
請求項の数または発明の数 6
全頁数 13
出願番号 特願2011-263139 (P2011-263139)
出願日 平成23年11月30日(2011.11.30)
審査請求日 平成26年10月3日(2014.10.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
発明者または考案者 【氏名】小田 敬
【氏名】甲村 巌根
【氏名】公文 裕巳
【氏名】小野 俊朗
個別代理人の代理人 【識別番号】100088155、【弁理士】、【氏名又は名称】長谷川 芳樹
【識別番号】100113435、【弁理士】、【氏名又は名称】黒木 義樹
審査官 【審査官】林 靖
参考文献・文献 特表2007-512118(JP,A)
特開2007-182598(JP,A)
特表2005-500518(JP,A)
調査した分野 G21G 1/00-5/00
B01J 41/04
C22B 3/00
C22B 7/00
C22B 15/00
C22B 23/00
特許請求の範囲 【請求項1】
混在するNi及び64Cuの中から64Cuを分離精製する64Cuの分離精製方法であって、
混在するNi及び64Cuを溶解する溶解工程と、
前記溶解工程で溶解したNi及び64Cuを含む溶液を第1の陰イオン交換手段に通すことで、64Cuを前記第1の陰イオン交換手段に吸着させる第1の吸着工程と、
前記第1の陰イオン交換手段にハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度が銅溶出用濃度の溶液を通すことで、前記第1の陰イオン交換手段に吸着した64Cuを当該溶液に溶出させ、64Cuを含む溶液を回収する第1の回収工程と、
前記第1の回収工程で回収した64Cuを含む溶液におけるハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度を銅溶出濃度よりも高いニッケル溶出用濃度に調整する濃度調整工程と、
前記濃度調整工程で銅溶出濃度よりも高いニッケル溶出用濃度に調整した溶液を第2の陰イオン交換手段に通すことで前記第2の陰イオン交換手段に64Cuを吸着させる第2の吸着工程と、
前記第2の陰イオン交換手段にハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度が銅溶出用濃度の溶液を通すことで、前記第2の陰イオン交換手段に吸着した64Cuを当該溶液に溶出させ、64Cuを含む溶液を回収する第2の回収工程と、
を有することを特徴とする64Cuの分離精製方法。
【請求項2】
前記第1の陰イオン交換手段は前記第2の陰イオン交換手段と同一である請求項1に記載の64Cuの分離精製方法。
【請求項3】
前記第1の回収工程の後、前記第2の吸着工程の前に、前記第1の陰イオン交換手段にハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度がニッケル溶出用濃度の溶液を通す陰イオン交換手段調整工程を有し、
前記第1の回収工程で64Cuを含む溶液が回収される第1の回収容器に所定濃度の塩酸溶液が予め入れてあることにより、前記濃度調整工程が行われる請求項2に記載の64Cuの分離精製方法。
【請求項4】
混在するNi及び64Cuの中から64Cuを分離精製する64Cuの分離精製装置であって、
混在するNi及び64Cuを溶解するための溶解槽と、
前記溶解槽からの溶解したNi及び64Cuを含む溶液を通して64Cuを吸着する第1の陰イオン交換手段と、
ハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度が銅溶出用濃度の溶液を前記第1の陰イオン交換手段に送るための第1流路と、
前記第1流路を通じて前記第1の陰イオン交換手段に送られ、前記64Cuが溶出した溶液を回収する第1の回収容器と、
前記第1の回収容器に回収され、かつ、ハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度が銅溶出濃度よりも高いニッケル溶出用濃度に調整された溶液を通して64Cuを吸着する第2の陰イオン交換手段と、
ハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度が銅溶出用濃度の溶液を前記第2の陰イオン交換手段に送るための第2流路と、
前記第2流路を通じて前記第2の陰イオン交換手段に送られ、前記64Cuが溶出した溶液を回収する第2の回収容器と、
を備えることを特徴とする64Cuの分離精製装置。
【請求項5】
前記第1の陰イオン交換手段は前記第2の陰イオン交換手段と同一である請求項4に記載の64Cuの分離精製装置。
【請求項6】
ハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度がニッケル溶出用濃度の溶液を前記第1の陰イオン交換手段に送るための第3流路を更に備え
前記第1の回収容器には、前記64Cuが溶出した溶液を回収する前に、前記64Cuが溶出した溶液をハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度が銅溶出濃度よりも高いニッケル溶出用濃度に調整する所定濃度の塩酸溶液が予め入れてある請求項4又は請求項5に記載の64Cuの分離精製装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線金属核種である64Cuの分離精製方法及び64Cuの分離精製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放射性金属核種である64Cuの製造方法として、金プレートにメッキされた金属ニッケルに陽子ビームを照射することにより64Ni(p,n)64Cu核反応を利用して64Cuを得る方法が知られている。この方法では、金属ニッケルメッキ中に極少量の64Cuが混在することとなり、64Cuを精度良く分離精製する必要がある。
【0003】
64Cuの分離精製方法としては、64Cuが混在する金属ニッケルメッキを塩酸等で溶解させた後、CuとNiのクロロ陰イオン錯形成能の差異を利用して陰イオン交換樹脂により分離することが知られている(非特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】Production oftherapeutic quantities of 64Ni using 12MeV cyclotron Atsushi Obata, et al., Nuclear Medicine and Biology 30(2003) 535-539.
【非特許文献2】Simultaneous production of highspecific activity 64Cu and 61Co with 11.4MeV protons onenriched 64Ni Nuclei. Miguel A. Avila-Rodriguez, et. al., AppliedRadiation and Isotopes 65 (2007) 1115-1120.
【非特許文献3】Chelating ion-exchange methodsfor the preparation of non-carrier added 64CuShigeki Watanabe, et. al., NuclearMedicine and Biology 36 (2009) 587-590.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した従来の分離精製方法により得られた64Cuの溶液に対して所定量の標識原料を反応させても、所望量の標識化合物ができないということが分かった。その原因を探ったところ、64Cuだけではなく、溶液に残存するNiも標識原料と反応していることが明らかとなった。
【0006】
そこで、本発明は、高精度な64Cuの分離精製を行うことができる64Cuの分離精製方法及び64Cuの分離精製装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、混在するNi及び64Cuの中から64Cuを分離精製する64Cuの分離精製方法であって、混在するNi及び64Cuを溶解する溶解工程と、溶解工程で溶解したNi及び64Cuを含む溶液を第1の陰イオン交換手段に通すことで、64Cuを第1の陰イオン交換手段に吸着させる第1の吸着工程と、第1の陰イオン交換手段にハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度が銅溶出用濃度の溶液を通すことで、第1の陰イオン交換手段に吸着した64Cuを当該溶液に溶出させ、64Cuを含む溶液を回収する第1の回収工程と、第1の回収工程で回収した64Cuを含む溶液におけるハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度を銅溶出用濃度よりも高いニッケル溶出用濃度に調整する濃度調整工程と、濃度調整工程で銅溶出用濃度よりも高いニッケル溶出用濃度に調整した溶液を第2の陰イオン交換手段に通すことで第2の陰イオン交換手段に64Cuを吸着させる第2の吸着工程と、第2の陰イオン交換手段にハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度が銅溶出用濃度の溶液を通すことで、第2の陰イオン交換手段に吸着した64Cuを当該溶液に溶出させ、64Cuを含む溶液を回収する第2の回収工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記分離精製方法によれば、溶解したNi及び64Cuを含む溶液を第1の陰イオン交換手段に通すことで、64Cuを第1の陰イオン交換手段に吸着させると共にNiを第1の陰イオン交換手段から排出することができる。更に、上記分離精製方法では、第1の陰イオン交換手段から64Cuを含む溶液を回収した後、64Cuを含む溶液におけるハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度をニッケル溶出用濃度に調整して第2の陰イオン交換手段に通す。これにより、64Cuが第2の陰イオン交換手段に吸着されると共に、残存するNiが溶液に溶出されて第2の陰イオン交換手段から排出される。そして、第2の陰イオン交換手段から64Cuを含む溶液を回収することで、Ni混入量を大幅に低減した高精度な64Cuの分離精製を行うことができる。
【0009】
上記分離精製方法において、第1の陰イオン交換手段は第2の陰イオン交換手段と同一であっても良い。
この場合、一つの陰イオン交換手段で高精度な64Cuの分離精製をすることができるので、陰イオン交換手段を複数用いる場合と比べて、64Cuの分離精製におけるコスト低減を図ることができる。
【0010】
上記分離精製方法において、第1の回収工程の後、第2の吸着工程の前に、第1の陰イオン交換手段にニッケル溶出用濃度の溶液を通す陰イオン交換手段調整工程を有し、第1の回収工程で64Cuを含む溶液が回収される第1の回収容器に所定濃度の塩酸溶液が予め入れてあることにより、濃度調整工程が行われていても良い。
この場合、第2の吸着工程において64Cuを含む溶液を第1の陰イオン交換手段に通す際に、溶液の濃度が低下して64Cuが溶出することを防ぐことができるので、より確実に64Cuを第1の陰イオン交換手段に吸着させることができる。従って、更に精度の高い64Cuの分離精製を行うことができる。
【0011】
本発明は、混在するNi及び64Cuの中から64Cuを分離精製する64Cuの分離精製装置であって、混在するNi及び64Cuを溶解するための溶解槽と、溶解槽からの溶解したNi及び64Cuを含む溶液を通して64Cuを吸着する第1の陰イオン交換手段と、ハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度が銅溶出用濃度の溶液を第1の陰イオン交換手段に送るための第1流路と、第1流路を通じて第1の陰イオン交換手段に送られ、64Cuが溶出した溶液を回収する第1の回収容器と、第1の回収容器に回収され、かつ、ハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度が銅溶出用濃度よりも高いニッケル溶出用濃度に調整された溶液を通して64Cuを吸着する第2の陰イオン交換手段と、ハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度が銅溶出用濃度の溶液を第2の陰イオン交換手段に送るための第2流路と、第2流路を通じて第2の陰イオン交換手段に送られ、64Cuが溶出した溶液を回収する第2の回収容器と、を備えることを特徴とする。
【0012】
上記分離精製装置によれば、溶解したNi及び64Cuを含む溶液を第1の陰イオン交換手段に通すことで、64Cuを第1の陰イオン交換手段に吸着させると共にNiを第1の陰イオン交換手段から排出することができる。更に、上記分離精製装置では、第1の陰イオン交換手段から64Cuを含む溶液を回収した後、64Cuを含む溶液におけるハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度をニッケル溶出用濃度に調整して第2の陰イオン交換手段に通す。これにより、64Cuが第2の陰イオン交換手段に吸着されると共に、残存するNiが溶液に溶出されて第2の陰イオン交換手段から排出される。そして、第2の陰イオン交換手段から64Cuを含む溶液を回収することで、Ni混入量を大幅に低減した高精度な64Cuの分離精製を行うことができる。
【0013】
上記分離精製装置において、第1の陰イオン交換手段は第2の陰イオン交換手段と同一であっても良い。
この場合、一つの陰イオン交換手段で高精度な64Cuの分離精製をすることができるので、陰イオン交換手段を複数用いる場合と比べて、64Cuの分離精製におけるコスト低減を図ることができる。
【0014】
上記分離精製装置において、ハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度がニッケル溶出用濃度の溶液を第1の陰イオン交換手段に送るための第3流路を更に備え、第1の回収容器には、64Cuが溶出した溶液を回収する前に、64Cuが溶出した溶液をハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度が銅溶出濃度よりも高いニッケル溶出用濃度に調整する所定濃度の塩酸溶液が予め入れてあっても良い。
この場合、64Cuが吸着された状態の第1の陰イオン交換手段に対してハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度がニッケル溶出用濃度の溶液を送ることで、第1の陰イオン交換手段に残留するNiを溶出して排出させることができる。また、64Cuを含む溶液を第1の回収容器内に回収した後、第1の回収容器内の溶液を第2の陰イオン交換手段に通す前に、ハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度がニッケル溶出用濃度の溶液を第1の陰イオン交換手段に送ることで、第1の回収容器に回収された溶液を第1の陰イオン交換手段に通す際に、溶液の濃度が低下して64Cuが溶出することを防ぐことができるので、より確実に64Cuを第1の陰イオン交換手段に吸着させることができる。従って、この分離精製装置によれば、更に精度の高い64Cuの分離精製を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高精度な64Cuの分離精製を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る64Cuの分離精製装置の一実施形態を示す図である。
【図2】本発明に係る64Cuの分離精製方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る64Cuの分離精製装置及び64Cuの分離精製方法の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。

【0018】
図1に示されるように、本実施形態に係る64Cuの分離精製装置1は、金プレートにメッキされたNiに陽子ビームを照射することにより微量の64Cuを得た後に、混在するNi及び64Cuの中から64Cuを分離精製するものである。

【0019】
分離精製装置1は、溶解槽2、中間バッファタンク3、陰イオン交換樹脂カラム4、第1の溶液リザーバタンク群5、第2の溶液リザーバタンク群6、Ni回収バイアル7、廃液バイアル8、粗Cu回収バイアル9、及びCu回収バイアル10を備えている。

【0020】
溶解槽2は、陽子ビームの照射により微量の64Cuが生成されたニッケルメッキ(ターゲットプレート)を溶解させるための槽である。ニッケルメッキ中には、微量の64Cuに対して例えば数十万倍以上のNiが存在している。溶解槽2では、塩酸溶液を加えることで、混在するNi及び64Cuの溶解が行われる。なお、溶解に用いる溶液は塩酸溶液に限られず、Ni及び64Cuを溶解可能なものであれば良い。

【0021】
中間バッファタンク3は、溶解槽2で溶解されたNi及び64Cuを含む塩酸溶液の濃度調整及び冷却を行うためのタンクである。中間バッファタンク3では、64Cuが溶出しない濃度となるように塩酸溶液の濃度調整が行われる。塩酸溶液の濃度調整は、Clイオンの濃度調節に等しい。また、溶解時の反応によりNi及び64Cuを含む塩酸溶液は高温状態にあるため、常温近くまで冷却される。

【0022】
陰イオン交換樹脂カラム4は、Niと64Cuとのクロロ陰イオン錯形成能の差異を利用してNiと64Cuとを分離させるためのものである。陰イオン交換樹脂カラム4は、内部に充填された多数の陰イオン交換樹脂を有している。陰イオン交換樹脂カラム4では、上方の入口部4aから入り込んだ塩酸溶液が充填された陰イオン交換樹脂の間を進み、下方の出口部4bから排出される。なお、陰イオン交換樹脂カラム4は、塩酸溶液の流入に伴って内部から気体を排出するための排気用管及びフィルタF1を有している。

【0023】
ここで、塩酸溶液中においては、64Cuは陰イオンであるテトラクロロ銅イオン([CuCl2-)、Niは陽イオンであるニッケルイオン[Ni2+]として存在する。このため、溶解したNi及び64Cuを含む塩酸溶液が陰イオン交換樹脂カラム4を通ると、陰イオンとして存在する64Cuは陰イオン交換樹脂に吸着され、陽イオンとして存在するNiは樹脂に吸着することなく、塩酸溶液と共に排出される。但し、一部のNiは各種の相互作用の影響で陰イオン交換樹脂カラム4内に残留する。陰イオン交換樹脂カラム4は、特許請求の範囲に記載の第1の陰イオン交換手段及び第2の陰イオン交換手段に相当する。

【0024】
第1の溶液リザーバタンク群5は、ニッケル溶出用濃度の塩酸溶液が貯留されたタンク群である。ニッケル溶出用濃度とは、Niが塩酸溶液中に溶出するClイオンの濃度であり、例えば5~8mol/Lの塩酸濃度を意味する。塩酸以外の溶液を利用する場合ニッケル溶出用濃度の範囲も変化する。第1の溶液リザーバタンク群5は、四本の溶液リザーバタンク5A~5Dを備えている。

【0025】
第2の溶液リザーバタンク群6は、銅溶出用濃度の塩酸溶液が貯留されたタンク群である。銅溶出用濃度とは、64Cuが塩酸溶液中に溶出するClイオンの濃度であり、例えば3mol/L以下の塩酸濃度を意味する。塩酸以外の溶液を利用する場合ニッケル溶出用濃度の範囲も変化する。第2の溶液リザーバタンク群6は、二本の溶液リザーバタンク6A、6Bを備えている。

【0026】
Ni回収バイアル7、廃液バイアル8、粗Cu回収バイアル9、及びCu回収バイアル10は、塩酸溶液を回収するための容器である。各バイアル7~10が回収する塩酸溶液の違いについては後述する。バイアル7~9には内部の空気を排出するための排気用管を有しており、各排気用管にはフィルタF2~F4が取り付けられている。また、最終的に64Cuを含む塩酸溶液を貯留するCu回収バイアル10では、内部の気体も放射線の影響下にある可能性が高いため、専用の気体用流路Gが設けられている。粗Cu回収バイアル9が特許請求の範囲に記載の第1の回収容器、Cu回収バイアル10が特許請求の範囲に記載の第2の回収容器に相当する。

【0027】
分離精製装置1は、塩酸溶液等が流れる流路R1~R8を有している。流路R1~R8は、複数の配管を連結して形成されており、配管の途中に配置されたバルブV1~V13の開閉操作によって流れが切り換えられる。

【0028】
具体的には、流路R1は溶解槽2と三方弁V1とを接続する流路であり、三方弁V1を介して流路R2に繋がっている。流路R2は、第1の溶液リザーバタンク群5の溶液リザーバタンク5Aと中間バッファタンク3とを接続する流路である。流路R2は、中間バッファタンク3の手前に配置された三方弁V2を介して流路R3に繋がっている。

【0029】
流路R3は、流路R2の三方弁V2と陰イオン交換樹脂カラム4の入口部4aとを接続する流路である。これらの流路R1~R3は、溶解槽2から陰イオン交換樹脂カラム4の入口部4aに至る流路を形成している。

【0030】
流路R4は、陰イオン交換樹脂カラム4の出口部4bとNi回収バイアル7及び廃液バイアル8とを接続する流路である。Ni回収バイアル7と廃液バイアル8との切り換えは、三方弁V8によって行われる。流路R4は、三方弁V7を介して流路R5と繋がっている。流路R5は、三方弁V7と粗Cu回収バイアル9とを接続する流路である。流路R4及び流路R5は、陰イオン交換樹脂カラム4の出口部4bから粗Cu回収バイアル9に至る流路を形成している。

【0031】
また、流路R3は、途中の三方弁V4を介して流路R6と繋がっている。流路R6は、三方弁V4と粗Cu回収バイアル9とを接続する流路である。流路R3及び流路R6は、粗Cu回収バイアル9からに陰イオン交換樹脂カラム4の入口部4a至る流路を形成している。

【0032】
流路R6は、途中の三方弁V5を介して流路R7と繋がっている。流路R7は、溶液リザーバタンク5Aを除いた第1の溶液リザーバタンク群5及び第2の溶液リザーバタンク群6と三方弁V5とを接続する流路である。この流路7を通じて、銅溶出用濃度の塩酸溶液やニッケル溶出用濃度の塩酸溶液が陰イオン交換樹脂カラム4の出口部4bに送られる。流路R7は、特許請求の範囲に記載の第1流路、第2流路、第3流路として機能する。

【0033】
また、流路R4は、三方弁V6を介して流路R8と繋がっている。流路R8は、三方弁V6とCu回収バイアル10とを接続する流路である。流路R4及び流路R8は、陰イオン交換樹脂カラム4の出口部4bからCu回収バイアル10に至る流路を形成している。

【0034】
また、分離精製装置1は、窒素供給源20、供給量制御部21、及び気体用流路Hを備えている。窒素供給源20、供給量制御部21、及び気体用流路Hは、不活性ガスである窒素ガスの供給により、その圧力で塩酸溶液等を移動させるための構成である。なお、塩酸溶液等の移動に用いられる気体は窒素に限られない。

【0035】
窒素供給源20から供給された窒素ガスは、供給量制御部21によって供給量が制御され、気体用流路Hを通って溶解槽2等の各設備に送られる。窒素ガスの供給先は、気体用流路Hを形成する配管上に設けられたバルブV14~V22の開閉操作によって切り換えられる。

【0036】
次に、本実施形態に係る分離精製装置1を用いた64Cuの分離精製方法について図2を参照して説明する。

【0037】
図2に示されるように、本実施形態に係る64Cuの分離精製方法では、ステップS1として溶解工程が行われる。溶解工程では、陽子ビームの照射により微量の64Cuが生成されたニッケルメッキを溶解する。溶液リザーバタンク5Aから塩酸溶液を溶解槽2に供給することにより、混在するNi及び64Cuの溶解が行われる。溶解されたNi及び64Cuを含む塩酸溶液は、流路R1,R2を通じて中間バッファタンク3へと送られる。

【0038】
ステップS2では、溶解されたNi及び64Cuを含む塩酸溶液の濃度調整及び冷却を行う冷却工程が行われる。冷却工程では、中間バッファタンク3内に一時貯留された状態で塩酸溶液の濃度調整及び冷却が行われる。

【0039】
中間バッファタンク3内で、塩酸溶液は64Cuが溶出しない濃度となるように調整される。塩酸溶液は64Cuが溶出せず、Niのみが溶出するニッケル溶出用濃度になるように調整されても良い。

【0040】
濃度調整は、中間バッファタンク3内に予め所定濃度の塩酸溶液を入れておくことにより行うことができる。また、外部から所定濃度の塩酸溶液を追加する方法であっても良い。冷却工程における濃度調整及び冷却が終了すると、中間バッファタンク3内の塩酸溶液は、流路R2,R3を通じて陰イオン交換樹脂カラム4の入口部4aへと送られる。

【0041】
ステップS3では、64Cuを陰イオン交換樹脂カラム4の陰イオン交換樹脂に吸着させる第1の吸着工程が行われる。第1の吸着工程では、溶解されたNi及び64Cuを含む塩酸溶液を陰イオン交換樹脂カラム4に通すことで、塩酸溶液中に陰イオンとして存在する64Cuが陰イオン交換樹脂に吸着する。一方、陽イオンとして存在するNiは陰イオン交換樹脂に吸着することなく、塩酸溶液と共に大部分が排出される。排出された塩酸溶液をメッキ通過液とする。メッキ通過液は、流路R4を通じてNi回収バイアル7に回収される。

【0042】
ステップS4では、陰イオン交換樹脂カラム4にニッケル溶出用濃度の塩酸溶液を通すことで、陰イオン交換樹脂カラム4内に残存するNiを塩酸溶液に溶出させる第1のニッケル溶出工程が行われる。第1のニッケル溶出工程では、複数回に分けてニッケル溶出用濃度の塩酸溶液を通過させることができる。

【0043】
具体的には、塩酸溶液を貯留する溶液リザーバタンク5Bからニッケル溶出用濃度の塩酸溶液を所定量(例えば8mL)供給して陰イオン交換樹脂カラム4に通す。これにより、陰イオン交換樹脂カラム4内に残存するNiの一部は塩酸溶液に溶出して陰イオン交換樹脂カラム4から排出される。陰イオン交換樹脂カラム4から排出された塩酸溶液を洗浄液Aとする。洗浄液Aは、流路R4を通じてNi回収バイアル7に回収される。

【0044】
次に、溶液リザーバタンク5Cからニッケル溶出用濃度の塩酸溶液を所定量(例えば5mL)供給して陰イオン交換樹脂カラム4に通す。陰イオン交換樹脂カラム4から排出された塩酸溶液を洗浄液Bとする。洗浄液Bは、流路R4を通じてNi回収バイアル7に回収される。

【0045】
ステップS5では、64Cuを含む塩酸溶液を回収する第1の回収工程、及び回収した塩酸溶液の濃度を調整する濃度調整工程が行われる。第1の回収工程では、銅溶出用濃度の塩酸溶液を貯留する溶液リザーバタンク6Aから塩酸溶液を所定量(例えば5mL)供給して陰イオン交換樹脂カラム4に通す。これにより、陰イオン交換樹脂に吸着していた64Cuが銅溶出用濃度の塩酸溶液に溶出して、64Cuを多く含む塩酸溶液が得られる。但し、この塩酸溶液には、陰イオン交換樹脂カラム4内に残存していたNiの一部も溶出している。64Cuを多く含む塩酸溶液は、流路R4及び流路R5を通じて粗Cu回収バイアル9に回収される。回収した塩酸溶液を粗Cu回収液とする。

【0046】
濃度調整工程では、第1の回収工程で回収された粗Cu回収液の濃度調整が行われる。本実施形態に係る分離精製方法においては、予め粗Cu回収バイアル9に所定濃度の塩酸溶液を入れておくことにより濃度調整が行われる。このため、本実施形態に係る分離精製方法では、第1の回収工程及び濃度調整工程がほぼ同時に行われる。なお、外部から所定濃度の塩酸溶液を追加する方法で濃度調整を行っても良い。

【0047】
ステップS6では、陰イオン交換樹脂カラム4にニッケル溶出用濃度の塩酸溶液を通すことで、陰イオン交換樹脂カラム4の塩酸雰囲気を調整するカラム調整工程(陰イオン交換手段調整工程)が行われる。カラム調整工程では、溶液リザーバタンク5Dから供給されたニッケル溶出用濃度の塩酸溶液が用いられる。陰イオン交換樹脂カラム4を通過した塩酸溶液をカラム再調整液とする。カラム再調整液は、流路R4を通じて廃液バイアル8に回収される。カラム調整工程は、濃度調整工程でニッケル溶出用濃度に調整した塩酸溶液の濃度がカラム4内で減少して、64Cuが塩酸溶液に溶出することを防ぐために行われる。

【0048】
ステップS7では、ニッケル溶出用濃度に調整した塩酸溶液を陰イオン交換樹脂カラム4に通すことで、再び64Cuを陰イオン交換樹脂カラム4の陰イオン交換樹脂に吸着させる第2の吸着工程が行われる。第2の吸着工程においても、塩酸溶液中に陰イオンとして存在する64Cuが陰イオン交換樹脂に吸着され、陽イオンとして存在するNiは陰イオン交換樹脂に吸着することなく、塩酸溶液と共に大部分が排出される。排出された塩酸溶液を再通過液とする。再通過液は、流路R4を通じて廃液バイアル8に回収される。

【0049】
ステップS8では、陰イオン交換樹脂カラム4にニッケル溶出用濃度の塩酸溶液を通すことで、陰イオン交換樹脂カラム4内に残存するNiを塩酸溶液に溶出させる第2のニッケル溶出工程が行われる。具体的には、再び溶液リザーバタンク5Cからニッケル溶出用濃度の塩酸溶液を所定量(例えば5mL)供給して陰イオン交換樹脂カラム4に通す。これにより、陰イオン交換樹脂カラム4内に残存するNiの一部は塩酸溶液に溶出して陰イオン交換樹脂カラム4から排出される。なお、第2のニッケル溶出工程も、複数回に分けてニッケル溶出用濃度の塩酸溶液を通過させても良い。

【0050】
ステップS9では、64Cuを含む塩酸溶液を回収する第2の回収工程が行われる。第2の回収工程では、銅溶出用濃度の塩酸溶液を貯留する溶液リザーバタンク6Bから塩酸溶液を所定量(例えば5mL)供給して陰イオン交換樹脂カラム4に通す。これにより、陰イオン交換樹脂に吸着していた64Cuが銅溶出用濃度の塩酸溶液に溶出して、Niの混入量が少なく64Cuを多く含む塩酸溶液が得られる。この塩酸溶液は、流路R8を通じてCu回収バイアル10に回収される。Cu回収バイアル10に回収した塩酸溶液を最終Cu回収液とする。

【0051】
以上説明した本実施形態に係る64Cuの分離精製装置及び64Cuの分離精製方法によれば、溶解したNi及び64Cuを含む塩酸溶液を陰イオン交換樹脂カラム4に通すことで、64Cuを陰イオン交換樹脂カラム4に吸着させると共にNiを陰イオン交換樹脂カラム4から排出することができる。更に、この分離精製装置1及び分離精製方法では、陰イオン交換樹脂カラム4から64Cuを含む塩酸溶液を回収した後、64Cuを含む塩酸溶液の濃度をニッケル溶出用濃度に調整して陰イオン交換樹脂カラム4に通している。これにより、64Cuが陰イオン交換樹脂カラム4に吸着されると共に、残存するNiが塩酸溶液に溶出されて陰イオン交換樹脂カラム4から排出される。そして、陰イオン交換樹脂カラム4から64Cuを含む塩酸溶液を回収することで、Ni混入量を大幅に低減した高精度な64Cuの分離精製を行うことができる。

【0052】
また、本実施形態に係る分離精製装置1及び分離精製方法によれば、陰イオン交換樹脂カラム4に一度通した後、塩酸溶液を大量に使用して64Cuの分離精製を行う方法と比べて塩酸溶液の使用量を大幅に低減することができる。また、64Cuを利用してPET用の標識化合物を生成する際に、Niにより標識反応が阻害されなくなる。このため、高価な標識原料の損失を減らすことができる。

【0053】
また、本実施形態に係る分離精製装置1及び分離精製方法によれば、流路7を通じて陰イオン交換樹脂カラム4にニッケル溶出用濃度の塩酸溶液を送ることができるので、64Cuが吸着された状態の陰イオン交換樹脂カラム4にニッケル溶出用濃度の塩酸溶液を送ることで、陰イオン交換樹脂カラム4に残留するNiを溶出して排出させることができる。

【0054】
なお、本実施形態に係る分離精製装置1及び分離精製方法では、一本の陰イオン交換樹脂カラム4に粗Cu回収液を再び通している。これは、特許請求の範囲に記載する第1の陰イオン交換手段が第2の陰イオン交換手段と同一である場合に相当する。この場合、陰イオン交換樹脂カラムを複数用いる場合と比べて、64Cuの分離精製におけるコスト低減を図ることができる。但し、このことは本発明において陰イオン交換樹脂カラムを複数用いることを妨げるものではなく、陰イオン交換樹脂カラムを複数用いる場合であっても本発明を有効に適用することができる。

【0055】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、Ni及び64Cuの溶解等に用いる溶液は塩酸溶液に限られない。ハロゲンイオンを含む溶液や擬ハロゲンイオンを含む溶液であれば代用することができる。この場合、ニッケル溶出用濃度は、Niが溶出するハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度を意味する。また、銅溶出用濃度は、64Cuが溶出するハロゲンイオン濃度又は擬ハロゲンイオン濃度を意味する。また、図1に示す分離精製装置1の配置や構成は一例であり、これに限定されるものではない。
【実施例】
【0056】
以下、上述した64Cuの分離精製装置及び64Cuの分離精製方法の実施例について説明する。ここでは、放射性核種を生成する試験であるホットテストと、
放射性核種を生成せずにホットテストと同条件を想定する物質量を用いた安定同位体による試験であるコールドテストを行った。
【実施例】
【0057】
まずコールドテストについて説明する。擬似的なメッキ溶液として、127ngの銅(金属銅として)と25mgのニッケル(金属ニッケルとして)を含む6mol/Lの塩酸溶液を10mL用いた。陰イオン交換樹脂カラム4としてBio-Lad社製のポリプレップAG1-X8カラム(メッシュ100-200の樹脂を2mL充填済み)を使用した。予め20mLの水で陰イオン交換樹脂を洗浄した後、6mol/Lの塩酸溶液20mLで洗浄すると同時に陰イオン交換樹脂を6mol/Lの塩酸雰囲気下においた。カラム4への各溶液の移送は窒素ガスによる圧送で行ったが、精製時の塩酸溶液の樹脂通過は大気圧による自然落下で行った。金属イオンの濃度測定には、原子吸光法を用いた。
【実施例】
【0058】
溶解槽2において、10mLの擬似メッキ溶液を、ホットテストと同条件で加熱し(メッキ溶解工程として実施)、3mLの12M塩酸を加えて塩酸濃度を調整して、室温付近まで冷却した後、陰イオン交換樹脂を通過させた。この時、6mol/Lの塩酸溶液である擬似メッキ液中では、銅はテトラクロロ銅イオン([CuCl2-)、ニッケルはニッケルイオン[NI2+]の化学系で存在することとなる。この溶液を6mol/Lの塩酸溶液で調整済みの陰イオン交換樹脂カラム4に通過させ、銅を陰イオンとして陰イオン交換樹脂に保持させた。この時に通過した容液はメッキ通過液となる。
【実施例】
【0059】
このカラム4に対し、6mol/Lの塩酸溶液8mL、6mol/Lの塩酸溶液5mLを順次通過させ、樹脂の洗浄(ニッケルの溶出)を行った。この時に通過した容液がそれぞれ洗浄液A、洗浄液Bとなる。次に、カラム4に1mol/L塩酸溶液を5mL通過させ、銅の溶出を行った。この時に通過した容液は粗Cu回収液となる。なお、この時、塩酸濃度の低下により銅はCu2+の陽イオンになるため、樹脂に保持されなくなる。また、樹脂に残留していたニッケルが同時に溶出する。
【実施例】
【0060】
このようにして得られた粗Cu回収液に12mol/Lの塩酸溶液を4.5mL加えて再度約6mol/Lの塩酸溶液となるように調整した。カラム4に6mol/Lの塩酸を10mL通過させ、再度6mol/Lの塩酸雰囲気になるように樹脂を再調製した。この時に通過した容液はカラム再調整液となる。
【実施例】
【0061】
再調整後のカラム4に塩酸濃度調整済みの粗Cu回収液を通過させた。この時再度銅は陰イオンとして樹脂に保持され、ニッケルイオンの大部分は樹脂に保持されずに通過する。この時に通過した容液は再通過液となる。
【実施例】
【0062】
このカラム4に対し、5mLの6M塩酸を通過させ樹脂に残留するニッケルを洗い流した。この時に通過した容液は洗浄液Cとなる。その後、5mLの1M塩酸を樹脂に通過させて銅の溶出を行い、最終Cu回収液を得た。
【実施例】
【0063】
ここで、最終Cu回収液の最初の1mLフラクションにおいては銅がまだほとんど溶出してないのに対し、ニッケルの溶出量が非常に大きいため、銅抽出液として回収せずに、廃棄した。また、5mL目のフラクションも殆ど銅が溶出していないため、最終的には2mL~4mL目のフラクションのみを集めた。表1に濃度変化の結果を示す。なお、表1において、洗浄液B-1、洗浄液B-2とはそれぞれ1mL目の洗浄液B、次の2mL目の洗浄液B(1mL目を除く)を意味している。なお、表1に示すライン洗浄液は、最終Cu回収液を得た後に分離精製装置1内を洗浄して回収した溶液である。ライン洗浄液には、分離精製装置1内に残ったNiや64Cuが含まれている。
【表1】
JP0005880931B2_000002t.gif
【実施例】
【0064】
表1に示されるように、当初の疑似メッキ原液と比べて、ニッケルの混入量が十分に低く銅の回収量が十分な結果を得ることができた。
【実施例】
【0065】
また、表1にホットテスト時の結果も示す。ホットテストでは、上述したコールドテストに沿って放射線核種である64Cuを実際に生成して測定した。各溶液における64Cuの線量分布を示す。ホットテストにおいても、ニッケルの混入量が十分に低く64Cuの回収量も十分な溶液を得ることができた。
【符号の説明】
【0066】
1…分離精製装置 2…溶解槽 3…中間バッファタンク 4…陰イオン交換樹脂カラム 4a…入口部 4b…出口部 5…第1の溶液リザーバタンク群 6…第2の溶液リザーバタンク群 7…回収バイアル 8…廃液バイアル 9…粗Cu回収バイアル 10…Cu回収バイアル 11…移動機構 20…窒素供給源 21…供給量制御部 F1-F4…フィルタ H…気体用流路 R1-R8…流路 V1-V22…バルブ







図面
【図1】
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【図2】
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