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明細書 :金属ナノ粒子の形成方法および金属ナノ粒子材料

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2014-189821 (P2014-189821A)
公開日 平成26年10月6日(2014.10.6)
発明の名称または考案の名称 金属ナノ粒子の形成方法および金属ナノ粒子材料
国際特許分類 B22F   9/24        (2006.01)
B22F   1/00        (2006.01)
B82Y  40/00        (2011.01)
B82Y  30/00        (2011.01)
FI B22F 9/24 E
B22F 1/00 K
B82Y 40/00
B82Y 30/00
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 14
出願番号 特願2013-065030 (P2013-065030)
出願日 平成25年3月26日(2013.3.26)
発明者または考案者 【氏名】酒井 俊郎
出願人 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100077621、【弁理士】、【氏名又は名称】綿貫 隆夫
【識別番号】100146075、【弁理士】、【氏名又は名称】岡村 隆志
【識別番号】100092819、【弁理士】、【氏名又は名称】堀米 和春
【識別番号】100141634、【弁理士】、【氏名又は名称】平井 善博
【識別番号】100141461、【弁理士】、【氏名又は名称】傳田 正彦
審査請求 未請求
テーマコード 4K017
4K018
Fターム 4K017AA02
4K017AA06
4K017BA02
4K017CA08
4K017EJ02
4K018AA02
4K018BA01
4K018BB05
4K018BC01
4K018BC15
4K018BD10
要約 【課題】ポリマーを含む水溶液中に金属ナノ粒子を還元析出させ、作業工程を簡素化してコストの低減が図れる金属ナノ粒子の形成方法および金属ナノ粒子材料を提供する。
【解決手段】本発明に係る金属ナノ粒子の形成方法は、エチレンオキシドをモノマー単位として含むポリマーの水溶液中に、金属塩を投入して、金属ナノ粒子を還元析出させることを特徴とする。
【選択図】図5
特許請求の範囲 【請求項1】
エチレンオキシドをモノマー単位として含むポリマーの水溶液中に、金属塩を投入して、金属ナノ粒子を還元析出させることを特徴とする金属ナノ粒子の形成方法。
【請求項2】
前記ポリマーの自己組織化能およびイオン還元能により、金属ナノ粒子を還元析出させることを特徴とする請求項1に記載の金属ナノ粒子の形成方法。
【請求項3】
前記ポリマーが、プロピレンオキシドをモノマー単位として含むコポリマーであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属ナノ粒子の形成方法。
【請求項4】
析出した金属ナノ粒子をさらに焼成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の金属ナノ粒子の形成方法。
【請求項5】
前記水溶液中に基材を浸漬し、該基材の表面に金属ナノ粒子を還元析出させ、該金属ナノ粒子を前記基材の表面上に担持させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の金属ナノ粒子の形成方法。
【請求項6】
前記基材が、シリカ粒子であることを特徴とする請求項5に記載の金属ナノ粒子の形成方法。
【請求項7】
前記基材の表面形状が、曲率を有する面であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の金属ナノ粒子の形成方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の金属ナノ粒子の形成方法によって製造された金属ナノ粒子材料。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ナノ粒子の形成方法および金属ナノ粒子材料に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノメーターサイズの金属粒子(金属ナノ粒子)は、バルクには見られないユニークな物理的性質、例えば、光学・磁気・電気・触媒特性などを発現するため、近年、大変注目を集めている。この金属ナノ粒子のユニークな物理的特性は、粒子のサイズや形状に依存する。さらに、このような金属ナノ粒子のユニークな特性を触媒分野、エレクトロニクス分野などへ応用するためには、金属ナノ粒子の異種材料との複合化する技術が必要となる。金属ナノ粒子の基材上への集積化技術は、燃料電池用触媒、環境浄化用触媒、エレクトロニクス材料などの製造に重要な技術である。基材上に集積された金属ナノ粒子のサイズ・形状・粒子間距離・凝集形態・配置・配列などは、材料の性能に大きく影響する。そのため、金属ナノ粒子の基材表面への集積技術は、材料性能を制御・向上させるためには必要不可欠な技術である。
【0003】
表面化学修飾基を有する金属ナノ粒子を、溝が形成された基板上に表面化学修飾基をもって固定化させて金属ナノ粒子を配列させる金属ナノ粒子の形成方法が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2008‐210587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の金属ナノ粒子形成方法によれば、基板上に金属粒子を固定化させる場所を決め、さらに金属粒子が入り込む溝を形成する必要がある。また、金属粒子を含んだ構造体を形成するためには、金属粒子を含む液体を塗布して液体を蒸発乾燥し、濃縮するという工程が含まれ、効率的ではないという課題がある。他にも、金属粒子が担持される基材の形状を限定し、平板状以外の形状では担持させることが難しい。
【0006】
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、ポリマーを含む水溶液中に金属ナノ粒子を還元析出させ、作業工程を簡素化してコストの低減が図れる金属ナノ粒子の形成方法および金属ナノ粒子材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。すなわち、本発明に係る金属ナノ粒子の形成方法は、エチレンオキシドをモノマー単位として含むポリマーの水溶液中に、金属塩を投入して、金属ナノ粒子を還元析出させることを特徴とする。この構成によれば、ポリマー水溶液中で金属ナノ粒子を容易に還元析出させることができ、作業工程を簡素化できる。
【0008】
前記ポリマーの自己組織化能およびイオン還元能により、金属ナノ粒子を還元析出させることが好ましい。これによれば、ポリマーの自己組織化能により基材の表面にポリマーが凝集して自己組織化膜を形成し、還元剤を用いなくてもポリマーのイオン還元能により金属ナノ粒子が析出される。
【0009】
前記ポリマーが、プロピレンオキシドをモノマー単位として含むコポリマーであることが好ましい。これによれば、基材表面に金属ナノ粒子を還元析出させやすく、金属ナノ粒子の生成量を制御できる。
【0010】
析出した金属ナノ粒子をさらに焼成することが好ましい。これによれば、ポリマーを焼失させた焼失物を様々な分野に応用することができる。
【0011】
前記水溶液中に基材を浸漬し、該基材の表面に金属ナノ粒子を還元析出させ、該金属ナノ粒子を前記基材の表面上に担持させることが好ましい。これによれば、どのような基材形状でも水溶液中で容易に基板の表面上に金属を担持させることができ、金属ナノ粒子を担持させた基材を触媒として利用することができる。
【0012】
前記基材が、シリカ粒子であることが好ましい。これによれば、微細なシリカ粒子の表面にも金属ナノ粒子を析出させることができる。
【0013】
前記基材の表面形状が、曲率を有する面であることが好ましい。これによれば、平面状の基材だけではなく、凹凸面や曲面を有する基材の表面でも金属ナノ粒子を形成することができる。
【0014】
また、上記金属ナノ粒子の形成方法によって製造された金属ナノ粒子材料であることを特徴とする。この構成によれば、触媒、電子材料、センサー、医療用材料に応用できる。さらに、希少金属を回収する際に用いる材料として応用できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ポリマーを含む水溶液中に金属ナノ粒子を還元析出させ、作業工程を簡素化してコストの低減が図れる金属ナノ粒子の形成方法および金属ナノ粒子材料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)は、Pluronic F88を用いて40℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真である。(b)は、図1(a)のさらに高倍率のTEM写真である。
【図2】(a)は、Pluronic F88を用いて80℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真である。(b)は、図2(a)のさらに高倍率のTEM写真である。
【図3】(a)は、Pluronic L64を用いて40℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真である。(b)は、図3(a)のさらに高倍率のTEM写真である。
【図4】(a)は、Pluronic L64を用いて80℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真である。(b)は、図4(a)のさらに高倍率のTEM写真である。
【図5】(a)は、Pluronic L64を用いて80℃の条件で作製した他の金属ナノ粒子材料のTEM写真である。(b)は、図5(a)のさらに高倍率のTEM写真である。
【図6】(a)は、Pluronic 25R4を用いて40℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真である。(b)は、図6(a)のさらに高倍率のTEM写真である。
【図7】(a)は、Pluronic 25R4を用いて80℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真である。(b)は、図7(a)のさらに高倍率のTEM写真である。
【図8】(a)は、PEG 3400を用いて40℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真である。(b)は、図8(a)のさらに高倍率のTEM写真である。
【図9】(a)は、PEG 3400を用いて80℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真である。(b)は、図9(a)のさらに高倍率のTEM写真である。
【図10】(a)は、JEFFAMINE ED-2003を用いて40℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真である。(b)は、図10(a)のさらに高倍率のTEM写真である。
【図11】(a)は、JEFFAMINE ED-2003を用いて80℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真である。(b)は、図11(a)のさらに高倍率のTEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施形態に係る金属ナノ粒子の形成方法は、エチレンオキシドをモノマー単位として含むポリマーの水溶液中に、金属塩を投入して、金属ナノ粒子を還元析出させる方法である。このため、ポリマー水溶液中にある金属の錯イオンが還元されて金属ナノ粒子が生成し、大気中で行う場合と異なってポリマー溶液、界面活性剤を乾燥させて濃縮する工程がなく、作業工程を簡素化できる。

【0018】
上記エチレンオキシドをモノマー単位として含むポリマーとは、モノマーが重合して[-(CO)-]を構造の単位として含むポリマーのことである。エチレンオキシドをモノマー単位として有するポリマーとしてはどのような重合体でもよく、1種類のモノマーの重合体、または2種類以上のモノマーの共重合体でもよい。エチレンオキシドをモノマー単位として有するポリマーとして、エチレングリコールのみが重合したポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシドが挙げられる。このとき、親水性ポリマーからなるポリマーを用いてもよい。これらのポリマーを用いることで、金属ナノ粒子をポリマー水溶液中で還元生成することができる。

【0019】
上記ポリマーとしては、自己組織化能およびイオン還元能を有することが好ましい。自己組織化能を有するポリマーは、水溶液中では球状、キュービック状、ヘキサゴナル状、ラメラ状などの自己組織体を形成する。このとき、自己組織体はポリマー水溶液中に浮遊している。さらに、イオン還元能を有するポリマーは、自己組織体の付近にある錯イオンや自己組織体に付着した錯イオンを還元して、金属ナノ粒子を析出させる。ポリマーが自己組織化能およびイオン還元能を有することにより、還元剤を加えなくても金属ナノ粒子を還元析出させることができる。このため、ポリマー水溶液中において、ポリマーの自己組織化膜内で金属ナノ粒子が自己形成され、金属ナノ粒子が集積して形成される。

【0020】
また、ポリマーが、プロピレンオキシドをモノマー単位として含むコポリマーであることが好ましい。プロピレンオキシドをモノマー単位として含むコポリマーとは、[-((CH)CHCHO)-]を構造の単位として含むコポリマーのことである。さらに、ポリマーが、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドをモノマー単位として含む、コポリマーであることが好ましい。エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドをモノマー単位として有するコポリマーとしては、モノマーの配列は限定されないが、好ましくはブロックコポリマーであり、ポリエチレンオキシド(PEO)-ポリプロピレンオキシド(PPO)ブロックコポリマーを用いることが好ましい。この場合、重合度は特に限定されない。エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを含むコポリマーを用いることで、金属ナノ粒子を基材の表面に形成させて、金属ナノ粒子の量を制御することができる。

【0021】
さらに、ポリマーを含む水溶液中に基材を浸漬しておけば、ポリマー溶液を静置するだけで自己組織体は基材の表面にも付着し、イオン還元能を有するポリマーによって錯イオンが還元されて、基材表面に金属ナノ粒子が析出される。これにより、還元剤を加えなくても基材の表面に金属ナノ粒子が還元析出される。

【0022】
また、基材の形状は特に限定されず、平面、曲面でもよく、凹凸を有する表面形状でもよい。特に、基材の表面形状が、曲率を有する面であれば、微細な粒子状であってもよく、チューブ状であればチューブの内側および外側にも金属ナノ粒子を析出できる。金属ナノ粒子が基材表面に析出した金属ナノ粒子材料は、ポリマー水溶液中から基材と共に回収すればよく、微細な粒子やマイクロサイズの基板であっても金属ナノ粒子が析出した状態で得られる。

【0023】
また、基材の表面に形成された金属ナノ粒子は、基材の表面上に担持させることができる。基材の表面に金属ナノ粒子が担持された金属ナノ粒子材料は、触媒分野に応用することが可能であり、その他にもエレクトロニクス分野(微細配線・インクジェット配線・導電性トナー)、電池分野(燃料電池)にも応用できる。さらに、センサーや医療用材料分野(造影剤、疾患部のイメージング)にも応用できる。またこの場合、基材の表面に金属ナノ粒子を還元析出させ、基材と共に焼成させてから、これらの応用分野に適用してもよい。本実施形態の金属ナノ粒子の形成方法を用いて金属を基材の表面に形成したり、担持させたりすれば、水溶液中の金属を回収することもできる。

【0024】
本発明において使用する基材としては、ポリマーが吸着できるものであれば特に限定されなく、無機材料、金属材料、樹脂などの有機材料に金属ナノ粒子を形成させることができる。また、基材の表面の形状は前述のように、特に限定されない。また、表面処理を行って、ポリマーが付着しやすいようにした基材を用いてもよい。特に無機材料、金属材料では、基材へのポリマーの付着量に影響するため、表面に有機物がない基材であることが好ましい。無機材料としては、シリカ粒子やチタニア粒子に金属ナノ粒子を形成すれば、触媒分野へ応用ができる。

【0025】
本実施形態で形成される金属ナノ粒子の金属の種類は特に限定されないが、ポリマー水溶液中で錯イオンを形成する金属であり、金、銀などが挙げられる。このとき金属塩をポリマー水溶液中に入れればよく、塩化金酸を用いることで、水溶液中では塩化金酸イオン[AuClとなり、金ナノ粒子をポリマー水溶液中で形成して基材の表面に金ナノ粒子を形成、担持できる。また、金属塩が強い酸化作用をもつことでポリマー付近に金属の錯イオンがあると、ポリマーを酸化させて自身は還元され、金属が析出されやすくなる。また、ポリマーが金属イオン還元能を有していれば、金属塩の酸化力との効果によって錯イオンを還元して、より基材表面に金属ナノ粒子が析出されやすい。

【0026】
本実施形態の金属ナノ粒子の形成方法によれば、平面基板上だけではなく曲率を有する面上への金属ナノ粒子のパターニングが可能である。パターニング方法として、用いるポリマーの種類、ポリマー水溶液の温度と濃度、また錯イオンとポリマーとを含む水溶液中に基材を浸漬させている時間を変える。これらの条件を制御すると、基材表面へのポリマーの付着量を変えることができ、その結果、金属ナノ粒子のパターニングが可能となる。さらに、形成される金属ナノ粒子の大きさも変えることができ、ポリマー水溶液中で所望の大きさの金属ナノ粒子を形成することができる。

【0027】
用いるポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(PEO-PPOブロックコポリマー)、ポリオキシアルキレンアミン等が挙げられ、種類を変えることでパターニングすることができる。また、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールにおける、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの重合度を変えても金属ナノ粒子をパターニングすることができる。

【0028】
金属ナノ粒子を形成するには、容器中へ材料を入れる順番は限定されないが、容器にポリマー水溶液を入れ、次に基材および金属塩を入れればよい。この金属の錯イオンと基材とポリマーとを含む水溶液の温度を制御しながら静置すれば、基材に金属が形成される。金属ナノ粒子をパターニングするには、温度の他に静置時間を変えればよく、さらに金属錯イオンの種類を変えてパターニングする場合でも、ポリマー水溶液の温度、静置時間を変えればよい。

【0029】
ポリマー水溶液の温度は好ましくは、4℃~180℃の範囲で制御されるのが好ましい。静置中のポリマー水溶液の温度は一定であっても、変化させてもよい。また、ポリマー水溶液の温度がより高温であると生成した自己組織体同士が凝集しやすく、基材の表面に付着しやすくなる。これにより高温であると金属ナノ粒子が生成されやすく、基材の表面に金属ナノ粒子が形成されやすいので好ましい。
【実施例】
【0030】
以下、実施例により本発明の一例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【実施例】
【0031】
用いたポリマーの分子量および構造式を表1に示す。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(商品名:Pluronic(登録商標)、BASF corp.製)、ポリエチレングリコール(PEG、Sigma Aldrich製)、ポリオキシアルキレンアミン(商品名:JEFFAMINE(登録商標)、HUNTSMAN corp.製)を用い、それぞれのポリマーを水に溶かした。ポリマー水溶液を5mMに調製し、ポリマー水溶液を24時間撹拌した。シリカ粒子(平均粒子径250nm)を水に分散させたシリカ分散液(15μL)と、20mMの塩化金酸水溶液(HAuCl・4HO(20μL))とを撹拌後のポリマー水溶液(2mL)に入れた。このシリカ粒子を含んだポリマー水溶液を25、40、80℃のいずれかの温度で、24時間静置した。
【実施例】
【0032】
【表1】
JP2014189821A_000003t.gif
【実施例】
【0033】
表1に示したポリマーの内、表2に示すポリマーに番号を付け、実施例に基づいて各ポリマー水溶液で金ナノ粒子が還元析出され、赤色物が見られたか否かという結果を表3に示す。番号1~5のポリマーを用い、実施例に基づいて作製した金属ナノ粒子材料を実施例1~実施例5とする。
【実施例】
【0034】
【表2】
JP2014189821A_000004t.gif
【実施例】
【0035】
【表3】
JP2014189821A_000005t.gif
【実施例】
【0036】
実施例1の25℃、40℃、80℃の条件では、ポリマー水溶液中内に金ナノ粒子が生成したことに由来する赤色物が見られ、容器内で赤色物が分散していたことから金ナノ粒子の生成が確認された。実施例2では、25℃、40℃、80℃で、実施例3および4では40℃、80℃で、実施例3では80℃で同様に、容器内で赤色物が沈殿または分散していたことから金ナノ粒子が形成された。また、後述するように、目視ではポリマー溶液中に赤色物の確認はできなくてもTEM観察によって金ナノ粒子の析出が確認できた。これは、金ナノ粒子の析出量が少ないため、ポリマー溶液内の色の変化があまり見られないものと考えられる。
【実施例】
【0037】
図1~図11に、実施例1~5で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真を示し、それぞれポリマー水溶液の温度が40℃、または80℃の条件で作製したものを示す。表4に、40℃および80℃のポリマー水溶液中で金ナノ粒子を作成し、作製された金ナノ粒子がシリカ粒子上に担持されたか否かという結果を示す。図1~図11において、約250nmの球状物がシリカ粒子であり、シリカ粒子の表面付近に黒色に見えているものが金ナノ粒子である。
【実施例】
【0038】
【表4】
JP2014189821A_000006t.gif
【実施例】
【0039】
図1に、Pluronic F88を用いて、40℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料、図2に、80℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真を示す。図1のPluronic F88を用いた40℃の条件では、約30nm径の金ナノ粒子が形成され、金ナノ粒子はシリカ粒子上に担持されていなかった。図2のPluronic F88を用いた80℃の条件では、約10nm径の金ナノ粒子が形成され、金ナノ粒子はシリカ粒子上に担持されていなかった。
【実施例】
【0040】
図3に、Pluronic L64を用いて、40℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料、図4および図5に、80℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真を示す。図3のPluronic L64を用いた40℃の条件では、約3~20nm径の金ナノ粒子が形成され、金ナノ粒子はシリカ粒子上に担持されていなかった。図4および図5のPluronic L64を用いた80℃の条件では、約3nm径の金ナノ粒子が形成され、金ナノ粒子がシリカ粒子上に島状又または均一に担持されていた。
【実施例】
【0041】
図6に、Pluronic 25R4を用いて、40℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料、図7に、80℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真を示す。図6のPluronic 25R4を用いた40℃の条件では、約50nm径の金ナノ粒子が形成され、金ナノ粒子はシリカ粒子上に担持されていなかった。図7のPluronic 25R4を用いた80℃の条件では、約50nm径の金ナノ粒子が形成され、金ナノ粒子はシリカ粒子上に担持されていなかった。
【実施例】
【0042】
図8に、PEG 3400を用いて、40℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料、図9に、80℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真を示す。図8のPEG 3400を用いた40℃の条件では、約50nm径の金ナノ粒子が形成され、金ナノ粒子はシリカ粒子上に凝集して担持されていた。図9のPEG 3400を用いた80℃の条件では、約3nm径の金ナノ粒子が形成され、金ナノ粒子はシリカ粒子上に担持されていた。また、80℃で作製した方は、シリカ粒子の表面に均一な膜状に金ナノ粒子が担持されたシリカ粒子が確認された。
【実施例】
【0043】
図10に、JEFFAMINE ED-2003を用いて、40℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料、図11に、80℃の条件で作製した金属ナノ粒子材料のTEM写真を示す。図10のJEFFAMINE ED-2003を用いた40℃の条件では、約20nm径の金ナノ粒子が形成され、金ナノ粒子はシリカ粒子上に担持されていなかった。図11のJEFFAMINE ED-2003を用いた80℃の条件では、約20nm径の金ナノ粒子が形成され、金ナノ粒子はシリカ粒子上に担持されていなかった。
【実施例】
【0044】
ポリマー水溶液の温度を変えることで、ポリマーの自己組織化膜の形成されやすさを変えることができ、高温ほど自己組織化膜が形成されやすい。このため、高温ほど金属ナノ粒子が基板表面上に集積されて、金属ナノ粒子の形成量および形成される場所を変えることができる。ポリマーの種類およびポリマー水溶液の温度を制御することで、基材の表面に担持される金属ナノ粒子の形成量および形成される場所を制御することが可能であり、基材の形状を限定されず、球状粒子にも金属ナノ粒子を担持させることができる。さらには、パターニングも可能となる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10