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明細書 :ナノカーボン材料の製造装置及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5428066号 (P5428066)
登録日 平成25年12月13日(2013.12.13)
発行日 平成26年2月26日(2014.2.26)
発明の名称または考案の名称 ナノカーボン材料の製造装置及びその製造方法
国際特許分類 C01B  31/02        (2006.01)
FI C01B 31/02 101F
請求項の数または発明の数 5
全頁数 23
出願番号 特願2011-541960 (P2011-541960)
出願日 平成22年11月19日(2010.11.19)
国際出願番号 PCT/JP2010/070653
国際公開番号 WO2011/062254
国際公開日 平成23年5月26日(2011.5.26)
優先権出願番号 2009263515
優先日 平成21年11月19日(2009.11.19)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成25年2月6日(2013.2.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504159235
【氏名又は名称】国立大学法人 熊本大学
発明者または考案者 【氏名】横井 裕之
【氏名】百田 寛
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100092163、【弁理士】、【氏名又は名称】穴見 健策
【識別番号】100136928、【弁理士】、【氏名又は名称】高宮 章
審査官 【審査官】伊藤 光貴
参考文献・文献 特開2003-12312(JP,A)
特開2006-219362(JP,A)
太田慶新,マイクロフェーズの卓上型CNT合成装置 誰でもどこでも簡単に作れCNTの実用化を促進,Semiconductor FPD World,2007年11月,p.56-59
横井裕之,サブマリン式基板加熱によるカ-ボンナノチューブ合成法の開発,化学工業,2010年 8月 1日,Vol.61 No.8,Page.622-626
調査した分野 C01B 31/00-31/36
特許請求の範囲 【請求項1】
閉鎖空間を内部に形成し有機液体との連通部を有する槽体と、
閉鎖空間内に配置した触媒担持基板であって、担持した触媒を槽体の閉鎖空間に曝し、かつ触媒を有機液体に直接に接触させない位置に配置した触媒担持基板と、
触媒担持基板の加熱装置と、
槽体の連通部において槽体の閉鎖空間と接するように配置された有機液体と、
触媒担持基板の加熱による有機液体の蒸発時にその蒸発ガスと置換される不活性ガスであり、槽体の閉鎖空間に該不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置と、を有し、
槽体の閉鎖空間が反応空間とされ、槽体の槽璧で囲まれた面全体が反応空間と有機液体との境界部となるように有機液体と槽体との連通部が形成されていることを特徴とするナノカーボン材料の製造装置。
【請求項2】
有機液体を収容し槽体全体をその有機液体中に浸漬させ得る液槽を有し、
槽体は下面開口を連通部とする反転ケース体からなり、有機液体中に浸漬された状態で内部を閉鎖空間とし、支持機構を介して液槽内の有機液体に対して浸漬、引き揚げ可能に設けられ、
さらに、槽体は、同槽体を液槽内の有機液体へ浸漬操作するとき、又は触媒担持基板を合成温度に向けて加熱昇温するとき、を含む非合成時には槽体内に不活性ガスを供給して閉鎖空間を不活性ガスによる高濃度状態とする態様と、
有機液体中での触媒担持基板の加熱によるナノカーボン材料の合成中には不活性ガスの供給を停止し有機液体の蒸発ガスで置換して閉鎖空間内を有機液体の蒸発ガスによる高濃度状態とする態様と、を有することを特徴とする請求項1記載のナノカーボン材料の製造装置。
【請求項3】
槽体の閉鎖空間に面する有機液体の液面外縁サイズが槽体の内法サイズと略同一であることを特徴とする請求項1又は2記載のナノカーボン材料の製造装置。
【請求項4】
槽体の槽壁で囲まれた面全体が有機液体と反応空間との境界をなすように槽体内の反応空間に面して有機液体を配置し、
触媒を有機液体に直接に接触させない位置で、かつ触媒を槽体の反応空間に曝した状態で触媒担持基板を配置し、
触媒担持基板が合成温度に加熱されるとき以外は、反応空間内に不活性ガスを供給し、触媒担持基板が合成温度に加熱された場合に有機液体の蒸発ガスと置換して槽体の槽壁で囲まれた面全体で有機液体蒸発ガスを供給しつつ触媒上にナノカーボン材料を合成することを特徴とするナノカーボン材料の製造方法。
【請求項5】
下面を開口した槽体内を反応空間とし該反応空間に不活性ガスを充填した状態で有機液体を収容した液槽内に槽体を浸漬し、その状態でナノカーボン材料を合成することを特徴とする請求項4記載のナノカーボン材料の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノカーボン材料の製造装置及び製造方法に係り、特に良質のナノカーボン材料を量産することができるナノカーボン材料の製造装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特異の電子物性、吸着特性、機械的特性により例えば、走査型プローブ顕微鏡(SPM)探針、電界放出ディスプレイ(FED)用エミッタ、燃料電池用水素吸蔵材料、リチウム二次電池負極材料、高密度集積回路、高性能樹脂複合材料など、極めて広範囲の応用が期待されるカーボンナノチューブの開発、研究が進められており、特に、近時は高品質のカーボンナノチューブを安定して量産できる方法が模索されている。カーボンナノチューブ(Carbon Nano Tube:CNT)は、グラファイトの層を丸めた円筒状構造で生成される炭素微結晶であり、その製造方法として従来、アーク放電法、レーザ蒸発法、化学気相成長法(CVD)などが知られている。アーク放電法は例えば対向した炭素電極間に高電圧をかけ真空下でアーク放電を行なうことにより、陰極側にカーボンナノチューブを生成し堆積させるものであり、レーザ蒸発法は、加熱雰囲気下で触媒を混合した炭素にレーザ光を当てて炭素と触媒を気化反応させてカーボンナノチューブを生成させるものであり、化学的気相成長法(CVD)は、加熱高温雰囲気内にキャリアガスとともに炭化水素ガスを導入し、金属触媒上にカーボンナノチューブを成長させるものである。アーク放電法では欠陥が少なく品質の良いCNTが得られるが、工業的に利用可能な量を得るのは困難である。また、レーザ蒸発法は比較的高い純度の単層CNTを得る事ができ、また条件変更によりチューブ径の制御が可能であるが、収量が少なく、これについても工業的に量産するのは困難である。さらに、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD法)は、炭素源となる炭素化合物を原料ガスとして供給出来るために大量合成に向くが、合成されたCNTは一般に結晶性が劣るとされている。一方、カーボンナノチューブの製造方法について、従来、特許文献1,2並びに非特許文献1の方法がさらに提案されている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2003-12312号公報
【特許文献2】特開2007-197306号公報
【0004】

【非特許文献1】K. Nakagawa et al., CatalysisLetters, 101,191 (2005), M. Nishitani-Gamo et al., Japanese Journal of AppliedPhysics, 46, 6329 (2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び非特許文献1は、基板上に金属触媒を堆積し、該基板を有機液体中で加熱してCNTを合成する方法である。しかしながら、これらの文献の方法では有機液体中に基板を浸漬して金属触媒を有機液体に直接に接触させた状態でCNTを合成させる(液中基板加熱法)ので基板がCNTの最適合成温度に到達する前に基板上の触媒が有機液体と反応してしまうため、安定して純度の高いカーボンナノチューブを得ることができなかった。また、触媒に関しては、有機液体に溶出する触媒材料はカーボンナノチューブ合成時に基板から剥離してしまうため、用いることができない。したがって、有機液体に溶出しにくい例えば鉄、コバルト、鉄系合金等を触媒として選択しなければならなかった。さらに、基板への触媒膜の付着力を高めるために、基板上にスパッタ法や真空蒸着法などでFe薄膜を堆積し、さらにFe薄膜を堆積した基板を水素プラズマ処理することによりFeを島状に微粒子とするとともに、基板に強固に結合させる必要があり、高価なスパッタ装置やプラズマ処理装置を必要とし、設備コスト、製造コストが高価となる問題があった。また、特許文献2は、触媒18を配置した石英管11を加熱炉12内に配置し、同じ石英管の端部寄りにエタノールを収容した容器16を配置し、エタノールの蒸発ガスを石英管の一端側から流すキャリアガスで触媒側に流動させてCNTを合成するものである。この装置では、加熱炉内に配置させる一方向に長い大型の石英管容器が必要であり、したがって、石英管容器及びその中の炭素源ガス全体を高温までに加熱する必要があることから、合成プロセスが複雑で加熱、冷却を含めたプロセス時間が長い。また、設備コストが高い上に、具体的な製造時の触媒や有機液体の着脱操作が煩雑で手間がかかり作業性が劣る問題があった。
【0006】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、極めて簡単な構成で、金属触媒の選択の自由度が高く、基板への担持方法が簡単であり、合成時には高濃度の炭素源ガスのみを触媒に接触して良好な品質のナノカーボン材料を量産することのできるナノカーボン材料の製造装置並びにナノカーボン材料の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、閉鎖空間2aを内部に形成し有機液体6との連通部9を有する槽体2,200と、閉鎖空間2a内に配置した触媒担持基板4であって、担持した触媒3を槽体2の閉鎖空間2aに曝し、かつ触媒3を有機液体6に直接に接触させない位置に配置した触媒担持基板4と、触媒担持基板4の加熱装置5と、槽体2の連通部9において槽体2,200の閉鎖空間2aと接するように配置された有機液体6と、触媒担持基板4の加熱による有機液体6の蒸発時にその蒸発ガスVGと置換される不活性ガスIGであり、槽体2,200の閉鎖空間2aに該不活性ガスIGを供給する不活性ガス供給装置7と、を有し、槽体2,200の閉鎖空間2aが反応空間とされ、槽体2,200の槽璧21a~21d、201a~201dで囲まれた面F全体が反応空間と有機液体6との境界部8となるように有機液体6と槽体2,200との連通部9が形成されていることを特徴とするナノカーボン材料の製造装置1、30から構成される。
【0008】
その際、ナノカーボン材料の製造装置30の槽体200は有機液体を収容し槽体全体をその有機液体中に浸漬させ得る液槽を有し、槽体は下面開口を連通部とする反転ケース体からなり、有機液体中に浸漬された状態で内部を閉鎖空間とし、支持機構を介して液槽内の有機液体に対して浸漬、引き揚げ可能に設けられ、さらに、槽体は、同槽体を液槽内の有機液体へ浸漬操作するとき、又は触媒担持基板を合成温度に向けて加熱昇温するとき、を含む非合成時には槽体内に不活性ガスを供給して閉鎖空間を不活性ガスによる高濃度状態とする態様と、有機液体中での触媒担持基板の加熱によるナノカーボン材料の合成中には不活性ガスの供給を停止し有機液体の蒸発ガスで置換して閉鎖空間内を有機液体の蒸発ガスによる高濃度状態とする態様と、を有する構成とするとよい。
【0009】
また、槽体2,200の閉鎖空間2aに面する有機液体6の液面F外縁サイズが槽体2,200の内法サイズ(x1、x2、y1、y2)と略同一とするとよい。
【0010】
また、本発明は、槽体2,200の槽壁21a~21d、201a~201dで囲まれた面F全体が有機液体6と反応空間との境界8をなすように槽体2,200内の反応空間に面して有機液体6を配置し、触媒3を有機液体6に直接に接触させない位置で、かつ触媒3を槽体2,200の反応空間に曝した状態で触媒担持基板4を配置し、触媒担持基板4が合成温度に加熱されるとき以外は、反応空間内に不活性ガスIGを供給し、触媒担持基板4が合成温度に加熱された場合に有機液体6の蒸発ガスVGと置換して槽体2,200の槽璧21a~21d、201a~201dで囲まれた面F全体で有機液体蒸発ガスVGを供給しつつ触媒3上にカーボンナノ材料Nを合成することを特徴とするナノカーボン材料の製造方法から構成される。
【0011】
その際、また、下面を開口200Aした槽体200内を反応空間とし該反応空間に不活性ガスIGを充填した状態で有機液体6を収容した液槽31内に槽体200を浸漬し、その状態でナノカーボン材料を合成することとしてもよい。
【0012】
本発明のナノカーボン材料の製造装置では、内部を閉じた槽体に有機液体を収容し、残部の容積空間を反応空間とし、触媒担持基板の加熱により合成条件を生成させて有機液体の蒸発ガスを炭素源ガスとして触媒上にナノカーボン材料を気相成長させるものである。そして、特に、槽体の閉鎖空間を反応空間とし、槽体の槽璧で囲まれた面全体が反応空間と有機液体との境界部となるように有機液体と槽体との連通部を形成している。したがって、槽体の槽璧で囲まれた反応空間の有機液体との接液面全体で有機液体と反応空間が連通しており、これによって、有機液体からの蒸発ガス全体が無駄なく反応空間に供給され、高濃度の炭素源ガス雰囲気を維持することができる。
【0013】
ナノカーボン材料の製造装置としては、閉鎖容器の形状、構成材料、大きさ、触媒担持基板のケース体への装着、着脱自在構成、合成物であるナノカーボン材料の取り出し、ケース体の具体的な形状、構造、構成材料、大きさ、触媒担持した基板の組み付け・着脱自在構造などの本発明の本質的な構成要素以外の部分は任意に設定できる。
【0014】
また、本発明は、有機液体中に槽体を浸漬させることなく、液槽内に有機液体収容部と有機液体に接する状態で反応空間としての気相空間を設け、気相空間に接するように配置した触媒を担持する基板を加熱して高温の合成温度条件下においてのみ、有機液体の蒸発ガスで触媒に気相成長させることによっても効率的にナノカーボン材料を合成することができる。
【0015】
また、本発明のナノカーボン材料の製造方法では、触媒担持基板が合成温度に加熱されるとき以外は、反応空間内に不活性ガスを供給し、触媒担持基板が合成温度に加熱された場合に有機液体の蒸発ガスと置換して槽体の槽壁で囲まれた面全体で有機液体蒸発ガスを供給しつつ触媒上にカーボンナノ材料を合成する。槽体の槽璧で囲まれた反応空間の有機液体との接液面全体で有機液体からの蒸発ガスが無駄なく反応空間に供給され、高濃度の炭素源ガス雰囲気を維持することができる。
【0016】
また、他の方法では、有機液体中に浸漬される槽体であって、少なくとも合成温度まで加熱され内壁の一部に触媒を担持させた槽体内に、外部から供給される不活性ガスを介して有機液体の蒸発ガスと置換可能な反応空間としての気相空間を設け、高温の合成温度時にのみ有機液体の蒸発ガスを、気相空間に飽和させる。そして、高温の合成温度条件が満たされた合成温度時間帯あるいは反応時間帯には、有機液体の蒸発ガスのみを気相空間である反応空間に存在させてナノカーボン材料を触媒に気相成長させ、高温の合成温度時以外の温度上昇あるいは降下途中では、気相空間には不活性ガスを供給し続けるようにしたものである。有機液体は炭素源であり、炭素を含む有機化合物の溶液である。ナノカーボン材料の合成温度は一般に900℃程度であり、加熱途中あるいは室温への放温途中に触媒が有機液体の蒸発ガス及び有機液体に接触しないように不活性ガスと置換させる。これによって、合成温度より低温での反応による不純物やアモルファスカーボンが生成しないようにする。
【発明の効果】
【0017】
本発明のナノカーボン材料の製造装置及びナノカーボン材料の製造方法によれば、閉鎖空間と有機液体とが接するように槽体及び有機液体を配置し、閉鎖空間に配置した触媒担持基板の加熱による有機液体の蒸発ガスを閉鎖空間により形成される反応空間に生成させ、合成温度で基板の触媒上にナノカーボン材料を気相成長させるから、(1)基板のみの加熱構成でよく、装置の小型化、低コスト化を達成できる。(2)また、真空装置等を必要としないから装置を低コストで構成させることができるとともに、真空から大気圧に戻す工程などが不要で、成長したナノカーボン材料の回収を簡単に行なうことができ、製造段階での操作性、工程管理が容易である。また、(3)炭素源ガスの高濃度雰囲気と大きな温度勾配相を簡単な構成で確実に実現し、これを閉鎖空間でできるので、基板の温度昇降変化により生成されやすい不純物を含まない高純度、高品質のナノカーボン材料を合成することができるとともに、成長効率を大幅に向上させることができる。(4)さらに、有機液体中での気相成長法による生成であるから、基板を介した加熱による有機液体の加熱温度調整を正確に行なってナノカーボン材料を精度良く生成制御可能である。(5)加えて、反応空間にはキャリアガスなどをほとんど含まないから温度や気体濃度あるいは密度等と関連する単層、複層のカーボンナノチューブ等合成の制御パラメータ設定を簡単に行なうことができる(6)。特に、槽体の閉鎖空間が反応空間とされ、槽体の槽璧で囲まれた面全体が反応空間と有機液体との境界部となるように有機液体と槽体との連通部が形成されることにより、合成反応に必要で合成反応にほぼすべてが利用可能な炭素源としての充分な有機液体量を確保して、反応空間内を高濃度の炭素源ガス雰囲気に維持し続けることができ、結晶性、純度等の点で良質なナノカーボン材料を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係るナノカーボン材料の製造装置の概略縦断面図である。
【図2】図1の装置の水平断面概略図である。
【図3】図1の装置を用いたナノカーボン材料の製造工程を示すフローチャート図である。
【図4】(a)は、本発明の第2実施形態に係るナノカーボン材料の製造装置の概略縦断面図、(b)は(a)の槽体の閉鎖空間と有機液体との連通部及び境界部(楕円形で囲まれた部分)を模式的に示した図である。
【図5】図4の装置の槽体部分の一部切欠き拡大斜視図である。
【図6】図4の装置の槽体部分の拡大縦断面説明図である。
【図7】図4の装置の作用説明図である。
【図8】図4の装置の作用説明図である。
【図9】図4の装置の作用説明図である。
【図10】図4の装置の作用説明図である。
【図11】図4の装置を用いたナノカーボン材料の製造工程を示すフローチャート図である。
【図12】図4の装置の変形実施例を示す槽体部分の拡大縦断面説明図である。
【図13】図4の装置の他の変形実施例を示す槽体部分の拡大縦断面説明図である。
【図14】図4の装置を用いて行った第1実施例において合成されたカーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真である。
【図15】図4の装置を用いて行った第1実施例において合成されたカーボンナノチューブの他の走査型電子顕微鏡写真である。
【図16】図4の装置を用いて行った第1実施例において合成されたカーボンナノチューブの他の走査型電子顕微鏡写真である。
【図17】(a),(b)は、図4の装置により合成温度を異ならせて合成したカーボンナノチューブのラマン分光分析結果を示す図である。
【図18】実施例1の実験で生成が確認されたカーボンナノウォール及びカーボンナノリボンを示す走査型電子顕微鏡写真画像である。
【図19】図18の要部拡大画像である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下添付図面を参照しつつ本発明の実施形態に係るナノカーボン材料の製造装置並びにナノカーボン材料の製造方法について説明するが、本発明は以下の実施形態の構成にのみ限定されるものではない。まず、ナノカーボン材料の製造装置の構成について説明する。

【0020】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るナノカーボン材料の製造装置の原理的構成を示しており、本実施形態において、ナノカーボン材料の製造装置1は、閉鎖空間2aを内部に有する槽体2と、触媒3を担持した触媒担持基板4と、加熱装置5と、槽体2内に収容された有機液体6と、閉鎖空間2aに不活性ガスIGを供給する不活性ガス供給装置7と、境界部8と、を備えている。内部を閉じた槽体2に有機液体6を収容し、残部の容積空間を反応空間とし、触媒担持基板の加熱により合成条件を生成させて有機液体の蒸発ガスを炭素源ガスとして触媒上にナノカーボン材料を気相成長させるものである。

【0021】
ここでナノカーボン材料とは、ナノもしくはミクロン単位のカーボン材料をさし、好ましくは、径がナノメートルオーダーで、長さが数ミクロンから数百ミクロンオーダーのカーボン材料で、供給された炭素原料が触媒に作用することによって得られるもので、例えばファイバー形状、チューブ形状等の種々の形状を有するカーボンを言う。

【0022】
図1において、槽体2は、四周壁21a~21dと、天壁21eと、底壁21fと、により閉じた空間2aを内部に形成した、両端を閉鎖した角筒形あるいは丸筒形の筒形槽で形成されている。四周壁21a~21dあるいは天壁21eのいずれかあるいはそれらのいくつかに図示しない点検用の開閉扉が設けられている。

【0023】
槽体2内には例えば槽体内高さの2分の1弱程度の液面高さとなるように炭素源としての有機液体6が投入されて収容配置されている。

【0024】
本実施形態において、有機液体として例えばアルコールが適用されている。有機液体6は、カーボンナノチューブ等のナノカーボン材料の合成のための炭素源であり、常温常圧で液体の炭化水素、アルコール、エステル、ケトン、有機酸その他の炭素化合物が好適に使用される。炭化水素としては炭素数が5~18の鎖状あるいは環状の炭化水素が好ましい。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。アルコールとしては、炭素数が1~16の鎖状あるいは環状の一価アルコール、多価アルコールが好ましい。例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-ブタノール、エチレングリコール等が挙げられるが、特にメタノール、エタノールが好ましい。エステルとしては、炭素数が2以上の鎖状あるいは環状エステルが好ましい。例えば、ギ酸エチル、酢酸メチル、酪酸メチル等が挙げられる。ケトンとしては、炭素数が3以上の鎖状あるいは環状のケトンが好ましい。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサンが挙げられる。有機酸としては炭素数が1~10の飽和あるいは不飽和のカルボン酸あるいはオキシカルボン酸が好ましい。これには例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、オレイン酸が挙げられる。さらに、その他の有機液体としては、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等入手が容易なものを選択できる。

【0025】
そして、閉鎖空間2aの一部、すなわち、全体の空間のうち有機液体6が占有する容積の残部の閉鎖空間が反応空間2bとされる。すなわち、本実施形態において、槽体2内の閉鎖された空間部分が反応空間2bとされ、図2に示すように槽体2の槽璧である四周壁21a~21dで囲まれた面F全体が反応空間2bと有機液体6との境界部8となるように有機液体6と槽体2との連通部9が形成されている。したがって、槽体2の槽璧で囲まれた反応空間2bの有機液体との接液面全体で有機液体6と反応空間2bが連通しており、これによって、後述するように有機液体6からの蒸発ガス全体が無駄なく反応空間2bに供給され、高濃度の炭素源ガス雰囲気を維持することができる。

【0026】
また、本実施形態では、槽体2の閉鎖空間2aに面する有機液体6の液面外縁サイズF□が槽体2の内法サイズ(x1、x2、y1、y2)と略同一で構成されている。これによって、合成反応に必要で合成反応にほぼすべて利用可能な炭素源としての充分な有機液体量を確保でき、それによって有機液体の蒸発ガスがすべて反応空間に供給され常時高濃度の炭素源ガス雰囲気維持を実効させ得る。また、触媒担持基板4が槽体2の閉鎖空間2bに挿入、取り出し自在に設けられ、槽体2内に投入された有機液体6の液面Fが反応空間2bと有機液体6との境界部8を形成するように槽体2の閉鎖空間2aは閉鎖筒形に形成されている。すなわち、槽体の内壁が平面状に設けられることにより槽体の内法全体について有機液体が収容され、有機液体の蒸発時の蒸発ガスがすべて反応空間に供給され常時高濃度の炭素源ガス雰囲気を維持しつづけることができる。

【0027】
槽体2の外面は冷却ジャケット等の冷却装置10が設けられて槽体全体を冷却する。

【0028】
槽体2内の閉鎖空間、特にその反応空間2bには、ヒータ等の加熱装置5が設置されている。実施形態では、ヒータは縦方向に長く配置されている。25は、基板温度検出用温度センサである。

【0029】
さらに、この加熱装置6のヒータに加熱される位置と槽体から引き上げられて外部に取り出す位置とに位置変更可能に触媒担持基板4が設けられている。触媒担持基板4は、例えばシリカ、アルミナ、ゼオライト,MgO、ジルコニア、チタニアを用いることができる。すなわち、触媒担持基板4は図示しない挿脱装置に支持されて、ヒータに沿うように上下方向に槽体2の反応空間2bに対して挿入、取り出し自在に設けられている。触媒担持基板4が反応空間2bに配置されたときには、それに担持させた触媒3は槽体2の閉鎖空間である反応空間2bに曝された位置であり、かつ、触媒3を有機液体6に直接に接触させない位置に配置される。触媒5としては、例えば金属触媒があり、例えばCr、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Pt、Pd、Rh、Ir、Y、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Lu等を挙げることができる。また、それらの金属の組み合わせなども用いることができる。ヒータから外部に引き出された電極11が設けられており、図示を省略した電源に接続されて加熱用電力が供給される。なお、12は、触媒担持基板4を反応空間2bに挿入した際に内部を気密閉鎖するスライドシャッタである。

【0030】
さらに、槽体2の槽璧には不活性ガス供給ポート13が設置され、不活性ガス供給装置7からガス供給管14を介して不活性ガスIGが反応空間2b内に供給される。槽体の閉鎖空間には収容された有機液体6が配置されるので、その液面高さよりも高い位置に不活性ガス供給ポート13が設置されている。さらに、この不活性ガス供給ポート13よりも低位置に有機液体供給ポート15が設置されている。有機液体供給ポート15の設置高さはこれに限らず、不活性ガス供給ポート13よりも高位置であったり、あるいは槽体の周壁に限らず、天壁などに設けてもよい。有機液体供給装置16から有機液体供給管17を介して有機液体6が槽体2の閉鎖空間2aに導入される。

【0031】
図1において、天壁21eには、そのジャケット部分を貫通し槽体の外部に突出して還流装置18が設けられている。還流装置18は、加熱による有機液体からの蒸発ガスを冷却して槽体側に還流させる還流手段であり、本実施形態において還流装置18は、天壁21eのジャケット部分を貫通し槽体2の外部に突出した閉鎖筒管19と、閉鎖筒管19内に凝縮管部20を突入させて外部に循環連通する冷却管装置22と、を備えている。冷却管装置22の冷却管内に水等の冷媒流体を流して凝縮管部20で蒸発ガスを凝縮液化させケース体内へ還流させる。なお、図中23は、有機液体の蒸発ガスや不活性ガス等のリリーフ孔である。また、24は、必要に応じて不活性ガスを供給するための上部供給用バルブであり、不活性ガス供給装置7に供給管を介して接続されている。

【0032】
なお、本実施形態において、不活性ガス供給装置、外部電源、触媒担持基板4の挿入取出し装置、加熱装置に電気的に接続した図示省略の制御装置を設け、工程制御を行なわせるようになっている。

【0033】
次に、図3を参照して第1実施形態のナノカーボン材料の作用について、その製造方法とも合わせ説明する。図3において、有機液体供給装置16を駆動して有機液体供給ポート15から例えばエタノール液を槽体2の閉鎖空間に供給し、例えば容積空間の半分程度の量を充填する(S1)。このときの、有機液体量が閉鎖空間の残部である反応空間容積を決め、この反応空間においてナノカーボン材料合成用の触媒が配置されるから、ある程度の反応空間容積を確保できる程度に有機液体投入量を設定する必要がある。

【0034】
次に、不活性ガス供給装置7を駆動して不活性ガス供給ポート13から例えばアルゴンガスAr等の不活性ガスIGを供給し反応空間2b内を高濃度に充填する(S2)。これはナノカーボン材料の合成前に触媒に酸化膜が形成されて気相成長を妨げられないようにするために酸素をパージするためである。

【0035】
次に、触媒担持基板4を反応空間2bに挿入し例えば基板に設けたガイドにより加熱装置5のヒータ5aに沿わせて密着させる(S3)。

【0036】
次に、加熱装置のヒータ5aに通電し加熱する(S4)。例えば炭素源有機液体がメタノールやエタノールの場合、64℃程度あるいは78℃程度で表面から蒸発を始め、蒸発ガスを反応空間に生成させる(S5)。加熱装置の加熱開始後に不活性ガス供給を停止する(S6)。これにより、蒸発ガスと不活性ガスが置換され反応空間2b内でしだいに蒸発ガス濃度が高くなっていく。

【0037】
昇温時に反応空間2b内は有機液体蒸発ガスの濃度をしだいに大きくし、合成温度時には高濃度の有機液体蒸発ガス雰囲気となる。そして、触媒担持基板4が目的のナノカーボン材料の合成温度の例えば900℃に到達すると触媒上にナノカーボン材料が気相成長する(S7)。このとき、反応空間2b内は高濃度の炭素源ガスが存在しかつ新たな蒸発ガスが継続して生成され続ける状態となっている。そして、反応空間内では融点が60℃~80℃程度の有機液体と900℃の基板4が近接した位置に配置されこれによって大きな温度勾配を形成している。この反応空間の雰囲気において、高温の基板表面で触媒粒子によって炭素源ガスが分解し、炭素原子が触媒粒子に溶け込んで過飽和状態になることにより、炭素原子が触媒内部から表面に析出し成長するものと考えられる。

【0038】
合成反応終了後、加熱装置5による加熱を停止し、この間、触媒担持基板4の温度が室温に戻るまで不活性ガスIGを反応空間2bに供給再開させる(S8)。これにより、触媒3の温度が低下する過程でカーボン以外の不純物やアモルファスカーボンが生成されるのを防止する。また、ヒータ停止により気相空間としての反応空間2b内で有機液体の蒸発ガスが冷却されることにより凝集し、有機液体6が反応空間2b内に浸入して、生成したナノカーボン材料が基板から剥離しないようにし得る。

【0039】
この後、触媒担持基板4を反応空間2bから引き抜いて槽体外に移動させ(S9)、所望のナノカーボン材料を回収する(S10)。

【0040】
上記のように、本実施形態のナノカーボン材料の製造装置では、ナノカーボン材料の製造装置1は、閉鎖空間2aを内部に有する槽体2と、触媒3を担持した触媒担持基板4と、加熱装置5と、槽体2内に収容された有機液体6と、閉鎖空間2aに不活性ガスIGを供給する不活性ガス供給装置7と、境界部8と、を備えている。内部を閉じた槽体2に有機液体6を収容し、残部の容積空間を反応空間とし、触媒担持基板の加熱により合成条件を生成させて有機液体の蒸発ガスを炭素源ガスとして触媒上にナノカーボン材料を気相成長させる。このとき、合成反応に必要で合成反応にほぼすべて利用可能な炭素源としての有機液体量を常時確保でき、それによって有機液体の蒸発ガスがすべて反応空間に供給され常時高濃度の炭素源ガス雰囲気を維持させる。特に、槽体の槽璧で囲まれた面全体が反応空間2bと有機液体6との境界部8となるように有機液体6と槽体2との連通部9が形成されて、槽体2の槽璧で囲まれた反応空間2bの有機液体との接液面全体から有機液体6の蒸発ガスを生成し常時反応空間内を高濃度の炭素源ガス雰囲気に維持させることができる結果、基板の温度昇降変化により生成されやすい不純物を含まない高純度、高品質のカーボンナノチューブを合成することができるばかりでなく、反応空間にはキャリアガスなどを含まないから温度や気体濃度あるいは密度等と関連する単層、複層のチューブ合成の制御パラメータ設定が簡単となる。また、真空装置や開放型でのキャリアガスの注入排気制御が不要で、かつ、槽体自体の構成が簡単であり装置コストの低コスト化を図れる。のみならず、成長したカーボンナノチューブを液体に接触させることで流されて触媒からカーボンナノチューブが離脱することが防止されるので、基体への触媒固定方法を限定させる必要がなく、よって触媒選択の自由度が高い。つまり、例えば触媒としての金属塩をゼオライト等に担持させた溶剤を作製し、基板への塗布処理、乾燥により基板へ固定したものでも適用可能である。また、化学気相合成法で単層・二層カーボンナノチューブの効率的な触媒として用いられる有機金属膜なども使用することができる。有機金属触媒として、例えば金属カルボニル、カルベン錯体、フェロセンを含むメタロセン等が挙げられる。また、ケイ素、ヒ素、ホウ素等の半金属化合物などを用いることができる。また、ディップコーティングやスピンコーティング、滴下などで簡単に良好な精度の膜厚制御が可能であり、これによって、単層、二層カーボンナノチューブ合成を簡易に実現できる。

【0041】
上記実施形態で、触媒担持基板4の槽体2の反応空間2bに対する挿入位置は、図1上、断面で左端寄り位置であるが、右端、中央寄り位置などでもよいし、また挿入方向も水平方向への挿脱構成とすることができる。また、加熱装置のヒータ5aは槽体2に固定的に設置しているが、触媒担持基板と共に、あるいは単独で反応空間に対して挿脱移動しうるようにしても良い。また、槽体2は円筒形、楕円筒形、多角筒形等の構造としてもよい。

【0042】
また、これらのナノカーボン材料の製造方法としては、槽体2の周壁21a~21dで囲まれた面F全体が有機液体6と反応空間2bとの境界8をなすように槽体2内の反応空間2bに面して有機液体6を配置し、触媒3を有機液体6に直接に接触させない位置で、かつ触媒3を槽体2の反応空間2bに曝した状態で触媒担持基板4を配置し、反応空間2b内に不活性ガスIGを供給しつつ、触媒担持基板4を加熱して材料の合成温度にある場合に有機液体6の蒸発ガスと置換して槽体2の周壁21a~21dで囲まれた面F全体で有機液体蒸発ガスを供給しつつ触媒3上にカーボンナノ材料を合成するものである。

【0043】
次に、図4ないし図10により、本発明の第2の実施形態に係るナノカーボン材料の製造装置30を説明するが、第1実施形態と同一部材には同一符号を付して説明する。第2実施形態のナノカーボン材料の製造装置30は、液槽31と、液槽31内に充填された有機液体6と、閉鎖空間2aを内部に有する槽体200と、触媒3を担持した触媒担持基板4と、加熱装置5と、閉鎖空間2aに不活性ガスIGを供給する不活性ガス供給装置7と、境界部8と、を備えている。

【0044】
この実施形態では、槽体200は下面開口200Aを連通部9とする反転ケース体からなり、さらに、有機液体6は、槽体より大きな液槽31に投入配置されている。そして、槽体200全体が開口面を下側に配置した反転状態のままで液槽31内の有機液体6内に挿入、浸漬される。槽体200全体は支持機構32を介して液槽31内の有機液体6に対して浸漬、引き揚げ可能に支持される。

【0045】
この実施形態では、下面開口200Aのみを有機液体6側に開放しているので、槽体200を反転状態で液体中に浸漬させると槽体内の閉鎖空間は槽体と有機液体により閉鎖される。したがって、この状態で外部から不活性ガスを閉鎖空間に供給すると一種の上方置換法により、不活性ガス又は有機液体の蒸発ガスが該閉鎖空間に供給される。

【0046】
具体的には、図4(a)において、液槽31は、有機液体6を内部に収容し、上面側を開閉自在とした中空容器体からなり、上面開口51は蓋部材33により開閉自在に閉鎖される。液槽31の四周壁及び底壁は、外部が液槽31の周壁及び底壁と二重壁を形成して間隙内に冷却用流体、固体などの冷却媒体が配置されて冷却装置10が形成され、液槽31内を冷却する。

【0047】
蓋部材33により槽体200は支持されて蓋部材の下方位置に吊支状に支持される。したがって、蓋部材33の開閉に応じて槽体200が有機液体6内に浸漬される状態と、引き上げられて合成されたナノカーボン材料の回収操作などに供される状態と、が形成される。

【0048】
詳しくは、図4(a)において、蓋部材33には、外部電源34に接続する電極35としての電極棒Rがその上端部を蓋部材33から上方に突設させ、下部が蓋部材33を貫通して下端側を槽体200に固定して蓋部材33により槽体200をその下方位置において支持している。したがって、蓋部材33を液槽31の開口を閉鎖するとそのまま液槽31の有機液体6内に槽体200全体が浸漬されるようになっている。ここに、支持機構32は、槽体200の支持体本体を構成する蓋部材33と、蓋部材33に上部を固定し下部側に槽体200を支持する電極棒Rと、を含む。

【0049】
また、蓋部材33の中央に穿孔した開口36を介して通流する有機液体6の蒸発ガスを凝縮還流させる還流装置18が蓋部材33から上方に突設して設けられている。還流装置18は、開口36に連通する一端のみを開口した閉鎖筒管19と、閉鎖筒管19内に凝縮管部20を突入させて外部に循環連通する冷却管装置22と、を備えている。冷却管装置22の冷却管内に水等の冷媒流体を流して凝縮管部20で蒸発ガスを凝縮液化させ液槽31の有機液体貯留部へ還流させる。なお、図中37は、不活性ガス又は有機液体蒸発ガスのリリーフ孔である。さらに、本実施形態において、蓋部材33には必要に応じて外部から不活性ガスIGを導入させるためのバルブ38、さらには後述する不活性ガス供給装置7のガス導入管42が該蓋を貫通し下端側を有機液体内に配置させて取付けあるいは、支持されている。

【0050】
有機液体は、上記第1実施形態と同様の炭素源液体を用いることができる。

【0051】
前述の通り、槽体200は、下面を開放し開放壁面側を下向きに配置させた上下反転ケースの態様で有機液体6中に配置される。詳細には、槽体200は、下面の開口200Aを有し、四周壁201a~201dと、天壁201eとにより下面を開口した中空立体矩形状で構成されている。特に、本実施形態では、四周壁の側壁201bを触媒担持基板4が兼用して壁体を構成している。触媒担持基板4は槽体200の一壁部として一体的に成形あるいは組み付けされている。槽体200は耐熱性で有機液体と化学反応しない素材で例えば石英ガラスその他の構造物壁体から構成される。槽体200はその内部温度を測定してカーボンナノチューブ等のナノカーボン材料の合成温度を検知する必要があり、不透明材などの非透過性素材を用いた場合には、温度測定用の透過窓などを形成するとよい。また、触媒担持基板4の加熱温度を検出する加熱温度検出手段としての放射温度計40、並びにケース体内温度検出のための図示しない温度センサが設置されている。槽体200の具体的な外形、内部構造、材質は加熱合成条件生成、不活性ガスと有機液体蒸発ガスとの置換機能を損なわない限りにおいて、任意に設定することができる。

【0052】
触媒担持基板4は、加熱によりカーボンナノチューブを成長させる基体であり、触媒3を担持する支持手段である。基板材料として、例えばシリカ、アルミナ、ゼオライト、MgO、ジルコニア、チタニアを用いることができる。さらに、シリコン基板、耐熱ガラス基板、石英基板などの無機材料あるいはポリマー基板等の有機材料さらにはそれらの複合材料を選択することもできる。図4ないし図6において、触媒担持基板4は電極35を構成する電極棒Rの下端に接続されたヒータ5aに図示しないホルダを介して密着状に取り付けられており、これによって、電極棒Rを介して槽体200全体が液中で位置や開口の方向を決められて蓋部材33ににより安定して支持されている。加熱装置5は、ヒータ5a、電極35、外部の直流電源34を含む。

【0053】
触媒5としては、例えば金属触媒があり、例えばCr、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Pt、Pd、Rh、Ir、Y、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Lu等を挙げることができる。また、それらの金属の組み合わせなども用いることができる。

【0054】
基板上に金属触媒を担持させる方法として、水、アルコールなどの溶媒に金属塩を溶かして含浸させた担体をディップコーティングやスピンコーティングにより基板上に塗付させ、乾燥させて触媒を基板上に固定させたものなどを用いることができる。なお、コスト高等を考慮しなければスパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、熱CVD、レーザCVDその他任意の薄膜形成手段を用いてもよい。さらに、本実施形態では、槽体200の構造材の全部又は一部を上記金属触媒材料で形成させることもできる。

【0055】
そして、槽体200の内部が反応空間2bとされ、有機液体6の蒸発ガスVGが連通部9としての下面開口200Aから導入されて触媒3に接触する。すなわち、本実施形態において、槽体200の閉鎖空間200a全体が反応空間とされ、図4(a)、(b)、図5~図10に示すように槽体200の槽璧である四周壁201a~201dで囲まれた面F全体が反応空間(200a)と有機液体6との境界部8となるように有機液体6と槽体2との連通部9が形成されている。したがって、槽体200の槽璧で囲まれた反応空間の有機液体との接液面全体で有機液体6と反応空間が連通しており、これによって、有機液体6からの蒸発ガスVG全体が無駄なく反応空間に供給され、高濃度の炭素源ガス雰囲気を維持することができる。

【0056】
さらに、上記の反応空間としての槽体200内閉鎖空間に不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置7が設けられている。不活性ガス供給装置7は、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)等の希ガスや窒素(N)ガスなどのように、化学反応を起こしにくい、あるいは反応性の低い物質のガスを必要に応じてケース体の反応空間内に供給し、密閉容器の有機液体6内に槽体200を配置させたときに、有機液体6が反応空間内に進入しないようにさせる液中での気相成長補助手段であり、本実施形態では加熱装置で触媒担持基板4を加熱し合成温度でカーボンを気相成長させているとき以外は槽体200内に不活性ガスIGが供給される。すなわち、不活性ガス供給装置7は槽体200の下面開口200Aに出口41が臨むように配置された不活性ガス導入管42を介して槽体内の反応空間に不活性ガスを供給駆動させる。不活性ガス供給装置7は必ずしも出口41を下面開口200Aに臨むように配置させた不活性ガス導入管42を槽体と別体に設けて配管した構成に限られず、例えば不活性ガス導入管42の先端を槽体200の周壁の1つに直接に連結して槽体内と連通させてもよい。

【0057】
図4に示すように、本実施形態において、不活性ガス供給装置7、外部電源34、基板温度検出センサとしての放射温度計40(図6)に電気的に接続された管理装置44が設けられている。管理装置44は、槽体200の有機液体6内への挿入、引き上げ、加熱装置5による加熱、合成温度条件生成、合成終了、などの工程を基板温度検出センサで温度検出しながら制御する管理手段であり、例えば演算制御機能を備えたコントローラ等が用いられる。

【0058】
次に、図7ないし図10並びに図11の工程フローチャートを参照して第2実施形態のナノカーボン材料の作用並びに製造方法について説明する。まず、液槽31内に有機液体6を導入し収容させる。このとき、槽体200全体を少なくとも完全に浸漬させさらにその状態で槽体の下面開口200Aから液槽の底壁まである程度深さ方向に余裕を有する程度の量の有機液体を投入させる(S11)。次に、外部のガス供給駆動装置により不活性ガス導入管42から不活性ガスを槽体200内に導入しながら蓋部材33を液槽の上部開口に閉蓋するように操作し、触媒担持基板4を付随させた槽体200を有機液体6中に浸漬する(図7)(S12)。このとき、不活性ガスIGが槽体200内に注入され続ける(S13)からこれらの機器を液中に沈降移動させる際に液圧が上昇して槽体内、つまり、反応空間内に有機液体が浸入するのを防止する(図8)。

【0059】
次に、電源34、電極35を介してヒータ5aに通電を開始し触媒担持基板4を加熱する(S14)。この際、基板温度が合成温度に達するまで不活性ガスIGを導入し続ける。有機液体6としてメタノールやエタノール等の低級アルコールを用いる場合、これらは沸点が64.7℃、78.3℃であり、加熱開始後、間もなくして有機液体表面から蒸発を始める(S15)。そして、たとえば900度程度の高温の合成温度に達する前に反応空間内は高濃度の炭素源ガス雰囲気が生成される。このとき、不活性ガスIGが槽体200内に導入され続けることで、槽体200の下面開口200Aに面する部分の有機液体は反応空間内に進入できなくされる。したがって、反応空間内で蒸発ガス濃度を高くしながら、反応空間内に支持された触媒に有機液体が直接に接触しないように保持される。この結果、設定温度以下でカーボン等目的となる物質以外の不純物が合成されて品質が劣るナノカーボン材料を生成しないようにしている。

【0060】
900℃程度の合成温度に達すると不活性ガス導入管42からの不活性ガス導入を停止し(S16)、一方、ヒータ5aによる加熱を維持して所要の合成時間中加熱を継続する(図6)。不活性ガス導入の停止により、それまで注入されていた不活性ガスIGが有機液体の蒸発ガスVGと置換されて(図9)、反応空間内が有機液体の蒸発ガスVGで飽和する。この状態で、ほぼ炭素源ガスのみが触媒3に接触し、気相雰囲気下でナノカーボン材料Nが成長する(S17)。この反応メカニズムはある程度推測されるとおり、高温の基板表面で触媒粒子によって炭素源ガスが分解し、炭素原子が触媒粒子に溶け込んで過飽和状態になることにより、炭素原子が触媒内部から表面に析出し成長するものと考えられる。

【0061】
ナノカーボン材料Nが成長し合成終了したら、ヒータ41の電源を切ると同時、あるいはその直前、直後に外部の不活性ガス供給装置7を供給駆動させて不活性ガス導入管42から不活性ガスIGの槽体200内への供給を再開する(図10)。この不活性ガスIGの槽体200内への供給は、触媒担持基板4の温度が室温に戻るまで継続される(S18)。これにより、触媒3の温度が低下する過程でカーボン以外の不純物やアモルファスカーボンが生成されるのを防止する。また、ヒータ停止により気相空間としての反応空間内で有機ガスが冷却されることにより凝集し、有機液体6が反応空間内に進入して生成したナノカーボン材料Nが基板から剥離しないようにし得る。そして、不活性ガスIGを槽体200内へ導入しながら蓋部材33を操作して槽体200を有機液体6から引き上げて取り出し、ナノカーボン材料を回収する(S19)、(S20)。このようにして、槽体200の下面開口200Aからの有機液体6の蒸発ガスVGと外部から供給される不活性ガスIGとの交換により触媒3と有機液体6とを非接触としつつ有機液体蒸発ガスVGを反応空間内に飽和させて触媒担持基板4の合成温度条件においてナノカーボン材料Nを合成させる工程と、触媒担持基板4が合成温度に到達する前後において、基板温度の加熱上昇時及び加熱停止後の非加熱放冷時に、外部から不活性ガスを槽体内に供給する工程と、を実行させる。

【0062】
上述したように、本実施形態のナノカーボン材料の製造方法によれば、炭素源としての有機液体中に、反応空間内に触媒を曝して担持した基板と協働する槽体を浸漬させ、その状態で触媒担持基板を加熱する。ナノカーボン材料の合成温度で合成中は浸漬液体の蒸発ガスを反応空間に飽和させるとともに、合成温度以下の時間帯には不活性ガスを反応空間内に満たして特定温度域で炭素源ガスのみを触媒に接触させて合成する。これによって、基板の温度昇降変化により生成されやすい不純物を含まない良好な品質のナノカーボン材料を合成することができるばかりでなく、反応空間にはキャリアガスなどを含まないから温度や気体濃度あるいは密度等と関連する単層、複層のチューブ合成の制御パラメータ設定等が簡単となる。また、真空装置や開放型でのキャリアガスの注入排気制御が不要で、かつ、槽体自体の構成が簡単であり装置全体の小型化、装置コストの低コスト化を図れる。のみならず、成長したナノカーボン材料を液体に接触させることで流されて触媒からナノカーボン材料が離脱することが防止されるので、基体への触媒固定方法を限定させる必要がなく、よって触媒選択の自由度が高い。つまり、例えば触媒としての金属塩をゼオライト等に担持させた溶剤を作製し、基板への塗布処理、乾燥により基板へ固定したものでも適用可能である。また、化学気相合成法で単層・二層カーボンナノチューブの効率的な触媒として用いられる有機金属膜なども使用することができる。有機金属触媒として、例えば金属カルボニル、カルベン錯体、フェロセンを含むメタロセン等が挙げられる。また、ケイ素、ヒ素、ホウ素等の半金属化合物などを用いることができる。また、ディップコーティングやスピンコーティング、滴下などで簡単に良好な精度の膜厚制御が可能であり、これによって、単層、二層カーボンナノチューブ合成を簡易に実現できる。

【0063】
また、本実施形態においても、槽体2内に投入された有機液体6の液面面積F全体がそのまま槽体の内法サイズとなっているので、有機液体の蒸発時の蒸発ガスがすべて反応空間に供給され常時高濃度の炭素源ガス雰囲気を維持しつづけることができる。

【0064】
上記した第2実施形態の構成は限定的なものではない。例えば図12のように、触媒3を担持した触媒担持基板4は天壁201e側に配置されて天壁と兼用され、さらに、その基板4にヒータ5aが密接配置されるようにしてもよい。また、図13のように、下面開口200Aの中央部にヒータ5a、触媒担持基板4を設置し、基板4の両側の隙間から有機液体を蒸発ガスとして導入させることもできる。また、槽体200は円筒形、楕円筒形、多角筒形等の構造としてもよい。
【実施例1】
【0065】
本願発明者は、本発明の装置を用いてナノカーボン材料を製造し得ることを検証するために、下記の実験を行った。
【実施例1】
【0066】
<有機溶液>図4の装置の液槽内に炭素源有機液体として高純度エタノール(99.5%)を容器容積の80%程度収容した。
<基板>Si(100)面方位、寸法9×15×0.5mmのシリコン基板を用いてカーボンナノチューブの合成試験を行なった。基板はあらかじめアセトン中で超音波洗浄し、さらに大気中1000℃で一時間、酸化処理を行い基板表面にSiO膜を形成させた。
<触媒の調製>
(1)エタノール4mlに触媒原料となる酢酸鉄と酢酸コバルトを溶かした溶液に、ゼオライト(超安定化Y型、平均細孔直径0.74nm)0.1gを超音波分散させた。金属重量比はゼオライトに対してそれぞれ2.5wt%とした。
(2)80℃でエタノールを蒸発させて乾燥させた。
(3)得られた乾燥粉末をエタノール溶液4mlに再度超音波分散させた。
(4)80℃でエタノールを蒸発させ、ゼオライトへ触媒原料を担持させた。
(5)酢酸鉄担持ゼオライトを0.7wt%の割合でエタノール中に分散させ触媒原料担体分散液とした。
(6)100℃に加熱したSi基板上に触媒原料担体分散液を滴下して触媒原料担体塗付膜を形成した。
<合成>(6)で触媒原料担体を塗付したSi基板を槽体200にセットし、槽体200内に窒素(N)ガスを導入しながら槽体200をエタノール中に沈降配置させた。そして、基板表面温度を放射温度計で外部から計測しながら基板背後のカーボンヒータ5aに直流電流を流し、基板を加熱した。そして、基板表面温度を700℃から1100℃まで50℃刻みで合成温度条件を変えてそれぞれ合成実験を行った。設定した合成温度への昇温途中も槽体200内に窒素(N)ガスを導入し続け、基板表面温度が設定した合成温度に達した時点で窒素ガス導入を停止し、窒素ガスと置換して反応空間に飽和したエタノール蒸発ガスと触媒とを反応させて10分間カーボンナノチューブを成長させた。窒素ガス導入を停止し、エタノール蒸発ガスが反応空間に進入して窒素ガスと置換する際に、気相の反応空間から窒素ガスやエタノールガス、反応による生成ガスが泡となって槽体200内から排出されるのが観察された(図9参照)。窒素ガス導入停止から10分後に窒素ガス導入を再開し、同時にヒータへの通電を停止した。そして、基板温度が室温に戻ってから基板上に堆積したカーボンナノチューブとともに、槽体200をエタノール中から取り出した。
【実施例1】
【0067】
図14、図15、図16は、上記実施例1の実験により同じ基板に成長したカーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron
Microscope、SEM)画像で図14が二層のカーボンナノチューブ、図15、図16が単層のカーボンナノチューブを示す。図14の二層カーボンナノチューブでは、チューブが入れ子状に配置され間隔の狭い筋が見られる。図15より、側面が濃い二本線で直径が1.0[nm]程度でバンドル状の何本かの束となった単層カーボンナノチューブが確認される。また、図16では、結晶性の高い1本の単層カーボンナノチューブが確認される。
【実施例1】
【0068】
図17(a),(b)は、実施例1の実験の結果合成されたカーボンナノチューブで合成温度が850℃の場合と、900℃の場合でのラマン分光スペクトルを示す。計測は、レーザ波長532[nm]で行なった。(a)の合成温度が850℃及び(b)の合成温度が900℃のいずれの場合においても、232cm-1でピーク(RBM:radial breathing mode)が観察され、単層カーボンナノチューブの合成が確認される。(b)の合成温度900℃のほうがシグナルが強く出ており、より多くのカーボンナノチューブが生成していることが分かる。また、このときのカーボンナノチューブの直径は、248/(RBMのラマンシフト(cm-1))より、248/232=1.07nmとされる。
【実施例2】
【0069】
図4の装置を用いて行なった実施例1の実験で同じ触媒にカーボンナノチューブとともに、カーボンナノウォール及びカーボンナノリボン(グラフェン)の生成を確認した。走査型電子顕微鏡写真画像の図18中、糸くずのように見えているのがカーボンナノウォールCW、塊ZLがゼオライト、ゼオライトのしまの橋渡しをしている紐状に見えるものがカーボンナノリボン(グラフェン)CRである。図19は、図18の拡大画像である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明のナノカーボン材料の製造装置並びにその方法により得られるナノカーボン材料は、エレクトロニクス分野、ナノテクノロジー分野、環境、エネルギー分野、各種複合材料分野において利用可能である。例えば、エレクトロニクス分野においては、電界効果トランジスタその他の電子素子、ナノ配線、フラットパネルディスプレイ(電界放出型電子源)、透明電極などにおいて適用できる。ナノテクノロジー分野では、ナノピンセット、走査型プローブ顕微鏡探針、ナノ試験管などでの利用が見込める。また、環境、エネルギー分野では、ガスセンサ、水素吸蔵材料、リチウム電池、太陽電池などでの応用が期待できる。さらに、医療分野においては、薬の体内輸送・放出に用いるナノカプセルや注射針などの応用が考えられる。
【符号の説明】
【0071】
1、30 ナノカーボン材料の製造装置
2、200 槽体
2a 閉鎖空間
2b 反応空間
3 触媒
4 触媒担持基板
5 加熱装置
6 有機液体
7 不活性ガス供給装置
8 境界部
9 連通部
10 冷却装置
16 有機液体供給装置
21a~21d、201a~201d 四周壁
31 液槽
33 蓋部材
IG 不活性ガス
VG 蒸発ガス
F 槽璧で囲まれた面
N ナノカーボン材料
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図17】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図19】
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