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明細書 :芳香族化合物、並びに、それを用いたオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体、オリゴヌクレオチド誘導体及びオリゴヌクレオチド構築物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5721180号 (P5721180)
登録日 平成27年4月3日(2015.4.3)
発行日 平成27年5月20日(2015.5.20)
発明の名称または考案の名称 芳香族化合物、並びに、それを用いたオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体、オリゴヌクレオチド誘導体及びオリゴヌクレオチド構築物
国際特許分類 C07F   7/18        (2006.01)
C07F   9/09        (2006.01)
C07F   9/6558      (2006.01)
C07D 213/40        (2006.01)
C07H  21/00        (2006.01)
C07H  21/02        (2006.01)
C07H  21/04        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
C12N  15/113       (2010.01)
C12Q   1/68        (2006.01)
FI C07F 7/18 CSPL
C07F 7/18 T
C07F 9/09 U
C07F 9/6558
C07D 213/40
C07H 21/00
C07H 21/02
C07H 21/04
C12N 15/00 A
C12N 15/00 G
C12Q 1/68 A
請求項の数または発明の数 17
全頁数 38
出願番号 特願2011-545226 (P2011-545226)
出願日 平成22年12月8日(2010.12.8)
国際出願番号 PCT/JP2010/072020
国際公開番号 WO2011/071078
国際公開日 平成23年6月16日(2011.6.16)
優先権出願番号 2009278456
優先日 平成21年12月8日(2009.12.8)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成25年10月23日(2013.10.23)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304019399
【氏名又は名称】国立大学法人岐阜大学
発明者または考案者 【氏名】北出幸夫
【氏名】喜多村徳昭
個別代理人の代理人 【識別番号】100118706、【弁理士】、【氏名又は名称】青山 陽
審査官 【審査官】井上 千弥子
参考文献・文献 英国特許第00887174(GB,B)
国際公開第2007/094135(WO,A1)
J. Org. Chem.,2000年,65(17),pp. 5216-5222
Journal of Heterocyclic Chemistry,1972年,9(6),pp. 1209-14
LEUNG,A.N. et al,Effect of spacer geometry on oxoanion binding by bis- and tetrakis-thiourea hosts,Tetrahedron,2008年,Vol.64, No.11,p.2530-2536
LEE,K.H. et al,C3-Symmetric metacyclophane-based anion receptors with three thiourea groups as linkers between arom,Tetrahedron Letters,2000年,Vol.41, No.32,p.6083-6087
SMITH,J. et al,Solid and Solution Phase Organic Syntheses of Oligomeric Thioureas,Journal of Organic Chemistry,1996年,Vol.61, No.25,p.8811-8818
調査した分野 C07C
C07D
C07F
C07H21/00
CAplus/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記構造式(A)で示されることを特徴とする芳香族化合物(ただし、式中のR~Rはそれぞれ独立して水素又は水素以外の置換基を示す。また、式中Z及びZはそれぞれ独立してCH又は窒素を示し、Xは酸素又はイオウを示す。また、Pr及びPrはそれぞれ独立してベンジル基、アセチル基又はベンゾイル基を示す。)。
【化1】
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【請求項2】
下記構造式(A)で示されることを特徴とする請求項1に記載の芳香族化合物(ただし、式中のR及びRはそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、ハロアルキル基及びハロゲン基のいずれかであり、Z及びZはそれぞれ独立してCH又は窒素を示し、Xは酸素又はイオウを示す。また、Pr及びPrはそれぞれ独立してベンジル基、アセチル基又はベンゾイル基を示す。)。
【化2】
JP0005721180B2_000024t.gif

【請求項3】
下記構造式(A)で示されることを特徴とする請求項1に記載の芳香族化合物(ただし、Pr及びPrはそれぞれ独立してベンジル基、アセチル基又はベンゾイル基を示す。)。
【化3】
JP0005721180B2_000025t.gif

【請求項4】
下記構造式(a)で示されるユニットが直接又はリンカーを介して担体に化学修飾されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体(ただし、式中のR~Rはそれぞれ独立して水素又は水素以外の置換基を示す。また、式中Z及びZはそれぞれ独立してCH又は窒素を示し、Xは酸素又はイオウを示す)。
【化4】
JP0005721180B2_000026t.gif

【請求項5】
下記構造式(a)で示されるユニットが直接又はリンカーを介して担体に化学修飾されていることを特徴とする請求項4に記載のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体(ただし、式中のR及びRはそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、ハロアルキル基及びハロゲン基のいずれかであり、Z及びZはそれぞれ独立してCH又は窒素を示し、Xは酸素又はイオウを示す)。
【化5】
JP0005721180B2_000027t.gif

【請求項6】
下記構造式(a)で示されるユニットが直接又はリンカーを介して担体に化学修飾されていることを特徴とする請求項4に記載のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体。
【化6】
JP0005721180B2_000028t.gif

【請求項7】
オリゴヌクレオチドの3´末端が下記構造式(a)で示されるユニット(ただし、式中のR~Rはそれぞれ独立して水素又は水素以外の置換基を示す。また、式中Z及びZはそれぞれ独立してCH又は窒素を示し、Xは酸素又はイオウを示す)で修飾されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド誘導体。
【化7】
JP0005721180B2_000029t.gif

【請求項8】
オリゴヌクレオチドの3´末端が下記構造式(a)で示されるユニット(ただし、式中のR及びRはそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、ハロアルキル基及びハロゲン基のいずれかであり、Z及びZはそれぞれ独立してCH又は窒素を示し、Xは酸素又はイオウを示す)で修飾されていることを特徴とする請求項7に記載のオリゴヌクレオチド誘導体。
【化8】
JP0005721180B2_000030t.gif

【請求項9】
オリゴヌクレオチドの3´末端が下記構造式(a)で示されるユニットで修飾されていることを特徴とする請求項7に記載のオリゴヌクレオチド誘導体。
【化9】
JP0005721180B2_000031t.gif

【請求項10】
前記オリゴヌクレオチドは所定の遺伝子mRNAの部分配列又はその相補配列を有する請求項7乃至9のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド誘導体。
【請求項11】
前記オリゴヌクレオチドの鎖長は10以上35以下である請求項7乃至10のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチド誘導体。
【請求項12】
前記オリゴヌクレオチドはオリゴリボヌクレオチドであることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチド誘導体。
【請求項13】
遺伝子発現調節用オリゴヌクレオチド構築物であって、
請求項7乃至12のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド誘導体を有する構築物。
【請求項14】
1本鎖及び2本鎖DNA、1本鎖及び2本鎖RNA、DNA/RNAキメラ並びにDNA/RNAハイブリッドから選択される遺伝子発現調節用オリゴヌクレオチド構築物であって請求項13に記載の構築物。
【請求項15】
アンチジーン、アンチセンス、アプタマー、siRNA、miRNA、shRNA及びリポザイムから選択される請求項13又は14に記載の構築物。
【請求項16】
遺伝子診断用オリゴヌクレオチド構築物であって、請求項13乃至15のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド誘導体を有する構築物。
【請求項17】
プローブ又はプライマーであることを特徴とする請求項16に記載の構築物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族化合物、並びに、それを用いたオリゴヌクレオチド誘導体合成用ウレア修飾型担体、オリゴヌクレオチド誘導体、及びオリゴヌクレオチド構築物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DNAやRNAなど各種のオリゴヌクレオチドが治療、診断等の用途に用いられるようになってきている。例えば、診断用途においては、DNAチップやDNAマイクロアレイが挙げられ、治療用途では、治療関連遺伝子の導入ほか、疾患関連遺伝子のノックダウンによる発現抑制等が挙げられる。また、特定の分子と特異的に結合する核酸分子やペプチドであるアプタマーを治療薬として用いる試みもなされている。
【0003】
特に注目される核酸技術としては、RNA干渉(RNAi)を利用した、特定遺伝子のノックダウン法が挙げられる。RNAiとは、二本鎖RNA(dsRNA)の働きによって、それと配列の相同な遺伝子の働きが抑制される現象をいう。RNAiによる遺伝子発現の抑制は、dsRNAがRNaseIIIファミリーの一種であるDicerによって認識され、切断されて21~23量体のsiRNAs(short interfering RNAs)となり、このsiRNAがRISC(RNA-induced silencing complex)に取り込まれ、続いて取り込まれたsiRNAに相同的なmRNAが中央部で切断され、分解されることによる。
【0004】
しかしながら、生体内において外来性のDNAやRNAは、各種のヌクレアーゼに曝されており、特にRNAはヌクレアーゼにより分解されやすいため、意図したノックダウン効果が充分得られなかったり、ノックダウン効果を安定的に維持させるのが困難であったりするという問題があった。
【0005】
この問題を解決するため、オリゴヌクレオチドを化学修飾してヌクレアーゼ耐性を向上させることが検討されている(非特許文献1~3)。例えば、siRNAについても、図1に示すように、糖や塩基やリン酸エステルの部位を様々な置換基で化学修飾することが試みられている(非特許文献4)。
【0006】
こうした状況下、本発明者は、特許文献1に記載されているように、ベンゼン骨格やピリジン骨格を導入するためのアミダイト試薬をCPG樹脂に修飾し(例えば図2及び図3参照)、ヌクレオチドの3´末端にベンゼン骨格やピリジン骨格を有するユニットを2つ導入することに成功している。この技術は、以下に示すような、RNAiにおける3´末端ダングリングエンドの重要な役割を考慮して開発されたものであり、ノックダウンの効果を低下させることなく、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を向上させることができる。
【0007】
すなわち、RNAiの標的mRNAの分解の過程に関与するマルチドメインタンパクとしてRISCが知られているが、近年、RISC中のPAZドメインとsiRNAの共結晶X線結晶構造解析が行われた(J.B.Ma.,K.Ye and D.J.Patel.,Nature.,429,318-322(2004).)。その結果、PAZドメインはsiRNAの3´末端ダングリングエンドを認識しており、3´末端ダングリングエンドの2つのヌクレオチドがPAZドメインの疎水性ポケットに入り込んで認識されていることが明らかとなった(J.J.Song.,J.Liu.,N.H.Tolia.,J.Schneiderman.,S.K.Smith.,R.A.Martienssen.,G.J.Hannon and L.Joshua-Tor.,Nat.Struct.Biol.,10,1026-1032 (2003)、K.S.Yan.,S.Yan.,A.Farooq.,A.Han.,L.Zeng and M.M.Zhou.,Nature.,426,468-474 (2003)、Zhang.,F.A.Kolb.,L.Jaskiewicz.,E.Westhof and W.Filipowicz.,Cell.,118,57-68 (2003)及びA.Lingel.,B.Simon.,E.Izaurralde and M.Sattler.,Nature.,426,465-469 (2003))。このため、3´末端ダングリングエンドの2つのヌクレオチドの代わりに、疎水性を有するベンゼン骨格やピリジン骨格を2つ化学修飾すれば、ノックダウンの効果を高めることができるのではないかという発想のもと、特許文献1に記載されたオリゴヌクレオチド誘導体が開発されたのである。
【0008】
なお、本発明に関連する技術として、本発明者らは、siRNAの3´末端ダングリングエンドのリン酸ジエステル結合部分をカルバメート結合やウレア結合に変換し、これによって結合部分の負電荷をなくし、細胞核の膜への透過性を良好にすることにより、siRNAのヌクレアーゼ耐性とサイレンシング活性とを高めることにも成功している(非特許文献5)。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】WO2007/094135
【0010】

【非特許文献1】L.Beigelman.,J.A McSwiggen.,K.G.Draper et al.,J Biolchem 270,25702-25708(1995)27
【非特許文献2】S.P.Zinnen K.Domenico., M. Wilson et al., RNA 8,214-228(2002)
【非特許文献3】S.Agrawaland E.R.KandimaIla., Curr. Cancer Drug Targets.,1,197-209(2001)
【非特許文献4】H.Hoshi, FEBS Letters 521,197-199(2002)
【非特許文献5】Y.Ueno,T.Naito,K.Kawada,A.Shibata,Hye-Sook Kim Y.Wataya,Y.Kidade,Biochem Biophys Res Commun330,1168-1175(2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、上記特許文献1に記載されている、3´末端にベンゼン骨格やピリジン骨格を2つ化学修飾させたオリゴヌクレオチド誘導体を合成する際に使用する担体の調製には多くの工程が必要であり、極めて手間がかかるものであった(例えば図2及び図3参照)。また、この担体の調製には、化学的に不安定なアミダイト体と、リンカーを介して担体に結合したベンゼン骨格やピリジン骨格に結合しているヒドロキシメチル基とを反応させなければならず、この一連の反応を成功させるためには、高度に訓練された技術者によって注意深く行わなければならないという問題があった。
【0012】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、3´末端にベンゼン骨格及びピリジン骨格のうち2つの骨格が化学修飾されたオリゴヌクレオチド誘導体を容易に合成することが可能であり、しかも少ない工程数で容易に合成することができるオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体、及び、そのオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体を調製するための前駆体となる芳香族化合物を提供することを目的とする。
また、3´末端にベンゼン骨格及びピリジン骨格のうち2つの骨格が化学修飾されたオリゴヌクレオチド誘導体であって、細胞膜への透過性が良好で、優れたヌクレアーゼ耐性を有するオリゴヌクレオチド誘導体及びオリゴヌクレオチド構築物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記特許文献1に記載されている、3´末端にベンゼン骨格やピリジン骨格を2つ化学修飾させたオリゴヌクレオチド誘導体を合成する際に使用する担体の調製では、DNAやRNAの合成に用いられているアミダイト体と同様の手法により、芳香族環どうしがリン酸ジエステル結合によって連結される。このため、中間体として化学的に不安定なアミダイト体を用いることとなり、これが合成のための工程数の増加や合成の困難性の原因となっていた。このため、本発明者らは、芳香族環どうしをリン酸ジエステル結合で連結するのではなく、尿素結合により連結することとした。尿素結合による芳香族環どうしの連結はカルボニルジイミダゾールを用いてカップリングすることにより極めて容易かつ定量的に形成させることができるからである。また、チオ尿素結合による連結においても、同様の原料から対応するイソチオシアネートを経由して、極めて容易かつ定量的にチオ尿素結合を形成させることができる。
【0014】
すなわち、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体は、下記構造式(a)で示されるユニットが直接又はリンカーを介して担体に化学修飾されていることを特徴とする(ただし、式中のR~Rはそれぞれ独立して水素又は水素以外の置換基を示す。また、式中Z及びZはそれぞれ独立してCH又は窒素を示し、Xは酸素又はイオウを示す)。R~Rにおいて水素以外の置換基としては、例えばアルキル基、アリール基、ハロアルキル基及びハロゲン基等が挙げられる。
【0015】
【化1】
JP0005721180B2_000002t.gif

【0016】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体では、芳香族環どうしが尿素結合又はチオ尿素結合により連結しており、末端の芳香族環にはヒドロキシメチル基が結合している。このため、DNAやRNAの合成に多用されているアミダイト体を、このヒドロキシメチル基に結合させることにより、任意の配列のオリゴヌクレオチドを連結させることができる。また、この尿素結合による芳香族環どうしの連結は、カルボニルジイミダゾールを用いてカップリングすることにより極めて容易かつ定量的に形成させることができる。また、チオ尿素結合による連結においても、同様の原料から対応するイソチオシアネートを経由して、極めて容易かつ定量的にチオ尿素結合を形成させることができる。
【0017】
ここで担体は、上記構造式(a)(化1)で示されるユニットやリンカーと結合できる官能基を有するものであれば、特に限定はされない。このような担体として、例えば、微小多孔質ガラスやポーラスガラス等のガラス、プラスチック(例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)等が挙げられる。担体の形状としては、ビーズ状、板状(基板状)、糸状、球状、多角形状、粉末状等、どのような形状のものであってもよい。
【0018】
また、リンカーは、上記構造式(a)(化1)で示されるユニットと担体とをリンカーを介して化学結合できるものであれば、特に限定はされることはなく、例えば、DNAやRNAの自動合成において通常用いられているリンカーを用いることができる。さらに具体的には、以下に示すコハク酸エステルリンカー、シュウ酸エステルリンカー、シランジイルリンカー、シリルリンカーなどを用いることができる。
【0019】
【化2】
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【0020】
上記本発明のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体は、下記構造式(A)で示される芳香族化合物を前駆体として容易に調製することができる(ただし、式中のR~Rはそれぞれ独立して水素又は水素以外の置換基を示す。また、式中Z及びZはそれぞれ独立してCH又は窒素を示し、Xは酸素又はイオウを示す。Pr及びPrはそれぞれ独立して水酸基の保護基を示す。)。
【0021】
【化3】
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【0022】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体は、下記構造式(a)で示されるユニットが直接又はリンカーを介して担体に化学修飾されていてもよい(ただし、式中のR及びRはそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、ハロアルキル基及びハロゲン基のいずれかであり、Z及びZはそれぞれ独立してCH又は窒素を示し、Xは酸素又はイオウを示す)。R及びRにおいて特に好ましいのはアルキル基又はフルオロアルキル機等のハロアルキル基である。本発明者らは、このようなオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体を用いれば、少ない工程数で容易かつ高い収率でオリゴヌクレオチド誘導体を合成できることを確認している。
【0023】
【化4】
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【0024】
このオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体は、下記構造式(A)で示される芳香族化合物を前駆体として容易に調製することができる(ただし、式中のR及びRはそれぞれ独立アルキル基、アリール基、ハロアルキル基及びハロゲン基のいずれかであり、Z及びZはそれぞれ独立してCH又は窒素を示し、Xは酸素又はイオウを示す。また、Pr及びPrはそれぞれ独立して水酸基の保護基を示す。)。R及びRにおいて特に好ましいのはアルキル基又はフルオロアルキル機等のハロアルキル基である。
【化5】
JP0005721180B2_000006t.gif

【0025】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体は、下記構造式(a)で示されるユニットが直接又はリンカーを介して担体に化学修飾されていてもよい。本発明者らは、このようなオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体を用いても、少ない工程数で容易かつ高い収率でオリゴヌクレオチド誘導体を合成できることを確認している。
【0026】
【化6】
JP0005721180B2_000007t.gif

【0027】
このオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体は、下記構造式(A)で示される芳香族化合物を前駆体として容易に調製することができる。
【化7】
JP0005721180B2_000008t.gif

【0028】
また、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、オリゴヌクレオチドの3´末端が下記構造式(a)で示されるユニット(ただし、式中のR~Rはそれぞれ独立して水素又は水素以外の置換基を示す。また、式中Z及びZはそれぞれ独立してCH又は窒素を示し、Xは酸素又はイオウを示す)で修飾されていることを特徴とする。
【0029】
【化8】
JP0005721180B2_000009t.gif

【0030】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体を出発物質として、従来からDNAやRNAの合成に用いられているオリゴヌクレオチドの合成法によって、容易に合成することができる。また、このオリゴヌクレオチド誘導体は、3´末端に2つの芳香族環を有しており、尿素結合又はチオ尿素結合で芳香族環どうしが結合されている。このため、3´末端が疎水性を示すこととなり、細胞膜への透過性が良好となるとともに、優れたヌクレアーゼ耐性を有することとなる。このため、細胞内に本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を入れた場合においても、その効果をより長い時間持続させることができる。さらには、RNAiに利用した場合、RISC中のPAZドメインの疎水性ポケットに入り込み易く、ノックダウンの効果を高めることができると考えられる。
【0031】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、オリゴヌクレオチドの3´末端が下記構造式(a)で示されるユニットで修飾されていてもよい(ただし、式中のR及びRはそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、ハロアルキル基及びハロゲン基のいずれかであり、Z及びZはそれぞれ独立してCH又は窒素を示し、Xは酸素又はイオウを示す。また、Pr及びPrはそれぞれ独立して水酸基の保護基を示す。)。R及びRにおいて特に好ましいのはアルキル基又はフルオロアルキル機等のハロアルキル基である。本発明者らは、このようなオリゴヌクレオチド誘導体が優れたヌクレアーゼ耐性を有し、細胞内に入れた場合において、RNAiにおけるノックダウン効果をより長い時間持続させることができることを確認している。
【0032】
【化9】
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【0033】
さらには、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、オリゴヌクレオチドの3´末端が下記構造式(a)で示されるユニットで修飾されていてもよい。本発明者らは、このようなオリゴヌクレオチド誘導体が優れたヌクレアーゼ耐性を有し、細胞内に入れた場合において、RNAiにおけるノックダウン効果をより長い時間持続させることができることを確認している。
【0034】
【化10】
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【0035】
また、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、オリゴヌクレオチド部分が所定の遺伝子mRNAの部分配列又はその相補配列を有するものであってもよい。また、オリゴヌクレオチドの鎖長は、10以上35以下であってもよい。さらに、オリゴヌクレオチドはオリゴリボヌクレオチドであってもよい。
【0036】
本発明のオリゴヌクレオチド構築物は、遺伝子発現調節用オリゴヌクレオチド構築物であって、上記いずれかのオリゴヌクレオチド誘導体を有することを特徴とする。このオリゴヌクレオチド構築物は、1本鎖及び2本鎖DNA、1本鎖及び2本鎖RNA、DNA/RNAキメラ並びにDNA/RNAハイブリッドから選択されるオリゴヌクレオチド構築物とすることができ、また、その機能面からは、アンチジーン、アンチセンス、アプタマー、siRNA、miRNA、shRNA及びリポザイムから選択することができる。
【0037】
また、本発明によれば、上記いずれかのオリゴヌクレオチド誘導体を有する遺伝子診断用オリゴヌクレオチド構築物とすることができる。さらに、本構築物はプローブ又はプライマーとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
(オリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体)
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体は、次のようにして調製することができる。なお、ここでいうヌクレオチドとは、改変されてもよいヌクレオチドである。

【0039】
(オリゴヌクレオチド誘導体)
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を得るには、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体を用い、アミダイト法をはじめとする各種核酸合成法によりオリゴヌクレオチド誘導体とする方法を用いることができる。水酸基の保護基としては、特に限定しないで従来公知の各種のヒドロキシル保護基を用いることができる。このような保護基としては、具体的にはベンジル基、アセチル基、ベンゾイル基等が挙げられ、特に好ましい保護基はベンジル基である。また、アミノ基の保護基として、具体的にはフタル酸基、ベンゾイル基等が挙げられ、特に好ましいのはフタル酸基である。

【0040】
また、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を利用してアンチジーン、アンチセンス、アプタマー、miRNA及びリボザイムを構築するときには式(a)で表されるユニットを備えるようにすればよい。また、プローブが固相担体に固定化されている場合には、自由端側となる側に式(a)で表されるユニットを備えるようにすることができる。さらに、プライマーにおいては必要に応じて適宜式(a)で表されるユニットを備えていてもよい。

【0041】
本明細書においてオリゴヌクレオチドとは、一般にオリゴヌクレオチドやポリヌクレオチドを構成するモノマーであるヌクレオチドをモノマー単位として該モノマー単位を複数有するポリマーを意味するものとする。また、オリゴヌクレオチドとは、モノマー単位として、デオキシリボヌクレオチド及び/又はリボヌクレオチドを意味するものである。一般に、ヌクレオチドとしてデオキシリボヌクレオチドをモノマー単位とするポリマーをDNAと称し、リボヌクレオチドをモノマー単位とするポリマーをRNAと称するが、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、-般に挿されるDNA及びRNAのほか、これらのモノマー単位のオリゴマーを含むものとする。また、オリゴヌクレオチドは、RNA/DNAキメラも包含している。また、改変されていてもよいオリゴヌクレオチドとは、プリン及びピリミジンであるグアニン、シトシン、チミン、アデニン、ウラシル又は メチルシトシンなどの天然塩基を含むヌクレオチドのみからなるオリゴヌクレオチドのほか、オリゴヌクレオチドの各種部分、すなわち、塩基、糖部分及びリン酸エステル部分において何らかの化学修飾が施された1又は2以上のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドを包含している。

【0042】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、所定の遺伝子のDNAのセンス鎖、そのアンチセンス鎖又はmRNAの部分配列若しくはその相補配列を有することができる。こうした相補性を有することにより各種の標的核酸にハイブリダイズさせ、それによりオリゴヌクレオチド誘導体に意図した機能を発現させることができる。本発明のオリゴヌクレオチド誘導体において、オリゴヌクレオチドの長さは特に限定しないで、用途に応じた長さとすることができるが、オリゴヌクレオチドの合成の容易性及び期待する効果の発揮を考慮すると、10以上35以下とすることが好ましい。また、アンチセンスの場合には、10以上30以下程度にすることができ、siRNAの場合には、A及びBの合計の鎖長は、好ましくは15以上35以下、より好ましくは30以下である。また、プライマーの場合には、10以上30以下であり、プローブの場合には10以上30以下であることが好ましい。

【0043】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を、例えば、siRNA、shRNA、アンチセンス、リボザイム及びアプタマーに用いる場合には、モノマー単位は改変されていてもよいオリゴリボヌクレオチドとすることができる。

【0044】
(オリゴヌクレオチド構築物)
本発明のオリゴヌクレオチド構築物は、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を有している。本オリゴヌクレオチド構築物における本オリゴヌクレオチド誘導体の種類により、本構築物は、1本鎖DNA、2本鎖DNA、1本鎖RNA、2本鎖RNA、DNA/RNAキメラ及びDNA/RNAハイブリッド等の形態をそれぞれあるいは組み合わせた形態とすることができる。なお、既に説明したように、本オリゴヌクレオチド誘導体を構成するオリゴヌクレオチド部分は、改変されたオリゴヌクレオチドを含んでいるため、本オリゴヌクレオチド構築物においても改変形態のオリゴヌクレオチドが含まれることがある。

【0045】
本発明のオリゴヌクレオチド構築物は、ヌクレアーゼ耐性が向上されているため、遺伝子発現調節用、又は研究用、診断用の各種用途に用いることができる。遺伝子発現調節用途としては、アンチジーン、アンチセンス、アプタマー、siRNA、miRNA、shRNA及びリボザイム等が挙げられる。特に、siRNA及びshRNAにおいて3´ 末端オーバーハング部位のdTに対し式(a)で表されるユニットを導入することでヌクレアーゼ耐性とサイレンシング活性の双方を向上させることができる。

【0046】
診断用途又は研究用途としては、プローブ及びプライマーが挙げられる。プローブは、設計又は 選択により、ターゲット核酸に特異的に規定された配列を有しており、所定のストリンジェンシーの下で、それらがハイブリダイズするようにするに取得されたオリゴヌクレオチドである。プローブに本オリゴヌクレオチド誘導体を用いることでヌクレアーゼ耐性が向上されるため、ターゲット核酸を含有するサンプル中に混在するヌクレアーゼの影響を抑制又は回避して、ヌクレアーゼの除去程度が低くてもあるいはヌクレアーゼ除去処理を省略したサンプル調製が可能になる。これにより簡易に遺伝子診断や検査をすることができるようになる。なお、こうしたプローブとターゲットとのハイブリタイゼーションは、プローブを適当なガラス基板や、プラスチック製基板や、ビーズ等の固相担体に固定化して行なうことができる。本発明には、本オリゴヌクレオチド誘導体を含むプローブを固定化した固相担体も含まれる。

【0047】
(オリゴヌクレオチド誘導体の利用)
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、siRNAやアンチセンス等として機能するように構築することで、遺伝子発現抑制剤として利用できる。また、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、ヒト及び非ヒト動物における疾患の予防・治療用医薬組成物の有効成分として用いることができる。例えば、遺伝子発現に伴う疾患に対して、遺伝子発現抑制剤として構築した本発明のオリゴヌクレオチド誘導体はこうした疾患の予防や治療に有効である。

【0048】
さらに、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、そのハイブリダイゼーション機能を発揮させるように構築することで、プローブ、プライマー等の検査試薬や診断試薬として用いることができる。さらに、これらオリゴヌクレオチド構築物をチップやビ-ズ等の固体担体等に保持したものは、検査装置や診断装置又はこれらの一部として利用することができる。さらには、こうした検査試薬や診断薬は、他の試薬や診断薬あるいは装置等と組み合わせた検査用又は診断用キットとしても用いることができる。

【0049】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を含むオリゴヌクレオチド構築物の遺伝子発現抑制作用を利用した、遺伝子発現抑制方法にも利用できる。さらには、本発明のオリゴヌクレオチド構築物のハイブリダイゼーション機能を利用した遺伝子検出方法にも利用できる。
【実施例】
【0050】
以下、本発明を具体化した実施例を以下に詳細に示す。
なお、下記実施例において使用した機器は以下のとおりである。
(使用機器)
NMRスペクトル JEOL JNM-α400
GC/MS SHIMADZU GCMS-QP 2010A
吸光度計 HITACHI U-2001 spectrophotometer,
GEヘルスサイエンス Nano Vue
DNA/RNA synthesizer Applied Biosystems Model 3400
Tm測定機 SHIMADZU UV 2400
HPLC SPD-10AVP, SCL-10AVP, LC-10AVP, DGU-10A,
CTO-10AVP, C-R8A
MALDI-TOF/MS SHIMADZU AXIMA-CFR plus
発光計測用プレートリーダー ATTO Luminescenser JNRII
【実施例】
【0051】
また、本明細書の実施例の説明の中では、以下に示す略号を用いることがある。
(略 語)
APS ammonium peroxodisulfate
CPG controlled pore glass
DMAP 4-dimethylaminopyridine
DMTrCl 4.4’-dimethoxytritylchloride
EDC 1-ethyl-3- ( 3-dimethylaminopropyl ) carbodiimide
EDTA ethylenediamine-N,N,N’,N’-tetraacetic acid
MALDI-TOF matrix assisted laser desorption ionization - time of flight
PAGE polyacrylamide gel electrophoresis
TBAF tetrabutylammonium fluoride
TBE tris-borate-EDTA
TEAA triethylammonium acetate
TEMED N,N,N’,N’-tetramethylethylenediamine
Tm melting temperature
Tris tris(hydroxymethyl)aminomethane
【実施例】
【0052】
(実施例1)
<ベンゼン環とピリジン環とが尿素結合したオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体の合成>
実施例1では、以下のようにしてベンゼン-ピリジン骨格を母核としたオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体を合成した。
2,6-ピリジンジメタノールを出発原料に用い、水素化ナトリウム存在下、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(TBDMSCl)と反応させることにより、片方の水酸基をTBDMS基で保護したシリル体1を収率49%で合成した。さらに四臭化炭素、アジ化ナトリウムを共存させ、臭素化、アジド化を一工程で行いアジド体2を収率76%で得た後、5%パラジウムエチレンジアミン複合体触媒を用いてアジド選択的に水素接触還元反応を行い、ピリジン誘導体3を収率80%で合成した。
【実施例】
【0053】
【化11】
JP0005721180B2_000012t.gif
【実施例】
【0054】
一方、下式に示すように、3-シアノベンジルアルコールを出発物質として4,4'-ジメトキシトリチルクロリド(DMTrCl)を用いてジメトキシトリチル化体4を収率91%で得た後、水素化アルミニウムリチウムでシアノ基を還元し、ベンジルアミノ体5を収率69%で得た。そして、上記のピリジン誘導体3とベンジルアミノ体5とをカルボニルジイミダゾールを用いてカップリングさせ、ウレア誘導体6を収率43%で得た。なお、ここで同様の原料から対応するイソチオシアネートを経由して、対応するチオ尿素誘導体を容易かつ定量的に形成させることができる。そして、このチオ尿素誘導体から、以下に示す尿素結合を有するオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体と同様に、チオ尿素結合を有するオリゴヌクレオチド誘導体修飾担体を合成することができる。
【実施例】
【0055】
【化12】
JP0005721180B2_000013t.gif
【実施例】
【0056】
上記のようにして得たウレア誘導体6をTBAFで処理し、下記に示す脱シリル体7を収率98%で得た後、従来法に従い、無水コハク酸を用いてスクシニル化を行った後、脱水縮合剤存在下CPG樹脂と反応させることにより、実施例1のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体9を38.5μmol/gの活性で得た。
【実施例】
【0057】
【化13】
JP0005721180B2_000014t.gif
【実施例】
【0058】
さらに詳細なオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体(9)の合成手順を以下に示す。
2-[(tert-Butyldimethylsilyloxy)methyl]-6-hydroxymethylpyridine(1)の合成
60%NaH(1.45 g, 35.9 mmol)をDMF(60 mL)に溶解し、氷冷下で撹拌しながら、2,6-pyridinedimethanol(5.00 g, 35.9 mmol)のDMF(30 mL)溶液を滴下した。Ar雰囲気下室温で1時間撹拌した後、tert-buthyldimethylchlorosilane(6.54 g, 43.3 mmol)のDMF (40 mL) 溶液を加え、さらに12時間撹拌した。TLCで原料の消失を確認した後、EtOAcと10%NaHCO3 aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex:EtOAc = 5:1)にて精製し、2-[(tert-butyldimethylsilyloxy)methyl]-6-hydroxymethylpyridine(1)(4.46 g, 49%)を無色オイルとして得た。
1H-NMR(CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.66 (1H, d, J = 7.6Hz, Ar-H), 7.39 (1H, d, J = 7.6Hz, Ar-H), 7.10 (1H, d, J = 7.6Hz, Ar-H), 4.80 (2H, s, CH2O), 4.71 (2H, s, CH2O), 0.95 (9H, s, t-C4H9Si), 0.11 (6H, s, (CH3)2Si)
13C-NMR(CDCl3, 100 MHz)
δ = 160.3, 157.9, 157.9, 137.3, 118.5, 65.8, 63.9, 25.9, 18.3, -5.4
【実施例】
【0059】
2-Azidomethyl-6-[(tert-butyldimethylsilyloxy)methyl]pyridine(2)の合成
予め真空乾燥させておいた2-[(tert-Butyldimethylsilyloxy)methyl]-6-hydroxymethylpyridine(1)(2.14 g, 8.42 mmol)、sodium azide(2.73 g, 42.0 mmol)、Triphenylphosphine(2.65 g, 10.10 mmol)、carbontetrabromide(3.07 g, 9.29 mmol)の混合物をDMF(64 mL)に溶解し、Triethylamine(2.64 mL)を加え、Ar雰囲気下で25時間撹拌した。TLCで原料の消失を確認した後、EtOAcと水で抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex:EtOAc = 50:1)にて精製し、2-azidomethyl-6-[(tert-butyldimethyl-silyloxy)methyl]pyridine(2)(1.77 g, 76%)を薄黄色オイルとして得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.73 (1H, t, J = 7.6Hz, Ar-H), 7.47 (1H, d, J = 7.6Hz, Ar-H), 7.20 (1H, d, J = 7.6Hz, Ar-H), 4.83 (2H, s, CH2O), 4.44 (2H, s, CH2O), 0.96 (9H, s, t-C4H9Si), 0.12 (6H, s, (CH3)2Si)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ = 161.6, 154.4, 137.6, 120.0, 119.2, 65.9, 55.6, 25.9, 18.3, -5.4
【実施例】
【0060】
2-Aminomethyl-6-[(tert-butyldimethylsilyloxy)methyl]pyridine(3)の合成
2-Azidomethyl-6-[(tert-butyldimethylsilyloxy)methyl]pyridine(2)(0.83 g, 2.98 mmol)、5% Pd/C(en)(83.0 mg, 10 wt %)をMeOH(20 mL)に懸濁させ、水素雰囲気下室温で5時間激しく撹拌した。TLCで原料の消失を確認した後、触媒を桐山ロートで吸引濾去した。ろ液を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl3 : MeOH = 30 : 1 → 10:1)にて精製し、2-aminomethyl-6-[(tert-butyldimethylsilyloxy)methyl]pyridine(3)(603 mg, 80%)を黄色オイルとして得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.66 (1H, t, J = 7.8Hz, Ar-H), 7.37 (1H, d, J = 7.8Hz, Ar-H), 7.13 (1H, d, J = 7.6Hz, Ar-H), 4.82 (2H, s, CH2O), 3.94 (2H, s, CH2N), 0.96 (9H, s, t-C4H9Si), 0.12 (6H, s, (CH3)2Si)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ = 160.8, 160.7, 136.9, 119.0, 117.8, 65.9, 47.6, 25.7, 18.2, -5.4
【実施例】
【0061】
3-(4,4’-Dimethoxytrityloxymethyl)benzonitrile(4)の合成
3-Hydroxymethylbenzonitrile(1.12 g, 8.38 mmol)と4,4’-dimethoxytritylchloride(3.41 g, 10.06 mmol)をDMF(23 mL)及びPyridine(23 mL)に懸濁し、Ar雰囲気下室温で12時間撹拌した。TLCで原料の消失を確認した後、氷水(20 mL)を加えた後、EtOAcと水で抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex:EtOAc = 10:1)にて精製し、3-(4,4’-dimethoxytrityloxymethyl)benzonitrile(4)(3.31 mg, 91%)を無色オイルとして得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.23-7.68 (17H, m, Ar-H), 6.84 (4H, d, J = 8.8Hz, Ar-H), 4.21 (2H, s, CH2O), 3.79 (6H, s, CH3O)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ = 158.3, 144.4, 135.4, 130.5, 130.4, 129.5, 128.9, 128.5, 126.9, 118.6, 113.7, 112.1, 111.9, 111.8, 86.4, 56.9, 55.5, 54.0
【実施例】
【0062】
3-(4,4’-Dimethoxytrityloxymethyl)benzylamine(5)の合成
LiAlH4(238 mg, 6.28 mmol)をジエチルエーテル(30 mL)に懸濁し、氷冷下撹拌しながら、3-(4,4’-Dimethoxytrityloxymethyl)benzonitrile(4)(0.86 g, 1.98 mmol)のジエチルエーテル(90 mL)溶液を滴下した。Ar雰囲気下室温で16時間撹拌した。TLCで原料の消失を確認した後、水(1.2 mL)及びMeOH(7.2 mL)を加えた。さらに30分撹拌した後、塩を吸引濾去した。ろ液を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH = 100:1)にて精製し、3-(4,4’-dimethoxytrityloxymethyl)benzylamine(5)を(0.58 g, 69%)を無色オイルとして得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.21-7.52 (17H, m, Ar-H), 6.83 (4H, d, J = 8.8Hz, Ar-H), 4.16 (2H, s, CH2O), 3.86 (2H, s, CH2N), 3.79 (6H, s, CH3O)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ = 158.4, 145.0, 143.2, 139.6, 136.2, 130.0, 128.4, 128.2, 127.8, 126.7, 125.7, 125.6, 125.4, 113.1, 86.3, 65.5, 55.1, 46.5
【実施例】
【0063】
N-[3-(4,4’-Dimethoxytrityloxymethyl)benzyl]-N’-{[6-(tert-butyldimethylsilyloxy)methyl pyridin-2-yl]methyl}urea (6)の合成
3-(4,4’-Dimethoxytrityloxymethyl)benzylamine(5)(455 mg, 1.04 mmol)、1,1’-
carbonyldiimidazole(170 mg, 1.05 mmol)をTHF(52 mL)に懸濁し、Ar雰囲気下室温で24時間撹拌した。TLCで原料の消失を確認した後、2-aminomethyl-6-[(tert-butyl-dimethylsilyloxy)methyl]pyridine(3)(593 mg, 2.35 mmol)のTHF(13 mL)溶液を滴下した後、さらに48時間撹拌した。反応溶液を減圧留去後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (CHCl3:MeOH = 100:1)にて精製し、N-[3-(4,4’-Dimethoxytrityloxymethyl)benzyl]-N’-{[6-(tert-butyldimethylsilyloxy)methylpyridin-2-yl]methyl}urea(6)(406 mg, 54%)を無色オイルとして得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.61-7.07 (16H, m, Ar-H), 6.85-6.83 (4H, d, J = 8.8Hz, Ar-H), 4.71 (2H, s, CH2) , 4.43 (2H, s, CH2), 4.37 (2H, s, CH2) , 4.16 (2H, s, CH2) , 3.78 (6H, s, CH3O) , 0.95 (9H, s, t-C4H9Si), 0.10 (6H, s, (CH3)2 Si)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ = 160.6, 158.4, 158.2, 156.4, 145.0, 139.7, 139.1, 137.4, 136.2, 130.0, 128.5, 128.1, 127.8, 126.7, 126.2, 126.0, 125.9, 120.0, 118.3, 113.1, 86.4, 65.8, 65.4, 55.2, 45.6, 44.5, 25.9, 18.3, -5.4
Mass (EI) m/z:717 (M+)
【実施例】
【0064】
N-[3-(4,4’-Dimethoxytrityloxymethyl)benzyl]-N’-[(6-hydroxymethylpyridin-2-yl)methyl]urea(7)の合成
N-[3-(4,4’-Dimethoxytrityloxymethyl)benzyl]-N’-{[6-(tert-butyldimethylsilyloxy)methylpyridin-2-yl]methyl}urea(6)(410 mg, 0.57 mmol)をTHF(2.2 mL)に懸濁し、撹拌しながら、TBAF-1.0M THF(0.64 mL)溶液を滴下した後、Ar雰囲気下室温で4時間撹拌した。TLCで原料の消失を確認した後、反応溶液を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:MeOH = 20:1)にて精製し、N-[3-(4,4’-Di- methoxytrityloxymethyl)benzyl]-N’-[(6-hydroxymethylpyridin-2-yl)methyl]urea(7)(336 mg, 98%)を無色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.52-7.02 (16H, m, Ar-H), 6.82-6.80 (4H, d, J = 8.8Hz, Ar-H), 4.59 (2H, s, CH2) , 4.39 (2H, s, CH2), 4.29 (2H, s, CH2), 4.13 (2H, s, CH2), 3.76 (6H, s, CH3O)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ = 158.6, 158.4, 157.1, 144.9, 139.5, 139.2, 137.3, 136.1, 130.0, 128.5, 128.1, 127.8, 126.7, 126.0, 125.8, 125.7, 120.2, 118.9, 113.1, 86.4, 65.4, 64.1, 55.1, 45.3, 44.2
【実施例】
【0065】
オリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体(9)の合成
N-[3-(4,4’-Dimethoxytrityloxymethyl)benzyl]-N’-[(6-hydroxymethylpyridin-2-yl)methyl]urea(7)(290 mg, 0.47 mmol)をpyridine(4.7 mL)に溶解し、DMAP(1.24 mg, 1.42 mmol)を加え、Ar雰囲気下室温で72時間撹拌した。TLCで原料の消失を確認した後、EtOAcとsat NaHCO3 aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去してスクシニル化合物(8)を得た。一晩真空乾燥したスクシニル化合物(8)をDMF(12 mL, CPGに対して0.01 M)に溶解し、CPG樹脂(120 μmol/g)(979mg, 0.118 mmol)を加えて溶液となじませた。その後、EDC・HCl(90 mg, 0.47 mmol)を加え、室温下48時間振とうした。反応溶液をpyridineで洗浄した後、0.1 M DMAP溶液(pyridine:Ac2O = 9:1)(15 mL)を加え、さらに室温下12時間振とうした。反応溶液をpyridine、EtOH、MeCNで洗浄し、12時間真空乾燥した後、得られた樹脂の活性測定を行った。活性測定は乾燥したCPG樹脂6 mgをガラスフィルターにのせ、HClO4:EtOH = 3:2の溶液を流し込み、その濾液のUV 498 nmの波長(DMTr基の波長)の吸光度を求め、以下の式に代入することにより算出した。その結果、活性値は38.5 μmol/gであった。
【実施例】
【0066】
【数1】
JP0005721180B2_000015t.gif
【実施例】
【0067】
(比較例1)
本発明者らが以前に開発した、特許文献1に記載されている手法に基づき、下記化9の合成ルートに従って比較例1のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体(19)を合成した。以下にその詳細を述べる。
【実施例】
【0068】
【化14】
JP0005721180B2_000016t.gif
【実施例】
【0069】
(化合物11:1,3-bis-hydroxymethylbenzene の製造例)
イソフタル酸ジメチル(2.00 g,10.30mmol)にAr雰囲気下、dry THF (51.5mL,0.2M solution)を加え、水素化ホウ素リチウム(1.12g,51.5mmol,5eq)を加えた。23時間攪拌した後、氷浴で酢酸を数滴加えて反応液を中性にし、反応を停止した。しばらく攪拌した後、析出した結晶をMeOHで溶解した。反応中のTLC (Hex:EtOAc=1:1)では生成物は1スポットであったが、反応を停止すると2スポットに分かれた。溶媒を減圧留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc only)で単離し、化合物(11)(1.36g,9.82mmol,95%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ[ppm]:7.39-7.26 (4H,m,aromatic protons),4.71(4H,s,-CH2-O-),1.70 (2H,d,J=76.8 Hz,OH)
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ[ppm]:139.28,129.62,128.47,63.90
Mass(EI)m/z:138 (M),120,107,79,65,51.
HRMS(EI)Calcd for C8H10O2138.06808 Found 138.06765.
Anal.Calcd for C8H10O2:C,69.54; H,7.30.Found:C,69.45; H,7.23.
【実施例】
【0070】
(化合物12:1-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-3-hydroxymethylbenzeneの製造例)予め真空乾燥させておいた化合物(11)(0.5g,3.62mmol)をpyridine (18mL)に溶解し、DMAP(22.1mg,0.18mmol,0.05eq)と4,4’-Dimethoxytrityl chloride (1.23g,3.62mmol,1eq)を加え、Ar雰囲気下で17時間攪拌した。TLC (Hex:EtOAc=3:1)により原料の消失を確認した。EtOAcとsat NaHCO3 aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(Hex:EtOAc=4:1)で単離し、化合物(12)(0.82g,1.86mmol,51%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ[ppm]:7.52-6.82 (17H,m,DMTr and aromatic protons),4.70 and 4.18 (4H,s,-CH2-O-),3.80 (6H,t,J=4.0 Hz,H-methoxy),1.62 (2H,s,OH)
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ[ppm]:158.42,145.00,140.76,139.68,136.24,130.06,128.50,128.16,127.83,126.73,126.31,125.71,125.55,113.10,86.39,65.43,55.20
Mass(EI)m/z:440 (M),303,273,227,138,121,107,79,45.
HRMS(EI)Calcd for C29H28O4440.19876
Found 440.19806.Anal.Calcd for C29H28O4・1/5H2O: C,78.27; H,6.45.Found:C,78.33;H,6.59.
【実施例】
【0071】
(化合物13:1-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-3-O-[(2-cyanoethyl)-(N,N-diisopropyl)]-phosphoamidicmethyl-hydroxymethylbenzeneの製造例)
予め真空乾燥させておいた化合物(12)(0.35g,0.80mmol)をdry THF (8mL)に溶解し、DIPEA(0.4mL,4.00mmol,5eq)と亜リン酸化試薬(0.29mL,1.60mmol,2eq)を加え、Ar雰囲気下で1.5時間攪拌した。TLC(EtOAc only)により原料の消失を確認した。EtOAcとsat NaHCO3aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、中性シリカゲルクロマトグラフィー(Hex:EtOAc=1:1)で単離し、化合物(13)(0.48g,0.75mmol,94%)を得た。
32P NMR (162MHz,CDCl3)δ[ppm]:148.8
Mass(FAB) m/z:641([M++H]),303,201,154.
HRMS(FAB) Calcd for C38H46N2O5P 641.31443 Found 641.31292.
【実施例】
【0072】
(化合物15:2,6-bis-hydroxymethylpyridineの製造例)
2,6ピリジンカルボン酸ジメチル(14)(2.00 g,10.25mmol)にAr雰囲気下、無水THF (51.3mL,0.2M solution)を加え、水素化ホウ素リチウム(1.16g,51.3mmol,5eq)を加えた。16時間攪拌した後、氷浴で酢酸を数滴加えて反応液を中性にし、反応を停止した。しばらく攪拌した後、析出した結晶をメタノールで溶解した。反応中のTLC (クロロホルム:メタノール=3:1)では生成物は1スポットであったが、反応を停止すると2スポットに分かれた。溶媒を減圧留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1~3:1)で単離し、化合物(15)(0.40g,2.88mmol,28%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ[ppm]:7.72-7.00 (3H,m,aromatic protons),4.79
(4H,s,-CH2-)
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ[ppm]:158.37,137.44,119.12,64.33
Mass (FAB) m/z:140([M++H]),277,185,93,57.
HRMS (FAB) Calcd for C7H10NO2
140.07115 Found 140.07054.
Anal.Calcd for C7H10NO2:
C,60.42; H,6.52; N,10.07.Found:C,60.28; H,6.50; N,9.95.
【実施例】
【0073】
(化合物16:2-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-6-hydroxymethylpyridineの製造例)
予め真空乾燥させておいた化合物(15)(0.5g,3.60mmol)をピリジン(18mL)に溶解し、DMAP (22.1mg,0.18mmol,0.05eq)と4,4’-ジメトキシトリチルクロライド(1.22g,3.60mmol,1eq)を加え、Ar雰囲気下で16時間攪拌した。TLC (Hex:EtOAc=1:1)により原料の消失を確認した。酢酸エチルとsat NaHCO3 aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(へキサン:酢酸エチル =4:1~3:1)で単離し、化合物(16)(0.27g,0.61mmol,43%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ[ppm]:7.76-6.82 (16H,m,DMTr and aromatic protons),4.69 and 4.34 (4H,s,-CH2-O-),3.79 (6H,s,H-methoxy),1.58 (2H,s,OH)
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ[ppm]:158.51,158.38,157.59,144.77,137.27,135.93,130.01,128.07,127.89,126.85,119.35,118.56,113.18,86.67,66.56,63.62,55.20
Mass (FAB) m/z:442([M++H]),303,277,185,93,57.
HRMS (FAB) Calcd for C28H28NO4
442.20183 Found 442.20332.
【実施例】
【0074】
(化合物17、18:ピリジンカルボン酸ジメチル誘導体のCPG樹脂の製造例)
化合物(16)(0.20g,0.45mmmol)をピリジン(4.5mL)に溶解し、そこにDMAP (1.1mg,0.009mmol,0.02eq)と無水コハク酸(136mg,1.36mmol,3eq)を加えAr雰囲気下で攪拌した。17時間攪拌した後、TLC (ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により反応の進行を確認し、酢酸エチルとsat NaHCO3 aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、真空乾燥させた。この濃縮物(17)(0.16g,0.30mmol,66%)にdry DMF (7.5mL)を加え溶解させ、CPG (338mg,0.075mmol)を加え30分間静置して反応液となじませた。その後、WSC (71mg,0.37mmol,4.9eq)を加え室温で一日振とうさせた。後処理として、ピリジンで洗浄した後に0.1M DMAP ピリジン溶液:無水酢酸 (9:1)溶液(6mL)を加え、16時間振とうさせた。こうして比較例1のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体(18)を得た。このものをメタノール、アセトンで洗浄し乾燥させ活性を測定し結果、活性は73.94μmol/gであった。
【実施例】
【0075】
(実施例2)
<ベンゼン環とピリジン環とがチオ尿素結合したオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体の合成>
実施例2では、次に示す合成ルートにしたがってベンゼン環とピリジン環とがチオ尿素結合したオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体を合成した。
【実施例】
【0076】
【化15】
JP0005721180B2_000017t.gif
【実施例】
【0077】
3-(4,4'-Dimethoxytrityloxymethyl)benzylisothiocyanate (21) の合成
3-(4,4’-Dimethoxytrityloxymethyl)benzylamine (5) (613 mg, 1.39 mmol), carbon disulfide (0.85 mL, 13.9 mmol, 10 eq), triethylamine (0.20 mL, 1.39 mmol) をEtOH (2 mL) で溶解し、脱気後、Ar置換して室温下2時間撹拌した。その後、氷浴下di-tert-butyl dicarbonate (3.06 mg, 1.40 mmol) のEtOH (0.6 mL) 溶液、DMAP (6.12 mg, 6 mol%) のEtOH (0.6 mL) 溶液を滴下し、室温下さらに撹拌した。4時間後、TLCにより原料の消失を確認した後、反応溶液を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(Hexane : EtOAc = 10 : 1)で単離精製し、3-(4,4'-dimethoxytrityloxymethyl)benzylisothiocyanate (21) (640 mg, 96%) を薄黄色オイルとして得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ= 7.23-7.68 (17H, m, Ar-H), 6.84 (4H, d, J = 8.8Hz, Ar-H), 4.67 (2H, s, CH2), 4.15 (2H, s, CH2), 3.79 (6H, s, CH3O)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ= 158.3, 144.4, 135.4, 130.5, 130.4, 129.5, 128.9, 128.5, 126.9, 118.6, 113.7, 112.1, 111.9, 111.8, 86.4, 56.9, 55.5, 54.0
【実施例】
【0078】
N-[3-(4,4'-Dimethoxytrityloxymethyl)benzyl]-N'-{[6-(tert-butyldimethylsilyloxymethyl)pyridin-2-yl]methyl}thiourea (22) の合成
3-(4,4'-Dimethoxytrityloxymethyl)benzylisothiocyanate (21) (332 mg, 0.69 mmol) をCDCl3 (4.6 mL) で溶解し、2-aminomethyl-6-[(tert-butyldimethylsilyloxy)methyl]pyridine (3) (63.10 mg, 0.39 mmol) のCDCl3 (3 mL) 溶液を加え、脱気後、Ar置換してrefluxした。5時間後 TLCで原料の消失を確認した後、反応溶液を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (Hexane : EtOAc = 3 : 1~2 : 1) にて精製し、N-[3-(4,4'-dimethoxytrityloxymethyl)benzyl]-N'-{[6-(tert-butyldimethylsilyloxymethyl)pyridin-2-yl]methyl}thiourea (22) (316 mg, 62%) を黄色オイルとして得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.08-7.69 (17H, m, Ar-H), 6.82 (4H, d, J = 6.8Hz, Ar-H), 4.69 (4H, s, CH2), 4.51 (2H, s, CH2), 4.16 (2H, s, CH2), 3.78 (6H, s, CH3O), 0.92 (9H, s, t-C4H9Si), 0.05 (6H, s, (CH3)2Si)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ= 160.6, 158.3, 154.3, 144.8, 140.0, 137.7, 136.0, 129.9, 128.5, 128.0, 127.7, 126.6, 126.3, 126.2, 126.1, 120.3, 118.8, 113.0, 86.3, 65.3, 65.2, 55.1, 49.3, 25.7, 18.1, -5.4
【実施例】
【0079】
N-[3-(4,4’-Dimethoxytrityloxymethyl)benzyl]-N’-[(6-hydroxymethylpyridin-2-yl) methyl]thiourea (23) の合成
N-[3-(4,4'-Dimethoxytrityloxymethyl)benzyl]-N'-{[6-(tert-butyldimethylsilyloxymethyl)pyridin-2-yl]methyl}thiourea (22) (316 mg, 0.43 mmol) をTHF (2.2 mL) に懸濁し、脱気後、Ar置換して室温下撹拌した。TBAF 1.0M THF (0.48 mL) を滴下し、さらに撹拌した。12時間後TLCで原料の消失を確認した後、反応溶液を減圧蒸留した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (CDCl3 : MeOH = 200 : 1~50 : 1) にて精製し、N-[3-(4,4’-dimethoxytrityloxymethyl)benzyl]-N’-[(6-hydroxymethylpyridin-2-yl)methyl]thiourea (13) (141 mg, 54%) を黄色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.04-7.55 (17H, m, Ar-H), 6.75 (4H, d, J = 9.0Hz, Ar-H), 4.60 (4H, s, CH2), 4.38 (2H, s, CH2), 4.08 (2H, s, CH2), 3.71 (6H, s, CH3O)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ= 183.4, 158.8, 158.4, 155.0, 144.8, 139.8, 137.7, 136.0, 130.0, 128.7, 128.0, 127.8, 126.7, 126.3, 126.1, 120.8, 119.4, 113.1, 86.4, 65.34, 64.3, 59.5, 55.1, 49.3
【実施例】
【0080】
ベンゼン-ピリジン骨格を有するチオウレア型CPG樹脂(25) の合成
N-[3-(4,4’-Dimethoxytrityloxymethyl)benzyl]-N’-[(6-hydroxymethylpyridin-2-yl)methyl]thiourea (23) (141 mg, 0.23 mmol) をpyridine (3 mL) に溶解した後、succinic anhydride (71 mg, 3 eq) 、DMAP (0.62 mg, 0.02 eq) を加え、室温下撹拌した。72時間後TLCで原料の消失を確認した後、EtOAc×2、H2O×1、sat NaHCO3 aq×1で抽出した。有機層をsat NaCl aqで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥後、溶媒を減圧留去してスクシニル化合物 (24) を得た。一晩真空乾燥したスクシニル化合物 (14) をDMF (6 mL, CPGに対して0.01 M) に溶解した後、CPG樹脂 (119 μmol/g) (480mg, 0.058 mmol) を加えて溶液となじませた。その後、EDC-HCl (44 mg, 0.23 mmol) を加え、48時間振とうした。反応溶液をpyridine×3で洗浄した後、0.1 M DMAP溶液 (pyridine : Ac2O = 9 : 1) (15 mL) を加え、室温下12時間振とうした。
反応溶液をPyridine、EtOH、MeCNで洗浄し、12時間真空乾燥した後、得られたチオウレア型CPG樹脂(25)の活性測定を行った。その活性値は48.3 μmol/gであった。
乾燥したCPG樹脂6 mgをガラスフィルターにのせ、HClO4 : EtOH = 3 : 2の溶液を流し込み、その濾液のUV 498 nmの波長 (DMTr基の波長)の吸光度を求め、以下の式に代入することにより算出した。
【実施例】
【0081】
【数2】
JP0005721180B2_000018t.gif
【実施例】
【0082】
(実施例3)
<ピリジン環どうしがチオ尿素結合したオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体の合成>
実施例3では、次に示す合成ルートにしたがってピリジン環どうしがチオ尿素結合したオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体31を合成した。
【実施例】
【0083】
【化16】
JP0005721180B2_000019t.gif
【実施例】
【0084】
N,N’-Bis{[6-(tert-butyldimethylsilyloxy)methylpyridin-2-yl]methyl}urea (27) の合成
2-Aminomethyl-6-[(tert-butyldimethylsilyloxy)methyl]pyridine (26) (380 mg, 1.50 mmol) 、1,1’-carbonyldiimidazole (150 mg, 0.92 mmol) をTHF (10 mL) に懸濁し、脱気後、Ar置換して室温下撹拌した。24時間後 TLCで原料の消失を確認した後、反応溶液を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (CHCl3 : MeOH = 50 : 1) にて精製し、N,N’-bis{[6-(tert-butyldimethylsilyloxy)methylpyridin-2-yl]methyl}urea (27) (384 mg, 96%) を黄色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.66 (2H, t, J = 8.0Hz, Ar-H), 7.38 (2H, d, J = 7.6Hz, Ar-H), 7.14 (2H, d, J = 7.2Hz, Ar-H), 4.78 (4H, s, CH2O), 4.49 (4H, s, CH2N), 0.96 (18H, s, t-C4H9Si), 0.12 (12H, s, (CH3)2Si)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ= 160.7, 158.2, 156.6, 137.3, 119.8, 118.3, 65.9, 45.6, 25.8, 18.3, -5.4
【実施例】
【0085】
N,N’-Bis{[6-(hydroxymethyl)pyridin-2-yl]methyl}urea (28) の合成
N,N’-Bis{[6-(tert-butyldimethylsilyloxy)methylpyridin-2-yl]methyl}urea (27) (855 mg, 1.61 mmol) をTHF (8.1 mL) に懸濁し、脱気後、Ar置換して室温下撹拌した。TBAF 1.0M THF (3.7 mL) を滴下し、さらに撹拌した。5時間後TLCで原料の消失を確認した後、反応溶液を減圧蒸留した。残渣を吸引ろ過し、N,N’-bis{[6-(hydroxymethyl)pyridin-2-yl]methyl}urea (28) (812 mg) を白色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz)
δ = 7.73 (2H, t, J = 7.8Hz, Ar-H), 7.30 (2H, d, J = 7.8Hz, Ar-H), 7.13 (2H, d, J = 7.6Hz, Ar-H), 6.72 (2H, t, J = 5.8Hz, NH), 5.38 (2H, t, J = 5.8Hz, OH), 4.53 (4H, d, J = 5.6Hz, CH2), 4.28 (4H, d, J = 5.8Hz, CH2)
13C-NMR (DMSO-d6, 100 MHz)
δ = 161.1, 158.7, 158.0, 137.0, 118.7, 118.1, 64.1, 44.8
【実施例】
【0086】
N-{[3-(4,4'-Dimethoxytrityloxymethyl)pyridin-2-yl]methyl}-N'-[(6-hydroxymethylpyridin-2-yl)methyl]urea (29) の合成
N,N’-Bis{[6-(hydroxymethyl)pyridin-2-yl]methyl}urea (28) (812 mg) 、DMTrCl (271 mg, 0.8 mmol) をpyridine (6 mL)、DMSO (1.2 mL) を加え、加熱(40℃)により懸濁し、脱気後、Ar置換して室温下攪拌した。12時間後、TLCにより反応がほとんど進行していない(原料がほぼ残っていた)のを確認した後、DMTrCl (405 mg, 1.2 mmol) を追加し、攪拌を続けた。さらに12時間後、TLCにて反応の進行を確認したが、原料の消失は確認できなかった。(生成物のスポットは濃くなったが、原料がまだ残っていた。)さらに、DMTrCl (405 mg, 1.2 mmol) を追加し、攪拌を続けた。26時間後、反応の進行が確認されたため反応を停止させた。反応溶液をsat NaHCO3 aq×1, EtOAc×2, H2O×1, sat NaCl aq×1で抽出した後、有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (CHCl3 : MeOH = 20 : 1) にて単離精製し、N-{[3-(4,4'-dimethoxytrityloxymethyl)pyridin-2-yl]methyl}-N'-[6-hydroxymethylpyridin-2-yl)methyl]urea (29) (424 mg, 43%) を薄黄色結晶として生成した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.62-6.96 (m, 15H, Ar-H), 6.74 (d, 4H, J=9.0Hz, Ar-H), 4.52 (s, 2H, CH2), 4.33 (d, 4H, J=5.6Hz, CH2), 4.20 (s, 2H, CH2), 3.70 (s, 6H, CH3O)
【実施例】
【0087】

ピリジン環どうしがチオ尿素結合したオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体(31) の合成
N-{[3-(4,4'-Dimethoxytrityloxymethyl)pyridin-2-yl]methyl}-N'-[6-hydroxymethylpyridin-2-yl)methyl]urea (29) (363 mg, 0.60 mmol) をpyridine (7.8 mL) に溶解した後、succinic anhydride (185 mg, 3 eq) 、DMAP (1.62 mg, 0.02 eq) を加え、室温下撹拌した。72時間後TLCで原料の消失を確認した後、EtOAc×2、H2O×1、sat NaHCO3 aq×1で抽出した。有機層をsat NaCl aqで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥後、溶媒を減圧留去してスクシニル化合物 (24) を得た。一晩真空乾燥したスクシニル化合物 (30) をDMF (15.6 mL, CPGに対して0.01 M) に溶解した後、CPG樹脂 (119 μmol/g) (1.25 g, 0.15 mmol) を加えて溶液となじませた。その後、EDC-HCl (115 mg, 0.60 mmol) を加え、48時間振とうした。反応溶液をpyridine×3で洗浄した後、0.1 M DMAP溶液 (pyridine : Ac2O = 9 : 1) (15 mL) を加え、室温下12時間振とうした。
反応溶液をpyridine、EtOH、MeCNで洗浄し、12時間真空乾燥した後、得られた樹脂の活性測定を行った。その活性値は79.91 μmol/gであった。
乾燥したCPG樹脂6 mgをガラスフィルターにのせ、HClO4 : EtOH = 3 : 2の溶液を流し込み、その濾液のUV 498 nmの波長 (DMTr基の波長)の吸光度を求め、実施例1において用いた前述の数式1より活性値を算出した。
【実施例】
【0088】
<siRNAの合成>
以上のようにして得られた、実施例1~3及び比較例1のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体を用い、固相ホスホロアミダイト法により3´末端に擬似ダングリングエンドを有する下記表1に示した配列(この配列はRenilla Luciferaseをターゲットにするものである)のオリゴヌクレオチド誘導体を核酸自動合成により合成した。また、3´末端にTTを有する天然型のsiRNAも同様に合成した。合成したオリゴヌクレオチドの配列を図4に示す。
【実施例】
【0089】
siRNAの合成におけるオリゴヌクレオチドの合成法及び精製法の詳細を以下に示す。
オリゴヌクレオチドの合成には、核酸自動合成機により、以下に示すホスホロアミダイト法を用いた。
1, オリゴヌクレオチド鎖 (3´末端の連結基を介し、支持固体CPGに固定しておく) の3´末端保護基、ジメトキシトリチル (DMTr) 基を酸で除去する。
2, 新たに遊離した5´末端に、デオキキシヌクレオシドの3´-ホスホロアミダイト誘導体をつなぐ。アミダイト体活性化剤はテトラゾールを用いた。
3, 未反応の5´末端をアセチル化でふさぎ、以降のカップリングを阻止する。これで間違ったオリゴヌクレオチドは延びないと考えられる。
4, カップリングで生じた亜リン酸トリエステルを酸化し、リン酸トリエステルにすると、ヌクレオチドが1つ延びた鎖ができる。
【実施例】
【0090】
合成はホスホロアミダイト法に従い、1μmolスケールで行った。3400DNA自動合成機を用いてAGCUの各ホスホロアミダイトは0.1MになるようMeCN溶液に溶解し、合成した擬似ダングリングエンド樹脂は0.12MになるようMeCN溶液に溶解させ調整した。オリゴヌクレオチドの 5´末端は DMTr 基を除去した状態で合成を終了した。Ar ガスを通してCPG 樹脂を乾燥させた。合成終了後、CPG樹脂に結合したオリゴヌクレオチドをエッペンドルフチューブに移し、EtOH:NH4OH = 3:1水溶液1.2 mLを加えて室温で12時間振とうし、樹脂からの切り出し及びベンゾイル基などの脱保護処理を行った。その後、溶液を減圧下乾固した。残渣に1M TBAF in THF溶液1 mLを加え溶解させ、12時間振とうし、シリル基の脱保護を行った。この反応液を(*1)0.1M TEAA bufferで希釈して30 mLとし、平衡化したC-18逆相カラム(Sep-Pak) に通し、カラムに吸着させた。(最初にコンディショニングとしてCH3CN 10 mL、0.1 M TEAA buffer 15 mLを流し、その後に濾液を流した。)
ここでカラムを滅菌水で洗浄して塩を取り除き50% CH3CN in H2O 3 mLで溶出し、減圧下乾固した。残渣にloading solution (1×TBE in 90% formamide) 200 μLを加え(*2)20%PAGE電気泳動 (500V,20mA) を行った。目的のオリゴヌクレオチドのある部分のゲルを切り出し、溶出液(2 N TEAA buffer1mL、 0.1 mM EDTA水溶液0.2 mLとH2Oを加え20 mLとした。)に浸し、一晩振とうした。この濾液をもう一度平衡化したC-18逆相カラム (Sep-Pak) に通し、精製した。

(*1) 7 M尿素を含む20%ポリアクリルアミドゲルの調整
40%アクリルアミド溶液 (*1-1) 45 mL、尿素37.8 g、10×TBE buffer (*1-2) 8 mLを加えて溶かしH2Oを加え、80 mLとした。最後にAPS 55 mgを加え溶かした後、TEMED 40 μLを加えて混ぜ合わせスペーサー (1.5 mm) をはさんで固定させた2枚のガラス板の間に流し込み、1時間以上静置して固化させた。1×TBE buffer (*1-3) を泳道動用緩衝液として用いた。

(*1-1) 40%アクリルアミド; アクリルアミド190 g、N,N’-ビスアクリルアミド10 gをH2Oに溶かして500 mLとした。
(*1-2) 10×TBE buffer; Tris 108 g、ホウ酸 55 g、EDTA・2Na 7.43 gをH2Oに溶かして1 Lとした。
(*1-3) 10×TBE bufferを使用時10倍に希釈して用いた。

(*2)
・2N TEAA buffer (トリエチルアミン 277.6 mLを水に溶解させ、酢酸でpH 7.0に調整し1 Lとした。)
・0.1 M TEAA buffer (2N TEAA bufferを使用時20倍に希釈した。)
・0.1 M EDTA水溶液 (EDTA・4Na 1.81 gを水で40 mLに調整した。) を使用時100倍に希釈した。
【実施例】
【0091】
こうして得られた各サンプルをH2O 1 mLに溶解し、このものの希釈液の260 nmにおける吸光度を測定し、その収量を求めた。
また、各サンプルの分子量をMALDI-TOF/MASSにより確認した。結果を表1に示す。
【実施例】
【0092】
【表1】
JP0005721180B2_000020t.gif
【実施例】
【0093】
そして、さらにHPLCにて単離精製した。bufferは以下の通り、カラムはC-18を用いた。
・buffer組成
A buffer : 5% MeCN in 0.1M TEAA (pH 7.0)
B buffer : 50% MeCN in 0.1M TEAA (pH 7.0)
【実施例】
【0094】
<siRNAの評価>
(熱的安定性)
上記のようにして実施例1のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体(9)を用いて合成したsiRNA(以下「siRNA(BuP)」という)鎖、及び比較例1のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体(18)を用いて合成したsiRNA鎖を相補鎖とアニーリングして二本鎖(TT-antisenseとTT-sense,BUP-antisenseとBUP-senseの二組)を組み、二組の二本鎖siRNAの50%融解温度Tm(℃)を測定した。すなわち、合成したオリゴヌクレオチドの相補鎖同士を600 pmol分量り取り乾固させ、測定用緩衝液 (10 mM NaH2PO4- Na2HPO4, 100 mM NaCl (pH 7.0)) 200 μLに溶解させ、3μMとした。そして、90℃で5分間加熱後、1時間以上放置しハイブリダイズさせた。その後、脱気を行い、得られたサンプルのうち170μLを専用セルに入れ、Tm測定機で260 nmの吸光度の温度変化を測定した。測定終了後、得られたグラフから、50%融解温度(Tm)を中線法により算出した。その結果、結果を図5及び表2に示すように、BP、BuP、PuP及びBtuPは天然型とほぼ同程度の熱的安定性が示された。
【実施例】
【0095】
【表2】
JP0005721180B2_000021t.gif
【実施例】
【0096】
(タンパク発現抑制効果の測定)
上記実施例1のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体(9)を用いて合成したsiRNA(siRNA(BuP))、比較例1のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体(18)を用いて合成したsiRNA(以下「siRNA(BP)」という)のタンパク発現抑制効果を評価するため、0.1nM, 1.0nM, 10nMの濃度でDual Luciferase Assayを行い、ノックダウン効果を評価した。合成したsiRNAはRenilla Luciferaseをターゲットにしており、この遺伝子とコントロール遺伝子(firefly Luciferase)を発現するベクターとsiRNAを同時にHeLa細胞にトランスフェクションすることで、そのノックダウン効果を測定した。
この方法は発光タンパクであるFirefly luciferase、及びRenilla luciferaseを発現するベクターを用いて、siRNAによるRenilla luciferaseのタンパク発現抑制を、それぞれの発光の割合から算出して評価する方法である(図6参照)。
【実施例】
【0097】
すなわち、HeLa細胞を4000 cell/mlになるように調整し、96 well plateの各wellに100 μlずつ入れ、24時間培養した。合成したsiRNAのそれぞれの鎖をTE buffer (100 mM NaCl) に溶解し、アニーリングを行なった。このsiRNA各量、培地(OPTI-MEM) 各量、0.1 μg/μL psi-CHECK (Firefly, Renilla各々のsequenceを持つベクター) 1 μl、transfast (transfection試薬) 1.5 μlを総量175 μlになるように混合し、培地を吸い出した96 well plateの各wellに 35 μlずつ入れ、1時間後培地を100 μl加えて24時間培養した。24時間後、培地を吸い出し、冷凍保存した。測定時には、解凍後、Dual glo substrate (Fireflyの基質) 24 μlを加え10分放置後、サンプル23 μlを発光測定用の96 well plateに移し、Firefly luciferaseを測定した。その後、Stop and glo substrate 23 μlを加え10分放置後、Renilla luciferaseを測定した。Renilla luciferaseの値をFirefly luciferaseの値で割り、% of controlを用いて比較した。なお、luciferase測定には、Luminescenser JNRを使用した。
【実施例】
【0098】
その結果、図7に示すように、siRNA(BuP)はベンゼン-ピリジン部位を有するsiRNA(BP)と同程度のタンパク発現抑制能を有することがわかった。
【実施例】
【0099】
(ヌクレアーゼ耐性の測定)
前述のようにして合成したsiRNA(BuP)、siRNA(BP)及び天然型のsiRNA(TT)の5´末端に蛍光性置換基を修飾し、その3´エキソヌクレアーゼ耐性を調べた。蛍光性置換基はフルオレセインであり、フルオロセインのホスホロアミダイト体を、DNA/RNA自動合成機によりホスホロアミダイト法により5´末端に導入した。
【実施例】
【0100】
こうして5´末端に蛍光性置換基を修飾したsiRNAのヌクレアーゼ耐性を調べた。
すなわち、Fluoresein で蛍光標識したオリゴヌクレオチド (siRNA(TT), siRNA(BP)及びsiRNA(BuP)を300 pmol、SVP 5.0×10-3 unit / mLを100 μL加え、37℃でインキュベートし、0 min、1 min、5 min、10 min、15 min、30 min、1 h、3 hおきにあらかじめ別のエッペンドルフチューブに分注しておいた反応停止液 (0.1% BPB, XC in 7 M Urea) 15 μL中に、反応液を5 μL加え、各時間の反応溶液とした。なお、0minのサンプルは酵素を加えていないものとした。
これらを20% PAGEにて分離した後、蛍光スキャナ(ルミノ・イメージアナライザーLAS-4000)を用いてフルオロセインの蛍光強度を測定することにより、ヌクレアーゼ耐性の程度を調べた。
【実施例】
【0101】
結果を図8及び図9に示す。図9から、天然型siRNA(TT)は1分後にヌクレアーゼ耐性活性がほぼ消失するのに対し、ベンゼン-ピリジン部位を有するsiRNA(BuP)及びsiRNA(BP)は30分程度経過しても、まだヌクレアーゼ耐性活性は50%程度残っていた。このことから、ベンゼン-ピリジン部位を有するsiRNA(BuP)及びsiRNA(BP)は天然型siRNA(TT)と比較して優れた3´エキソヌクレアーゼ耐性を有していることが分かった。
【実施例】
【0102】
また、以上の結果から、実施例1のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体(9)を用いて合成したsiRNA(以下「siRNA(BuP)を1本鎖及び2本鎖DNA、1本鎖及び2本鎖RNA、DNA/RNAキメラ並びにDNA/RNAハイブリッド等に利用した場合にも、同様のヌクレアーゼ耐性を有することが明白となった。
【実施例】
【0103】
以上のように、実施例のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体は、3´末端にベンゼン骨格及びピリジン骨格のうち2つの骨格が化学修飾されたオリゴヌクレオチド誘導体を容易に合成することができる。また、ピリジン環とベンゼン環どうしが尿素結合によって連結しており、尿素結合による芳香族環どうしの連結はカルボニルジイミダゾールを用いてカップリングすることにより極めて容易かつ定量的に形成させることができる。このため、アミダイト試薬を用いてリン酸エステル結合させたリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体と比較して、合成が容易である。
【実施例】
【0104】
(実施例4)
<フルオロメチルベンゼン環どうしが尿素結合したオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体の合成>
実施例4では、次に示す合成ルートにしたがってフルオロメチルベンゼン環どうしが尿素結合したオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体を合成した。
【実施例】
【0105】
【化17】
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【実施例】
【0106】
Dimethyl 5-hydroxymethylisophthalate (32) の合成
Trimethyl 1,3,5-benzenetricarboxylate (5.02 g, 19.9 mmol) をTHF (15 mL) に溶解し、脱気後、Ar置換してさらにNaBH4 (901 mg, 23.8 mmol) を加えた後、THF : MeOH (12.5 mL : 3.7 mL) 溶液をゆっくり滴下しながら加え、30分間refluxした。TLCで反応の進行を確認した後、HCl (1 N, 20 mL) を加えて反応を停止した。酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane : EtOAc = 4 : 1 → 3 : 1) にて単離精製し、dimethyl 5-hydroxymethylisophthalate (32) (2.73 g, 61%) を白色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 8.60 (1H, s, Ar-H), 8.24 (2H, s, Ar-H), 4.82 (2H, d, J = 6.3 Hz, CH2O), 3.95 (6H, s, CH3CO2), 1.98 (1H, t, J = 6.3 Hz, OH)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ = 166.2, 142.0, 131.9, 130.7, 129.7, 64.05, 52.37
【実施例】
【0107】
Dimethyl 5-fluoromethylisophthalate (33) の合成
Dimethyl 5-hydroxymethylisophthalate (32) (3.36 g, 15.0 mmol) をAr雰囲気下、CH2Cl2 (150 mL, 0.1M solution) に溶解し、氷冷下 (diethylamino)sulfur trifluoride (4.00 mL, 30.5 mmol) をゆっくり滴下しながら加え、室温で2時間撹拌した。TLCで反応の進行を確認した後、MeOH (150 mL) を加えて反応を停止した。溶媒を減圧留去した後、酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (×3) で抽出、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane : EtOAc = 10 : 1) で単離精製し、dimethyl 5-fluoromethylisophthalate (33) (2.57 g, 78%) を白色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 8.67 (1H, s, Ar-H), 8.24 (2H, s, Ar-H), 5.48 (2H, d, J = 48.1 Hz, CH2F), 3.97 (6H, s, CH3CO2)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ = 165.8, 137.3 (d, J = 19.1 Hz), 132.2 (d, J = 6.7 Hz), 131.1, 130.8, 83.2 (d, J = 171.7 Hz), 52.5
【実施例】
【0108】
Methyl 3-fluoromethyl-5-hydroxymethylbenzoate (34) の合成
Dimethyl 5-fluoromethylisophthalate (33) (3.16 g, 14.0 mmol) をTHF (10.5 mL) に溶解し、脱気後、Ar置換してさらにNaBH4 (638 mg, 16.9 mmol) を加えた後、THF : MeOH (8.8 mL : 2.6 mL) 溶液をゆっくり滴下しながら加え、1時間refluxした。TLCで反応の進行を確認した後、HCl (1 N, 14 mL) を加えて反応停止した。酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane : EtOAc = 5 : 1 →2 : 1) にて単離精製し、methyl 3-fluoromethyl-5-hydroxymethylbenzoate (34) (2.21 g, 80%) を白色結晶として得た。

1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.93 (1H, s, Ar-H), 7.87 (1H, s, Ar-H), 7.52 (1H, s, Ar-H), 5.36 (2H, d, J = 48.6Hz, CH2F), 4.67 (2H, s, CH2O), 3.88 (3H, s, CH3CO2)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ = 166.6, 141.9, 136.7 (d, J = 18.1 Hz), 130.3, 129.8 (d, J = 5.7 Hz), 127.8 (d, J = 1.9 Hz), 127.1 (d, J = 6.7 Hz), 83.6 (d, J = 169.8 Hz), 63.8, 52.1
【実施例】
【0109】
Methyl 3-azidomethyl-5-fluoromethylbenzoate (35) の合成
Methyl 3-fluoromethyl-5-hydroxymethylbenzoate (34) (2.30 g, 11.6 mmol) を24時間乾燥させ、sodium azide (3.77 g, 58.1 mmol)、carbontetrabromide (4.24 g, 12.1 mmol)、triphenylphosphine (3.66 g, 13.9 mmol) を48時間乾燥させた。Ar雰囲気下、triethylamine (3.6 mL) を加えた後、DMF (88 mL) に溶解して、室温で93時間撹拌した。TLCにて反応の進行を確認した後、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane : EtOAc = 10 : 1) にて単離精製し、methyl 3-azidomethyl-5-fluoromethylbenzoate (35) (1.37g, 53%) を淡黄色オイルとして得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 8.02 (1H, s, Ar-H), 8.00 (1H, s, Ar-H), 7.55 (1H, s, Ar-H), 5.45 (2H, d, J = 48.1Hz, CH2F), 4.45 (2H, s, CH2N3), 3.95 (3H, s, CH3CO2)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ = 166.2, 137.5 (d, J = 18.1 Hz), 136.5, 131.2, 130.9 (d, J = 5.7 Hz), 129.3, 128.0 (d, J = 6.7 Hz), 84.0 (d, J = 171.7 Hz), 77.50, 54.1, 52.4
【実施例】
【0110】
3-Azidomethyl-5-fluoromethylbenzylalcohol (36) の合成
Methyl 3-azidomethyl-5-fluoromethylbenzoate (35) (468 mg, 2.10 mmol) をTHF (1.5 mL) に溶解し、脱気後、Ar置換してさらにNaBH4 (97.5 mg, 2.58 mmol) を加えた後、THF : MeOH (1.3 mL : 0.4 mL) 溶液をゆっくり滴下しながら加え、20時間refluxした。TLCで反応の進行を確認した後、1 N塩酸 (2.5 mL) を加えて反応を停止した。その後、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で脱水、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane : EtOAc = 5 : 1 → EtOAc) にて単離精製し、3-azidomethyl-5-fluoromethylbenzylalcohol (36) (149 mg, 36%) を無色透明オイルとして得た。また、抽出時の水層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて塩基性にした後、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で脱水、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。そして、methyl 3-aminomethyl-5-fluoromethylbenzoate (37) (33.1 mg, 8%) を黄色透明オイルとして得た。
3-Azidomethyl-5-fluoromethylbenzylalcohol (36)
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.36 (1H, s, Ar-H), 7.33 (1H, s, Ar-H), 7.26 (1H, s, Ar-H), 5.40 (2H, d, J = 48.6, CH2F), 4.75 (2H, s, CH2O), 4.38 (2H, s, CH2N3)

Methyl 3-aminomethyl-5-fluoromethylbenzoate (37)
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.99 (1H, s, Ar-H), 7.93 (1H, s, Ar-H), 7.56 (1H, s, Ar-H), 5.42 (2H, d, J = 48.1, CH2F), 3.96 (2H, s, CH2N), 3.93 (3H,s, CH3CO2)
【実施例】
【0111】
3-Aminomethyl-5-fluoromethylbenzylalcohol (38) の合成
Methyl 3-azidomethyl-5-fluoromethylbenzoate (35) (476 mg, 2.13 mmol) をTHF (21.3 mL) に溶解し、脱気後、Ar置換した。また、別のAr置換したナスフラスコにLiAlH4 (408 mg, 10.7 mmol) を加え、氷冷下THF (21.3 mL) に懸濁し、先程の化合物(3) をゆっくり滴下しながら加え、0℃で2時間撹拌した。TLCにて原料の消失を確認した後、MeOH (10 mL) を加えて反応を停止した。セライト濾過にて金属を除去した後、濾液を減圧留去した。残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane : EtOAc = 1 : 1 → EtOAc : MeOH = 2 : 1) にて単離精製し、3-aminomethyl-5-fluoromethylbenzylalcohol (38) (172 mg, 48%) を黄色固体として得た。
1H-NMR (CD3OD, 400 MHz)
δ = 7.43 (2H, s, Ar-H), 7.39 (1H, s, Ar-H), 5.40 (2H, d, J = 49.0, CH2F), 4.66 (2H, s, CH2O), 4.11 (2H, s, CH2N)
13C-NMR (CD3OD, 100 MHz)
δ = 144.5, 139.0 (d, J = 17.2 Hz), 135.4, 128.6, 127.7 (d, J = 6.7 Hz), 127.3 (d, J = 5.7 Hz), 85.1 (d, J = 168.8 Hz), 64.4, 44.0
【実施例】
【0112】
3-(4,4’-Dimethoxytrityloxy)methyl-5-fluoromethylbenzylazide (39) の合成
3-Azidomethyl-5-fluoromethylbenzylalcohol (36) (142 mg, 0.73 mmol) を脱気後、Ar置換し、DMTrCl (323 mg, 0.95 mmol) を加えた。これに、DMF (2.0 mL) およびピリジン (2.0 mL) をそれぞれ加え、室温で22時間撹拌した。TLCにて反応の進行を確認した後、真空中で溶媒を減圧留去した。酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で脱水、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane : EtOAc = 20 : 1→ 5 : 1) にて単離精製し、3-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-5-fluoromethylbenzylazide (39) (346 mg, 95%) を無色透明オイルとして得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.51-7.21 (12H, m, Ar-H), 6.84 (4H, d, J = 9.2 Hz, Ar-H), 5.39 (2H, d, J = 48.6, CH2F), 4.37 (2H, s, CH2N3), 4.21 (2H, s, CH2O), 3.80 (6H, s, CH3O)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ = 158.5, 144.8, 140.6, 136.9 (d, J = 18.1 Hz), 136.0, 135.9, 130.0, 128.1, 127.9, 126.8, 125.7, 125.7, 113.2, 86.6, 84.2 (d, J = 169.8 Hz), 65.1, 55.2, 54.5
【実施例】
【0113】
3-(4,4’-Dimethoxytrityloxy)methyl-5-fluoromethylbenzylamine (40) の合成
3-(4,4’-Dimethoxytrityloxy)methyl-5-fluoromethylbenzylazide (39) (247 mg, 0.50 mmol) をTHF (5.00 mL) に溶解し、水(0.20 mL)、triphenylphosphine (264 mg, 1.01 mmol) を順に加え、脱気後、Ar置換し、室温で15時間撹拌した。TLCで反応の進行を確認した後、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で脱水、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAc → EtOAc : CH3OH = 2 : 1) にて単離精製し、3-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-5-fluoromethylbenzylamine (40) (234 mg, 100%) を白濁オイルとして得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.51-7.20 (12H, m, Ar-H), 6.84 (4H, d, J = 8.7 Hz, Ar-H), 5.38 (2H, d, J = 49.0, CH2F), 4.18 (2H, s, CH2O), 3.89 (2H, s, CH2N), 3.79 (6H, s, CH3O)
13C-NMR (CDCl3, 100 MHz)
δ = 158.5, 144.9, 143.4, 140.1, 136.5 (d, J = 17.2 Hz), 136.1, 130.0, 128.1, 127.8, 126.8, 126.1, 125.0 (d, J = 5.7 Hz), 124.6 (d, J = 6.7 Hz), 113.1, 86.5, 84.6 (d, J = 168.8 Hz), 65. 3, 55.2, 46.2
【実施例】
【0114】
3-(t-Butyldimethylsilyloxy)methyl-5-fluoromethylbenzylamine (41) の合成
3-Aminomethyl-5-fluoromethylbenzylalcohol (38) (520 mg, 3.07 mmol) およびimidazole (923 mg, 13.6 mmol) をDMF (15.5 mL) に溶解させ、脱気後、Ar置換した。これに、TBDMSCl (1.03 g, 6.83 mmol) を加えて溶解させ、脱気後、再度Ar置換して室温で18時間撹拌した。TLCにて反応の進行を確認した後、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で脱水、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane : EtOAc = 1 : 1) にて精製し、3-(t-butyldimethylsilyloxy)methyl-5-fluoromethylbenzylamine (41) (661 mg, 76%) を無色オイルとして得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz)
δ = 7.21 (1H, s, Ar-H), 7.19 (1H, s, Ar-H), 7.11 (1H, s, Ar-H), 5.35 (2H, d, J = 49.0 Hz, CH2F), 4.73 (2H, s, CH2O), 4.48 (2H, d, J = 6.0 Hz, CH2N), 0.94 (9H, s, t-C4H9Si), 0.10 (6H, s, (CH3)2Si)
【実施例】
【0115】
N-3-(4,4’-Dimethoxytrityloxy)methyl-5-fluoromethylbenzyl-N’-3-(t-Butyldimethylsilyloxy)methyl-5-fluoromethylbenzylurea (42) の合成
3-(4,4’-Dimethoxytrityloxy)methyl-5-fluoromethylbenzylamine (40) (89.3 mg, 0.19 mmol) の入ったナスフラスコを脱気後、Ar置換してTHF (5.0 mL) を加え溶解した。また、1,1’-carbonyldiimidazole (33.0 mg, 0.20 mmol) をTHF (5.0 mL) に溶解し、化合物 (10) にゆっくり滴下しながら加え、室温で9.5時間撹拌した。TLCにて反応の進行を確認した。次に、3-(t-butyldimethylsilyloxy)methyl-5-fluoromethylbenzylamine (41) (54.8 mg, 0.19 mmol) をTHF (1.6 mL) に溶解し、反応系内にゆっくり滴下した。室温で13時間撹拌し、TLCにて反応の進行を確認した。溶媒を減圧留去し、残渣を中性シリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane : EtOAc = 2 : 3 → EtOAc : CH3OH = 2 : 1) にて精製し、N-3-(4,4’-Dimethoxytrityloxy)methyl-5-fluoromethylbenzyl-N’-3-(t-Butyldimethylsilyloxy)methyl-5-fluoromethylbenzylurea (42) (93.5 mg, 63%) を無色オイルとして得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz)
δ = 7.47-6.79 (19H, m, Ar-H), 5.28 (4H, d, J = 49.0 Hz, CH2F), 4.34 (2H, s, CH2), 4.15 (2H, s, CH2), 3.75 (8H, s, CH3O and CH2), 3.72 (2H, s, CH2), 0.93 (9H, s, t-C4H9Si), 0.09 (6H, s, (CH3)2Si)
【実施例】
【0116】
こうして得られたN-3-(4,4’-Dimethoxytrityloxy)methyl-5-fluoromethylbenzyl-N’-3-(t-Butyldimethylsilyloxy)methyl-5-fluoromethylbenzylurea (42)について、実施例1や実施例2と同様の方法により、実施例3のオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体を得ることができる。
【実施例】
【0117】
この発明は上記発明の実施の態様及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】siRNAの化学修飾の例を示す図である。
【図2】特許文献1に記載されている、CPG樹脂にリン酸ジエステル結合で連結された2つのベンゼン骨格がリンカーを介して化学修飾されているオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体の合成経路を示す図である。
【図3】特許文献1に記載されている、CPG樹脂にリン酸ジエステル結合で連結された2つのピリジン骨格がリンカーを介して化学修飾されているオリゴヌクレオチド誘導体合成用修飾担体の合成経路を示す図である。
【図4】実施例及び比較例で合成したオリゴヌクレオチドの配列を示す図である。
【図5】実施例siRNA(BP、BuP、PuP、BtuP)及び比較例siRNA(TT)の熱的安定性を示すグラフである。
【図6】siRNAによるRenilla luciferaseのタンパク発現抑制効果を測定する方法を示す図である。
【図7】実施例siRNA(BuP)及び比較例siRNA(BP)によるRenilla luciferaseのタンパク発現抑制を、それぞれの発光の割合から算出したグラフである。
【図8】ヌクレアーゼ耐性活性度測定における電気泳動の結果を示す図である。
【図9】ヌクレアーゼ耐性活性度と時間との関係を示すグラフである。

【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、個別化医療への展開が期待されているRNA創薬等、核酸オリゴマーを用いた医療分野において有用な手段を提供することができる。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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