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明細書 :不斉合成触媒用配位子及びそれを用いたα-アルケニル環状化合物の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5692812号 (P5692812)
登録日 平成27年2月13日(2015.2.13)
発行日 平成27年4月1日(2015.4.1)
発明の名称または考案の名称 不斉合成触媒用配位子及びそれを用いたα-アルケニル環状化合物の製造方法
国際特許分類 C07D 213/79        (2006.01)
C07D 207/48        (2006.01)
C07D 307/33        (2006.01)
C07D 307/79        (2006.01)
C07D 307/06        (2006.01)
C07D 309/04        (2006.01)
C07D 319/08        (2006.01)
C07D 311/04        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
C07B  53/00        (2006.01)
FI C07D 213/79 CSP
C07D 207/48
C07D 307/32 E
C07D 307/79
C07D 307/06
C07D 309/04
C07D 319/08
C07D 311/04
C07B 61/00 300
C07B 53/00 B
請求項の数または発明の数 8
全頁数 23
出願番号 特願2011-535371 (P2011-535371)
出願日 平成22年10月1日(2010.10.1)
国際出願番号 PCT/JP2010/067279
国際公開番号 WO2011/043272
国際公開日 平成23年4月14日(2011.4.14)
優先権出願番号 2009233813
優先日 平成21年10月7日(2009.10.7)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成25年9月25日(2013.9.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
発明者または考案者 【氏名】北村 雅人
【氏名】田中 慎二
個別代理人の代理人 【識別番号】100094190、【弁理士】、【氏名又は名称】小島 清路
【識別番号】100151644、【弁理士】、【氏名又は名称】平岩 康幸
【識別番号】100151127、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 勝雅
審査官 【審査官】清水 紀子
参考文献・文献 国際公開第2007/129664(WO,A1)
特表2005-505523(JP,A)
佐分 元 等,カチオン性CpRu/2-キノリンカルボン酸触媒を用いる環状アリルエーテル合成,日本化学会講演予稿集,2007年,Vol.87th, No.1,p.418 1 L2-46
HOSOKAWA,T. et al.,Palladium(II)-catalyzed asymmetric oxidative cyclization of 2-allylphenols in the presence of copper(II) acetate and molecular oxygen. Study of the catalysis of the Wacker-type oxidation,Journal of the American Chemical Society,1981年,Vol.103, No.9,p.2318-23
TANAKA,S. et al,Asymmetric Dehydrative Cyclization of ω-Hydroxy Allyl Alcohols Catalyzed by Ruthenium Complexes,Angewandte Chemie, International Edition,2009年11月 9日,Vol.48, No.47,p.8948-8951
関 知昭 等,ω-ヒドロキシアリルアルコール類の触媒的不斉環化,中部化学関係学協会支部連合秋季大会講演予稿集,2009年11月 7日,Vol.40th,p.177
調査した分野 C07D 213/79
C07D 207/48
C07D 307/06
C07D 307/33
C07D 307/79
C07D 309/04
C07D 311/04
C07D 319/08
C07B 53/00
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(1)又は(2)で表される不斉合成触媒用配位子。
【化1】
JP0005692812B2_000014t.gif
[式(1)及び(2)において、Rは-Cl又は-Br、Rは-CH又は-CF、Rは-CH-CH=CH又は-Hである。]
【請求項2】
前記式(1)又は前記式(2)における、前記Rは-Clであり、前記Rは-CHである請求項1に記載の不斉合成触媒用配位子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の不斉合成触媒用配位子と、下記式(5)で表される触媒前駆体とを混合し、その後、下記式(6)で表されるω-ヒドロキシアリルアルコー、メルドラム酸型アリルアルコー、スルホニルアミノアリルアルコー及びカルボキシアリルアルコーから選ばれる1種のアリルアルコーを配合し、反応させて、5員環又は6員環構造を有するα-アルケニル環状化合を得ることを特徴とするα-アルケニル環状化合の製造方法。
[Ru(C)(CHCN)]PF (5)
【化2】
JP0005692812B2_000015t.gif
[式(6)において、Rは-H又は炭素数1~5のアルキル基、Rは-H又は-CH、Rは2価の有機基である。]
【請求項4】
前記アリルアルコーが前記ω-ヒドロキシアリルアルコーであり、前記α-アルケニル環状化合が5員環エーテル構造又は6員環エーテル構造を有するα-アルケニル環状化合物である請求項3に記載のα-アルケニル環状化合の製造方法。
【請求項5】
前記式(6)で表されるω-ヒドロキシアリルアルコーが、下記(a)乃至(l)の化合物である請求項4に記載のα-アルケニル環状化合の製造方法。
(a);前記式(6)におけるRが-CHCHCH-、Rが-H、Rが-H
(b);前記式(6)におけるRが-CHCH-、Rが-H、Rが-H
(c);前記式(6)におけるRが-CHCHCH-、Rが-CH、Rが-H
(d);前記式(6)におけるRが-CHCH-、Rが-CH、Rが-H
(e);前記式(6)におけるRが-CHCHCH-、Rが-C、Rが-H
(f);前記式(6)におけるRが-CHCHCH-、Rが-n-C11、Rが-H
(g);前記式(6)におけるRが-CHCHCH-、Rが-CH(i-C)、Rが-H
(h);前記式(6)におけるRが-CHCHCH-、Rが-H、Rが-CH
(i);前記式(6)におけるRが-C(CH)CHCH-、Rが-H、Rが-H
(j);前記式(6)におけるHO-Rが下記式(7)で表され、Rが-CH、Rが-H
【化3】
JP0005692812B2_000016t.gif
(k);前記式(6)におけるHO-Rが下記式(8)で表され、Rが-H、Rが-CH
【化4】
JP0005692812B2_000017t.gif
[式(8)において、Bnはベンジル基である。]
(l);前記式(6)におけるHO-Rが下記式(9)で表され、Rが-CH、Rが-H
【化5】
JP0005692812B2_000018t.gif

【請求項6】
前記アリルアルコーのモル数(M)と、前記不斉合成触媒用配位子のモル数(M)との比(M/M)が100~1000である請求項3乃至5のうちのいずれか1項に記載のα-アルケニル環状化合の製造方法。
【請求項7】
前記反応の温度が80~120℃である請求項3乃至6のうちのいずれか1項に記載のα-アルケニル環状化合の製造方法。
【請求項8】
反応溶媒がジメチルアセトアミドである請求項3乃至7のうちのいずれか1項に記載のα-アルケニル環状化合の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、不斉合成触媒用配位子及びそれを用いたα-アルケニル環状化合の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、特定の構造を備え、触媒前駆体が有するRuに容易に配位し、キラルなα-アルケニル環状化合の製造に有用な配位子、及びこれらの触媒前駆体と不斉合成触媒用配位子とからなる触媒の存在下に、特定のアリルアルコーを脱水環化反応させるα-アルケニル環状化合の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生理活性物質には不斉炭素原子を有する光学活性体が多く、所定の立体構造を有する光学活性体を得ることが重要である。この光学活性体を得る方法として、ラセミ体を合成し、その後、光学分割等によって所定の立体構造を有する光学活性体を分取する方法が挙げられる。しかし、この方法は化学変換が必要である等の理由で効率が低い。そのため、所定の立体構造を有する光学活性体を選択的に合成することができる不斉合成方法の研究開発が進められている。
【0003】
多環エーテ等の光学活性体における最も重要な構造単位の1つとして不斉中心を有する環状エーテが挙げられる(例えば、非特許文献1参照。)。また、これまで報告されている多くの基本構造のうちで、α-アルケニル置換環状エーテルが最も有用であることが知られている。更に、このα-アルケニル置換環状エーテルについて、特に選択性の高い触媒が注目されており、オルトアリル又はホモアリルフェノール誘導体のワッカー型酸化型環化(例えば、非特許文献2参照)、ω-ヒドロキシアリルエステを用いた辻-トロスト型分子内アリル化(例えば、非特許文献3参照)、アルキへのアルコーの付加(例えば、非特許文献4参照)、及びアレへのアルコーの付加(例えば、非特許文献5参照)等の合成方法が知られている。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】Tetrahedron 1987, 43, 3309-3362
【非特許文献2】J. Am. Chem. Soc. 1981, 103, 2318-2323
【非特許文献3】Tetrahedron Lett. 1994, 35, 6093-6096
【非特許文献4】J. Org. Chem. 2006, 71, 4270-4279
【非特許文献5】Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 283-285
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特定の構造を備え、触媒前駆体が有するRuに容易に配位し、キラルなα-アルケニル環状化合の製造に有用な配位子、及びこれらの触媒前駆体と不斉合成触媒用配位子とからなる触媒の存在下に、特定のアリルアルコーを脱水環化反応させるα-アルケニル環状化合の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下のとおりである。
1.下記式(1)又は(2)で表される不斉合成触媒用配位子。
【化1】
JP0005692812B2_000002t.gif
[式(1)及び(2)において、Rは-Cl又は-Br、Rは-CH又は-CF、Rは-CH-CH=CH又は-Hである。]
2.前記式(1)又は前記式(2)における、前記Rは-Clであり、前記Rは-CHである前記1.に記載の不斉合成触媒用配位子。
3.前記1.又は2.に記載の不斉合成触媒用配位子と、下記式(5)で表される触媒前駆体とを混合し、その後、下記式(6)で表されるω-ヒドロキシアリルアルコー、メルドラム酸型アリルアルコー、スルホニルアミノアリルアルコー及びカルボキシアリルアルコーから選ばれる1種のアリルアルコーを配合し、反応させて、5員環又は6員環構造を有するα-アルケニル環状化合を得ることを特徴とするα-アルケニル環状化合の製造方法。
[Ru(C)(CHCN)]PF (5)
【化2】
JP0005692812B2_000003t.gif
[式(6)において、Rは-H又は炭素数1~5のアルキル基、Rは-H又は-CH、Rは2価の有機基である。]
4.前記アリルアルコーが前記ω-ヒドロキシアリルアルコーであり、前記α-アルケニル環状化合が5員環エーテル構造又は6員環エーテル構造を有する環状エーテである前記3.に記載のα-アルケニル環状化合の製造方法。
5.前記式(6)で表されるω-ヒドロキシアリルアルコーが、下記(a)乃至(l)の化合物である前記4.に記載のα-アルケニル環状化合の製造方法。
(a);前記式(6)におけるRが-CHCHCH-、Rが-H、Rが-H
(b);前記式(6)におけるRが-CHCH-、Rが-H、Rが-H
(c);前記式(6)におけるRが-CHCHCH-、Rが-CH、Rが-H
(d);前記式(6)におけるRが-CHCH-、Rが-CH、Rが-H
(e);前記式(6)におけるRが-CHCHCH-、Rが-C、Rが-H
(f);前記式(6)におけるRが-CHCHCH-、Rが-n-C11、Rが-H
(g);前記式(6)におけるRが-CHCHCH-、Rが-CH(i-C)、Rが-H
(h);前記式(6)におけるRが-CHCHCH-、Rが-H、Rが-CH
(i);前記式(6)におけるRが-C(CH)CHCH-、Rが-H、Rが-H
(j);前記式(6)におけるHO-Rが下記式(7)で表され、Rが-CH、Rが-H
【化3】
JP0005692812B2_000004t.gif
(k);前記式(6)におけるHO-Rが下記式(8)で表され、Rが-H、Rが-CH
【化4】
JP0005692812B2_000005t.gif
[式(8)において、Bnはベンジル基(CCH-)である。]
(l);前記式(6)におけるHO-Rが下記式(9)で表され、Rが-CH、Rが-H
【化5】
JP0005692812B2_000006t.gif
6.前記ω-ヒドロキシアリルアルコーのモル数(M)と、前記不斉合成触媒用配位子のモル数(M)との比(M/M)が100~1000である前記3.乃至5.のうちのいずれか1項に記載のα-アルケニル環状化合の製造方法。
7.前記反応の温度が80~120℃である前記3.乃至6.のうちのいずれか1項に記載のα-アルケニル環状化合の製造方法。
8.反応溶媒がジメチルアセトアミドである前記3.乃至7.のうちのいずれか1項に記載のα-アルケニル環状化合の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の不斉合成触媒用配位子は、特定の構造を備える触媒前駆体が有するRuに容易に配位して不斉合成触媒を形成し、この触媒によって、特定のアリルアルコーを脱水環化反応させ、高い収率、且つ高いエナンチオ選択性でキラルなα-アルケニル環状化合を製造することができる。
また、前記式(1)又は前記式(2)で表され、Rが-Clであり、Rが-CHである場合は、より高い収率、且つより高い選択性でキラルなα-アルケニル環状化合を製造することができる。
本発明のα-アルケニル環状化合の製造方法によれば、多くの種類のアリルアルコーを、簡易な操作、工程で脱水環化反応させ、高い収率、且つ高いエナンチオ選択性でキラルなα-アルケニル環状化合を容易に製造することができる。
また、アリルアルコーがω-ヒドロキシアリルアルコーであり、環状化合が5員環エーテル構造又は6員環エーテル構造を有する環状エーテである場合は、多くの種類のω-ヒドロキシアリルアルコーを用いて、高い収率、且つ高いエナンチオ選択性でキラルなα-アルケニル環状エーテを容易に製造することができる。
更に、前記式(6)で表されるω-ヒドロキシアリルアルコーが、前記(a)乃至(l)の化合物である場合は、対応する各種のα-アルケニル環状エーテを製造することができ、本発明の製造方法は汎用性が高い。
また、アリルアルコーのモル数(M)と、不斉合成触媒用配位子のモル数(M)との比(M/M)が100~1000である場合は、安定な反応が可能であり、高い収率、且つ選択性でα-アルケニル環状化合を効率よく製造することができる。
更に、反応の温度が80~120℃である場合は、反応に長時間を必要とすることなく、高い収率、且つ選択性でα-アルケニル環状化合を効率よく製造することができ、実用上、有用な製造方法である。
また、反応溶媒がジメチルアセトアミドである場合は、安定な反応が可能であり、高い収率、且つ選択性でα-アルケニル環状化合を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】アリル 6-(2-クロロナフタレン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-カルボキシレートのH-NMRスペクトルである。
【図2】アリル 6-(2-クロロナフタレン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-カルボキシレートの13C-NMRスペクトルである。
【図3】ω-ヒドロキシアリルアルコーとして前記式(a)で表される化合物を用いて製造されたα-アルケニル環状エーテルのH-NMRスペクトルである。
【図4】ω-ヒドロキシアリルアルコーとして前記式(a)で表される化合物を用いて製造されたα-アルケニル環状エーテルの13C-NMRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1]不斉合成触媒用配位子
本発明の不斉合成触媒用配位子(以下、単に配位子ということもある。)は、前記式(1)又は(2)で表される。
(R)-体である式(1)で表される配位子、及び(S)-体である式(2)で表される配位子において、Rは-Cl(塩素原子)及び-Br(臭素原子)のいずれでもよいが、-Clであることが好ましい。また、Rは-CH(メチル基)及び-CFのいずれでもよいが、-CHであることが好ましい。更に、Rは-CH-CH=CH(アリル基)及び-H(水素原子)のいずれでもよいが、-CH-CH=CHであることが好ましい。即ち、酸型よりアリルエステル型の配位子が好ましい。従って、この配位子としては、式(1)及び式(2)において、Rが-Cl、Rが-CHであるアリルエステル型の配位子が好ましい。

【0011】
本発明の不斉合成触媒用配位子は、前記式(5)で表される触媒前駆体、即ち、[Ru(C)(CHCN)]PF[下記の式(10)により表すこともでき、Ruに3個のアセトニトリル(CHCN)が配位した構造部分を有する。]と組み合わせて用いられ、反応触媒系が形成される。本発明の配位子と触媒前駆体とは、固形の配位子と固形の触媒前駆体とに溶媒を加えて混合して用いてもよく、溶媒に溶解した配位子と固形の触媒前駆体とを混合して用いてもよく、固形の配位子と溶媒に溶解した触媒前駆体とを混合して用いてもよく、溶媒に溶解した配位子と溶媒に溶解した触媒前駆体とを混合して用いてもよい。また、各々が溶解した溶液を混合する場合、それぞれの溶媒は同一でもよく、異なっていてもよい。更に、製造された配位子は一旦単離し、使用時に溶媒に溶解させて用いてもよく、製造したまま、即ち、製造時に用いられた溶媒に溶解したまま用いてもよい。
【化6】
JP0005692812B2_000007t.gif
[式(10)において、RuとNとの間の破線は配位結合であることを表す。]

【0012】
[2]α-アルケニル環状化合の製造
本発明のα-アルケニル環状化合の製造方法では、前記式(5)[及び前記式(10)]で表される触媒前駆体と、前記式(1)乃至(4)のうちの1つで表される本発明の不斉合成触媒用配位子とを混合し、その後、アリルアルコー(以下、出発物質ということもある。)を配合し、反応させ、出発物質の分子内脱水環化反応によりα-アルケニル環状化合を製造する。例えば、アリルアルコーが前記式(6)で表されるω-ヒドロキシアリルアルコーである場合は、5員環エーテル構造又は6員環エーテル構造を有するα-アルケニル環状エーテを製造することができる。

【0013】
α-アルケニル環状エーテの製造に用いられる前記式(6)で表されるω-ヒドロキシアリルアルコーにおいて、Rは-H及び炭素数1~5のアルキル基のいずれでもよいが、-Hであることが好ましい。また、Rがアルキル基である場合、炭素数は1~5であればよいが、炭素数1の-CH又は炭素数2の-C(エチル基)であることが好ましく、特に炭素数1の-CHであることがより好ましい。更に、このアルキル基は、直鎖アルキル基及び分岐アルキル基のいずれでもよい。また、Rは-H又は-CHのいずれでもよいが、-Hであることが好ましい。更に、Rは、ω位のヒドロキシル基が有する酸素原子がRが結合している炭素原子に結合して、5員環エーテル構造又は6員環エーテル構造が形成される2価の有機基である。

【0014】
出発物質として用いられるω-ヒドロキシアリルアルコーは、前記のようなR、R及びRを有し、且つ5員環エーテル構造又は6員環エーテル構造を有するα-アルケニル環状エーテを得ることができる限り特に限定されず、各種の出発物質を用いることができる。5員環エーテル構造又は6員環エーテル構造を有するα-アルケニル環状エーテとするためには、出発物質としては、式(6)におけるRが-CHCH-、-CHCHCH-又は-C(CH)CHCH-で表される構造部分、及び式(6)におけるHO-Rが前記式(7)、前記式(8)又は前記式(9)で表される構造部分であるω-ヒドロキシアリルアルコーが挙げられる。

【0015】
アリルアルコーとしては、メルドラム酸型アリルアルコー、スルホニルアミノアリルアルコー及びカルボキシアリルアルコーを用いることもでき、ω-ヒドロキシアリルアルコーのときと同様に、出発物質の分子内脱水環化反応によりα-アルケニル環状化合を製造することができる。このように、本発明のα-アルケニル環状化合の製造方法では、水素原子と、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及び炭素原子のうちの少なくとも1種の原子とを有する置換基を備えるアリルアルコーを出発物質として使用し、置換基が有する水素原子と、ヒドロキシル基とが反応し、脱水環化によりα-アルケニル環状化合が生成する。

【0016】
メルドラム酸型アリルアルコーの場合、置換基は水素原子、酸素原子及び炭素原子を有し、脱水反応に与る水素原子は炭素原子に結合している。また、このアリルアルコーでは、本発明の不斉合成触媒用配位子と、特定の触媒前駆体とを用いた反応系において、分子内脱水環化反応が促進され、α-アルケニル環状化合を効率よく製造することができる。更に、このアリルアルコーでは、置換基を除く骨格部分の炭素原子に結合しているのは、水素原子でもよく、アルキル基であってもよい。

【0017】
スルホニルアミノアリルアルコーの場合、置換基は水素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子を有し、脱水反応に与る水素原子は窒素原子に結合している。また、このアリルアルコーでは、本発明の不斉合成触媒用配位子と、特定の触媒前駆体とを用いた反応系において、分子内脱水環化反応が促進され、α-アルケニル環状化合を効率よく製造することができる。更に、このアリルアルコーでは、置換基を除く骨格部分の炭素原子に結合しているのは、水素原子でもよく、アルキル基であってもよい。

【0018】
カルボキシアリルアルコーの場合、置換基は水素原子、酸素原子及び炭素原子を有し、脱水反応に与る水素原子は酸素原子に結合している。また、このアリルアルコーでは、本発明の不斉合成触媒用配位子と、特定の触媒前駆体とを用いた反応系において、分子内脱水環化反応が促進され、α-アルケニル環状化合を効率よく製造することができる。更に、このアリルアルコーでは、置換基を除く骨格部分の炭素原子に結合しているのは、水素原子でもよく、アルキル基であってもよい。

【0019】
本発明のα-アルケニル環状化合の製造方法では、不斉合成触媒用配位子と、触媒前駆体とを混合し、不斉合成触媒を形成させ、その後、配合される出発物質と反応させ、α-アルケニル環状化合を製造する。配位子と触媒前駆体との混合方法は、前記のように特に限定されないが、反応器に投入された固形の触媒前駆体に、配位子が溶解した溶液を加えて混合する方法が好ましい。また、出発物質は、液体又は固体の立体異性体として製造され、使用時に適宜の溶媒に溶解させて用いられる。更に、出発物質が溶解した溶液は、配位子と触媒前駆体とにより触媒系が形成されている溶液に配合され、α-アルケニル環状化合が生成する。

【0020】
配位子を溶解させるための溶媒と、触媒前駆体を溶解させるための溶媒とは、同一でもよく、異なっていてもよいことは前記のとおりであるが、出発物質を溶解させる溶媒も、触媒前駆体を溶解させるための溶媒及び配位子を溶解させるための溶媒のうちの少なくとも一方と同一でもよく、異なっていてもよい。この溶媒としては、例えば、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、ジオキサン、ジクロロメタン、アセトン、トルエン、メチルアルコール、エチルアルコール、t-ブチルアルコール、i-プロピルアルコール、酢酸、水等が挙げられる。

【0021】
前記の溶媒のうちで、触媒前駆体及び配位子の各々を溶解させるための溶媒としては、それぞれ、ジクロロメタン、アセトン等が好ましい。また、出発物質を溶解させるための溶媒、通常、反応溶媒となる溶媒としては、DMA、DMF、THF、CPME、t-ブチルアルコール等が好ましく、DMAがより好ましい。

【0022】
また、出発物質のモル数(M)と、配位子のモル数(M)との比(M/M)は、目的とするα-アルケニル環状化合を生成させることができる限り、特に限定されないが、実用上、出発物質からα-アルケニル環状化合への転化率が90%以上、特に95%以上、更に99%以上となる比であることが好ましい。具体的には、比(M/M)が50~5000、特に70~3000、更に100~1000であることが好ましい。このように、本発明のα-アルケニル環状化合の製造方法では、従来法と比べて極めて少量の触媒によって転化率を十分に高くすることができる。

【0023】
更に、本発明のα-アルケニル環状化合の製造方法では、反応条件は特に限定されず、この反応条件は、配位子及び出発物質のそれぞれの種類、特に出発物質の種類等に応じて、適宜調整することが好ましい。反応温度は反応時間によもよるが、実用上の観点では、50~150℃、特に70~130℃、更に80~120℃とすることが好ましい。反応時間は、反応温度が80~120℃であれば、0.1~3時間、特に0.1~1.5時間とすることができ、反応温度が80℃未満の低温であるときは、反応時間をより長くすることにより、出発物質からα-アルケニル環状化合への転化率を99%以上と十分に高くすることができる。

【0024】
また、反応時の雰囲気は不活性雰囲気であり、この不活性雰囲気は特に限定されないが、例えば、窒素ガス雰囲気、又はアルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス等の希ガス雰囲気とすることができる。更に、本発明のα-アルケニル環状化合の製造方法では、反応終了後、従来知られた方法、例えば、蒸留、吸着、抽出、及び再結晶等の方法、又はこれらの方法を組み合わせた方法により、目的とするα-アルケニル環状化合の回収及び精製をすることができる。また、必要に応じて光学分割等により、目的とする光学活性体を更に精製することもできる。

【0025】
本発明において、配位子と触媒前駆体とを用いて触媒系を形成し、これに特定のアリルアルコーを配合して反応させることにより、α-アルケニル環状化合物が生成する機構は、例えば、アリルアルコーがω-ヒドロキシアリルアルコーである場合、以下のようであると考えられる。
(R)-Cl-Naph-PyCOOH[式(1)の酸型の配位子)は[CpRu(CHCN)]PF(触媒前駆体)と錯形成して、[CpRu((R)-Cl-Naph-PyCOOH)]PFとなり、アリルアルコール基質を捕捉して、sub/cat complex(出発物質/触媒複合体)[下記式(11)参照]となる。ここで、配位子のカルボン酸のプロトンとω-ヒドロキシアリルアルコーのヒドロキシ基との水素結合により、γ炭素の求電子性が著しく向上する。また、配位子のsp窒素原子及びシクロペンタジエニル基の高い電子供与性による中心ルテニウム(II)原子の求核性の向上と相俟って、発熱的にπアリル錯体(R,RRu)-Asyn,anti[下記式(12)参照]を形成する(synはπアリル2位プロトンと3位置換基との位置関係を、antiはカルボキシラト配位子とπアリル3位置換基との位置関係を表す)。そして、πアリル3位置換基と配位子ナフタレン部との立体反発からより安定な(R,RRu)-Asyn,syn体[下記式(13a)参照]に異性化する。更に、ωヒドロキシ基が内側(inside)からπアリル炭素を求核攻撃すれば、S生成物[下記式(13c)参照]が得られ、外側(outside)から攻撃すればR生成物[下記式(13d)参照]が得られる。このように、カルボキシラト配位子の酸素原子とωヒドロキシプロトンの水素結合可能なinside攻撃が優先して、(R)-Naph-PyCOOH/CpRu触媒がS生成物を与えると考えられる。また、(R,SRu)Asyn,synジオステレオマーを介して、outside攻撃によりS体が生成することも否定できない。更に、Ru原子上のCp部、πアリル部、PyCOO部間の立体反発、CpH/Cl間の水素結合、ベンゼン環/CpH間のCH-π相互作用等の均衡が2つのジアステレオマー中間体間の安定性を定めようが、CpHとCl原子との水素結合が可能な(R,RRu)-Asyn,syn体[下記式(13a)参照]が(R,SRu)-Asyn,syn体[下記式(13b)参照]より有利と考えられる。
【化7】
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【実施例】
【0026】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1[アリル 6-(2-クロロナフタレン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-カルボキシレートの製造]
(1)2-(2-クロロナフタレン-1-イル)-3-メチルピリジンの調製
乾燥させた容量250mLのシュレンクチューブに、2-(2-トリエチルシリル)ナフタレン-1-イル)-3-メチルピリジン8g(24mmol)及びジクロロメタン48mLを投入し、-78℃にまで降温させた。その後、塩化ホウ素の2.27M濃度のトルエン溶液12.7mL(28.2mmol)を加え、同温度で30分密閉系で攪拌し、次いで、減圧下、全ての揮発分を除去した。その後、茶黄色の残渣にメタノール48mL、水48mL及び塩化第二銅9.6g(71.6mmol)を加え、チューブをコールドフィンガーでシールし、混合物を昇温させて48時間還流させた。次いで、室温にまで冷却し、全混合物を50mLのエーテル層と50mLの5M濃度のアンモニア水層とに分離し、水層から50mLのエーテルにより3回抽出し、全エーテル層を混合し、50mLの塩水で洗浄した。次いで、50gの硫酸ナトリウムにより乾燥させ、脱水、濾過の工程により、6gの黄色の油状物を得た。その後、この油状物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(250g、溶媒は質量比で4:1のヘキサンと酢酸エチル)により精製し、5.66g(収率93%)の淡黄色の2-(2-クロロナフタレン-1-イル)-3-メチルピリジンを得た。
【実施例】
【0027】
(2)6-(2-クロロナフタレン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-カーボニトリルの調製
ガラスストッパーと3方コックが取り付けられた容量50mLの丸底フラスコを乾燥させ、2-(2-クロロナフタレン-1-イル)-3-メチルピリジン890mg(3.51mmol)及びジクロロメタン20mLを投入し、この無色の溶液を0℃にまで冷却し、その後、各々1.59g(69-75%)のm-CPBA(メタクロロ過安息香酸)を10分間隔で3回加えた。次いで、室温にまでゆっくり昇温させ、無色の溶液を2時間攪拌し、その後、再び0℃にまで冷却し、1M濃度のNaOH水溶液10mLを徐々に加えた。次いで、有機層を1M濃度のNaOH水溶液10mL及び塩水10mLにより洗浄し、その後、50gの硫酸ナトリウムにより乾燥させ、脱水、濾過の工程により、947mgの黄色油状の2-(2-クロロナフタレン-1-イル)-5-メチルピリジン-1-オキサイドを得た。
【実施例】
【0028】
次いで、乾燥させた容量100mLのシュレンクチューブに、N-オキサイド化合物889mg(3.29mmol)、ジクロロメタン10mL、及びN,N-ジメチルカーバモイルクロライド362μL(3.94mmol)をこの順に投入し、室温で30分静置し、(CHSiCN807μL(6.58mmol)を加えた。その後、シュレンクチューブに還流用冷却器を取り付け、混合物を60℃で12時間攪拌し、次いで、室温にまで冷却し、ジクロロメタン10mLと炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液10mLとが入れられた分離用漏斗に注ぎ入れた。その後、有機層を1M濃度のNaOH水溶液10mL及び塩水10mLにより洗浄し、次いで、5gの硫酸ナトリウムにより乾燥させ、脱水、濾過の工程により、黄色の油状物を得た。その後、この油状物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(100g、溶媒は質量比で5:1のヘキサンと酢酸エチル)により精製し、856mg(収率93%)の6-(2-クロロナフタレン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-カーボニトリルを得た。
【実施例】
【0029】
(3)アリル 6-(2-クロロナフタレン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-カルボキシレートの製造
乾燥させた容量50mLのシュレンクチューブに、6-(2-クロロナフタレン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-カーボニトリル800mg(2.87mmol)及び12M濃度の塩酸水溶液5mLを投入し、チューブにスパイラル冷却器を取り付け、混合物を解放系で12時間還流させた。その後、室温にまで冷却させ、減圧下、全揮発分を除去し、得られた黄色の固形物に、Ar気流下、SOCl4mLを加え、混合物を室温、且つ密閉系で1時間攪拌し、減圧下、濃縮した。次いで、アリルアルコール4mLを加え、室温で5時間攪拌して濃縮し、残渣をジクロロメタン20mLに溶解させ、飽和濃度のNaHCO水溶液10mLで2回洗浄し、更に塩水10mLにより洗浄し、その後、5gの硫酸ナトリウムにより乾燥させ、脱水、濾過の工程により、白色の固形物を得た。次いで、この固形物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(50g、溶媒は質量比で1:8のエチルアセテートとヘキサン)により精製し、800mgの白色固体のアリル 6-(2-クロロナフタレン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-カルボキシレートを得た(収率83%)。この白色固体の生成物が式(1)、式(2)で表される不斉合成触媒用配位子である。
【実施例】
【0030】
(4)前記(3)で製造したラセミ体の分離
前記(3)で製造したラセミ体を高速液体クロマトグラフィ[カラム;CHIRALCEL OD-H(DAICEL社製、φ2cm×25cm)、溶媒;質量比で10:1のヘキサンと2-プロパノールとの混合溶媒、流速;8mL/分、光源の波長;254nm]により(R)-体と(S)-体とに分離した[(R)-体は50.1分の位置、(S)-体は76.0分の位置にそれぞれピークが表れた。]。また、分離された各々のエナンチオマーの光学的純度は高速液体クロマトグラフィ[カラム;CHIRALCEL OD-H(DAICEL社製、φ0.46cm×25cm)、溶媒;質量比で5:1のヘキサンと2-プロパノールとの混合溶媒、流速;1mL/分、光源の波長;254nm]により確認した[(R)-体は14.1分の位置、(S)-体は25.0分の位置にそれぞれピークが表れた。]。
【実施例】
【0031】
(5)構造確認
得られた白色固体の生成物がアリル 6-(2-クロロナフタレン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-カルボキシレートであることを、前記(4)の高速液体クロマトグラフィにおいて76.0分の位置にピークが表れた(S)-体のメンチルエステルを用いたX-線結晶構造分析によって確認した。また、H-NMRスペクトルを、「JEOL JMN ECA 600(600MHz)スペクトロメーター」により測定し、13C-NMRスペクトルを、「同上(152MHz)スペクトロメーター」により、完全プロトンデカップリングで測定した。スペクトルデータは下記のとおりである。このスペクトルデータによっても、目的とするアリル 6-(2-クロロナフタレン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-カルボキシレートが得られていることを確認することができた。
【実施例】
【0032】
H NMR (CDCl) δ 2.08 (s, 3H, CH), 4.89 (d, J = 5.51 Hz, 2H, OCH), 5.26 (dd, J = 1.38, 10.33 Hz, 1H, CH=CHH), 5.38 (dd, J = 1.38, 17.21 Hz, 1H, CH=CHH), 6.00-6.08 (m, 1H, CH=CH), 7.09 (d, J = 8.26 Hz, 1H, ar), 7.36 (dd, J = 6.89, 8.26 Hz, 1H, ar), 7.46 (dd, J = 7.57, 7.57 Hz, 1H, ar), 7.52 (d, J = 8.95 Hz, 1H ar), 7.80-7.87 (m, 3H, ar), 8.17 (d, J = 7.57 Hz, 1H, ar);13C NMR (CDCl) δ 18.7, 66.3, 118.7, 124.7, 125.1, 126.1, 127.1, 127.2, 128.1, 129.8, 130.8, 132.07, 132.13, 132.8, 134.8, 137.6, 138.5, 146.0, 156.5, 164.9; HRMS m/z (M+) obsd 337.0882, calcdfor C20H16ClNO337.0870.
【実施例】
【0033】
(6)6-(2-クロロナフタレン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-カルボン酸の調製
式(1)の酸型及び式(2)の酸型の各々の配位子は、前記(4)でアリルエステルのラセミ体を分離して得られた式(1)のアリルエステル型と式(2)のアリルエステル型を下記のようにして加水分解することにより調製した。
乾燥された容量10mLのシュレンクチューブに、エタノール、水及びエーテルの等量混合溶媒を投入し、これに固形の水酸化リチウム(LiOH・HO)7.80mg(185μmol)を加え、室温で30分攪拌した。その後、混合物を10mLの水と10mLのエーテルとに分離し、エーテル層から5mLの水により3回抽出した。次いで、全水層に酢酸0.5mLを加えて酸化させ、10mLのジクロロメタンにより3回抽出した。その後、全有機層を3gの硫酸ナトリウムにより乾燥させ、脱水、濾過の工程により、39.0mg(収率98%)の無色の油状物として6-(2-クロロナフタレン-1-イル)-5-メチルピリジン-2-カルボン酸を得た。
【実施例】
【0034】
また、比較のため、式(1)のアリエステル型の配位子において、-Clが-CHに置き換わった配位子、及び式(1)のアリルエステル型の配位子において、-Clがフェニル基に置き換わった配位子を製造した。式(1)のアリルエステル型の配位子において-Clが-CHに置き換わった配位子は、3-メチル-2-(2-メチルナフタレン-1-イル)ピリジン及び5-メチル-6-(2-メチルナフタレン-1-イル)ピリジン-2-カーボニトリルを経由する合成方法で製造した。更に、式(1)のアリルエステル型の配位子において-Clがフェニル基に置き換わった配位子は、3-メチル-2-(2-フェニルナフタレン-1-イル)ピリジン及び5-メチル-6-(2-フェニルナフタレン-1-イル)ピリジン-2-カーボニトリルを経由する合成方法で製造した。また、各々の配位子のラセミ体は、本発明の配位子の場合と同様に高速液体クロマトグラフィにより(R)-体と(S)-体とに分離した。
【実施例】
【0035】
実施例2[α-アルケニル環状エーテの製造](実験例1~3)
乾燥され、且つArが充填され、磁気攪拌棒が入れられた容量50mLのヤングバルブ付きシュレンクチューブに、式(5)で表される触媒前駆体4.34mg(10.0μmol)を投入し、その後、実施例1で製造した配位子[表1に記載のように式(1)の酸型(実験例1)及び式(2)の酸型(実験例2)、並びに式(1)のアリルエステル型(実験例3)]1.00mL(10.0mM濃度のジクロロメタン溶液を用いた。従って、配位子量は10.0μmolになる。)を気密型シリンジにより加えた。次いで、溶液を減圧下に注意深く濃縮し、得られた黄色固体に出発物質である前記化合物(a)10.0mL(100mM濃度のDMA溶液を用いた。従って、出発物質量は10.0mmolになる。)を室温で加え、100℃にまで昇温させ、チューブをシールし、同温度で混合物を1時間攪拌し、下記式(14)で表されるα-アルケニル環状エーテルを製造した。
【化8】
JP0005692812B2_000009t.gif
【実施例】
【0036】
(1)転化率
反応混合物を室温にまで冷却し、1μL量を用いてガスクロマトグラフィ分析[カラム;J&W Scientific DB-5(0.25mm×0.25μm×30m)、温度;50℃で10分保持後、10℃/分で200℃まで昇温、140kPa、スプリットなし]により転化率を求めた。
(2)エナンチオ選択率
反応混合物を室温にまで冷却し、1μL量を用いてガスクロマトグラフィ分析[カラム;CHIRALDEX G-BP(0.25mm×0.125μm×30m)、温度;40℃で10分保持後、10℃/分で100℃まで昇温させて20分保持、140kPa、スプリット比率;100:1]し、(S)-体及び(R)-体の各々のピークの面積比に基づいてエナンチオ選択率(er)[(S)-体/(R)-体]を求めた。
【実施例】
【0037】
(3)構造確認
主生成物である(S)-体の構造を、この(S)-体をオゾン分解及びNaBH還元して得られたテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルメタノールのカンファニックエステルを用いたX-線結晶構造分析によって確認した。また、H-NMRスペクトル及び13C-NMRスペクトルを、前記と同様にして測定して得られたスペクトルデータによっても、目的とする式(14)で表されるα-アルケニル環状エーテルが得られていることを確認することができた。
【実施例】
【0038】
H NMR (CDCl) δ 1.34-1.42 (m, 1H, CHH), 1.49-1.63 (m, 3H, CH and CHH), 1.64-1.69 (m, 1H, CHH), 1.83-1.88 (m, 1H, CHH), 3.49 (dt, J = 2.07, 11.71 Hz, 1H, CHHO), 3.77-3.82 (m, 1H,CHHO), 4.00-4.04 (m, 1H, OCH), 5.09 (d, J = 11.02 Hz, 1H, CH=CHH), 5.22 (d, J = 17.21 Hz, 1H, CH=CHH), 5.85 (ddd, J = 5.51, 11.02, 17.56 Hz, 1H, CH=CH); 13C NMR (CDCl) δ 23.3, 25.8, 31.8, 68.3, 78.2, 114.5, 139.5; HRMS m/z(M) obsd 112.0849, calcdfor CH12O112.0888 (out of the error range ±5 ppm because of low molecular weight).
【実施例】
【0039】
α-アルケニル環状エーテを製造するための出発物質として用いたω-ヒドロキシアリルアルコーである化合物(a)は、下記のようにして製造した。
対応するα,β-不飽和エステを用いて、2位の炭素と3位の炭素との間のHorner-Wadsworth-Emmons変換をし、その後、DIBAL-H変換する従来知られた方法により合成した。また、立体異性体はα,β-不飽和エステの段階でシリカゲルカラムクロマトグラフィにより分離した。
後記の実施例4で出発物質として用いた化合物(b)~(l)のω-ヒドロキシアリルアルコー、及び化合物(a)と比べてRが有するメチレン基が1個多い比較例となる化合物も同様にして製造した。
【実施例】
【0040】
実施例3(実験例4~22)
実施例2において種々の条件を表1のように変化させて式(14)で表されるα-アルケニル環状エーテルを製造した。
実験例4;出発物質濃度を1000mM、配位子濃度を10mMとした他は、実験例3と同様である。
実験例5;配位子濃度を0.1mMとした、即ち、触媒量を1/10にした他は、実験例3と同様である。
実験例6;出発物質濃度を1000mMとした、即ち、出発物質量を10倍にし、配位子を式(2)のアリルエステル型とした他は、実験例3と同様である。
実験例7;反応温度を50℃とした他は、実験例3と同様である。
実験例8;溶媒をDMFとした他は、実験例3と同様である。
実験例9;溶媒をCHCNとした他は、実験例3と同様である。
実験例10;溶媒をアセトンとした他は、実験例3と同様である。
実験例11;溶媒をTHFとした他は、実験例3と同様である。
実験例12;溶媒をCPMEとした他は、実験例3と同様である。
実験例13;溶媒をジオキサンとした他は、実験例3と同様である。
実験例14;溶媒をCHClとした他は、実験例3と同様である。
実験例15;溶媒をトルエンとした他は、実験例3と同様である。
実験例16;溶媒をt-COHとした他は、実験例3と同様である。
実験例17;出発物質濃度を1000mMとした、即ち、出発物質量を10倍にした他は、実験例16と同様である。
実験例18;溶媒をi-COHとした他は、実験例3と同様である。
実験例19;溶媒をCOHとした他は、実験例3と同様である。
実験例20;溶媒をCHOHとした他は、実験例3と同様である。
実験例21;溶媒をHOとした他は、実験例3と同様である。
実験例22;溶媒をCHCOOHとした他は、実験例3と同様である。
以上、実験例4~22における転化率及びエナンチオ選択率を前記と同様にして求めた。
実施例2及び実施例3の結果を表1に併記する。
尚、比較例として、式(1)のアリルエステル型において-Clが-CHに置き換わった配位子を用いた他は、実験例3と同様にして反応させた実験例23、この実験例23で配位子濃度を0.1mMとした実験例24、及び式(1)のアリルエステル型において-Clがフェニル基に置き換わった配位子を用いた他は、実験例3と同様にして反応させた実験例25のα-アルケニル環状エーテルを製造した。また、実験例23~25における転化率及び実験例23におけるエナンチオ選択率を前記と同様にして求めた。実験例23~25の製造条件及び結果を表1に記載する。
【実施例】
【0041】
【表1】
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【実施例】
【0042】
表1の結果によれば、配位子として式(1)の酸型、溶媒としてDMAを用いた実験例1,及び配位子として式(2)の酸型、溶媒としてDMAを用いた実験例2では、転化率はいずれも99%以上であり、且つerも97:3又は3:97であって、転化率及び選択率ともに高いことが分かる。また、式(1)のアリルエステル型を用いた実験例3、実験例3において出発物質、配位子ともに10倍濃度のものを用いた実験例4、実験例3において触媒量を1/10とした実験例5、及び実験例3において配位子を式(2)のアリルエステル型とし、触媒量はそのままに出発物質を10倍量とした実験例6のいずれも同様に優れた結果が得られている。このように、出発物質に対して触媒が極めて少量であっても、転化率及び選択率ともに十分に高いことが分かる。更に、実験例3において反応温度を50℃とした実験例7では、選択率は高いものの、転化率が低下した。しかし、5時間反応させたところ、転化率は99%以上にまで向上した。
【実施例】
【0043】
また、高極性溶媒であるDMF、THF又はCPMEを用いた実験例8、11、12では同等の優れた転化率及び選択率が得られたが、アセトン、ジオキサン又はCHClを用いた実験例10、13、14では、転化率は高いものの、選択率が低下する傾向があり、トルエンを用いた実験例15では、転化率、選択率ともに低下する傾向があることが分かる。更に、溶媒としてCHCNを用いた実験例9では、反応が殆ど停止してしまうが、これは触媒前駆体がRuに3個のアセトニトリル(CHCN)が配位した構造であるためであると考えられる。更に、溶媒としてt-COH等を用いた実験例16~18では、選択率はやや低下するものの、使用し得る溶媒であり、一方、COH等のその他の高極性溶媒を用いた実験例19~22では、選択率がより低下する傾向がある。このように、反応溶媒により転化率及び選択率が影響を受けるため、他の反応条件も勘案し、溶媒を選択して用いることが好ましい。
【実施例】
【0044】
一方、式(1)のアリルエステル型において-Clが-CHに置き換わった配位子を用いた他は、実験例3と同様にして反応させた実験例23では、転化率、選択率ともに相当に低下しており、特に配位子濃度を0.1mMとした、即ち、触媒量が1/10になった実験例24では、同様に触媒量が1/10である実験例5と比べて転化率が極めて低く、この-Clが-CHに置き換わった配位子は実用に供し得ないことが分かる。また、式(1)のアリルエステル型において-Clがフェニル基に置き換わった配位子を用いた他は、実験例3と同様にして反応させた実験例25では、実験例3はもとより実験例23と比べても転化率が更に低く、この-Clがフェニル基に置き換わった配位子も実用に供し得ないことが分かる。
【実施例】
【0045】
実施例4(各種の出発物質を用いた種々のα-アルケニル環状エーテの製造)
表2のように、前記化合物(a)~(l)を用いて、対応する前記式(14)で表されるα-アルケニル環状エーテル及び下記式(15)~(25)で表される実験例26~37のα-アルケニル環状エーテルを製造した。反応は、下記の点を除いて実施例2の標準的な条件、即ち、出発物質は100mM濃度、配位子は1mM濃度、溶媒はDMA、反応温度は100℃、反応時間は1時間の条件で実施した。
標準的な条件と異なる点は、
(1)化合物(a)を用いた実験例26で出発物質の濃度を1000mMとした。
(2)化合物(g)を用いた実験例32で反応時間を3時間とした。
(3)化合物(h)を用いた実験例33で反応温度を70℃とし、反応時間を10時間とした。
(4)化合物(j)~(l)を用いた実験例35~37で溶媒を質量比で10:1のt-COHとDMAとの混合溶媒とした。
(5)実験例36では上記(5)としたうえで、反応時間を24時間とした。
である。
以上、実験例26~37におけるエナンチオ選択率(er)を前記と同様にして求めた。また、単離収率を、反応溶液をペンタンとエーテル(質量比で3:1)との混合溶媒3mLと水5mLとで分配し、有機層をシリカゲル濾過し、その後、0℃、50mmHgの条件で注意深く濃縮し、次いで、生成物を単離し、重量を計測することで求めた(実験例27、29を除く。)。
結果を表2に併記する。
【実施例】
【0046】
【化9】
JP0005692812B2_000011t.gif
尚、式(24)において、Bnはベンジル基(CCH-)である。
【実施例】
【0047】
【表2】
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【実施例】
【0048】
表2の結果によれば、化合物(a)と比べてR等の構造が異なる化合物(b)~(l)を出発物質として用いた場合、それぞれ前記式(15)~(25)で表される5員環エーテル構造又は6員環エーテル構造を有する各種のα-アルケニル環状エーテルが得られることが分かる。また、生成物の沸点が低い実験例27、29を除いて、その他はいずれも単離収率が十分に高い。更に、実験例26~37の全てがerも高く、特に実験例37では(S)-体の選択率が>99%と極めて高い。また、表2には記載されていないが、転化率は実験例26~37の全てにおいて99%を超えて極めて高かった。
【実施例】
【0049】
一方、化合物(a)と比べてRが有するメチレン基が1個多い化合物(m)を用いた場合、即ち、下記式(26)の7員環エーテル構造を有する環状エーテルが生成すると想定される化合物を用いた実験例38の場合は、環状エーテルが全く生成しなかった。
【化10】
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【実施例】
【0050】
実施例5(実験例39~41)
置換基が異なる各種のアリルアルコーを用いて、対応するα-アルケニル環状化合を製造した。
実験例39(メルドラム酸型アリルアルコールの脱水的環化反応)
容量20mLのヤングバルブ付き反応管に、アルゴン気流下、出発物質である2-(E)-5-ヒドロキシペンタ-3-エン-1-イルメルドラム酸のジクロロメタン溶液300μL(333mM濃度の溶液を用いた。従って、出発物質量は100μmolになる。)を秤り入れた。この溶液を減圧下に濃縮し、ジクロロメタン1.00mLを加えた後、3回凍結脱気した。次いで、乾燥され、且つアルゴンが充填され、磁気撹拌棒が入れられた容量20mLのヤングバルブ付きシュレンクチューブに、式(5)で表される触媒前駆体0.43mg(0.001mmol)と、式(1)で表されるアリルエステル型の配位子100μL(10.0mM濃度のジクロロメタン溶液を用いた。従って、配位子量は1.00μmolになる。)を加えた。その後、溶液を減圧下に注意深く濃縮し、アルゴンにより常圧とした。次いで、前記のようにして調製した出発物質の溶液をカニュラーを用いて加え、100℃のオイルバス中で撹拌した。1時間後、アルゴン気流下、ヤングバルブをセプタム栓に付け替えて、反応溶液(200μL程度)をカニュラーを用いてサンプル瓶に移した。次いで、エバポレーターで濃縮した後、H-NMRスペクトルを測定し、99%以上の変換率で定量的に8,8-ジメチル-1-ビニル-7,9-ジオキサスピロ[4,5]デカン-6,10-ジオンが生成していることを確認した。また、エナンチオマー比を生成物のガスクロマトグラフィ分析によって決定した[カラム;CHIRALDEX B-PM(0.25mm×0.125μm×30m)、温度;100℃、スプリット比率;100:1]。その結果、それぞれのピークの積分値の比は83:17であった。
【実施例】
【0051】
実験例40(スルホニルアミノアリルアルコールの脱水的環化反応)
容量20mLのヤングバルブ付き反応管に、アルゴン気流下、出発物質である(E)-6-p-トルエンスルホニルアミノヘキサン-2-エン-1-オールのジクロロメタン溶液300μL(333mM濃度の溶液を用いた。従って、出発物質量は100μmolになる。)を秤り入れた。この溶液を減圧下に濃縮し、DMA1.00mLを加えた後、3回凍結脱気した。次いで、乾燥され、且つアルゴンが充填され、磁気撹拌棒が入れられた容量20mLのヤングバルブ付きシュレンクチューブに、式(5)で表される触媒前駆体0.43mg(0.001mmol)と、実施例1で製造した式(1)のアリルエステル型の配位子100μL(10.0mM濃度のジクロロメタン溶液を用いた。従って、配位子量は1.00μmolになる。)を加えた。その後、溶液を減圧下に注意深く濃縮し、アルゴンにより常圧とした。次いで、前記のようにして調製した出発物質の溶液をカニュラーを用いて加え、100℃のオイルバス中で撹拌した。1時間後、アルゴン気流下、ヤングバルブをセプタム栓に付け替えて、反応溶液(200μL程度)をカニュラーを用いてサンプル瓶に移した。次いで、エバポレーターで濃縮した後、H-NMRスペクトルを測定し、99%以上の変換率で定量的にN-p-トルエンスルホニル-2-エテニルピロリジンが生成していることを確認した。また、エナンチオマー比を生成物の高速液体クロマトグラフィ分析によって決定した[カラム;Chiralcel AD-H(0.25mm×0.125μm×30m)、溶媒;質量比で95:5のヘキサンと2-プロパノールとの混合溶媒、流速;0.5mL/分]。それぞれのピークの積分値の比は96:4であった。
【実施例】
【0052】
実験例41(カルボキシアリルアルコールの脱水的環化反応)
容量20mLのヤングバルブ付き反応管に、アルゴン気流下、出発物質である(E)-6-ヒドロキシ-4-ヘキセン酸144mg(1.00mmol)を秤り入れた。これにDMA10mLを加えた後、3回凍結脱気した。次いで、乾燥され、且つアルゴンが充填され、磁気撹拌棒が入れられた容量50mLのヤングバルブ付きシュレンクチューブに、式(5)で表される触媒前駆体4.34mg(10.0μmol)と、実施例1で製造した式(1)のアリルエステル型の配位子1.00mL(10.0mM濃度のジクロロメタン溶液を用いた。従って、配位子量は10.0μmolになる。)を加えた。その後、溶液を減圧下に注意深く濃縮し、アルゴンにより常圧とした。次いで、前記のようにして調製した出発物質の溶液をカニュラーを用いて加え、100℃のオイルバス中で撹拌した。20分後、反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(試料;30g、展開溶媒;エーテル)に供し、4-エテニルブチロラクトンを単離した。その後、クーゲルロール蒸留(35℃、0.01mmHg)し、無色油状物を得た(75.6mg、添加率;70%)。また、エナンチオマー比を生成物のガスクロマトグラフィ分析によって決定した[カラム;CHIRALDEX B-PM(0.25mm×0.125μm×30m)、温度;40℃で5分保持、昇温速度1℃/分、65℃で65分保持、スプリット比;100:1]。それぞれのピークの積分値の比は99:1であった。
【実施例】
【0053】
尚、本発明においては、前記の実施の形態の記載に限定されることなく、本発明の範囲内で、目的、用途等に応じて、種々変更した実施の形態とすることができる。例えば、前記の実施例では、配位子と触媒前駆体とを混合し、その後、出発物質を配合し、反応させているが、配位子、触媒前駆体及び出発物質を同時に適宜の反応溶媒に溶解させてα-アルケニル環状化合を製造することもできる。また、出発物質を溶解させた溶液に、配位子と触媒前駆体とを溶解させた溶液を配合して反応させることもできる。
図面
【図1】
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【図2】
1
【図3】
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【図4】
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