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明細書 :シロアリ駆除方法、およびシロアリ駆除デバイス

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5867919号 (P5867919)
公開番号 特開2013-128424 (P2013-128424A)
登録日 平成28年1月15日(2016.1.15)
発行日 平成28年2月24日(2016.2.24)
公開日 平成25年7月4日(2013.7.4)
発明の名称または考案の名称 シロアリ駆除方法、およびシロアリ駆除デバイス
国際特許分類 A01M   1/20        (2006.01)
FI A01M 1/20 B
請求項の数または発明の数 6
全頁数 22
出願番号 特願2011-278361 (P2011-278361)
出願日 平成23年12月20日(2011.12.20)
審査請求日 平成26年12月3日(2014.12.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000100539
【氏名又は名称】アース製薬株式会社
【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
発明者または考案者 【氏名】松浦 健二
【氏名】日室 千尋
【氏名】横井 智之
【氏名】鈴木 優八
【氏名】野▲崎▼ 耕作
【氏名】山口 正永
個別代理人の代理人 【識別番号】100104318、【弁理士】、【氏名又は名称】深井 敏和
審査官 【審査官】木村 隆一
参考文献・文献 特開平10-265315(JP,A)
特開平11-127753(JP,A)
特表2005-520563(JP,A)
特開平11-343202(JP,A)
調査した分野 A01M 1/20
A01N 25/00
A01N 43/16
A01P 7/04
A01P 19/00
特許請求の範囲 【請求項1】
下記のシロアリ駆除デバイスをシロアリの生息域に設置することを特徴とするシロアリ駆除方法。
シロアリ駆除デバイス:少なくとも一部が防湿性フィルムで構成され、内部に駆除剤を収納した駆除剤収納体を備え、前記防湿性フィルムが、紙層および金属層を積層し、かつ少なくとも紙層に凹凸加工を施した積層体から構成され、前記積層体が前記駆除剤収納体に前記紙層が最外面となるように配置されている。
【請求項2】
前記防湿フィルムが、合成樹脂層を含む積層体である請求項1に記載のシロアリ駆除方法。
【請求項3】
前記防湿性フィルムは、紙層、合成樹脂層(A)、金属層および合成樹脂層(B)の順に積層されてなる請求項1または2に記載のシロアリ駆除方法。
【請求項4】
前記合成樹脂フィルム層(A)および(B)のうち、少なくとも一方は、難伸長性樹脂フィルムである請求項3に記載のシロアリ駆除方法。
【請求項5】
前記駆除剤収納体が、シロアリ誘引剤を収納した誘引剤収納体に隣接して配置され、前記駆除剤収納体における前記防湿性フィルムが誘引剤収納体に臨んでいる請求項1~4のいずれかに記載のシロアリ駆除方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のシロアリ駆除方法で用いられるシロアリ駆除デバイスであって、
少なくとも一部が防湿性フィルムで構成され、内部に駆除剤を収納した駆除剤収納体を備え、前記防湿性フィルムが、紙層および金属層を積層し、かつ少なくとも紙層に凹凸加工を施した積層体から構成され、前記積層体が前記駆除剤収納体に前記紙層が最外面となるように配置されていることを特徴とするシロアリ駆除デバイス。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、シロアリ駆除方法、およびシロアリ駆除デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
シロアリ駆除に毒餌剤や殺虫剤などの駆除剤を用いる場合、シロアリが活動する地中などに駆除剤を設置することが望ましい。しかし、地中に駆除剤をそのまま設置すると、水分や温湿度条件によって、駆除剤にカビが発生するなどして、シロアリ駆除効果の失活等が起こる問題があった。
【0003】
そこで、従来より、水分・温湿度条件によるシロアリ駆除効果の失活を防止することについて検討されてきた。例えば、引用文献1には、毒餌剤の少なくとも一部が熱可塑性プラスチックからなる防湿性フィルムによって被包されているシロアリ駆除部材が開示されている。引用文献2には、紙層と熱可塑性樹脂フィルム層を重ね合わせた防湿性素材からなる袋帯状体に毒餌剤を密封したシロアリ駆除剤が開示されている。引用文献3には、透水性に乏しく且つシロアリが容易に食害できるポリスチレン発泡体及び/またはウレタン発泡体で構成された樹脂容器に毒餌剤を封入した防蟻材料が開示されている。
【0004】
しかしながら、引用文献1~3に開示の樹脂フィルムや樹脂容器では、防湿性が不十分であり、さらにシロアリの食い付きが悪かった。
【0005】
一方、シロアリの食い付きが良いとされる容器またはシートとして、表面に片面ダンボール紙を配したセルロース製シート(引用文献4参照)、腐朽木材のような粗面を有するパルプモールドと、セルロース系材料や合成樹脂などとを一体成形したシート(引用文献5参照)が開示されているが、これらのシートや樹脂容器であっても、シロアリの食い付きが十分とは言えず貫通させるのは難しく、防湿性も不十分であった。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2004-107215号公報
【特許文献2】特開平11-127753号公報
【特許文献3】特開2004-137150号公報
【特許文献4】特開平10-265315号公報
【特許文献5】特開2009-178116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、水分・温湿度条件による駆除剤のシロアリ駆除効果の失活を抑制し、効率的にシロアリを駆除することができるシロアリ駆除方法、該シロアリ駆除方法に用いるシロアリ駆除デバイスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明のシロアリ駆除方法、およびシロアリ駆除デバイスは、以下の構成からなる。
(1)下記のシロアリ駆除デバイスをシロアリの生息域に設置することを特徴とするシロアリ駆除方法。
シロアリ駆除デバイス:少なくとも一部が防湿性フィルムで構成され、内部に駆除剤を収納した駆除剤収納体を備え、前記防湿性フィルムが、紙層および金属層を積層し、かつ少なくとも紙層に凹凸加工を施した積層体から構成され、前記積層体が前記駆除剤収納体に前記紙層が最外面となるように配置されている。
(2)前記防湿フィルムが、合成樹脂層を含む積層体である前記(1)に記載のシロアリ駆除方法。
(3)前記防湿性フィルムは、紙層、合成樹脂層(A)、金属層および合成樹脂層(B)の順に積層されてなる前記(1)または(2)に記載のシロアリ駆除方法。
(4)前記合成樹脂フィルム層(A)および(B)のうち、少なくとも一方は、難伸長性樹脂フィルムである前記(3)に記載のシロアリ駆除方法。
(5)前記駆除剤収納体が、シロアリ誘引剤を収納した誘引剤収納体に隣接して配置され、前記駆除剤収納体における前記防湿性フィルムが誘引剤収納体に臨んでいる前記(1)~(4)のいずれかに記載のシロアリ駆除方法。
(6)前記(1)~(5)のいずれかに記載のシロアリ駆除方法で用いられるシロアリ駆除デバイスであって、少なくとも一部が防湿性フィルムで構成され、内部に駆除剤を収納した駆除剤収納体を備え、前記防湿性フィルムが、紙層および金属層を積層し、かつ少なくとも紙層に凹凸加工を施した積層体から構成され、前記積層体が前記駆除剤収納体に前記紙層が最外面となるように配置されていることを特徴とするシロアリ駆除デバイス。
【発明の効果】
【0010】
本発明のシロアリ駆除方法によれば、湿度の高い環境に設置されても、少なくとも一部が金属層を含む防湿性フィルムで構成されたシロアリ駆除デバイスを用いるので、防湿性が高く、シロアリ駆除効果の失活等が抑制される。さらに、防湿性フィルムは、凹凸加工を施した紙層が駆除剤収納体の最外面に配置されているので、シロアリの食い付きがよく、そのためシロアリが防湿性フィルムを食い破って、駆除剤のある駆除剤収納体内に侵入させやすくすることができる。このようなシロアリ駆除デバイスをシロアリの生息域に設置するので、効率的にシロアリを駆除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)は、本発明のシロアリ駆除デバイスの一実施形態を示す斜視図であり、(b)は、その断面図である。
【図2】(a)は、本発明のシロアリ駆除デバイスの他の実施形態を示す斜視図(開き蓋は図示せず)であり、(b)は、その断面図である。
【図3】本発明のシロアリ駆除デバイスのさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明における駆除剤収納体の他の実施形態を示す斜視図である。
【図5】食い破り試験およびフィールド試験に用いた凹凸加工を設けた検体フィルムの参考写真であり、それぞれ(a)はシワタイプの凹凸加工を設けた検体フィルムであり、(b)はAタイプの凹凸加工を設けた検体フィルムであり、(c)はBタイプの凹凸加工を設けた検体フィルムであり、(d)はエンボス加工により約0.1mmの凹凸加工を設けた検体フィルムである。
【図6】食い破り試験Iに用いた試験容器の断面図である。
【図7】食い破り試験IIに用いた貫通試験用装置の概略断面図である。
【図8】フィールド試験II後の試料No.43における防湿性フィルムの表面写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のシロアリ駆除方法は、少なくとも一部が所定の防湿性フィルムで構成され、内部に駆除剤を収納した駆除剤収納体を備えるシロアリ駆除デバイスをシロアリの生息域に設置する方法である。ここで、シロアリの生息域とは、蟻塚およびその周辺、蟻道およびその周辺などのシロアリ自体の存在やシロアリの生活痕が確認された場所やシロアリの活動を予防ないし抑制したい場所およびその周辺を指す、以下同様。

【0013】
本発明が駆除対象とするシロアリは、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)などのミゾガシラシロアリ科;ダイコクシロアリ属(Cryptotermes)、サツマシロアリ(Glyptotermes satsumensis)などのレイビシロアリ科;タカサゴシロアリ(Nasutitermes takasagoensis)、タイワンシロアリ(Odontotermes formosanus)などのシロアリ科;オオシロアリ(Hodotermopsis sjostedti)などのオオシロアリ科などの在来種のみならず、アメリカカンザイシロアリ(Incisitermes minor)などの移入種を含むすべての種類のシロアリである。

【0014】
(シロアリ駆除デバイスの一実施形態)
図1(a)は、本発明のシロアリ駆除デバイスの一実施形態であるシロアリ駆除デバイス1を示す斜視図であり、(b)は、その断面図である。
シロアリ駆除デバイス1は、杭タイプの誘引剤収納体2と、誘引剤収納体2の内部に収納された駆除剤収納体3およびシロアリ誘引剤4とからなる。
すなわち、シロアリ駆除デバイス1は、図1(b)に示すように、シロアリ侵入口5を有する仕切り板6によって、上部が駆除剤収納部7(駆除剤収納スペース)に、下部が誘引剤収納部8(誘引剤収納スペース)にそれぞれ仕分けられた誘引剤収納体2内の駆除剤収納部7に駆除剤収納体3が、誘引剤収納部8にシロアリ誘引剤4がそれぞれ収納され、誘引剤収納体2の頂部にはオーバーキャップ9が装着されたものである。
シロアリ駆除デバイス1は、杭タイプの誘引剤収納体2を備えるので、地中深くのコロニーを生活拠点とするシロアリの駆除に有効である。

【0015】
(誘引剤収納体)
誘引剤収納体2の材質としては、特に限定されず、地中での劣化に強い材質がよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリアクリロニトリルなどの合成樹脂、ガラス、陶器、金属、セラミックなどが挙げられ、なかでも、誘引剤収納体2内部の様子を確認できる点から、透明または半透明の材質であるのがよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリアクリロニトリル、ガラスなどが好ましい。
また、図示していないが、誘引剤収納部8における誘引剤収納体2の外表面は、スクリュー形状とすることで使い勝手がよい。これにより、シロアリ駆除デバイス1を地中に設置する場合、地中にねじ込むことができるので、容易に地中に設置することができる。

【0016】
(駆除剤収納体)
駆除剤収納体3は、シロアリ侵入用の開口部を有し、該開口部の外周縁にフランジ部10を備えたコップ型の駆除剤収納容器11と、該開口部全体を蓋するようにフランジ部10に接着された防湿性フィルム12と、駆除剤収納容器11および防湿性フィルム12からなる密閉空間に収納された駆除剤13とからなり、図1(b)に示すように、防湿性フィルム12が誘引剤収納部8に臨むように配置される。このように、防湿性フィルム12が誘引剤収納部8に臨むように配置されるので、シロアリが防湿性フィルム12を食い付きやすい。また、駆除剤13は、駆除剤収納容器11と防湿性フィルム12により密封されているので、アリなどの他の害虫は防湿フィルム12に食いついたり、破壊したりすることがないので、他の害虫は駆除剤13にアクセスしにくく、シロアリを選択的に駆除剤13にアクセスさせることができる。

【0017】
駆除剤収納容器11の材質としては、防湿性に優れるものであれば特に限定されず、地中での劣化に強い材質がよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリアクリロニトリルなどの合成樹脂、ガラス、陶器、金属、セラミックなどが挙げられ、なかでも、駆除剤収納体3内部の様子を確認できる点から、透明または半透明の材質であるのがよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリアクリロニトリル、ガラスなどが好ましい。

【0018】
駆除剤収納容器11の形状(コップ断面形状)としては、特に限定されず、丸型やスクウェアタイプなどの角型などであってもよく、その内容積は、地中への埋めやすさの点から、2~200ml程度であるのが好ましい。
駆除剤収納容器11と防湿性フィルム12との接着方法としては、特に限定されず、例えば、公知の接着剤を用いてもよいし、駆除剤収納容器11や防湿性フィルム12の材質に応じて、熱融着してもよい。

【0019】
(防湿性フィルム)
防湿性フィルム12は、紙層および金属層が積層された積層体であり、優れた防湿性を有するので、防湿性フィルム12を用いた駆除剤収納体3に収納された駆除剤13は、地中の湿気や雨水などの影響を受けにくく、乾燥状態を保つことができる。そのため、シロアリ駆除デバイス1が、シロアリが好む湿度の高い環境下に設置されても、カビの発生などによるシロアリ駆除効果の失活等を抑制することができ、使用する駆除剤13の駆除効率が低下しないので、効率的にシロアリを駆除することできる。さらに、駆除剤収納容器11に容易に取り付け加工ができる。また、駆除剤13が駆除剤収納容器11と防湿性フィルム12によって密封されるので、シロアリ以外のアリなどの他の害虫によって密封性が破られて駆除剤が失活したり、他の害虫によって消費したりすることがなく、シロアリの駆除に効率よく使用される。

【0020】
防湿性フィルム12の厚さは、5~500μmであるのが好ましく、さらに好ましくは、5~200μmであるのがよい。防湿性フィルム12の厚さが500μmより厚いと、シロアリが防湿性フィルムを食い破ることができないおそれがあったり、シロアリが防湿性フィルムを食い破るのに時間がかかりすぎたり、効率的にシロアリを駆除できないおそれがある。また、防湿性フィルム12の厚さが5μmより薄いと、防湿性フィルムの防湿性や機械的強度が不十分となるおそれがある。

【0021】
防湿性フィルム12には凹凸加工が施される。これにより、シロアリの食い付きをよくすることができ、防湿性フィルムの食い破りを可能としたり、食い破り時間を大幅に短縮したりすることができ、さらには、駆除剤収納容器11内にシロアリを侵入させることができ、効率的にシロアリを駆除することができる。凹凸加工が施されない防湿性フィルムでは、シロアリが食い破ることができず、駆除することができない。
凹凸の形状は、ランダムであっても、規則的であってもよく、凹凸の大きさは、シロアリが食い付き易い大きさ、例えば、凸高さが約0.05~5mm、好ましくは0.1~1mmであり、凸幅は約0.1~10mm、好ましくは0.5~5mmであるのが好ましい。
凹凸加工は、防湿性フィルム12において、駆除剤収納体3の最外面に配置されている紙層に少なくとも施されていればよく、防湿性フィルム12の全層にわたって施されていてもよい。
凹凸加工としては、所望の凹凸形状に応じて適宜選択すればよく、例えば、エンボス加工、シワ加工、カレンダー加工、ウェーブ加工、ブリーツ加工、シボ加工などが挙げられ、なかでも、防湿性フィルムの製造の容易さとシロアリの食い破りの容易さの観点から、エンボス加工、シワ加工が好ましい。

【0022】
防湿性フィルム12の構成は、最外面が紙層であれば特に限定されず、例えば、紙/金属の2層構造であってもよいし、紙/金属/紙、紙/金属/紙/金属などの3層以上の構造であってもよい。なお、例えば、紙/金属/紙/金属の表記は、紙層、金属層、紙層および金属層が、この順で積層された防湿性フィルムを指す、以下同様。

【0023】
また、防湿性フィルム12は、さらに合成樹脂層を含む積層体であってもよい。これにより、ラミネートする場合に金属層の破れを抑制したり、防湿性フィルム12の防湿性や製造適性(シール性)を向上させることができる。
合成樹脂層を含む防湿性フィルム12の構成は、紙層、合成樹脂層および金属層を含み、少なくとも一方の表面(最外面)が紙層であれば特に限定されず、例えば、紙/合成樹脂(A)/金属/合成樹脂(B)、紙/合成樹脂/金属、紙/金属/合成樹脂、紙/金属/合成樹脂/紙などが挙げられ、なかでも、防湿性、機械強度に優れるなどの観点から、紙/合成樹脂(A)/金属/合成樹脂(B)の構成であるのが好ましい。金属層の表裏に合成樹脂層(A)または(B)が積層されることで、金属層の破れを防ぐことができ、防湿性フィルム12の透湿現象を極めて小さくすることができる。また、合成樹脂層(A)と合成樹脂層(B)は、同じ合成樹脂から構成されてもよいし、異なる樹脂から構成されてもよいし、複数の素材の合成樹脂層を積層したものから構成されてもよい。なお、防湿性フィルム12における各層は、公知の接着剤を介して積層されていてもよい。

【0024】
(紙層)
防湿性フィルム12は、シロアリが食い付きやすい紙層を有する。そのため、防湿性フィルムは、紙層が駆除剤収納体3の外側になるように配置される。
紙層としては、特に限定されず、例えば、模造紙、上質紙、クラフト紙、純白ロール紙、薄葉紙、グラシン紙、和紙、ボール紙、段ボールなどが挙げられる。
紙層の秤量は、10~1000g/m、好ましくは20~500g/mであるのがよい。

【0025】
(合成樹脂層)
合成樹脂層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の難伸長性樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアクリロニトリル(PAN) 、ナイロン、ビニルエステル、ポリイミド(PI)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などが挙げられ、これらの1種または2種以上を積層して使用してもよい。特にPEは、例えば、紙/PE/金属の構成の防湿性フィルムを製造する場合、熱圧着することで、紙層と金属層との接着剤としての機能を有する。
合成樹脂層の厚さは、10~1000μm、好ましくは15~150μmであるのがよい。

【0026】
防湿性フィルム12の構成が、紙/合成樹脂(A)/金属/合成樹脂(B)である場合には、合成樹脂層(A)および(B)のうち、少なくとも一方は、難伸長性樹脂フィルムを含むのが好ましい。これにより、防湿性フィルム12を凹凸加工する場合に、金属層の破れを効果的に抑制することができる。

【0027】
難伸長性樹脂フィルムとしては、防湿性フィルムの凹凸加工時に伸びにくく、金属層の破れを防げる樹脂であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリスチレン(PS)フィルム、ポリアクリロニトリル(PAN)フィルム、ナイロンフィルム、ビニルエステルフィルム、ポリイミド(PI)フィルム、ポリベンゾイミダゾール(PBI)フィルム、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)フィルムなどが挙げられ、なかでも、凹凸加工時に伸びにくく、金属層の破れを防げるためPETフィルムを用いるのが好ましい。

【0028】
特に、紙/合成樹脂(A)/金属/合成樹脂(B)である構成の防湿性フィルムである場合には、合成樹脂(A)は、PEであり、合成樹脂(B)は、PET/CPPであるのが好ましい。このような構成とすることで、合成樹脂(A)のPEが押出しラミネート法における接着層となり、合成樹脂(B)のPETにより凹凸加工時の金属層の破れが防止され、CPPを駆除剤収納容器11へのシーラントとすることができる。なお、CPPは無延伸ポリプロピレンを表す。

【0029】
(金属層)
防湿性フィルム12は、防湿性に特に優れる金属層を有する。シロアリは、通常、金属を食い付いたり、食い破ったりしないが、紙層と組み合わせて凹凸加工することで、シロアリに金属層を食い破らせることができる。すなわち、これまでにない防湿性に特に優れたシロアリによって食い破り可能な防湿性フィルムとすることができる。
金属層としては、例えば、金、銀、アルミニウム、鉄などが挙げられ、なかでも、シロアリの食い破りやすさ、高い防湿性や製造適性の観点からアルミニウム層を用いるのが好ましい。また、前記金属層を蒸着したものでもよい。
アルミニウム層としては、例えば、アルミニウム箔、紙または合成樹脂にアルミニウムを蒸着したものなどが挙げられる。
金属層の厚さは、1~40μm、好ましくは5~20μmであるのがよい。ただし、金属を蒸着した場合の金属層の厚さは、0.01~1μm、好ましくは0.02~0.2μmであるのがよい。

【0030】
このような紙層、合成樹脂層および金属層を積層して防湿性フィルム12とする製造方法として、公知の方法、例えば、押出しラミネート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、ホットメルトラミネート法などが挙げられる。
ラミネートする場合の接着剤は、公知の接着剤を使用すればよい。

【0031】
(シロアリ駆除剤)
シロアリ駆除剤13は、シロアリ駆除の有効成分と、有効成分を含浸するための基材との混合物であり、基材としては、後述するシロアリ誘引剤で挙げられるような駆除対象とする種のシロアリが好んで摂食するものやシロアリがコロニーに持ち帰るような運搬可能なものである。
シロアリ駆除の有効成分としては、シロアリ駆除の従来から使用されている成分を用いることができ、特に遅効性のものが好ましい。シロアリが体内に取り込んだ駆除剤13をコロニーに持ち帰らせることで、または駆除剤13そのものをコロニーに持ち帰らせることで、コロニー全体にシロアリ駆除の有効成分が広がりシロアリを効率的に駆除することができるからである。
シロアリ駆除の有効成分の具体例としては、クロルピリホス、ジクロロフェンチオン(ECP)、ダイアジノン、テトラクロルビンホス、ピリダフェンチオン、フェニトロチオン(MEP)、プロペタンホス、ホキシム、ジクロルボスなどの有機リン系化合物;シラフルオフェンなどの有機ハロゲン系化合物;フェノブカルブ(BPMC)、プロポクスルなどのカーバメート系化合物;ビフェントリン、ペルメトリン、トラロメトリン、アクリナトリン、エトフェンプロックスなどのピレスロイド系化合物;ジノテフラン、イミダクロプリド、アセタミプリドなどのネオニコチノイド系化合物;メトプレン、ハイドロプレン、ピリプロキシフェン、ジフルベンズロン、トリフルムロン、テフルベンズロン、クロルフルアズロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、シロマジンなどの昆虫成長制御剤;フィプロニル、ピリプロールなどのフェニルピラゾール系化合物;クロルフェナピルなどのピロール系化合物;アミドフルメト等のスルホンアミド系化合物;メトキサジアゾン等のオキサジアゾール系化合物;その他、ヒドラメチルノン、ホウ酸、ホウ砂などが挙げられ、駆除対象とするシロアリの種に応じて、これら有効成分の1種を単独で使用してもよく、また2種以上組み合わせて使用してもよい。また、これらの有効成分に加えて、ピペロニルブトキシド、オクタクロロジプロピルエーテル、N-(2-エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド等の共力剤を加えて使用してもよい。

【0032】
駆除剤13の製剤形態としては、固形状であれば特に限定されず、粉末、粒状、顆粒、錠剤、塊状、カプセルなどが挙げられ、なかでも、シロアリの摂食、コロニーへの運搬の容易さの観点から、粒状製剤、顆粒製剤、カプセル化製剤であるのが好ましい。

【0033】
(シロアリ誘引剤)
シロアリ誘引剤4としては、特に限定されず、駆除対象とする種のシロアリが好んで摂食するものを適宜選択すればよく、例えば、紙、木粉、おがくず、セルロース粒子などのセルロース成形体、綿布、蒸煮材、木片などが挙げられる。ここで、シロアリの誘引とは、シロアリがシロアリ誘引剤4を好んで摂食し、その場に滞留することも含む。以下同様。

【0034】
(シロアリ駆除方法)
シロアリ駆除デバイス1を用いたシロアリ駆除方法としては、例えば、シロアリ駆除デバイス1をシロアリの生息域の地中に設置する方法などが挙げられる。シロアリ駆除デバイス1をシロアリの生息域の地中に設置することにより、地中深くのコロニーを生活拠点とするシロアリが、コロニーから地下道や蟻道をつくってシロアリ侵入口14から誘引剤収納部8に侵入し、シロアリ誘引剤4を摂食する。そして、シロアリがシロアリ誘引剤4の摂食中または食い尽くした後、誘引剤収納部8の上部に隣接した駆除剤収納部7に配置された駆除剤収納体3の防湿性フィルム12を食い破り、さらに、駆除剤13を摂食するまたは駆除剤13に接触する。このようにして、シロアリを駆除することができる。
シロアリ駆除デバイス1は、約5~20cmの深さに、約1~2m間隔で、設置することが好ましい。このように設置することで、深すぎず容易に設置場所が確認でき、必要以上のシロアリ駆除デバイス1を用いることなく、コストが抑えられ、効率的に駆除が可能となる。
また、シロアリ誘引剤4は、シロアリが防湿性フィルム12を食い付きやすくする観点から、図1(b)に示すように、シロアリ誘引剤4が防湿性フィルム12と接するように誘引剤収納部8に充填されるのが好ましく、駆除剤13は、シロアリが防湿性フィルム12を食い破った後、駆除剤13に確実にアクセスさせる観点から、図1(b)に示すように、駆除剤収納容器11に充填されるのが好ましい。

【0035】
(シロアリ駆除デバイスの他の実施形態)
図2(a)は、本発明のシロアリ駆除デバイスの他の実施形態であるシロアリ駆除デバイス15(開き蓋22は図示せず)を示す斜視図であり、(b)は、その断面図である。
シロアリ駆除デバイス15は、ボックスタイプの誘引剤収納体16と、誘引剤収納体16の内部に収納された駆除剤収納体3およびシロアリ誘引剤4とからなり、誘引剤収納体が異なる他はシロアリ駆除デバイス1と同様であり、以下、重複するものは同符号とした。
シロアリ駆除デバイス15は、図2(b)に示すように、シロアリ侵入口19を有する仕切り部20によって、水平方向に駆除剤収納部17(駆除剤収納スペース)、誘引剤収納部18(誘引剤収納スペース)にそれぞれ仕分けられた誘引剤収納体16の駆除剤収納部17に駆除剤収納体3が、誘引剤収納部18にシロアリ誘引剤4がそれぞれ収納され、誘引剤収納体16の上部に、取っ手21を有する開き蓋22が装着されたものである。
駆除剤収納部17が、誘引剤収納部18と水平方向に隣接しているので、シロアリが防湿性フィルム12を食い破りやすい。

【0036】
(シロアリ駆除方法)
シロアリ駆除デバイス15を用いたシロアリ駆除方法としては、前記したシロアリ駆除デバイス15をシロアリの生息域の地中または地上に設置するものである。
シロアリ駆除デバイス15をシロアリの生息域の地中に設置する場合は、地中のコロニーを生活拠点とするシロアリの駆除に効果的であり、シロアリ駆除デバイス15をシロアリの生息域の地上に設置する場合は、地表付近で活動しているシロアリの駆除に効果的である。
シロアリ駆除デバイス15は、約5~20cmの深さに、約1~2m間隔で、設置することが好ましい。このように設置することで、深すぎず容易に設置場所が確認でき、必要以上のシロアリ駆除デバイス15を用いることなくコストが抑えられ、効率的に駆除が可能となる。
また、シロアリ誘引剤4は、シロアリが防湿性フィルム12を食い付きやすくする観点から、図2(b)に示すように、シロアリ誘引剤4が防湿性フィルム12と接するように誘引剤収納部18に充填されるのが好ましく、駆除剤13は、シロアリが防湿性フィルム12を食い破った後、駆除剤13に確実にアクセスさせる観点から、図2(b)に示すように、駆除剤収納容器11に充填されるのが好ましい。

【0037】
(シロアリ駆除デバイスのさらに他の実施形態)
本発明のシロアリ駆除デバイスは、上述したシロアリ駆除デバイス1、15に限定されず、少なくとも一部が防湿性フィルムで構成され、内部に駆除剤を収納した駆除剤収納体を備えるものであれば、どのような形態であってもよく、例えば、図3に示すように、シロアリ侵入口24を下部に有するワンボックス型の誘引剤収納体25内に、シロアリ誘引剤4を敷き、該シロアリ誘引剤4上に駆除剤収納体3を載せた、低コストで作製できる簡易なシロアリ駆除デバイス26であってもよいし、駆除剤収納体3それ自体がシロアリ駆除デバイスなどであってもよい。
また、本発明における駆除剤収納体は、上述した駆除剤収納体3に限定されず、少なくとも一部が防湿性フィルムで構成され、内部に駆除剤を収納でき、防水・防湿に優れるものであれば特に限定されず、例えば、図4に示すように、防湿性フィルム12からなる袋体の内部に駆除剤13を収納した駆除剤収納体29であってもよいし、複数のシロアリ侵入用の開口を有する駆除剤収納容器と、各シロアリ侵入の開口全体を蓋する一または複数の防湿性フィルムと、駆除剤収納容器および防湿性フィルムからなる密閉空間に収納した駆除剤とからなる駆除剤収納体(図示せず)などであってもよい。なお、これら駆除剤収納体は、上述したシロアリ駆除デバイス1、15、26における誘引剤収納体内に設置した駆除剤収納体3の代わりに用いてもよく、さらには、これら駆除剤収納体自体を単体で用いてシロアリ駆除デバイスとしてもよい。
【実施例】
【0038】
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0039】
表1~3に示すPE層を有するフィルム構成のフィルムは、押し出しラミネート法により製造した。
表1、3に示すPE層を有しないフィルム構成のフィルムは、各層を接着剤を介してラミネートして製造した。
さらに、このようにして得られた検体フィルムに凹凸加工を施す場合は、検体フィルムを手加工によりシワを付加して、または、検体フィルムを型に挟み込んで、検体フィルムの表裏に凹凸加工を施した。凹凸加工を施した防湿フィルムの参考写真を図5に示す。
【実施例】
【0040】
(食い破り試験I)
図6に示す試験容器30を用いて、食い破り試験Iを行なった。すなわち、蓋を外した2本のプラスチック製チューブ31a,31b(ワトソン(株)製の「スクリューキャップチューブ 2.0ml 自立型」)に、霧吹きによって湿らせたおがくず32を、チューブ31aには容積の約半分(1ml)程度入れて、チューブ31bには容積すべてが埋まるように入れた。前記チューブ31aに、空気穴として直径1mmの穴を左右3箇所ずつ開け、供試虫33(ヤマトシロアリ)を30頭入れた。そして、表1に示す構成の検体フィルム34の両面を、キャップをはずした状態の上述した2本のチューブ31a,31bのチューブ口を向かい合わせて挟み込み、ビニールテープ35で固定して、2本のチューブを一体化した。なお、表1のフィルム構成における左側の層(表面=駆除剤収納体に配置した際、最外面となる層)を、検体フィルムの供試虫を入れたチューブ側とした。
その後、定期的に検体フィルムの食い破り(貫通)の有無を観察した。その結果を表1に示す。検体フィルムの食い破り(貫通)が見られたものは、貫通時間を貫通が見られた時点の経過日数で示し、貫通評価を「○」で示した。また、30日経過時点で貫通が見られなかったものは、貫通時間を「-」で示し、貫通評価を「×」で示した。なお、表1のフィルム構成において、例えば、「紙35」とは秤量35g/mの紙層、Al6とは厚さ6μmのアルミニウム層を表す。
【実施例】
【0041】
【表1】
JP0005867919B2_000002t.gif
*は比較例を示す。
(1)フィルムの厚みは、紙層は秤量(g/m2)で表し、その他の層はμmで表した。
なお、試料No.17の「紙84.9/アルミ蒸着」は、秤量84.9g/mの紙にアルミニウムを真空蒸着したものであり、アルミニウム蒸着層の厚さは1μm以下のため、表示せず。
(2)シワタイプ:シワを付加した凹凸形状(図5(a)参照)
Aタイプ :凹凸が約0.6mmである楊柳タイプの凹凸形状(図5(b)参照)
Bタイプ :凹凸が約0.4mmであるストライプタイプの凹凸形状(図5(c)参照)
(3)30日経過時点で貫通が見られなかったものは「-」と表記した。
(略字表記)
Al=アルミニウム
PE=ポリエチレン
PET=ポリエチレンテレフタレート
EAA=エチレン-アクリル酸共重合体
ON=延伸ナイロン
CPP=無延伸ポリプロピレン
【実施例】
【0042】
(食い破り試験II)
図7に示す貫通試験用装置36を用いて、食い破り試験IIを行なった。屋外で採取したイエシロアリのコロニー37(コロニーの高さ:約30~40cm)をプラスチック製の円筒容器38(直径約25cm、高さ約130cm)に設置し、おがくずを混ぜた土39を約100cmの高さHまで充填し、その状態で1ヵ月以上静置した。次に、表2に示す構成の検体フィルム40の両面を2本の塩化ビニル製のパイプ41a,41b(直径約1cm、長さ約15cm)の端(開放部)を向かい合わせて挟み込み、クリップ42により固定して貫通試験用装置とした。前記円筒容器38の上部側面(高さ約120cmの位置)に、前記パイプ41aの一方の端を接続して、24時間後の検体フィルム40の食い破りの有無を観察した。なお、表2のフィルム構成における左側の層(表面=駆除剤収納体に配置した際、最外面となる層)を、イエシロアリのコロニー37が入った円筒容器38側とし、円筒容器38側のパイプ41a内には何も充填せずにイエシロアリ43が行き来できるようにした。さらに、検体フィルム40を挟んだもう一方のパイプ41b内には餌となるセルロース粒子44を約2g入れ、検体フィルム40を挟んだ反対側の開放端をプラスチック栓45により封をした。
結果を表2に示す。なお、凹凸加工は、手加工により折り曲げ、シワを付加した凹凸形状とした。また、貫通評価は、1日以内に検体フィルム40の貫通が見られたものを「○」、1日経っても食い破りが見られなかったものを「×」で示した。なお、本試験においては、イエシロアリのコロニー全体をそのまま用いており、イエシロアリの個体数も多く、活動が活発な為、1日経過後の貫通の有無で評価を行った。
【実施例】
【0043】
【表2】
JP0005867919B2_000003t.gif
*は比較例を示す。
(1)フィルムの厚みは、紙層は秤量(g/m2)で表し、その他の層はμmで表した。
(2)シワタイプ:シワを付加した凹凸形状(図5(a)参照)
(略字表記)
PE=ポリエチレン
Al=アルミニウム
PET=ポリエチレンテレフタレート
EAA=エチレン-アクリル酸共重合体
【実施例】
【0044】
(防湿試験)
表3に示す構成の検体フィルムで作製した80×80mmの袋に、13gの粒状シリカゲルを封入し、温度40℃、湿度75%の環境下に1週間静置した。
得られた粒状シリカゲルの重量の変化(吸湿量)を測定し、防湿性の評価をした。その結果を表3に示す(試験は各検体フィルムにつき3回行い、吸湿量はその平均値を示す)。なお、防湿性の評価は、吸湿量が0.05g以下である場合を「○」、0.05gを超える場合を「×」とした。
【実施例】
【0045】
【表3】
JP0005867919B2_000004t.gif
*は比較例を示す。
(1)フィルムの厚みは、紙層は秤量(g/m2)で表し、その他の層はμmで表した。
なお、試料No.31の「紙84.9/アルミ蒸着」は、秤量84.9g/mの紙にアルミニウムを真空蒸着したものであり、アルミニウム蒸着層の厚さは1μm以下のため、表示せず。
(略字表記)
Al=アルミニウム
PE=ポリエチレン
PET=ポリエチレンテレフタレート
EAA=エチレン-アクリル酸共重合体
CPP=無延伸ポリプロピレン
PAN=ポリアクリロニトリル
ON=延伸ナイロン
OPP=延伸ポリプロピレン
OPS=延伸ポリスチレン
EVOH=エチレン-ビニルアルコール共重合体
【実施例】
【0046】
(フィールド試験I)
図2に示すシロアリ駆除デバイス15(縦5.5cm、横10.5cm、高さ3.0cm)を用いて、野外において食い破り試験(フィールド試験I)を行なった。シロアリ駆除デバイス15の誘引剤収納部にはシロアリ誘引剤として約70mlのセルロース粒子を充填し、駆除剤収納容器には下記表4中に示す有効成分を含まない駆除剤(セルロース粒子、ガラスビーズまたはゼラチン製カプセル)を、駆除剤収納体の容積が満たされるように(約40ml)それぞれ充填し、紙層(秤量:42g/m)とアルミニウム層(厚み:7μm)との2層からなるフィルム構成の防湿フィルムにエンボス加工により約0.1mmの凹凸加工を設けたもの(図5(d)参照)を、ホットメルト接着剤(エチレン‐酢酸ビニル共重合体系のホットメルト接着剤)を用いて、アルミニウム層を接着面(駆除剤側)、つまり、紙層が最外面(表面)とし、密封した。なお、防湿フィルムの食い破りの有無を評価する為、駆除剤の代わりとして、有効成分を含まないものを用いた。
試験は岡山県内の鷲羽山の山中にて、シロアリの巣が確認された切り株付近にシロアリ駆除デバイス15を設置してフィールド試験Iを行った。シロアリ駆除デバイス15はシロアリ駆除デバイス15全体が地中に埋まるように設置(地中約10cm)し、33日後まで定期的に防湿フィルムの食い破りの有無を確認した。その結果を表4に示す。なお、表4中のデバイスへの侵入の有無は、試験終了時(33日後)までの確認時点で、誘引剤収納部18にシロアリの侵入が見られたもの(侵入の痕跡が見られたものを含む)を「○」、誘引剤収納部18にシロアリの侵入が見られなかったものを「×」で示した。また、貫通評価は、試験終了時(33日後)までの確認時点で、食い破りが見られたものを「○」、誘引剤収納部18にシロアリの侵入が見られず評価できなかったものを「-」で示した。なお、食い破りまでの日数には、食い破りが確認された時点の設置日数を示し、33日間経過時点で食い破りが見られなかったものは「-」で示した。
【実施例】
【0047】
【表4】
JP0005867919B2_000005t.gif
【実施例】
【0048】
表4に示したとおり、駆除剤の種類によらず、デバイスへの侵入が見られたものでは、すべてにおいて防湿フィルムの食い破りが確認された(試料No.32~34、36~38、40~42)。
【実施例】
【0049】
(フィールド試験II)
図2に示すシロアリ駆除デバイス15(縦5.5cm、横10.5cm、高さ3.0cm)を用いて、野外において食い破り試験(フィールド試験II)を行なった。シロアリ駆除デバイス15の誘引剤収納部にはシロアリ誘引剤として約70mlのセルロース粒子を充填し、駆除剤収納容器にも駆除剤として約40mlのセルロース粒子を充填し、紙層(秤量:42g/m)とアルミニウム層(厚み:7μm)との2層からなるフィルム構成の防湿フィルムにエンボス加工により約0.1mmの凹凸加工を設けたもの(図5(d)参照)を、試料No.43~44はホットメルト接着剤(エチレン‐酢酸ビニル共重合体系のホットメルト接着剤)を用いて、試料No.45~46は木工用接着剤(酢酸ビニル樹脂系エマルジョン型接着剤)を用いて、アルミニウム層を接着面(駆除剤側)、つまり、紙層が最外面(表面)とし、密封した。なお、防湿フィルムの食い破りの有無を評価する為、駆除剤の代わりとして、有効成分を含まないセルロース粒子を用いた。
試験は和歌山県御坊市煙樹ヶ浜の林中にて、シロアリの巣が確認された蟻塚付近を餌場Aとし、餌場Aからその蟻塚を介した反対側の蟻塚付近を餌場Bとして、2ヶ所にシロアリ駆除デバイス15を設置してフィールド試験IIを行った。シロアリ駆除デバイス15はシロアリ駆除デバイス15全体が地中に埋まるように設置(地中約10cm)し、4日後に防湿フィルムの食い破りの有無を確認した。その結果を表5に示す。なお、表5中のデバイスへの侵入の有無は、確認時点で誘引剤収納部18にシロアリの侵入が見られたもの(侵入の痕跡が見られたものを含む)を「○」で示した。また、貫通評価は、確認時点で食い破りが見られたものを「○」で示した。
【実施例】
【0050】
【表5】
JP0005867919B2_000006t.gif
【実施例】
【0051】
フィールド試験IIでは、設置期間4日経過時点で、シロアリ駆除デバイス15を掘り出して回収した。その結果、すべての試料で設置期間4日という短い期間において、防湿フィルムの食い破りが見られた。
また、フィールド試験II後のシロアリによって食い破られた防湿性フィルム(試料No.43)の様子を図8に示す。図8の囲部示したとおり防湿フィルムは、紙層およびアルミニウム層が全面的に食い破られ、貫通されていた。さらに、駆除剤収納部に充填したセルロース粒子には蟻道が形成されていた。
【実施例】
【0052】
(フィールド試験III)
図1に示すシロアリ駆除デバイス1(駆除剤収納部7の直径約6cm、高さ2cm。誘引剤収納部8の高さ10cm)および図2に示すシロアリ駆除デバイス15(縦5.5cm、横10.5cm、高さ3.0cm)を用いて、野外において食い破り試験(フィールド試験III)を行なった。シロアリ誘引剤として、シロアリ駆除デバイス1の誘引剤収納部には約40mlのセルロース粒子を、シロアリ駆除デバイス15の誘引剤収納部には約70mlのセルロース粒子をそれぞれ充填し、シロアリ駆除デバイス1,15の駆除剤収納容器には約40mlの霧吹きによって湿らしたおがくずをそれぞれ充填し、表6に示すフィルム構成の防湿フィルムを表6のフィルム構成における左側の層が最外面となるように熱溶着し、密封した。なお、防湿フィルムの食い破りの有無を評価する為、駆除剤の代わりとして、有効成分を含まないおがくずを用いた。
試験は岡山県内の鷲羽山の山中にて、シロアリの巣が確認された切り株付近にシロアリ駆除デバイス1,15を設置してフィールド試験IIIを行った。シロアリ駆除デバイス1は誘引剤収納部が地中に埋まるように設置(地中約10cm)し、シロアリ駆除デバイス15はシロアリ駆除デバイス全体が地中に埋まるように設置(地中約10cm)し、11日後または43日後に防湿フィルムの食い破りの有無を確認した。いずれのシロアリ駆除デバイスにおいても、防湿フィルムの食い破りが見られた。その結果を表6に示す。なお、表6中の貫通評価は、確認時点で食い破りが見られたものを「○」で示した。
【実施例】
【0053】
【表6】
JP0005867919B2_000007t.gif
(1)杭タイプ:図1に示すシロアリ駆除デバイス
ボックスタイプ:図2に示すシロアリ駆除デバイス
(2)フィルムの厚みは、紙層は秤量(g/m2)で表し、その他の層はμmで表した。
(3)Bタイプ:凹凸が約0.4mmであるストライプタイプの凹凸形状(図5(c)参照)
(略字表記)
PE=ポリエチレン
Al=アルミニウム
PET=ポリエチレンテレフタレート
EAA=エチレン-アクリル酸共重合体
CPP=無延伸ポリプロピレン
【符号の説明】
【0054】
1、15、26 シロアリ駆除デバイス
2、16、25 誘引剤収納体
3、29 駆除剤収納体
4 シロアリ誘引剤
5、14、19、23、24 シロアリ侵入口
6 仕切り板
7、17 駆除剤収納部
8、18 誘引剤収納部
9 オーバーキャップ
10 フランジ部
11 駆除剤収納容器
12 防湿性フィルム
13 駆除剤
20 仕切り部
21、27 取っ手
22 開き蓋
28 蓋
30 試験容器
31a、31b プラスチック製チューブ
32 おがくず
33 供試虫
34、40 検体フィルム
35 ビニールテープ
36 貫通試験用装置
37 イエシロアリのコロニー
38 円筒容器
39 土
41a、41b 塩化ビニル製のパイプ
42 クリップ
43 イエシロアリ
44 セルロース粒子
45 プラスチック栓
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7