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明細書 :選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5150772号 (P5150772)
登録日 平成24年12月7日(2012.12.7)
発行日 平成25年2月27日(2013.2.27)
発明の名称または考案の名称 選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法
国際特許分類 C01B  31/02        (2006.01)
FI C01B 31/02 101F
請求項の数または発明の数 12
全頁数 18
出願番号 特願2011-552758 (P2011-552758)
出願日 平成23年1月28日(2011.1.28)
国際出願番号 PCT/JP2011/051817
国際公開番号 WO2011/096342
国際公開日 平成23年8月11日(2011.8.11)
優先権出願番号 2010023553
優先日 平成22年2月4日(2010.2.4)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成24年6月22日(2012.6.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】前田 優
【氏名】赤阪 健
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100093230、【弁理士】、【氏名又は名称】西澤 利夫
審査官 【審査官】小野 久子
参考文献・文献 国際公開第2009/008486(WO,A1)
国際公開第2006/013788(WO,A1)
特開2009-242149(JP,A)
特開2007-070224(JP,A)
国際公開第2004/106234(WO,A1)
CHATTOPADHYAY,J. et al,SET Mechanism in the Functionalization of Single-Walled Carbon Nanotubes ,J Phys Chem C,2007年12月 6日,Vol.111, No.48,p.17928-17932
調査した分野 C01B 31/00-31/36
JSTPlus(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
金属性のカーボンナノチューブと半導体性のカーボンナノチューブとが混在する原料のカーボンナノチューブと下記式(I)または式(II)
【化1】
JP0005150772B2_000008t.gif
【化2】
JP0005150772B2_000009t.gif
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)で表されるジスルフィドまたはスルフィドとを有機溶媒中に存在させることにより、式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドの残基によって金属性のカーボンナノチューブを選択的に化学修飾することを特徴とする選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項2】
式(I)または式(II)で表されるジスルフィドまたはスルフィドを、酸素を含有する有機溶媒中に存在させることにより、中間体を生成させ、この中間体を金属性のカーボンナノチューブと選択的に反応させて金属性のカーボンナノチューブを選択的に化学修飾することを特徴とする請求項1に記載の選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項3】
光照射によって金属性のカーボンナノチューブを選択的に化学修飾する反応を進行させることを特徴とする請求項1または2に記載の選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項4】
置換基を有していてもよい炭化水素基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、飽和脂肪族炭化水素基、または脂環式炭化水素基であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項5】
置換基を有していてもよい炭化水素基は、置換基としてハロゲン原子、水酸基、C1-C40アルコキシ基、C2-C40アルコキシカルボニル基、C6-C10アリールオキシ基、およびC2-C40アシル基から選ばれる少なくとも1種を有していてもよいC6-C20芳香族炭化水素基、または、置換基としてハロゲン原子、水酸基、C1-C6アルコキシ基、C2-C6アルコキシカルボニル基、C6-C10アリールオキシ基、およびC2-C8アシル基から選ばれる少なくとも1種を有していてもよいC1-C40飽和脂肪族炭化水素基もしくはC3-C40脂環式炭化水素基であることを特徴とする請求項4に記載の選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項6】
有機溶媒としてテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、ヘキサン、またはシクロヘキサンを用いることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項7】
金属性のカーボンナノチューブと半導体性のカーボンナノチューブとが混在する原料のカーボンナノチューブと下記式(I)または式(II)
【化1】
JP0005150772B2_000010t.gif
【化2】
JP0005150772B2_000011t.gif
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)で表されるジスルフィドまたはスルフィドとを有機溶媒中に存在させることにより、式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドの残基によってカーボンナノチューブを直径選択的に化学修飾することを特徴とする選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項8】
式(I)または式(II)で表されるジスルフィドまたはスルフィドを、酸素を含有する有機溶媒中に存在させることにより、中間体を生成させ、この中間体をカーボンナノチューブと直径選択的に反応させてカーボンナノチューブを直径選択的に化学修飾することを特徴とする請求項7に記載の選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項9】
光照射によってカーボンナノチューブを直径選択的に化学修飾する反応を進行させることを特徴とする請求項7または8に記載の選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項10】
置換基を有していてもよい炭化水素基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、飽和脂肪族炭化水素基、または脂環式炭化水素基であることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項11】
置換基を有していてもよい炭化水素基は、置換基としてハロゲン原子、水酸基、C1-C40アルコキシ基、C2-C40アルコキシカルボニル基、C6-C10アリールオキシ基、およびC2-C40アシル基から選ばれる少なくとも1種を有していてもよいC6-C20芳香族炭化水素基、または、置換基としてハロゲン原子、水酸基、C1-C6アルコキシ基、C2-C6アルコキシカルボニル基、C6-C10アリールオキシ基、およびC2-C8アシル基から選ばれる少なくとも1種を有していてもよいC1-C40飽和脂肪族炭化水素基もしくはC3-C40脂環式炭化水素基であることを特徴とする請求項10に記載の選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法。
【請求項12】
有機溶媒としてトルエンまたはキシレンを用いることを特徴とする請求項7から11のいずれかに記載の選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
単層カーボンナノチューブ(single-walled carbon nanotubes:SWNTs)には、その合成過程において不可避的に金属性のもの(m-SWNTs)と半導体性のもの(s-SWNTs)とが混在しているが、合成工程から直接に純粋なm-SWNTsやs-SWNTsを得る方法は未だ提案されていない。
【0003】
そのため、m-SWNTsとs-SWNTsとが混在する合成された混合物からm-SWNTsまたはs-SWNTsに基づく特定の性質を有するカーボンナノチューブを選択的に得る方法が求められている。
【0004】
従来、カーボンナノチューブを化学修飾することにより、分散性が向上することや、電気抵抗が増大すること等が報告されており、側面の化学修飾は、カーボンナノチューブの分散性や電子特性を大きく変化させることが知られている。
【0005】
具体的には、例えば、側面への付加が共役系へ与える影響を最小限に押さえる目的で、多官能基を導入したデンドリマーをカーボンナノチューブの側面に導入する試みがなされている。また、有機ケイ素基を側面に導入するとカーボンナノチューブの電界放出特性が向上することやn型の電界効果型トランジスタ(FET)特性が発現することも知られている。このようにカーボンナノチューブの化学修飾による分子変換は、カーボンナノチューブの特性を制御する上で重要である。
【0006】
しかしながら、試薬をm-SWNTsまたはs-SWNTsに選択的に化学反応させて化学修飾する技術は未だ報告が少ない。このようなカーボンナノチューブの電気特性に基づく化学反応は、電気特性の異なるカーボンナノチューブの分離やFET材料としての特性の向上に活用されることが期待されている。
【0007】
なお、特許文献および非特許文献1、2には、紫外線照射下においてカーボンナノチューブと環状ジスルフィドとを化学反応させることが記載されている。しかしながら、カーボンナノチューブと直鎖ジスルフィドとの反応性や、カーボンナノチューブの電気特性や直径に基づく選択的な化学修飾に関する知見は示唆されていない。

【特許文献1】特開2006-131428号公報
【非特許文献1】Chemistry Letters 2006, 35, 742.
【非特許文献2】Diamond & Related Materials 2007, 16, 1091-1094.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、金属性のカーボンナノチューブと半導体性のカーボンナノチューブとが混在する原料のカーボンナノチューブをその電気特性または直径に基づいて選択的に分子変換する新規な方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、鋭意検討した結果、カーボンナノチューブと直鎖ジスルフィドまたは直鎖スルフィドとを有機溶媒中に存在させることにより、カーボンナノチューブと直鎖ジスルフィドまたは直鎖スルフィドとが光反応し生成した活性種が、電気特性または直径に基づく明瞭な化学反応性の違いにより金属性のカーボンナノチューブを選択的にまたはカーボンナノチューブを直径選択的に化学修飾することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法は、金属性のカーボンナノチューブと半導体性のカーボンナノチューブとが混在する原料のカーボンナノチューブと下記式(I)または式(II)
【0011】
【化1】
JP0005150772B2_000002t.gif

【0012】
【化2】
JP0005150772B2_000003t.gif

【0013】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)で表されるジスルフィドまたはスルフィドとを有機溶媒中に存在させることにより、式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドとカーボンナノチューブとを光反応させ、金属性のカーボンナノチューブを選択的に化学修飾することを特徴としている。
【0014】
また本発明の選択的に化学修飾されたカーボンナノチューブの製造方法は、金属性のカーボンナノチューブと半導体性のカーボンナノチューブとが混在する原料のカーボンナノチューブと下記式(I)または式(II)
【0015】
【化1】
JP0005150772B2_000004t.gif

【0016】
【化2】
JP0005150772B2_000005t.gif

【0017】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)で表されるジスルフィドまたはスルフィドとを有機溶媒中に存在させることにより、式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドとカーボンナノチューブとを光反応させ、カーボンナノチューブを直径選択的に化学修飾することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、金属性のカーボンナノチューブと半導体性のカーボンナノチューブとが混在する原料のカーボンナノチューブから、金属性のカーボンナノチューブを選択的にまたはカーボンナノチューブを直径選択的に分子変換し物性を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1における単層カーボンナノチューブの吸収スペクトル(左)およびラマンスペクトル(右:励起波長514.5nm、633nm)である。
【図2】実施例2における単層カーボンナノチューブの吸収スペクトル(左)およびラマンスペクトル(右:励起波長514.5nm、633nm)である。
【図3】実施例3における単層カーボンナノチューブの吸収スペクトル(左)およびラマンスペクトル(右:励起波長514.5nm、633nm)である。
【図4】実施例4における単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル(励起波長514.5nm)である。
【図5】比較例1における単層カーボンナノチューブの吸収スペクトル(左)およびラマンスペクトル(右:励起波長514.5nm、633nm)である。
【図6】比較例2における単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル(励起波長514.5nm)である。
【図7】実施例5における単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル(励起波長514.5nm、633nm)である。
【図8】実施例6における単層カーボンナノチューブの吸収スペクトル(左)およびラマンスペクトル(右:励起波長785nm)である。
【図9】実施例7における単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル(励起波長514.5nm、633nm)である。
【図10】実施例8および比較例3における単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル(励起波長514.5nm、633nm)である。
【図11】実施例8における単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル(励起波長514.5nm、633nm)である。
【図12】実施例8における単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル(励起波長514.5nm、633nm)である。
【図13】比較例3における単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル(励起波長514.5nm、633nm)である。
【図14】実施例9における単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル(励起波長514.5nm、633nm)である。
【図15】実施例10における単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル(励起波長514.5nm、633nm)である。

【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0021】
本発明の方法は、金属性のカーボンナノチューブと半導体性のカーボンナノチューブとが混在する原料のカーボンナノチューブと上記式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドとを有機溶媒中に存在させることにより、式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドとカーボンナノチューブとを光反応させ、金属性のカーボンナノチューブを選択的に化学修飾し、またはカーボンナノチューブを直径選択的に化学修飾することを特徴としている。
【0022】
実験的に得られている証拠に基づくと、光励起した半導体SWNTsとジスルフィドまたはスルフィドが電子移動反応しラジカルイオン種を発生させ、酸素とSWNTsアニオンラジカルとの反応により生成したスーパーオキシドアニオンラジカルとジスルフィドカチオンラジカルまたはスルフィドカチオンラジカルから、ペルスルホキシドが生成する。このペルスルホキシド中間体が金属性SWNTsや特定の直径のSWNTsと選択的に反応すると考えられる。
【0023】
本発明において原料として用いられるカーボンナノチューブとしては、特に限定されるものではなく、例えば、単層カーボンナノチューブ、あるいは二層カーボンナノチューブ等の多層カーボンナノチューブを用いることができる。カーボンナノチューブの製法も特に限定されるものではなく、例えば、HiPco法、アーク法、レーザーアブレーション法、CVD法等によるものを用いることができる。
【0024】
上記式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドにおいて、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭化水素基、例えば、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、飽和脂肪族炭化水素基、または脂環式炭化水素基を示す。例えば、C6-C20、好ましくはC6-C14の芳香族炭化水素基、C1-C40、好ましくはC1-C20の飽和脂肪族炭化水素基、もしくはC3-C40、好ましくはC3-C20の脂環式炭化水素基およびこれらに置換基を有するものを用いることができる。
【0025】
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等のC6-C20アリール基等が挙げられる。芳香族炭化水素基は、置換基としてハロゲン原子、水酸基、C1-C40アルコキシ基、C2-C40アルコキシカルボニル基、C6-C10アリールオキシ基、およびC2-C40アシル基から選ばれる少なくとも1種を有していてもよい。
【0026】
飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、sec-ペンチル基、neo-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等の直鎖または分岐のアルキル基等が挙げられる。飽和脂肪族炭化水素基は、置換基としてハロゲン原子、水酸基、C1-C6アルコキシ基、C2-C6アルコキシカルボニル基、C6-C10アリールオキシ基、およびC2-C8アシル基から選ばれる少なくとも1種を有していてもよい。
【0027】
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。脂環式炭化水素基は、置換基としてハロゲン原子、水酸基、C1-C6アルコキシ基、C2-C6アルコキシカルボニル基、C6-C10アリールオキシ基、およびC2-C8アシル基から選ばれる少なくとも1種を有していてもよい。
【0028】
本発明において、式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドの使用量は、特に限定されるものではなく、カーボンナノチューブに対して過剰量であってもよいが、カーボンナノチューブの量に対して式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドの量を少なくすることで、化学修飾量を調整することができる。一例としては、式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドの使用量を0.05~1Mとすることができる。また、反応時間によっても化学修飾量を調整することができる。
【0029】
反応の有機溶媒としては、式(I)で表されるジスルフィドが溶解するものが好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジエチルエーテル等の好ましくは炭素数4~6のエーテル類、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン等の好ましくは炭素数5~10の炭化水素類等を1種単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。中でも、テトラヒドロフランが好ましい。
【0030】
有機溶媒としてテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、ヘキサン、またはシクロヘキサンを用いると、金属性のカーボンナノチューブを選択的に分子変換することができる。
【0031】
有機溶媒としてトルエンやキシレンを用いると、カーボンナノチューブを直径選択的に分子変換することができる。
【0032】
原料のカーボンナノチューブと式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドとの光反応は、有機溶媒中に式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドを溶解するとともにカーボンナノチューブを分散させ、適宜に超音波を照射して行うことができる。あるいは、石英等の基盤上にカーボンナノチューブの薄膜を作製し、これを式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドを含む有機溶媒中に浸漬させて行うことができる。反応雰囲気は、大気中等の酸素雰囲気下であることが好ましい。
【0033】
反応は、室温下でも容易に進行させることができる。反応温度は、式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドの沸点以下であれば、特に限定されず、例えば、-50~200℃で行うことができる。反応時間も特に限定されないが、あまり反応時間が長くなると金属性のカーボンナノチューブに加えて半導体性のカーボンナノチューブの反応も進行する場合がある。
【0034】
光反応を進行させるために必要な光波長は、200~2000 nm、好ましくは300~800 nmである。原料のカーボンナノチューブに含まれる金属性のカーボンナノチューブと式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドとの光反応は、紫外光の照射を要せずとも、例えば可視光の400nm~800 nmの範囲でも進行させることができる。
【0035】
光反応のための光源装置としては、例えば、ハロゲンランプ、水銀灯、蛍光灯等を用いることができる。光量は、スタンド式の蛍光灯や室内灯でも反応の進行には十分である。
【0036】
本発明によれば、上記のような条件にて原料のカーボンナノチューブと式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドとの光反応を進行させることにより、式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドと、原料のカーボンナノチューブに含まれる金属性のものと半導体性のものとのうち金属性のカーボンナノチューブを選択的に化学修飾することができる。あるいは、カーボンナノチューブを直径選択的に化学修飾することができる。
【0037】
ここで「選択的に」化学修飾することについては、例えば、後述の実施例にも示されるように、金属性のカーボンナノチューブに基づく特性吸収の消失、あるいは、金属性のカーボンナノチューブに帰属されるラマンスペクトルの減少とsp3結合由来とされるDバンドのピーク強度の増大等により、半導体性カーボンナノチューブのそれと対比したときに明確な相違として確認することができる。
【0038】
選択的に反応が進行した程度は、例えば次のような評価によっても明確に把握することができる。まず、Dバンドから全体の化学反応の進行具合の情報を相対的に得ることができる。そしてRBMの金属性SWNTsおよび半導体SWNTsのピーク強度変化、あるいは面積変化から、選択的な化学反応の情報を数値化することも可能である。また、スペクトル形状として、RBMのピーク強度の減少によっても選択的に反応が進行した程度を評価することができる。
【0039】
なお、「直径選択的」とは、直径の細いカーボンナノチューブが優先的に反応することを意味する。例えば、有機溶媒としてトルエンを用いてSWNTsを式(I)で表されるジスルフィドまたは式(II)で表されるスルフィドと反応させた場合には、直径の細い金属性SWNTs、直径の細い半導体SWNTs、直径の太い金属性SWNTs、直径の太い半導体SWNTsの順に反応が進行する。
【0040】
本発明の方法、金属性のカーボンナノチューブと半導体性のカーボンナノチューブとが混在する原料のカーボンナノチューブから、金属性のカーボンナノチューブを選択的にまたはカーボンナノチューブを直径選択的に分子変換し物性を制御することができることから、FET材料としての特性向上など、各種の分野での応用が期待できる。
【実施例】
【0041】
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0042】
以下の実施例および比較例において、金属性SWNTsおよび半導体性SWNTsを含む混合物の電気特性または直径に基づく選択的な化学反応の進行は、吸収スペクトルの特性吸収、およびラマンスペクトルのRBMとD-bandの増加の割合等から評価した。
【0043】
図1、図2、図3、図5、図8の吸収スペクトル(紫外-可視-近赤外吸収スペクトル)は分光光度計(UV-3150、(株)島津製作所製)を用いて測定した。
図1、図2、図3、図5、図8において、紫外-可視-近赤外吸収スペクトルは、金属性SWNTsおよび半導体SWNTsに基づく特性吸収(450~650nmの金属性SWNTsの第一金属遷移(M11)、1000~1600nmの半導体SWNTsの第一遷移(S11)、550~1000nmの半導体SWNTsの第二遷移(S22))のピーク強度の増減を、金属性SWNTsの選択的な化学修飾の指標とした(J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 10287)。
【0044】
図1~図15のラマンスペクトルは、吸引濾過によりカーボンナノチューブを処理して作製したフィルムをラマン分光器(LabRAM HR-800、堀場製作所)を用いてレーザ励起波長514.5nmおよび632.8nmで測定した。
図1~図15において、ラマンスペクトルは、帰属について Synthetic Metals 1999 103 2555のFig. 3に基づき、J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 10287のFig. 3, Fig. 4と同様に帰属した。片浦プロットとして知られるように、金属性および半導体性の両方のSWNTsは514.5nmおよび632.8nmの励起によりそれぞれ探知することができる。半導体性および金属性のナノチューブは、それぞれ、514.5nm励起により150~220cm-1、220~300cm-1で共鳴する。対照的に、632.8nmの励起では金属性SWNTsのRBMsが低周波数側になり半導体SWNTsのRBMsが高周波数側になる。金属性SWNTsおよび半導体SWNTsに基づくピーク強度の増減を、金属性SWNTsの選択的な化学修飾の指標とした。
なお、図2、図5、図7、図8、図9のラマンスペクトルの「AP」は反応前のSWNTsを意味する。
直径選択的な反応の進行は、直径の変化によってラマンスペクトルが変化することから確認した。化学反応が進行すると、J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 14893のFig. 3に示されるように、ラマンスペクトルのRBMの減少、Dバンドの増加が認められ、吸収スペクトルではFig. 4に示されるようにスペクトルが減少する。後述の実施例において直径選択的な反応の進行は、Dバンドの増加から、電子移動反応ではなく、側面への化学反応であることを確認の上、吸収スペクトルおよびRBMの減少が直径の細いSWNTsから順に進行することが観測されたことから判断した。
なお、図2、図3、図5、図7、図9、図14のG'-bandは、J Phys Chem C 2008 112 13150によれば、側面の化学修飾への影響も示唆されているが、参考までに測定結果を掲載した。
【0045】
また、光反応のための光源には、主に白色蛍光ランプ(サンライン FL15SW-6、日立ライティング(株)製)を用いて、光源からの光(波長300nm以上)を照射した。
<実施例1>
パイレックス(登録商標)製の反応容器に0.1mgの単層カーボンナノチューブ(SWNTs、HiPco法)を入れ、さらに0.05Mのジフェニルジスルフィドを含むテトラヒドロフラン(THF)を10ml加え、大気中にて超音波照射を2時間行った。また、光源の白色蛍光ランプからの光を照射した。
【0046】
24時間おきに2時間の超音波照射を行い、1,2,3日後に溶液の吸収スペクトルの測定を行ったところ、金属性SWNTsに基づく特性吸収の消失が確認された(図1左)。
【0047】
また、1,2,3日後の溶液をPTFE製メンブランフィルターにて濾過した後、ラマンスペクトル測定を行ったところ、金属性SWNTsに帰属されるラマンスペクトルの減少とsp3結合由来とされるDバンドのピーク強度の増大が確認され、金属性SWNTsへの選択的な化学反応が進行している知見が得られた(図1右)。
<実施例2>
パイレックス(登録商標)製の反応容器に0.1mgの単層カーボンナノチューブ(SWNTs、HiPco法)を入れ、さらに0.05Mのジフェニルジスルフィドを含むテトラヒドロフラン(THF)を10ml加え、大気中にて超音波照射を9時間または12時間行った。また、光源の白色蛍光ランプからの光を照射した。
【0048】
溶液の吸収スペクトルの測定を行ったところ、金属性SWNTsに基づく特性吸収の消失が確認された(図2左)。
【0049】
また、溶液をPEFE製メンブランフィルターにて濾過した後、ラマンスペクトル測定を行ったところ、金属性SWNTsに帰属されるラマンスペクトルの減少とsp3結合由来とされるDバンドのピーク強度の増大が確認され、金属性SWNTsへの選択的な化学反応が進行している知見が得られた(図2右)。
【0050】
超音波照射時間が長くなると電気特性に基づく選択的相互作用が進行する。これは超音波照射により分散系に存在するSWNTsの弧立度が向上したことによると考えられる。
<実施例3>
スプレー法にて単層カーボンナノチューブ(SWNTs、HiPco法)薄膜を石英基盤上に作製し、これをジフェニルジスルフィドを含むテトラヒドロフラン(THF)10mlに浸漬した。また、光源の白色蛍光ランプからの光を照射した。
【0051】
48時間後に基盤を取り出し、メタノールで洗浄した後に吸収スペクトルの測定を行ったところ、金属性SWNTsに基づく特性吸収の消失が確認された(図3左)。
【0052】
ラマンスペクトル測定を行ったところ、金属性SWNTsに帰属されるラマンスペクトルの減少とsp3結合由来とされるDバンドのピーク強度の増大が確認され、金属性SWNTsへの選択的な化学反応が進行している知見が得られた(図3右)。
【0053】
薄膜上に噴霧したSWNTsは孤立度が高い。上記のように実施例1の溶液中の反応と同様の反応時間で経時変化を追ったところ、溶液中よりも反応性が向上した。このように、SWNTsの孤立度が高いと反応性も向上する。
<実施例4>
実施例1において、有機溶媒を各種のものに変更し、それ以外は実施例1と同様の条件にて反応を行った。有機溶媒としては、THF、ヘキサン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン等を用いた。
【0054】
3日後にラマンスペクトルの測定を行った結果を図4に示す。THFを用いた場合に特に反応が効率的に進行した。
<比較例1>
スプレー法にて単層カーボンナノチューブ(SWNTs、HiPco法)薄膜を石英基盤上に作製し、これをジフェニルジスルフィドを含むテトラヒドロフラン(THF)10mlに浸漬し、暗所にて放置した。
【0055】
190時間後に基盤を取り出し、メタノールで洗浄した後に吸収スペクトルの測定とラマンスペクトルの測定を行ったところ、スペクトルの変化が認められず(図5左)、反応が抑制されたことが示された。(図5右)。
<比較例2>
パイレックス(登録商標)製の反応容器に0.1mgの単層カーボンナノチューブ(SWNTs、HiPco法)を入れ、さらに0.05Mのジフェニルジスルフィドおよび安定化剤として知られている2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールを含むテトラヒドロフラン(THF)を10ml加え、大気中にて超音波照射を2時間行った。また、光源の白色蛍光ランプからの光を照射した。
【0056】
24時間おきに2時間の超音波照射を行い、3日後に溶液の吸収スペクトルの測定を行ったところ、スペクトルの変化が認められず、反応が抑制されることが示された。
【0057】
また、3日後の溶液をPEFE製メンブランフィルターにて濾過した後、ラマンスペクトル測定を行ったところ、スペクトルの変化が認められず、反応が抑制されることが示された。(図6)。
【0058】
安定化剤として2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールの代わりにプロピルアミンを用いた場合も同様に反応が抑制された。
<実施例5>
パイレックス(登録商標)製の反応容器に0.1mgの単層カーボンナノチューブ(SWNTs、HiPco法)を入れ、さらに0.05Mのジフェニルジスルフィドを含むテトラヒドロフラン(THF)を10ml加え、大気中にて超音波照射を2時間行った。
【0059】
次に、光源としてハロゲンランプ(JCV100V-500WA、ウシオライティング(株)製)を用いて490nm以上の光を6時間照射した後、溶液の吸収スペクトルの測定を行ったところ、金属性SWNTsに基づく特性吸収の消失が確認された(図7左)。
【0060】
また、溶液をPEFE製メンブランフィルターにて濾過した後、ラマンスペクトル測定を行ったところ、金属性SWNTsに帰属されるラマンスペクトルの減少とsp3結合由来とされるDバンドのピーク強度の増大が確認され、金属性SWNTsへの選択的な化学反応が進行している知見が得られた(図7右)。
<実施例6>
パイレックス(登録商標)製の反応容器に0.1mgの単層カーボンナノチューブ(SWNTs、HiPco法)を入れ、さらに0.05Mのジフェニルジスルフィドを含むテトラヒドロフラン(THF)を10ml加え、大気中にて超音波照射を2時間行った。また、光源の白色蛍光ランプからの光を照射した。
【0061】
24時間おきに2時間の超音波照射を行い、3日後に溶液の吸収スペクトルの測定を行ったところ、金属性SWNTsに基づく特性吸収の消失が確認された(図8左)。
【0062】
また、3日後の溶液をPEFE製メンブランフィルターにて濾過した後、ラマンスペクトル測定を行ったところ、金属性SWNTsに帰属されるラマンスペクトルの減少とsp3結合由来とされるDバンドのピーク強度の増大が確認され、金属性SWNTsへの選択的な化学反応が進行している知見が得られた(図8右)。
【0063】
一方、上記と同様に24時間おきに2時間の超音波照射を行い、10日後に溶液の吸収スペクトル測定を行ったところ、金属性SWNTsに加え、半導体SWNTsに基づく特性吸収の消失が確認された(図8左)。
【0064】
また、溶液をPEFE製メンブランフィルターにて濾過した後、ラマンスペクトル測定を行ったところ、金属性SWNTsに加え、半導体SWNTsに帰属されるラマンスペクトルの減少とsp3結合由来とされるDバンドのピーク強度の増大が確認され、金属性SWNTsに次いで半導体SWNTsも化学反応が進行することが示された(図8右)。このように、導電性が同程度のSWNTsの場合、直径選択的に反応が進行することが示された。
<実施例7>
実施例1において、ジスルフィドを各種のものに変更し、それ以外は実施例1と同様の条件にて反応を行った。ジスルフィドとしては、ジフェニルジスルフィドの他、そのフェニル基に図9左に示すように置換基Rとしてメチル基、メトキシ基、塩素原子、ドデシル基、アミノ基、またはニトロ基を導入したもの、およびジ-n-ブチルジスルフィド、ジ-tert-ブチルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィドを用いた。
【0065】
3日後に吸収ラマンスペクトルの測定を行った結果を図9に示す。このように、各種のジスルフィドにおいて金属性SWNTsに基づく特性吸収の消失が確認された。また、溶液をPEFE製メンブランフィルターにて濾過した後、ラマンスペクトル測定を行ったところ、各種のジスルフィドにおいて金属性SWNTsに帰属されるラマンスペクトルの減少とsp3結合由来とされるDバンドのピーク強度の増大が確認され、金属性SWNTsへの選択的な化学反応が進行している知見が得られた。
【0066】
置換基Rとしてアミノ基、またはニトロ基を導入したものでは反応性に低下がみられた。これはジスルフィドとの電子移動を抑制するためと考えられる。
<実施例8、比較例3>
式(I)の直鎖ジスルフィドと、環状ジスルフィドの反応性について比較した。実施例8では実施例1と同様にパイレックス(登録商標)製の反応容器にSWNTsを入れ、さらにジフェニルジスルフィドを含む有機溶媒を加えて光反応を試みた。図10は酸素雰囲気下、有機溶媒THFでの紫外~可視領域の光照射(光波長254nm<)、図11は酸素雰囲気下、有機溶媒THFでの可視領域の光照射(光波長500nm<)、図12は酸素雰囲気下、有機溶媒アセトニトリルでの紫外~可視領域の光照射(光波長254nm<)の結果を示す。いずれも金属性SWNTsへの選択的な化学反応が進行し、アセトニトリル(THF酸素系に比べほとんど反応が進行しない)では直径選択的にも反応が進行した。
【0067】
比較例3では、環状ジスルフィドとしてジチアンを用いて、Ar雰囲気下、有機溶媒アセトニトリルでの紫外~可視領域の光照射(光波長254nm<)を行った(図13)。
【0068】
直鎖ジスルフィドのジフェニルジスルフィドの場合にはSWNTsのみが光吸収する条件でも反応が進行し(酸素中)(図11)、環状ジスルフィドのジチアンの場合には硫黄も光吸収する条件でのみ反応が進行する。また図示はしないがジフェニルジスルフィドの場合にはAr雰囲気では酸素雰囲気に比べると反応性が下がる。そしてジチアンの場合にはジフェニルジスルフィドと比べると同一条件では反応性が低く、反応の選択性も見られない。なお、ジチアンは光反応により生じたチイルラジカルがSWNTsに付加することで主に反応が進行すると考えられるが、ジフェニルジスルフィドの場合には、光励起した半導体SWNTsとジスルフィドが電子移動反応しラジカルイオン種を発生させ、酸素とSWNTsアニオンラジカルとの反応により生成したスーパーオキシドアニオンラジカルとジスルフィドカチオンラジカルからペルスルホキシドが生成し、このペルスルホキシド中間体が金属性SWNTsや特定の直径のSWNTsと選択的に反応すると考えられる。
<実施例9>
有機溶媒としてトルエンを用いて光反応を行った。SWNTs 1.5mgに対し0.05Mのジフェニルジスルフィド/トルエン溶液50mlを加え、光源としてハロゲンランプ(>300nm)を用い、酸素雰囲気下で光照射し反応を行った。その結果を図14に示す。
【0069】
有機溶媒としてトルエンを用いた場合には、金属選択的ではなく直径選択的に反応が進行した。このように、有機溶媒の選択により金属選択的な反応から直径選択的な反応に化学反応性を切り換えることができる。
【0070】
なお、反応は直径の細い金属性SWNTs、直径の細い半導体SWNTs、直径の太い金属性SWNTs、直径の太い半導体SWNTsの順に進行し、RBMの変化量は表1、2のとおりであった。直径dは次式より見積もった(Science 2002, 298, 2361 p. 2363 右カラム)。
d=223.5/(ωRBM-12.5)
【0071】
【表1】
JP0005150772B2_000006t.gif

【0072】
【表2】
JP0005150772B2_000007t.gif

<実施例10>
ジフェニルスルフィドを用いて、酸素雰囲気下、有機溶媒THFでの光照射(光波長400nm<)を行った。ラマンスペクトル測定を行ったところ、図15に示すように、金属性SWNTsに帰属されるラマンスペクトルの減少とsp3結合由来とされるDバンドのピーク強度の増大が確認され、金属性SWNTsへの選択的な化学反応が進行している知見が得られた。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14