TOP > 国内特許検索 > 発光性有機白金錯体、これを含む発光性材料および機能素子 > 明細書

明細書 :発光性有機白金錯体、これを含む発光性材料および機能素子

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5499420号 (P5499420)
登録日 平成26年3月20日(2014.3.20)
発行日 平成26年5月21日(2014.5.21)
発明の名称または考案の名称 発光性有機白金錯体、これを含む発光性材料および機能素子
国際特許分類 C07C 251/24        (2006.01)
C09K  11/06        (2006.01)
H01L  51/50        (2006.01)
C07F  15/00        (2006.01)
FI C07C 251/24 CSP
C09K 11/06 660
H05B 33/14 B
C07F 15/00 F
請求項の数または発明の数 12
全頁数 38
出願番号 特願2012-504388 (P2012-504388)
出願日 平成23年2月18日(2011.2.18)
国際出願番号 PCT/JP2011/053475
国際公開番号 WO2011/111497
国際公開日 平成23年9月15日(2011.9.15)
優先権出願番号 2010054699
優先日 平成22年3月11日(2010.3.11)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成24年9月7日(2012.9.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
発明者または考案者 【氏名】直田 健
【氏名】小宮 成義
【氏名】岡田 稔
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
審査官 【審査官】岩井 好子
参考文献・文献 特開2010-135689(JP,A)
特開2009-224863(JP,A)
特開2004-155711(JP,A)
Yamada Shinichiro, etal.,「Palladium(II)- and Platinum(II)-complexes of Schiff Bases Derived from Salicylaldehyde and Alkylam,Bulletin of the Chemical Society of Japan,1963年,Vol.36, No.4,pp483-485
Semenistaya T. V., etal.,「Synthesis of new Cu(II), Ni(II), Pd(II), and Pt(II) complexes and conducting photosensitive polyme,Zhurnal Neorganicheskoi Khimii,2003年,Vol.48, No.4,p.602-610
Shagisultanova G. A., etal.,「X-ray photoelectron spectroscopy in studying the structure and properties of polymers based on tra,Zhurnal Neorganicheskoi Khimii,2005年,Vol.50, No.6,p.991-1004
Yuichi Shimazaki, etal.,「Syntheses and Electronic Structures of One-Electron-Oxidized Group 10 Metal(II)-(Disalicylidene)di,J.Am.Chem.Soc.,2007年,Vol.129, No.9,p.2559-2568
Yuichi Shimazaki, etal.,「Detailed Evaluation of the Geometric and Electronic Structure of One-Electron Oxidized Group 10(Ni,Inorganic Chemistry,2009年,Vol.48, No.17,p.8383-8392
調査した分野 C07C 251/24
C09K 11/06
H01L 51/50
C07F 15/00
CAplus/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記何れかの構造式で示される発光性有機白金錯体。
【化1】
JP0005499420B2_000013t.gif
(各式中、Zは-(CH-、または-CH(CHOCHCH-を表し、上記nは7~14の整数を表し、上記mは3または4を表し、Aは縮合環であってもよい芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表し、Rは上記Aの置換基であって水素(但し、水素は、構造式(1)中のZの上記nが7~13のときを除く)、ハロゲン、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルキニル基、炭素数1~6のアルコキシ基、-OCで表されるハロゲン化アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシエチル基、-NRで表されるアルキルアミノ基 、ニトロ基、スルホニル基、スルフィニル基、カルボキシル基、アセトキシ基、ウレイド基、フェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニルオキシ基、炭素数8~13のアルキニルフェニル基、炭素数8~13のアルケニルフェニル基、またはフェノキシ基を表し、上記Xはハロゲンを表し、上記pは1~6の整数を表し、上記qは「2p+1=q+r」を満たす0または正の整数を表し、上記rは「2p+1=q+r」を満たす正の整数を表し、上記R,Rは互いに独立して水素または炭素数1~6のアルキル基を表し、当該RはAに複数存在していてもよく、かつ、Aに存在するRは互いに異なっていてもよい。)
【請求項2】
構造式(1)で示され、上記Zが-(CH-であり、上記nが8~14の整数であり、上記Aがベンゼン環であり、上記Rがハロゲン、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシエチル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、アセトキシ基、フェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニルオキシ基、炭素数8~13のアルキニルフェニル基、炭素数8~13のアルケニルフェニル基、または水素(但し、水素はnが14のとき)である請求項1に記載の発光性有機白金錯体。
【請求項3】
構造式(2a)または(2b)で示され、上記Zが-(CH-であり、上記nが7~14の整数であり、上記Aがベンゼン環であり、上記Rが水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシエチル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、アセトキシ基、フェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニルオキシ基、炭素数8~13のアルキニルフェニル基、または炭素数8~13のアルケニルフェニル基である請求項1に記載の発光性有機白金錯体。
【請求項4】
構造式(1)で示され、上記Zが-CH(CHOCHCH-であり、上記mは3または4を表し、上記Aがベンゼン環であり、上記Rが水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシエチル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、アセトキシ基、フェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニルオキシ基、炭素数8~13のアルキニルフェニル基、または炭素数8~13のアルケニルフェニル基である請求項1に記載の発光性有機白金錯体。
【請求項5】
構造式(2a)または(2b)で示され、上記Zが-CH(CHOCHCH-であり、上記mは3または4を表し、上記Aがベンゼン環であり、上記Rが水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシエチル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、アセトキシ基、フェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニルオキシ基、炭素数8~13のアルキニルフェニル基、または炭素数8~13のアルケニルフェニル基である請求項1に記載の発光性有機白金錯体。
【請求項6】
下記何れかの構造式で示される発光性有機白金錯体。
【化2】
JP0005499420B2_000014t.gif
【化3】
JP0005499420B2_000015t.gif
【化4】
JP0005499420B2_000016t.gif

【請求項7】
構造式(a)~(w),(z),(aa),(ac),(aj),(ak)の何れか一つで示される請求項6に記載の発光性有機白金錯体。
【請求項8】
構造式(x)または(y)で示される請求項6に記載の発光性有機白金錯体。
【請求項9】
構造式(ab)で示される請求項6に記載の発光性有機白金錯体。
【請求項10】
構造式(af)または(ag)で示される請求項6に記載の発光性有機白金錯体。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れか一項に記載の発光性有機白金錯体を含むことを特徴とする発光性材料。
【請求項12】
一対の電極間に、発光層を含む有機層を挟持してなる機能素子であって、
上記発光層が、請求項1ないし10の何れか一項に記載の発光性有機白金錯体を含むことを特徴とする機能素子。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば有機発光素子等の機能素子の材料として有用な発光性有機白金錯体、これを含む発光性材料および機能素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機金属錯体による燐光性の発光は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)において蛍光性の発光よりも理論的に高い量子効率を達成することが可能である。このため、当該有機金属錯体は、例えば次世代技術である有機発光素子等の機能素子の材料、具体的には有機ELディスプレイの材料等として期待されている。しかしながら、現状では、寿命や耐熱性、電流増加時の効率等の観点から改善が望まれている。また、機能素子として用いるには、光の三原色(赤色,緑色,青色)を揃えることが必要である。
【0003】
近年、上記機能素子の材料として有用な有機金属錯体が種々提案されている。例えば、特許文献1には、白金等の金属を用いた架橋構造を有する金属ポルフィリン錯体が記載されている。また、特許文献2には、イリジウムや白金等の金属を用い、複素環化合物を配位子として備えた有機金属錯体が記載されている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2004-155711号(2004年6月3日公開)
【特許文献2】特開2009-224763号(2009年10月1日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている金属ポルフィリン錯体は、架橋構造を有しているものの、配位子であるポルフィリンが平面構造を維持している。このため、金属ポルフィリン錯体は、無輻射失活の割合が大きく、発光量子収率φが数%程度であり発光効率が低い。従って、実用に足る発光強度を得ることができない。また、金属ポルフィリン錯体を合成するには多段階(9段階程度)の反応を行う必要があり、製造方法が複雑である。さらに、発光色調が波長650nm前後の赤色に限定されており、光の三原色を揃えることができない。同様に、上記特許文献2に記載されている有機金属錯体も、当該有機金属錯体の分子運動による無輻射失活の割合が大きい。従って、発光量子収率φが15%以下であり発光効率が低いため、実用に足る発光強度を得ることができない。
【0006】
つまり、上記従来の有機金属錯体では、発光効率が低いため、実用に足る発光強度を得ることができず、また、光の三原色を揃えることができないという課題を有している。
【0007】
本願発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、発光性有機白金錯体の配位子にメチレン鎖等の架橋鎖による架橋構造を導入することによって、当該発光性有機白金錯体の発光強度が増大され、室温(23℃)においても実用に足る発光強度を示すこと、並びに、上記架橋鎖の長さを調節することにより、発光色調を制御することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、従来の有機金属錯体よりも発光効率に優れ、実用に足る発光強度を得ることができ、また、光の三原色を揃えることが可能となり、例えば有機発光素子等の機能素子の材料として有用な発光性有機白金錯体、これを含む発光性材料および機能素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明に係る発光性有機白金錯体は、下記何れかの構造式で示される。
【0010】
【化1】
JP0005499420B2_000002t.gif

【0011】
(各式中、Zは-(CH-、または-CH(CHOCHCH-を表し、上記nは7~14の整数を表し、上記mは3または4を表し、Aは縮合環であってもよい芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表し、Rは上記Aの置換基であって水素(但し、水素は、構造式(1)中のZの上記nが7~13のときを除く)、ハロゲン、炭素数1~6のアルキル基 、炭素数1~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルキニル基、炭素数1~6のアルコキシ基、-OCで表されるハロゲン化アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシエチル基、-NRで表されるアルキルアミノ基、ニトロ基 、スルホニル基、スルフィニル基、カルボキシル基、アセトキシ基、ウレイド基、フェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニルオキシ基、炭素数8~13のアルキニルフェニル基、炭素数8~13のアルケニルフェニル基、またはフェノキシ基を表し、上記Xはハロゲンを表し、上記pは1~6の整数を表し、上記qは「2p+1=q+r」を満たす0または正の整数を表し、上記rは「2p+1=q+r」を満たす正の整数を表し、上記R,Rは互いに独立して水素または炭素数1~6のアルキル基を表し、当該RはAに複数存在していてもよく、かつ、Aに存在するRは互いに異なっていてもよい。)
また、本発明に係る発光性有機白金錯体は、より好ましくは、
(a) 構造式(1)で示され、上記Zが-(CH-であり、上記nが8~14の整数であり、上記Aがベンゼン環であり、上記Rがハロゲン、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシエチル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、アセトキシ基、フェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニルオキシ基、炭素数8~13のアルキニルフェニル基、炭素数8~13のアルケニルフェニル基、または水素(但し、水素はnが14のとき)であり、若しくは、
(b) 構造式(2a)または(2b)で示され、上記Zが-(CH-であり、上記nが7~14の整数であり、上記Aがベンゼン環であり、上記Rが水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシエチル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、アセトキシ基、フェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニルオキシ基、炭素数8~13のアルキニルフェニル基、または炭素数8~13のアルケニルフェニル基であり、若しくは、
(c) 構造式(1)で示され、上記Zが-CH(CHOCHCH-であり、上記mは3または4を表し、上記Aがベンゼン環であり、上記Rが水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシエチル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、アセトキシ基、フェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニルオキシ基、炭素数8~13のアルキニルフェニル基、または炭素数8~13のアルケニルフェニル基であり、若しくは、
(d) 構造式(2a)または(2b)で示され、上記Zが-CH(CHOCHCH-であり、上記mは3または4を表し、上記Aがベンゼン環であり、上記Rが水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシエチル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、アセトキシ基、フェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニルオキシ基、炭素数8~13のアルキニルフェニル基、または炭素数8~13のアルケニルフェニル基である。
【0012】
さらに、上記の課題を解決するために、本発明に係る発光性有機白金錯体は、下記何れかの構造式で示される。
【0013】
【化2】
JP0005499420B2_000003t.gif

【0014】
【化3】
JP0005499420B2_000004t.gif

【0015】
【化4】
JP0005499420B2_000005t.gif

【0016】
本発明に係る発光性材料は、上記の課題を解決するために、上記何れかの構造式で示される発光性有機白金錯体を含むことを特徴としている。
【0017】
本発明に係る機能素子は、上記の課題を解決するために、一対の電極間に、発光層を含む有機層を挟持してなる機能素子であって、上記発光層が、上記何れかの構造式で示される発光性有機白金錯体を含むことを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、発光性有機白金錯体の配位子にメチレン鎖等の架橋鎖による架橋構造が導入されているので、架橋鎖に結合している窒素原子が架橋鎖の方向に引っ張られる。このため、発光性有機白金錯体は、二つの配位子が白金原子を中心にして折れ曲がった三次元構造(立体構造)を採ることになり、当該配位子は平面構造を維持することができない。従って、当該発光性有機白金錯体の発光強度が増大され、室温(23℃)においても実用に足る発光強度を示すことができる。発光性有機白金錯体の発光強度が増大される具体的な理由としては、架橋鎖が形成されたことによる錯体の配位平面の変化(変形)の他に、架橋鎖による発光性有機白金錯体分子間の集積の制御等が挙げられる。また、上記架橋鎖の長さを調節することにより、二つの配位子の三次元構造(立体構造)を制御することができるので、発光色調を制御することができる。
【0019】
即ち、上記構成の発光性材料は、上記何れかの構造式で示される発光性有機白金錯体を含んでいる。また、上記構成の機能素子は、一対の電極間に、上記何れかの構造式で示される発光性有機白金錯体を含む発光層を含む有機層を挟持してなるので、従来の有機金属錯体よりも発光効率に優れ、実用に足る発光強度を得ることができ、また、光の三原色を揃えることが可能となる。
【0020】
従って、上記の構成によれば、従来の有機金属錯体よりも発光効率に優れ、実用に足る発光強度を得ることができ、また、光の三原色を揃えることが可能となり、例えば有機発光素子等の機能素子の材料として有用な発光性有機白金錯体、およびこれを用いた機能素子を提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る発光性有機白金錯体、これを含む発光性材料および機能素子によれば、従来の有機金属錯体よりも発光効率に優れ、実用に足る発光強度を得ることができ、また、光の三原色を揃えることが可能となり、例えば有機発光素子等の機能素子の材料として有用な発光性有機白金錯体、これを含む発光性材料および機能素子を提供することができるという効果を奏する。
【0022】
尚、白金はイリジウムと比較して埋蔵量が多く、入手が容易であるので、本発明に係る発光性有機白金錯体は、イリジウムを用いた従来の有機金属錯体と比較して、工業化が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る発光性有機白金錯体における、三次元構造(立体構造)と発光色調および発光強度との関係を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係る実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。本発明に係る発光性有機白金錯体は、下記何れかの構造式(1),(2a),(2b)で示される。

【0025】
【化5】
JP0005499420B2_000006t.gif

【0026】
(各式中、Zは-(CH-、または-CH(CHOCHCH-を表し、上記nは7~14の整数を表し、上記mは3または4を表し、Aは縮合環であってもよい芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表し、Rは上記Aの置換基であって水素(但し、水素は、構造式(1)中のZの上記nが7~13のときを除く)、ハロゲン、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルケニル基、炭素数1~6のアルキニル基、炭素数1~6のアルコキシ基、-OCで表されるハロゲン化アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシエチル基、-NRで表されるアルキルアミノ基 、ニトロ基、スルホニル基、スルフィニル基、カルボキシル基、アセトキシ基、ウレイド基、フェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニルオキシ基、炭素数8~13のアルキニルフェニル基、炭素数8~13のアルケニルフェニル基、またはフェノキシ基を表し、上記Xはハロゲンを表し、上記pは1~6の整数を表し、上記qは「2p+1=q+r」を満たす0または正の整数を表し、上記rは「2p+1=q+r」を満たす正の整数を表し、上記R,Rは互いに独立して水素または炭素数1~6のアルキル基を表し、当該RはAに複数存在していてもよく、かつ、Aに存在するRは互いに異なっていてもよい。)
つまり、発光性有機白金錯体は、上記構造式(1)で示される、白金原子を一つ含む発光性有機白金錯体であってもよく、上記構造式(2a)で示される、白金原子を二つ含むsyn型の有機白金二核錯体であってもよく、上記構造式(2b)で示される、白金原子を二つ含むanti型の有機白金二核錯体であってもよい。尚、発光性有機白金錯体は、白金原子を三つ含む有機白金三核錯体とすることもできる。

【0027】
そして、本発明に係る機能素子は、上記発光性有機白金錯体が、
(a) 構造式(1)で示され、上記Zが-(CH-であり、上記nが8~14の整数であり、上記Aがベンゼン環であり、上記Rがハロゲン、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシエチル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、アセトキシ基、フェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニルオキシ基、炭素数8~13のアルキニルフェニル基、炭素数8~13のアルケニルフェニル基、または水素(但し、水素はnが14のとき)であり、若しくは、
(b) 構造式(2a)または(2b)で示され、上記Zが-(CH-であり、上記nが7~14の整数であり、上記Aがベンゼン環であり、上記Rが水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシエチル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、アセトキシ基、フェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニルオキシ基、炭素数8~13のアルキニルフェニル基、または炭素数8~13のアルケニルフェニル基であり、若しくは、
(c) 構造式(1)で示され、上記Zが-CH(CHOCHCH-であり、上記mは3または4を表し、上記Aがベンゼン環であり、上記Rが水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシエチル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、アセトキシ基、フェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニルオキシ基、炭素数8~13のアルキニルフェニル基、または炭素数8~13のアルケニルフェニル基であり、若しくは、
(d) 構造式(2a)または(2b)で示され、上記Zが-CH(CHOCHCH-であり、上記mは3または4を表し、上記Aがベンゼン環であり、上記Rが水素、ハロゲン、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシエチル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ニトロ基、アセトキシ基、フェニル基、炭素数7~13のアルキルフェニルオキシ基、炭素数8~13のアルキニルフェニル基、または炭素数8~13のアルケニルフェニル基であることがより好ましい。

【0028】
上記発光性有機白金錯体は、原料である配位子と、当該配位子2分子に架橋構造を導入する架橋鎖の原料化合物(以下、架橋化合物と記す)との縮合により、架橋構造が導入された配位子(以下、架橋配位子と記す)を合成する合成工程、および、白金化合物を用いて架橋配位子に白金原子を挿入する挿入工程、の二工程の合成方法で合成することができる。従って、本発明に係る発光性有機白金錯体は、従来の有機金属錯体である例えば金属ポルフィリン錯体と比較して、合成が容易である。上記配位子は2座配位子であるので、架橋配位子は白金原子に対して4座配位子として機能している。

【0029】
より具体的には、上記構造式(1)で示される発光性有機白金錯体であって、当該発光性有機白金錯体がトランス型ビス(サリチルアルジミナト)白金錯体である場合を例に挙げると、下記反応式(A)に示すように、配位子であるサリチルアルデヒド2分子と架橋化合物であるジアミノアルカン1分子との縮合による、架橋配位子であるN,N’-ビス(サリチリデン)-アルカンジアミンの合成工程、および、白金化合物である例えばPtCl(CHCN)を用いて、トランス型ビスサリチルアルジミンとなるN,N’-ビス(サリチリデン)-アルカンジアミンに白金原子を挿入する挿入工程の二工程の合成方法で合成することができる。

【0030】
【化6】
JP0005499420B2_000007t.gif

【0031】
(式中のR,nは前記と同じ)
また、上記合成工程および挿入工程を1ポットで実質的に同時に行うこともできる。2座配位子である上記配位子2分子を架橋化合物1分子で結び付ける(架橋する)上記合成工程の収率は、100%(若しくは実質的に100%)である。従って、上記合成方法は、工業的な製造方法として有用である。

【0032】
そして、上記構造式(2a)で示されるsyn型の有機白金二核錯体、並びに、上記構造式(2b)で示されるanti型の有機白金二核錯体は、上記構造式(1)で示される発光性有機白金錯体(一核錯体)の副生成物として得られる。つまり、有機白金二核錯体は、発光性有機白金錯体(一核錯体)の製造時に副生成物として副生される。これら有機白金二核錯体は、例えばカラムクロマトグラフィ等による分離精製操作を行うことにより、発光性有機白金錯体(一核錯体)と分離することができる。同様に、白金原子を三つ含む有機白金三核錯体も、上記構造式(1)で示される発光性有機白金錯体(一核錯体)の副生成物として得られ、例えばカラムクロマトグラフィ等による分離精製操作を行うことにより、発光性有機白金錯体(一核錯体)と分離することができる。

【0033】
尚、本発明に係る発光性有機白金錯体は、錯体の配位平面に対する架橋鎖の位置により、即ち、架橋鎖が配位平面の上方を渡環しているか或いは下方を渡環しているかにより、光学異性体が存在する。上記合成方法では、発光性有機白金錯体はラセミ体として得られる。

【0034】
上記発光性有機白金錯体を構成する配位子としては、具体的には、例えば、サリチルアルデヒド、3-フルオロサリチルアルデヒド、4-フルオロサリチルアルデヒド、5-フルオロサリチルアルデヒド、6-フルオロサリチルアルデヒド、3-クロロサリチルアルデヒド、4-クロロサリチルアルデヒド、5-クロロサリチルアルデヒド、6-クロロサリチルアルデヒド、3-ブロモサリチルアルデヒド、4-ブロモサリチルアルデヒド、5-ブロモサリチルアルデヒド、6-ブロモサリチルアルデヒド、3-メチルサリチルアルデヒド、4-メチルサリチルアルデヒド、5-メチルサリチルアルデヒド、6-メチルサリチルアルデヒド、3-メトキシサリチルアルデヒド、4-メトキシサリチルアルデヒド、5-メトキシサリチルアルデヒド、6-メトキシサリチルアルデヒド、4,6-ジメトキシサリチルアルデヒド、3-エトキシサリチルアルデヒド、4-エトキシサリチルアルデヒド、5-エトキシサリチルアルデヒド、6-エトキシサリチルアルデヒド、3-トリフルオロメトキシサリチルアルデヒド、4-トリフルオロメトキシサリチルアルデヒド、5-トリフルオロメトキシサリチルアルデヒド、6-トリフルオロメトキシサリチルアルデヒド、3-ヒドロキシサリチルアルデヒド、4-ヒドロキシサリチルアルデヒド、5-ヒドロキシサリチルアルデヒド、6-ヒドロキシサリチルアルデヒド、3-ヒドロキシエチルサリチルアルデヒド、4-ヒドロキシエチルサリチルアルデヒド、5-ヒドロキシエチルサリチルアルデヒド、6-ヒドロキシエチルサリチルアルデヒド、3-(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド、4-(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド、5-(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド、6-(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド、3-ニトロサリチルアルデヒド、4-ニトロサリチルアルデヒド、5-ニトロサリチルアルデヒド、6-ニトロサリチルアルデヒド、3-アセトキシサリチルアルデヒド、4-アセトキシサリチルアルデヒド、5-アセトキシサリチルアルデヒド、6-アセトキシサリチルアルデヒド、3-フェニルサリチルアルデヒド、4-フェニルサリチルアルデヒド、5-フェニルサリチルアルデヒド、6-フェニルサリチルアルデヒド、3-ベンジルオキシサリチルアルデヒド、4-ベンジルオキシサリチルアルデヒド、5-ベンジルオキシサリチルアルデヒド、6-ベンジルオキシサリチルアルデヒド、1-ヒドロキシ-2-ナフトアルデヒド、3-ヒドロキシピリジン-4-カルボキスアルデヒド等が挙げられる。

【0035】
つまり、構造式(1),(2a),(2b)において「A」で表される縮合環であってもよい芳香族炭化水素環または芳香族複素環としては、ベンゼン環やナフタレン環(縮合環)、ピリジン環がより好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。但し、上記構造式から明らかなように、本発明に係る発光性有機白金錯体を構成する配位子は、上記例示の配位子以外にも、種々存在する。つまり、上記例示の配位子は、具体例に過ぎない。

【0036】
上記架橋化合物としては、具体的には、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,13-ジアミノトリデカン、1,14-ジアミノテトラデカン、1,11-ジアミノ-3,6,9-トリオキサウンデカン、1,14-ジアミノ-3,6,9,12-テトラオキサテトラデカン等が挙げられる。但し、本発明に係る発光性有機白金錯体を構成する架橋化合物は、当該発光性有機白金錯体が三次元構造(立体構造)を構築することが可能な化合物であればよく、上記例示の架橋化合物以外にも、種々存在する。つまり、上記例示の架橋化合物は、具体例に過ぎない。

【0037】
上記白金化合物としては、具体的には、例えば、PtCl(CHCN)が挙げられるが、特に限定されるものではなく、従来の有機金属錯体を合成するときに用いられる公知の白金化合物を好適に用いることができる。

【0038】
そして、上記合成工程においては、従来のシッフ塩基を合成するときに用いられる公知の溶媒を好適に用いることができる。当該溶媒としては、具体的には、例えば、エチルアルコールが挙げられるが、特に限定されるものではない。また、上記挿入工程においては、従来の有機金属錯体を合成するときに用いられる公知の溶媒を好適に用いることができる。当該溶媒としては、具体的には、例えば、トルエンとジメチルスルホキシドとの混合溶媒が挙げられるが、特に限定されるものではない。単位量当たりの配位子に対する上記各溶媒の使用量は、特に限定されるものではない。さらに、上記挿入工程においては、反応を促進させるために、炭酸カリウム等の無機化合物を併用してもよい。

【0039】
上記合成工程および挿入工程における反応温度や反応時間等の反応条件は、従来の有機金属錯体を合成するときに採用されている公知の反応条件を好適に採用することができる。そして、合成工程の終了後、反応液を冷却することにより、当該反応液から架橋配位子を取り出すことができる。また、挿入工程の終了後、反応液を濃縮し、抽出操作、および、例えばカラムクロマトグラフィ等による分離精製操作を行うことにより、発光性有機白金錯体を例えば結晶として取り出す(単離する)ことができる。つまり、本発明に係る発光性有機白金錯体の単離方法として、従来の有機金属錯体を単離するときに採用されている公知の単離方法を好適に採用することができる。

【0040】
そして、上記合成方法によって得られる本発明に係る発光性有機白金錯体は、より好ましくは、具体的には、例えば、下記何れかの構造式で示される。従って、上述した通り、下記構造式で示される、白金原子を二つ含む有機白金二核錯体も、本発明に係る発光性有機白金錯体の範疇に含まれる。これら構造式で示される発光性有機白金錯体は、何れも、本願発明者が初めて合成に成功した新規物質である。但し、上記合成方法から明らかなように、本発明に係る発光性有機白金錯体は、下記何れかの構造式で示される発光性有機白金錯体以外にも、種々存在する。つまり、下記何れかの構造式で示される発光性有機白金錯体は、より好適な発光性有機白金錯体の具体例に過ぎない。また、例えば、白金原子を三つ含む有機白金三核錯体も、本発明に係る発光性有機白金錯体の範疇に含まれる。

【0041】
【化7】
JP0005499420B2_000008t.gif

【0042】
【化8】
JP0005499420B2_000009t.gif

【0043】
【化9】
JP0005499420B2_000010t.gif

【0044】
尚、上記構造式から明らかなように、本発明に係る発光性有機白金錯体としては、前記構造式(1),(2a),(2b)における上記Zが-(CH-であり、上記nが、構造式(1)のとき8~14の整数であり、構造式(2a),(2b)のとき7~14の整数であり、上記Aがベンゼン環であり、上記Rが-H、-F、-Cl、-Br、-CH、-OCH、-OCH、-N(Cまたは-NOであることがさらに好ましい(但し、-Hは、構造式(1)中のZの上記nが7~13のときを除く)。また、本発明に係る発光性有機白金錯体としては、前記構造式(1),(2a),(2b)における上記Zが-CH(CHOCHCH-であり、上記mが3または4であり、上記Aがベンゼン環であり、上記Rが-Hであることがさらに好ましい。さらに、構造式(aj)から明らかなように、本発明に係る発光性有機白金錯体は、上記Aに存在するRが互いに異なっていてもよい。

【0045】
次に、本発明に係る発光性有機白金錯体における、三次元構造(立体構造)と発光色調との関係について説明する。

【0046】
発光性有機白金錯体は、白金原子による重原子効果により、三重項遷移状態(励起三重項)から基底状態に移行するときに燐光性の発光を示す。本発明に係る発光性有機白金錯体は、当該発光性有機白金錯体の配位子にメチレン鎖等の架橋鎖による架橋構造が導入されているので、架橋鎖に結合している窒素原子が架橋鎖の方向に引っ張られる。このため、発光性有機白金錯体は、二つの配位子が白金原子を中心にして折れ曲がった三次元構造(立体構造)を採ることになり、当該配位子は平面構造を維持することができない。より具体的には、本発明に係る発光性有機白金錯体は、二つの配位子が、架橋鎖によるトランス位での架橋構造(つまり、錯体中心の白金原子の近傍で渡環している構造)を有することによって、当該二つの配位子が白金原子を中心にして折れ曲がることによる三次元構造(立体構造)を有するようになる。つまり、本発明に係る発光性有機白金錯体は、二つの配位子がトランス配位し、個々の配位子の窒素原子、つまり、白金原子に直接配位している窒素原子から架橋構造が形成されているので、当該発光性有機白金錯体の分子運動による無輻射失活の割合が小さくなる(無輻射失活が抑制される)。

【0047】
従って、当該発光性有機白金錯体の発光強度が増大され、燐光性の発光効率が高くなるので、室温(23℃)においても実用に足る発光強度を示すことができる。発光性有機白金錯体の発光強度が増大される具体的な理由としては、架橋鎖が形成されたことによる錯体の配位平面の変化(変形)の他に、架橋鎖による発光性有機白金錯体分子間の集積の制御等が挙げられる。

【0048】
より具体的には、三次元構造(立体構造)を有することにより、個々の発光性有機白金錯体分子は非集積型の形状となる。このため、固体状態(結晶状態或いは非晶質(アモルファス)状態)での分子同士の相互作用が小さくなる。それゆえ、発光性有機白金錯体は、固体状態(結晶状態或いは非晶質(アモルファス)状態)で高い発光効率(77Kでの固体発光量子収率φが最高で70%)を示す。

【0049】
尚、配位子が平面構造を有している従来の有機金属錯体は、錯体分子の配位平面の上方および下方が空いており、集積型の形状であるので、難溶性および難揮発性となり、固体状態での取り扱いが困難である。これに対して、本願発明に係る発光性有機白金錯体の分子は、非集積型の形状であるので、例えば、機能素子を製造するときに蒸着等の手法を採用することができ、工業的な製造方法に有利である。

【0050】
そして、本発明に係る発光性有機白金錯体は、架橋鎖の長さ(炭素数)を調節することにより、錯体の配位平面を変化(変形)させ、二つの配位子の三次元構造(立体構造)を制御することができるので、燐光の発光波長、即ち、発光色調、および発光強度を制御することができる。

【0051】
上記発光色調および発光強度についてより詳細に説明する。但し、以下の説明においては、便宜上、発光性有機白金錯体として、配位子が4-ジエチルアミノサリチルアルジミンであり、架橋鎖がメチレン鎖であるトランス型ビス(4-ジエチルアミノサリチルアルジミナト)白金錯体(一核錯体)を一例に挙げて説明することとする。

【0052】
より具体的には、図1に示すように、トランス型ビス(4-ジエチルアミノサリチルアルジミナト)白金錯体(R=4-N(C)は、メチレン鎖の長さによって二つの4-ジエチルアミノサリチルアルジミン配位子の折れ曲がり角度(一方の4-ジエチルアミノサリチルアルジミン配位子に対する他方の4-ジエチルアミノサリチルアルジミン配位子の角度であり、平面構造のときは180°)が変化する。即ち、メチレン鎖の長さが短い場合には、メチレン鎖に結合している窒素原子がメチレン鎖の方向に強く引っ張られるため、二つの4-ジエチルアミノサリチルアルジミン配位子は大きく折れ曲がる(メチレン鎖の長さn=8,9,10)。このとき、発光色調は黄緑色~黄色であり、低温(例えば、77K)で強い発光を示す。一方、メチレン鎖の長さn=11,12の場合には、二つの4-ジエチルアミノサリチルアルジミン配位子の折れ曲がり度合いが中程度となり(二つの4-ジエチルアミノサリチルアルジミン配位子は平面構造に近づき)、発光色調がより黄緑色側へと短波長シフトする。上記中程度の折れ曲がり状態が、この発光性有機白金錯体の最も安定な構造であるため、室温、低温共に、発光強度が最も強くなる(室温では長さn=12の場合に固体発光量子収率が高く、低温では長さn=11,12の場合に固体発光量子収率が高い)。また、メチレン鎖の長さnがさらに長くなると(n=13)、二つの4-ジエチルアミノサリチルアルジミン配位子はほぼ平面構造となり、分子間の集積が部分的に可能となるため、分子間相互作用により発光色調は長波長シフトして黄色になる。また、分子間の集積により、発光強度が再び相対的に小さくなる。当該二つの4-ジエチルアミノサリチルアルジミン配位子の平面性は、メチレン鎖の長さに応じて折れ曲がり状態、或いは平面状態に強固に保たれる。即ち、トランス型ビス(4-ジエチルアミノサリチルアルジミナト)白金錯体は、メチレン鎖の長さを換えることにより、三次元構造(立体構造)を任意の折れ曲がり状態で強固に固定することができるので、発光色調および発光強度を制御することが可能となる。

【0053】
尚、発光性有機白金錯体の三次元構造(立体構造)は、単結晶X線構造解析によって明らかにすることができる。例えば、図1においてR=Hであるトランス型ビス(サリチルアルジミナト)白金錯体の、二つのサリチルアルジミン配位子の折れ曲がり角度は、n=7のとき143°であり、n=13のとき179°(ほぼ平面構造)である。また、上記角度は、密度汎関数法を用いた分子軌道計算を行うことにより、求めることもできる。

【0054】
本発明に係る発光性有機白金錯体は、配位子の種類やその置換基(構造式(1),(2a),(2b)において「R」で表される置換基)を変更したり、或いは、架橋鎖の長さや種類を変更したりすることにより、発光色調を波長(発光極大波長)514~663nmの間で変化させることができる。つまり、本発明に係る発光性有機白金錯体によれば、緑色から黄緑色,黄色,黄橙色,橙色(オレンジ色)等を経て赤色までの間で、幅広い発光色調を得ることができる。それゆえ、これら種々の発光色調の発光性有機白金錯体を組み合わせることにより、機能素子としての例えば次世代の照明である白色LED(発光ダイオード)を開発することができる。

【0055】
そして、本発明に係る発光性有機白金錯体は、例えば、励起光として波長365nmの紫外光や波長420nmの青色光を照射することにより、波長550nmの黄橙色の強い発光(燐光性の発光;τ=1.6μs)を示す。尚、発光色解析を行うことにより、上記黄橙色の発光は色純度が極めて高い(CIE(0.49,0.51),Pe99%)ことが判った。このため、本発明に係る発光性有機白金錯体を用いた機能素子は、単一光を必要とされる各種装置に好適に用いることができる。

【0056】
次に、本発明に係る発光性材料および機能素子についてより詳細に説明する。本発明に係る発光性材料は、前記何れかの構造式(1),(2a),(2b)で示される発光性有機白金錯体を含んでいる。また、本発明に係る機能素子は、一対の電極間に、発光層を含む有機層を挟持してなる機能素子であって、上記発光層が、前記何れかの構造式(1),(2a),(2b)で示される発光性有機白金錯体を含んでいる。つまり、本発明に係る発光性材料は、例えば、本発明に係る機能素子の発光層を形成する材料として好適に用いられる。

【0057】
より具体的には、機能素子が有機EL素子である場合を例に挙げると、当該有機EL素子は、例えば、基板の上に、陽極、ホール注入層およびホール輸送層、発光性有機白金錯体を含む発光層、電子注入層および電子輸送層、陰極をこの順で積層することにより構成されている。或いは、当該有機EL素子は、例えば、基板の上に、陰極、電子注入層および電子輸送層、発光性有機白金錯体を含む発光層、ホール注入層およびホール輸送層、陽極をこの順で積層することにより構成されている。そして、上記ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子注入層および電子輸送層が有機層に該当する。尚、有機層は、上記各層の他に、必要に応じて、公知の有機EL素子が有する保護層や誘電体層等をさらに備えていてもよい。つまり、本実施形態に係る有機EL素子は、前記何れかの構造式で示される発光性有機白金錯体を含んでいる発光層以外の各構成は、公知の有機EL素子の構成を好適に採用することができる。但し、本発明においては、有機層が発光層のみであり、他の層が無機化合物で構成されている無機層である場合も、本発明の範疇に含まれることとする。即ち、本発明に係る機能素子は、有機層として少なくとも発光層を含んでいればよい。

【0058】
基板は、発光性有機白金錯体から発せられる光を散乱または減衰させること無く透過させる材料であればよい。上記基板としては、具体的には、例えば、ガラス基板等の無機材料;ポリエステルやポリスチレン、ポリカーボネートポリイミド等の有機材料;からなる公知の基板が好適に用いられる。尚、基板表面には、必要に応じて、透湿防止層やガスバリア層が形成されていてもよい。

【0059】
陽極は、ホール注入層にホール(正孔)を供給する機能を有していればよい。陽極としては、具体的には、例えば、合金を含む各種金属、金属酸化物、或いは導電性化合物等の公知の材料が好適に用いられる。このうち、金属酸化物がより好ましく、酸化イリジウム錫(ITO)からなる薄膜が特に好ましい。尚、陽極の形成方法は、公知の形成方法を好適に採用することができる。

【0060】
陰極は、電子注入層に電子を供給する機能を有していればよい。陰極としては、具体的には、例えば、合金を含む各種金属、金属酸化物、或いは導電性化合物等の公知の材料が好適に用いられる。このうち、アルミニウム、アルカリ金属またはアルカリ土類金属とアルミニウムとの合金が特に好ましい。尚、陰極の形成方法は、公知の形成方法を好適に採用することができる。

【0061】
そして、有機EL素子として機能するために、陽極および陰極のうち、少なくとも一方の電極(基板上に形成される電極)は、透明であることが望ましい。

【0062】
ホール注入層およびホール輸送層は、陽極からホールを受け取り、当該ホールを発光層に向かって輸送する機能を有していればよい。ホール注入層およびホール輸送層としては、公知の材料が好適に用いられる。尚、ホール注入層およびホール輸送層の形成方法は、公知の形成方法を好適に採用することができる。

【0063】
電子注入層および電子輸送層は、陰極から電子を受け取り、当該電子を発光層に向かって輸送する機能を有していればよい。電子注入層および電子輸送層としては、公知の材料が好適に用いられる。尚、電子注入層および電子輸送層の形成方法は、公知の形成方法を好適に採用することができる。

【0064】
発光層は、例えば本発明に係る発光性材料で形成されており、電圧が印加されたときに、ホール注入層およびホール輸送層を介して陽極から輸送されたホールと、電子注入層および電子輸送層を介して陰極から輸送された電子とを結合させることにより、発光性有機白金錯体を発光させる機能を有していればよい。発光層は、発光性有機白金錯体の他に、ホスト材料を含んでいてもよい。つまり、発光性材料は、ホスト材料をさらに含んでいてもよい。当該ホスト材料とは、発光性有機白金錯体を分散して発光層(つまり、発光性材料)中に保持する機能、ホールおよび電子を受け取る機能、ホールおよび電子を輸送する機能、ホールおよび電子を結合させる機能、結合により生成した励起子のエネルギを発光性有機白金錯体に供給(伝達)する機能、等のうちの少なくとも一つの機能を有している材料であり、公知の材料が好適に用いられる。このうち、ホール輸送機能を有する材料と、電子輸送機能を有する材料との混合物がより好ましい。尚、発光層の形成方法は、公知の形成方法を好適に採用することができる。

【0065】
上記構成の有機EL素子に印加する電圧は、例えば6V程度であればよいが、特に限定されるものではない。上記構成の有機EL素子は、前記何れかの構造式で示される発光性有機白金錯体を含んでいるので、緑色から赤色までの間で、幅広い発光色調を示すことができる。つまり、本発明に係る発光性有機白金錯体を用いた機能素子は、電圧を印加することにより、緑色から赤色までの間の幅広い発光色調で発光する。

【0066】
そして、上記構成の機能素子は、一対の電極間に、上記何れかの構造式(1),(2a),(2b)で示される発光性有機白金錯体を含む発光層を含む有機層を挟持してなるので、従来の有機金属錯体よりも発光効率に優れ、実用に足る発光強度を得ることができ、また、光の三原色を揃えることが可能である。

【0067】
従って、上記の構成によれば、従来の有機金属錯体よりも発光効率に優れ、実用に足る発光強度を得ることができ、また、光の三原色を揃えることが可能となり、例えば有機発光素子等の機能素子の材料として有用な発光性有機白金錯体、これを含む発光性材料および機能素子を提供することができる。
【実施例】
【0068】
以下、実施例により、本願発明をさらに詳しく説明する。
【実施例】
【0069】
先ず、架橋配位子の合成例を以下に示す。
【実施例】
【0070】
〔合成例1〕
配位子としての4-(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド0.58gと、架橋化合物としての1,12-ジアミノドデカン0.3gとをエチルアルコール5mlに加え、4時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、反応液を氷冷撹拌して析出晶を濾取した。減圧乾燥後、架橋配位子としてのN,N’-ビス(4-ジエチルアミノサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.72gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.89 (2H, s) 6.94 (2H, d, J = 8.6Hz) 6.11 (2H, dd, J = 8.9Hz, 2.4Hz) 6.05 (2H, d, J = 2.4Hz) 3.45 (4H, t, J = 6.8Hz) 3.36 (8H, q, J = 6.8Hz) 1.58-1.67 (4H, m) 1.25-1.40 (16H, m) 1.18 (12H, t, J = 6.8Hz)
〔合成例2〕
4-(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド0.58gと1,11-ジアミノウンデカン0.28gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(4-ジエチルアミノサリチリデン)-1,11-ウンデカンジアミンの微黄色粉末0.68gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 13.9 (2H, br-s) 7.90 (2H, s) 6.95 (2H, d, J = 8.9Hz) 6.12 (2H, dd, J = 8.9Hz, 2.7Hz) 6.06 (2H, d, J = 2.7Hz) 3.45 (4H, t, J = 6.5Hz) 3.36 (8H, q, J = 6.8Hz) 1.58-1.67 (4H, m) 1.26-1.40 (14H, m) 1.18 (12H, t, J = 6.8Hz)
〔合成例3〕
4-(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド0.58gと1,10-ジアミノデカン0.26gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(4-ジエチルアミノサリチリデン)-1,10-デカンジアミンの微黄色粉末0.71gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 13.9 (2H, br-s) 7.90 (2H, s) 6.95 (2H, d, J = 8.9Hz) 6.12 (2H, dd, J = 8.9Hz, 2.7Hz) 6.06 (2H, d, J = 2.7Hz) 3.45 (4H, t, J = 6.5Hz) 3.36 (8H, q, J = 6.8Hz) 1.58-1.67 (4H, m) 1.26-1.40 (12H, m) 1.18 (12H, t, J = 6.8Hz)
〔合成例4〕
4-(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド0.58gと1,9-ジアミノノナン0.24gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(4-ジエチルアミノサリチリデン)-1,9-ノナンジアミンの微黄色粉末0.43gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.89 (2H, s) 6.95 (2H, d, J = 8.6Hz) 6.11 (2H, dd, J = 8.6Hz, 2.7Hz) 6.05 (2H, d, J = 2.7Hz) 3.44 (4H, t, J = 7.0Hz) 3.36 (8H, q, J = 7.0Hz) 1.49-2.18 (4H, m) 1.31-1.48 (10H, m) 1.18 (12H, t, J = 7.0Hz)
〔合成例5〕
4-(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド0.58gと1,8-ジアミノオクタン0.22gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(4-ジエチルアミノサリチリデン)-1,8-オクタンジアミンの微黄色粉末0.55gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.89 (2H, s) 6.95 (2H, d, J = 8.9Hz) 6.11 (2H, dd, J = 8.9Hz, 2.7Hz) 6.05 (2H, d, J = 2.7Hz) 3.44 (4H, t, J = 6.5Hz) 3.36 (8H, q, J = 7.3Hz) 1.58-1.67 (4H, m) 1.32-1.41 (8H, m) 1.18 (12H, t, J = 6.5Hz)
〔合成例6〕
4-(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド0.58gと1,13-ジアミノトリデカン0.32gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(4-ジエチルアミノサリチリデン)-1,13-トリデカンジアミンの微黄色粉末0.66gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.89 (2H, s) 6.95 (2H, d, J = 8.9Hz) 6.11 (2H, d, J = 8.9Hz, 2.7Hz) 6.05 (2H, d, J = 2.7Hz) 3.45 (4H, t, J = 6.8Hz) 3.36 (8H, q, J = 7.3Hz) 1.25-1.67 (8H, m) 1.18 (12H, t, J = 7.3Hz) 1.18-1.25 (14H, m)
〔合成例7〕
4-クロロサリチルアルデヒド0.16gと1,12-ジアミノドデカン0.10gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(4-クロロサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.23gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 14.1 (2H, br-s) 8.26 (2H, s) 7.13 (2H, d, J = 8.1Hz) 6.94 (2H, d, J = 1.6Hz) 6.80 (2H, dd, J = 8.1Hz, 1.6Hz) 3.57 (4H, t, J = 6.8Hz) 1.60-1.71 (4H, m) 1.25-1.35 (16H, m)
〔合成例8〕
5-クロロサリチルアルデヒド0.47gと1,12-ジアミノドデカン0.30gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(5-クロロサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.70gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 13.7 (2H, br-s) 8.25 (2H, s) 7.19-7.27 (4H, m) 6.99 (2H, d, J = 8.4Hz) 3.59 (4H, td, J = 7.0Hz, 1.1Hz) 1.63-1.74 (4H, m) 1.25-1.48 (16H, m)
〔合成例9〕
3-メトキシサリチルアルデヒド0.45gと1,12-ジアミノドデカン0.30gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(3-メトキシサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.60gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 14.2 (2H, br-s) 8.29 (2H, s) 6.83-6.92 (4H, m) 6.77 (2H, t, J = 7.6Hz) 3.90 (6H, s) 3.59 (4H, t, J = 6.8Hz) 1.62-1.74 (4H, m) 1.25-1.48 (16H, m)
〔合成例10〕
4-メトキシサリチルアルデヒド0.45gと1,12-ジアミノドデカン0.30gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(4-メトキシサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.56gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 14.2 (2H, br-s) 8.09 (2H, s) 7.06 (2H, d, J = 8.6Hz) 6.37 (2H, d, J = 2.7Hz) 6.32 (2H, dd, J = 8.6Hz, 2.4Hz) 3.80 (6H, s) 3.51 (4H, t, J = 6.8Hz) 1.61-1.80 (4H, m) 1.25-1.48 (16H, m)
〔合成例11〕
5-メトキシサリチルアルデヒド0.45gと1,12-ジアミノドデカン0.30gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(5-メトキシサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.69gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 13.2 (2H, br-s) 8.29 (2H, s) 6.89-6.91 (4H, m) 6.76 (2H, m) 3.78 (6H, s) 3.58 (4H, td, J = 7.0Hz, 1.1Hz) 1.58-1.74 (4H, m) 1.25-1.48 (16H, m)
〔合成例12〕
6-メトキシサリチルアルデヒド0.45gと1,12-ジアミノドデカン0.30gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(6-メトキシサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.69gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 8.73 (2H, s) 7.20 (2H, t, J = 8.1Hz) 6.51 (2H, d, J = 8.1Hz) 6.22 (2H, d, J = 8.1Hz) 3.81 (6H, s) 3.55 (4H, t, J = 7.0Hz) 1.60-1.73 (4H, m) 1.20-1.45 (16H, m)
〔合成例13〕
4-メトキシサリチルアルデヒド0.45gと1,10-ジアミノデカン0.26gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(4-メトキシサリチリデン)-1,10-デカンジアミンの微黄色粉末0.55gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 14.2 (2H, br-s) 8.53 (2H, s) 7.06 (2H, d, J = 8.6Hz) 6.38 (2H, d, J = 2.7Hz) 6.33 (2H, dd, J = 8.6Hz, 2.7Hz) 3.80 (6H, s) 3.51 (4H, t, J = 6.9Hz) 1.51-1.75 (4H, m) 1.20-1.48 (12H, m)
〔合成例14〕
4-メトキシサリチルアルデヒド0.46gと1,11-ジアミノウンデカン0.28gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(4-メトキシサリチリデン)-1,11-ウンデカンジアミンの微黄色粉末0.57gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 14.2 (2H, br-s) 8.09 (2H, s) 7.06 (2H, d, J = 8.6Hz) 6.38 (2H, d, J = 2.4Hz) 6.33 (2H, dd, J = 8.6Hz, 2.4Hz) 3.80 (6H, s) 3.51 (4H, t, J = 6.6Hz) 1.55-1.70 (4H, m) 1.25-1.48 (14H, m)
〔合成例15〕
4-フルオロサリチルアルデヒド0.31gと1,12-ジアミノドデカン0.22gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(4-フルオロサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.41gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 14.3 (2H, br-s) 8.23 (2H, s) 7.17 (2H, dd, J = 8.4Hz, 6.5Hz) 6.61 (2H, dd, J = 10.8Hz, 2.7Hz) 6.52 (2H, ddd, J = 8.4Hz, 8.4Hz, 2.7Hz) 3.55 (4H, t, J = 7.0Hz) 1.56-1.74 (4H, m) 1.21-1.49 (16H, m)
〔合成例16〕
4-ブロモサリチルアルデヒド0.44gと1,12-ジアミノドデカン0.22gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(4-ブロモサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.56gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 14.1 (2H, br-s) 8.25 (2H, s) 7.12 (2H, d, J = 1.6Hz) 7.06 (2H, d, J = 7.8Hz) 6.96 (2H, dd, J = 7.8Hz, 1.9Hz) 3.56 (4H, t, J = 6.8Hz) 1.60-1.74 (4H, m) 1.20-1.39 (16H, m)
〔合成例17〕
5-フルオロサリチルアルデヒド0.42gと1,12-ジアミノドデカン0.30gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(5-フルオロサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.64gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 13.4 (2H, br-s) 8.27 (2H, s) 6.86-7.05 (6H, m) 3.59 (4H, td, J = 6.8Hz, 1.1Hz) 1.55-1.74 (4H, m) 1.21-1.45 (16H, m)
〔合成例18〕
5-メチルサリチルアルデヒド0.41gと1,12-ジアミノドデカン0.30gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(5-メチルサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.67gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 13.4 (2H, br-s) 8.27 (2H, s) 7.09 (2H, dd, J = 8.5Hz, 1.9Hz) 7.02 (2H, d, J = 1.9Hz) 6.85 (2H, d, J = 8.5Hz) 3.56 (4H, t, J = 7.0Hz) 2.28 (6H, s) 1.61-1.80 (4H, m) 1.25-1.48 (16H, m)
〔合成例19〕
1-ヒドロキシ-2-ナフトアルデヒド0.52gと1,12-ジアミノドデカン0.30gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(1-ヒドロキシ-2-ナフチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.49gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 13.4 (2H, br-s) 8.46 (1H, s) 8.43 (1H, s) 7.74 (2H, d, J = 10.5Hz) 7.37-7.56 (6H, m) 6.92 (2H, d, J = 8.9Hz) 6.76 (2H, d, J = 8.9Hz) 3.51 (4H, m) 1.66-1.77 (4H, m) 1.21-1.40 (16H, m)
〔合成例20〕
4,6-ジメトキシサリチルアルデヒド0.55gと1,12-ジアミノドデカン0.30gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(4,6-ジメトキシサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.43gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 14.2 (2H, br-s) 8.26 (2H, d, J = 7.8Hz) 5.85 (2H, d, J = 2.2Hz) 5.55 (2H, d, J = 2.2Hz) 3.77 (12H, s) 3.46 (4H, t, J = 6.5Hz) 1.60-1.72 (4H, m) 1.21-1.36 (16H, m)
〔合成例21〕
5-ニトロサリチルアルデヒド0.50gと1,12-ジアミノドデカン0.30gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(5-ニトロサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.71gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 15.0 (2H, br-s) 8.31 (2H, s) 8.23 (2H, d, J = 2.7Hz) 8.18 (2H, dd, J = 9.2Hz, 2.7Hz) 6.91 (2H, t, J = 9.2Hz) 3.66 (4H, t, J = 6.8Hz) 1.69-1.80 (4H, m) 1.25-1.48 (16H, m)
〔合成例22〕
3-ヒドロキシピリジン-4-カルボキスアルデヒド0.25gと1,12-ジアミノドデカン0.20gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス[(3-ヒドロキシピリジン-4-イル)メチリデン]-1,12-ドデカンジアミンの褐色粉末0.39gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 13.1 (2H, br-s) 8.43 (2H, s) 8.36 (2H, s) 8.19 (2H, d, J = 4.9Hz) 7.13 (2H, d, J = 4.9Hz) 3.65 (4H, t, J = 7.0Hz) 1.66-1.77 (4H, m) 1.20-1.48 (16H, m)
〔合成例23〕
サリチルアルデヒド0.38gと1,14-ジアミノテトラデカン0.38gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(サリチリデン)-1,14-テトラデカンジアミンの黄色固体0.33gを得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl) δ: 13.72 (2H, s) 8.33 (2H, s) 7.27-7.31 (2H, m) 7.24 (2H, dd, J = 7.6Hz, 1.6Hz) 6.95 (2H, d, J = 8.0Hz) 6.86 (2H, td, J = 7.5Hz, 0.5Hz) 3.58 (4H, t, J = 6.9Hz) 1.66-1.71 (4H, m) 1.20-1.40 (20H, m)
〔合成例24〕
サリチルアルデヒド125mgと1,11-ジアミノ-3,6,9-トリオキサウンデカン105mgとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(サリチリデン)-3,6,9-トリオキサ-1,11-ウンデカンジアミンの黄色油状物210mgを得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl) δ: 13.43 (2H, s) 8.35 (2H, s) 7.28-7.31 (2H, m) 7.24 (2H, dd, J = 7.7Hz, 1.7Hz) 6.95 (2H, d, J = 8.2Hz) 6.85-6.88 (2H, m) 3.72-3.75 (8H, m) 3.57-3.59 (8H, m)
〔合成例25〕
サリチルアルデヒド0.36gと1,14-ジアミノ-3,6,9,12-テトラオキサテトラデカン0.54gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(サリチリデン)-3,6,9,12-テトラオキサ-1,14-テトラデカンジアミンの黄色油状物0.21gを得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl) δ: 13.43 (6H, s) 8.36 (2H, s) 7.29 (2H, ddd, J = 8.5Hz, 7.0Hz, 1.3Hz) 7.25 (2H, dd, J = 7.6Hz, 1.7Hz) 6.94 (2H, d, J = 8.2Hz) 6.86 (2H, td, J = 7.5Hz, 1.0Hz) 3.56-3.76 (20H, m)
〔合成例26〕
5-トリフルオロメトキシサリチルアルデヒド0.21gと1,12-ジアミノドデカン0.10gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(5-トリフルオロメトキシサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.21gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 13.4 (2H, br-s) 8.27 (2H, s) 7.11-7.18 (4H, m) 6.94 (2H, d, J = 8.9Hz) 3.59 (4H, t, J = 6.8Hz) 1.55-1.74 (4H, m) 1.21-1.45 (16H, m)
〔合成例27〕
4-メトキシサリチルアルデヒド0.40gと1,13-ジアミノトリデカン0.10gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(4-メトキシサリチリデン)-1,13-トリデカンジアミンの微黄色粉末0.45gを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 14.2 (2H, br-s) 8.09 (2H, s) 7.06 (2H, d, J = 8.6Hz) 6.37 (2H, d, J = 2.4Hz) 6.33 (2H, dd, J = 8.6Hz, 2.4Hz) 3.75 (6H, s) 3.51 (4H, t, J = 6.5Hz) 1.55-1.73 (4H, m) 1.21-1.50 (18H, m)
〔合成例28〕
4-メトキシサリチルアルデヒド0.9gと、1,12-ジアミノドデカン1.2gとをエチルアルコール300mlに加え、30分間加熱還流した。反応液を減圧濃縮した後、得られた黄色固体を濾取した。当該黄色固体を減圧乾燥して、N-(4-メトキシサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色固体2.01gを得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl) δ: 8.10 (1H, s) 7.06 (1H, d, J = 8.7Hz) 6.38 (1H, d, J = 2.7Hz) 6.33 (1H, dd, J = 8.7, 2.7Hz) 3.80 (3H, s) 3.51 (2H, t, J = 6.6Hz) 2.68 (2H, t, J = 6.6Hz) 1.55-1.76 (2H, m) 1.20-1.50 (18H, m)
次に、上記N-(4-メトキシサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.17gと、4-クロロサリチルアルデヒド0.8gとをトルエン7mlに溶解し、終夜(12時間)加熱還流した。反応液を減圧濃縮した後、得られた黄色固体を濾取した。当該黄色固体を減圧乾燥して、N-(4-メトキシサリチリデン)-N’-(4-クロロサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミンの微黄色粉末0.23gを得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl) δ: 14.1 (2H, br-s) 8.27 (1H, s) 8.10 (1H, s) 7.14 (1H, d, J = 8.1Hz) 7.14 (1H, d, J = 8.7Hz) 6.95 (1H, d, J = 1.8Hz) 6.80 (1H, dd, J = 8.1, 1.8Hz) 6.38 (1H, d, J = 2.7Hz) 6.33 (1H, dd, J = 8.7, 2.7Hz) 3.80 (3H, s) 3.57 (2H, t, J = 6.9Hz) 3.51 (2H, t, J = 6.6Hz) 1.45-1.75 (6H, m) 1.20-1.55 (14H, m)
〔合成例29〕
4-ベンジルオキシサリチルアルデヒド0.4gと1,11-ジアミノウンデカン0.16gとを用い、合成例1と同様の手法でN,N’-ビス(4-ベンジルオキシサリチリデン)-1,11-ジアミノウンデカンの微黄色粉末0.48gを得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl) δ: 14.2 (2H, br-s) 7.25-7.44 (10H, m) 7.07 (2H, d, J = 8.7Hz) 6.47 (2H, d, J = 2.4Hz) 6.41 (2H, dd, J = 8.7, 2.4Hz) 5.06 (4H, s) 3.51 (4H, t, J = 6.6Hz) 1.60-1.67 (4H, m) 1.25-1.45 (14H, m)
次に、上記各配位子を用いた発光性有機白金錯体の合成例を、実施例として以下に示す。
【実施例】
【0071】
〔実施例1〕
合成例1で合成したN,N’-ビス(4-ジエチルアミノサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.14gと炭酸カリウム0.23gとPtCl(CHCN)0.09gとを、トルエン90mlとジメチルスルホキシド22.5mlとの混合溶媒に加えて終夜(12時間)加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルと水とを加えて目的物を抽出した。有機層を濃縮後、得られた粗成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出液;n-ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製し、前記構造式(a)で表されるトランス-ビス(4-ジエチルアミノサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末53mgを得た。
1H-NMR (500MHz, CDCN) δ: 7.67 (2H, s) 7.05 (2H, d, J = 8.9Hz) 6.09 (2H, dd, J = 8.9Hz, 2.5Hz) 5.99 (2H, d, J = 2.5Hz) 4.72-4.80 (2H, m) 3.33 (8H, q, J = 7.1Hz) 2.81-2.89 (2H, m) 2.04-2.10 (2H, m) 1.25-1.50 (18H, m) 1.13 (12H, t, J = 7.1Hz)
〔実施例2〕
合成例2で合成したN,N’-ビス(4-ジエチルアミノサリチリデン)-1,11-ウンデカンジアミン0.14gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(b)で表されるトランス-ビス(4-ジエチルアミノサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末40mgを得た。
1H-NMR (500MHz, CDCN) δ: 7.60 (2H, s) 7.01 (2H, d, J = 8.9Hz) 6.04 (2H, dd, J = 8.9Hz, 2.5Hz) 5.93 (2H, d, J = 2.5Hz) 4.71-4.76 (2H, m) 3.30 (8H, q, J = 7.1Hz) 2.75-2.82 (2H, m) 2.10-2.19 (2H, m) 1.57-1.66 (2H, m) 1.33-1.57 (10H, m) 1.21-1.34 (2H, m) 1.09 (12H, t, J = 7.1Hz)
〔実施例3〕
合成例3で合成したN,N’-ビス(4-ジエチルアミノサリチリデン)-1,10-デカンジアミン0.14gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(c)で表されるトランス-ビス(4-ジエチルアミノサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末41mgを得た。
1H-NMR (500MHz, CDCN) δ: 7.61 (2H, s) 7.01 (2H, d, J = 8.9Hz) 6.04 (2H, dd, J = 8.9Hz, 2.5Hz) 5.95 (2H, d, J = 2.5Hz) 4.66-4.72 (2H, m) 3.30 (8H, q, J = 7.1Hz) 2.82-2.89 (2H, m) 2.22-2.34 (2H, m) 1.68-1.75 (2H, m) 1.58-1.68 (2H, m) 1.47-1.57 (2H, m) 1.32-1.45 (4H, m) 1.25-1.32 (2H, m) 1.10 (12H, t, J = 7.1Hz)
〔実施例4〕
合成例4で合成したN,N’-ビス(4-ジエチルアミノサリチリデン)-1,9-ノナンジアミン0.14gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(d)で表されるトランス-ビス(4-ジエチルアミノサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末41mgを得た。
1H-NMR (500MHz, CDCN) δ: 7.61 (2H, s) 7.03 (2H, d, J = 9.0Hz) 6.07 (2H, dd, J = 9.0Hz, 2.5Hz) 5.99 (2H, d, J = 2.5Hz) 4.64-4.72 (2H, m) 3.33 (8H, q, J = 7.1Hz) 3.03-3.09 (2H, m) 2.00-2.25 (2H, m) 1.75-1.90 (6H, m) 1.58-1.68 (2H, m) 1.38-1.47 (4H, m) 1.12 (12H, t, J = 7.1Hz)
MS(FAB): m/z 701.6 [M]
〔実施例5〕
合成例5で合成したN,N’-ビス(4-ジエチルアミノサリチリデン)-1,8-オクタンジアミン0.14gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(e)で表されるトランス-ビス(4-ジエチルアミノサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末37mgを得た。
1H-NMR (500MHz, CDCN) δ: 7.57 (2H, s) 7.01 (2H, d, J = 9.0Hz) 6.06 (2H, dd, J = 9.0Hz, 2.5Hz) 5.97 (2H, d, J = 2.5Hz) 4.59-4.63 (2H, m) 3.32 (8H, q, J = 6.9Hz) 3.02-3.08 (2H, m) 2.25-2.35 (2H, m) 1.97-2.05 (2H, m) 1.70-1.80 (2H, m) 1.25-1.40 (4H, m) 1.12 (12H, t, J = 6.9Hz)
MS(FAB): m/z 687.2 [M]
〔実施例6〕
合成例6で合成したN,N’-ビス(4-ジエチルアミノサリチリデン)-1,13-トリデカンジアミン0.42gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(f)で表されるトランス-ビス(4-ジエチルアミノサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末66mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.54 (2H, s) 7.01 (2H, d, J = 8.9Hz) 6.04 (2H, s) 6.02 (2H, dd, J = 8.9Hz, 2.7Hz) 4.79-4.88 (2H, m) 3.33 (8H, q, J = 7.3Hz) 2.68-2.80 (2H, m) 2.00-2.15 (2H, m) 1.25-1.65 (20H, m) 1.19 (12H, t, J = 7.3Hz)
MS(FAB): m/z 757.2 [M]
〔実施例7〕
合成例7で合成したN,N’-ビス(4-クロロサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.11gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(g)で表されるトランス-ビス(4-クロロサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末36mgを得た。
1H-NMR (500MHz, CDCN) δ: 7.99 (2H, s) 7.29 (2H, d, J = 8.5Hz) 6.90 (2H, d, J = 1.9Hz) 6.59 (2H, dd, J = 8.5Hz, 1.9Hz) 4.71-4.77 (2H, m) 3.00 (2H, td, J = 11.0Hz , 3.4Hz) 1.48-1.56 (2H, m) 1.30-1.45 (14H, m) 1.21-1.30 (2H, m) 1.06-1.12 (2H, m)
MS(FAB): m/z 670.2 [M]
〔実施例8〕
合成例8で合成したN,N’-ビス(5-クロロサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.42gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(h)で表されるトランス-ビス(5-クロロサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の橙色粉末150mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.75 (2H, s) 7.19-7.26 (4H, m) 6.82 (2H, d, J = 8.9Hz) 4.84-4.92 (2H, m) 2.93 (2H, br-t, J = 10.5Hz) 2.10-2.25 (2H, m) 1.10-1.60 (18H, m)
MS(FAB): m/z 670.4 [M]
〔実施例9〕
合成例9で合成したN,N’-ビス(3-メトキシサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.42gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(i)で表されるトランス-ビス(3-メトキシサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の橙色粉末52mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.82 (2H, s) 6.82-6.90 (4H, m) 6.50 (2H, t, J = 8.1Hz) 5.15-5.24 (2H, m) 3.81 (6H, m) 2.96 (2H, br-t, J = 9.7Hz) 2.21-2.25 (2H, m) 1.10-1.60 (18H, m)
MS(FAB): m/z 661.7 [M]
〔実施例10〕
合成例10で合成したN,N’-ビス(4-メトキシサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.14gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(j)で表されるトランス-ビス(4-メトキシサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の橙色粉末44mgを得た。
1H-NMR (500MHz, CDCN) δ: 7.87 (2H, s) 7.20 (2H, d, J = 8.7Hz) 6.36 (2H, d, J = 2.3Hz) 6.22 (2H, dd, J = 8.7Hz, 2.3Hz) 4.76-4.82 (2H, m) 3.75 (6H, s) 2.95 (2H, td, J = 11.2Hz, 3.0Hz) 1.20-1.62 (18H, m) 1.05-1.20 (2H, m)
MS(FAB): m/z 661.2 [M]
〔実施例11〕
合成例11で合成したN,N’-ビス(5-メトキシサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.14gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(k)で表されるトランス-ビス(5-メトキシサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の赤色粉末35mgを得た。
1H-NMR (500MHz, CDCN) δ: 7.95 (2H, s) 6.97 (2H, dd, J = 9.2Hz, 3.2Hz) 6.81 (2H, d, J = 3.2Hz) 6.75 (2H, d, J = 9.2Hz) 4.78-4.84 (2H, m) 3.68 (6H, s) 2.97 (2H, td, J = 10.8Hz, 3.2Hz) 1.45-1.54 (2H, m) 1.29-1.45 (14H, m) 1.21-1.29 (2H, m) 1.05-1.12 (2H, m)
MS(FAB): m/z 661.3 [M]
〔実施例12〕
合成例12で合成したN,N’-ビス(6-メトキシサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.42gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(l)で表されるトランス-ビス(6-メトキシサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末50mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 8.34 (2H, s) 7.13 (2H, t, J = 8.1Hz) 6.50 (2H, d, J = 8.1Hz) 6.00 (2H, d, J = 8.1Hz) 4.81-4.92 (2H, m) 3.81 (6H, m) 2.98 (2H, br-t, J = 10.3Hz) 2.10-2.25 (2H, m) 1.10-1.60 (18H, m)
MS(FAB): m/z 661.7 [M]
〔実施例13〕
合成例13で合成したN,N’-ビス(4-メトキシサリチリデン)-1,10-デカンジアミン0.33gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(m)で表されるトランス-ビス(4-メトキシサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末190mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.65 (2H, s) 7.08 (2H, d, J = 8.9Hz) 6.34 (2H, d, J = 2.2Hz) 6.20 (2H, dd, J = 8.9Hz, 2.2Hz) 4.80-4.89 (2H, m) 3.78 (6H, s) 2.92 (2H, br-t, J = 11.3Hz) 2.04-2.48 (2H, m) 1.20-1.82 (14H, m)
MS(FAB): m/z 633.3 [M]
〔実施例14〕
合成例14で合成したN,N’-ビス(4-メトキシサリチリデン)-1,11-ウンデカンジアミン0.40gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(n)で表されるトランス-ビス(4-メトキシサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末80mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.65 (2H, s) 7.08 (2H, d, J = 8.9Hz) 6.34 (2H, d, J = 2.2Hz) 6.20 (2H, dd, J = 8.9Hz, 2.2Hz) 4.80-4.89 (2H, m) 3.78 (6H, s) 2.92 (2H, br-t, J = 11.3Hz) 2.04-2.48 (2H, m) 1.20-1.82 (14H, m)
MS(FAB): m/z 647.4 [M]
〔実施例15〕
合成例15で合成したN,N’-ビス(4-フルオロサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.35gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(o)で表されるトランス-ビス(4-フルオロサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末170mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.75 (2H, s) 7.20 (2H, td, J = 8.6Hz, 1.6Hz) 6.55 (2H, dd, J = 11.3Hz, 2.7Hz) 6.35 (2H, td, J = 8.6Hz, 2.7Hz) 4.80-4.91 (2H, m) 2.92 (2H, br-t, J = 10.5Hz) 2.11-2.19 (2H, m) 1.10-1.60 (18H, m)
MS(FAB): m/z 637.5 [M]
〔実施例16〕
合成例16で合成したN,N’-ビス(4-ブロモサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.42gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(p)で表されるトランス-ビス(4-ブロモサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末150mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.77 (2H, s) 7.09 (2H, d, J = 1.9Hz) 7.07 (2H, d, J = 8.6Hz) 6.71 (2H, dd, J = 8.6Hz, 1.9Hz) 4.82-4.88 (2H, m) 2.92 (2H, br-t, J = 9.7Hz) 2.10-2.22 (2H, m) 1.10-1.60 (18H, m)
MS(FAB): m/z 760.4 [M]
〔実施例17〕
合成例17で合成したN,N’-ビス(5-フルオロサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.44gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(q)で表されるトランス-ビス(5-フルオロサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の赤橙色粉末102mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.74 (2H, s) 7.08 (2H, td, J = 8.6Hz, 3.0Hz) 6.91 (2H, dd, J = 8.6Hz, 3.0Hz) 6.81 (2H, dd, J = 8.6Hz, 4.9Hz) 4.87-4.94 (2H, m) 2.93 (2H, br-t, J = 10.0Hz) 2.11-2.20 (2H, m) 1.10-1.70 (18H, m)
〔実施例18〕
合成例18で合成したN,N’-ビス(5-メチルサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.42gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(r)で表されるトランス-ビス(5-メチルサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の赤橙色粉末130mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.78 (2H, s) 7.13 (2H, dd, J = 8.6Hz, 2.7Hz) 7.01 (2H, d, J = 2.7Hz) 6.81 (2H, dd, J = 8.6Hz) 4.91-4.97 (2H, m) 2.91 (2H, br-t, J = 11.9Hz) 2.24 (6H, s) 2.12-2.25 (2H, m) 1.10-1.60 (18H, m)
〔実施例19〕
合成例19で合成したN,N’-ビス(1-ヒドロキシ-2-ナフチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.10gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(s)で表されるトランス-ビス(1-ヒドロキシ-2-ナフチルアルジミナト)白金(II)錯体の橙色粉末33mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 8.34 (2H, d, J = 8.6Hz) 7.92 (2H, s) 7.62-7.68 (2H, m) 7.57 (2H, td, J = 6.6Hz, 1.0Hz) 7.42 (2H, td, J = 8.3Hz, 1.3Hz) 7.23 (2H, d, J = 8.6Hz) 7.00 (2H, d, J = 8.6Hz) 5.12-5.24 (2H, m) 3.12 (2H, br-t, J = 10.2Hz) 2.34-2.50 (2H, m) 1.25-1.75 (16H, m) 0.98-1.20 (2H, m)
MS(FAB): m/z 701.8 [M]
〔実施例20〕
合成例20で合成したN,N’-ビス(4,6-ジメトキシサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.14gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(t)で表されるトランス-ビス(4,6-ジメトキシサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末35mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 8.17 (2H, s) 5.98 (2H, d, J = 1.9Hz) 5.66 (2H, d, J = 2.2Hz) 4.80 (2H, br-d, J = 11.1Hz) 3.78 (12H, s) 3.77 (6H, s) 2.93 (2H, br-t, J = 12.1Hz) 2.10-2.25 (2H, m) 1.05-1.60 (18H, m)
〔実施例21〕
合成例21で合成したN,N’-ビス(5-ニトロサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.20gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(u)で表されるトランス-ビス(5-ニトロサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末14mgを得た。
1H-NMR (270MHz, DMSO-d) δ: 8.59 (2H, d, J = 3.0Hz) 8.58 (2H, s) 8.20 (2H, dd, J = 9.2Hz, 3.0Hz) 6.99 (2H, d, J = 9.2Hz) 4.60-4.75 (2H, m) 3.18 (2H, br-t, J = 8.1Hz) 1.85-2.15 (2H, m) 1.50-1.68 (2H, m) 1.10-1.48 (16H, m)
MS(FAB): m/z 691.1 [M]
〔実施例22〕
合成例22で合成したN,N’-ビス[(3-ヒドロキシピリジン-4-イル)メチリデン]-1,12-ドデカンジアミン0.20gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(v)で表されるトランス-ビス(4-アザアルジミナト)白金(II)錯体の赤色粉末12mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 8.37 (2H, s) 7.89 (2H, s) 7.81 (2H, d, J = 5.3Hz) 7.09 (2H, d, J = 5.3Hz) 4.94-5.01 (2H, m) 3.01 (2H, br-t, J = 10.6Hz) 2.05-2.30 (2H, m) 1.10-1.73 (18H, m)
MS(FAB): m/z 603.3 [M]
〔実施例23〕
合成例23で合成したN,N’-ビス(サリチリデン)-1,14-テトラデカンジアミン0.44gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(w)で表されるトランス-ビス(サリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末88mgを得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl) δ: 7.86 (2H, s) 7.31 (2H, td, J = 7.6Hz, 1.7Hz) 7.24 (2H, dd, J = 7.9Hz, 1.7Hz) 6.89 (2H, d, J= 8.5Hz) 6.57 (2H, td, J = 7.4Hz, 0.93 Hz) 4.88-4.93 (2H, m) 2.88-2.96 (2H, m) 1.93-2.04 (2H, m) 1.71-1.82 (2H, m) 1.04-1.50 (20H, m)
〔実施例24〕
合成例24で合成したN,N’-ビス(サリチリデン)-3,6,9-トリオキサ-1,11-ウンデカンジアミン0.47gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(x)で表されるトランス-ビス(サリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末178mgを得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl) δ: 7.89 (2H, s) 7.31 (2H, ddd, J = 8.0Hz, 6.5Hz, 1.5Hz) 7.24-7.80 (2H, m) 6.86 (2H, d, J = 8.5Hz) 6.57 (2H, ddd, J = 8.0Hz, 6.5Hz, 0.5Hz) 5.04-5.10 (2H, m) 4.27 (2H, ddd, J = 11.0Hz, 8.5Hz, 3.0Hz) 3.88-3.94 (2H, m) 3.78-3.84 (2H, m) 3.65-3.74 (6H, m) 3.09-3.14 (2H, m)
〔実施例25〕
合成例25で合成したN,N’-ビス(サリチリデン)-3,6,9,12-テトラオキサ-1,14-テトラデカンジアミン0.23gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(y)で表されるトランス-ビス(サリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末46mgを得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl) δ: 7.92 (2H, s) 7.33 (2H, td, J = 7.8Hz, 1.6Hz) 7.26-7.29 (2H, m) 6.87 (2H, d, J = 8.5Hz) 6.59 (2H, td, J = 7.4Hz, 0.9Hz) 4.88 (2H, d, J = 8.5Hz) 3.99-4.07 (4H, m) 3.74-3.78 (2H, m) 3.53-3.67 (8H, m) 3.07-3.16 (4H, m)
〔実施例26〕
合成例26で合成したN,N’-ビス(5-トリフルオロメトキシサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.14gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(z)で表されるトランス-ビス(5-トリフルオロメトキシサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の橙色粉末10mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 13.4 (2H, br-s) 8.27 (2H, s) 6.86-7.05 (6H, m) 3.59 (4H, td, J = 6.8Hz, 1.1Hz) 1.55-1.74 (4H, m) 1.21-1.45 (16H, m)
〔実施例27〕
合成例27で合成したN,N’-ビス(4-メトキシサリチリデン)-1,13-トリデカンジアミン0.36gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(aa)で表されるトランス-ビス(4-メトキシサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末60mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.68 (2H, s) 7.11 (2H, d, J = 8.6Hz) 6.34 (2H, d, J = 2.4Hz) 6.21 (2H, dd, J = 8.6Hz, 2.4Hz) 4.82-4.91 (2H, m) 3.79 (6H, s) 2.82 (2H, td, J = 10.8Hz, 4.1Hz) 1.98-2.16 (2H, m) 1.60-1.70 (2H, m) 1.15-1.49 (18H, m)
〔実施例28〕
実施例24でトランス-ビス(サリチルアルジミナト)白金(II)錯体を合成したときに副生した副生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出液;n-ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製して単離し、前記構造式(ab)で表されるトランス-ビス(サリチルアルジミナト)白金(II)二核錯体の黄色粉末14mgを得た。
1H-NMR (500MHz, CDCl) δ: 7.93 (s, 4H, N=CH) 7.29-7.22 (m, 4H, H, H), 6.84 (d, J = 8.6Hz, 4H, H) 6.51 (t, J = 7.3 Hz, 4H, H) 4.09-3.37 (m, 32H)
MS(FAB): m/z 1168.3 [M+H]
〔実施例29〕
N,N’-ビス(サリチリデン)-1,7-ヘプタンジアミン194mgを用い、実施例1と同様の手法で、トランス-ビス(サリチルアルジミナト)白金(II)錯体を合成した。そして、そのときに副生した副生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出液;n-ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製して単離し、前記構造式(af)で表されるsyn型のトランス-ビス(サリチルアルジミナト)白金(II)二核錯体の橙色粉末9mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.77 (4H, s) 7.14 (8H, d, J = 7.0Hz) 6.80 (4H, d, J = 8.4Hz) 6.47 (4H, ddd, J = 7.0Hz, 4.3Hz, 1.1Hz) 4.64 (4H, ddd, J = 10.8Hz, 5.4Hz, 5.4Hz) 3.00 (4H, ddd, J = 11.0Hz, 11.0Hz, 8.1Hz) 1.56-1.90 (8H, m) 1.36-1.48 (12H, m)
〔実施例30〕
実施例29と同様にして、前記構造式(ag)で表されるanti型のトランス-ビス(サリチルアルジミナト)白金(II)二核錯体の赤色粉末29mgを得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl) δ: 7.61 (4H, s) 7.32 (4H, ddd, J = 8.4Hz, 6.8Hz, 1.9Hz) 7.13 (4H, dd, J = 7.6Hz, 1.6Hz) 6.86 (4H, d, J = 7.6Hz) 6.57 (4H, ddd, J = 8.1Hz, 7.0Hz, 1.1Hz) 4.65 (4H, ddd, J = 11.0Hz, 11.0Hz, 7.0Hz) 2.80-2.89 (4H, m) 1.81-1.93 (8H, m) 1.42-1.74 (12H, m)
〔実施例31〕
合成例28で合成したN-(4-メトキシサリチリデン)-N’-(4-クロロサリチリデン)-1,12-ドデカンジアミン0.18gと炭酸カリウム0.52gとPtCl(CHCN)0.13gとを、トルエン180mlとジメチルスルホキシド45mlとの混合溶媒に加えて終夜(12時間)加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルと水とを加えて目的物を抽出した。有機層を濃縮後、得られた粗成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶出液;n-ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製し、前記構造式(aj)で表されるトランス-(4-メトキシ-4’-クロロサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末60mgを得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl) δ: 7.80 (1H, s) 7.67 (1H, s) 7.15 (1H, d, J = 8.4Hz) 7.12 (1H, d, J = 8.7Hz) 6.90 (1H, d, J = 1.8Hz) 6.55 (1H, dd, J = 8.4, 1.8Hz) 6.35 (1H, d, J = 2.4Hz) 6.23 (1H, dd, J = 8.7, 2.4Hz) 6.33 (1H, dd, J = 8.7, 2.7Hz) 4.91-4.99 (1H, m) 4.76-4.86 (1H, m) 3.80 (3H, s) 2.84-2.90 (2H, m) 2.05-2.25 (2H, m) 1.25-1.60 (16H, m) 1.10-1.24 (2H, m)
〔実施例32〕
合成例29で合成したN,N’-ビス(4-ベンジルオキシサリチリデン)-1,11-ジアミノウンデカン0.4gを用い、実施例1と同様の手法で、前記構造式(ak)で表されるトランス-ビス(4-ベンジルオキシサリチルアルジミナト)白金(II)錯体の黄色粉末120mgを得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl) δ: 7.65 (2H, s) 7.25-7.45 (10H, m) 7.11 (2H, d, J = 8.7Hz) 6.46 (2H, d, J = 2.4Hz) 6.28 (2H, dd, J = 8.7, 2.4Hz) 5.03 (4H, s) 4.88-4.94 (2H, m) 1.58-1.67 (4H, m) 2.86 (2H, t, J = 9.6Hz) 2.23-2.30 (2H, m) 1.19-1.64 (16H, m)
〔固体発光量子収率の測定〕
上記実施例1~32で得られた各発光性有機白金錯体について、296Kおよび77Kにおける固体発光量子収率φ(%)を測定した。具体的には、各発光性有機白金錯体の結晶状態(粉末)における発光量子収率を、絶対法により求めた。測定方法は以下の通り。
(測定方法)
測定には、蛍光光度計FP-6500N、燐光測定対応低温中積分球システムINK-533、および、液体試料用セルLPH-120(全て日本分光株式会社製)を用いた。酸素の影響を除くため、全てのサンプル(発光性有機白金錯体)は、石英セル中に結晶をそのまま封入して、アルゴン雰囲気下で測定した。さらに、低温(77K)での測定は、石英製デュワーを用いて上記石英セルを液体窒素で冷やしながら測定した。全ての発光スペクトルは、標準光源を利用することにより補正を行った。励起光として420nmまたは450nmの波長の光を用いた。内部量子収率の算出には、固体量子効率計算プログラム(日本分光株式会社製)を用いた。また、各発光性有機白金錯体が発する光の発光極大波長も、併せて測定した。
【実施例】
【0072】
測定結果を表1,2に示す。
【実施例】
【0073】
【表1】
JP0005499420B2_000011t.gif
【実施例】
【0074】
【表2】
JP0005499420B2_000012t.gif
【実施例】
【0075】
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明に係る発光性有機白金錯体、これを含む発光性材料および機能素子によれば、従来の有機金属錯体よりも発光効率に優れ、実用に足る発光強度を得ることができ、また、光の三原色を揃えることが可能となり、例えば有機発光素子等の機能素子の材料として有用な発光性有機白金錯体、これを含む発光性材料および機能素子を提供することができるという効果を奏する。
【0077】
それゆえ、本発明に係る発光性有機白金錯体、これを含む発光性材料および機能素子は、例えば、次世代技術である有機発光素子等の機能素子の材料、具体的には有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイの材料や、次世代の照明である白色LED(発光ダイオード)の材料等として期待されており、各種産業において広範に利用され得る。
図面
【図1】
0