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明細書 :パケット通信方法及びそのための装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5794631号 (P5794631)
公開番号 特開2013-093750 (P2013-093750A)
登録日 平成27年8月21日(2015.8.21)
発行日 平成27年10月14日(2015.10.14)
公開日 平成25年5月16日(2013.5.16)
発明の名称または考案の名称 パケット通信方法及びそのための装置
国際特許分類 H04L  12/707       (2013.01)
H04L  29/00        (2006.01)
FI H04L 12/707
H04L 13/00 S
請求項の数または発明の数 3
全頁数 11
出願番号 特願2011-234702 (P2011-234702)
出願日 平成23年10月26日(2011.10.26)
審査請求日 平成26年6月24日(2014.6.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】505374783
【氏名又は名称】国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明者または考案者 【氏名】山本 雄三
個別代理人の代理人 【識別番号】100074631、【弁理士】、【氏名又は名称】高田 幸彦
審査官 【審査官】衣鳩 文彦
参考文献・文献 特開2008-306518(JP,A)
特開2009-302875(JP,A)
特開2007-142786(JP,A)
国際公開第2009/147643(WO,A2)
調査した分野 H04L 12/707
H04L 29/00
特許請求の範囲 【請求項1】
第1の端末において、PADにより情報データをパケット化して送信し、送信されたパケットデータを複数の信号伝送経路を備えた伝送路により伝送し、第2の端末において前記伝送路から受信したパケットデータをPADにより元の情報データ形態に復元するパケット通信方法において、
前記第1の端末と第2の端末には複数の送受信系を設け、複数の送受信系のうちの1つを使用してパケット通信を行い、該パケット通信において受信データにおけるパケットロスが予め設定した所定値に増加したことを検出したときには、他の送受信系を使用して前記第1の端末に前記1つの送受信系と共通のデータの送信を要求して受信し、
前記他の送受信系を使用して受信した受信データのパケットロスと前記1つの送受信系を使用して受信した受信データのパケットロスを比較し、パケットロスが少ない受信データを受信する送受信系を選択して使用してパケット通信を継続し、パケットロスが多い受信データを受信する送受信系を停止させるように行うことを特徴とするパケット通信方法。
【請求項2】
情報データのパケット化と復元を行うPADを備えた第1の端末と、情報データのパケット化と復元を行うPADを備えた第2の端末と、前記2つの端末間に介在してパケットデータを伝送する複数の信号伝送経路を備えた伝送路を備えたパケット通信システムにおいて、
前記第1の端末と第2の端末は、それぞれ複数の送受信系を備え、前記複数の送受信系の1つを使用してパケット通信を行い、該パケット通信における受信データのパケットロスが予め設定した所定値に増加したことを検出したときには、他の送受信系を使用して前記第1の端末に前記1つの送受信系と共通のデータの送信を要求して受信するように構成し、
前記他の送受信系を使用して受信した受信データのパケットロスと前記1つの送受信系を使用して受信した受信データのパケットロスを比較し、パケットロスが少ない受信データを受信する送受信系を選択して使用してパケット通信を継続し、パケットロスが多い受信データを受信する送受信系を停止させるように構成したことを特徴とするパケット通信システム。
【請求項3】
通信データのパケット化と復元を行うPADを備えた端末において、
前記端末は、複数の送受信系を備え、前記複数の送受信系の1つを使用して第1のパケット通信を行い、該第1のパケット通信における通信データのパケットロスが予め設定した所定値に増加したことを検出したときには、他の送受信系を使用して前記1つの送受信系と共通の通信データについての第2のパケット通信を行い、
前記他の送受信系を使用して受信した受信データのパケットロスと前記1つの送受信系を使用して受信した受信データのパケットロスを比較し、パケットロスが少ない受信データを受信する送受信系を選択して使用してパケット通信を継続し、パケットロスが多い受信データを受信する送受信系を停止させるように構成したことを特徴とする端末。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク回線を使用して行うパケット通信方法及びそのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク回線を使用して音声データと映像データを伝送(パケット通信)するIP電話システムやIP-TV会議システム等では、連続的な通信帯域の確保が必要となることから、UDP(User Datagram Protocol)通信を採用している。
【0003】
しかし、このUDP通信は、伝送路の伝送能力以上の通信情報が入力されると、超過分のパケットが失われることになる。
【0004】
パケット通信により連係するTV会議システムにおいては、映像データの一部のパケットが欠損すると、表示画面のコマ落ちとなり、音声データの一部のパケットが欠損すると、音が途切れて耳障りな音声となる。
【0005】
このような不都合を防止するために、伝送路に複数の伝送ルートを選択するルータ部を設け、パケットの伝送遅れ時間に応じて伝送ルートを選択するようにするパケット伝送システムが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2004-297265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ネットワーク回線を伝送路として音声データと映像データを伝送(パケット通信)するIP電話システムやIP-TV会議システム等において、映像データや音声データの一部のパケット欠損(パケットロス)や遅れを防止するために、従来のパケット伝送システムのように、伝送路中のルータ部によりパケットの伝送遅れ時間に応じて伝送ルートを選択するようにするシステムは、使用する伝送路の機能を変更する設備改造が必要であり、このような伝送ルート選択機能をもたないルータ部を備えた伝送路が介在する既存のネットワーク回線を使用するパケット通信システムには適用することができない。
【0008】
本発明の目的は、既存のネットワーク回線を使用するパケット通信におけるパケットロスによる通信データの品質の低下による影響を防止又は軽減することにある。
【0009】
具体的には、既存の伝送路を使用しても映像データや音声データの一部のパケットロスや伝送遅れによる表示画面のコマ落ちや音が途切れて耳障りな音声となるのを防止又は軽減することができるパケット通信方法及びそのための装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、伝送路を介して接続される複数の端末のそれぞれに複数の送受信部を設け、複数の送受信部のうちの1つの送受信部を使用して接続相手の端末とパケット通信を行っているときに、このパケット通信における伝送路でのパケットロスが予め設定した設定値に増加したときには、他の送受信部を使用して接続相手の端末と前記パケット通信と同一のデータのパケット通信を行い、2系統のパケット通信におけるパケットロス率を大小比較してパケットロス率が小さい方の系統のパケット通信を採用して通信を継続し、パケットロス率が大きい系統はパケット通信を停止するものである。
【0011】
具体的には、
本発明のパケット通信方法は、第1の端末において、PAD(Packet Assembly Disassembly)により情報データをパケット化して送信し、送信されたパケットデータを複数の信号伝送経路を備えた伝送路により伝送し、第2の端末において、前記伝送路から受信したパケットデータをPADにより元の情報データ形態に復元するパケット通信方法において、
前記第1の端末と第2の端末には複数の送受信部を設け、複数の送受信部のうちの1つを使用してパケット通信を行い、該パケット通信において受信データにおけるパケットロスが予め設定した所定値に増加したことを検出したときには、他の送受信部を使用して前記第1の端末に前記1つの送受信部と共通のデータの送信を要求して受信し、
前記他の送受信部を使用して受信した受信データのパケットロスと前記1つの送受信部を使用して受信した受信データのパケットロスを比較し、パケットロスが少ない受信データを受信する送受信部を選択して使用してパケット通信を継続し、パケットロスが多い受信データを受信する送受信部を停止させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のパケット通信システムは、情報データのパケット化と復元を行うPADを備えた第1の端末と、情報データのパケット化と復元を行うPADを備えた第2の端末と、前記2つの端末間に介在してパケットデータを伝送する複数の信号伝送経路を備えた伝送路を備えたパケット通信システムにおいて、
前記第1の端末と第2の端末は、それぞれ複数の送受信部を備え、前記複数の送受信部の1つを使用してパケット通信を行い、該パケット通信における受信データのパケットロスが予め設定した所定値に増加したことを検出したときには、他の送受信部を使用して前記第1の端末に前記1つの送受信部と共通のデータの送信を要求して受信するように構成し、
前記他の送受信部を使用して受信した受信データのパケットロスと前記1つの送受信部を使用して受信した受信データのパケットロスを比較し、パケットロスが少ない受信データを受信する送受信部を選択して使用してパケット通信を継続し、パケットロスが多い受信データを受信する送受信部を停止させるように構成したことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の端末は、通信データのパケット化と復元を行うPADを備えた端末において、
前記端末は、複数の送受信部を備え、前記複数の送受信部の1つを使用して第1のパケット通信を行い、該第1のパケット通信における通信データのパケットロスが予め設定した所定値に増加したことを検出したときには、他の送受信部を使用して前記1つの送受信部と共通の通信データについての第2のパケット通信を行い、前記他の送受信部を使用して受信した受信データのパケットロスと前記1つの送受信部を使用して受信した受信データのパケットロスを比較し、パケットロスが少ない受信データを受信する送受信部を選択して使用してパケット通信を継続し、パケットロスが多い受信データを受信する送受信部を停止させるように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、既存の伝送路を使用しても映像データや音声データの一部のパケット欠損や遅れによる表示画面のコマ落ちや音が途切れて耳障りな音声となるのを防止又は軽減することができるパケット通信方法及びそのための装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】3つの拠点に設置した端末の相互間をネットワーク回線(伝送路)を介して接続して構成したIP-TV会議システムのブロック図である。
【図2】第1の端末と第2の端末の間のパケット通信系における機能手段のブロック図である。
【図3】主制御部が実行する通信系切り換え制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のパケット通信方法は、第1の端末において、PAD(Packet Assembly Disassembly)により情報データをパケット化して送信し、送信されたパケットデータを複数の信号伝送経路を備えた伝送路により伝送し、第2の端末において、前記伝送路から受信したパケットデータをPADにより元の情報データ形態に復元するパケット通信方法において、
前記第1の端末と第2の端末には複数の送受信部を設け、複数の送受信部のうちの1つを使用してパケット通信(第1のパケット通信)を行い、該パケット通信において受信データにおけるパケットロスが予め設定した所定値に増加したことを検出したときには、他の送受信部を使用して前記第1の端末に前記1つの送受信部と共通のデータの送信を要求して受信し(第2のパケット通信)、
前記他の送受信部を使用して受信した受信データのパケットロスと前記1つの送受信部を使用して受信した受信データのパケットロスを比較し、パケットロスが少ない受信データを受信する送受信部を選択して使用してパケット通信を継続し、パケットロスが多い受信データを受信する送受信部を停止させるように行う。

【0017】
また、本発明のパケット通信システムは、情報データのパケット化と復元を行うPADを備えた第1の端末と、情報データのパケット化と復元を行うPADを備えた第2の端末と、前記2つの端末間に介在してパケットデータを伝送する複数の信号伝送経路を備えた伝送路を備えたパケット通信システムにおいて、
前記第1の端末と第2の端末は、それぞれ複数の送受信部を備え、前記複数の送受信部の1つを使用してパケット通信を行い、該パケット通信における受信データのパケットロスが予め設定した所定値に増加したことを検出したときには、他の送受信部を使用して前記第1の端末に前記1つの送受信部と共通のデータの送信を要求して受信するように構成し、
前記他の送受信部を使用して受信した受信データのパケットロスと前記1つの送受信部を使用して受信した受信データのパケットロスを比較し、パケットロスが少ない受信データを受信する送受信部を選択して使用してパケット通信を継続し、パケットロスが多い受信データを受信する送受信部を停止させるように構成する。

【0018】
また、本発明の端末は、通信データのパケット化と復元を行うPADを備えた端末において、
前記端末は、複数の送受信部を備え、前記複数の送受信部の1つを使用して第1のパケット通信を行い、該第1のパケット通信における通信データのパケットロスが予め設定した所定値に増加したことを検出したときには、他の送受信部を使用して前記1つの送受信部と共通の通信データについての第2のパケット通信を行い、
前記他の送受信部を使用して受信した受信データのパケットロスと前記1つの送受信部を使用して受信した受信データのパケットロスを比較し、パケットロスが少ない受信データを受信する送受信部を選択して使用してパケット通信を継続し、パケットロスが多い受信データを受信する送受信部を停止させるように構成する。
【実施例】
【0019】
本発明は、ネットワーク回線(伝送路)を使用して音声データと映像データを伝送(パケット通信)するIP電話システムやIP-TV会議システム等におけるパケット通信に適用することができるが、ここでは、IP-TV会議システムへの適用例を説明する。
【実施例】
【0020】
IP-TV会議システムは、離れて位置する複数の拠点に設置した端末をネットワーク回線を介して半二重通信方式でパケット通信するように接続し、各端末により音声データと映像データを送信及び受信(再生)する構成である。
【実施例】
【0021】
図1は、3つの拠点に設置した端末1,2,3の相互間をネットワーク回線(伝送路)4を介して接続して構成したIP-TV会議システムのブロック図である。
【実施例】
【0022】
図2は、第1の拠点に設置した第1の端末1と第2の拠点に設置した第2の端末2の間において通信データ(音声データと映像データ)をパケット化してネットワーク回線4を介してパケット通信するパケット通信系を示すブロック図である。実際には、第3の拠点に設置した第3の端末3との間にも同様のパケット通信系を設けるが、第1の端末1と第2の端末2間のパケット通信系と同様に構成するものであることから説明を省略する。
【実施例】
【0023】
各端末1,2,3は、映像情報と音声情報を入力してネットワーク回線4を介して映像データと音声データを送信し、受信した映像データと音声データを再生出力する機能手段を備えたコンピュータシステムによって構成する。
【実施例】
【0024】
第1の端末1は、入出力手段として、音声データを生成するマイクロフォン101と映像データを生成する電子カメラ102と映像データを再生するディスプレイ103と音声データを再生するスピーカ104と指令を入力するキーボード105を備える。
【実施例】
【0025】
この第1の端末1の信号処理手段は、メモリ(レジスタ)やCPUやプログラムや専用の処理回路によって構成され、次のような処理機能部を備える。
【実施例】
【0026】
主制御部106は、キーボード105から入力される指令に従って端末全体の処理機能部を制御する機能手段であり、パケットアナライザー機能部、パケット損失率解析部、送受信制御部制御機能部を備える。
【実施例】
【0027】
AV入出力制御部111は、マイクロフォン101から出力される送信用の音声データと電子カメラ102から出力される送信用の映像データを取得して後述する第1,2のPADに同一の第1,第2の送信用映像データ及び送信用音声データとして入力し、パケット通信によって受信して後述する第1,2のPADによって復元した第1,2の受信映像データ及び受信音声データの一方を出力用の映像データ及び音声データとして選択してディスプレイ103とスピーカ104に供給するように機能する。
【実施例】
【0028】
第1のPAD112aは、AV入出力制御部111から入力した第1の送信用音声データと映像データを第1の送信用パケットデータに変換して出力し、パケット通信によって受信した第1の受信パケットデータを元のデータ形態の映像データと音声データに復元するように機能する。
【実施例】
【0029】
第2のPAD112bは、AV入出力制御部111から入力した第2の送信用音声データと映像データを第2の送信用パケットデータに変換して出力し、パケット通信によって受信した第2の受信パケットデータを元のデータ形態の映像データと音声データに復元するように機能する。
【実施例】
【0030】
第1の送受信制御部113a,第2の送受信制御部113bは、前記PAD112a,112bで生成した第1,第2の送信用パケットデータの送信制御と受信パケットデータの受信制御を実行するように機能する。
【実施例】
【0031】
回線接続部114は、ネットワーク回線4と接続し、第1,第2の送受信制御部113a,113bで制御した送信パケットデータをネットワーク回線4に送出し、ネットワーク回線4から受信パケットデータを入力するように機能する。
【実施例】
【0032】
このように構成した第1の端末1において、前記第1のPAD112aと第1の送受信制御部113aと回線接続部114は第1の通信ポート(ポート番号)で通信する第1の送受信系を構成し、前記第2のPAD112bと第2の送受信制御部113bと回線接続部114は第2の通信ポート(ポート番号)で通信する第2の送受信系を構成する。
【実施例】
【0033】
第2の端末2は、前述した第1の端末1と同様に構成され、入出力手段として、マイクロフォン201と電子カメラ202とディスプレイ203とスピーカ204とキーボード205を備える。
【実施例】
【0034】
また、この第2の端末2の信号処理手段も、メモリ(レジスタ)やCPUやプログラムによって構成され、主制御部206と、AV入出力制御部211と、第1のPAD212a及び第2のPAD212bと、第1の送受信制御部213a及び第2の送受信制御部213bと、回線接続部214とを備える。
【実施例】
【0035】
このように構成した第2の端末2においても、前記第1のPAD212aと第1の送受信制御部213aと回線接続部214は第1の通信ポート(ポート番号)で通信を行う第1の送受信系を構成し、前記第2のPAD212bと第2の送受信制御部213bと回線接続部214は第2の通信ポート(ポート番号)で通信を行う第2の送受信系を構成する。
【実施例】
【0036】
第1の端末1と第2の端末2は、実際には、更に多くの送受信系(通信ポート)を備え、他の端末とも併行して通信することができる構成である。
【実施例】
【0037】
このIP-TV会議システムは、TV会議を行うときには、以下のように機能する。ここでは、第2の端末2が第1の端末1から音声データと映像データを受信して再生するときの通信制御処理について説明する。第2の端末2から第1の端末1へも同様に音声データと映像データを送受信して再生するが、各端末1、2は同様に機能するので具体的な説明は省略する。
【実施例】
【0038】
第1の端末1と第2の端末2を起動し、各機能手段を動作させてパケット通信可能状態とする。
【実施例】
【0039】
第2の端末2の主制御部206は、キーボード205からの指示入力に基づいて、第1のPAD213aと第1送受信制御部213a及び回線接続部214を制御して第1の通信ポート(IPアドレスとポート番号)で第1の端末1に対してデータ送信を要求する制御処理を行う。
【実施例】
【0040】
第1の端末1の主制御部106は、このデータ送信要求に呼応して、第1のPAD112aと第1送受信制御部113a及び回線接続部114を制御し、AV入出力制御部111から出力される音声データと映像データを第1の送信用パケットデータに変換し、この第1の送信用パケットデータを第1の送受信制御部113aと回線接続部114を通して前記第2の端末2の第1の通信ポート(IPアドレスとポート番号)宛にネットワーク回線4に出力して第2の端末2に送信(第1のパケット通信)する制御処理を行う。
【実施例】
【0041】
第2の端末2の主制御部206は、ネットワーク回線4から回線接続部214を介して受信した第1の受信パケットデータを第1の送受信制御部213aから第1のPAD212aに入力して元のデータ形態に復元させ、AV入出力制御部211により音声データと映像データとしてスピーカ204とディスプレイ203に供給して再生する制御処理を行う。
【実施例】
【0042】
第2の端末2は、このような第1のパケット通信におけるデータ受信・復元・再生状態において、主制御部206は、パケットアナライザー機能部によりパケットロスを検出し、パケット損失解析部によりパケットロス率を解析し、送受信制御部制御機能部によりパケットロス率が予め設定した設定値(FECにより修復可能で音質低下の限界ロス状態で、例えば20%)に増加したのを検出すると、第2のPAD212bと第2の送受信制御部113bを制御(起動)して第2の通信ポート(IPアドレスとポート番号)で第1の端末1に対してデータ送信を要求する制御処理(第2のパケット通信系の起動)を行う。
【実施例】
【0043】
第1の端末1の主制御部106は、この第2のPAD212bからのデータ送信要求に呼応して、第2のPAD112bを制御して第1のPAD112aにより送信しているものと同一の音声データと映像データを第2の送信用パケットデータに変換し、この第2の送信用パケットデータを第2の送受信制御部113bから回線接続部114を介して前記第2の端末2の第2の通信ポート(IPアドレスとポート番号)宛にネットワーク回線4に送信する制御処理を行う。
【実施例】
【0044】
第2の端末2の主制御部206は、ネットワーク回線4から回線接続部214を介して受信した第2の受信パケットデータを第2の送受信制御部213bから第2のPAD212bに入力して元のデータ形態に復元させ、AV入出力制御部211により音声データと映像データとしてスピーカ204とディスプレイ203に供給して再生することができるようにするバックアップ通信制御処理を行い(この時点では、第1のパケット通信系により受信したデータの再生を継続する。)、更に、この第2の受信パケットデータのパケットロスをパケットアナライザー機能部により検出し、パケット損失解析部によりパケットロス率を解析し、送受信制御部制御機能部により第1の受信パケットデータのパケットロス率と第2の受信パケットデータのパケットロス率を大小比較し、パケットロス率が小さい方の受信パケットデータを採用して音声データと映像データをスピーカ204とディスプレイ203に供給して再生するように送受信部を切り換える制御処理を行う。
【実施例】
【0045】
この主制御部206による通信系切り換え制御処理を図3を参照して説明する。
【実施例】
【0046】
ステップS1
起動している通信経路(パケット通信系)数を確認して処理を分岐する。
【実施例】
【0047】
ステップS2
起動している通信経路数が1つの場合には、起動している通信経路(第1のパケット通信系)で受信している受信パケットデータのパケットロス率を解析する。
【実施例】
【0048】
ステップS3
解析したパケットロス率が予め設定した設定値以上かどうかを確認して処理を分岐する。
【実施例】
【0049】
ステップS4
起動している通信経路(第1のパケット通信系)のパケットロス率が設定値以上増加していると他の通信経路(第2のパケット通信系)を起動し、2つのパケット通信系を併行して稼動状態とする。
【実施例】
【0050】
ステップS5
2つのパケット通信系併行して稼動状態にあるときには、先ず、第1のパケット通信系のパケットロス率を解析する。
【実施例】
【0051】
ステップS6
次いで、第2のパケット通信系のパケットロス率を解析する。
【実施例】
【0052】
ステップS7
第1のパケット通信系と第2のパケット通信系のパケットロス率を大小比較し、比較結果に基づいて処理を分岐する。
【実施例】
【0053】
ステップS8
第1のパケット通信系のパケットロス率が第2のパケット通信系のパケットロス率よりも大きいときには、第2のパケット通信系を選択してパケット通信を継続し、第1のパケット通信系によるパケット通信を停止する。
【実施例】
【0054】
ステップS9
第1のパケット通信系のパケットロス率が第2のパケット通信系のパケットロス率よりも大きくないときには、第1のパケット通信系を選択してパケット通信を継続し、第2のパケット通信系によるパケット通信を停止する。
【実施例】
【0055】
因みに、ネットワーク回線4においては、第1のパケット通信と第2のパケット通信の信号を異なる信号伝送経路で伝送するが、一般的には、後から起動した第2のパケット通信における信号伝送経路は、先に起動してパケットロスが増加している第1のパケット通信における信号伝送経路よりも回線混雑が少ない伝送ルートを選択するようにしている。
【実施例】
【0056】
そこで、第2の端末2の主制御部206の送受信制御部制御機能部による前記切り換え制御処理は、第2の受信パケットデータのパケットロス率が第1の受信パケットデータのパケットロス率よりも小さいと判定すると、第2送受信制御部213bにより受信して第2のPAD212bにより復元した音声データと映像データをスピーカ204とディスプレイ203に供給して再生するようにAV入出力制御部211を制御(第2のパケット通信系によるパケット通信に切り換え)し、そして、第1のPAD212aと第1送受信制御部213aによるパケット通信を停止させる制御処理を行う。
【実施例】
【0057】
しかし、前記大小比較において、第2の受信パケットデータのパケットロス率が第1の受信パケットデータのパケットロス率よりも大きいと判定したときには、第1の受信パケットデータによるパケット通信を継続し、第2のPAD212bと第2送受信制御部213bによるパケット通信を停止させる制御処理を行う。
【実施例】
【0058】
以降は、第1の端末1と第2の端末2は、第2のパケット通信系によるパケット通信を継続し、そのパケットロス率を同様に検出、解析及び監視し、この第2のパケット通信系におけるパケットロス率が予め設定した設定値に増加すると、停止している第1のパケット通信系によるパケット通信に切り換えるための同様のバックアップ通信制御処理を行う。
【実施例】
【0059】
このように、第1のパケット通信系によるパケット通信においてパケットロス率を解析し、この第1のパケット通信系におけるパケットロス率が予め設定した設定値に増加すると第2のパケット通信系により前記第1のパケット通信系における送信データと同一の送信データについて併行してパケット通信を行い、そして、第1のパケット通信系におけるパケットロス率と第2のパケット通信系におけるパケットロス率を大小比較し、パケットロス率が小さい方のパケット通信系における送信データを再生・出力するように切り換えることにより、ネットワーク回線(伝送経路)における回線混雑によるパケットロスの影響を軽減したパケット通信を継続して実現することができる。また、パケットロス率が大きい方のパケット通信系はパケット通信を停止させる制御処理を行うことにより、ネットワーク回線の負荷(伝送量の増加)を軽減することができる。
【符号の説明】
【0060】
1…第1の端末、2…第2の端末、3…第3の端末、4…ネットワーク回線、
106,206…主制御部、111,211…AV入出力制御部、112a,212b…第1のPAD、112b,212b…第2のPAD、113a,213a…第1の送受信制御部、113b,213b…第2の送受信制御部、114,214…回線接続部。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2