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明細書 :画像判読支援動画生成方法、プログラム、及び画像判読支援動画生成装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4868509号 (P4868509)
公開番号 特開2008-015606 (P2008-015606A)
登録日 平成23年11月25日(2011.11.25)
発行日 平成24年2月1日(2012.2.1)
公開日 平成20年1月24日(2008.1.24)
発明の名称または考案の名称 画像判読支援動画生成方法、プログラム、及び画像判読支援動画生成装置
国際特許分類 G06T   3/00        (2006.01)
G06T  11/60        (2006.01)
FI G06T 3/00 300
G06T 11/60 300
請求項の数または発明の数 11
全頁数 23
出願番号 特願2006-183409 (P2006-183409)
出願日 平成18年7月3日(2006.7.3)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成18年5月11日 社団法人 日本リモートセンシング学会発行の「第40回(平成18年度春季)学術講演会論文集」に発表
審査請求日 平成21年4月30日(2009.4.30)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】803000115
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
発明者または考案者 【氏名】小島 尚人
個別代理人の代理人 【識別番号】110000176、【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
審査官 【審査官】鹿野 博嗣
参考文献・文献 特開2005-020607(JP,A)
特開平09-135385(JP,A)
特開平07-037083(JP,A)
特開2006-112913(JP,A)
調査した分野 G06T 3/00
G06T 11/60
特許請求の範囲 【請求項1】
判読対象画像に対して複数方向のそれぞれから光を照射したかのようなエンボス処理を施して複数のエンボス画像を生成し、
前記複数のエンボス画像が連続的に切り替えて表示される動画を生成すること、
を特徴とする画像判読支援動画生成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の画像判読支援動画生成方法であって、
前記エンボス画像の夫々に所定の背景画像を合成して複数のエンボス画像を生成し、
前記合成された複数のエンボス画像が連続的に切り替えて表示される動画を生成すること、
を特徴とする画像判読支援動画生成方法。
【請求項3】
請求項2に記載の画像判読支援動画生成方法であって、
前記判読対象画像が前記背景画像であること、
を特徴とする画像判読支援動画生成方法。
【請求項4】
請求項2に記載の画像判読支援動画生成方法であって、
前記判読対象画像は、前記背景画像とは異なる画像であること、
を特徴とする画像判読支援動画生成方法。
【請求項5】
請求項2に記載の画像判読支援動画生成方法であって、
前記背景画像は、赤色画像、緑色画像、及び青色画像を含んで構成され、
前記判読対象画像の前記エンボス画像の夫々に、前記赤色画像、前記緑色画像、及び前記青色画像を合成し、前記合成された複数のエンボス画像を生成すること、
を特徴とする画像判読支援動画生成方法。
【請求項6】
請求項5に記載の画像判読支援動画生成方法であって、
前記判読対象画像は、前記赤色画像、前記緑色画像、又は前記青色画像の何れか一つの画像であること、
を特徴とする画像判読支援動画生成方法。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の画像判読支援動画生成方法であって、
前記動画における前記複数のエンボス画像の切り替わるタイミングを制御するための表示間隔制御データに基づいて、前記動画における前記複数のエンボス画像の切り替わる間隔を変更すること、
を特徴とする画像判読支援動画生成方法。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の画像判読支援動画生成方法であって、
前記動画における前記複数のエンボス画像の表示される順序を制御するための表示順序制御データに基づいて、前記動画における前記複数のエンボス画像の表示される順序を変更すること、
を特徴とする画像判読支援動画生成方法。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の画像判読支援動画生成方法であって、
エンボスフィルタのフィルタ係数を制御するためのエンボス制御データに基づいて、前記判読対象画像の前記エンボス画像を生成する際のフィルタ係数を変更すること、
を特徴とする画像判読支援動画生成方法。
【請求項10】
コンピュータに、
判読対象画像に対して複数方向のそれぞれから光を照射したかのようなエンボス処理を施して複数のエンボス画像を生成する手順と、
前記複数のエンボス画像が連続的に切り替えて表示される動画を生成する手順と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項11】
判読対象画像に対して複数方向のそれぞれから光を照射したかのようなエンボス処理を施して複数のエンボス画像を生成するエンボス画像生成部と、
前記複数のエンボス画像が連続的に切り替えて表示される動画を生成する画像判読支援動画生成部と、
を備えることを特徴とする画像判読支援動画生成装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、画像判読支援動画生成方法、プログラム、及び画像判読支援動画生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、地震被害が発生した場合、その地域の地震発生後の衛星画像を判読することにより、液状化発生状況等の把握を行うことがある。このように画像の判読を行う場合、画像の特徴部分を強調することが一般的に行われている。画像の特徴部分の強調処理としては、例えば、エンボス処理が挙げられる(特許文献1)。画像に対してエンボス処理を施すことにより、ある方向から擬似的に光を照射したかのようなエンボス画像を得ることができる。エンボス画像では、陰影が強調されることにより、画像内のエッジ(辺縁)やテクスチャ等の特徴部分の凹凸についての錯視が誘発される。
【0003】
例えば、図22に、地震によって液状化が発生した地域の衛星画像(赤色波長帯域の画像)の一例を示す。この画像を判読対象画像とし、判読対象画像に対してエンボス処理を施して得られたエンボス画像の例が図23に示されている。判読対象画像の上側が北、下側が南として、判読対象画像に対して北から南の方向(照射方向0度)に光を照射したかのようなエンボス処理を施すことにより、図23(a)のエンボス画像が得られる。また、判読対象画像に対して東から西の方向(照射方向90度)に光を照射したかのようなエンボス処理を施すことにより、図23(b)のエンボス画像が得られる。図23(a)のエンボス画像では、判読対象画像における東西方向の線が特に強調されていることがわかる。また、図23(b)のエンボス画像では、判読対象画像における南北方向の線が特に強調されていることがわかる。

【特許文献1】特開2003-219139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、エンボス画像では、凹凸についての錯視は光の照射方向によって異なっている。そのため、図23(a)に例示したエンボス画像では、東西方向の線が強調される一方、南北方向の線については判読しづらくなっている。また、図23(b)に例示したエンボス画像では、南北方向の線が強調される一方、東西方向の線については判読しづらくなっている。そのため、画像の特徴を判読するためには、エンボス処理における光の照射方向をどの方向にするかが重要となる。
ところが、例えば地震被害が発生した地域の衛星画像を判読する場合、液状化に伴う噴砂等の特徴部分は多様であり、特徴部分の判読に最適な光の照射方向を特定することは困難である。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、錯視を誘発することにより画像の判読を支援する動画を生成する画像判読支援動画生成方法、プログラム、及び画像判読支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の画像判読支援動画生成方法は、判読対象画像に対して複数方向のそれぞれから光を照射したかのようなエンボス処理を施して複数のエンボス画像を生成し、前記複数のエンボス画像が連続的に切り替えて表示される動画を生成することとする。
【0007】
また、前記エンボス画像の夫々に所定の背景画像を合成して複数のエンボス画像を生成し、前記合成された複数のエンボス画像が連続的に切り替えて表示される動画を生成することとしてもよい。
【0008】
なお、前記判読対象画像が前記背景画像であることとしてもよい。
【0009】
また、前記判読対象画像は、前記背景画像とは異なる画像であることとしてもよい。
【0010】
また、前記背景画像は、赤色画像、緑色画像、及び青色画像を含んで構成され、前記判読対象画像の前記エンボス画像の夫々に、前記赤色画像、前記緑色画像、及び前記青色画像を合成し、前記合成された複数のエンボス画像を生成することとしてもよい。
【0011】
さらに、前記判読対象画像は、前記赤色画像、前記緑色画像、又は前記青色画像の何れか一つの画像であることとしてもよい。
【0012】
また、前記動画における前記複数のエンボス画像の切り替わるタイミングを制御するための表示間隔制御データに基づいて、前記動画における前記複数のエンボス画像の切り替わる間隔を変更することとしてもよい。
【0013】
また、前記動画における前記複数のエンボス画像の表示される順序を制御するための表示順序制御データに基づいて、前記動画における前記複数のエンボス画像の表示される順序を変更することとしてもよい。
【0014】
また、エンボスフィルタのフィルタ係数を制御するためのエンボス制御データに基づいて、前記判読対象画像の前記エンボス画像を生成する際のフィルタ係数を変更することとしてもよい。
【0015】
また、本発明のプログラムは、コンピュータに、判読対象画像に対して複数方向のそれぞれから光を照射したかのようなエンボス処理を施して複数のエンボス画像を生成する手順と、前記複数のエンボス画像が連続的に切り替えて表示される動画を生成する手順と、を実行させるためのものとする。
【0016】
また、本発明の画像判読支援動画生成装置は、判読対象画像に対して複数方向のそれぞれから光を照射したかのようなエンボス処理を施して複数のエンボス画像を生成するエンボス画像生成部と、前記複数のエンボス画像が連続的に切り替えて表示される動画を生成する画像判読支援動画生成部と、を備えることとする。
【発明の効果】
【0017】
錯視を誘発することにより画像の判読を支援する動画を生成する画像判読支援方法、プログラム、及び画像判読支援装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
==システム構成==
本発明の一実施形態である判読支援動画生成システムの構成例について説明する。図1に示すように、システムは、クライアント10及び画像判読支援動画生成装置20を含んで構成されている。そして、クライアント10及び画像判読支援動画生成装置20は、ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。
【0019】
クライアント10は、例えば、パーソナルコンピュータや携帯情報端末、携帯電話機等の情報処理装置である。クライアント10は、例えば地震発生地域の衛星画像等の判読対象となる画像を、ネットワーク30を介して画像判読支援動画生成装置20に送信する。そして、クライアント10は、画像判読支援動画生成装置20で生成され、ネットワーク30を介して送信されてくる動画を表示する。
【0020】
画像判読支援動画生成装置20は、例えば、PCサーバやワークステーション等の情報処理装置である。画像判読支援動画生成装置20は、クライアント10から送信されてくる画像のエッジやテクスチャ等の判読を支援するための動画を生成し、ネットワーク30を介してクライアント10に動画を送信する。
【0021】
ネットワーク30は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)等であり、クライアント10と画像判読支援動画生成装置20とを通信可能に接続する。なお、ネットワーク30は、有線とすることもできるし、無線とすることもできる。
【0022】
クライアント10の構成について説明する。図2に示すように、クライアント10は、CPU(Central Processing Unit)40、メモリ41、記憶装置42、表示インタフェース(I/F)43、入力インタフェース(I/F)44、通信インタフェース(I/F)45、及び記録媒体読取装置46を含んで構成されている。
【0023】
CPU40は、メモリ41に格納されたプログラムを実行することにより、クライアント10を統括制御し、クライアント10における様々な機能を実現する。メモリ41は、例えばRAM(Random Access Memory)等であり、プログラムやデータ等の一時的な記憶領域として用いられる。記憶装置42は、例えばハードディスク等の記憶領域であり、プログラムや様々なデータ等が格納される。表示インタフェース43は、ディスプレイ等の表示装置50に画像を表示させるためのビデオカード等のインタフェース装置である。入力インタフェース44は、キーボードやマウス、各種デジタル機器等の入力装置51からデータを入力するためのUSB(Universal Serial Bus)やPS/2(Personal System/2)等のインタフェース装置である。通信インタフェース45は、ネットワーク30を介してデータの送受信を行うためのネットワークカード等のインタフェース装置である。記録媒体読取装置46は、CD-ROMやメモリカード等の記録媒体52に格納されたプログラムや各種データを読み取るためのCD-ROMドライブやメモリカードインタフェース等のインタフェース装置である。
【0024】
なお、クライアント10では、判読対象とする画像を、例えば、記録媒体52から読み取り、記憶装置42に格納することができる。また、例えば、ネットワーク30を介して他の情報処理装置から判読対象の画像を取得することもできる。また、イメージスキャナやデジタルカメラ等を入力装置51として判読対象の画像を取得することもできる。
【0025】
次に、画像判読支援動画生成装置20の構成について説明する。図3に、画像判読支援動画生成装置20のハードウェア構成例を示す。画像判読支援動画生成装置20は、CPU60、メモリ61、記憶装置62、通信インタフェース63、及び記録媒体読取装置64を含んで構成されている。
【0026】
CPU60は、メモリ61に格納されたプログラムを実行することにより、画像判読支援動画生成装置20を統括制御し、画像判読支援動画生成装置20における様々な機能を実現する。メモリ61は、例えばRAM等であり、プログラムやデータ等の一時的な記憶領域として用いられる。記憶装置62は、例えばハードディスク等の記憶領域であり、プログラムや様々なデータ等が格納される。通信インタフェース63は、ネットワーク30を介してデータの送受信を行うためのネットワークカード等のインタフェース装置である。記録媒体読取装置64は、CD-ROMやメモリカード等の記録媒体53に格納されたプログラムや各種データを読み取るためのCD-ROMドライブやメモリカードインタフェース等のインタフェース装置である。
【0027】
図4に示すように、画像判読支援動画生成装置20は、エンボス画像生成部70及び画像判読支援動画生成部75を含んで構成されている。これらの機能ブロック70,75は、CPU60がメモリ61に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0028】
エンボス画像生成部70は、メモリ(判読対象画像記憶部)61から判読対象画像を読み出し、判読対象画像に対して複数方向を光源とみなす複数のエンボス画像を生成する。そして、生成された複数のエンボス画像は、メモリ(エンボス画像記憶部)61に格納される。例えば、エンボス画像生成部70は、図5に例示するように、判読対象画像の北側を0度として右回りで45度ずつ角度をずらした8方向を照射方向として、8つのエンボス画像を生成することができる。この場合、各照射方向におけるエンボス処理に用いられるフィルタ係数は、例えば、図6(a)~(h)に示した3×3の行列とすることができる。なお、図6(a)~(h)に示したフィルタ係数は一例であり、行列内の数値(重み)や行列のサイズを変更することも可能である。
【0029】
エンボス画像生成部70におけるエンボス処理の一例を示す。本実施形態では、判読対象画像の各画素の画像濃度値は、例えば8ビット(0~255)であることとする。図7に示すように、エンボス処理前の判読対象画像の一部を示す3×3の画素の中心の値が“18”、左上の値が“5”、右下の値が“135”であるとする。このとき、図6(d)に示したフィルタ係数を用いてエンボス処理を行うと、3×3の中心画素のエンボス処理後の値は、(-5+135)+128=258となる。ただし、エンボス画像生成部70は、エンボス処理後の値が“255”を越えている場合は、画像濃度値が255以下となるように調整する。このようにして、判読対象画像の各画素に対してエンボス処理が行われる。
【0030】
画像判読支援動画生成部75は、メモリ(エンボス画像記憶部)61に格納された複数のエンボス画像を読み出し、これらのエンボス画像が連続的に切り替えて表示される画像判読支援動画を生成する。そして、生成された画像判読支援動画は、メモリ(画像判読支援動画記憶部)61に格納される。図5に例示した8方向を照射方向とする8つのエンボス画像の場合、8つのエンボス画像を例えば右回りに所定間隔で切り替えながら繰り返し表示する動画を画像判読支援動画とすることができる。なお、画像判読支援動画においてエンボス画像の切り替わる順序は右回りに限らず、左回りであってもよいし、ランダムであってもよい。また、エンボス画像の切り替わる間隔も可変とすることができる。
【0031】
==画面説明==
次に、クライアント10に表示される画面について説明する。図8に例示されるように、画像判読支援動画を生成する際の条件等を入力するための動画生成画面100は、判読対象画像入力エリア110、背景画像入力エリア111、動画種類選択エリア112、照射方向選択エリア114、エンボスパターン選択エリア115、表示順序選択エリア116、表示速度選択エリア117、及び動画生成ボタン118を含んで構成されている。動画生成画面100は、例えば、クライアント10がWebブラウザ等から画像判読支援動画生成装置20の所定のURL(Uniform Resource Locator)を参照することによって画像判読支援動画生成装置20から送信されてくるHTML(Hyper Markup Text Language)等により実現される。なお、画像判読支援動画生成装置20にアクセスせずに、クライアント10内部のプログラムによって動画生成画面が起動されることとしてもよい。
【0032】
判読対象画像入力エリア110には、判読対象とする画像の格納先(ファイルパス名等)が入力される。背景画像入力エリア111には、動画の背景とする画像の格納先(ファイルパス等)が入力される。動画種類選択エリア112では、生成される動画をカラーとするか、モノクロとするかの選択が行われる。照射方向選択エリア114では、判読対象画像にエンボス処理を施す際の照射方向が選択される。本実施形態では、4方向、8方向、16方向の何れかを選択可能としている。エンボスパターン選択エリア115では、エンボス処理の際のフィルタ係数の種類が選択される。本実施形態では、A~Cの3つのパターンを選択可能としている。A~Cの各パターンに応じて、フィルタ係数である行列のサイズや重みが選択される。表示順序選択エリア116では、動画におけるエンボス画像の表示順序(表示順序制御データ)が選択される。本実施形態では、右回り、左回り、ランダムの何れかを選択可能としている。表示速度選択エリア117では、動画におけるエンボス画像の切り替わる速度(表示間隔制御データ)が選択される。本実施形態では、4fps(flame per second)、8fps、16fpsの何れかを選択可能としている。動画生成ボタン118が押下されると、各エリア110~117で選択または入力された情報が画像判読支援動画生成装置20に送信される。
【0033】
また、図9に例示されるように、画像判読支援動画が表示される動画表示画面130は、画像判読支援動画表示領域135を含んで構成されている。動画表示画面130は、例えば、動画生成画面100の動画生成ボタン118が押下された後に画像判読支援動画生成装置20から送信されてくるHTML等により実現される。そして、画像判読支援動画表示領域135には、画像判読支援動画生成装置20から送信されてくる動画が表示される。画像判読支援動画表示領域135に表示される動画は、例えば、Macromedia Flash(登録商標)等により実現される。
【0034】
==処理説明==
次に、画像判読支援動画生成システムにおける処理の流れについて説明する。
図10に示すように、まず、クライアント10では、判読対象画像と背景画像が選択される(S1001)。具体的には、動画生成画面100の判読対象画像入力エリア110及び背景画像入力エリア111において、判読対象画像及び背景画像の格納先が入力される。また、クライアント10では、動画を生成するための各種条件が選択される(S1002)。具体的には、動画生成画面100の条件選択エリア112~117において、動画種類、照射方向、エンボスパターン、表示順序、及び表示速度が選択される。そして、動画生成画面100の動画生成ボタン118が押下されると、クライアント10は、入力または選択された画像及び動画生成条件を画像判読支援動画生成装置20に送信する(S1003)。
【0035】
画像判読支援動画生成装置20は、クライアント10から送信されてくる画像及び動画生成条件を受信し(S1004)、メモリ(判読対象画像記憶部)61に格納する。そして、画像判読支援動画生成装置20は、メモリ(判読対象画像記憶部)61から画像及び動画生成条件を読み出し、画像判読支援動画の生成処理を実行する(S1005)。その後、画像判読支援動画生成装置20は、メモリ(画像判読支援動画記憶部)61から画像判読支援動画を読み出してクライアント10に送信する(S1006)。
【0036】
クライアント10は、画像判読支援動画生成装置20から送信されてくる画像判読支援動画を受信し(S1007)、画像表示画面130の画像判読支援動画表示領域135に動画を表示する(S1008)。
【0037】
続いて、画像判読支援動画生成処理(S1005)について、図11に例示するフローチャート及び図12の処理イメージ図を用いて詳細に説明する。エンボス画像生成部70は、メモリ(判読対象画像記憶部)61に格納された判読対象画像及び動画生成条件を読み出し、判読対象画像に対して、指定された照射方向及びエンボスパターンに従ったエンボス処理を施してエンボス画像(モノクロ)を生成する(S1101)。そして、生成されたエンボス画像(モノクロ)は、メモリ(エンボス画像記憶部)61に格納される。図12の例では、背景画像は例えば衛星画像の赤色画像(赤色波長帯域の画像)155R、緑色画像(緑色波長帯域の画像)155G、及び青色画像(青色波長帯域の画像)155Bとしている。そして、判読対象画像150は、背景画像155R,155G,155Bの何れかである場合もあるし、背景画像155R,155G,155Bとは異なる場合もある。また、エンボス画像(モノクロ)は、判読対象画像150に対する照射方向を45度刻みとする8つの画像160a~160hとなっている。
【0038】
続いて、画像判読支援動画生成部75は、動画種類がカラーであるかモノクロであるかを判定する(S1102)。動画種類がモノクロの場合、画像判読支援動画生成部75は、メモリ(エンボス画像記憶部)61に格納されたエンボス画像(モノクロ)を読み出し、指定された表示順序及び表示速度に従って画像判読支援動画(モノクロ)を生成する(S1103)。そして、生成された画像判読支援動画(モノクロ)は、メモリ(画像判読支援動画記憶部)61に格納される。図12の例において、例えば表示順序が右回り、表示速度が4fpsであるとすると、エンボス画像(モノクロ)160a~160hが0度から順に右回りで1秒あたり4フレームの速度で切り替わりながら表示される動画165が生成される。なお、画像判読支援動画生成部75は、動画165を、エンボス画像(モノクロ)160a~160hのみが連続的に切り替わるものとすることもできるし、エンボス画像(モノクロ)160a~160hの夫々に判読対象画像150を合成した画像が連続的に切り替わるものとすることもできる。つまり、エンボス画像(モノクロ)160a~160hに判読対象画像150を合成する場合は、判読対象画像150が背景画像となる。
【0039】
動画種類がカラーの場合、エンボス画像生成部70は、メモリ(背景画像記憶部)61から背景画像となる赤色画像、緑色画像、青色画像を読み出して合成し、カラー合成画像を生成する(S1104)。図12の例では、赤色画像155R、緑色画像155G、及び青色画像155Bを合成してカラー合成画像170が生成されている。なお、メモリ(背景画像記憶部)61に背景画像としてカラー画像が予め記憶されていることとしてもよい。
【0040】
続いて、エンボス画像生成部70は、カラー合成画像にエンボス画像(モノクロ)の夫々を合成して、エンボス画像(カラー)を生成する(S1105)。そして、生成されたエンボス画像(カラー)は、メモリ(エンボス画像記憶部)61に格納される。図12の例では、エンボス画像(モノクロ)160a~160hの夫々に対してカラー合成画像170が合成されることにより、エンボス画像(カラー)175a~175hが生成されている。ここで、エンボス画像(カラー)の各画素の画素値をPn、カラー合成画像170の各画素の画素値をPa、エンボス画像(モノクロ)の各画素の画素値をPbとすると、画素値Pnは、例えば、画素値Pbが128以上の場合は次式(1)、画素値Pbが128未満の場合は次式(2)によって求めることができる。
n=255-2×(255-Pa)×(255-Pb) ・・・(1)
n=Pa×Pb×2 ・・・(2)
【0041】
そして、画像判読支援動画生成部75は、メモリ(エンボス画像記憶部)61に格納されたエンボス画像(カラー)を読み出し、指定された表示順序及び表示速度に従って画像判読支援動画(カラー)を生成する(S1106)。そして、生成された画像判読支援動画(カラー)は、メモリ(画像判読支援動画記憶部)61に格納される。図12の例において、例えば表示順序が右回り、表示速度が4fpsであるとすると、エンボス画像(カラー)175a~175hが0度から順に右回りで1秒あたり4フレームの速度で切り替わりながら表示される動画180が生成される。
【0042】
==動画生成例==
次に、画像判読支援動画の生成例について説明する。なお、生成例では、エンボス処理における照射方向を45度刻みの8方向、動画におけるエンボス画像の表示される順序を右回りとしている。
【0043】
判読対象となる画像として図13に例示された赤色画像200R,緑色画像200G,青色画像200B,近赤外画像200Nは、地震発生地域の衛星画像である。そして、このうちの赤色画像200Rを判読対象画像として生成された画像判読支援動画(モノクロ)が、図14に示される動画210である。この動画210では、画像200Rに対する8方向のエンボス画像215a~215hが、指定された表示速度で右回りに繰り返し表示される。エンボス画像215a~215hを見ると、凹凸についての錯視が光の照射方向によって異なっていることがわかる。そのため、動画210において、これらのエンボス画像215a~215hが連続的に切り替えられて表示されることにより、判読対象画像におけるエッジやテクスチャ等の特徴部分を効果的に判読することが可能となる。つまり、判読対象画像や一方向からだけのエンボス画像だけでは判読が困難な特徴部分についての判読が支援される。
【0044】
次に、画像判読支援動画(カラー)の例を示す。図15に例示されるように、図13に示された画像200R,200G,200Bを合成したカラー合成画像220に、エンボス画像(モノクロ)215a~215hの夫々を合成することにより、エンボス画像(カラー)230a~230hが生成されている。そして、図16に示すように、画像判読支援動画(カラー)240は、エンボス画像(カラー)230a~230hが、指定された表示速度で右回りに繰り返し表示されるものとなっている。このような色付きの動画240により、判読対象画像におけるエッジやテクスチャ等の特徴部分をさらに効果的に判読することが可能となる。
【0045】
また、図17に示された画像250は、農用地の衛星画像における近赤外画像である。そして、画像250を判読対象画像として生成された画像判読支援動画(モノクロ)が、図18に示される動画260である。この動画260では、画像250に対する8方向のエンボス画像265a~265hが、指定された表示速度で右回りに繰り返し表示される。さらに、図19に示すように、画像250を背景画像とした画像判読支援動画(モノクロ)270を生成することも可能である。動画270では、エンボス画像(モノクロ)265a~265hに対して画像250を背景として合成した合成画像275a~275hが、指定された表示速度で右回りに繰り返し表示される。このように、エンボス画像(モノクロ)に対してエンボス画像の元となった画像を背景画像として合成することにより、判読対象画像におけるエッジやテクスチャ等の特徴部分を際立たせることも可能である。
【0046】
次に、判読対象画像と背景画像とが異なる場合の例を示す。図20(a)の背景画像280aは、住宅地や農用地、山岳地が含まれる地域の衛星画像である。また、図20(b)の判読対象画像280bは、この地域の地形図である。判読対象画像280bには、等高線や地図記号、町名等が表示されている。そして、図21には、判読対象画像280bに対してエンボス処理を施して背景画像280aと合成して得られる動画290が示されている。この動画290では、判読対象画像280bをエンボス処理して得られる8つのエンボス画像と背景画像280aを合成した8つの合成画像295a~295hが、指定された表示速度で右回りに繰り返し表示される。これにより、単純に背景画像280aに判読対象画像280bを合成した場合と比較して、地形の特徴を効果的に判読することが可能となる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明した。前述したように、判読対象画像に対して複数方向を光源とみなす複数のエンボス画像を生成し、これら複数のエンボス画像が連続的に切り替えて表示される動画を生成することにより、判読対象画像や一方向からだけのエンボス画像だけでは判読が困難な特徴部分についての判読が支援される。
【0048】
また、判読対象画像のエンボス画像に対して背景画像を合成し、合成されたエンボス画像が連続的に切り替えて表示される動画とすることもできる。これにより、様々な背景画像の上において、判読対象画像の特徴部分の判読が支援されることとなる。
【0049】
また、動画240,270に例示したように、判読対象画像と背景画像を同じ画像とすることができる。このように、判読対象画像と背景画像を同じ画像とすることにより、判読対象画像における特徴部分を際立たせることも可能である。
【0050】
また、動画290に例示したように、判読対象画像と背景画像を異なる画像とすることができる。このように、判読対象画像と背景画像を異なる画像とすることにより、背景画像の上において、判読対象画像の特徴部分の判読を支援することができる。
【0051】
また、動画240に例示したように、背景画像を赤色画像、緑色画像、及び青色画像とし、これらの背景画像とエンボス画像(モノクロ)を合成することにより、色付きの画像判読支援動画を生成することができる。これにより、判読対象画像における特徴部分をさらに効果的に判読することが可能となる。
【0052】
また、動画生成画面100の表示速度選択エリア117において表示速度が選択されることにより、画像判読支援動画におけるエンボス画像の切り替わる間隔を変更することができる。つまり、判読対象画像に合わせてエンボス画像の切り替わる間隔を変更することにより、判読対象画像の特徴部分を判読しやすい表示速度に変更することができる。
【0053】
また、動画生成画面100の表示順序選択エリア116において表示順序が選択されることにより、画像判読支援動画におけるエンボス画像の表示される順序を変更することができる。つまり、判読対象画像に合わせてエンボス画像の表示される順序を変更することにより、判読対象画像の特徴部分を判読しやすい表示順序に変更することができる。
【0054】
また、動画生成画面100のエンボスパターン選択エリア115においてエンボスパターン(フィルタ係数のサイズや重み)が選択されることにより、画像判読支援動画におけるエンボス画像の陰影度合い等を変更することができる。つまり、判読対象画像に合わせてエンボス画像の陰影度合い等を変更することにより、判読対象画像の特徴部分の判読を支援することができる。
【0055】
なお、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0056】
例えば、本実施形態においては、クライアント10を用いた構成としたが、クライアント10を用いず、画像判読支援動画生成装置20において、画像の選択や動画生成条件の入力、動画の表示等が行われることとしてもよい。また、画像判読支援動画生成装置20を汎用のPCサーバ等ではなく、例えば、街頭に設置される映像表示装置や自動車に装着されるカーナビゲーション装置、電車内に設置される情報表示装置等とすることも可能である。そして、例えば、街頭に設置される映像表示装置において、各種の交通標識を判読対象画像として画像判読支援動画を表示することにより、交通標識の判読を支援することが可能となる。
【0057】
また、判読対象とする画像は、地震発生地域の画像や農用地の画像に限らず、あらゆる画像を対象とすることが可能である。例えば、山岳地や河川、海域等の画像を対象とすることにより、山岳地の崩壊や川の流れ、海域の濁土の変化等についての判読を支援することも可能である。
【0058】
また、判読対象とする画像は、衛星画像に限らず、あらゆる画像を対象とすることができる。例えば、光学センサによって得られた画像やマイクロ波レーダ画像、ハイパースペクトル画像、レーザプロファイラによって得られた画像、CTスキャン等によって得られる各種医療画像、指紋や静脈パターン等の生体画像等、様々な画像を対象とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態である判読支援動画生成システムの構成例を示す図である。
【図2】クライアントのハードウェア構成例を示す図である。
【図3】画像判読支援動画生成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】画像判読支援動画生成装置の機能ブロックの構成例を示す図である。
【図5】エンボス画像を生成する際の照射方向の一例を示す図である。
【図6】エンボス画像を生成する際のフィルタ係数の一例を示す図である。
【図7】エンボス処理の一例を示す図である。
【図8】画像判読支援動画を生成する際の条件等を入力するための動画生成画面の一例を示す図である。
【図9】画像判読支援動画が表示される動画表示画面の一例を示す図である。
【図10】システム全体におけるフローチャートの一例を示す図である。
【図11】画像判読支援動画生成処理のフローチャートの一例を示す図である。
【図12】画像判読支援動画生成処理のイメージ図である。
【図13】判読対象となる画像の一例を示す図である。
【図14】画像判読支援動画(モノクロ)の一例を示す図である。
【図15】エンボス画像(カラー)の一例を示す図である。
【図16】画像判読支援動画(カラー)の一例を示す図である。
【図17】農用地の衛星画像における近赤外画像の一例を示す図である。
【図18】背景画像が合成されていない画像判読支援動画(モノクロ)の一例を示す図である。
【図19】背景画像が合成された画像判読支援動画(モノクロ)の一例を示す図である。
【図20】判読対象画像と背景画像とが異なる場合の一例を示す図である。
【図21】判読対象画像と背景画像とが異なる場合における画像判読支援動画の一例を示す図である。
【図22】地震によって液状化が発生した地域の衛星画像の一例を示す図である。
【図23】エンボス画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
10 クライアント 20 画像判読支援動画生成装置
30 ネットワーク 40,60 CPU
41,61 メモリ 42,62 記憶装置
43 表示インタフェース 44 入力インタフェース
45,63 通信インタフェース 46,64 記録媒体読取装置
50 表示装置 51 入力装置
52,53 記録媒体 70 エンボス画像生成部
75 画像判読支援動画生成部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
13
【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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