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明細書 :ナノコンポジット粒子およびその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5733551号 (P5733551)
公開番号 特開2011-178729 (P2011-178729A)
登録日 平成27年4月24日(2015.4.24)
発行日 平成27年6月10日(2015.6.10)
公開日 平成23年9月15日(2011.9.15)
発明の名称または考案の名称 ナノコンポジット粒子およびその製造方法
国際特許分類 A61K   9/14        (2006.01)
A61K  47/34        (2006.01)
A61K  47/18        (2006.01)
A61K  47/32        (2006.01)
A61K   9/19        (2006.01)
A61K  31/496       (2006.01)
FI A61K 9/14
A61K 47/34
A61K 47/18
A61K 47/32
A61K 9/19
A61K 31/496
請求項の数または発明の数 5
全頁数 14
出願番号 特願2010-045468 (P2010-045468)
出願日 平成22年3月2日(2010.3.2)
審査請求日 平成25年3月4日(2013.3.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
発明者または考案者 【氏名】牧野 公子
【氏名】友田 敬士郎
【氏名】中嶋 武尚
個別代理人の代理人 【識別番号】100079049、【弁理士】、【氏名又は名称】中島 淳
【識別番号】100084995、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 和詳
【識別番号】100099025、【弁理士】、【氏名又は名称】福田 浩志
審査官 【審査官】伊藤 清子
参考文献・文献 国際公開第99/012571(WO,A1)
特開平05-194200(JP,A)
特開平10-167968(JP,A)
特開2007-277220(JP,A)
特開平11-079976(JP,A)
特開2003-252751(JP,A)
特開2002-255857(JP,A)
調査した分野 A61K 9/14
A61K 9/19
A61K 31/496
A61K 47/18
A61K 47/32
A61K 47/34
特許請求の範囲 【請求項1】
被送達物と、生分解性ポリマーと、アミノ酸とを含み、体積平均粒子径が1nm以上433.2nm以下であり、前記アミノ酸のみが表面に付着しているナノ粒子の少なくとも1種が凝集体を形成してなり、体積平均粒子径が1μm以上500μm以下であるナノコンポジット粒子。
【請求項2】
前記アミノ酸は、塩基性アミノ酸である請求項1に記載のナノコンポジット粒子。
【請求項3】
前記生分解性ポリマーは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(乳酸-グリコール酸)およびポリシアノアクリレートから選択される少なくとも1種を含む請求項1または請求項2に記載のナノコンポジット粒子。
【請求項4】
前記ナノ粒子の体積平均粒子径が10nm以上234.6nm以下である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のナノコンポジット粒子。
【請求項5】
被送達物、生分解性ポリマー、および有機溶剤を含む溶液と水とを混合して、被送達物および生分解性ポリマーを含むナノ粒子の分散物を得る分散工程と、
アミノ酸の存在下で、前記ナノ粒子の分散物から、水を除去する乾燥工程と、
を含むナノコンポジット粒子の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノコンポジット粒子およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平均粒径が1μm未満である、いわゆるナノ粒子は、従来のミクロンサイズの微粉体に比べて、比表面積が極めて大きい等の特徴を有しており、医薬品分野における製剤技術等への応用に大きな期待が寄せられている。
被送達物を含むナノ粒子は、DDS(Drug Delivery System)において種々の利点が期待されている。例えば、注射投与する場合、肝、肺、あるいは炎症部位等に選択的に集まり、薬物を放出するため、副作用の低減が期待される。また経口投与する場合、難吸収性生理活性物質の消化管吸収が増大することが期待される。さらに経皮投与する場合、生理活性物質を局所的に投与することができる。
【0003】
被送達物を含むナノ粒子については、いくつかの技術が開示されている。例えば、プロスタノイド等をポリ乳酸-グリコール酸共重合体(以下、「PLGA」ということがある)等に封入し、レシチンを表面に付着させたナノ粒子を含む静脈注射用組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、抗癌性薬物をPLGAに内包させたナノ粒子が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2003-342196号公報
【特許文献2】特表2009-512682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2に記載のナノ粒子では、水への再分散性が十分とは言い難い場合があった。
本発明は、水への再分散性に優れるナノ粒子を含むナノコンポジット粒子およびその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、被送達物と、生分解性ポリマーと、アミノ酸とを含み、体積平均粒子径が1nm~433.2nmであり、前記アミノ酸のみが表面に付着しているナノ粒子の少なくとも1種が凝集体を形成してなり、体積平均粒子径が1μm~500μmであるナノコンポジット粒子である。
前記アミノ酸は、塩基性アミノ酸であることが好ましい。また前記生分解性ポリマーは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(乳酸-グリコール酸)およびポリシアノアクリレートから選択される少なくとも1種を含む生分解性ポリマーであることが好ましく、前記ナノ粒子の体積平均粒子径10nm~234.6nmであることがより好ましい。
【0008】
本発明の第の態様は、被送達物、生分解性ポリマー、および有機溶剤を含む溶液と水とを混合して、被送達物および生分解性ポリマーを含むナノ粒子の分散物を得る分散工程と、アミノ酸の存在下に、前記ナノ粒子の分散物から、水を除去する乾燥工程と、を含むナノコンポジット粒子の製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水への再分散性に優れるナノ粒子を含むナノコンポジット粒子およびその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<ナノ粒子>
本発明のナノ粒子は、被送達物の少なくとも1種と、生分解性ポリマーの少なくとも1種と、アミノ酸の少なくとも1種とを含み、体積平均粒子径が1nm~433.2nmである。
本発明のナノ粒子においては、被送達物と生分解性ポリマーとを含むナノ粒子とアミノ酸とが複合化することで水への再分散性に優れるナノ粒子を構成することができる。

【0011】
本発明におけるナノ粒子は、体積平均粒子径が1nm~433.2nmであるが、ナノ粒子の生体内への吸収性や生体内での滞留制御の観点から、10nm~234.6nmであることが好ましく、20nm~234.6nmであることが好ましい。
ナノ粒子の体積平均粒子径は当該分野で公知の方法、例えば、市販の湿式粒子径測定装置(例えば、マルバーン社製ゼータサイザー3000HS)によって測定することができる。

【0012】
(被送達物)
本発明のナノ粒子に含有される被送達物としては、生理活性物質と診断薬とを挙げることができる。生理活性物質の生物学的活性としては、例えば、治療および予防的活性を挙げることができる。これらの被送達物は1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。

【0013】
前記生理活性物質としては、治療、診断および/又は予防的活性を有する、無機化合物、有機化合物、ポリペプチド、核酸、多糖等を挙げることができる。また、生理活性物質の生物学的活性としては、血管作用、向神経作用、ホルモン作用、抗凝血作用、免疫調節作用、消炎鎮痛作用、抗菌作用、抗腫瘍作用、抗ウイルス作用、抗原作用、抗体作用、アンチセンス活性等を挙げることができるが、これらに限定されない。

【0014】
「ポリペプチド」は、本発明においては、グリコシル化又はリン酸化などの翻訳後の修飾の有無に関わらず、少なくとも2以上のアミノ酸を含む任意の大きさのものを意味する。ポリペプチドの例としては、インスリン、カルシトニン、免疫グロブリン、抗体、サイトカイン(例えば、リンフォカイン、モノカイン、ケモカイン)、インターロイキン、インターフェロン、エリスロポエチン、ヌクレアーゼ、腫瘍壊死因子、コロニー刺激因子、酵素(例えば、スーパーオキシドジスムターゼ、組織プラスミノゲン賦活剤)、腫瘍サプレッサー、血中タンパク質、ホルモンおよびホルモンアナログ(例えば、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホルモン)、ワクチン(例えば、腫瘍抗原、細菌抗原、ウイルス抗原)、抗原、血液凝固因子、成長因子、顆粒球コロニー刺激因子等の完全なタンパク質、ムテインおよびその活性断片を挙げることができる。ポリペプチドの生理活性作用としては、タンパク質インヒビター、タンパク質アンタゴニスト、タンパク質アゴニストを挙げることができるが、これらに限定されない。本明細書で使用される「核酸」とは、任意の長さのDNA配列又はRNA配列をいい、遺伝子(例えば、転写を阻害するために相補的なDNAに結合しうるアンチセンス分子)およびリボザイムを挙げることができる。ヘパリンなどの多糖もまた用いることができる。

【0015】
また、本発明のナノ粒子には、診断のために、分析対象物を検出するための生理活性物質を含有させることができる。例えば、抗原、抗体(モノクローナル又はポリクローナル)、レセプター、ハプテン、酵素、タンパク質、ポリペプチド、核酸(たとえば、DNA又はRNA)、ホルモン、ポリマーを挙げることができ、これらのうち少なくとも1種をナノ粒子に含有させることができる。また、前記ナノ粒子を容易に検出することができるように、前記ナノ粒子自体を標識することができる。標識の例としては、種々の酵素、蛍光物質、発光物質、生物発光物質および放射性物質を挙げることができるが、これらに限定されない。適当な酵素の例には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、およびアセチルコリンエステラーゼを挙げることができる。適当な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアナート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリドおよびフィコエリスリンを挙げることができる。発光物質の例としては、ルミノールを挙げることができる。生物発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンを挙げることができる。適当な放射性物質の例としては、125I、131I、35S、およびHを挙げることができる。

【0016】
特に有用な生理活性物質としては、全身性および局所性治療の点から、各種のホルモン(例えば、インスリン、エストラジオール等)、喘息の治療薬(例えば、アルブテロール等)、結核の治療薬(例えば、リファンピシン、エタンブトール、ストレプトマイシン、イソニアジド、ピラジンアミド等)、癌の治療薬(例えば、シスプラチン、カーボプラチン、アドリアマイシン、5-FU、パクリタキセル等)および高血圧の治療薬(例えば、クロニジン、プラゾシン、プロプラノロール、ラベタロール、ブニトロロール、レセルピン、ニフェジピン、フロセミド等)を挙げることができるが、これらに限定されない。

【0017】
前記ナノ粒子には任意の診断薬を包含させることができる。ナノコンポジット粒子を患者に投与することでその診断薬を局所的又は全身的に送達することが可能となる。診断薬の具体的な例としては、造影剤を挙げることができるが、これに限定されない。造影剤としては、ポジトロン断層撮影法(PET)、コンピュータ連動断層撮影法(CT)、シングルフォトンエミッションコンピュータ断層撮影法、X線、X線透視、磁気共鳴画像法(MRI)に使用される市販の薬物を挙げることができる。診断薬は、当該分野で利用可能な標準技術および市販の装置を用いて検出することができる。

【0018】
前記ナノ粒子には、ナノ粒子および被送達物の安定性の点から、ナノ粒子の全質量に対して1質量%~50質量%、好ましくは5質量%~30質量%の薬物を含有させることができる。また所望の効果、被送達物の放出速度又は放出期間に依存して、薬物の含有量を適宜選択することができる。

【0019】
(生分解性ポリマー)
本発明におけるナノ粒子は生分解性ポリマーの少なくとも1種を含む。一般に生分解性ポリマーを含んで形成されたナノ粒子は、酵素的分解により、または生体中で水に接触することで生体に無害な物質にまで分解される。前記生分解性ポリマーとしては、ポリエステル化合物、ポリアミド化合物、ポリカーボネート化合物、ポリビニル化合物および多糖類を挙げることができるが、これらに限定されない。これらの生分解性ポリマーは1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。

【0020】
ポリエステル化合物の具体例としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロン酸およびこれらの共重合体(例えば、ポリ(乳酸-グリコール酸)共重合体等)、並びに、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)、ポリ(テトラメチレンアジペート/テレフタレート)およびポリ(ブチレンサクシネート/アジペート/テレフタレート)を挙げることができるが、これらに限定されない。
ポリアミド化合物の具体例としては、ポリロイシンを挙げることができ、ポリビニル化合物の具体例としては、ポリシアノアクリレートを挙げることができ、多糖類の具体例としては、セルロースを挙げることができるが、これらに限定されない。

【0021】
これらの生分解性ポリマーのうち、生体適合性、生分解性、水分散液中での安定性等の点から、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(乳酸-グリコール酸)(PLGA)、およびポリシアノアクリレートから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、およびPLGAから選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましく、PLGAを用いることがさらに好ましい。

【0022】
前記生分解性ポリマーの種類および分子量を適宜選択することで、ナノ粒子からの薬物の放出速度、生分解速度を制御することができる。例えば、前記生分解性ポリマーがPLGAである場合、好ましい分子量は1500~150000であり、より好ましくは1500~75000である。これにより生理活性物質を放出しやすいナノ粒子を提供することができる。また、前記生分解性ポリマーが共重合体である場合には、各モノマーの組成比率を適宜選択することでナノ粒子からの薬物の放出速度、生分解速度を制御することができる。
更にナノ粒子からの薬物の放出速度、生分解速度を制御可能となるようにナノ粒子を修飾してもよい。

【0023】
本発明のナノ粒子における生分解性ポリマーの含有量としては特に制限はないが、例えば、ナノ粒子の全質量に対して50~99質量%とすることができ、70~95質量%であることが好ましい。

【0024】
(アミノ酸)
本発明のナノ粒子はアミノ酸の少なくとも1種を含む。アミノ酸を含むことでナノ粒子の分散安定性がより向上し、ナノ粒子の再分散性がより向上する。
これは例えば、以下のように考えることができる。すなわち被送達物と生分解性ポリマーとを含むナノ粒子の表面にアミノ酸が付着することで、アミノ酸に由来するナノ粒子間の静電反発力により、ナノ粒子の分散安定性が向上すると考えることができる。

【0025】
本発明におけるアミノ酸としては、1分子中にアミノ基の少なくとも1つとカルボキシル基の少なくとも1つとを含む化合物であれば特に制限はなく、α-アミノ酸であっても、β-アミノ酸等のα-アミノ酸以外のアミノ酸であってもよく、また光学異性体が存在する場合には、L体、D体、およびラセミ体のいずれであってもよい。

【0026】
本発明におけるアミノ酸の具体例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファン等の天然由来のα-アミノ酸およびこれらの光学異性体、β-アラニン、サルコシン、オルニチン、クレアチン、γ-アミノ酪酸、オパイン等を挙げることができる。

【0027】
これらの中でも、ナノ粒子の再分散性の観点から、少なくとも2つの塩基性基を含む塩基性アミノ酸であることが好ましく、リシン、アルギニン、およびヒスチジンから選ばれる塩基性アミノ酸であることがより好ましい。
本発明においてアミノ酸は1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

【0028】
本発明のナノ粒子におけるアミノ酸の含有量としては特に制限はないが、例えば、ナノ粒子の全質量に対して0.1~20質量%とすることができ、0.5~15質量%であることが好ましい。
またアミノ酸の含有量は、アミノ酸の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、アミノ酸として塩基性アミノ酸を用いる場合、ナノ粒子の全質量に対して0.1~20質量%とすることができ、再分散性の観点から、0.5~15質量%であることが好ましい。
また例えば、アミノ酸として中性アミノ酸または酸性アミノ酸を用いる場合、ナノ粒子の全質量に対して0.1~20質量%とすることができ、再分散性の観点から、0.5~15質量%であることが好ましい。

【0029】
また前記ナノ粒子は、必要に応じて各種の添加剤をさらに含有してもよい。添加剤の具体例としては界面活性剤、水溶性高分子、および脂質等を挙げることができるが、これらに限定されない。添加剤を含有させることによりナノ粒子の再分散性を更に向上させることができる。
前記水溶性高分子の具体例としてはポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキシドを挙げることができ、脂質の具体例としてはリン脂質およびコレステロールを挙げることができる。これらの添加剤は1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。

【0030】
本発明のナノ粒子においては、再分散性の観点から、生分解性ポリマーとして、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびPLGAから選ばれる少なくとも1種を含み、被送達物の含有量がナノ粒子の全質量に対して1~50質量%であって、α-アミノ酸の少なくとも1種をナノ粒子の全質量に対して0.1~20質量%含むことが好ましく、生分解性ポリマーとして、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびPLGAから選ばれる少なくとも1種を含み、被送達物の含有量がナノ粒子の全質量に対して1~50質量%であって、塩基性アミノ酸の少なくとも1種をナノ粒子の全質量に対して0.1~20質量%含むことがより好ましい。

【0031】
本発明のナノ粒子は、例えば、後述するナノコンポジット粒子の製造方法によって製造されるナノコンポジット粒子を水と接触させることで、ナノ粒子の分散物として得ることができる。

【0032】
<ナノコンポジット粒子>
本発明のナノコンポジット粒子は、前記ナノ粒子の少なくとも1種を含み、体積平均粒子径が0.5μm以上500μm以下である。かかる構成であることにより、ナノコンポジット粒子を水と接触させた場合のナノ粒子の再分散性に優れる。
前記ナノコンポジット粒子は、前記ナノ粒子の2個以上からなるものであっても、前記ナノ粒子に加えてその他の成分(好ましくは、糖類)をさらに含んでなるものであってもよい。前記ナノ粒子の2個以上からなるナノコンポジット粒子は、例えば、ナノ粒子の2個以上が分子間力により、ナノ粒子からなる凝集体を形成したものである。

【0033】
本発明においてナノコンポジット粒子の体積平均粒子径は、0.5~500μmであることが好ましく、1~200μmであることがより好ましい
尚、ナノコンポジット粒子の体積平均粒子径は、乾式粒子径測定装置(例えば、東日コンピュータアプリケーションズ社製、LDSA3500A)を用いて常法により測定される。

【0034】
本発明のナノコンポジット粒子を構成するナノ粒子の詳細については、既述の通りであり、好ましい態様も同様である。

【0035】
またナノコンポジット粒子は、前記ナノ粒子に加えて水溶性化合物の少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。前記水溶性化合物としては、特に限定はないが、再分散性の観点から、糖類から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
尚、本発明における水溶性化合物は、25℃における純水100gへの溶解度が10g以上である化合物を意味する。

【0036】
前記糖類としては、例えば、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖、および糖アルコールを挙げることができる。中でも再分散性の観点から、二糖および糖アルコールから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
具体的には例えば、グルコース、ソルビトール、マンニトール、ショ糖、麦芽糖、ラクトース、トレハロース、デキストラン、シクロデキストリン、アミロース、アガロース、ヒアルロン酸等を挙げることができるが、これらに限定されない。これらの糖物質のうち、糖物質の水溶性とナノ粒子の再分散性の点から、ソルビトール、マンニトール、ショ糖、麦芽糖、ラクトース、トレハロースを用いることが好ましく、トレハロース、ラクトースを用いることがより好ましい。また、これらの糖類は1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。

【0037】
本発明におけるナノ粒子と水溶性化合物の含有比率としては、特に制限はなく、例えば、水溶性化合物に対するナノ粒子の質量比(ナノ粒子:水溶性化合物)として、10:1~1:10とすることができる。中でもナノ粒子の再分散性と製造適性の観点から、10:1~1:5であることが好ましく、10:1~1:1であることがより好ましい。

【0038】
また、本発明のナノコンポジット粒子は、必要に応じて各種の添加剤を含有してもよい。添加剤の例としては、緩衝塩、脂肪酸、脂肪酸エステル、リン脂質、無機化合物、リン酸塩等を挙げることができる。

【0039】
<ナノコンポジット粒子の製造方法>
本発明のナノコンポジット粒子の製造方法は、被送達物の少なくとも1種、生分解性ポリマーの少なくとも1種、および有機溶剤の少なくとも1種を含む溶液と、水とを混合して、被送達物と生分解性ポリマーとを含むナノ粒子の分散物を得る分散工程と、アミノ酸の存在下に前記ナノ粒子の分散物から、水を除去する乾燥工程とを含み、必要に応じてその他の工程を含んで構成される。
アミノ酸の存在下に、被送達物と生分解性ポリマーとを含む分散物から水を除去することで、被送達物と生分解性ポリマーとを含み、再分散性に優れるナノコンポジット粒子を効率よく製造することができる。

【0040】
(分散工程)
分散工程においては、被送達物、生分解性ポリマー、および有機溶剤を含む溶液と、水とを混合して、被送達物と生分解性ポリマーとを含むナノ粒子の分散物を調製する。
被送達物および生分解性ポリマーは、既述のナノ粒子における被送達物および生分解性ポリマーと同義であり、好ましい態様も同様である。

【0041】
本発明における有機溶剤は、被送達物と生分解性ポリマーとともに溶液を構成可能であれば特に制限はなく、親水性有機溶剤であっても疎水性有機溶剤であってもよい。

【0042】
前記親水性有機溶剤として具体的には、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤等を挙げることができる。

【0043】
また、疎水性有機溶剤として具体的には、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン系用溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤等を挙げることができる。

【0044】
本発明において、親水性有機溶剤を用いる場合、再分散性と安全性の観点から、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、およびエーテル系溶剤から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ケトン系溶剤およびエーテル系溶剤から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
親水性有機溶剤を用いてナノ粒子の分散物を調製することで、より安全性の高いナノ粒子の分散物を効率よく調製することができる。

【0045】
被送達物、生分解性ポリマー、および有機溶剤を含む溶液を調製する方法としては、通常行なわれる溶液の調製方法を特に制限なく適用することができる。例えば、有機溶剤に生分解性ポリマーおよび被送達物を添加して攪拌することで調製することができる。

【0046】
また、被送達物、生分解性ポリマー、および有機溶剤を含む溶液と、水とを混合する方法としては、通常行なわれる液体混合方法を特に制限はなく適用することができる。例えば、一般的な攪拌装置、ホモジナイザー、超音波発生装置等を用いて行うことができる。

【0047】
さらに、前記溶液と水の混合方法は、前記溶液に水を添加する方法であっても、前記溶液を水に添加する方法であってもよいが、製造効率の観点から、前記溶液を水に添加する方法であることが好ましい。
また前記溶液と水とを混合する速度については特に制限はない。本発明においては、一定の混合速度で前記溶液と水とを混合することで粒度分布が狭いナノ粒子の分散物を得ることができる。

【0048】
本発明において、水と混合する前記溶液の濃度としては特に制限はないが、例えば、被送達物と生分解性ポリマーの合計含有量を全溶液質量に対して0.1~10質量%とすることができ、0.5~3質量%であることが好ましい。
また、水に対する前記溶液の混合比率(溶液:水)としては、45:55~1:99質量%であることが好ましく、40:60~5:95質量%であることがより好ましい。

【0049】
本発明においては、生分解性ポリマーとして、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、PLGAおよびポリシアノアクリレートから選ばれる少なくとも1種を用いることで、被送達物および生分解性ポリマーを含むナノ粒子の分散物をより効率的に調製することができる。これは例えば、これらの生分解性ポリマーが自己分散性を有するためと考えることができる。

【0050】
(乾燥工程)
乾燥工程においては、前記ナノ粒子の分散物から、アミノ酸の存在下に水を除去する。ナノ粒子の分散物から水を除去する際にアミノ酸が存在していることで、水の除去後に形成されるナノコンポジット粒子の水に対する再分散性が向上する。
乾燥工程におけるアミノ酸としては、既述のナノ粒子におけるアミノ酸と同義であり、好ましい態様も同様である。

【0051】
本発明においては、ナノ粒子の分散物から水を除去する際にアミノ酸が存在していればよく、アミノ酸を添加する時期は問わない。例えば、前記ナノ粒子の分散物を得る工程において前記溶液と混合する水にアミノ酸を添加してもよく、また前記溶液と水とを混合した後にアミノ酸を添加してもよい。さらに乾燥工程において水を除去する直前にアミノ酸を添加してもよい。

【0052】
また本発明においては、ナノ粒子の分散物から水を除去する前に有機溶剤を除去する工程をさらに設けてもよい。有機溶剤の除去方法としては、特に制限はなく、例えば、ナノ粒子の分散物を攪拌する方法、窒素ガス等の不活性ガスや空気をバブリングする方法等を挙げることができる。
さらに本発明においては、水と共に有機溶剤を除去してもよい。これによりナノコンポジット粒子をさらに効率的に製造することができる。

【0053】
前記ナノ粒子の分散物から水を除去する方法としては特に制限はないが、被送達物の安定性の観点から、噴霧乾燥法、凍結乾燥法のいずれかであることが好ましい。
凍結乾燥法としては、通常用いられる凍結乾燥装置を用いて、常法により行うことができる。

【0054】
また噴霧乾燥法としては、例えば、マスターズ(K. Masters)による「噴霧乾燥ハンドブック(Spray Drying Handbook) 」, John Wiley & Sons, New York, 1984 に記載されている一般的な噴霧乾燥技術を特に制限なく用いることができる。一般に、噴霧乾燥法においては、加熱空気または加熱窒素等の熱ガス由来の熱を利用して、噴霧化装置によって形成された液滴から、噴霧化直後の入口温度と乾燥終了時の出口温度との温度勾配の下で、溶媒を蒸発させて噴霧乾燥粒子を得ることができる。

【0055】
噴霧化装置には、当該分野で公知の噴霧技術を用いることができる。例えば、液圧プレスノズル噴霧化装置、2流体噴霧化装置、音波噴霧化装置、回転盤又は車輪を含む遠心性噴霧化装置を用いることができるが、これらに限定されない。

【0056】
また本発明のナノコンポジット粒子の製造方法においては、ナノ粒子の分散液が糖類の少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。これによりナノ粒子と糖類とを含むナノコンポジット粒子を製造することができる。ナノコンポジット粒子が糖類をさらに含むことで、水に対する再分散性に優れ、また所望の粒子径を有するナノコンポジット粒子をより効率的に製造することができる。
本発明における糖類としては既述のナノコンポジット粒子における糖類と同義であり、好ましい態様も同様である。
またナノ粒子の分散液に含まれる糖類の質量比としては、ナノ粒子:糖類として10:1~1:10とすることができ、ナノ粒子の再分散性の観点から、10:1~1:5であることが好ましく、10:1~1:1であることがより好ましい。

【0057】
本発明のナノコンポジット粒子の製造方法においては、被送達物と生分解性ポリマーを含む有機溶剤溶液を水と混合することで、迅速にナノ粒子の分散物を調製することができる。さらにナノ粒子の分散物からアミノ酸の存在下に水を除去することで再分散性に優れるナノコンポジット粒子を調製することができるため、ナノコンポジット粒子の製造方法として極めて効率が高いものである。
【実施例】
【0058】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」および「%」は質量基準である。
【実施例】
【0059】
(実施例1)
被送達物としてリファンピシン(RFP、シグマアルドリッチ社製)0.1gと、生分解性ポリマーとしてポリ(乳酸-グリコール酸)(PLGA、乳酸/グリコール酸=75/25、重量平均分子量10000、和光純薬社製)0.9gをジクロロメタン10mlに溶解した溶液を調製した。
精製水100mlにアミノ酸としてアルギニン(和光純薬社製)0.15gを溶解し、これと上記で得られた溶液をプローブ型ソニケーター(Branson社製)を用いて混合した後、室温下に200rpmの攪拌速度で12時間攪拌して、リファンピシンを含むPLGAのナノ粒子の分散物を得た。
得られたナノ粒子の分散物について、ゼータサイザー3000HS(マルバーン社製)を用いて体積平均粒子径を測定したところ、62.7nmであった。
【実施例】
【0060】
上記で得られたナノ粒子の分散物を、噴霧乾燥装置(BUCHI社製、ミニスプレードライヤーB290型)に供給して、噴霧乾燥し、さらに一晩凍結乾燥してナノコンポジット粒子を調製した。噴霧乾燥の条件は、使用スプレーガン口径が0.75mm、入口温度が68℃、乾燥空気量が22m/hr、噴霧空気量が500L/hr、試料供給速度が1.25mL/minであった。
得られたナノコンポジット粒子の体積平均粒子径を乾式粒子径測定装置(東日コンピュータアプリケーションズ社製、LDSA-3500A)を用いて測定したところ、2.83μmであった。
【実施例】
【0061】
また得られたナノコンポジット粒子に精製水を加えたところ、直ちにナノ粒子の分散物が得られた。この再分散したナノ粒子の体積平均粒子径を、上記と同様にして測定したところ、64.8nmであった。
さらに得られたナノコンポジット粒子を-30℃で1ヶ月間保存した後、精製水を加えたところ、直ちにナノ粒子の分散物が得られた。この再分散したナノ粒子の体積平均粒子径を、上記と同様にして測定したところ、63.3nmであった。さらに6ヶ月保存後では、62.7nmであった。
【実施例】
【0062】
(実施例2)
実施例1において、アルギニンの添加量を2.0gに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてナノ粒子、およびナノコンポジット粒子を調製した。
得られたナノ粒子の体積平均粒子径は78nmであった。
また実施例1と同様にして再分散させたナノ粒子の体積平均粒子径は88nmであった。
【実施例】
【0063】
(実施例3)
実施例1において、アルギニンの代わりにグルタミンを用い、添加量を2.0gとしたこと以外は、実施例1と同様にしてナノ粒子、およびナノコンポジット粒子を調製した。
得られたナノ粒子の体積平均粒子径は234.6nmであった。
【実施例】
【0064】
(実施例4)
実施例1において、アルギニンの代わりにグルタミン酸を用い、添加量を0.5gに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてナノ粒子、およびナノコンポジット粒子を調製した。
得られたナノ粒子の体積平均粒子径は433.2nmであった。
【実施例】
【0065】
(実施例5)
実施例1において、アルギニンの代わりにリシンを用い、添加量を2.0gに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてナノ粒子を調製した。
得られたナノ粒子の体積平均粒子径は89.6nmであった。
【実施例】
【0066】
(実施例6)
実施例1において、アルギニンの代わりにヒスチジンを用い、添加量を2.0gに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてナノ粒子、およびナノコンポジット粒子を調製した。
得られたナノ粒子の体積平均粒子径は87.2nmであった。
【実施例】
【0067】
(実施例7)
被送達物としてリファンピシン(RFP、シグマアルドリッチ社製)0.05gと、生分解性ポリマーとしてポリ(乳酸-グリコール酸)(PLGA、乳酸/グリコール酸=75/25、重量平均分子量10000、和光純薬社製)0.45gをアセトン10mlに溶解した溶液を調製した。
精製水100mlにアミノ酸としてアルギニン(和光純薬社製)0.15gを溶解し、これと上記で得られた溶液とを混合した後、室温下に200rpmの攪拌速度で15時間攪拌して、リファンピシンを含むPLGAのナノ粒子の分散物を得た。
得られたナノ粒子の分散物について、上記と同様にして体積平均粒子径を測定したところ、163.8nmであった。
上記で得られたナノ粒子の分散物を、上記と同様にして噴霧乾燥してナノコンポジット粒子を調製した
得られたナノコンポジット粒子の体積平均粒子径を上記と同様にして測定したところ、1.50μmであった。
また得られたナノコンポジット粒子に精製水を加えたところ、直ちにナノ粒子の分散物が得られた。この再分散したナノ粒子の体積平均粒子径を、上記と同様にして測定したところ、163.8nmであった。
【実施例】
【0068】
(実施例8)
被送達物としてリファンピシン(RFP、シグマアルドリッチ社製)0.1gと、生分解性ポリマーとしてポリ(乳酸-グリコール酸)(PLGA、乳酸/グリコール酸=75/25、重量平均分子量10000、和光純薬社製)0.9gをジクロロメタン10mlに溶解した溶液を調製した。
精製水100mlにアミノ酸としてアルギニン(和光純薬社製)0.15gを溶解し、これと上記で得られた溶液をプローブ型ソニケーター(Branson社製)を用いて混合した後、リファンピシンを含むPLGAのナノ粒子の分散物を得た。
【実施例】
【0069】
上記で得られたナノ粒子の分散物を、噴霧乾燥装置(BUCHI社製、ミニスプレードライヤーB290型)に供給して、噴霧乾燥し、さらに一晩凍結乾燥してナノコンポジット粒子を調製した。噴霧乾燥の条件は、使用スプレーガン口径が0.75mm、入口温度が68℃、乾燥空気量が22m/hr、噴霧空気量が500L/hr、試料供給速度が1.25mL/minであった。
得られたナノコンポジット粒子の体積平均粒子径を乾式粒子径測定装置(東日コンピュータアプリケーションズ社製、LDSA-3500A)を用いて測定したところ、1.94μmであった。
【実施例】
【0070】
また得られたナノコンポジット粒子に精製水を加えたところ、直ちにナノ粒子の分散物が得られた。この再分散したナノ粒子の体積平均粒子径を、上記と同様にして測定したところ、59.9nmであった。
【実施例】
【0071】
(実施例9)
実施例8において、生分解性ポリマーとしてポリ(乳酸-グリコール酸)(PLGA、乳酸/グリコール酸=75/25、重量平均分子量20000、和光純薬社製)を0.4g用い、アルギンの使用量を0.1gとしたこと以外は、実施例6と同様にしてナノ粒子の分散物、およびナノコンポジット粒子を調製した。
得られたナノコンポジット粒子の体積平均粒子径は5.73μmであった。また、これを精製水に再分散したところ、得られたナノ粒子分散物の体積平均粒子径は100.9nmであった。
【実施例】
【0072】
(実施例10)
被送達物としてリファンピシン(RFP、シグマアルドリッチ社製)0.1gと、生分解性ポリマーとしてポリ(乳酸-グリコール酸)(PLGA、乳酸/グリコール酸=75/25、重量平均分子量10000、和光純薬社製)0.9gをアセトン10mlに溶解した溶液を調製した。
精製水100mlにアミノ酸としてアルギニン(和光純薬社製)0.15gを溶解し、これと上記で得られた溶液とを混合した後、室温下に200rpmの攪拌速度で15時間攪拌して、リファンピシンを含むPLGAのナノ粒子の分散物を得た。
得られたナノ粒子の分散物について、ゼータサイザー3000HS(マルバーン社製)を用いて体積平均粒子径を測定したところ、100.5nmであった。
【実施例】
【0073】
上記で得られたナノ粒子の分散物を、凍結乾燥してナノコンポジット粒子を調製した。
また得られたナノコンポジット粒子に精製水を加えたところ、直ちにナノ粒子の分散物が得られた。この再分散したナノ粒子の体積平均粒子径を、上記と同様にして測定したところ、106.5nmであった。
【実施例】
【0074】
(実施例11)
被送達物としてリファンピシン(RFP、シグマアルドリッチ社製)0.1gと、生分解性ポリマーとしてポリ(乳酸-グリコール酸)(PLGA、乳酸/グリコール酸=75/25、重量平均分子量10000、和光純薬社製)0.9gをジクロロメタン10mlに溶解した溶液を調製した。
精製水100mlにアミノ酸としてアルギニン(和光純薬社製)0.15gを溶解し、これと上記で得られた溶液をプローブ型ソニケーター(Branson社製)を用いて混合した後、室温下に200rpmの攪拌速度で12時間攪拌して、リファンピシンを含むPLGAのナノ粒子の分散物を得た。
得られたナノ粒子の分散物について、ゼータサイザー3000HS(マルバーン社製)を用いて体積平均粒子径を測定したところ、60.2~62.7nmであった。
【実施例】
【0075】
上記で得られたナノ粒子の分散物に、糖類としてマンニトール、ラクトース、トレハロースを各々0.85g加えて溶解した後、噴霧乾燥装置(BUCHI社製、ミニスプレードライヤーB290型)に供給して、噴霧乾燥し、さらに一晩凍結乾燥してナノコンポジット粒子をそれぞれ調製した。噴霧乾燥の条件は、使用スプレーガン口径が0.75mm、入口温度が68℃、乾燥空気量が22m/hr、噴霧空気量が500L/hr、試料供給速度が1.25mL/minであった。
得られたナノコンポジット粒子の体積平均粒子径を乾式粒子径測定装置(東日コンピュータアプリケーションズ社製、LDSA-3500A)を用いて測定したところ、マンニトールでは2.08μm、ラクトースでは1.51μm、トレハロースでは1.51μmであった。
【実施例】
【0076】
また得られたナノコンポジット粒子に精製水を加えたところ、直ちにナノ粒子の分散物が得られた。この再分散したナノ粒子の体積平均粒子径を、上記と同様にして測定したところ、マンニトールでは72.3nm、ラクトースでは68.4nm、トレハロースでは66.8nmであった。
【実施例】
【0077】
(実施例12)
被送達物としてリファンピシン(RFP、シグマアルドリッチ社製)0.1gと、生分解性ポリマーとしてポリ(乳酸-グリコール酸)(PLGA、乳酸/グリコール酸=75/25、重量平均分子量10000、和光純薬社製)0.4gをジクロロメタン10mlに溶解した溶液を調製した。
精製水100mlにアミノ酸としてアルギニン(和光純薬社製)0.05g、システイン(和光純薬社製)0.15gを溶解し、これと上記で得られた溶液をプローブ型ソニケーター(Branson社製)を用いて混合した後、リファンピシンを含むPLGAのナノ粒子の分散物を得た。
【実施例】
【0078】
上記で得られたナノ粒子の分散物を、上記と同様にして噴霧乾燥してナノコンポジット粒子を調製した。
得られたナノコンポジット粒子の体積平均粒子径を上記と同様にして測定したところ、1.33μmであった。
【実施例】
【0079】
また得られたナノコンポジット粒子に精製水を加えたところ、直ちにナノ粒子の分散物が得られた。この再分散したナノ粒子の体積平均粒子径を、上記と同様にして測定したところ、138.7nmであった。
【実施例】
【0080】
さらに得られたナノコンポジット粒子について、リファンピシンの内包率を、HPLCを用いて測定したところ、内包率は7.74%(理論値20%)、内包効率38.7%であり、従来に比べて高い内包効率であった。
【実施例】
【0081】
以上から、本発明のナノコンポジット粒子は、ナノ粒子の再分散性に優れることが分かる。また本発明のナノコンポジット粒子の製造方法は、簡便かつ効率的であることが分かる。