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明細書 :冠動脈疾患の検査キット

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-031590 (P2015-031590A)
公開日 平成27年2月16日(2015.2.16)
発明の名称または考案の名称 冠動脈疾患の検査キット
国際特許分類 G01N  33/573       (2006.01)
FI G01N 33/573 A
請求項の数または発明の数 8
出願形態 OL
全頁数 9
出願番号 特願2013-160983 (P2013-160983)
出願日 平成25年8月2日(2013.8.2)
発明者または考案者 【氏名】湊口 信也
【氏名】鈴木 文昭
出願人 【識別番号】304019399
【氏名又は名称】国立大学法人岐阜大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110000110、【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
審査請求 未請求
要約 【課題】簡易な冠動脈疾患の検査キット及び検査方法等を提供する。
【解決手段】1)プロレニンを測定する1又は2以上の試薬を備える、冠動脈疾患の検査キット。(2)前記試薬は、抗プロレニン抗体を含む、(1)に記載のキット。(3)冠動脈疾患の検査方法であって、血漿プロレニンを測定する測定工程、を備える、方法。(4)さらに、血漿プロレニン量と予め設定された閾値とを対比する評価工程、を備える、(3)に記載の方法。(5)前記閾値は、有意狭窄に基づいて設定されている、(4)に記載の検査方法。(6)前記冠動脈疾患は、冠動脈造影上冠動脈に75%以上の狭窄を有することをいう、(3)~(5)のいずれかに記載の検査方法。(7)前記測定工程は、免疫測定法によって前記血漿プロレニンを測定する工程である、(3)~(6)のいずれかに記載の検査方法。(8)血漿プロレニンを測定する測定工程を備える、冠動脈の狭窄状態の検査方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
プロレニンを測定する1又は2以上の試薬を備える、冠動脈疾患の検査キット。
【請求項2】
前記試薬は、抗プロレニン抗体を含む、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
冠動脈疾患の検査方法であって、
血漿プロレニンを測定する測定工程、
を備える、方法。
【請求項4】
さらに、血漿プロレニン量と予め設定された閾値とを対比する評価工程、
を備える、請求項3に記載の方法
【請求項5】
前記閾値は、有意狭窄に基づいて設定されている、請求項3又は4に記載の検査方法。
【請求項6】
前記冠動脈疾患は、冠動脈造影上冠動脈に75%以上の狭窄を有することをいう、請求項3~5のいずれかに記載の検査方法。
【請求項7】
前記測定工程は、免疫測定法によって前記血漿プロレニンを測定する工程である、請求項3~6いずれかに記載の検査方法。
【請求項8】
血漿プロレニン濃度を測定する測定工程を備える、冠動脈疾患の狭窄状態の検査方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本明細書は、冠動脈疾患を診断するための検査キット等に関する。
【背景技術】
【0002】
冠動脈疾患による死亡率は、世界的に高く、冠動脈疾患の早期発見及び予防が強く求められている。また、冠動脈疾患は、高度医療が必要となる場合や長期の治療を有することになる場合もあるため、医療経済の面においても早期発見等が重要である。
【0003】
冠動脈疾患は、心筋の酸素不足により胸痛発作が生じる疾患である。冠動脈疾患では、動脈硬化症等が原因で血管の内側が狭窄して心筋への血液の供給が減少したり、血流が途絶えることによって心筋が必要とする酸素受容量と動脈血からの供給量のバランスが崩れて、虚血状態となって、心筋は酸素不足となる。
【0004】
冠動脈疾患には、狭心症と心筋梗塞との2つの病態がある。狭心症は、一過性の心筋の虚血のための胸痛、胸部圧迫感などを主症状とするものであり、心筋梗塞は、冠動脈が完全に閉塞したりあるいは著しい狭窄したりすることにより心筋が壊死するに至るものである。
【0005】
こうした冠動脈疾患は、いずれも胸痛や胸部圧迫感を主症状とするが、その診断や狭窄部位の特定には、心筋シンチグラフィー、冠動脈CT、心臓カテーテル検査などが必要となる。
【0006】
また、冠動脈疾患は、糖尿病、慢性腎臓病、高脂血症、動脈硬化症などの重大な合併症として発症することが知られている。冠動脈疾患のリスクを検査する方法としては、特定遺伝子における多型に基づく方法が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特開2008-188016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
胸痛発作などに冠動脈疾患の確定診断のために行われる心筋シンチグラフィー、冠動脈CT、心臓カテーテル検査などの各種検査方法は、いずれも有意義な検査である。しかしながら、比較的侵襲性であるかあるいは特定施設しかできないというデメリットがある。また、検査コストも高い。このため、検査自体に慎重になる傾向を否定できない。
【0009】
また、糖尿病等の一次疾患を有する患者においては、冠動脈疾患の早期発見は極めて有用である。しかしながら、冠動脈疾患のリスクを予測する遺伝子検査は非侵襲であっても高コストであるというデメリットがある。また、一次疾患を有する患者においては、冠動脈疾患のリスクよりもむしろ、重大な合併症である冠動脈疾患に対する定期的なモニタリングが求められている。
【0010】
さらに、冠動脈疾患は、胸痛などの明確な自覚症状が発生したときには、重篤な状態である場合も多く、一次疾患がなくでも定期的モニタリングが有効であると考えられる。
【0011】
現在までにおいて、冠動脈疾患の診断や早期発見のために有利な簡易な検査方法がないのが実情であり、簡易であってしかもモニタリングにも好適な冠動脈疾患の検査方法が強く要請されている。
【0012】
本明細書は、簡易な冠動脈疾患の検査キット及び検査方法等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、プロレニンに着目した。プロレニンはレニンの前駆体であって、糖尿病患者における糖尿病性腎症や動脈硬化動脈との関係が推測されている。しかしながら、血中プロレニンと冠動脈疾患とは、現在までのところ、全く関連付けられていない。本発明者らは、冠動脈疾患患者の血液に関し、多種類の項目について検査を実施したところ、意外にも血漿プロレニン濃度と冠動脈疾患とを関連付けできるという知見を得た。本明細書は、この知見に基づき、以下の手段を提供する。
【0014】
(1)プロレニンを測定する1又は2以上の試薬を備える、冠動脈疾患の検査キット。
(2)前記試薬は、抗プロレニン抗体を含む、(1)に記載のキット。
(3)冠動脈疾患の検査方法であって、
血漿プロレニンを測定する測定工程、
を備える、方法。
(4)さらに、血漿プロレニン量と予め設定された閾値とを対比する評価工程、
を備える、(3)に記載の方法
(5)前記閾値は、有意狭窄に基づいて設定されている、(4)に記載の検査方法。
(6)前記冠動脈疾患は、冠動脈造影上冠動脈に75%以上の狭窄を有することをいう、(3)~(5)のいずれかに記載の検査方法。
(7)前記測定工程は、免疫測定法によって前記血漿プロレニンを測定する工程である、(3)~(6)のいずれかに記載の検査方法。
(8)血漿プロレニンを測定する測定工程を備える、冠動脈の狭窄状態の検査方法。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】非冠動脈疾患群と冠動脈疾患群とについての血漿プロレニン濃度に関するブロットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書の開示は、冠動脈疾患の検査キット及び検査方法等に関する。本明細書に開示される検査キット及び検査方法によれば、血液を採取するだけで、低侵襲で簡易に冠動脈疾患である可能性を高い精度で予測できる。また、低コストに冠動脈疾患である可能性を予測できる。有意狭窄の有無を、冠動脈造影なしに検出できれば、冠動脈疾患に対してより簡易にそして早期に治療を開始できることとなる。したがって、本開示による検査キット及び検査方法は、従来、侵襲性、高度でしかも高コストな検査が主体であった冠動脈疾患を、簡易に検査できるようになり、冠動脈疾患の早期発見及び予防に大きく寄与することができる。また、糖尿病、慢性腎臓病、高脂血症、動脈硬化症などの一次疾患の重篤な合併症である冠動脈疾患の定期的モニタリングにも有意義である。以上のことから、本明細書に開示される方法等及びキットは冠動脈疾患の一次スクリーニングに極めて有用である。以下、本明細書の開示に関する各種の実施形態を詳細に説明する。

【0017】
本明細書において、冠動脈疾患とは、原因にかかわらず血管が狭窄して心筋への血液の供給が減少したり、血流が途絶えることによって心筋が虚血状態となって、心筋が酸素不足となる状態及びその結果到達する状態に起因する心疾患を含む。したがって、心筋の虚血に起因する狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈、心室細動等を含む。

【0018】
また、本明細書において冠動脈疾患とは、冠動脈が有意狭窄を有する場合を意味している。ここで、「有意狭窄」を有するとは、概して、冠動脈造影によって、冠動脈において75%以上の狭窄(本来の内腔径の75%以上が狭まってしまった状態(内腔が本来の内腔径の25%以下の直径になってしまった状態))が観察される場合をいう。なお、冠動脈のうち、左冠動脈本幹については、狭窄が50%以上のとき有意狭窄があるとする。

【0019】
概して、有意狭窄がある場合において冠動脈疾患としての治療対象となる。有意狭窄に至らない場合には、概して治療対象とはらならないで、必要に応じ日常生活の改善等が主体となる。

【0020】
本明細書において、冠動脈疾患は、主としてヒトを含む哺乳動物における冠動脈疾患を意味している。ヒト以外においては、イヌ、ネコ、ウサギ、ウマ、ウシ、サルなど、家畜動物ないし愛玩動物が挙げられる。

【0021】
以上のことから、本検査方法及び検査キットは、冠動脈疾患の検査キット及び方法のみならず、冠動脈の狭窄状態の検査キット及び方法としても実施できる。

【0022】
(冠動脈疾患の検査方法)
本明細書に開示される検査方法は、血漿プロレニンを測定する測定工程を備えることができる。

【0023】
プロレニンは、血圧調節や恒常性維持に関わる活性型レニンの不活性型前駆体である。レニンは、アンジオテンシノーゲンを切断してアンジオテンシンIへの変換する(この変換速度をレニン活性という。)酵素である。プロレニンは、酵素活性中心を擁するクレフト(溝)を有する立体構造を有するレニン骨格を備え、さらに、この酵素活性中心を覆うアミノ酸43個のプロレニンプロセグメントを備えている。このためプロレニンは、プロセグメント部分がアンジオテンシノーゲンの活性中心との相互作用をブロックするので、アンジオテンシンIへの変換ができない。血漿中では、プロレニンは安定である。なお、プロレニンプロセグメントを可溶化トリプシンと4℃程度で短時間反応させるとレニンに変換しレニン活性を呈することが知られている(例えば、Clin Chem 2009;55:876-877)。

【0024】
本測定工程は、血漿プロレニンを測定することができれば特に測定方法は限定しない。また、プロレニン自体は、レニン酵素活性によって測定することもできるし、免疫測定法によっても測定することができる。

【0025】
プロレニンを酵素活性(レニン活性)に基づいて測定する方法は知られている(例えば、Clin Chem 2009;55:876-877)。レニン酵素活性によってプロレニンを測定する場合には、基質としてのアンジオテンシノーゲンと、アンジオテンシンIへの変換を評価するための試薬を用いることができる。こうした試薬は、公知である(既述のClin Chem 2009等)。

【0026】
なお、血漿プロレニン濃度は、血漿中の全レニン濃度-血漿レニン濃度によって算出することができる。血漿中の全レニン濃度は、血漿中のレニン及びトリプシンによって活性化したプロレニンによるレニン酵素活性(アンジオテンシンI生成量に基づく)によって得ることができる。血漿中のレニン濃度は、血漿中のレニン及びオープン構造のプロレニンによるレニン酵素活性(アンジオテンシンI生成量に基づく)によって得ることができる(既述のClin Chem 2009等)。

【0027】
また、プロレニン自体は、免疫測定法によっても測定できる。免疫測定法としては、特に限定しないが、ELISA法等が挙げられる。免疫測定法による場合、プロレニンを測定するための試薬として、プロレニン特異的抗体を用いることができる(特開平10-279600号公報)。こうした抗体は、また、商業的に入手できる(Prorenine Elisa Assey kit、Innovative Research Inc.)。免疫測定法における、他の試薬や最終的な検出法に用いる試薬などは、当業者において周知であって、当業者であれば、抗体を入手できれば適宜血漿プロレニンを測定することができる。

【0028】
測定工程は、血漿プロレニンを定量的に測定する。すなわち、所定量の血漿に対するプロレニン量として求める。血漿プロレニンの定量は、酵素活性による場合であっても免疫測定法による場合であっても、当業者であれば適宜条件を設定し、血症プロレニンを測定することができる。なお、血漿は、公知の方法で血液から調製される。プロレニンを測定できる公知の方法を適用すれば、全血試料から血漿を調製し、あるいは採取した血漿から、血漿プロレニンを測定することができる。

【0029】
本検査方法によれば、得られた血漿プロレニン量やその変化に基づいて冠動脈疾患の早期発見、冠動脈狭窄状態の検出、すなわち、冠動脈の狭窄状態の進行又は改善程度、冠動脈疾患のモニタリングが可能となる。本測定方法は、簡易にかつ速やかに実施できるため、設備や場所を問わず、冠動脈疾患の検出、ひいては冠動脈疾患に対する対策が可能となる。

【0030】
(評価工程)
本検査方法は、さらに評価工程を備えることができる。評価工程を実施することにより、より高い確度で冠動脈疾患の診断の基礎を得ることができる。評価工程は、血漿プロレニン量と予め設定された閾値とを対比する評価工程とすることが好ましい。設定した閾値と対比することで、精度の高い診断基礎を得ることができる。

【0031】
閾値は、冠動脈疾患の確定診断が得られた患者から採取した試料(血液又は血漿)に関して、血漿プロレニン量を測定することにより得ることができる。冠動脈疾患の確定診断は、例えば、心筋シンチグラフィー、冠動脈CT、心臓カテーテル検査など、既に確立された診断方法によって取得することができる。

【0032】
また、冠動脈疾患としては、既に説明したように、冠動脈造影による狭窄の程度に応じて血漿プロレニン量の閾値を設定することが好ましい。例えば、冠動脈造影による確定診断により得られた有意な狭窄(概して75%以上の狭窄)応じた閾値を設定することができる。例えば、70%以上の狭窄に基づいて閾値を設定してもよい。また、75%以上の狭窄に基づいて閾値を設定してもよい。80%以上の狭窄に基づいて閾値を設定してもよい。さらに、85%以上の狭窄に基づいて閾値を設定してもよい。さらには、90%以上の狭窄に基づいて閾値を設定してもよい。好ましくは、有意な狭窄のうち最も低い75%の狭窄に基づいて閾値を設定する。75%の狭窄は、治療を要する段階であるほか、未だ自覚症状がない場合もある段階であり、冠動脈疾患の検査による発見が有意義な段階であるからである。なお、閾値は、陽性的中率等に基づいて設定することができる。

【0033】
後述の実施例で示すが、例えば、こうした血漿プロレニン量の閾値としては、1000pg/mlとすることができる。当該閾値以上あるいは超えるとき、狭窄が75%以上の冠動脈疾患であることが多い。この場合、概して陽性的中率は80%以上とすることができる。より好ましくは1100pg/mlを閾値とする。当該閾値以上あるいは超えるとき、狭窄が75%以上の冠動脈疾患である陽性的中率は概して90%以上である。

【0034】
(検査キット)
本明細書に開示される検査キットは、冠動脈疾患の検査キットである。本検査キットは、プロレニンを測定する1又は2以上の試薬を備えることができる。プロレニンを測定する試薬は、測定方法に応じて適宜当業者であれば選択することができる。酵素活性法による場合には、レニンの基質となるアンジオテンシノーゲン等であり、免疫測定法による場合には、抗プロレニン抗体等が挙げられる。
【実施例】
【0035】
以下、本明細書の開示に関し具体例を挙げて説明するが、本明細書の開示はこれに限定するものではない。
【実施例】
【0036】
胸痛又は胸部不快感を訴えて冠動脈疾患の確定診断のために冠動脈造影を行った患者のうち、直近3ヶ月内において不定期な狭心症又は心筋梗塞の発症した患者、重度心不全(NYHA:IV及び/又は左心室駆出分画率が30%以下)を除外した85人の患者群を対象として、血漿プロレニン及びその他の生化学項目について検査を行った。また、血行動態についても検査を行った冠動脈造影上冠動脈に75%以上狭窄があるとき、冠動脈疾患として診断し、非冠動脈疾患群(Non-CAD group、26人)と冠動脈疾患群(CAD group、59人)とに分けた。患者群の概要を表1に示す。なお、患者のうち、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEIs)又はアンジオテンシンII受容体阻害剤(ARBs)の経口投与者が24人、カルシウムチャネル阻害剤の経口投与者が30人、β阻害剤の経口投与者が12人であった。
【実施例】
【0037】
【表1】
JP2015031590A_000002t.gif
【実施例】
【0038】
なお、血漿プロレニン及びレニンの測定については、以下のとおり行った。採血は、心カテーテル当日の絶食状態の朝食前において肘正中静脈から行った。血液は、直ちに氷上に載置し、4℃、3000gで10分間遠心し、その後、速やかに-80℃で分析まで保存した。血漿プロレニンは、ELISAキット(LINCO Research Inc., USA)を用いて行った。血漿BNPは、免疫放射定量測定法によって測定した(Shinoria BNP RIAキット;Shionogi、日本)。また、HbAlc、総コレステロール、LDL-コレステロール、HDL-コレステロール及び推算糸球体ろ過率(eGFR)についても常法にて測定した。
【実施例】
【0039】
86人の患者群についての結果を表1及び表2に示す。冠動脈疾患群において血漿プロレニン濃度1100pg/mlをカットオフ値として分類した検査結果を表3に示し、血漿プロレニン濃度と非冠動脈疾患群と冠動脈疾患群とについて血漿プロレニン濃度のブロットを図1に示す。
【実施例】
【0040】
【表2】
JP2015031590A_000003t.gif
【実施例】
【0041】
【表3】
JP2015031590A_000004t.gif
【実施例】
【0042】
表1に示すように、血行動態については、高脂血症及び左心室駆出分画率は非冠動脈疾患群と冠動脈疾患群において有意差(P値=0.001)があった。また、表2に示すように、血漿プロレニン濃度に関し、非冠動脈疾患群と冠動脈疾患群において有意差はなかった。また、血漿レニン活性についても同様に非冠動脈疾患群と冠動脈疾患群において有意差はなかった。
【実施例】
【0043】
なお、全患者群を通じて、血漿プロレニン濃度は、レニン濃度については弱い相関があり(r=0.35、p=0.001)、またレニン活性とも弱い相関があった(r=0.34、p=0.001)。しかしながら、プロレニンとアルドステロン、脳性ナトリウム利尿ペプチド、左心室駆出分画率及び推算糸球体ろ過率との間には相関は認められなかった。
【実施例】
【0044】
一方、表3に示すように、血漿プロレニン濃度1100pg/mlをカットオフ値として、冠動脈疾患群を分類すると、血漿プロレニン濃度及び血漿レニン濃度について有意差があった。また、図1に示すように、血漿プロレニン濃度が高くになるにつれ、冠動脈疾患群の比率が増大した。
【実施例】
【0045】
また、血漿プロレニン濃度が1100pg/ml以上の場合、陽性的中率が94%となり(15人/16人)、陰性的中率が36%であった。なお、血漿レニン活性を0.8ng/ml/hrをカットオフ値としたところ、陽性的中率は82%であり、陰性的中率が35%であった。
【実施例】
【0046】
以上のことから、血漿プロレニン濃度により、冠動脈疾患の早期発見が可能であるとともに、血漿プロレニン濃度が冠動脈疾患へ進行程度や冠動脈疾患の改善程度の指標になることがから、血漿プロレニン濃度のモニタリングが、冠動脈疾患の早期発見、予防及び治療に有効であることがわかった。
図面
【図1】
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