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明細書 :切開具

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5821108号 (P5821108)
公開番号 特開2013-158405 (P2013-158405A)
登録日 平成27年10月16日(2015.10.16)
発行日 平成27年11月24日(2015.11.24)
公開日 平成25年8月19日(2013.8.19)
発明の名称または考案の名称 切開具
国際特許分類 A61B  17/32        (2006.01)
FI A61B 17/32 330
請求項の数または発明の数 3
全頁数 10
出願番号 特願2012-021083 (P2012-021083)
出願日 平成24年2月2日(2012.2.2)
審査請求日 平成26年6月10日(2014.6.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
発明者または考案者 【氏名】吉福 孝介
個別代理人の代理人 【識別番号】100067356、【弁理士】、【氏名又は名称】下田 容一郎
【識別番号】100160004、【弁理士】、【氏名又は名称】下田 憲雅
【識別番号】100120558、【弁理士】、【氏名又は名称】住吉 勝彦
【識別番号】100148909、【弁理士】、【氏名又は名称】瀧澤 匡則
【識別番号】100161355、【弁理士】、【氏名又は名称】野崎 俊剛
審査官 【審査官】森林 宏和
参考文献・文献 米国特許第05620456(US,A)
特開平11-299799(JP,A)
特開2005-204998(JP,A)
特表2010-533036(JP,A)
米国特許出願公開第2003/0130693(US,A1)
特開2004-097624(JP,A)
米国特許出願公開第2011/0306967(US,A1)
特開2009-112757(JP,A)
特開2000-201939(JP,A)
調査した分野 A61B 13/00 - 18/28
特許請求の範囲 【請求項1】
内視鏡とともに使用する切開具であって、
可撓性を有する鞘管と、この鞘管の基端部に設けられた操作部と、前記鞘管の先端部に設けられ、鋏状に開閉する一対の開閉部材からなる切開部と、前記切開部の開閉機構と、前記操作部と前記開閉機構とを繋ぎ、操作部の操作で開閉機構を開閉操作する操作ワイヤとからなり、
前記開閉部材の各々は鋏の半体状をなし、基部でピンにより開閉自在に枢着され、各開閉部材は先端部が尖っており、鋏の半体状をなす開閉部材の峰部に相当する外側縁の外端縁のみに先鋭な刃部が峰部の長さ方向に形成され、
前記刃部は各開閉部材の先端部から枢着部の直前にかけて直線状に形成されおり、
前記一対の開閉部材は、全閉状態で先が尖った錐状をなし、
全開状態では開いた開閉部材が水平に近い状態である、
ことを特徴とする切開具。
【請求項2】
前記切開部(30)の先端部から上流方向の所定の部位に、切開部の生体組織への刺入深度を判別する目盛り(42)を設けたことを特徴とする請求項1記載の切開具。
【請求項3】
前記全閉状態の切開部(30)を着脱自在な立体錐形のキャップ(40)で覆ったことを特徴とする請求項2記載の切開具。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡下外科手術に使用する切開具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内視鏡下外科手術に使用し、組織を把持したり、切開するための鋏鉗子は、従来から知られている(特許文献1(図2)参照。)。
【0003】
特許文献1の鋏鉗子は、内視鏡下において、生体組織を剪断するものであり、鋏と同様に向かい合って内側縁に切刃を備える一対の作用部材を備え、開閉動作において、閉じる作動で生体組織を剪断するものである。
図10は、特許文献1の鋏鉗子により生体組織を切開する状態を説明する図である。
鋏鉗子100は、開閉動する作用部材101,102は、鋏と同様に向かい合う内側縁に切刃101a,102aを備える。
例えば、鋏鉗子100を生体組織103の表面に開いた状態で臨ませ、生体組織103の表面で作用部材101,102を鋏のように開き、矢印のように閉じ、切刃101a,102aで生体組織103を切り開く。
【0004】
特許文献1の鋏鉗子では、生体組織103表面から作用部材101,102を開いた状態で臨ませ、閉じ、開閉作用を反復し、当該箇所を鋏を開閉する要領で、生体組織を少しづつ切開し、当該箇所の切開を複数回反復して所定の面積を切開する必要があるため、切開に要する時間が長くなり、患者への負担が大きくなる。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開平11-299799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、内視鏡下の外科手術において、従来の鋏鉗子による当該箇所の複数化に亘る鋏作用による切開、これを複数回反復して切開時間が長くなり、患者への負担が大きくならざるを得ない切開を軽減し、最少回の切開操作で所望の切開を行うことができ、患者への負担を軽減し得るようにした切開具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、内視鏡とともに使用する切開具であって、可撓性を有する鞘管と、この鞘管の基端部に設けられた操作部と、鞘管の先端部に設けられ、鋏状に開閉する一対の開閉部材からなる切開部と、切開部の開閉機構と、操作部と開閉機構とを繋ぎ、操作部の操作で開閉機構を開閉操作する操作ワイヤとからなり、開閉部材の各々は鋏の半体状をなし、基部でピンにより開閉自在に枢着され、各開閉部材は先端部が尖っており、鋏の半体状をなす開閉部材の峰部に相当する外側縁の外端縁のみに先鋭な刃部が峰部の長さ方向に形成され、刃部は各開閉部材の先端部から枢着部の直前にかけて直線状に形成されおり、一対の開閉部材は、全閉状態で先が尖った錐状をなし、全開状態では開いた開閉部材が水平に近い状態であることを特徴とする。
【0008】
切開部は外側に刃部を備えることとなり、操作部を掴んで閉じた状態の切開部を生体組織に刺入することができ、所定量刺入後、操作部を操作して切開部を拡開し、爾後、切開部を引き抜くことで、生体組織の当該箇所は拡開した切開部の幅で切開されることとなる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1において、切開部の先端部から上流方向の所定の部位に、切開部の生体組織への刺入深度を判別する目盛りを設けたことを特徴とする。
目盛りを目視することで、切開部の先端部が、生体組織の切開箇所の表面からどのくらい刺入したのかが判別することが可能となる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1において、全閉状態の切開部を着脱自在な立体錐形のキャップで覆ったことを特徴とする。
外側に刃部を有し、先が尖った状態の切開部をキャップで覆って内視鏡の管腔内に挿入し、進行させる。キャップで覆っているので、切開部で内視鏡の管腔の内壁を傷つけることがない。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に係る発明では、内視鏡とともに使用する切開具であって、可撓性を有する鞘管と、この鞘管の基端部に設けられた操作部と、鞘管の先端部に設けられ、鋏状に開閉する一対の開閉部材からなる切開部と、切開部の開閉機構と、操作部と開閉機構とを繋ぎ、操作部の操作で開閉機構を開閉操作する操作ワイヤとからなり、開閉部材の各々は鋏の半体状をなし、基部でピンにより開閉自在に枢着され、各開閉部材は先端部が尖っており、鋏の半体状をなす開閉部材の峰部に相当する外側縁の外端縁のみに先鋭な刃部が峰部の長さ方向に形成され、刃部は各開閉部材の先端部から枢着部の直前にかけて直線状に形成されおり、一対の開閉部材は、全閉状態で先が尖った錐状をなし、全開状態では開いた開閉部材が水平に近い状態であるので、切開部を閉じた全閉状態では、先端が錐状の閉じた鋏と同じで、且つ外側の刃を有することとなり、生体組織の表面から組織内部に切開部を刺入し、所定量刺入後、切開部を拡開して全開状態として水平に近い状態とし、水平に近い状態となる刃部が引き抜く側に形成されていることとなり、引き抜き側の周囲を切開し、爾後、切開部を引き抜くこと、生体組織の当該箇所は、拡開した切開部の幅に亘り切開されることとなる。
本発明では、生体組織の切開に際し、切開部の刺入、拡開による周辺部の剪断、引き抜きによる切開部の幅一杯の切開がなされる。
従って、切開に要する時間を短縮することが可能となり、患者への負担を軽減することができる。
【0013】
また本発明では、切開部は外側に刃部を有し、閉じた全閉状態で先が尖った錐状の状態なので、切開部を生体組織に円滑に刺入することができ、迅速、円滑に生体組織の切開を行うことができる。
【0014】
本発明の請求項2に係る発明では、請求項1又は請求項2の効果に加えるに、切開部の先端部から上流方向の所定の部位に、切開部の生体組織への刺入深度を判別する目盛りを設けたので、切開具を使用した内視鏡下の手術において、切開具の切開部の生体組織への刺入深度、即ち切刃の刺入深度の判別が容易に可能になる。
また、目盛りを間隔を開けて複数設け、それぞれを異なる色に着色することで、刺入深度の注意を喚起し、また、これにより一目で刺入深度が判別可能となる。
【0015】
本発明の請求項3に係る発明では、請求項1~請求項3いずれか1項の効果に加えるに、先が尖った状態の切開部をキャップで覆っているので、内視鏡の管腔内に挿入し、進行させるに際し、覆ったキャップにより、切開部で内視鏡の管腔内壁を傷つけることがない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る切開具の全体を示す説明図である。
【図2】操作部の拡大断面図である。
【図3】切開部の拡大正面図で、閉じた状態を示す図である。
【図4】切開部の分解図である。
【図5】切開部の断面図で、閉じた状態を示す図である。
【図6】切開部の開いた状態の正面図である。
【図7】切開部の開いた状態の断面図である。
【図8】切開部を覆うキャップの説明図で、(a)はキャップ装着状態の断面図、(b)は内視鏡の管腔内を通る状態の説明図、(c)は内視鏡の管腔を通過後にキャップを取り外す説明図、(d)はキャップ未装着による課題指摘の説明図である。
【図9】本発明に係る切開具による切開の説明図で、(a)は生体組織への切開具の刺入状態の図、(b)は切開部の拡開による周辺部の切開の図、(c)は切開部の引き抜きによる組織の拡開切開の図である。
【図10】従来の鋏鉗子による生体組織の切開の説明図で、課題解決を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。

【0018】
図1は、本発明に係る切開具1の全体を示す説明図であり、切開具1は、基端部の操作部10、鞘管20、切開部30からなる。
操作部10は図2に示す通りである。操作部10は、11はガイド筒で可撓性部材からなり、その外周の一部に内外周を貫通する長孔12が軸方向に延びるように穿設されている。
ガイド筒11の基端部11aには、親指F1を挿入する操作環13の基部13aが圧入等して固着されている。

【0019】
前記ガイド筒11外周には、凹筒状のスライド駒14を摺動自在に嵌合し、スライド駒14は軸方向両端部にストッパとなるフランジ部14a,14bを有し、フランジ部14a,14b間の中間部14cは若干長さのある指掛け部15とし、例えば、人差し指F2、薬指F3を掛けるものである。
スライド駒14の内周14dの一部には、前記ガイド筒11の長孔12に嵌合し、ガイド筒11の内周に突出する係合部16を有する。スライド駒14は、係合部16が長孔12に係合することで回り止めを兼ね、長孔12に案内されてガイド筒11に対し軸方向に摺動する。

【0020】
前記スライド駒14の係合部16に、鞘管(図1。符号20)内に挿入され、その内部を通る可撓性の操作ワイヤ21の基端部(図1。符号21a)を止め具22で結合する。
ガイド筒11の先端部11bに、可撓性のチューブで構成される鞘管20の基端部20aを圧入等して結合する。

【0021】
図2において、親指F1を操作環13に挿入し、スライド駒14の指掛け部15に、例えば、人差し指F2、薬指F3を掛け、スライド駒14を親指F1を基準にして矢印Aのように引く。つまりは、手を握ると、操作ワイヤ21は鞘管20内で矢印Aの方向に引張られ、後述する切開部30が閉じる。
また、親指F1を基準にして、スライド駒14を矢印B方向に摺動させること、つまりは手を開く方向に操作すると、切開部30は開く。

【0022】
図3~図5に基づいて切開部30を説明する。図3は、切開部の拡大正面図で、閉じた状態を示し、図4は、切開部の分解図であり、図5は、切開部の断面図で、閉じた状態を示す図である。
図4において、21は操作ワイヤで、操作ワイヤ21の先端部21bを、担体23に連結する。担体23の二股状の先端部23aには、2枚の細長片状のリンク31,32の基端部をピン33で枢着する。
各リンク31,32の各先端部には、取付孔31a,32aが設けられている。

【0023】
34,35は切開部の主要部を構成する一対の開閉部材である。
実施の形態では、鋏の半体状をなし、先端部34a,35aが尖っており、基部34b,35bに設けた枢着孔34c,35c方向に順次幅が広くなり、枢着孔34c,35cを設けた基部34b,35bの部分が最も幅広である。枢着孔34c,35cから先の延長基端部34d,35dに取付孔34e,35eを有する。

【0024】
上記した開閉部材34,35の外側縁には、先端部34a,35aから枢着孔34c、35cの直前の下流部にかけて尖鋭な刃部34f,35fを形成する。
従って、通常の鋏鉗子、或いは鋏のように噛み合わせる内側縁に刃部を有しない。峰部に相当する部分を幅が外側縁に狭まり、外端縁が尖鋭な刃部34f,35fを構成する。

【0025】
38は保持部材であり、実施の形態では紙面表裏方向に前後に2分割した半体38A,38Bからなる。
各半体38A,38Bは、半割筒状の基部38a,38aと、外周に係止突起を有する筍継手部38b,38bと、厚手の板状体であって、基部38a,38aから図の下方に延出された長い先部38d、38dからなる。
基部38a、38aの底部には、半体38A,38Bを接合することで丸孔を形成する半円孔部38c,38cが設けられており、また、先部38d、38dの先端部は半円形で、この部分に枢着孔38e,38eが設けられている。

【0026】
以上において、開閉部材34,35の基部34b、35b相互を交叉するように重ね合わせ、また、保持部材38の半体38A,38Bを重ね合わせ、開閉部材34,35の枢着孔34c,35cを、重ね合わせた先部38d,38d下端部の枢着孔38e,36eに臨ませ、ピン37で枢着する。これにより、重ね合わせた半体38A,38Bからなる保持部材38の下端部に開閉部材34,35は枢着される。
一方、開閉部材34,35の延長基端部34d,35dに設けた取付孔34e,35eは、リンク31,32の各先端部に設けた取付孔31a,32aにピン36,36を介して枢着する。
開閉部材34,35は全閉状態でリンク31,32も閉じており、接合した環状の基部38a,38aの底部に形成された半円孔部38c,38cで形成された丸孔に担体23を摺動可能に挿入し、これに先立ち、筍継手部38b,38bの接合で形成される筒状の筍継手部分に操作ワイヤ21を囲繞する鞘管21の先端部20bを嵌合被着する。

【0027】
以上により切開部30を構成する。
図3、図5では、閉じた状態を示している。図5の断面図のように、リンク31,32、開閉部材34,35、ピン33,36,36,37で、リンク機構からなる切開部30の開閉機構39を構成する。

【0028】
図6は、切開部を開いた状態の正面図、図7は、切開部を開いた状態の断面図である。
図2で説明したように、親指F1を操作環13に挿入し、スライド駒14の指掛け部15に例えば、人差し指F2、薬指F3を掛け、スライド駒14を親指F1を基準にして図2の矢印A・B方向に操作することで、操作ワイヤ21は鞘管20内で矢印A・B方向に移動し、リンク機構39を介して開閉部材34,35は開閉し、図6、図7のでは開いた状態を示した。
これにより、切開部30は開いた状態となり、開いた開閉部材34,35は、鋏の峰に当たる部分、つまりは、開いた外側縁が刃部34f,35fとなる。

【0029】
図8は、切開部を覆うキャップの説明図である。
切開具1は、切開部30を先にして内視鏡のチューブ2内を通す際、切開部30の先端部が34a,35aが尖っている。操作ワイヤ21を内装する鞘管20は可撓性チューブであり、チューブ2も可撓性を有し、図8の(d)のように、チューブ2内で切開具1は曲がって進む虞があり、切開部30の尖鋭な先端部がチューブ2の内壁に接触し、内壁を傷つける。
また、開閉部材34,35は、外側縁に刃部34f,35fを有するので、この部分がチューブ2の内壁に触れる虞があり、これによって内壁を傷つける虞がある。

【0030】
そこで、尖鋭な先端部34a,35aに、図8の(a)のように、立体錐形のキャップ40を被着し、チューブ2内を通す。チューブ2内を進行する切開部30は、可撓性の鞘管20により、また、可撓性のチューブ2内で姿勢が曲がった際、切開部30の先端の切っ先部(先端部)34a,35aがチューブ2の内壁に触れたとしても、キャップ40が被着されているので、切っ先(先端部)34a,35aが直接チューブ2の内壁に触れることが無く内壁を保護する。
図8の(b)ようにチューブ2から切開部30が露出した後、図8の(c)のようにキャップ40を取り外す。

【0031】
図9は、本発明に係る切開具による生体組織の切開を示す説明図であり、(a)は生体組織への切開具の切開部の刺入状態の図、(b)は切開部の拡開による周辺部の切開の図、(c)は切開部の引き抜きによる組織の拡開切開の図である。
切開具1は、切開部30が開閉部材34,35を閉じた状態にあって、図3、図5のように先端部34a,35aが尖った錐状をなす。
この状態下で、生体組織50の切開箇所51表面に臨ませ、押し込む。切開部30は、上記したように閉じた状態で先端部34a,35aが尖った錐状であり、生体組織50の当該箇所51の表面から当該組織内に容易に刺入される。

【0032】
切開部30の押し込み、刺入を継続することで、V形の切開部30の外側縁は刃部34f,35fが形成されているので組織を容易に切開して奥に進行し、図9の(a)のように例えば摘出すべき浮腫等の切開箇所51に達する。
次に操作部10を拡開操作する。これにより、開閉部材34,35を拡開する。この状態は図6、図7に示した通りである。この状態を図9の(b)で示した。
爾後、切開具1を引き抜く方向に移動し、これにより拡開した切開部30は、開いた開閉部材34,35の外側、従って引き抜く側の刃部34f,35fが形成されているので、切開箇所51、その表面を含む部分を剪断し、切開箇所51を覆っていた表面を剪断する。
剪断箇所は、拡開した開閉部材34,35の幅となる。

【0033】
以上において、開閉部材34,35の切刃を構成する刃部34f、35fの長さは、3mm未満では十分な排膿が得られず、一方、10mm超では切開創が大きくなり、出血の危険性が高まるため、3mm~10mmであり、十分な排膿が得られ、且つ出血の合併が少ないようにするために、好ましくは5mm~7mmである。
また、刃部34f、35fを含む開閉部34,35(切刃)の材質は、防錆性に優れたものが好ましく、例えばステンレス鋼で形成する。
尚、刃部を含んで切開部を構成する開閉部34,35であるが、取り外しが可能とし、使い捨てタイプとすることも可能である。この場合は、ピン36,36,37をビス構造とすることで、切刃を構成する開閉部材34,35を、図4に示した通り組付、分解可能とすることで、使用後の開閉部材34,35を新規なものと交換することができる。

【0034】
また、以上の切開具1であるが、図3に示すように、切開部30に刺入深度の目安となる目盛りを設ける。
これにより、刃部34f,35fの先端部34a,35aが、生体組織50の切開箇所51の表面からのどのくらい刺入したのかが判別することが可能となる。
例えば、図3において、保持部材38周に目盛りa,bを設ける。
保持部材38周の下位の目盛り41は、先端34a,35aから当該目盛り41までの長さaを10mmとし、保持部材38周の上位の目盛り42までの長さbを、目盛り41から更に10mm上方とし、先端34a,35aから上位の目盛り42までの長さを20mmとした。
上記した目盛り41,42は着色することが好ましい。例えば、下位の目盛り41を黄色に着色し、上位の目盛り42は赤色に着色し、これにより刺入深度の注意を喚起し、また、これにより一目で刺入深度が判別可能となる。
これにより、本発明に係る切開具1を使用した内視鏡下の手術において、切開具1の切開部30の生体組織50への刺入深度、即ち切刃の刺入深度の判別が容易に可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、内視鏡下の手術に利用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1…切開具、 10…操作部、 20…鞘管、 20a…鞘管の基端部、 21…操作ワイヤ、 30…切開部、 34,35…開閉部材、 34a,35a…尖った先の部分(先端部)、 34f,35f…刃部、 39…開閉機構、 40…キャップ、 41,42…目盛り。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9