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明細書 :AZO成膜用ターゲットおよびその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2013-170302 (P2013-170302A)
公開日 平成25年9月2日(2013.9.2)
発明の名称または考案の名称 AZO成膜用ターゲットおよびその製造方法
国際特許分類 C23C  14/34        (2006.01)
C04B  35/453       (2006.01)
H01B  13/00        (2006.01)
FI C23C 14/34 A
C04B 35/00 P
H01B 13/00 503B
請求項の数または発明の数 3
出願形態 OL
全頁数 5
出願番号 特願2012-035761 (P2012-035761)
出願日 平成24年2月22日(2012.2.22)
発明者または考案者 【氏名】北川 裕之
【氏名】山田 容士
【氏名】久保 衆伍
出願人 【識別番号】504155293
【氏名又は名称】国立大学法人島根大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100116861、【弁理士】、【氏名又は名称】田邊 義博
審査請求 未請求
テーマコード 4G030
4K029
5G323
Fターム 4G030AA32
4G030AA36
4G030AA63
4G030BA02
4G030BA15
4G030GA23
4G030GA24
4G030GA29
4K029AA09
4K029AA24
4K029BA49
4K029BC09
4K029CA05
4K029DC05
4K029DC09
4K029DC35
4K029DC39
5G323BA02
5G323BB05
要約 【課題】マグネトロンスパッタリングにおいてエロージョンを低減するターゲットおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 マグネトロンスパッタリングによりAZOを成膜するためのターゲットであって、ZnO粉末とAl粉末を、ZnO-xmol%Al(2≦x≦7)となるように混合して非酸化性雰囲気で加圧焼結したことを特徴とするターゲットである。また、マグネトロンスパッタリングによりAZOを成膜するためのターゲットの製造方法であって、ZnO粉末とAl粉末を、ZnO-xmol%Al(2≦x≦7)となるように混合し、次いで非酸化性雰囲気で上記混合粉末を加圧焼結することを特徴とするターゲット製造方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
マグネトロンスパッタリングによりAZOを成膜するためのターゲットであって、
ZnO粉末とAl粉末を、ZnO-xmol%Al(2≦x≦7)となるように混合して非酸化性雰囲気で加圧焼結したことを特徴とするターゲット。
【請求項2】
マグネトロンスパッタリングによりAZOを成膜するためのターゲットの製造方法であって、
ZnO粉末とAl粉末を、ZnO-xmol%Al(2≦x≦7)となるように混合し、
次いで非酸化性雰囲気で上記混合粉末を加圧焼結することを特徴とするターゲット製造方法。
【請求項3】
焼結がパルス通電焼結によることを特徴とする請求項2に記載のターゲット製造方法。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、AZO成膜用ターゲットおよびその製造方法に関し、特に、マグネトロンスパッタによりAZO透明導電膜を成膜する際のエロージョンを低減するターゲットおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透明導電薄膜用材料としてITO(Sn-doped In)がよく用いられているが、Inがレアメタルであり、近年価格も高騰し、資源枯渇の懸念からも、ITO代替材料の研究が進んでいる。
【0003】
その有力な候補としてAZO(Al-doped ZnO)が挙げられ、電気抵抗率、耐熱性といった膜特性は実用レベルに達しつつある。
【0004】
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
AZOは、透明導電薄膜として工業的に製造する場合には、スパッタリング、特にマグネトロンスパッタリングにより成膜される。このとき、ターゲットには、ZnO粉末とAl粉末の混合物が用いられるが、このターゲットを用いると、エロージョンが生じるという問題点があった。
【0005】
すなわち、ターゲットに対向した基板上にAZOが成膜されていくが、マグネトロンスパッタリングの場合は、基板裏面側の印加磁場の影響により、基板中心から所定領域においてAZOの膜抵抗が一桁上昇してしまうという問題点があった。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開2012-017493号公報
【特許文献2】特開2007-238375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
すなわち、本発明は上記に鑑みてなされたものであって、マグネトロンスパッタリングにおいてエロージョンを低減するターゲットおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のターゲットは、マグネトロンスパッタリングによりAZOを成膜するためのターゲットであって、ZnO粉末とAl粉末を、ZnO-xmol%Al(2≦x≦7)となるように混合して非酸化性雰囲気で加圧焼結したことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載のターゲットの製造方法は、マグネトロンスパッタリングによりAZOを成膜するためのターゲットの製造方法であって、ZnO粉末とAl粉末を、ZnO-xmol%Al(2≦x≦7)となるように混合し、次いで非酸化性雰囲気で上記混合粉末を加圧焼結することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載のターゲット製造方法は、請求項2に記載のターゲット製造方法において、焼結がパルス通電焼結によることを特徴とする。
【0011】
ZnO-xmol%Alとは、ZnOのmol数:Alのmol数=(100-x):xであることを示す。xは、Alをドープして良好な導電性を持たせるために、好ましくは、3≦x≦6である。非酸化性雰囲気とは、Alが酸化しない雰囲気を意味し、例えば真空としたり、不活性ガス雰囲気とすることを意味する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、エロージョンの発生を著しく低減し、興業上実質的に均一な電気伝導度を有するAZO膜を基板上に成膜可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のターゲットを用いたAZO薄膜の抵抗率の基板位置依存性を測定した結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、酸化亜鉛粉末(レアメタリック社製:型番:Zn-27-20-0150:純度5N、粒径1~2μm)と金属アルミニウム粉末(レアメタリック社製:型番AL-60-70-0030:純度3N、粒径200mesh)を、ZnO-5mol%Alとなるように秤量して混合した。これを、真空中において900℃でパルス通電焼結し、ターゲットとした(以降適宜、本ターゲットと称する)。なお、ターゲットの大きさは、直径100mm×厚み4.5mmである。

【0015】
また、金属アルミニウム粉を添加せずに、酸化亜鉛粉末のみを用いて同様な条件でパルス通電焼結してターゲットを試作した(以降適宜、比較ターゲット1と称する)。

【0016】
本ターゲットの表面色は黒色であり、比較ターゲット1の表面色はダークブラウンであった。そこで、本ターゲットを濃度分析したところ、アルミニウムが酸化亜鉛を還元しており、一部金属亜鉛が析出していることを確認した。

【0017】
次に、本ターゲットを汎用のRFマグネトロンスパッタ装置(キャノンアネルバ社製:型番E-400s)にセットし、これに対峙させた室温のガラス基板上に、RF出力200Wでスパッタリングをおこない、AZO膜を作成した。なお、スパッタリングガスには純Arを用い、スパッタリングガス圧を1.0Paとした。

【0018】
比較例として、AZO成膜用によく使用されるAl粉末添加ターゲット(ZnO-2.56mol%Al:大気中にて非加圧焼結したもの)を用いて、同装置で同様にAZO膜を作成した。なお、用いたターゲット以降適宜比較ターゲット2と称する。

【0019】
図2に、得られたAZO薄膜の室温における抵抗率を基板位置の関数(基板中心からの距離)の関数として示した。図から明らかなように、エロージョン領域以外の場所では、両試料の差は有意には認められず、いずれも1×10-3Ωcm程度である。

【0020】
一方、比較ターゲット2によるAZOは、エロージョンが生じており、その領域では、抵抗率が10倍以上も上昇している。これに対し、本ターゲットによるAZOは、エロージョンがわずかに起こっている程度であり、その領域も境界が不明瞭である、という著しい結果が確認できた。

【0021】
すなわち、本発明の製造方法により得られるターゲットは、マグネトロンスパッタリングに用いるのに好適であって、低抵抗かつ成膜面の抵抗率分布の差を抑制したAZO膜を得ることができる。


図面
【図1】
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