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明細書 :気泡固定流路装置及びそれを用いた測定装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-058416 (P2015-058416A)
公開日 平成27年3月30日(2015.3.30)
発明の名称または考案の名称 気泡固定流路装置及びそれを用いた測定装置
国際特許分類 B01J  19/00        (2006.01)
G01N  21/64        (2006.01)
FI B01J 19/00 Z
G01N 21/64 F
請求項の数または発明の数 3
出願形態 OL
全頁数 5
出願番号 特願2013-195613 (P2013-195613)
出願日 平成25年9月20日(2013.9.20)
発明者または考案者 【氏名】北川 慎也
出願人 【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
審査請求 未請求
テーマコード 2G043
4G075
Fターム 2G043AA03
2G043CA04
2G043DA05
2G043EA01
4G075AA03
4G075AA13
4G075AA65
4G075BB10
4G075BD01
4G075BD13
4G075DA02
4G075EB50
4G075FA05
要約 【課題】水溶液中で発生させた気泡を用いる分離法の高性能化のため、気泡表面または気泡表面に存在する界面活性剤と、物質との相互作用を評価する手法を提供する。
【解決手段】気泡を流路内に固定した状態で流路内に試料を流すことで気泡表面、または、気泡表面に存在する界面活性剤と物質の相互作用を、比較的少量(数十mL以下)の試料溶液で評価可能とした。
【選択図】 図2
特許請求の範囲 【請求項1】
流路の流れ方向に垂直方向に形成された一つ以上の凹型構造を有する流路と、前記流路に対して溶液を流入する流入手段を有し、あらかじめ気体を満たした前記流路に対して前記溶液を流入した際に、凹型構造に気泡が残存し、前記溶液の流れに流されることなく気泡が固定されることを特徴とする気泡固定流路装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置と、
気泡表面に存在する物質を光学的に観測または計測するための装置とを有し、
気泡表面と物質の相互作用、または、気泡表面に存在する界面活性剤と物質の相互作用を評価する装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置と、
前記気泡固定流路の下流において、溶液内に含まれる物質を計測するための装置とを有し、
気泡表面と物質の相互作用、または、気泡表面に存在する界面活性剤と物質の相互作用を評価する装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡表面および気泡表面に存在する界面活性剤と、物質の相互作用の評価法に関するもので、気泡固定流路装置及びそれを用いた測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水溶液中で発生させた気泡を用いる分離法の高性能化のため、気泡表面および気泡表面に存在する界面活性剤と、物質との相互作用を評価する手法の開発が求められている。従来の評価法としては、気泡クロマトによる回収率・濃縮率評価や、界面活性剤を被覆したカラムを用いる液体クロマトブラフィー法が報告されている(特許文献1、非特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特許第4500910号公報
【0004】

【非特許文献1】”Selective recovery of gallium with continuous counter-current foam separation and its application to leaching solution of zinc refinery residues”, T. Kinoshita, Y. Ishigaki, N. Shibata, K. Yamaguchi, S. Akita, S.Kitagawa, H. Kondou, S. Nii, Separation and Purification Technology, 2011, 78, 181-188,
【非特許文献2】”Evaluation of interactions between metal ions and nonionic surfactants in high-concentration HCl using low-pressure high-performance liquid chromatography with low-flow-resistance polystyrene-based monolithic column”, T. Hirano, S. Kitagawa, H. Ohtani, T. Kinoshita, Y. Ishigaki, N. Shibata, S. Nii, Analytical Bioanalytical Chemistry, 2013, published online: 25 July 2013)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来法では、気泡クロマトにより実際に試料回収を行うことで、前記相互作用を評価することも可能であるが、(1)得られる結果は前記相互作用と気泡安定性の双方に依存することや(2)評価に必要な試料溶液量が多量であるなどの問題点がある。
当該問題点を解決するために、液体クロマトグラフィー用固定相に界面活性剤を被覆し、被覆された界面活性剤と回収対象物質の相互作用の評価が行われたが、この方法では、気泡表面に存在する界面活性剤と、液体クロマトグラフィー用固定相表面に被覆された界面活性剤は、存在状態が異なっている可能性がありため、その性質が同一であることが保証できない。そのため、気泡表面における相互作用と固定相表面における相互作用が同一であることは保証されない。
本発明は、上記点に鑑みて、気泡を流路内に固定した状態で流路内に試料を流すことで気泡表面、または、気泡表面に存在する界面活性剤と、物質の相互作用を、比較的少量(数十mL以下)の試料溶液で評価可能な測定装置および測定法の開発を行うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、流路の流れ方向に垂直方向に形成された一つ以上の凹型構造を有する流路と、前記流路に対して溶液を流入する流入手段を有し、あらかじめ気体を満たした前記流路に対して前記溶液を流入した際に、凹型構造に気泡が残存し、前記溶液の流れに流されることなく気泡が固定されることを特徴とする流路構造にある。
かかる特徴とすることにより、流路に溶液を送液するだけで固定された気泡を容易に得ることができる。気泡が固定されていない状態では、気泡は溶液の流れと共に押し流され流路から放出されてしまい、気泡表面、または、気泡表面に存在する界面活性剤と試料との相互作用を簡便に評価することが困難になる。気泡を固定することにより、気泡表面、または、気泡表面に存在する界面活性剤と試料との相互作用の簡便な評価が可能になる。
上記目的を達成するため、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の装置と、気泡表面に存在する物質を光学的に観測または計測するための装置とを有し、気泡表面と物質の相互作用、または、気泡表面に存在する界面活性剤と物質の相互作用を評価する装置にある。
上記目的を達成するため、請求項3に記載の発明は
請求項1または2に記載の装置と、前記気泡固定流路の下流において、溶液内に含まれる物質を計測するための装置とを有し、気泡表面と物質の相互作用、または、気泡表面に存在する界面活性剤と物質の相互作用を評価する装置にある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1実施形態における気泡を固定するための凹型構造を有する流路を示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態における気泡固定流路を用いた気泡表面に存在する物質の光学的計測装置の全体構成を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態における気泡固定流路を用いた流路下流の物質濃度変化計測装置の全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
(第1実施形態)
ポリエチレンテレフタレートシートを、図1に示す流路形状に切り出し、これをシャーレ上に接着し鋳型を作製した。鋳型上にポリジメチルシロキサンを塗布し熱硬化(70℃、2時間)させ、硬化したポリジメチルシロキサンをスライドガラスにプラズマ接着し、凹型構造を有する流路を作製した。
図1に示す凹型構造を有する流路を用いて、図2に示す気泡観測装置を構成した。スライドガラスに溶液の流入口、流出口を設け、さらに、キャピラリー管を流入口・流出口に接着した。調製した凹型構造を有する流路に、キャピラリー管を接着したスライドガラスをプラズマ接着した。また、入口側のキャピラリーは送液システムに接続した。
図2に示す、気泡観測装置に蒸留水を注入したところ、凹型構造部位に気泡が存在することが確認された。また、蛍光試料を含む溶液を気泡観測装置に流入したところ、気泡界面に蛍光物質が高濃度で存在することが確認された。また、蛍光試料と界面活性剤の双方を含む溶液を気泡観測装置に流入したところ、気泡表面に存在する蛍光物質の濃度が、蛍光試料単独を含む溶液を流入したときよりも高濃度であることが観測された。
図3に示す、物質濃度変化計測装置を用いて、界面活性剤を含む溶液を連続的に供給した気泡固定流路に、蛍光試料をパルス状に流入したところ、下流の吸光検出器において、蛍光物質の濃度の経時変化が観測された。
(他の実施形態)
上述した実施形態においては、ポリジメチルシロキサンおよびガラスを用いて流路を形成しているが、これ以外の材料(例えば、テフロン(登録商標)、ポリメタクリル酸メチルなど)で代用することもできる。
上述した実施形態においては、ポリエチレンテレフタレートシートを用いて鋳型を作製しているが、これ以外の材料(例えば、テフロン(登録商標)、ポリメタクリル酸メチルなど)で代用することもできる。
上述した実施形態においては、鋸歯状の凹型構造を用いているが、これ以外の形状(例えば、矩形、半円など)で代用することもできる。
上述した実施形態においては、凹型構造を流路形成時に構築しているが、あらかじめ凹型構造を有する材料をもちいて、凹型構造を有する流路を構築することで、代用することもできる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2