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明細書 :折りたたみ可能な立体構造物及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5910966号 (P5910966)
公開番号 特開2013-230820 (P2013-230820A)
登録日 平成28年4月8日(2016.4.8)
発行日 平成28年4月27日(2016.4.27)
公開日 平成25年11月14日(2013.11.14)
発明の名称または考案の名称 折りたたみ可能な立体構造物及びその製造方法
国際特許分類 B65D   5/00        (2006.01)
A63H  33/38        (2006.01)
FI B65D 5/00 Z
A63H 33/38 B
請求項の数または発明の数 4
全頁数 13
出願番号 特願2012-102510 (P2012-102510)
出願日 平成24年4月27日(2012.4.27)
審査請求日 平成27年3月26日(2015.3.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304021831
【氏名又は名称】国立大学法人 千葉大学
発明者または考案者 【氏名】伊藤 智義
【氏名】中山 弘敬
個別代理人の代理人 【識別番号】100121658、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 昌義
審査官 【審査官】山田 裕介
参考文献・文献 実開昭58-161826(JP,U)
米国特許第04682726(US,A)
実開昭55-120324(JP,U)
実開昭49-106420(JP,U)
特表平07-506907(JP,A)
特開2011-235041(JP,A)
特開2010-123007(JP,A)
特開2000-130688(JP,A)
特開2007-308994(JP,A)
調査した分野 B65D 5/00
A63H 33/38
特許請求の範囲 【請求項1】
立体モデルを貫通する基軸を設定し、
前記立体モデルと前記基軸が交差する近傍の軸点2点を定め、
前記軸点2点の間にn個の中間点を定め、
前記軸点2点のいずれかを通る一対の頂平面を定め、
前記n個の中間点のいずれかを通り、前記基軸に垂直なn個の第一平面を定め、
各々が前記基軸を含み互いに平行でないm個の第二平面を定め、
前記頂平面、前記第二平面及び前記立体モデルの交差点又はその近傍点である頂平面点を複数定め、
前記第一平面、前記第二平面及び前記立体モデルの交差点又はその近傍点である面上点を複数定め、
前記一の頂平面上のそれぞれの頂平面点を、他方の頂平面上のそれぞれの頂平面点と前記面上点を経由して結び、折りたたみ可能な立体構造物の構造モデルを定める方法
【請求項2】
前記n個の第一平面のいずれかを境界として前記構造モデルを2つに分割し、
前記2つの構造モデルを各々平面に展開する請求項1記載の方法
【請求項3】
前記一対の頂平面点及び前記面上点を経由する前記二つの軸点の間の距離の中間点が、前記境界となっている請求項2記載の方法
【請求項4】
前記第二平面に沿って、前記構造モデルを複数の帯部を有するよう分割し、平面に展開する請求項1記載の方法
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、折りたたみ可能な立体構造物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
組み立て前は平面であるが組み立てることで立体化し物を収納することのできる容器は、使用前は折りたたむことができてコンパクトで無駄な場所をとることがなく便利であり、段ボールを用いたペットボトル飲料の運搬や、厚紙を用いたケーキ等を入れる容器等、様々な分野に応用されている(例えば下記非特許文献1参照)。
【0003】
また、本を開くことにより、平面から瞬時に立体に展開する機構も、いわゆる飛び出す絵本等に応用されて人気がある(例えば下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】http://www.ekouhou.net/disp-b,3040392.html
【0005】

【特許文献1】特許第3761577号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記非特許文献1に記載の技術は、組み立てに複数の工程が必要となるため、一度立体に組み立ててしまうと平面に戻すことが容易でないといった課題がある。また、一般に単純な形状がほとんどであり、球体や卵型、回転楕円体等といった曲面体を形成することが困難であるといった課題がある。
【0007】
また上記特許文献1に記載の技術は、立体から平面への折りたたみが容易ではあるが、単純な平面の組み合わせに過ぎず、球体や卵型、回転楕円体等といった密封された立体を作り出すことが困難であるといった課題がある。
【0008】
そこで、本発明は、立体から平面への折りたたみが容易であって、球体や卵型、回転楕円体等といった密封された立体を作り出すことのできる折りたたみ可能な立体構造物の製造方法、その立体構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する一観点に係る折りたたみ可能な立体構造物の製造方法は、(A)立体モデルを貫通する基軸を設定し、(B)立体モデルと基軸とが交差する近傍の軸点2点を定め、(C)軸点2点の間にn個の中間点を定め、(D)軸点2点のいずれかを通る一対の頂平面を定め、(E)n個の中間点のいずれかを通り、基軸に垂直なn個の第一平面を定め、(F)各々が基軸を含み互いに平行でないm個の第二平面を定め、(G)頂平面、第二平面及び立体モデルの交差点又はその近傍点である頂平面点を複数定め、(H)第一平面、第二平面及び立体モデルの交差点又はその近傍点である面上点を複数定め、(I)一の頂平面上のそれぞれの頂平面点を、他方の頂平面上のそれぞれの頂平面点と面上点を経由して結び構造モデルを定める。
【0010】
また、上記課題を解決する第二の観点に係る立体構造物は、一対の頂平面部材と、一対の頂平面部材に付された帯部材と、を有する立体構造物であって、帯部材の各々には、隣接する他の帯部材に差し入れられる差入部が付され、頂平面部材及び帯部材を経由する一対の頂平面部材の引張中心間の距離の中間において折り曲げられている。
【0011】
上記課題を解決する一観点に係る冊子は、一対の頂平面部材と、一対の頂平面部材に付された帯部材と、を有し、帯部材の各々には、隣接する他の帯部材に差し入れられる差入部が付され、頂平面部材及び前記帯部材を経由する一対の頂平面部材の引張中心間の距離の中間において折り曲げられている立体構造物を、隣り合う二つのページの間に挟むとともに、二つのページそれぞれから前記引っ張り中心いずれかを接続しておき、二つのページを開いた場合、立体構造物が広げられ、二つのページを閉じた場合、立体構造物が折りおりたたまれるよう配置したものである。
【発明の効果】
【0012】
以上により本発明は、立体から平面への折りたたみが容易であって、球体や卵型、回転楕円体等といった密封された立体を作り出すことのできる折りたたみ可能な立体構造物の製造方法、その立体構造物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係る立体構造物の概略を示す図である。
【図2】実施形態に係る立体構造物の帯部材の概略を示す図である。
【図3】実施形態に係る立体構造物を折り畳んだ状態を示す図である。
【図4】実施形態に係る立体構造物の頂平面部材の他の一例を示す図である。
【図5】実施形態に係る立体構造物の頂平面部材の他の一例の活用状態を示す図である。
【図6】実施形態に係る立体構造物の試作品の一状態を示す写真図である。
【図7】実施形態に係る立体構造物の試作品の一状態を示す写真図である。
【図8】実施形態に係る立体構造物の製造方法のステップのイメージ図である。
【図9】実施形態に係る立体構造物の製造方法のステップのイメージ図である。
【図10】実施形態に係る立体構造物の製造方法のステップのイメージ図である。
【図11】実施形態に係る立体構造物の製造方法のステップのイメージ図である。
【図12】実施形態に係る立体構造物の製造方法のステップのイメージ図である。
【図13】実施形態に係る立体構造物の製造方法のステップのイメージ図である。
【図14】実施形態に係る立体構造物の製造方法のステップのイメージ図である。
【図15】実施形態に係る立体構造物の製造方法のステップのイメージ図である。
【図16】実施形態に係る立体構造物の製造方法のステップのイメージ図である。
【図17】実施形態に係る立体構造物の製造方法のステップのイメージ図である。
【図18】実施形態に係る立体構造物の製造方法のステップのイメージ図である。
【図19】実施形態に係る立体構造物の製造方法のステップのイメージ図である。
【図20】実施形態に係る立体構造物の帯部材の他の例の概略を示す図である。
【図21】実施形態に係る立体構造物の他の例を折り畳んだ状態を示す図である。

【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施形態に限定されるものではない。
【0015】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る立体構造物(以下「本構造物」という。)1の概略を示す図であり、図2は、本実施形態に係る立体構造物の帯部材3(一本の半分)の概略を示す図であり、図3は、本実施形態に係る立体構造粒を折り畳んだ状態の図(上面から見た場合の図)である。本図で示すように本構造物1は、一対の頂平面部材2と、一対の頂平面部材2に付された複数の帯部材3と、を有する立体構造物であって、帯部材3の各々には、隣接する他の帯部材3に差し入れられる差入部31が付され、頂平面部材2及び帯部材3を経由する一対の頂平面部材2の引張中心間の距離の中間Mにおいて折り曲げられている。また、本実施形態に係る頂平面部材2の引張中心にはつまみ部材21が付されている。
【0016】
本実施形態において、本構造物1は、頂平面部材2に付けされたつまみ部材21をつまんで引っ張り又は押し、一対の頂平面部材2を遠ざける又は近づけることで広げる又は折りたたむことができる。
【0017】
本実施形態に係る立体構造物において、一対の頂平面部材2は、立体構造物を広げる際、又は折りたたむ際に役立つ平面(頂平面)を有する部材であって、この一対の頂平面部材2の距離を離すように広げると立体構造物が膨らみ、近づけてくっつけると立体構造物を折りたたむことができる。なお、本明細書において、この一対の頂平面部材2を近づけるために押す軸の方向又は離すために引っ張る軸の方向を「引張方向」といい、原則として頂平面部材2の頂平面に対して略垂直な方向である。頂平面部材2の構造としては、限定されるわけではなく円形状、楕円形状等のであってもよいが、帯部材3の数に応じて三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形となっていることが好ましい。
【0018】
また、本実施形態に係る立体構造物において、一対の頂平面部材2の形状は同じであっても、異なっていても良い。例えば立体構造物が引張方向上下において対称な場合は同じであることが好ましく、例えば立体構造物が引張方向において非対称な場合には異ならせておくことが好ましい。なお、頂平面部材2の大きさは適宜調整可能であって、立体構造物の頂点が尖った形に近いほうが好ましい場合は小さく、立体構造物の頂点が平坦に近いものである場合は大きく設定することが好ましい。更に、少なくとも一方の頂平面部材2を大きくし、かつ内部部材22と周囲部材23に分割可能とすることで、例えば図4、図5の例で示すように、内部部材22上に収納物を配置し、立体構造物内に物を収納させるようにすることも可能となる。なお内部部材22と周囲部材23は、それぞれ組み合わされる爪部221、231を有し、これらを組み合わせて着脱が可能となる。
【0019】
また、本実施形態において頂平面部材2の材質としては、特に限定されるわけではないが、軽量で折りたたみやすくするため紙又はプラスチック等のシートで構成されていることが好ましいが、用途によっては金属のシートによっても可能である。
【0020】
またここで、本実施形態に係る頂平面部材2の引張中心にはつまみ部材21が形成されている。ここで「引張中心」とは、頂平面部材2上に設けられる点であって、一対の頂平面部材2間の距離を近づける又はくっつける力を加えることのできる位置にある点であれば特に限定されるものではないが、頂平面部材2に付される帯状部材3を撓みなく効率的に広げることができる位置にあることが好ましく、例えば正多角形である場合は重心位置である等、できる限り頂平面部材2の中央部にあることが好ましい。なお一対の頂平面部材2のそれぞれの引張中心は、引張方向に平行な一本の軸(引張軸)上にそれぞれ存在する。
【0021】
本実施形態においてつまみ部材21は、文字通り立体構造物をつまむために頂平面部材2に付されるものである。つまむことができる限りにおいて構造は限定されず、単なるタグであってもよい。これにより、使用者は立体構造物を簡便につまむことができるようになる。つまみ部材21の材質としては特に限定されず、頂平面部材2と同じものを採用することができる。
【0022】
また本実施形態において、頂平面部材2には、複数の帯部材3が付されている。本実施形態において帯部材3とは立体構造物の側面を形成する部材であり、形状は文字通り略帯状となっている。また本実施形態に係る帯部材3の両端は、上記のとおり一対の頂平面部材2にそれぞれ接続されており、一対の頂平面部材2の距離に応じて折りたたまれ、又は広げられる。なおここで「略帯状」とは、一方向に所定の幅をもって延びた状態であることを意味するが、必ずしも端も直線である必要はなく、例えば波上の曲線であってもよく(例えば図20、21参照)、また、幅も常に同じである必要はない。むしろ、頂平面部に近い側は細く、折りたたみ部分近傍では太くなっていることが立体構造物側面に不必要な隙間が発生してしまうことを防止する観点から好ましい。
【0023】
また本実施形態において帯部材3には、複数の折目32が形成されており、この折目に従って帯部材3は折り曲げられ、または伸ばされる。折目の数は、一つであれば特に限定されるものではないが、複数あればより細かい形状を実現できるため好ましい。
【0024】
また、本実施形態において帯部材3には、隣接する他の帯部材の立体構造物内側に差し入れられる差入部31が付されており、隣接する他の帯部材との位置関係を保持することができる。なおこの差入部31の構造は、限定されるわけではないが、例えば折目によって区分けされる部分毎に、差入部31が設けられる箇所と設けられていない箇所がそれぞれ交互に形成されていることも好ましい。
【0025】
また、本実施形態における立体構造物は、頂平面部材2上及び帯部材3上を経由する一対の頂平面部材2の引張中心間の距離の中間点に折目が付されており、この折目において折り曲げられている。このようにすることで、立体構造物を折りたたんだ際、中間点とそれぞれの引っ張り中心までの距離を同じくすることができ、帯部材及び頂平面部材のたわみを防止することができる。すなわち中間点は、立体構造物を折り畳まれて平面となる際、この折目と二つの引張中心それぞれとの間の距離が等しくなる点である。
【0026】
上記の構成により、本実施形態における立体構造物は、折りたたむ又は広げることができる。より具体的には、使用者は、一対のつまみ部材21をつまみ、頂平面部材2をつける方向に押し付けることで立体構造物をたたみ、開く方向に引っ張ることで立体構造物を広げることができる。
【0027】
以上、本実施形態にかかる立体構造物により、立体から平面への折りたたみが容易であって、球体や卵型、回転楕円体等といった密封された立体を作り出すことのできる折りたたみ可能な立体構造物となる。本実施形態にかかる立体構造物は、例えば開くと立体構造物が広がる絵本等の冊子や、ケーキ等の収納箱として応用が可能である。図6及び図7は、例えば立体構造物を絵本等の冊子として用いる場合の一例を実際に試作した場合の試作品の写真図である。なお図6は冊子を閉じた場合の例を、図7は冊子を開いた場合の例を示す。
【0028】
ここで、上記の折りたたみ可能な立体構造物の製造方法(以下「本方法」という。)について説明する。本方法は、(A)立体モデルを貫通する基軸を設定し、(B)立体モデルと基軸とが交差する近傍の軸点2点を定め、(C)軸点2点の間にn個の中間点を定め、(D)軸点2点のいずれかを通る一対の頂平面を定め、(E)n個の中間点のいずれかを通り、基軸に垂直なn個の第一平面を定め、(F)各々が基軸を含み互いに平行でないm個の第二平面を定め、(G)頂平面、第二平面及び立体モデルの交差点又はその近傍点である頂平面点を複数定め、(H)第一平面、第二平面及び立体モデルの交差点又はその近傍点である面上点を複数定め、(I)一の頂平面上のそれぞれの頂平面点を、他方の頂平面上のそれぞれの頂平面点と面上点を経由して結び、(J)n個の第一平面のいずれかを境界として構造モデルを2つに分割し、2つの構造モデルを各々平面に展開し、構造モデルを定める。
【0029】
本方法は、様々な方法によって行うことができるが、好ましい方法としては、いわゆるコンピュータを用い、コンピュータの記録媒体に本方法を実行するためのプログラムを格納し、プログラムを実行することで行うことである。すなわち、コンピュータに、(A)立体モデルを貫通する基軸を設定し、(B)立体モデルと基軸とが交差する近傍の軸点2点を定め、(C)軸点2点の間にn個の中間点を定め、(D)軸点2点のいずれかを通る一対の頂平面を定め、(E)n個の中間点のいずれかを通り、基軸に垂直なn個の第一平面を定め、(F)各々が基軸を含み互いに平行でないm個の第二平面を定め、(G)頂平面、第二平面及び立体モデルの交差点又はその近傍点である頂平面点を複数定め、(H)第一平面、第二平面及び立体モデルの交差点又はその近傍点である面上点を複数定め、(I)一の頂平面上のそれぞれの頂平面点を、他方の頂平面上のそれぞれの頂平面点と面上点を経由して結び構造モデルを定め、(J)n個の第一平面のいずれかを境界として構造モデルを2つに分割し、2つの構造モデルを各々平面に展開する、折りたたみ可能な立体構造物の製造をするためのプログラムとすることもできる。
【0030】
まず本方法では、(A)立体モデルA1を貫通する基軸A2を設定するステップを有する。ここで「立体モデル」とは、立体構造物の基礎となる実際の立体形状のモデルをいう。この立体形状は曲面を有するものであっても、単に平面の組み合わせによって形成されているものでもよく、形状に限定はない。本ステップはコンピュータプログラムによって実現される場合、立体モデルの詳細な三次元座標データとすることが好ましい。
【0031】
また本ステップでは、まず、この立体モデルA1を貫通する基軸A2を一本設定する。基軸A2の選び方は、立体モデルを貫くことができ、立体構造物を製造することができる限りにおいて特に限定されるわけではないが、もっとも対称性が高くなる軸を設定することが好ましい。この場合のイメージ図を例えば図8に示しておく。なお本図は、立体構造物の縦断面のイメージ図である。
【0032】
また本方法では、(B)立体モデルA1と基軸A2とが交差する近傍の軸点2点を定めるステップを有する。上記基軸A2を定めることで立体モデルA1と基軸A2とが交差する交差点B1を2つ求めることができる。これに基づき、この交差点B1近傍の点をそれぞれ軸点B2とする。
【0033】
軸点B2は、交差点B1そのものであっても良いが、本実施形態に係る立体構造物は頂平面を有するものであり、この頂平面と立体モデルとの交差に基づき様々な点を求めるため、限定されるわけではないが、交差点B1よりも立体モデルA1の内側、より具体的には一対の交差点B1よりもそれぞれ内側に配置されることが、立体構造物を立体モデルの形状に近づける観点から好ましい。この場合のイメージ図を図9に示しておく。なお本図は、立体構造物の縦断面のイメージ図である。
【0034】
また本方法では、(C)軸点2点の間にn個の中間点C1~Cnを定めるステップを有する。このn個の距離は等しい間隔で配置しても良いが、異ならせても良い。等しくしておくと製造上必要とされる計算が容易になるといった利点があり、異ならせることで、立体モデルA1の形状が複雑である場合に、より立体モデルA1の形状に近づけることができるようになるといった利点がある。ここでnは、1以上であれば特に限定されない。ただし、折り曲げやすくする観点から、二以上であることが好ましく、奇数であることは中間点がより明確となるため好ましい。この場合のイメージ図(nが5個の場合の例)を図10に示しておく。なお本図は、立体構造物の縦断面のイメージ図である。
【0035】
また本方法では、(D)軸点2点のいずれかを通る一対の頂平面D1、D2を定めるステップを有する。頂平面は、上下の軸点2点のおのおのに対して定められるため、平行な頂平面が2つ形成されることとなる。なおこの頂平面が、立体構造物における頂平面と同じ面となる。この場合の平面配置のイメージ図を図11、12に示しておく。なお図11は、斜視のイメージ図であり、図12は、縦断面図のイメージ図である。
【0036】
また本方法では、(E)n個の中間点のいずれかを通り、基軸A2に垂直なn個の第一平面E1~Enを定めるステップを有する。上記(D)、(E)の結果、基軸A2に垂直であり、かつ、互いに平行に配置された面がn+2個形成されることとなる。この場合のイメージ図を図13、14に示しておく。なお本図は、斜視のイメージ図である。なお図13は、斜視のイメージ図であり、図14は、縦断面図のイメージ図である。
【0037】
また本方法では、(F)各々が基軸A2を含み、互いに平行でないm個の第二平面を定めるステップを有する。この場合のイメージ図を図15、図16に示しておく。これらの図はmが6個の例を示し、図15は、斜視のイメージ図であり、図16は、第二平面F1~Fmを基軸A2の軸方向から見た場合の図のイメージ図である。これらの図で示すように、複数の第二平面は基軸A2を中心に放射線状に配置される。なおこのm個の第二平面のうち、近い平面同士が形成する角度は均一であってもよく、不均一であっても良い。均一とすれば立体構造物の製造を容易に行うことができるとともに立体構造物に加わる力を基軸周囲方向に均一にすることができるといった効果があり、不均一とすれば複雑な立体モデル形状であったとしてもこの形状にうまく合わせることができ再現性が高くなるといった利点がある。
【0038】
また本方法では、(G)頂平面、第二平面及び立体モデルの交差点又はその近傍点である頂平面点G1、G2を複数定めるステップを有する。このステップにより、頂平面部材の形状を定めることができ、この頂平面部材の形状はそれぞれ2m個の頂点を有する多角形となる。なお、この場合において、頂平面点G1、G2は立体モデルの交差点そのものであることが好ましいが、後述の中間点を定める際の調整のため、又は、立体モデルが複数の三次元座標データの集合であって頂平面と第二平面の交差によって形成される直線上にこの三次元座標データが存在しない場合等においては、この近傍の位置点を頂面点G1、G2としてもよい。この場合の頂平面点G1のイメージ図を図17、18に示しておく。なお図17は、縦断面図のイメージ図を、図18は上記の結果得られる頂平面部材のイメージを示す。なお頂平面部材は、同一面上にある複数の頂平面点G1(図18の例ではG1a~G1l)を線によって結んだ形状となる。
【0039】
また本方法では、上記(G)と同様にして、(H)第一平面、第二平面及び立体モデルの交差点又はその近傍点である面上点H1~Hnを複数定めるステップを有する。このステップにより、立体構造物の側面上の点、より具体的には折目の位置を定めることができる。なお、この場合において、面上点H1は立体モデルの交差点そのものであることが好ましいが、中間点を定める際の調整のため、又は、立体モデルが複数の三次元座標データの集合であって第一平面と第二平面の交差によって形成される直線上にこの三次元座標データが存在しない場合等においては、この近傍の位置点を頂面点H1としてもよい。この場合のイメージ図を図19に示しておく。
【0040】
また本方法では、(I)一の頂平面上のそれぞれの頂平面点を、他方の頂平面上のそれぞれの頂平面点と面上点を経由して結ぶ。これにより、各帯部材の境界線を明確にし、帯部材を形成することができる。なおこの場合において、各点は直線で結ぶことが簡便であり好ましいが、曲線で結んでもよい。曲線とすると、隣接する帯部材同士の重複する面積を増やすことができ、立体的形状の折りたたみ、組み立てをより安定的に行うことができるようになるといった利点がある。なおこの曲線で結んだ場合における帯部材(一本の半分)のイメージ図を図20に、この帯部材が複数接続された頂平面部材の概略図を図21に示しておく。なお、図2と同様であるが、図20の帯部材も半分のみ示されており、実際は同じものが上下接合されて構成される。
【0041】
また本方法では、更に(J)n個の第一平面のいずれかを境界として構造モデルを2つに分割し、2つの構造モデルを各々平面に展開するステップを有していることが好ましい。このようにすることで、構造モデルを紙等の平面に展開することが可能となり、この平面に展開された構造モデルを切り取り、組み立てることで各々半分の立体構造物とすることができ、この半分の立体構造物を組み合わせることで折りたたみ可能な立体構造物となる。なおこの場合において、二つに分割する境界は、2つの頂平面点及び前記面上点を経由する二つの軸点の間の距離の中間点となっていることが好ましい。このようにすることで立体構造物を折り畳んだ場合に撓み等が生じてしまうことを防止することができる。またこのステップにおいて、展開され形成された各帯部材の折目によって区分される領域に差入部を形成する処理を加えることも好ましい。
【0042】
また、本方法において、(H)第一平面、第二平面及び立体モデルの交差点又はその近傍点である面上点を複数定めるステップと、(I)一の頂平面上のそれぞれの頂平面点を、他方の頂平面上のそれぞれの頂平面点と面上点を経由して結ぶステップの後に、更に、(K)頂平面点G1又は面上点H1のいずれかを移動させるステップと、更に、一の頂平面上のそれぞれの頂平面点を、他方の頂平面上のそれぞれの頂平面点と面上点を経由して結ぶステップを有していることも好ましい。このようにすることで、上記(H)、(I)のステップによって各点を求めても上記(J)において中間点をうまく定めることができない場合に、改めて面上点を定めることができ、より安定した立体構造物の製造をすることができる。
【0043】
また上記の工程においては、引張中心すなわち二つの軸点B2間の、頂平面点及び複数の面上点を経由した距離の半分の位置を中間点として定めるステップを設けておくことが好ましく、更に、これを定める際、上記頂平面点又は面上点を移動させるステップを一緒に行わせてもよい。このようにすることで、中間点を確実に定めることができるようになる。
【0044】
また、本実施形態では、上記(A)~(J)について順を追って説明したが、従属関係にあるステップ以外は、同時に行ってもよく、ステップの順番を前後変えてもよい。
【0045】
以上本実施形態により、立体から平面への折りたたみが容易であって、球体や卵型、回転楕円体等といった密封された立体を作り出すことのできる折りたたみ可能な立体構造物の製造方法、その立体構造物を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は立体構造物及びその製造方法として産業上の利用可能性がある。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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【図9】
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【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
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【図14】
13
【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
19
【図21】
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