TOP > 国内特許検索 > 偏光イメージング装置および偏光イメージング方法 > 明細書

明細書 :偏光イメージング装置および偏光イメージング方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5691082号 (P5691082)
登録日 平成27年2月13日(2015.2.13)
発行日 平成27年4月1日(2015.4.1)
発明の名称または考案の名称 偏光イメージング装置および偏光イメージング方法
国際特許分類 G01J   4/04        (2006.01)
FI G01J 4/04 Z
請求項の数または発明の数 20
全頁数 74
出願番号 特願2012-522569 (P2012-522569)
出願日 平成23年6月22日(2011.6.22)
権利譲渡・実施許諾 特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
国際出願番号 PCT/JP2011/064228
国際公開番号 WO2012/002207
国際公開日 平成24年1月5日(2012.1.5)
優先権出願番号 2010148030
優先日 平成22年6月29日(2010.6.29)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成26年3月6日(2014.3.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504255685
【氏名又は名称】国立大学法人京都工芸繊維大学
発明者または考案者 【氏名】粟辻 安浩
【氏名】田原 樹
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
審査官 【審査官】▲高▼場 正光
参考文献・文献 特開2005-283683(JP,A)
特開2008-122565(JP,A)
特表2004-538451(JP,A)
特開2003-148921(JP,A)
特開2007-033187(JP,A)
国際公開第2010/092739(WO,A1)
BEGHUIN,D. 他,“Single acquisition polarisation imaging with digital holography”,ELECTRONICS LETTERS,1999年11月11日,Volume 35, Number 23,Pages 2053-2055
角江 崇 他,“光路長シフトカラーディジタルホログラフィ”,第4回新画像システム・情報フォトニクス研究討論会アブストラクト(最終版),2010年 6月29日,Page 2,URL,http://www.i-photonics.jp/meetings/files/20100629/20100629SGSIPGabstractFinal.pdf
田原 樹 他,“並列2段階位相シフトディジタルホログラフィシステム”,第4回新画像システム・情報フォトニクス研究討論会アブストラクト(最終版),2010年 6月29日,Page 2,URL,http://www.i-photonics.jp/meetings/files/20100629/20100629SGSIPGabstractFinal.pdf
調査した分野 G01J1/00-11/00
G03H1/00-1/34
JSTPlus(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
参照光および物体光を含む光を供給する1個以上の光源と、撮像部とを備え、参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を上記撮像部が撮像するインライン型の偏光イメージング装置において、
上記撮像部に入射する物体光および上記撮像部に入射する参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、
上記偏光イメージング装置は、上記光源から供給された光を参照光と物体光とに分割するビームスプリッタと、
第1位相シフト領域および第2位相シフト領域が複数配置され、上記ビームスプリッタにより分割されて上記第1位相シフト領域に入射した参照光の位相と、上記ビームスプリッタにより分割されて上記第2位相シフト領域に入射した参照光の位相とを互いに異ならせる位相シフトアレイ部と、
上記位相シフトアレイ部を通過した参照光と、上記被写体を介して到達する物体光とを結合するビーム結合素子とをさらに備え、
上記撮像部は、上記第1方向の偏光と第1位相とを有する参照光が上記第1方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第1干渉像と、上記第1方向の偏光と第2位相とを有する参照光が上記第1方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第2干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第1位相とを有する参照光が上記第2方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第3干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第2位相とを有する参照光が上記第2方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第4干渉像とを含む干渉パターンを一度に撮像し、
上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の上記第1干渉像および第2干渉像に対応する再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の上記第3干渉像および第4干渉像に対応する再生像を生成する再生像生成部と、
上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求める偏光画像算出部とを備え、
上記再生像生成部は、参照光のみの上記第1方向の偏光成分と、第1方向とは異なる上記第2方向の偏光成分の強度分布を得、
上記第1から第4干渉像と上記参照光のみの2つの強度分布から上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分との複素振幅分布を算出し、
更に上記複素振幅分布より上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分の再生像である振幅分布と位相分布とを求め、
上記偏光画像算出部は、上記被写体の第1方向の偏光成分の振幅分布と位相分布、上記被写体の第2方向の偏光成分の振幅分布と位相分布に基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求めることを特徴とする偏光イメージング装置。
【請求項2】
上記物体光および参照光は、第3方向の偏光と第4方向の偏光とをさらに含み、
上記干渉パターンは、上記第3方向の偏光と上記第1位相とを有する参照光が上記第3方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第5干渉像と、上記第3方向の偏光と上記第2位相とを有する参照光が上記第3方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第6干渉像と、上記第4方向の偏光と上記第1位相とを有する参照光が上記第4方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第7干渉像と、上記第4方向の偏光と上記第2位相とを有する参照光が上記第4方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第8干渉像とをさらに含み、
上記再生像生成部は、上記干渉パターンから上記第5干渉像および第6干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第3方向の偏光成分の再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第7干渉像および第8干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第4方向の偏光成分の再生像を生成し、
上記偏光画像算出部は、上記第1~第4方向の偏光成分の再生像に基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求める請求項1記載の偏光イメージング装置。
【請求項3】
上記干渉パターンは、上記第1方向の偏光と第3位相とを有する参照光が上記第1方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第5干渉像と、上記第1方向の偏光と第4位相とを有する参照光が上記第1方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第6干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第3位相とを有する参照光が上記第2方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第7干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第4位相とを有する参照光が上記第2方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第8干渉像とをさらに含み、
上記再生像生成部は、上記干渉パターンから上記第1干渉像、上記第2干渉像、上記第5干渉像および上記第6干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像、上記第4干渉像、上記第7干渉像および上記第8干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像を生成し、
上記偏光画像算出部は、上記第1及び第2方向の偏光成分の再生像に基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求める請求項1記載の偏光イメージング装置。
【請求項4】
上記光源は、二種類の波長の光を供給する2個の光源、三種類の波長の光を供給する3個の光源、または四種類の波長の光を供給する4個の光源である請求項1記載の偏光イメージング装置。
【請求項5】
入射した参照光を上記第1方向に偏光した参照光に変換する第1方向領域、および、入射した参照光を上記第2方向に偏光した参照光に変換する第2方向領域が複数配置された偏光方向変化アレイ部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の偏光イメージング装置。
【請求項6】
参照光と、上記被写体を介して到達する物体光とが入射され、入射した参照光および物体光の第1方向の偏光成分を出射する第1偏光子領域と、入射した参照光および物体光の第2方向の偏光成分を出射する第2偏光子領域とが複数配置された偏光子アレイ部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の偏光イメージング装置。
【請求項10】
参照光および物体光を供給する光源と、撮像部とを備え、参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を上記撮像部が撮像するインライン型の偏光イメージング装置において、
上記撮像部に入射する物体光および上記撮像部に入射する参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、
上記光源は、少なくとも一種類以上の波長の光を供給し、
上記撮像部は、上記第1方向の偏光と第1光路長とを有する参照光が上記第1方向の偏光と第1光路長とを有する物体光と干渉して作る第1干渉像と、上記第1方向の偏光と第2光路長とを有する参照光が上記第1方向の偏光と第2光路長とを有する物体光と干渉して作る第2干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第1光路長とを有する参照光が上記第2方向の偏光と上記第1光路長とを有する物体光と干渉して作る第3干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第2光路長とを有する参照光が上記第2方向の偏光と上記第2光路長とを有する物体光と干渉して作る第4干渉像とを含む干渉パターンを一度に撮像し、
上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の上記第1干渉像および第2干渉像に対応する再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の上記第3干渉像および第4干渉像に対応する再生像を生成する再生像生成部と、
上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求める偏光画像算出部とを備え、
上記再生像生成部は、参照光のみの上記第1方向の偏光成分と、第1方向とは異なる上記第2方向の偏光成分の強度分布を得、
上記第1から第4干渉像と上記参照光のみの2つの強度分布から上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分との複素振幅分布を算出し、
更に上記複素振幅分布より上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分の再生像である振幅分布と位相分布とを求め、
上記偏光画像算出部は、上記被写体の第1方向の偏光成分の振幅分布と位相分布、上記被写体の第2方向の偏光成分の振幅分布と位相分布に基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求めることを特徴とする偏光イメージング装置。
【請求項11】
参照光と、上記被写体を介して到達する物体光とが入射され、入射した参照光および物体光の第1方向の偏光成分を出射する第1偏光子領域と、入射した参照光および物体光の第2方向の偏光成分を出射する第2偏光子領域とが複数配置された偏光子アレイ部と、
第1光路長シフト領域および第2光路長シフト領域が複数配置され、参照光および物体光が入射される光路長シフトアレイ部とを、上記被写体と上記撮像部との間にさらに備え、
上記光路長シフトアレイ部は、第1光路長シフト領域に入射された参照光の位相と、第2光路長シフト領域に入射された参照光の位相とを互いに異ならせ、第1光路長シフト領域に入射された物体光の位相と、第2光路長シフト領域に入射された物体光の位相とを互いに異ならせることを特徴とする請求項10に記載の偏光イメージング装置。
【請求項12】
上記再生像生成部は、第1方向の偏光成分に関する上記2種類の干渉像に基づいて、上記被写体の第1方向の偏光成分における位相分布を求め、第2方向の偏光成分に関する上記2種類の干渉像に基づいて、上記被写体の第2方向の偏光成分における振幅分布と位相分布を求め、
上記偏光画像算出部は、上記被写体の第1方向の偏光成分の振幅分布および位相分布と、上記被写体の第2方向の偏光成分の振幅分布および位相分布とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光状態を求めることを特徴とする請求項1または10に記載の偏光イメージング装置。
【請求項13】
上記被写体と上記撮像部との間に配置されて、被写体の像を拡大する拡大光学部と、参照光が上記撮像部に球面波あるいは非球面波として入射するよう、参照光を球面波あるいは非球面波に変換する波面変換部とをさらに備えることを特徴とする請求項1または10に記載の偏光イメージング装置。
【請求項14】
複数の上記光源と、波長選択フィルタとを備え、
上記複数の光源は、それぞれが互いに異なる波長の参照光および物体光を供給し、
上記波長選択フィルタは、通過させる光の波長が異なる複数の波長選択領域を有し、参照光および物体光を上記波長選択領域毎に波長に応じて選択的に通過させることを特徴とする請求項1または10に記載の偏光イメージング装置。
【請求項15】
第1方向と第2方向とが直交することを特徴とする請求項1または10に記載の偏光イメージング装置。
【請求項16】
参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を撮像して、物体光の偏光状態を得る偏光イメージング方法であって、
上記干渉像を作る物体光および上記干渉像を作る参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、
光源から供給された光を参照光と物体光とに分割し、
第1位相シフト領域および第2位相シフト領域が複数配置された位相シフトアレイ部により、上記第1位相シフト領域に入射した参照光の位相と、上記第2位相シフト領域に入射した参照光の位相とを互いに異ならせ、
上記位相を異ならせた参照光と、上記被写体を介して到達する物体光とを結合し、
上記第1方向の偏光と第1位相とを有する参照光が上記第1方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第1干渉像と、上記第1方向の偏光と第2位相とを有する参照光が上記第1方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第2干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第1位相とを有する参照光が上記第2方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第3干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第2位相とを有する参照光が上記第2方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第4干渉像とを含む干渉パターンを一度に撮像するステップと、
上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の上記第1干渉像および第2干渉像に対応する再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の上記第3干渉像および第4干渉像に対応する再生像を生成するステップと、
上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求めるステップとを含み、
上記再生像を生成するステップは、参照光のみの上記第1方向の偏光成分と、第1方向とは異なる上記第2方向の偏光成分の強度分布を得、
上記第1から第4干渉像と上記参照光のみの2つの強度分布から上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分との複素振幅分布を算出し、
更に上記複素振幅分布より上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分の再生像である振幅分布と位相分布とを求め、
上記偏光画像を求めるステップは、上記被写体の第1方向の偏光成分の振幅分布と位相分布、上記被写体の第2方向の偏光成分の振幅分布と位相分布に基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求めることを特徴とする偏光イメージング方法。
【請求項17】
参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を撮像して、物体光の偏光状態を得る偏光イメージング方法であって、
上記干渉像を作る物体光および上記干渉像を作る参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、
上記第1方向の偏光と第1光路長とを有する参照光が上記第1方向の偏光と第1光路長とを有する物体光と干渉して作る第1干渉像と、上記第1方向の偏光と第2光路長とを有する参照光が上記第1方向の偏光と第2光路長とを有する物体光と干渉して作る第2干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第1光路長とを有する参照光が上記第2方向の偏光と上記第1光路長とを有する物体光と干渉して作る第3干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第2光路長とを有する参照光が上記第2方向の偏光と上記第2光路長とを有する物体光と干渉して作る第4干渉像とを含む干渉パターンを一度に撮像するステップと、
上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の上記第1干渉像および第2干渉像に対応する再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の上記第3干渉像および第4干渉像に対応する再生像を生成するステップと、
上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光状態を求めるステップとを含み、
上記再生像を生成するステップは、参照光のみの上記第1方向の偏光成分と、第1方向とは異なる上記第2方向の偏光成分の強度分布を得、
上記第1から第4干渉像と上記参照光のみの2つの強度分布から上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分との複素振幅分布を算出し、
更に上記複素振幅分布より上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分の再生像である振幅分布と位相分布とを求め、
上記偏光状態を求めるステップは、上記被写体の第1方向の偏光成分の振幅分布と位相分布、上記被写体の第2方向の偏光成分の振幅分布と位相分布に基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光状態を求めることを特徴とする偏光イメージング方法。
【請求項18】
参照光および物体光を含む光を供給する1個以上の光源と、撮像部とを備え、参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を上記撮像部が撮像するインライン型の偏光イメージング装置において、
上記撮像部に入射する物体光および上記撮像部に入射する参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、
上記偏光イメージング装置は、上記光源から供給された光を参照光と物体光とに分割するビームスプリッタと、
上記ビームスプリッタにより分割された参照光を、上記参照光の波長と上記撮像部の画素間隔とに基づく傾き角により傾斜させる傾斜手段と、
上記傾斜手段により傾斜された参照光と、上記被写体を介して到達する物体光とを結合するビーム結合素子とをさらに備え、
上記参照光は、上記傾き角により上記物体光に対して傾斜して上記撮像部に入射し、
上記撮像部は、上記第1方向の偏光と第1位相とを有する参照光が上記第1方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第1干渉像と、上記第1方向の偏光と第2位相とを有する参照光が上記第1方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第2干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第1位相とを有する参照光が上記第2方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第3干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第2位相とを有する参照光が上記第2方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第4干渉像とを含む干渉パターンを一度に撮像し、
上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の上記第1干渉像および第2干渉像に対応する再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の上記第3干渉像および第4干渉像に対応する再生像を生成する再生像生成部と、
上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求める偏光画像算出部とを備え、
上記再生像生成部は、参照光のみの上記第1方向の偏光成分と、第1方向とは異なる上記第2方向の偏光成分の強度分布を得、
上記第1から第4干渉像と上記参照光のみの2つの強度分布から上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分との複素振幅分布を算出し、
更に上記複素振幅分布より上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分の再生像である振幅分布と位相分布とを求め、
上記偏光画像算出部は、上記被写体の第1方向の偏光成分の振幅分布と位相分布、上記被写体の第2方向の偏光成分の振幅分布と位相分布に基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求めることを特徴とする偏光イメージング装置。
【請求項19】
参照光および物体光を含む光を供給する1個以上の光源と、撮像部とを備え、参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を上記撮像部が撮像するインライン型の偏光イメージング装置において、
上記撮像部に入射する物体光および上記撮像部に入射する参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、
上記偏光イメージング装置は、上記光源から供給された光を参照光と物体光とに分割するビームスプリッタと、
上記ビームスプリッタにより分割された参照光の位相を空間的にシフトさせる位相シフト手段と、
上記位相シフト手段により位相がシフトされた参照光と、上記被写体を介して到達する物体光とを結合するビーム結合素子とをさらに備え、
上記撮像部は、上記第1方向の偏光と第1位相とを有する参照光が上記第1方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第1干渉像と、上記第1方向の偏光と第2位相とを有する参照光が上記第1方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第2干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第1位相とを有する参照光が上記第2方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第3干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第2位相とを有する参照光が上記第2方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第4干渉像とを含む干渉パターンを一度に撮像し、
上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の上記第1干渉像および第2干渉像に対応する再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の上記第3干渉像および第4干渉像に対応する再生像を生成する再生像生成部と、
上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求める偏光画像算出部とを備え、
上記再生像生成部は、参照光のみの上記第1方向の偏光成分と、第1方向とは異なる上記第2方向の偏光成分の強度分布を得、
上記第1から第4干渉像と上記参照光のみの2つの強度分布から上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分との複素振幅分布を算出し、
更に上記複素振幅分布より上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分の再生像である振幅分布と位相分布とを求め、
上記偏光画像算出部は、上記被写体の第1方向の偏光成分の振幅分布と位相分布、上記被写体の第2方向の偏光成分の振幅分布と位相分布に基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求めることを特徴とする偏光イメージング装置。
【請求項20】
参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を撮像して、物体光の偏光状態を得る偏光イメージング方法であって、
上記干渉像を作る物体光および上記干渉像を作る参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、
光源から供給された光を参照光と物体光とに分割し、
上記分割された参照光を、上記参照光の波長と撮像部の画素間隔とに基づく傾き角により傾斜させ、
上記参照光と、上記被写体を介して到達する物体光とを結合し、
上記参照光は、上記傾き角により上記物体光に対して傾斜して上記撮像部に入射し、
上記第1方向の偏光と第1位相とを有する参照光が上記第1方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第1干渉像と、上記第1方向の偏光と第2位相とを有する参照光が上記第1方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第2干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第1位相とを有する参照光が上記第2方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第3干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第2位相とを有する参照光が上記第2方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第4干渉像とを含む干渉パターンを一度に撮像するステップと、
上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の上記第1干渉像および第2干渉像に対応する再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の上記第3干渉像および第4干渉像に対応する再生像を生成するステップと、
上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求めるステップとを含み、
上記再生像を生成するステップは、参照光のみの上記第1方向の偏光成分と、第1方向とは異なる上記第2方向の偏光成分の強度分布を得、
上記第1から第4干渉像と上記参照光のみの2つの強度分布から上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分との複素振幅分布を算出し、
更に上記複素振幅分布より上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分の再生像である振幅分布と位相分布とを求め、
上記偏光画像を求めるステップは、上記被写体の第1方向の偏光成分の振幅分布と位相分布、上記被写体の第2方向の偏光成分の振幅分布と位相分布に基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求めることを特徴とする偏光イメージング方法。
【請求項21】
参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を撮像して、物体光の偏光状態を得る偏光イメージング方法であって、
上記干渉像を作る物体光および上記干渉像を作る参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、
光源から供給された光を参照光と物体光とに分割し、
上記分割された参照光の位相を空間的にシフトさせ、
上記位相がシフトされた参照光と、上記被写体を介して到達する物体光とを結合し、
上記第1方向の偏光と第1位相とを有する参照光が上記第1方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第1干渉像と、上記第1方向の偏光と第2位相とを有する参照光が上記第1方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第2干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第1位相とを有する参照光が上記第2方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第3干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第2位相とを有する参照光が上記第2方向の偏光を有する物体光と干渉して作る第4干渉像とを含む干渉パターンを一度に撮像するステップと、
上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の上記第1干渉像および第2干渉像に対応する再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の上記第3干渉像および第4干渉像に対応する再生像を生成するステップと、
上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求めるステップとを含み、
上記再生像を生成するステップは、参照光のみの上記第1方向の偏光成分と、第1方向とは異なる上記第2方向の偏光成分の強度分布を得、
上記第1から第4干渉像と上記参照光のみの2つの強度分布から上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分との複素振幅分布を算出し、
更に上記複素振幅分布より上記第1方向の偏光成分と上記第2方向の偏光成分の再生像である振幅分布と位相分布とを求め、
上記偏光画像を求めるステップは、上記被写体の第1方向の偏光成分の振幅分布と位相分布、上記被写体の第2方向の偏光成分の振幅分布と位相分布に基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求めることを特徴とする偏光イメージング方法。
【請求項22】
上記参照光の波長:λ、
上記撮像部の画素間隔:τ、
とすると、
sin-1(λ/4τ)、
に基づく傾き角により上記物体光に対して傾斜して上記参照光は上記撮像部に入射する請求項18に記載の偏光イメージング装置。
【請求項23】
上記参照光の傾斜方向に沿って隣り合う領域の干渉像に基づいて上記被写体の複素振幅分布を求める空間キャリア位相シフト部をさらに備える請求項18に記載の偏光イメージング装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体の偏光イメージングを行う偏光イメージング装置および偏光イメージング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以後の文章中で位相の単位はラジアンで表す。近年、複数方向の偏光情報を同時に取得する偏光イメージングカメラが開発され、被写体の偏光分布を可視化する偏光イメージング装置(特許文献1)、および、被写体の偏光分布を可視化する偏光顕微鏡(特許文献2)が提案されている。偏光イメージングの応用として、窓材、ショーウィンドウ、ディスプレイ等に使用されるフィルムまたはガラス等の構造・歪みの計測、太陽電池の薄膜における膜圧および歪の計測、偏光顕微鏡の応用として、結晶構造または分子構造の特性評価、造岩鉱物の鑑定、または、生体(細胞)の内部構造の無染色による可視化、生細胞におけるタンパク質またはコラーゲン等の分布の可視化等、多岐にわたる応用が考えられる。
【0003】
産業の要求に応じて偏光イメージング技術は発達しているものの、上記の偏光イメージング技術では瞬間の3次元構造のイメージングが不可能である。例えば、偏光顕微鏡においては、微視領域の被写体を観察するために顕微鏡対物レンズの倍率を上げる必要があり、そのため、奥行き方向の撮影可能範囲が非常に狭くなる。それゆえ、製品検査において複数回の撮影が必要となって時間がかかり、また、異なる奥行き位置における化学構造の経時変化の観察、または生体(細胞)内部の3次元に広がった代謝物等の振る舞いを動画像で観察することが非常に困難である。
【0004】
上記の問題を解決する技術として、近年、偏光イメージングを行うディジタルホログラフィ技術がいくつか提案されている。例えば、非特許文献1には、軸外し型(off-axis型)のディジタルホログラフィを用いて偏光イメージングを行う技術が記載されている。軸外し型のディジタルホログラフィでは、物体光と参照光とが撮像素子へ異なる角度で入射する。そのため、ホログラムを再生した際に、0次回折光および共役像(-1次回折光)と物体像(1次回折光)とが重なることがなく、所望の物体像だけを得ることができる。非特許文献1に記載の構成によれば、被写体のある瞬間の3次元構造と偏光分布をイメージングすることが可能となる。すなわち、奥行き方向の位置が異なる被写体像の偏光分布を同時に取得することができる。
【0005】
図53は、非特許文献1に示された従来の偏光イメージング装置の構成を示す図である。図54は、図53に示された偏光イメージング装置に設けられた撮像装置に入射する物体光と参照光R1およびR2との関係を示す図である。当該従来の偏光イメージング装置では,異なる偏光方向P1、P2の成分を持つ参照光R1、R2を、物体光に対してそれぞれ異なる方向から異なる角度(説明の簡便さのために、便宜上θ1、θとおく)で入射させ、1枚の干渉像(ホログラム)を取得する。
【0006】
図55は、上記偏光イメージング装置に記録されたホログラムから像を再生する手順を説明するための図である。得られた干渉像をフーリエ変換し、空間スペクトル分布を計算により求める。そして各偏光方向P1、P2における被写体の空間スペクトルの情報をそれぞれ抽出する。その後、各偏光方向の被写体の情報に対して、角度θ、θに関係する量だけ位相補正し、逆フーリエ変換し,回折計算により像再生する。像再生後、偏光方向P1、P2における被写体の複素振幅分布を用いて偏光イメージングを行う。
【0007】
また、非特許文献2には、インライン型(in-line型またはon-axis型)のディジタルホログラフィを用いて偏光イメージングを行う技術が記載されている。インライン型のディジタルホログラフィでは、物体光と参照光とが撮像素子へ同じ角度で入射する。そのため、ホログラムを再生した際に、ノイズ成分である0次回折光と共役像(-1次回折光)と物体像(1次回折光)とが重なってしまう。そのため、所望の物体像だけを得るためには、位相または光路長等の異なる複数のホログラムを逐次撮像し、位相シフト法または光路長シフト法等を用いて物体像のみを抽出する計算を行う必要がある。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】日本国公開特許公報「特開2007-086720号公報(2007年4月5日公開)」
【特許文献2】日本国公開特許公報「特開2008-032969号公報(2008年2月14日公開)」
【0009】

【非特許文献1】D. Beghuin, et. al.、「Single acquisition polarisation imaging with digital holography」、ELECTRONICS LETTERS、11th November 1999、vol.35、No.23、pp.2053-2055
【非特許文献2】Takanori Nomura、「Polarization imaging of a 3D object by use of on-axis phase-shifting digital holography」、OPTICS LETTERS、March 1 2007、vol.32、No.5、pp.481-483
【非特許文献3】M. F. Meng, et. al.、「Two-step phase-shifting interferometry and its application in image encryption」、OPTICS LETTERS、May 15 2006、Vol.31、No.10、pp.1414-1416
【非特許文献4】シグマ社サイト、[online]、平成22年6月15日検索、インターネット<URL:http://www.sigma-sd.com/SD15/jp/technology-colorsensor.html>
【非特許文献5】L. Mertz, “Real-time fringe-pattern analysis,” Appl. Opt. 22, 1535-1539 (1983).
【非特許文献6】高濱裕史, 松島恭治, “任意位相シフト公式を用いたシングルショットデジタルホログラフィ”, Optics Photonics Japan 2009 講演予稿集, 278-279 (2009).
【非特許文献7】J. Kuhn, et. al.、「Real-time dual-wavelength digital holographic microscopy with a single hologram acquisition」、OPTICS EXPRESS、May 29 2007、vol.15、No.12、pp.7231-7242
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、非特許文献1に記載の構成では、軸外し型のディジタルホログラフィを用いているために、撮影可能な範囲(視野)が狭く(ホログラムを空間的に4分割多重して記録するインライン型に比べて約1/4の視野)、ホログラムから再生した再生像における画質が良くなく、再生像の解像度が低いという問題がある。また、光学系が複雑になるので、ホログラムの撮像光学系を1つの装置にする場合に、装置が複雑かつ大型になってしまう。
【0011】
さらに、非特許文献1に記載の構成では、参照光の入射角度θ、θと、「位相補正」のためのハードウェアあるいはソフトウェアには極めて高精度な調整が必要であるという問題がある。従って、光学素子のわずかな位置および角度変化によって容易に偏光イメージング精度が低下する問題があることを本発明者らは発見した。
【0012】
非特許文献1に記載の構成では、異なる偏光方向P1、P2における被写体の振幅情報と位相差情報とを用いることで偏光イメージングする。しかしながら、位相差情報には、参照光の入射角度θ、θに応じた位相変調が掛けられており、正確な偏光イメージングのためには、この位相変調を取り除く必要がある。位相変調を取り除くためには、まず、参照光の入射角度を物理的に調整した後、高精度で測定し、干渉像を記録して求められた補正量と物理的な測定値とを照らし合わせて、各偏光方向における物体光の位相を補正しなければならない。
【0013】
実際に計算機で位相補正する際に、入射角度θ、θの値として小数点第3桁、第4桁、またはそれ以上の精度が求められる。物理的な角度調整で言えば、300mm離れた被写体に対して0.006[°](≒0.0001[rad])程度の極めて高い精度が求められる。さらに、その様な高精度な調整精度が求められることから、物体光と各参照光との角度ずれに弱く、光学素子(図53中で言えば各BS(ビーム分割素子)、各M(ミラー)など)がほんの少し角度変化、位置変化することによって位相差情報を正確に求められず、容易に偏光イメージングの精度が低下する。この非特許文献1に記載の構成は、波長板などの偏光依存性のある弱散乱の2次元物体では実証されているが、強散乱の3次元物体では実証されておらず、また実際の適用は極めて困難である。
【0014】
図56は、非特許文献1に記載の偏光イメージング装置の問題点を説明するための図である。非特許文献1に記載の構成では、大きな被写体を計測しようとすると、被写体と不要な像成分とで空間スペクトルに重なりが生じ、再生像において不要な像が重畳することから、撮影可能な範囲が狭いという問題がある。
【0015】
図56の説明とは別に、非特許文献1に記載の構成では、被写体の細かい構造の情報を記録しようとすると、再生像において不要な像成分が重畳するため、重畳を避けようとすると再生像の解像度が低くなる。また、無理に解像度を上げようとすると不要な像が重畳する。このことは高倍率顕微鏡への応用の際に分解能を上げることができないことを意味し、微細構造の鮮明なイメージングが極めて困難になるという問題を引き起こす。
【0016】
これに対し、非特許文献2に記載の構成では、インライン型のディジタルホログラフィを用いているために、非特許文献1に記載の構成に比べて、撮影可能な範囲が広く、再生像における画質も良い。また、非特許文献2に記載の構成では、非特許文献1に記載の構成に比べて、光学系が簡単であるので、ホログラムの撮像光学系を1つの装置にする場合に、装置を小型化することが容易である。
【0017】
しかしながら、非特許文献2に記載の構成では、物体像を得るために、撮像素子面における物体光の強度分布の情報を複数の偏光方向において逐次撮像する必要がある。また、偏光イメージングを行うために、光学系に配置された1/2波長板を回転させる等して複数の偏光方向のホログラムを逐次撮像する必要がある。そのため、被写体に対して複数回の撮像を行う必要があるため、動的な変化を伴う被写体のある瞬間の3次元構造と偏光分布とをイメージングすることができない。
【0018】
以上で述べたように、動的な変化を伴う被写体のある瞬間の3次元構造の情報と偏光分布の情報さらには分光特性を同時に取得し、高画質の偏光イメージングを行うことができる技術については、未だ公開も報告もされていない。
【0019】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、1回の撮像で被写体の広範囲かつ詳細な3次元情報と偏光分布、加えて分光特性とを得ることができる高画質の偏光イメージング装置を実現することにある。ここで、3次元情報は、被写体の3次元の形状、位置または分布の情報を含む。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る偏光イメージング装置は、参照光および物体光を供給する1個以上の光源と、撮像部とを備え、参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を上記撮像部が撮像する偏光イメージング装置において、上記撮像部に入射する物体光および上記撮像部に入射する参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、上記撮像部は、上記第1方向の偏光と第1位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第1干渉像と、上記第1方向の偏光と第2位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第2干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第1位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第3干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第2位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第4干渉像とを含む干渉パターンを一度に撮像し、上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像を生成する再生像生成部と、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求める偏光画像算出部とを備えることを特徴とする。
【0021】
例えば、最も簡単な例である偏光が2種類で、位相が2段階で光源が1つの場合は、参照光および物体光を供給する光源と、撮像部とを備え、参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を上記撮像部が撮像する偏光イメージング装置において、上記撮像部に入射する物体光および上記撮像部に入射する参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、上記撮像部は、第1方向の偏光成分について、互いに位相が異なる2つの参照光がそれぞれ物体光と干渉して作る第1干渉像および第2干渉像と、第2方向の偏光成分について、互いに位相が異なる2つの参照光がそれぞれ物体光と干渉して作る第3干渉像および第4干渉像との、合わせて4種類の干渉像を含む干渉パターンを一度に撮像し、上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像を生成する再生像生成部と、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求める偏光画像算出部とを備えることを特徴としている。
【0022】
本発明に係る偏光イメージング方法は、参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を撮像して、物体光の偏光状態を得る偏光イメージング方法であって、上記干渉像を作る物体光および上記干渉像を作る参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、上記第1方向の偏光と第1位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第1干渉像と、上記第1方向の偏光と第2位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第2干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第1位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第3干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第2位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第4干渉像とを含む干渉パターンを一度に撮像するステップと、上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像を生成するステップと、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求めるステップとを含むことを特徴とする。
【0023】
例えば、最も簡単な例である偏光が2種類で、位相が2段階で光源が1つの場合は、参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を撮像して、物体光の偏光状態を得る偏光イメージング方法であって、上記干渉像を作る物体光および上記干渉像を作る参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、第1方向の偏光成分について、互いに位相が異なる2つの参照光がそれぞれ物体光と干渉して作る第1干渉像および第2干渉像と、第2方向の偏光成分について、互いに位相が異なる2つの参照光がそれぞれ物体光と干渉して作る第3干渉像および第4干渉像とを含む干渉パターンを一度に撮像するステップと、上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像を生成するステップと、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求めるステップとを含むことを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、参照光の位相と偏光方向とが異なるm×n種類(mは位相の段階数、nは偏向方向の種類数で、例えばm=2、n=2の場合は4種類)の干渉像を一度に取得し、位相シフト法を用いて各偏光方向に関する再生像を得ることができ、これに基づいて被写体の再生像の各位置における物体光の偏光状態を求める。それゆえ、複数回の撮像を行う必要が無く、1回の撮像で被写体の広範囲かつ詳細な3次元情報と偏光分布とを得ることができる。そのため、上記の構成を用いれば、例えば動的な変化を伴う被写体のある瞬間の3次元構造と偏光分布とをイメージングすることができる。
【0025】
つまり、偏光方向は少なくとも2種類、参照光の位相は少なくとも2種類、この組み合わせによる一度に撮像する干渉像は少なくとも4種類であり、それより多くても同様に被写体のある瞬間の3次元構造と偏光分布とをイメージングすることができる。また、光源を複数個用いれば分光特性を得ることができる。
【0026】
本発明に係る偏光イメージング装置は、参照光および物体光を供給する光源と、撮像部とを備え、参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を上記撮像部が撮像する偏光イメージング装置において、上記撮像部に入射する物体光および上記撮像部に入射する参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、上記光源は、少なくとも一種類以上の波長の光を供給し、上記撮像部は、上記第1方向の偏光と第1光路長とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第1干渉像と、上記第1方向の偏光と第2光路長とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第2干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第1光路長とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第3干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第2光路長とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第4干渉像とを含む干渉パターンを一度に撮像し、上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像を生成する再生像生成部と、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求める偏光画像算出部とを備えることを特徴としている。
【0027】
例えば、最も簡単な例である偏光が2種類で、位相が2段階で光源が1つの場合は、参照光および物体光を供給する光源と、撮像部とを備え、参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を上記撮像部が撮像する偏光イメージング装置において、上記撮像部に入射する物体光および上記撮像部に入射する参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、上記撮像部は、第1方向の偏光成分について、上記被写体からの光路長が異なる第1干渉像および第2干渉像と、第2方向の偏光成分について、上記被写体からの光路長が異なる第3干渉像および第4干渉像との干渉像を含む干渉パターンを一度に撮像し、上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像を生成する再生像生成部と、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求める偏光画像算出部とを備えることを特徴としている。
【0028】
本発明に係る偏光イメージング方法は、参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を撮像して、物体光の偏光状態を得る偏光イメージング方法であって、上記干渉像を作る物体光および上記干渉像を作る参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、上記第1方向の偏光と第1光路長とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第1干渉像と、上記第1方向の偏光と第2光路長とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第2干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第1光路長とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第3干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第2光路長とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第4干渉像とを含む干渉パターンを一度に撮像するステップと、上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像を生成するステップと、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光状態を求めるステップとを含むことを特徴としている。
【0029】
例えば、最も簡単な例である偏光が2種類で、位相が2段階で光源が1つの場合は、参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を撮像して、物体光の偏光状態を得る偏光イメージング方法であって、上記干渉像を作る物体光および上記干渉像を作る参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、第1方向の偏光成分について、上記被写体からの光路長が異なる第1干渉像および第2干渉像と、第2方向の偏光成分について、上記被写体からの光路長が異なる第3干渉像および第4干渉像との干渉像を含む干渉パターンを一度に撮像するステップと、上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像を生成するステップと、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光状態を求めるステップとを含むことを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、光路長と偏光方向とが異なるm’×n’種類(m’は参照光の光路長数、n’は偏向方向の種類数で、例えばm’=2、n’=2の場合は4種類)の干渉像を一度に取得し、光路長シフト法を用いて各偏光方向に関する再生像を得ることができ、これに基づいて被写体の再生像の各位置における物体光の偏光状態を求める。それゆえ、複数回の撮像を行う必要が無く、1回の撮像で被写体の広範囲かつ詳細な3次元情報と偏光分布とを得ることができる。そのため、上記の構成を用いれば、例えば動的な変化を伴う被写体のある瞬間の3次元構造と偏光分布とをイメージングすることができる。
【0031】
つまり、偏光方向は少なくとも2種類、参照光の位相は少なくとも2種類、この組み合わせによる一度に撮像する干渉像は少なくとも4種類であり、それより多くても同様に被写体のある瞬間の3次元構造と偏光分布とをイメージングすることができる。また、光源を複数個用いれば分光特性を得ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る偏光イメージング装置は、参照光および物体光を供給する1個以上の光源と、撮像部とを備え、参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を上記撮像部が撮像する偏光イメージング装置において、上記撮像部に入射する物体光および上記撮像部に入射する参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、上記撮像部は、上記第1方向の偏光と第1位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第1干渉像と、上記第1方向の偏光と第2位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第2干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第1位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第3干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第2位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第4干渉像とを含む干渉パターンを一度に撮像し、上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像を生成する再生像生成部と、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求める偏光画像算出部とを備えることを特徴とする。
【0033】
例えば、最も簡単な例である偏光が2種類で、位相が2段階で光源が1つの場合は、参照光および物体光を供給する光源と、撮像部とを備え、参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を上記撮像部が撮像する偏光イメージング装置において、上記撮像部に入射する物体光および上記撮像部に入射する参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、上記撮像部は、第1方向の偏光成分について、互いに位相が異なる2つの参照光がそれぞれ物体光と干渉して作る第1干渉像および第2干渉像と、第2方向の偏光成分について、互いに位相が異なる2つの参照光がそれぞれ物体光と干渉して作る第3干渉像および第4干渉像との、合わせて4種類の干渉像を含む干渉パターンを一度に撮像し、上記干渉パターンから上記第1干渉像および第2干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像および第4干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像を生成する再生像生成部と、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求める偏光画像算出部とを備えることを特徴としている。
【0034】
よって、光路長または参照光の位相と偏光方向とが異なる4種類の干渉像を一度に取得し、光路長シフト法または位相シフト法を用いて各偏光方向に関する再生像を得ることができ、これに基づいて被写体の再生像の各位置における物体光の偏光状態を求めることができる。それゆえ、複数回の撮像を行う必要が無く、1回の撮像で被写体の広範囲かつ詳細な3次元情報と偏光分布とを得ることができる。
【0035】
つまり、上記の説明では、偏光方向は2種類、光路長つまり位相差は2種類であり、この組み合わせによる一度に撮像する干渉像は少なくとも4種類であるが、例えば偏光方向は2種類以上、光路長つまり位相差は2種類以上であり、この組み合わせによる一度に撮像する干渉像は少なくとも4種類それよりも種類が多くても同様に被写体のある瞬間の3次元構造と偏光分布とをイメージングすることができる。また、光源を2つ以上の複数個とすれば、被写体のある瞬間の3次元構造と偏光分布と分光特性をイメージングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態1に係る偏光イメージング装置の構成を示す模式図である。
【図2】(a)は、位相シフトアレイデバイスの一部を示す模式平面図であり、(b)は、偏光子アレイデバイスの一部を示す模式平面図である。
【図3】再生部における像再生アルゴリズムを説明するための図である。
【図4】(a)は、水平方向(P1)の偏光成分の振幅分布を示す画像であり、(b)は、垂直方向(P2)の偏光成分の振幅分布を示す画像であり、(c)は、水平方向(P1)の偏光のレーザ光が被写体を透過した場合の位相分布を示す画像であり、(d)は、垂直方向(P2)の偏光のレーザ光が被写体を透過した場合の位相分布を示す画像である。
【図5】物体光のストークスパラメータS0~S3を示す画像である。
【図6】被写体の再生像に関して、実施の一形態に基づいて行ったシミュレーションの結果を示す画像である。
【図7】シミュレーションで得られた再生像および位相分布から求めたストークスパラメータを示す画像である。
【図8】本発明の実施の一形態に係る偏光イメージング装置における撮像可能範囲と、軸外し型の偏光イメージング装置における撮像可能範囲とを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2の偏光イメージング装置の構成を示す模式図である。
【図10】(a)は、第1空間光変調器の一部を示す模式平面図であり、(b)は、第2空間光変調器の一部を示す模式平面図であり、(c)は、第2空間光変調器を通過した直後の一部の参照光の状態を示す模式図である。
【図11】本発明の実施の形態3の偏光イメージング装置の構成を示す模式図である。
【図12】本発明の実施の形態4の偏光イメージング装置の構成を示す模式図である。
【図13】(a)は、位相シフトアレイデバイスの一部を示す模式図であり、(b)は、波長選択フィルタの一部を示す模式図であり、(c)は、偏光子アレイデバイスの一部を示す模式図である。
【図14】上記偏光イメージング装置で得られる干渉パターンの一部を示す図である。
【図15】(a)は、水平方向(P1)の偏光成分の振幅分布を示す画像であり、(b)は、垂直方向(P2)の偏光成分の振幅分布を示す画像であり、(c)は、水平方向(P1)の偏光のレーザ光が被写体を透過した場合の位相分布を示す画像であり、(d)は、垂直方向(P2)の偏光のレーザ光が被写体を透過した場合の位相分布を示す画像である。
【図16】各波長λ1~λ3の物体光の各ストークスパラメータS0~S3を示す画像である。
【図17】被写体の再生像に関して、本発明のさらに他の実施の形態に基づいて行ったシミュレーションの結果を示す画像である。
【図18】シミュレーションで得られた再生像および位相分布から求めた各波長λ1~λ3の物体光の各ストークスパラメータS0~S3を示す画像である。
【図19】本発明の実施の形態5の偏光イメージング装置の構成を示す模式図である。
【図20】光路長シフトアレイデバイスの一部を示す模式図である。
【図21】本発明の実施の形態6の偏光イメージング装置の基本構成を示す模式図である。
【図22】上記偏光イメージング装置の動作原理を説明するための図である。
【図23】上記偏光イメージング装置の構成を示す模式図である。
【図24】上記偏光イメージング装置の動作のためのアルゴリズムを説明するための図である。
【図25】上記アルゴリズムの空間キャリア位相シフト法を説明するための図である。
【図26】実施の形態6の他の偏光イメージング装置の構成を示す模式図である。
【図27】実施の形態6のさらに他の偏光イメージング装置の構成を示す模式図である。
【図28】実施の形態6のさらに他の偏光イメージング装置の構成を示す模式図である。
【図29】(a)(b)は、実施の形態6のさらに他の偏光イメージング装置の構成を示す模式図である。
【図30】(a)(b)は、実施の形態6のさらに他の偏光イメージング装置の構成を示す模式図である。
【図31】1種類のイメージセンサで複数の波長情報を取得する方法を説明するための図である。
【図32】(a)は実施の形態6のさらに他の偏光イメージング装置の構成を示す模式図であり、(b)は1種類のイメージセンサで3次元、偏光、複数の波長情報を取得する方法を説明するための図である。
【図33】1種類のイメージセンサで3次元、偏光、複数の波長情報を取得するための撮像素子の構成を示す斜視図である。
【図34】記録したホログラムから複数の偏光、複数の波長における被写体の3次元像を得るまでの流れを示す図である。
【図35】記録したホログラムから被写体の3次元構造、偏光分布、分光画像再生までの流れを示すフローチャートである。
【図36】(a)は2種類のフィルタを備えた波長選択フィルタアレイの構成を示す図であり、(b)は上記波長選択フィルタアレイの動作を説明するための図である。
【図37】(a)は実施の形態6のさらに他の偏光イメージング装置の構成を示す模式図であり、(b)は上記偏光イメージング装置における撮像素子の構成を示す斜視図である。
【図38】上記撮像素子により記録したホログラムから各偏光、各波長における3次元像を取得するまでの流れを示す図である。
【図39】実施の形態6に係る積層型イメージセンサの構成を示す図である。
【図40】上記積層型イメージセンサを用いた撮像素子の構成を示す斜視図である。
【図41】実施の形態7の偏光イメージング装置に設けられた撮像部が撮像するホログラムの構成を説明するための図である。
【図42】上記偏光イメージング装置の構成を示す模式図である。
【図43】上記偏光イメージング装置の構成要素の構成を示す図であり、(a)は偏光子アレイデバイスの構成を示す図であり、(b)は位相シフトアレイデバイスの構成を示す図である。
【図44】上記偏光イメージング装置が偏光成分の再生像を生成するためのアルゴリズムを説明するための図である。
【図45】実施の形態7の他の偏光イメージング装置に設けられた撮像部が撮像するホログラムの構成を示す図である。
【図46】上記他の偏光イメージング装置の構成を示す模式図である。
【図47】(a)は上記偏光イメージング装置に設けられた偏光子アレイデバイスの構成を示す図であり、(b)は上記偏光イメージング装置に設けられた撮像部が撮像するホログラムの構成を示す図である。
【図48】上記偏光イメージング装置が偏光成分の再生像を生成するためのアルゴリズムを説明するための図である。
【図49】実施の形態7のさらに他の偏光イメージング装置に設けられた撮像部が撮像するホログラムの構成を説明するための図である。
【図50】上記さらに他の偏光イメージング装置の構成を示す模式図である。
【図51】上記偏光イメージング装置の構成要素の構成を示す図であり、(a)は偏光子アレイデバイスの構成を示す図であり、(b)は位相シフトアレイデバイスの構成を示す図である。
【図52】上記偏光イメージング装置が偏光成分の再生像を生成するためのアルゴリズムを説明するための図である。
【図53】従来の偏光イメージング装置の構成を示す図である。
【図54】上記偏光イメージング装置に設けられた撮像装置に入射する物体光と参照光との関係を示す図である。
【図55】上記偏光イメージング装置に記録されたホログラムから像を再生する手順を説明するための図である。
【図56】上記偏光イメージング装置の問題点を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
[実施の形態1]
以下、実施の形態1について、図1~8を参照して詳細に説明する。ここで、光源の数は1であり、参照光の方向が異なる偏光成分の数は2であり、第1および2方向の偏光成分について、互いに異なる位相の数は2である。

【0038】
図1は、実施の形態1の偏光イメージング装置1の構成を示す模式図である。偏光イメージング装置1は、レーザ光源(光源)11を含む光学系と、CCDからなる撮像面12aを有する撮像素子(撮像部)12とを有する撮像装置を備える。さらに、偏光イメージング装置1は、撮像素子12の出力に接続された計算機13を備える。撮像素子12は、撮像面12aの前面に配置された偏光子アレイデバイス23を備える。

【0039】
レーザ光源11は、コヒーレントな光、すなわちレーザ光を発生する。ここで、レーザ光の伝播方向に垂直な1つの方向を第1方向と定義し、レーザ光の伝播方向および第1方向に垂直な方向を第2方向と定義する。このレーザ光は、第1方向の偏光成分と第2方向の偏光成分とを、つまり2つの方向の偏光成分を有する直線偏光の光である。本実施の形態では第1方向は水平方向に一致し、第2方向は垂直方向に一致する。レーザ光の偏光方向は、第1方向から45°傾いた、光の進行方向から見て右上がりの方向の直線偏光である。なお、1/4波長板をもちいてレーザ光を円偏光にしてもよい。また、他の偏光子または波長板等を配置してレーザ光の偏光を調整してもよい。レーザ光源11から出射(供給)されたレーザ光は、ビームエキスパンダ14およびコリメータレンズ15を通過することにより平行光となる。それから、レーザ光はビームスプリッタ16によって参照光と物体光とに分割される。参照光および物体光は、それぞれ第1方向の偏光成分と第2方向の偏光成分とを有する直線偏光の光である。

【0040】
分割された光の一方である物体光は、ミラー17によって反射され被写体18に照射される。被写体18に入射した物体光は被写体18によって回折または散乱されて、被写体18から出射する。その後、物体光は、ビーム結合素子19によって反射され、偏光子アレイデバイス23を通過し、撮像素子12の撮像面12aに入射する。ここで、ビーム結合素子19はハーフミラーからなる。物体光は、撮像面12aに対してほぼ垂直に入射する。

【0041】
分割された光の他方である参照光は、ミラー20によって反射され、位相シフトアレイデバイス(位相シフトアレイ部)21を通過する。図2の(a)は、位相シフトアレイデバイス21の一部を示す模式平面図である。位相シフトアレイデバイス21は、通過したレーザ光の位相を互いに異ならせる複数の領域を有する。位相シフトアレイデバイス21は、2種類の位相シフト領域21a・21bから構成されている。位相シフト領域21aを通過した参照光に対して、位相シフト領域21bを通過した参照光は、その進行方向に垂直な平面上における位相がその偏光方向に関わらず(-π/2)だけずれる(位相がπ/2だけ遅れる)。便宜上、位相シフト領域21aを通過した参照光を位相シフト量が0の参照光、位相シフト領域21bを通過した参照光を位相シフト量が(-π/2)の参照光と記載する。位相シフトアレイデバイス21は、線状の位相シフト領域21aと線状の位相シフト領域21bとが交互に並んで配置された構成をしている。つまり、位相シフトアレイデバイス21により位相の異なる2つの参照光ができる。

【0042】
位相シフトアレイデバイス21は、例えば、ガラスで形成し位相シフト領域毎にその厚みを変えることで構成できる。なお、位相シフトアレイデバイス21の位相を異ならせる複数の領域は、波長板を用いて構成してもよいし、位相シフト領域毎に厚みを変えることによって構成してもよいし、それぞれの領域に液晶素子を設け液晶分子の向きを変えることによって構成してもよいし、他の複屈折材料を用いて構成してもよいし、構造性複屈折を有する素子を用いて構成してもよいし、空間光変調器を用いて構成してもよい。

【0043】
位相シフトアレイデバイス21を通過した参照光は、結像光学部22を通過し、ビーム結合素子19を通過し、偏光子アレイデバイス(偏光子アレイ部)23を通過し、参照光の光軸が撮像素子12の撮像面12aにほぼ垂直になるように撮像面12aに入射する。位相シフトアレイデバイス21を通過した参照光は回折し、結像光学部22によって撮像面12aに結像される。本実施の形態では、結像光学部22は2つのレンズから構成されているが、これに限らず、レンズは1つでも、それ以上でも構わない。ここで、例えば、位相シフトアレイデバイス21の1つの位相シフト領域21aまたは1つの位相シフト領域21bを通過した参照光は、撮像面12aのいずれか1つの行の画素に結像される。すなわち、図2の(a)において格子状に区切って表される位相シフト領域21aおよび位相シフト領域21bの1つのセルを通過した参照光は、撮像面12aのいずれか1つの画素に結像される。また、図2の(a)では、位相シフトアレイデバイス21の領域21aおよび領域21bを格子状に区切って描いているが、実際には位相シフトアレイデバイス21は縞状の構造であってもよい。

【0044】
偏光イメージング装置1の撮像光学系は、インライン型の光学系で構成されており、撮像面12aに入射する参照光の光軸は撮像面12aに垂直であり、かつ被写体18は撮像面12aの光学的な正面(光学的に撮像面12aの法線方向)に位置している。

【0045】
図2の(b)は、撮像面12a側からみた偏光子アレイデバイス23の一部を示す模式平面図である。偏光子アレイデバイス23は、通過した光のある方向(ここでは水平方向)の偏光成分のみを取り出す偏光子(偏光子領域)23aと、それとは直交する方向(ここでは垂直方向)の偏光成分のみを取り出す偏光子23bとが市松模様に複数配置されたものである。そして、入射する参照光および物体光は水平方向の偏光成分および垂直方向の偏光成分を有している。本実施の形態では上記の第1方向は水平方向に一致し、第2方向は垂直方向に一致する。すなわち、偏光子23a・23bは、参照光および物体光のそれぞれの偏光方向に対応した偏光成分のみを通過させる。

【0046】
偏光子アレイデバイス23を通過した物体光および参照光は、その背面にある撮像面12aに入射する。物体光および参照光の干渉に応じた光の強度が撮像面12aの画素によって検出され、撮像素子12は、物体光と参照光とが撮像面12aに作る干渉パターン(干渉像)を撮像する。ここで、偏光子アレイデバイス23は撮像面12aに隣接して貼り付けられているため、個々の偏光子23a・23bは撮像面12aの1つの画素に対応する。また、位相シフトアレイデバイス21の図2の(a)に示す格子で区切られた1つのセルを通過した参照光は、結像光学部22によって結像され、偏光子アレイデバイス23の1つの偏光子23aまたは1つの偏光子23bを通過する。それゆえ、撮像面12aには、互いに位相が異なる2つの参照光の水平方向の偏光成分がそれぞれ物体光の水平方向の偏光成分と干渉する2種類の干渉と、互いに位相が異なる2つの参照光の垂直方向の偏光成分がそれぞれ物体光の垂直方向の偏光成分と干渉する2種類の干渉との、合わせて4種類の干渉に対応する画素がある。具体的には、撮像面12aには、水平方向偏光かつ位相シフト量が0の参照光と水平方向偏光の物体光とが干渉する画素、水平方向偏光かつ位相シフト量が(-π/2)の参照光と水平方向偏光の物体光とが干渉する画素、垂直方向偏光かつ位相シフト量が0の参照光と垂直方向偏光の物体光とが干渉する画素、および垂直方向偏光かつ位相シフト量が(-π/2)の参照光と垂直方向偏光の物体光とが干渉する画素がある。このようにして、撮像素子12は、1回の撮像で偏光方向が2方向で、それぞれの方向に対して位相の異なる2種類の干渉パターン、つまり撮像面12aにできる4種類の干渉パターンを一度に取得することができる。

【0047】
計算機13は、再生部24と偏光状態算出部25と偏光画像生成部35とを備える。計算機13は、撮像素子12で撮像された干渉パターンを示す画像データを撮像素子12から取得し、再生部24に入力する。

【0048】
図3は、再生部24における像再生アルゴリズムを説明するための図である。図3には干渉パターン(干渉像)26の一部だけを示す。

【0049】
撮像面12aに作られる干渉パターン26は、物体光の水平方向の偏光成分と位相シフト量が0の参照光の水平方向の偏光成分とが干渉した画素27a、物体光の水平方向の偏光成分と位相シフト量が(-π/2)の参照光の水平方向の偏光成分とが干渉した画素27b、物体光の垂直方向の偏光成分と位相シフト量が0の参照光の垂直方向の偏光成分とが干渉した画素27c、および物体光の垂直方向の偏光成分と位相シフト量が(-π/2)の参照光の垂直方向の偏光成分とが干渉した画素27dの4種類の画素を含む。

【0050】
再生部24は、これらの4種類の画素27a・27b・27c・27dをそれぞれ抽出することにより、物体光の水平方向の偏光成分と位相シフト量が0の参照光の水平方向の偏光成分との干渉パターン28a、物体光の水平方向の偏光成分と位相シフト量が(-π/2)の参照光の水平方向の偏光成分との干渉パターン28b、物体光の垂直方向の偏光成分と位相シフト量が0の参照光の垂直方向の偏光成分との干渉パターン28c、および物体光の垂直方向の偏光成分と位相シフト量が(-π/2)の参照光の垂直方向の偏光成分との干渉パターン28dを得る。再生部24は、干渉パターン26の画素を分割して得られた4つの干渉パターン28a~28dに基づき、物体光の水平方向の偏光成分および垂直方向の偏光成分の複素振幅分布を求める。

【0051】
次に、再生部24は、水平方向偏光かつ参照光の位相シフト量が0の干渉パターン28a、水平方向偏光かつ参照光の位相シフト量が(-π/2)の干渉パターン28b、垂直方向偏光かつ参照光の位相シフト量が0の干渉パターン28c、および垂直方向偏光かつ参照光の位相シフト量が(-π/2)の干渉パターン28dの欠落している画素(いずれも干渉パターン28a、28b、28c、28dで白く表されている画素)の画素値を補間し、補間された水平方向偏光かつ参照光の位相シフト量が0の干渉パターン29a、補間された水平方向偏光かつ位相シフト量が(-π/2)の干渉パターン29b、補間された垂直方向偏光かつ位相シフト量が0の干渉パターン29c、および補間された垂直方向偏光かつ位相シフト量が(-π/2)の干渉パターン29dを得る。

【0052】
これらの干渉パターンから物体光の複素振幅分布を得るためには、撮像素子12の撮像面12a上での参照光の強度分布の情報が必要になる。参照光の強度分布は定常的で変化しないため、予め、または被写体の干渉パターンを撮像した後に、物体光を遮る等して参照光だけを撮像することができる。参照光の強度分布を得る際に被写体18は不要である。再生部24は、干渉パターン26と同様に、撮像素子12から参照光の強度分布30を取得する。参照光は、偏光子アレイデバイス23を通過しているので、参照光の強度分布30は、参照光の水平方向の偏光成分の強度を示す画素31aおよび参照光の垂直方向の偏光成分の強度を示す画素31bの両方を含む。

【0053】
再生部24は、これらの2種類の画素31a・31bをそれぞれ抽出することにより、参照光の水平方向の偏光成分の強度分布32a、および参照光の垂直方向の偏光成分の強度分布32bを得る。

【0054】
また、参照光の強度分布が一様だと仮定できる場合あるいは推定できる場合は、参照光の強度分布の記録を省略し、物体光の複素振幅分布を得る信号処理時に再生部24によって参照光の強度分布を生成して用いてもよい。得た干渉パターンを反復して処理することで、適切な参照光の強度分布を推定することができる。

【0055】
次に、再生部24は、参照光の水平方向の偏光成分の強度分布32a、および参照光の垂直方向の偏光成分の強度分布32bの欠落している画素(いずれも強度分布32a、32bで白く表されている画素)の画素値を補間し、補間された参照光の水平方向の偏光成分の強度分布33a、および補間された参照光の垂直方向の偏光成分の強度分布33bを得る。

【0056】
再生部24は、水平方向の偏光成分に関するこれらの補間された位相シフト量の異なる干渉パターン29a・29b、および補間された参照光の強度分布33aに基づき、2段階位相シフト法(非特許文献3参照)を用いて、物体光の水平方向の偏光成分の撮像面12a上の複素振幅分布34aを求めることができる。同様にして、再生部24は、垂直方向の偏光成分に関する補間された位相シフト量の異なる干渉パターン29c・29d、および補間された参照光の強度分布33bに基づき、物体光の垂直方向の偏光成分の撮像面12a上の複素振幅分布34bを求めることができる。

【0057】
再生部24は、得られた複素振幅分布に基づき、回折積分を行うことにより、各偏光成分について任意の奥行き位置での合焦像(振幅分布を示す再生像)を得ることができる。また、合焦像について被写体の3次元形状の情報を含む位相分布を得ることができる。再生部24は、被写体の奥行き位置において、計算して得た水平方向の偏光成分および垂直方向の偏光成分についての再生像と位相分布とを偏光状態算出部25に出力する。

【0058】
偏光状態算出部25は、水平方向の偏光成分の再生像と位相分布および垂直方向の偏光成分の再生像と位相分布に基づき、再生像の各位置(各画素)における詳細な偏光状態を表すためにストークスパラメータを求める。まず、偏光状態算出部25は、水平方向の偏光成分の位相分布と垂直方向の偏光成分の位相分布の差を求める。次に、偏光状態算出部25は、求めた位相差分布と各偏光成分における振幅分布とに基づき、再生像の各位置(各画素)におけるストークスパラメータS0,S1,S2,S3を求める。ストークスパラメータは以下の式で表すことができる。
S0=A+A
S1=A-A
S2=2Acos(θ-θ)
S3=2Asin(θ-θ)
ここで、Aは被写体の水平方向偏光における振幅分布、Aは被写体の垂直方向偏光における振幅分布、θxは被写体の水平方向偏光における位相分布、θは被写体の垂直方向偏光における位相分布を表す。偏光状態算出部25は、求めたストークスパラメータを偏光画像生成部35に出力する。なお、偏光状態算出部25は、ストークスパラメータの代わりにジョーンズベクトルまたはミュラー行列等を求めることにより、詳細な偏光状態を求めてもよい。また、他の偏光状態を表すパラメータを求めて偏光状態を表現してもよい。偏光状態算出部25は、水平方向および垂直方向の偏光成分についての物体光の複素振幅分布から、被写体の像の詳細な偏光状態を求めることができる。

【0059】
偏光画像生成部35は、ストークスパラメータから被写体の各偏光方向(例えば、0°方向(水平方向)、45°方向、90°方向(垂直方向)、135°方向)の振幅分布を求め、偏光方向毎に振幅分布を着色し、偏光分布を表す被写体の画像を生成する。

【0060】
実施の形態1では、このようにして、参照光の位相と偏光方向とが異なる4種類の干渉パターンを一回の撮像によって一度に取得し、これに基づいて再生像の詳細な偏光状態を表すストークスパラメータを求めることにより、偏光イメージングを実現する。本実施の形態によれば、参照光の位相と偏光方向とが異なる4種類の干渉パターンを同一平面(撮像面12a)に同時に形成し、撮像面の画素を分割して各干渉パターンを同時に取得するため、一度の撮像によって、被写体の3次元構造と偏光分布とをイメージングするために必要な情報を取得することができる。そのため、動的な変化を伴う被写体の、ある瞬間の3次元構造と偏光分布とをイメージングすることができる。また、本実施の形態では、参照光の位相が異なる干渉パターンを取得するので、位相シフト法によって0次回折光および共役像(-1次回折光)を除去した再生像(1次回折光)を得ることができる。そのため、インライン型のディジタルホログラフィによって再生像を得ることができる。それゆえ、非特許文献1の技術に比べて、撮影可能範囲が広く、かつ被写体のより詳細な構造を取得することができる。そのため、本実施の形態によれば、動的な変化を伴うより大きな被写体をより詳細に観察することができる。また、本実施の形態によれば、軸外し型のディジタルホログラフィを用いる非特許文献1に記載の構成に比べて、偏光調整素子(波長板、偏光板等)が少なくて済み、光学系を簡単に構成することができ、偏光イメージング装置1を小型にすることができる。

【0061】
3次元構造の情報と偏光分布の情報とを同時に取得するためには、偏光イメージングカメラとディジタルホログラフィ用撮像素子をそれぞれ1台ずつ使用して別個に撮像を行うことを考えるのが、自然な発想である。しかしながら、2つの撮像素子(カメラ)を用いて別個に撮像を行ったのでは、2つの撮像素子の相対位置をナノメートルオーダーで精密に位置合わせする必要があり実用的ではない。そこで本願発明者は、偏光分布を得るための少なくとも2種類の画素(偏光方向が異なる画素)、および、3次元情報を得るため(位相シフト法を用いて物体像を得るため)の少なくとも2種類の画素(参照光の位相が異なる画素)の組み合わせの4種類の画素を、1つの撮像面に交互に配置する方法(本発明)を発明した。種類の異なる干渉パターンを空間分割多重して撮像面に形成するこの方法は、分割多重数(画素の種類)が少なくとも4つ(見かけの画素数が1/4以下)になるため、軸外し型の偏光イメージング装置(非特許文献1等)と比較した場合に、一見、画質が劣化すると考えられ優位性がないと予測される。しかしながら、本願発明者による解析・評価の結果、本発明は、非特許文献1の構成と比べて広視野かつ高分解能を有するものであり、従来の技術に対して際だった優位性を有するものであることが分かった。後述するシミュレーション結果において、本実施の形態によれば、見かけの画素数が1/4であるにも関わらず、劣化の見られない再生像、および偏光分布を得ることができることを説明する。

【0062】
なお、用いるレーザ光の偏光方向は、第1方向および第2方向に対して対等でなくてもよく、第1方向および第2方向の両方の偏光成分を含んでいればよい。レーザ光は、円偏光または楕円偏光等であってもよい。もちろん、第1方向および第2方向は、水平方向および垂直方向に限らない。

【0063】
また、位相シフトアレイデバイスの格子状に区切られた1つのセル(位相シフト領域)を通過する参照光が、撮像素子の1画素に結像する必要はなく、位相シフトアレイデバイスの1つのセルを通過する参照光が撮像素子の複数の画素(例えば2×2の画素)に結像するよう結像光学系を構成してもよい。同様に、偏光子アレイデバイスの1つのセル(偏光子23a・23b)が撮像素子の1画素に対応する必要はなく、偏光子アレイデバイスの1つのセルが複数の画素(例えば2×2の画素)に対応するように構成してもよい。また、本実施の形態では、位相シフトアレイデバイスを通過した参照光は2種類の位相の参照光に分かれるが、3種類以上であってもよい。また、偏光子アレイデバイスの偏光子の光学軸の方向は、3種類以上であってもよい。すなわち、偏光方向と参照光の位相との組み合わせが異なる4種類以上の干渉パターンを一度に撮像し、取得した干渉パターンに基づいて再生像およびストークスパラメータを求めてもよい。

【0064】
また、本実施の形態では、被写体を透過・回折した物体光を観察する透過型の光学系を用いているが、本発明は、被写体によって反射・散乱された物体光を観察する反射型の光学系を用いても実現することができる。また、本実施の形態では、偏光子アレイデバイスを用いて各偏光方向の干渉パターンを撮像しているが、これに限らず、撮像素子が受光した物体光および参照光をビームスプリッタで複数に分割し、分割された光毎に、異なる方向の偏光子を通過させて個々の撮像面で撮像し、各偏光方向の干渉パターンを撮像する撮像素子を用いてもよい。

【0065】
<シミュレーション結果>
本願発明者は、計算機による本実施の形態に基づく再生像の生成およびストークスパラメータの算出のシミュレーションを行った。以下に、そのシミュレーション結果について説明する。

【0066】
被写体の撮像を行う光学系は図1に示す偏光イメージング装置1である。図4の(a)は、被写体の見た目の明暗を表す、水平方向(P1)の偏光成分の振幅分布を示す画像であり、図4の(b)は、被写体の見た目の明暗を表す、垂直方向(P2)の偏光成分の振幅分布を示す画像である。被写体は物体光が透過する方向に垂直な平面における断面が正方形の物体であり、被写体には猫の像が形成されている。図4の(c)は、図4の(a)に対応して、水平方向(P1)の偏光のレーザ光が被写体を透過した場合の位相分布を示す画像であり、図4の(d)は、図4の(b)に対応して、垂直方向(P2)の偏光のレーザ光が被写体を透過した場合の位相分布を示す画像である。図4の(c)および図4の(d)において、位相の遅れは明暗で表されており、最も暗い箇所は最も明るい箇所に比べてレーザ光(物体光)の位相が1.5π遅れている。

【0067】
図5の(a)は、この被写体によって回折した物体光のストークスパラメータS0を示す画像であり、図5の(b)は、この被写体によって回折した物体光のストークスパラメータS1を示す画像であり、図5の(c)は、この被写体によって回折した物体光のストークスパラメータS2を示す画像であり、図5の(d)は、この被写体によって回折した物体光のストークスパラメータS3を示す画像である。図5の(a)~図5の(d)において、明るい箇所ほどストークスパラメータが大きいことを示す。

【0068】
なお、シミュレーションの条件として、用いるレーザ光の波長λは532nmであり、被写体の断面のサイズ(図4の(a)に示す画像の縦横のサイズ)は、3.69mm×3.69mmであり、被写体と撮像素子の撮像面との間の距離(物体光の光軸に沿った距離)は50mmであり、撮像素子の各画素のサイズは1.8μm×1.8μmであり、撮像素子の画素数は2048×2048ピクセルであり、画素ピッチは1.8μmであると仮定した。上記の条件の下、計算機によって、被写体の物体光と参照光とが撮像面に作る干渉パターンを取得し、再生像を計算し、それに基づき再生像のストークスパラメータを求めるシミュレーションを行った。なお、干渉パターンの取得も計算機によるシミュレーションによって行っている。

【0069】
図6の(a)~図6の(d)は、被写体の再生像に関して、本実施の形態に基づいて行ったシミュレーションの結果を示す画像である。図6の(a)は、再生像におけるP1の偏光成分の振幅分布を示す画像であり、図6の(b)は、再生像におけるP2の偏光成分の振幅分布を示す画像であり、図6の(c)は、図6の(a)に対応して、再生像におけるP1の偏光成分の位相分布を示す画像であり、図6の(d)は、図6の(b)に対応して、再生像におけるP2の偏光成分の位相分布を示す画像である。本実施の形態によって、撮像した干渉パターンを4分割して位相と偏光方向が異なる4種類の干渉パターンを得た場合でも、精確かつ鮮明な再生像および精確な位相分布が得られることが分かる。

【0070】
図7の(a)~図7の(d)は、シミュレーションで得られた再生像および位相分布から求めたストークスパラメータを示す画像である。図7の(a)は、再生像におけるストークスパラメータS0を示す画像であり、図7の(b)は、再生像におけるストークスパラメータS1を示す画像であり、図7の(c)は、再生像におけるストークスパラメータS2を示す画像であり、図7の(d)は、再生像におけるストークスパラメータS3を示す画像である。図7の(a)~図7の(d)と図5の(a)~図5の(d)とを比較すると、本実施の形態の偏光イメージングのシミュレーションによって本来のストークスパラメータを精確に再現できたことが分かる。すなわち、本実施の形態によれば、動的な変化を伴う被写体の3次元構造と詳細な偏光状態とを精確に取得し、偏光イメージングを行うことができる。

【0071】
<計測可能範囲の比較>
本実施の形態では、撮像面を4分割してホログラム(干渉パターン)を多重記録するが、インライン型の光学系を利用しているため、撮像可能な範囲、すなわち計測できる被写体の大きさは、軸外し型の光学系を利用する非特許文献1のものより大きくなる。

【0072】
図8の(a)は、本実施の形態の偏光イメージング装置における撮像可能範囲と、軸外し型の偏光イメージング装置における撮像可能範囲とを示す図である。本比較図では、参照光を平行光と仮定している。本実施の形態の偏光イメージング装置では、軸外し型の偏光イメージング装置に比べてより大きな被写体(より大きな範囲)を撮像することができることがわかる。なお、図8の(a)に示す撮像可能範囲を求めた条件として、撮像素子の画素ピッチを1.8μmとし、レーザ光の波長を532nmとし、撮像面の面積を1.84mm×1.84mmとし、被写体と撮像面との間の距離を300mmとした。なお、撮像可能範囲は、鮮明な再生像が得られる範囲(視野)とした。撮像可能範囲から外れると、0次回折光または共役像の重畳、エイリアシングおよびそれに伴うゴースト像の発生等の問題が発生し、画質が低下する。鮮明な再生像が得られる範囲とは、上記の問題が発生しない限界の範囲である。

【0073】
画素ピッチが大きい撮像素子を用いる場合、さらに差が顕著になる。図8の(b)は、本実施の形態の偏光イメージング装置における撮像可能範囲と、軸外し型の偏光イメージング装置における撮像可能範囲とを示す図である。図8の(b)に示す撮像可能範囲を求めた条件として、撮像素子の画素ピッチを5μmとし、レーザ光の波長を532nmとし、撮像面の面積を2.56mm×2.56mmとし、被写体と撮像面との間の距離を300mmとした。この場合、本実施の形態の偏光イメージング装置では、軸外し型の偏光イメージング装置に比べて4倍以上大きな被写体(大きな範囲)を撮像することができることがわかる。

【0074】
[実施の形態2]
以下、実施の形態2について、図9~図10を参照して詳細に説明する。ここで、光源の数は1であり、参照光の方向が異なる偏光成分の数は2であり、第1および2方向の偏光成分について、互いに異なる位相の数は2である。なお、説明の便宜上、実施の形態1にて説明した部材・構成と同じ機能を有する部材・構成については、同じ符号を付記し、以下では実施の形態1と異なる部分についてのみ説明する。

【0075】
図9は、本実施の形態2の偏光イメージング装置2の構成を示す模式図である。偏光イメージング装置2のレーザ光源11は、第2方向(垂直方向)の偏光成分を有する直線偏光のレーザ光を出射する。偏光イメージング装置2は、偏向方向を調整する1/2波長板36と、偏向方向を調整する第1空間光変調器37および位相シフトを行う第2空間光変調器38とを備える。偏光イメージング装置2は、実施の形態1の位相シフトアレイデバイスおよび偏光子アレイデバイスを備えない。

【0076】
ビームスプリッタ16によって分割された垂直方向に偏光している物体光は、1/2波長板36によって偏光方向が45°回転され、垂直方向の偏光成分と水平方向の偏光成分とが等しい偏光に変換される。そして、垂直方向の偏光成分と水平方向の偏光成分を含む物体光(斜め偏光の物体光)が、被写体18に照射される。被写体18を透過・回折した物体光は、ビーム結合素子19によって反射され、撮像素子12の撮像面12aに入射する。なお、1/4波長板等を用いて物体光を円偏光または楕円偏光に変換してもよい。

【0077】
他方、ビームスプリッタ16によって分割された垂直方向に偏光している参照光は、ミラー20によって反射され、2つの空間光変調器37・38を通過する。図10の(a)は、第1空間光変調器37の一部を示す模式平面図である。第1空間光変調器(偏光方向変化アレイ部)37は、通過したレーザ光の偏光方向を90°回転させる第1方向領域37aと、偏光方向を変化させずにレーザ光を通過させる第2方向領域37bとをそれぞれ複数備える。第1方向領域37aに入射した垂直方向偏光の参照光は、偏光方向が90°回転され、水平方向偏光の参照光となって第1方向領域37aから出射される。一方、第2方向領域37bに入射した垂直方向偏光の参照光は、そのまま垂直方向偏光の参照光として第2方向領域37bから出射される。第1空間光変調器37は、線状の第1方向領域37aと線状の第2方向領域37bとが縦方向に交互に並んで配置された構成をしている。なお、入射する参照光の偏光方向、第1方向領域、および第2方向領域の作用は上記の例に限らず、第1空間光変調器の第1方向領域が、入射した参照光を第1方向に偏光した参照光に変換し、第1空間光変調器の第2方向領域が、入射した参照光を第2方向に偏光した参照光に変換するよう構成されていればよい。

【0078】
図10の(b)は、第2空間光変調器38の一部を示す模式平面図である。第2空間光変調器(位相シフトアレイ部)38は、通過したレーザ光の位相を互いに異ならせる複数の領域を有する。第2空間光変調器38は、2種類の位相シフト領域38a・38bから構成されている。位相シフト領域38aを通過した参照光に対して、位相シフト領域38bを通過した参照光は、その進行方向に垂直な平面上における位相がその偏光方向に関わらず(-π/2)だけずれる(位相がπ/2だけ遅れる)。便宜上、位相シフト領域38aを通過した参照光を位相シフト量が0の参照光、位相シフト領域38bを通過した参照光を位相シフト量が(-π/2)の参照光と記載する。第2空間光変調器38は、線状の位相シフト領域38aと線状の位相シフト領域38bとが横方向に交互に並んで配置された構成をしている。

【0079】
第1空間光変調器37と第2空間光変調器38とは互いに貼り合わせられており、第1空間光変調器37および第2空間光変調器38を通過した参照光は、図10の(c)に示すように、2種類の偏向と2種類の位相の4種類の参照光に分かれる。図10の(c)は、図10の(b)に対応して、第2空間光変調器38を通過した直後の一部の参照光の状態を示す模式図である。領域39aを通過する参照光は、水平方向偏光であり、位相シフト量は0である。領域39bを通過する参照光は、水平方向偏光であり、位相シフト量は(-π/2)である。領域39cを通過する参照光は、垂直方向偏光であり、位相シフト量は0である。領域39dを通過する参照光は、垂直方向偏光であり、位相シフト量は(-π/2)である。これら4種類の参照光は、第2空間光変調器38を通過することによって広がって進むが、結像光学部22によって、それぞれ撮像素子12の撮像面12aの各画素に結像される。

【0080】
撮像面12aには、4種類の参照光と斜め偏光の物体光とが干渉した干渉パターンが形成される。すなわち、撮像面12aの各画素は、4種類の参照光のいずれかと、斜め偏光の物体光とが干渉した光強度を測定する。これにより、位相シフト量が0で水平方向偏光である参照光と物体光の水平方向の偏光成分とが作る干渉パターン、位相シフト量が(-π/2)で水平方向偏光である参照光と物体光の水平方向の偏光成分とが作る干渉パターン、位相シフト量が0で垂直方向偏光である参照光と物体光の垂直方向の偏光成分とが作る干渉パターン、および、位相シフト量が(-π/2)で垂直方向偏光である参照光と物体光の垂直方向の偏光成分とが作る干渉パターンの4種類の干渉パターンを、偏光子アレイデバイス等を備えない撮像素子12によって一度に撮像することができる。

【0081】
その後、実施の形態1と同様に、物体光の複素振幅分布を求め、再生像および位相分布を生成し、ストークスパラメータを求めることで偏光イメージングを行うことができる。

【0082】
本実施の形態によれば、偏光子アレイデバイスを備えた偏光イメージングカメラを用いる必要がなく、簡素な撮像素子を用いて偏光イメージングを実現することができる。また、結像光学部22によって生じる収差をいずれかの空間光変調器37・38によって補償することも可能である。また、本実施の形態では、2つの空間光変調器37・38が参照光の経路に並べて配置され、参照光にのみ作用するので、結像光学部22の調整が容易になる。

【0083】
なお、偏光子アレイを撮像素子の撮像面に貼り合わせる実施の形態1の構成では、偏光子アレイを歪めて貼り付けると光の位相が歪んでしまう問題、および偏光子アレイと撮像素子を貼り合わせる際に位置ずれが起こるという問題がある。偏光子アレイを撮像素子に一度貼り合わせると補正ができない。これに対し、実施の形態2では、偏光子アレイを撮像素子に貼り合わせる必要がなく、光学系の調整を容易に行うことができるという特長がある。

【0084】
ここで、同じ偏光方向の2つの光は干渉を起こすが、異なった偏光方向の2つの光は干渉を起こさない。例えば、位相シフト量が0で水平方向偏光である参照光と、斜め偏光の物体光とが入射した画素上では、物体光の水平方向の偏光成分と参照光とは干渉するが、物体光の垂直方向の偏光成分は干渉を起こさない。これに対して、位相シフト量が0で垂直方向偏光である参照光と、斜め偏光の物体光とが入射した画素上では、物体光の垂直方向の偏光成分と参照光とは干渉するが、物体光の水平方向の偏光成分は干渉を起こさない。そのため、撮像素子12は、物体光の干渉に関与しない偏光成分も測定してしまうが、物体光の干渉に関与しない偏光成分の影響は、位相シフト法による計算過程で0次回折光の影響と共に除去することができる。以下に、干渉に関与しない物体光の偏光成分の影響を除去する方法について説明する。

【0085】
<物体光の複素振幅分布の計算方法>
撮像面12aにおける物体光の強度Ao2(x,y) は次式で表せる。

【0086】
【数1】
JP0005691082B2_000002t.gif

【0087】
ここで、AoP12(x,y) は、物体光の水平方向(P1)の偏光成分の強度であり、AoP22(x,y)は、物体光の垂直方向(P2)の偏光成分の強度である。

【0088】
位相シフト量が0で水平方向偏光である参照光が入射する画素が検出する光の強度をIA(x,y) 、位相シフト量が(-π/2)で水平方向偏光である参照光が入射する画素が検出する光の強度をIB(x,y) 、位相シフト量が0で垂直方向偏光である参照光が入射する画素が検出する光の強度をIC(x,y) 、位相シフト量が(-π/2)で垂直方向偏光である参照光が入射する画素が検出する光の強度をID(x,y) とする。各画素に入射する参照光は、直交する偏光方向の物体光とは干渉しないため、各画素が検出する光の強度は次の4つの式で表すことができる。

【0089】
【数2】
JP0005691082B2_000003t.gif

【0090】
ここで、Ar(x,y) は、撮像面12aにおける参照光の振幅を表し、φoP1(x,y) 、およびφoP2(x,y) は、それぞれ撮像面12aにおける物体光のP1およびP2の偏光成分の位相を表す。

【0091】
A(x,y) およびIB(x,y) からP1に関する偏光成分について2段階位相シフト法の式を立て、IC(x,y) およびID(x,y) からP2に関する偏光成分について2段階位相シフト法の式を立てると、次の式が得られる。

【0092】
【数3】
JP0005691082B2_000004t.gif

【0093】
ここで、αは位相シフト量(ここではα=-π/2)であり、t(x,y) は0次回折光成分の強度と物体光の非干渉成分(参照光と直交する偏光成分)の強度との和である。

【0094】
上記の式(6)~式(9)とsin2φo+cos2φo=1の公式より、t(x,y) を求める2次方程式を立てることができる。結果としてt(x,y) は以下の式で表すことができる。

【0095】
【数4】
JP0005691082B2_000005t.gif

【0096】
A(x,y) 、IB(x,y) 、IC(x,y) 、ID(x,y) 、およびAr(x,y) は測定可能な量であるので、上記の式(11)~式(17)からt(x,y) の値を求めることができ、求めたt(x,y) と式(6)~式(9)から、物体光の各偏光成分の複素振幅分布を表すための所望の情報であるAoP1(x,y) 、AoP2(x,y) 、φoP1(x,y) 、およびφoP2(x,y) を求めることができる。このようにして、干渉に関与しない物体光の偏光成分の影響を除去して、物体光の各偏光成分の複素振幅分布を求めることができる。

【0097】
[実施の形態3]
以下、実施の形態3について、図11を参照して詳細に説明する。ここで、光源の数は1であり、参照光の方向が異なる偏光成分の数は2であり、第1および2方向の偏光成分について、互いに異なる位相の数は2である。なお、説明の便宜上、実施の形態1にて説明した部材・構成と同じ機能を有する部材・構成については、同じ符号を付記し、以下では実施の形態1と異なる部分についてのみ説明する。本実施の形態では、細胞等の生体試料の観察に適した偏光顕微鏡への応用について説明する。

【0098】
図11は、本実施の形態の偏光イメージング装置3の構成を示す模式図である。偏光イメージング装置3のレーザ光源11が出射するレーザ光の偏光方向は、第1方向から45°傾いた、光の進行方向から見て右上がりの偏光方向である。なお、1/4波長板をもちいてレーザ光を円偏光等にしてもよい。偏光イメージング装置3は、空間光変調器40と、結像光学部(波面変換部)41と、空間フィルタリング素子42と、顕微鏡対物レンズ43とを備える。偏光イメージング装置3は、実施の形態1の位相シフトアレイデバイスを備えない。

【0099】
被写体18を透過・回折した物体光は、顕微鏡対物レンズ(拡大光学部)43によって拡大される。すなわち、顕微鏡対物レンズ43を通して被写体18を観察すると、拡大された被写体18の像を観察することができる。顕微鏡対物レンズ43を通過した物体光は、ビーム結合素子19によって反射され、撮像素子12の撮像面12aに入射する。

【0100】
他方、ビームスプリッタ16によって分割された参照光は、ミラー20によって反射され、空間光変調器(位相シフトアレイ部)40を通過する。空間光変調器40は、通過する参照光に対して、図10(b)に示す空間光変調器38と同様に位相シフト作用を行う。すなわち、空間光変調器40は、2種類の領域を有し、第1の領域を通過した参照光に対して、第2の領域を通過した参照光の位相を(-π/2)異ならせる。

【0101】
空間光変調器40を通過した参照光は、結像光学部41および空間フィルタリング素子42を通過し、ビーム結合素子19を通過し、偏光子アレイデバイス23を通過し、撮像面12aに入射する。空間光変調器40を通過した2種類の参照光は、結像光学部41および空間フィルタリング素子42によって、それぞれ撮像素子12の撮像面12aの各画素に結像される。なお、結像光学部41は、参照光を球面波(あるいは非球面波)として出射する。ここで、空間フィルタリング素子42は、ピンホールを有し、空間光変調器40の各セルを通過して回折する参照光の成分を除去する。これにより、きれいな形の球面波(あるいは非球面波)の参照光を得ることができ、参照光は球面波(あるいは非球面波)として撮像素子12の撮像面12aに入射する。

【0102】
偏光子アレイデバイス23は、実施の形態1と同様に、物体光および参照光について、第1の方向(水平方向)の偏光成分、または第2の方向(垂直方向)の偏光成分のみを選択的に通過させる。そのため、撮像面12aには、水平方向偏光かつ位相シフト量が0の参照光と水平方向偏光の物体光とが干渉する画素、水平方向偏光かつ位相シフト量が(-π/2)の参照光と水平方向偏光の物体光とが干渉する画素、垂直方向偏光かつ位相シフト量が0の参照光と垂直方向偏光の物体光とが干渉する画素、および垂直方向偏光かつ位相シフト量が(-π/2)の参照光と垂直方向偏光の物体光とが干渉する画素がある。

【0103】
被写体18の一点から回折して広がる物体光は、球面波(あるいは非球面波)として撮像面12aに到達する。ここで、参照光が平面波として撮像面12aに対して垂直な方向から入射すると、平面波である参照光と球面波(あるいは非球面波)である物体光とは、部分的に撮像面12aへの入射角が異なってしまう。撮像面12aへの入射角が異なるということは、撮像面12aにできる干渉パターンの空間周波数が高くなる(干渉縞の間隔が狭くなる)ことを意味し、被写体の細部の3次元構造を記録するために高解像度の撮像素子を必要とする。

【0104】
実施の形態3では、物体光に合わせて、参照光を球面波(あるいは非球面波)に変換して撮像面12aに入射させるため、参照光および物体光の進行方向の角度差を小さくし、干渉縞の間隔を広くすることができる。そのため、低解像度の撮像素子を用いて被写体の細部の3次元構造の情報を含む干渉パターンを記録することができる。それゆえ、実施の形態3の偏光イメージング装置3によれば、顕微鏡対物レンズ42を用いて拡大した被写体18の像の細部を、より精確に偏光イメージングによって観察することができる。なお、参照光を平面波のまま撮像面12aに入射させても、偏光顕微鏡として利用することができる。

【0105】
なお、軸外し型の光学系を利用する構成(非特許文献1)は、そもそも物体光の入射角と参照光の入射角に差をつけることが必須の構成であるため、本実施の形態のように高い精度で細部を観察することができない。

【0106】
[実施の形態4]
以下、本実施の形態について、図12~図18を参照して詳細に説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1にて説明した部材・構成と同じ機能を有する部材・構成については、同じ符号を付記し、以下では実施の形態1と異なる部分についてのみ説明する。本実施の形態では、3種類の波長のレーザ光を用いる分光情報を得ることができる偏光イメージング装置について説明する。

【0107】
図12は、実施の形態4の偏光イメージング装置4の構成を示す模式図である。ここで、光源の数は3であり、各光源に対して、参照光の方向が異なる偏光成分の数は2であり、第1および2方向の偏光成分について、互いに異なる位相の数は2である。偏光イメージング装置4は、互いに異なる波長のレーザ光を出射する3種類のレーザ光源11a・11b・11cと、ミラー44と、ビーム結合素子45・46と、位相シフトアレイデバイス47とを備える。また、偏光イメージング装置4は、撮像素子12の撮像面12aの前面に配置された波長選択フィルタ48および偏光子アレイデバイス49を備える。

【0108】
レーザ光源11aは波長λ1のレーザ光を出射し、レーザ光源11bは波長λ2のレーザ光を出射し、レーザ光源11cは波長λ3のレーザ光を出射する。レーザ光源11cから出射された波長λ3のレーザ光はミラー44で反射され、レーザ光源11bから出射された波長λ2のレーザ光はビーム結合素子45で反射され、ビーム結合素子46によって、レーザ光源11aから出射された波長λ1のレーザ光と光軸が揃えられる。各レーザ光源11a・11b・11cが出射するレーザ光の偏光方向は、第1方向から45°傾いた、光の進行方向から見て右上がりの偏光方向である。なお、1/4波長板をもちいてレーザ光を円偏光等にしてもよい。各波長のレーザ光は、ビームスプリッタ16によって、各波長の物体光と参照光とに分割される。

【0109】
各波長の参照光は、位相シフトアレイデバイス47を通過する。図13の(a)は、位相シフトアレイデバイス47の一部を示す模式図である。位相シフトアレイデバイス47は、通過したレーザ光の位相を互いに異ならせる複数の領域を有する。位相シフトアレイデバイス47は、6種類の位相シフト領域47a~47fから構成されている。位相シフト領域47aを通過した波長λ1の参照光に対して、位相シフト領域47bを通過した波長λ1の参照光は、その進行方向に垂直な平面上における位相がその偏光方向に関わらず(-π/2)だけずれる。また、位相シフト領域47cを通過した波長λ2の参照光に対して、位相シフト領域47dを通過した波長λ2の参照光は、その進行方向に垂直な平面上における位相がその偏光方向に関わらず(-π/2)だけずれる。位相シフト領域47eを通過した波長λ3の参照光に対して、位相シフト領域47fを通過した波長λ3の参照光は、その進行方向に垂直な平面上における位相がその偏光方向に関わらず(-π/2)だけずれる。なお、例えば位相シフト領域47a・47bを通過した波長λ2またはλ3の参照光の位相のずれは問題にならない。位相シフト領域47a・47bを通過した波長λ2およびλ3の参照光は、後に波長選択フィルタ48によって遮断してしまい撮像素子12に検出されないからである。便宜上、位相シフト領域47a・47c・47eを通過した参照光を位相シフト量が0の参照光、位相シフト領域47b・47d・47fを通過した参照光を位相シフト量が(-π/2)の参照光と記載する。

【0110】
位相シフトアレイデバイス47には、これら6種類の位相シフト領域47a~47fが図13の(a)のように配置されており、図に示す4×4セルの構造が周期的に配列している。位相シフトアレイデバイス47は、例えば、ガラスで形成し位相シフト領域毎に厚みを変えることで構成できる。

【0111】
位相シフトアレイデバイス47を通過した参照光は、結像光学部22を通過し、ビーム結合素子19を通過し、波長選択フィルタ48を通過し、偏光子アレイデバイス49を通過し、参照光の光軸が撮像面12aにほぼ垂直になるように撮像面12aに入射する。位相シフトアレイデバイス47を通過した参照光は回折し、結像光学部22によって撮像面12aに結像される。結像光学部22は複数のレンズから構成されている。ここで、例えば、位相シフトアレイデバイス47の1つの位相シフト領域47aを通過した参照光は、撮像面12aのいずれか1つの画素に結像される。すなわち、格子状に区切られた位相シフト領域47a~47fの1つのセルを通過した参照光は、撮像面12aのいずれか1つの画素に結像される。

【0112】
他方、被写体18によって回折・散乱された各波長の物体光は、ビーム結合素子19で反射され、波長選択フィルタ48を通過し、偏光子アレイデバイス49を通過し、撮像素子12の撮像面12aに入射する。

【0113】
図13の(b)は、撮像面12a側からみた波長選択フィルタ48の一部を示す模式図である。波長選択フィルタ48は、波長に応じて選択的に光を通過させるフィルタであり、波長λ1の光を通過させ波長λ2・λ3の光を遮断する第1波長選択領域48a、波長λ2の光を通過させ波長λ1・λ3の光を遮断する第2波長選択領域48b、および波長λ3の光を通過させ波長λ1・λ2の光を遮断する第3波長選択領域48cがそれぞれ複数配置されている。

【0114】
図13の(c)は、撮像面12a側からみた偏光子アレイデバイス49の一部を示す模式図である。偏光子アレイデバイス49は、通過した光のある方向(ここでは水平方向)の偏光成分のみを取り出す偏光子49aと、それとは直交する方向(ここでは垂直方向)の偏光成分のみを取り出す偏光子49bとが複数配置されたものである。そして、入射する参照光および物体光は水平方向の偏光成分および垂直方向の偏光成分を有している。本実施の形態では上記の第1方向は水平方向に一致し、第2方向は垂直方向に一致する。すなわち、偏光子49a・49bは、物体光および参照光のそれぞれの偏光方向に対応した偏光成分のみを通過させる。

【0115】
偏光子アレイデバイス49を通過した物体光および参照光は、その背面にある撮像面12aに入射する。物体光および参照光の干渉に応じた光の強度が撮像面12aの画素によって検出され、撮像素子12は、物体光と参照光とが撮像面12aに作る干渉パターンを撮像する。ここで、偏光子アレイデバイス49および波長選択フィルタ48は撮像面12aに隣接して貼り付けられているため、格子で区切られた個々の波長選択領域48a~48c、および格子で区切られた個々の偏光子49a・49bが撮像面12aの1つの画素に対応する。また、位相シフトアレイデバイス47の格子で区切られた1つのセル(位相シフト領域47a~47f)を通過した参照光は、結像光学部22によって結像され、波長選択フィルタ48の1つの波長選択領域48a~48cおよび偏光子アレイデバイス49の1つの偏光子49a・49bを通過する。

【0116】
それゆえ、3種類の波長のレーザ光について、それぞれ2種類の偏光方向と、2種類の参照光の位相との組み合わせがあり、撮像面12aには合計12種類の干渉の画素がある。図14は、偏光イメージング装置4で得られる干渉パターン50の一部を示す図である。撮像面12aに作られる干渉パターン50は、波長λ1の位相シフト量が0で物体光および参照光の水平方向成分が干渉した画素51a、波長λ1の位相シフト量が(-π/2)で物体光および参照光の水平方向成分が干渉した画素51b、波長λ1の位相シフト量が0で物体光および参照光の垂直方向成分が干渉した画素51c、波長λ1の位相シフト量が(-π/2)で物体光および参照光の垂直方向成分が干渉した画素51d、波長λ2の位相シフト量が0で物体光および参照光の水平方向成分が干渉した画素51e、波長λ2の位相シフト量が(-π/2)で物体光および参照光の水平方向成分が干渉した画素51f、波長λ2の位相シフト量が0で物体光および参照光の垂直方向成分が干渉した画素51g、波長λ2の位相シフト量が(-π/2)で物体光および参照光の垂直方向成分が干渉した画素51h、波長λ3の位相シフト量が0で物体光および参照光の水平方向成分が干渉した画素51i、波長λ3の位相シフト量が(-π/2)で物体光および参照光の水平方向成分が干渉した画素51j、波長λ3の位相シフト量が0で物体光および参照光の垂直方向成分が干渉した画素51k、および波長λ3の位相シフト量が(-π/2)で物体光および参照光の垂直方向成分が干渉した画素51lの12種類の画素を含む。

【0117】
計算機13は、撮像素子12で撮像された干渉パターン50を示す画像データを撮像素子12から取得する。計算機13の再生部24は、これら12種類の画素51a~51lをそれぞれ抽出することにより、3種類の波長毎に図3に示す干渉パターン28a~28dと同様の、画素の種類に応じた干渉パターンを得ることができる。各波長の干渉パターンについて、実施の形態1と同様に欠落した画素を補間し、2段階位相シフト法を用いることにより、波長および偏光成分毎の6種類の複素振幅分布が得られ、被写体18の再生像および位相分布を得ることができる。

【0118】
またさらに、偏光状態算出部25が、得られた再生像と位相分布を用いて各波長毎の再生像のストークスパラメータを算出し、詳細な偏光状態を求めることができる。偏光画像生成部35は、各波長の偏光方向毎に振幅分布を着色し、各波長の偏光分布を表す被写体の画像を生成することができる。このように、本実施の形態の偏光イメージング装置4によれば、複数の波長のレーザ光源11a~11cを用いて、分光を行い、各波長における偏光イメージングを同時に(1回の撮像で)行うことができる。

【0119】
なお、波長選択フィルタ48と偏光子アレイデバイス49の順番は、逆でも構わない。そのため、波長選択フィルタが貼り付けられた市販のカラーCCDカメラを用いて本実施の形態を構成し、分光情報を取得することが可能である。なお、本実施の形態では、各波長毎に分光した干渉パターンを得るために、ベイヤー配列の波長選択フィルタ48を用いているが、これに限らず、プリズムで分光して3つの撮像面でそれぞれの波長の干渉パターンを撮像する3枚方式の撮像素子、または、波長により異なる深度で光を吸収するシリコンセンサーの特徴を利用して1画素で複数の波長(赤緑青)の光を別個に検出する撮像素子(非特許文献4参照)等を用いることもできる。

【0120】
<シミュレーション結果>
本願発明者は、計算機による実施の形態4に基づく再生像の生成およびストークスパラメータの算出のシミュレーションを行った。以下に、そのシミュレーション結果について説明する。

【0121】
被写体の撮像を行う光学系は図12に示す偏光イメージング装置4である。図15の(a)は、被写体の見た目の明暗を表す、水平方向(P1)の偏光成分の振幅分布を示す画像であり、図15の(b)は、被写体の見た目の明暗を表す、垂直方向(P2)の偏光成分の振幅分布を示す画像である。被写体は物体光が透過する方向に垂直な平面における断面が正方形の物体であり、被写体には文字「KIT」の像が形成されている。図15の(c)は、図15の(a)に対応して、水平方向(P1)の偏光のレーザ光が被写体を透過した場合の位相分布を示す画像であり、図15の(d)は、図15の(b)に対応して、垂直方向(P2)の偏光のレーザ光が被写体を透過した場合の位相分布を示す画像である。図15の(c)および図15の(d)において、位相の遅れは明暗で表されており、最も暗い箇所は最も明るい箇所に比べてレーザ光(物体光)の位相が2π遅れている。

【0122】
図16は、この被写体によって回折した各波長λ1~λ3の物体光の各ストークスパラメータS0~S3を示す画像である。図16において、明るい箇所ほどストークスパラメータが大きいことを示す。

【0123】
なお、シミュレーションの条件として、用いるレーザ光の波長はλ1=633nm(赤色:R)、λ2=532nm(緑色:G)、λ3=473nm(青色:B)であり、被写体の断面のサイズ(図4(a)に示す画像の縦横のサイズ)は、3.69mm×3.69mmであり、被写体と撮像素子の撮像面との間の距離(物体光の光軸に沿った距離)は50mmであり、撮像素子の各画素のサイズは1.8μm×1.8μmであり、撮像素子の画素数は2048×2048ピクセルであり、画素ピッチは1.8μmであると仮定した。上記の条件の下、計算機によって、被写体の物体光と参照光とが撮像面に作る干渉パターンを取得し、再生像を計算し、それに基づき再生像のストークスパラメータを求めるシミュレーションを行った。なお、干渉パターンの取得も計算機によるシミュレーションによって行っている。

【0124】
図17の(a)~図17の(d)は、被写体の再生像に関して、本実施の形態4に基づいて行ったシミュレーションの結果を示す画像である。図17の(a)は、各波長の再生像におけるP1の偏光成分の振幅分布を加算した振幅分布を示す画像であり、図17の(b)は、各波長の再生像におけるP2の偏光成分の振幅分布を加算した振幅分布を示す画像であり、図17の(c)は、図17の(a)に対応して、再生像におけるP1の偏光成分の位相分布を示す画像であり、図17の(d)は、図17の(b)に対応して、再生像におけるP2の偏光成分の位相分布を示す画像である。なお、シミュレーション条件として位相分布には波長依存性を設定していないため、図17の(c)、図17の(d)における位相分布はある波長における位相分布を示す。実施の形態4によって、撮像した干渉パターンを12分割して位相と偏光方向が異なる12種類の干渉パターンを得た場合でも、精確かつ鮮明な再生像および精確な位相分布が得られることが分かる。

【0125】
図18は、シミュレーションで得られた再生像および位相分布から求めた各波長λ1~λ3の物体光の各ストークスパラメータS0~S3を示す画像である。図18と図16とを比較すると、実施の形態4の偏光イメージングのシミュレーションによって本来のストークスパラメータを精確に再現できたことが分かる。すなわち、本実施の形態によれば、動的な変化を伴う被写体の3次元構造と、複数の波長に関する詳細な偏光状態とを精確に取得し、分光および偏光イメージングを行うことができる。

【0126】
なお、実施の形態4では、用いるレーザ光の波長は3種類であったが、用いるレーザ光の波長は2種類でもよく、3種類より多くてもよい。また、可視光線だけでなく赤外、紫外、X線等の波長の光を用いてもよい。

【0127】
[実施の形態5]
以下、実施の形態5について、図19~図20を参照して詳細に説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1にて説明した部材・構成と同じ機能を有する部材・構成については、同じ符号を付記し、以下では実施の形態1と異なる部分についてのみ説明する。実施の形態5では、光路長シフト法を利用するインライン型の光学系を備える形態について説明する。

【0128】
図19は、実施の形態5の偏光イメージング装置5の構成を示す模式図である。ここで、光源の数は1であり、参照光の方向が異なる偏光成分の数は2であり、第1および2方向の偏光成分について、互いに異なる位相の数は2である。偏光イメージング装置5のレーザ光源11が出射するレーザ光の偏光方向は、第1方向から45°傾いた、光の進行方向から見て右上がりの偏光方向である。なお、1/4波長板をもちいてレーザ光を円偏光等にしてもよい。偏光イメージング装置5は、撮像素子12の撮像面12aの前面に配置された光路長シフトアレイデバイス(光路長シフトアレイ部、位相シフト調整機能を有する)52を備える。光路長シフトアレイデバイス52と、偏光子アレイデバイス23は、撮像面12aの前面に隣接して貼り付けられている。偏光イメージング装置5は、位相シフトアレイデバイス21と結像光学部22とを備えない。

【0129】
被写体18を透過・回折した物体光は、ビーム結合素子19によって反射され、撮像素子12の撮像面12aに入射する。

【0130】
他方、ビームスプリッタ16によって分割された参照光は、ミラー20によって反射され、ビーム結合素子19を通過して撮像素子12の撮像面12aにほぼ垂直の入射角で入射する。

【0131】
物体光および参照光は、共に、偏光子アレイデバイス23および光路長シフトアレイデバイス52を通過し、撮像面12aに入射する。ここで、偏光子アレイデバイス23は、図2の(b)に示すものである。

【0132】
図20は、撮像面12a側からみた光路長シフトアレイデバイス52の一部を示す模式図である。光路長シフトアレイデバイス52は、通過したレーザ光の光路長を互いに異ならせる複数の領域を有する。本実施の形態では光路長シフトアレイデバイス52の光路長シフト領域52a・52bは互いに光学軸が直交する1/4波長板で構成されている。光路長シフト領域52aの高速軸は水平方向に一致しており、低速軸は垂直方向に一致している。光路長シフト領域52bの高速軸は垂直方向に一致しており、低速軸は水平方向に一致している。したがって、光路長シフト領域52aを通過した水平方向偏光の参照光および物体光に対して、光路長シフト領域52bを通過した水平方向偏光の参照光および物体光の位相は(-π/2)だけずれる。すなわち、被写体18と撮像面12aとの間の光路長として1/4波長だけ光路差が生じる。また、光路長シフト領域52bを通過した垂直方向偏光の参照光および物体光に対して、光路長シフト領域52aを通過した垂直方向偏光の参照光および物体光の位相は(-π/2)だけずれる。

【0133】
そのため、撮像面12aには、2種類の偏光方向と、2種類の光路長との組み合わせによる合計4種類の干渉の画素がある。

【0134】
撮像素子12は、撮像面12aに形成される4種類の干渉を含む干渉パターンを撮像し、再生部24は、実施の形態1と同様に、4種類の画素を分離して、4種類の干渉パターンを得る。その後、再生部24は、光路長シフト法を用いて水平方向の偏光成分の複素振幅分布および垂直方向の偏光成分の複素振幅分布をそれぞれ求める。その後の偏光イメージングまでの処理は実施の形態1と同様である。実施の形態5では偏光子アレイデバイス23および光路長シフトアレイデバイス52が、撮像面12a面に貼り付けられ、撮像素子12に取り付けられているので、このような撮像素子カメラを製造してしまえば、後の偏光イメージング装置のシステム形成は極めて簡単になる。

【0135】
[実施の形態6]
実施の形態6では、参照光に位相シフトデバイスを用いる代わりに、参照光の撮像素子への入射角を変えることにより複数のホログラムを得る本発明の実施形態を説明する。

【0136】
図21は、本発明の実施の形態6の偏光イメージング装置1aの基本構成を示す模式図である。前述した構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は繰り返さない。

【0137】
実施の形態6の基本構成として偏光イメージング装置1aの撮像素子12に設けられた偏光子アレイデバイス23に、物体光とは異なる方向から単一の参照光を入射させる。斜め方向からの参照光を入射することにより、位相シフト機能を果たすためのデバイスを用いることなく空間的に位相シフトしたホログラムを撮像面に取得し、空間キャリアシフト法と名付けられる簡単な画像処理により被写体の情報を抽出し、瞬時の3次元偏光イメージングを実現する。

【0138】
図22は、偏光イメージング装置1aの動作原理を説明するための図である。ここで、光源の数は1であり、参照光の方向が異なる偏光成分の数は2であり、第1および2方向の偏光成分について、互いに異なる位相の数は4である。この動作原理は、空間的に位相をシフトしたホログラムを取得するものである。撮像素子12に形成された撮像面と垂直な方向から入射する物体光(物体からの回折光または散乱光を意味する)に対して、参照光を傾斜角度θだけ傾けて入射させ、撮像素子12の各画素において傾けた分だけ参照光の位相をシフトさせる。
ここで、傾斜角度θはθ=sin-1(λ/4τ)である。
上式において各記号は、
λ:参照光の波長、
τ:撮像素子12の画素間隔
である。

【0139】
傾斜角度θは、(sin-1(λ/4τ))であることが最も好ましいが、厳密に(sin-1(λ/4τ))である必要はなく、(sin-1(λ/4τ))に基づく角度であれば、本発明の効果を奏する。

【0140】
従って、撮像面上の参照光の位相シフト量は、隣り合う画素間隔τごとに(π/2)だけ連続的にシフトするが、図22では理解を容易にするために参照光の位相シフト量を模式的に表している。

【0141】
この参照光と物体光が干渉することで、図22に示すように、撮像面上に空間的に位相シフトしたホログラムが形成される。このようにして得られたホログラムを、以後空間キャリア位相シフトホログラムと呼ぶ。この空間的に位相シフトしたホログラムを記録することで、シングルショットにより空間キャリア位相シフトホログラムを取得することができる。

【0142】
図23は、偏光イメージング装置1aの構成を示す模式図である。ここで、光源の数は1であり、各光源に対して、参照光の方向が異なる偏光成分の数は2であり、第1および2方向の偏光成分について、互いに異なる位相の数は4である。前述した構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は繰り返さない。レーザ光源11から出射された光は、少なくても偏光子アレイデバイス23中の偏光子の偏光成分と同様の方向の偏光成分を有する。偏光子アレイデバイス23の構成は、図2(b)を参照して前述した構成と同一である。

【0143】
レーザ光源11から出射された光は、拡大された平行光とされた後、ビームスプリッタ16によって2波に分けられる。一方の光は、被写体18に照射され、被写体18からの回折光が物体光として偏光子アレイデバイス23付き撮像素子12に入射する。他方の光は、参照光として、物体光に対して傾斜した角度で偏光子アレイデバイス23付き撮像素子12に入射する。

【0144】
図24は、偏光イメージング装置1aの動作のためのアルゴリズムを説明するための図である。図23に示す偏光イメージング装置1aは、計算機13aを有しており、計算機13aは、空間キャリア位相シフト部53を有している。

【0145】
まず、図23に示す撮像素子12の構成を用いて、偏光方向P1、P2において空間的に位相シフトしたホログラム62を1回の撮像により取得する。その後、空間キャリア位相シフト部53は、偏光方向P1、P2ごとに干渉パターン63a、63bを抽出する。次に、空間キャリア位相シフト部53は、参照光を傾けた方向と直交する方向の画素を用いて、欠落した画素を補間する。なお、本実施の形態では水平方向に参照光を傾けた例を示しているので、図24では垂直方向の画素を用いて補間する例を示している。このようにして、偏光方向P1、P2ごとに空間的に位相シフトしたホログラム64a、64bを取得することができる。

【0146】
さらに空間キャリア位相シフト部53は、得られたホログラム64a、64bに対して、空間キャリア位相シフト法の計算を行うことにより、偏光方向P1、P2ごとの被写体の複素振幅分布65a、65bを得ることができる。そして、得られた複素振幅分布65a、65bに基づいて、ストークスパラメータ、ジョーンズベクトル等の偏光状態を計算するための数式を用いて偏光イメージングを行うことができる。

【0147】
図25は、上記アルゴリズムの空間キャリア位相シフト法を説明するための図である。この空間キャリア位相シフト法は、隣り合う、空間的に位相シフトしたホログラムの情報を用いて位相シフト法の計算を行い、被写体の複素振幅分布を計算する。位相シフトの段数は、一般的に何段でも実施可能であるが、一例として、位相シフト量が隣り合う画素で90度、位相シフトの段数が3段のときの例を示している。

【0148】
例えば、図25に示される領域R5に配置された画素における被写体の複素振幅を求めるためには、図25に示される領域R2に配置された-π/2、0、-3π/2の3つの位相シフト量のホログラムを用いて位相シフト法の計算を行えば良い。領域R4に配置された画素における被写体の複素振幅を求めるためには、領域R1に配置された0、-3π/2、-πの3つの位相シフト量のホログラムを用いて位相シフト法の計算を行う。領域R6に配置された画素における被写体の複素振幅は、領域R3に配置された-π、-π/2、0の3つの位相シフト量のホログラムを用いて位相シフト法の計算を行う。この様な位相シフト法の計算により被写体の複素振幅分布を求めることができ,この複素振幅分布に回折積分の計算を施すことにより被写体の3次元像を再生することができる。

【0149】
今回、3つの位相シフト量のホログラムを用いて位相シフト法の計算を行うときの手順を述べたが、位相シフト法の計算を行う際に必要なホログラムは2つ以上であれば良く、用いる位相シフト量の数は2つでも4つでも、5つでも良い。

【0150】
以上のように、本実施の形態によれば、図1に示す位相シフトアレイデバイス21、結像光学部22のような特殊な位相シフト素子を用いず、単一の参照光を斜めに入射させるので、よりコンパクトな構成で広範囲、高精細の瞬時3次元イメージングと偏光イメージングを同時に実現可能である。

【0151】
この空間キャリア位相シフト法を用いる方法では、非特許文献1とは異なり、異なる偏光方向P1、P2の成分を持つ単一の参照光を物体光と角度をなして入射させる。角度をなして入射させるのは単一の参照光であるため偏光方向P1、P2の成分は同じ方向から入射しており、位相調整量は、非特許文献1とは異なり偏光方向P1、P2で同一である。その結果,非特許文献1で必要な高精度な調整精度が本方法では不要であり、非特許文献1のように光学素子の位置変化によって容易に偏光イメージング精度が低下することはない。

【0152】
なお、本実施の形態は、透過型光学系に適用した例を示したが、反射型の光学系でも実現可能である。

【0153】
図26は、実施の形態6の他の偏光イメージング装置3aの構成を示す模式図である。ここで、光源の数は1であり、参照光の方向が異なる偏光成分の数は2であり、第1および2方向の偏光成分について、互いに異なる位相の数は2以上である。前述した構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は繰り返さない。本実施の形態は、図11に示す偏光イメージング装置3に対しても適用することができ、第2空間光変調器40、結像光学部41を用いず、参照光を物体光に対して傾斜させて偏光子アレイデバイス23に入射させるように構成している。これにより、顕微鏡対物レンズ43を備えた顕微鏡の構成に本実施の形態を適用することができる。

【0154】
図27は、実施の形態6のさらに他の偏光イメージング装置4aの構成を示す模式図である。ここで、光源の数は3であり、各光源に対して、参照光の方向が異なる偏光成分の数は2であり、第1および2方向の偏光成分について、互いに異なる位相の数は2以上である。前述した構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は繰り返さない。

【0155】
本実施の形態は、図12に示す偏光イメージング装置4に対しても適用することができる。偏光イメージング装置4aは、図12に示す位相シフトアレイデバイス47、結像光学部22を用いず、レーザ光源11aに基づく参照光、レーザ光源11bに基づく参照光、及びレーザ光源11cに基づく参照光を物体光に対して同じ角度で傾斜させて偏光子アレイデバイス49に入射させるように構成している。これにより、偏光及び分光イメージング応用の偏光イメージング装置4に本実施の形態を適用して分光特性を計測することができる。

【0156】
レーザ光源11aに基づく参照光、レーザ光源11bに基づく参照光、及びレーザ光源11cに基づく参照光の波長は、互いに異なっている。従って、それぞれの参照光の傾斜角度θ=(sin-1(λ/4τ))は、波長λが互いに異なっているから、厳密には互いに異なっている。しかしながら、前述したように、傾斜角度θは、(sin-1(λ/4τ))であることが最も好ましいが、厳密に(sin-1(λ/4τ))である必要はなく、(sin-1(λ/4τ))に基づく角度であれば、本発明の効果を奏する。

【0157】
そして、このように、同じ傾斜角度を有するように構成すれば、厳密に(sin-1(λ/4τ))となるように調整する構成に比べて画像精度は若干落ちるが、簡単に傾き調整ができるため、調整時間を短くすることができ、簡単に設置することができる。

【0158】
図28は、実施の形態6のさらに他の偏光イメージング装置3bの構成を示す模式図である。ここで、光源の数は3であり、各光源に対して、参照光の方向が異なる偏光成分の数は2であり、第1および2方向の偏光成分について、互いに異なる位相の数は2以上である。前述した構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は繰り返さない。偏光イメージング装置3bは、図26の顕微鏡に応用した偏光イメージング装置3aを、レーザ11a~11cを備えた分光イメージング応用装置に適用した例である。図27に示す偏光イメージング装置4aと同様に、レーザ光源11aに基づく参照光、レーザ光源11bに基づく参照光、及びレーザ光源11cに基づく参照光を物体光に対して同じ角度で傾斜させて偏光子アレイデバイス49に入射させるように構成している。このように、同じ傾斜角度を有するように構成すれば、厳密に(sin-1(λ/4τ))となるように調整する構成に比べて画像精度は若干落ちるが、簡単に傾き調整ができるため、調整時間を短くすることができ、簡単に設置することができる。

【0159】
図29の(a)は、実施の形態6のさらに他の偏光イメージング装置4bの構成を示す模式図である。前述した構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は繰り返さない。

【0160】
図27で前述した偏光イメージング装置4aは、互いに異なる波長を有するレーザ光源11a、11b、11cの参照光を同じ傾き角により偏光アレイデバイス49に入射させていたが、偏光イメージング装置4bは、レーザ光源11a、11b、11cの参照光のそれぞれがθ=(sin-1(λ/4τ))となる傾斜角度θにより偏光アレイデバイス49に入射するように構成されている。レーザ光源11a、11b、11cの参照光のそれぞれの波長λは互いに異なっているので、レーザ光源11a、11b、11cの参照光のそれぞれの傾斜角度θも互いに異なっている。

【0161】
レーザ光源11aは波長λ1のレーザ光を出射し、レーザ光源11bは波長λ2のレーザ光を出射し、レーザ光源11cは波長λ3のレーザ光を出射する。レーザ光源11cから出射された波長λ3のレーザ光はビーム結合素子44aにより物体光と参照光とに分離される。レーザ光源11bから出射された波長λ2のレーザ光は、ビーム結合素子45により物体光と参照光とに分離される。レーザ光源11aから出射された波長λ1のレーザ光は、ビーム結合素子46により物体光と参照光とに分離される。

【0162】
ビーム結合素子44aにより反射されたレーザ光源11cの物体光、ビーム結合素子45により反射されたレーザ光源11bの物体光、及びビーム結合素子46により反射されたレーザ光源11aの物体光は、ミラー20により反射され、ビームエキスパンダ14及びコリメータレンズ15により平行光になり、被写体18によって回折・散乱され、ビーム結合素子19を透過して波長選択フィルタ48、偏光子アレイデバイス49に入射する。

【0163】
ビーム結合素子44aを透過したレーザ光源11cの参照光は、ビームエキスパンダ14c及びコリメータレンズ15cにより平行光になり、ビーム結合素子19により反射され、物体光に対して傾斜角度θ=(sin-1(λ3/4τ))だけ傾斜して、波長選択フィルタ48、偏光子アレイデバイス49に入射する。

【0164】
ビーム結合素子45を透過したレーザ光源11bの参照光は、ビームエキスパンダ14b及びコリメータレンズ15bにより平行光になり、ビーム結合素子19により反射され、物体光に対して傾斜角度θ=(sin-1(λ2/4τ))だけ傾斜して、波長選択フィルタ48、偏光子アレイデバイス49に入射する。

【0165】
ビーム結合素子46を透過したレーザ光源11aの参照光は、ビームエキスパンダ14a及びコリメータレンズ15aにより平行光になり、ビーム結合素子19により反射され、物体光に対して傾斜角度θ=(sin-1(λ1/4τ))だけ傾斜して、波長選択フィルタ48、偏光子アレイデバイス49に入射する。

【0166】
また、前述したように、傾斜角度θは、(sin-1(λ/4τ))であることが最も好ましいので、レーザ光源11a、11b、11cの参照光のそれぞれを最も好ましい傾斜角度で偏光子アレイデバイス49に入射させることができ、偏光画像の精度を向上させることができる。

【0167】
図29の(b)は、実施の形態6のさらに他の偏光イメージング装置4cの構成を示す模式図である。前述した構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は繰り返さない。顕微鏡対物レンズ43を備えた顕微鏡応用の構成に対しても、図29の(a)に示す構成と同様に、レーザ光源11a、11b、11cの参照光のそれぞれの傾斜角度θが互いに異なるように構成することができる。

【0168】
図30の(a)は、実施の形態6のさらに他の偏光イメージング装置4dの構成を示す模式図である。ここでは光源を4つ用いている。前述した構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は繰り返さない。偏光イメージング装置4dは、図29(a)に示す偏光イメージング装置4dにおいて、波長λ4のレーザ光を出射するレーザ光源11dを追加した例である。異なる波長の参照光に異なる傾き角を与えると、少ない画素数、ひいては少ないフィルタ数、センサ数、センサ数により分光イメージングが可能である。

【0169】
図30の(b)は、実施の形態6のさらに他の偏光イメージング装置4eの構成を示す模式図である。ここでは光源を4つ用いている。前述した構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は繰り返さない。偏光イメージング装置4eは、図29の(b)に示す偏光イメージング装置4cにおいて、波長λ4のレーザ光を出射するレーザ光源11dを追加した例である。異なる波長の参照光に異なる傾き角を与えると、少ない画素数、ひいては少ないフィルタ数、センサ数、センサ数により分光イメージングが可能である。

【0170】
なお、複数の光源を用いる例として、3種類の波長を供給する3つの光源の例、4種類の波長を供給する4つの光源の例を示したが、本発明はこれに限定されず、2種類の波長を供給する2つの光源でもよく、5種類の波長を供給する5つの光源でもよい。

【0171】
図31は、非特許文献7記載の1種類のイメージセンサで複数の波長情報を取得する方法を説明するための図である。イメージセンサ66は、輝度情報のみ記録可能なモノクロのイメージセンサ(以下、「1種類のイメージセンサ」と呼ぶ。)である。互いに異なる波長λ・λ・λを有する参照光が互いに異なる傾き角度の方向からイメージセンサ66に入射し、ホログラム67を形成する。そして、各参照光の傾き角度に応じて、被写体の空間スペクトルが、波長ごとに、波長λにおける被写体の空間スペクトル68a・波長λにおける被写体の空間スペクトル68b・波長λにおける被写体の空間スペクトル68cにフーリエ変換によって分離される。次に、各空間スペクトル68a・68b・68cをフィルタリングすることで、所望の波長における被写体の3次元構造情報像を再生することができる。

【0172】
このように、輝度情報のみ記録可能なモノクロのイメージセンサ66を用いて分光画像情報を取得することが可能である。1回の撮像で記録可能な波長の数は3より少なくても多くてもよい。非特許文献7ではoff-axis型の配置で空間フィルタリングを用いているが、空間キャリア位相シフト法を用いていない。空間キャリア位相シフト法の計算処理部を加えることで広範囲イメージングが可能である。さらに、本発明と組み合わせることで1種類のイメージセンサ66で広範囲の偏光イメージングだけでなく分光画像情報の同時取得が可能である。

【0173】
図32の(a)は実施の形態6のさらに他の偏光イメージング装置4fの構成を示す模式図であり、図32の(b)は1種類のイメージセンサで3次元、偏光、複数の波長情報を取得する方法を説明するための図である。図33は、1種類のイメージセンサ66で3次元、偏光、複数の波長情報を取得するための撮像素子12の構成を示す斜視図である。前述した構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は繰り返さない。

【0174】
偏光子アレイデバイス49と1種類のイメージセンサ66とにより、空間キャリアシフト法を利用して3次元情報、偏光情報、複数の波長情報を取得する方法を説明する。

【0175】
偏光イメージング装置4fは、波長λの光を供給するレーザ光源11aと波長λの光を供給するレーザ光源11bとを備えている。撮像素子12には、1種類のイメージセンサ66と偏光子アレイデバイス49とが設けられている。

【0176】
波長λの光に対応する参照光の光軸の撮像素子12への入射傾き角と、波長λの光に対応する参照光の光軸の撮像素子12への入射傾き角とを異ならせることにより、被写体の空間スペクトルを波長ごとに分離することが可能である。

【0177】
このように、1種類のイメージセンサ66を撮像素子12に設けることにより、波長選択フィルタや積層型のイメージセンサを設けることなく、複数の波長情報を記録することができる。

【0178】
図34は、1種類のイメージセンサ66に記録したホログラム69から複数の偏光、複数の波長における被写体の3次元像を得るまでの流れを示す図である。まず、1種類のイメージセンサ66に記録されたホログラム69は、偏光方向P1・P2ごとに干渉パターン70a・70bに分離される。そして、各干渉パターン70a・70bにおける欠落画素を補間する。補間方向は、参照光の傾けた方向に直交する方向である。このため、所望の情報の波長に応じて異なる補間方向に補間したホログラム71a・71b及びホログラム71c・71dを生成する。

【0179】
次に、空間フィルタリングのみならず、空間キャリア位相シフト法による計算も利用して、特定の偏光方向P1・P2、特定の波長λ・λにおける被写体の複素振幅分布72a・72b・72c・72dを取得する。その後、回折積分により特定の偏光方向P1・P2、波長λ・λにおける被写体の3次元像を再生する。

【0180】
図35は、記録したホログラムから被写体の3次元構造、偏光分布、分光画像再生までの流れを示すフローチャートである。図35は、図34に示す流れを簡略化し、全体の流れを示したものである。図35に示す流れによって、被写体の3次元構造、偏光分布、分光画像情報を1回の撮像により取得し、像再生する。

【0181】
まず、撮像素子にホログラムを記録する(ステップS1)。そして、偏光方向ごとに画像情報を分離した干渉パターンを抽出する(ステップS2)。次に、抽出した各干渉パターンにおける欠落画素を補間する(ステップS3)。その後、空間フィルタリング、空間キャリア位相シフト法の計算を行う(ステップS4)。そして、回折積分を実行する(ステップS5)。その後、波長ごとに偏光イメージングを行う(ステップS6)。そして、3次元構造、偏光分布、分光画像情報を表示する(ステップS7)。

【0182】
ステップS4における、空間フィルタリング、空間キャリア位相シフト法の計算の順序はどちらが先でどちらが後でも良い。

【0183】
図36の(a)は2種類のフィルタ74a・74bを備えた波長選択フィルタアレイ73の構成を示す図であり、図36の(b)は波長選択フィルタアレイ73の動作を説明するための図である。

【0184】
以下、偏光子アレイデバイス49と、2種類のフィルタ74a・74bを有する波長選択フィルタ73付きイメージセンサ66とにより、空間キャリア位相シフト法を利用して3次元情報、偏光情報、複数の波長情報を取得する方法を説明する。

【0185】
波長選択フィルタアレイ73は、例えば、波長λの赤色光と波長λの赤外色光とを透過させて波長λの赤色光よりも短波長側の光を遮光するフィルタ74aと、波長λの緑色光と波長λの青色光とを透過させて波長λ緑色光よりも長波長側の光を遮光するフィルタ74bとを備えている。

【0186】
フィルタ74aとフィルタ74bとは、マトリックス状に配置されており、水平方向及び垂直方向に交互に配置されている。フィルタ74aとフィルタ74bとは、吸収型のフィルタ、フォトニック結晶等の透過率、反射率に波長選択性を有する材料、構造によって構成すればよい。

【0187】
フィルタ74aに対しては、波長λの赤色光の参照光と波長λの赤外色光の参照光とを異なる傾斜角度から入射させる。フィルタ74bに対しては、波長λの緑色光の参照光と波長λの青色光の参照光とを異なる傾斜角度から入射させる。

【0188】
図37の(a)は実施の形態6のさらに他の偏光イメージング装置4gの構成を示す模式図であり、図37の(b)は偏光イメージング装置4gにおける撮像素子12の構成を示す斜視図である。

【0189】
図37の(a)を参照すると、波長λの赤色光の参照光の波長選択フィルタアレイ73への傾斜角と波長λの赤外色光の参照光の傾斜角とを異ならせ、波長λの緑色光の傾斜角と波長λの青色光の傾斜角とを異ならせることにより、被写体の空間スペクトルを波長λの赤色光、波長λの緑色光、波長λの青色光、及び波長λの赤外色光ごとに分離することができる。なお、波長λの赤色光の傾斜角と、波長λの緑色光の傾斜角または波長λの青色光の傾斜角とは同じであってもよい。また、波長λの赤外色光の傾斜角と、波長λの青色光の傾斜角または波長λの緑色光の傾斜角とは同じであってもよい。

【0190】
図37の(b)を参照すると、偏光イメージング装置4gに設けられた撮像素子12の撮像面12aには、モノクロのイメージセンサ66と波長選択フィルタアレイ73と偏光子アレイデバイス49とがこの順番に設けられている。

【0191】
波長選択フィルタアレイ73がなくても複数波長の多重記録は可能であるが、波長選択フィルタアレイ73を設けることにより、空間キャリア位相シフト法の計算が複雑にならずに済み、計算誤差の問題も減少する。偏光子アレイデバイス49、波長選択フィルタアレイ73、及びイメージセンサ66をこのように構成することにより、偏光分布、分光画像情報を同時に記録することができる。そして、各参照光の傾斜角を前述したとおりに調整することにより、波長選択フィルタ73のフィルタ74a・74bの種類(2種類)よりも多くの種類(4種類)の分光画像情報を取得することができる。

【0192】
図38は、撮像素子12により記録したホログラムから各偏光、各波長における3次元像を取得するまでの流れを示す図である。まず、偏光子アレイデバイス49及び波長選択フィルタアレイ73を通して1種類のイメージセンサ66に記録されたホログラムは、偏光方向P1・P2ごとに、及び波長λ~λごとに8種類の干渉パターンに分離される。そして、各干渉パターンにおける欠落画素を補間する。欠落画素の補間方向は、空間キャリアによって位相シフトしていない方向であり、波長λの赤色光及び波長λの緑色光に基づく干渉パターンは、垂直方向に画素を補間し、波長λの青色光及び波長λの赤外色光に基づく干渉パターンは、水平方向に画素を補間する。次に、空間フィルタリングのみならず、空間キャリア位相シフト法による計算も利用して、特定の偏光方向P1・P2、特定の波長λ・λ・λ・λにおける被写体の複素振幅分布を取得する。その後、その後、回折積分により特定の偏光方向P1・P2、特定の波長λ・λ・λ・λにおける被写体の3次元像を再生する。

【0193】
図39は、実施の形態6に係る積層型イメージセンサ75の構成を示す図である。図40は、積層型イメージセンサ75を用いた撮像素子12の構成を示す斜視図である。

【0194】
以下、偏光子アレイデバイス49と2種類の受光面(センサ76a・76b)を有するイメージセンサ75を用いて、空間キャリア位相シフト法を利用して3次元情報、偏光情報、複数の波長情報を取得する方法を説明する。

【0195】
積層型イメージセンサ75は、例えば、波長λの赤色光・波長λの赤外色光を受光するセンサ76aと、波長λの緑色光・波長λの青色光を受光するセンサ76bとを有している。このように構成された積層型イメージセンサ75に、異なる波長の赤色光・緑色光・青色光・赤外色光が到達すると、センサ76aは、波長λの赤色光・波長λの赤外色光を受光し、センサ76bは、波長λの緑色光・波長λの青色光を受光する。

【0196】
この積層型イメージセンサ75と偏光子アレイデバイス49付きの撮像素子12とを用いることによっても、3次元情報、偏光情報、複数の波長情報を取得することができる。図39及び図40の構成は、図37の(a)に示す偏光イメージング装置4gにおいて実施することができ、像再生までの処理は、図34に示す処理を各波長の光に対して実施すればよい。

【0197】
[実施の形態7]
実施の形態7では、偏光方向が2の場合から、より偏光方向の数を増加した場合(例えば偏光方向の数3、4、5・・・の場合であるが、ここでは偏光方向の数4の場合を中心に述べている)の本発明の実施形態について説明する。
図41は、実施の形態7の偏光イメージング装置に設けられた撮像部が撮像するホログラムの構成を説明するための図である。図41は、偏光方向の数が2より多いときの実現方法の原理を示すものである。例として、撮像素子で取得する偏光方向の数が偏光方向P1~P4の4である場合における方法の原理を示している。

【0198】
ホログラムを8分割多重し、4方向の偏光の情報を取得する。例えば図41に示すように、偏光方向P1と位相1とを有する参照光のホログラム56aと、偏光方向P1と位相2とを有する参照光のホログラム56bと、偏光方向P2と位相1とを有する参照光のホログラム56cと、偏光方向P2と位相2とを有する参照光のホログラム56dと、偏光方向P3と位相1とを有する参照光のホログラム56eと、偏光方向P3と位相2とを有する参照光のホログラム56fと、偏光方向P4と位相1とを有する参照光のホログラム56gと、偏光方向P4と位相2とを有する参照光のホログラム56hとを組み合わせた干渉像を1回の撮像により取得する。

【0199】
このように、偏光方向の数が2より多い干渉像を1回の撮像で取得し、得られた干渉像に像再生アルゴリズムを適用することにより被写体の3次元情報と偏光分布情報を得る。偏光方向の数が2より多いので、より多くの偏光情報を取得し、より詳細な偏光状態の解析が可能になる。

【0200】
なお、偏光方向の数が4の例を示したが、本発明はこれに限定されない。偏光方向の数は、3であってもよく、5であってもよい。

【0201】
図42は、実施の形態7の偏光イメージング装置1bの構成を示す模式図である。前述した構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は繰り返さない。偏光イメージング装置1bの構成としては,レーザ光源11から射出される光は、偏光方向P1、P2、P3、P4のすべてを含んでもよく、または、偏光方向P1からP4のうちの幾つかの成分のみを含む場合のどちらでも可能である。偏光子アレイデバイス55の配列が、図1に示す偏光子アレイデバイス23の配列とは異なる。また,それに伴って位相シフトアレイデバイス54のアレイも配列が変わる。

【0202】
図43は偏光イメージング装置1bの構成要素の構成を示す図であり、(a)は偏光子アレイデバイス55の構成を示す図であり、(b)は位相シフトアレイデバイス54の構成を示す図である。図43の(a)に示すように、偏光子アレイデバイス55の各セルは、水平方向、垂直方向、右斜め45度方向、左斜め45度方向の4方向のうちの1方向の情報を抽出する。偏光子アレイデバイス55を用いることにより、4方向の偏光における干渉像を取得することができる。なお、4方向の例を示したが、本発明はこれに限定されない。3方向、または5方向以上の偏光における干渉像を抽出することもできる。また、図43の(b)に示す位相シフトアレイデバイス54と組み合わせることにより、図41に示す8種類のホログラムの情報を1回の撮像により取得することができる。

【0203】
図44は、偏光イメージング装置1bが偏光成分の再生像を生成するためのアルゴリズムを説明するための図である。まず、記録した干渉像から同じ種類のホログラム56a~56hを抽出し、補間処理によって各偏光方向P1~P4における複数の干渉像を生成する。次に、生成された干渉像を用いて位相シフト法などの信号処理によって各偏光方向P1~P4における被写体の複素振幅分布(振幅分布と位相分布)を取得する。そして、回折計算によって被写体の3次元像を得る。以上より、各偏光方向P1~P4における瞬時の被写体の3次元イメージングを達成できる。

【0204】
得られた複素振幅分布を用いることで偏光イメージングを行うことができる。偏光イメージングの実施方法として、被写体の振幅分布や位相分布を用いてストークスパラメータ、ジョーンズベクトル、ミュラー行列の計算を行うことにより被写体の偏光分布を計算すること、及び、その他の偏光状態を計算する数式を用いることなどが挙げられる。

【0205】
以上のように、空間分解能を落として偏光方向を追加することにより、より多くの偏光方向の振幅と位相情報とを取得して、狭い3次元空間においてより正確な偏光イメージングを達成することができる。

【0206】
図45は、実施の形態7の他の偏光イメージング装置1cに設けられた撮像部が撮像するホログラムの構成を示す図である。空間キャリア位相シフト法を用いる方法では、非特許文献1とは異なり、異なる偏光方向P1、P2の成分を持つ単一の参照光を物体光と角度をなして入射させる。物体光と角度をなして入射させるのは単一の参照光であるため、偏光方向P1、P2の成分は同じ方向から入射しており、位相調整量は、非特許文献1とは異なり偏光方向P1、P2で同一である。その結果、非特許文献1で必要な高精度な調整精度が本方法では不要で、非特許文献1のように光学素子の位置変化によって容易に偏光イメージング精度が低下することはない。

【0207】
図45は、空間キャリア位相シフト法を用い、偏光方向の数が2より多いときの実現方法の原理を示している。一例として、撮像素子で取得する偏光方向の数が偏光方向P1~P4の4である場合の方法の原理を示している。

【0208】
例えば図45に示すように、偏光方向P1を有する参照光のホログラム58aと、偏光方向P2を有する参照光のホログラム58bと、偏光方向P3を有する参照光のホログラム58cと、偏光方向P4を有する参照光のホログラム58dとを組み合わせた干渉像を1回の撮像により取得する。

【0209】
このように、偏光方向の数が2より多い干渉像を1回の撮像で取得し、得られた干渉像に像再生アルゴリズムを適用することにより被写体の3次元情報と偏光分布情報を得る。偏光方向の数が2より多いので、より多くの偏光情報を取得し、より詳細な偏光状態の解析が可能になる。

【0210】
なお、偏光方向の数が4の例を示したが、本発明はこれに限定されない。偏光方向の数は、3であってもよく、5であってもよい。

【0211】
図46は、他の偏光イメージング装置1cの構成を示す模式図である。前述した構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は繰り返さない。偏光イメージング装置1cの構成としては,レーザ光源11から射出される光は、偏光方向P1、P2、P3、P4のすべてを含んでもよく、または、偏光方向P1からP4のうちの幾つかの成分のみを含む場合のどちらでも可能である。空間キャリア位相シフト法を適用しているので、偏光子アレイデバイス57の配列が、図1に示す偏光子アレイデバイス23の配列とは異なる。

【0212】
図47の(a)は偏光イメージング装置1cに設けられた偏光子アレイデバイス57の構成を示す図である。偏光子アレイデバイス57の各セルは、水平方向、垂直方向、右斜め45度方向、左斜め45度方向の4方向のうちの1方向の情報を抽出する。偏光子アレイデバイス57を用いることにより、4方向の偏光における干渉像を取得することができる。図47の(a)に示す例では、2行×2列のセルが1単位となっており、この2行×2列の左上のセルが水平方向の偏光情報を抽出し、右下のセルが垂直方向の偏光情報を抽出し、右上のセルが右斜め45度方向の偏光情報を抽出し、左下のセルが左斜め45度方向の偏光情報を抽出する。なお、4方向の例を示したが、本発明はこれに限定されない。3方向、または5方向以上の偏光における干渉像を抽出することもできる。

【0213】
図47の(b)は偏光イメージング装置1cに設けられた撮像部12が撮像するホログラムの構成を示す図である。α0~α3は、空間キャリアによる位相シフト量を示し、水平方向に位相シフト量を変化させた例を示している。例えば、α0=0、α1=π/4、α2=π/2、α3=3π/4(単位はいずれも(rad))である。なお、垂直方向に位相シフト量を変化させることも可能である。

【0214】
図47の(a)に示す偏光子アレイデバイス57を用いることにより、4方向の偏光における干渉像を取得することができ、空間キャリアを垂直方向、水平方向等に施すことで位相シフト法に必要なホログラムを取得できる。以上より、図35に示す、空間キャリア位相シフト法に必要な干渉像と4方向の偏光方向における干渉像との情報を1回の撮像で取得できる。

【0215】
図48は、偏光イメージング装置が偏光成分の再生像を生成するためのアルゴリズムを説明するための図である。まず、記録した干渉像から同じ種類のホログラム58a~58dを抽出し、空間キャリアによる位相シフトのない方向(図48に示す例では垂直方向)で欠落した画素を補間する。そして、画素値のある画素を用いて空間キャリア位相シフト法の計算を行う。これにより,画素値のあった画素において被写体の複素振幅を得ることができる。次に、得られた複素振幅分布の値を用いて、欠落画素に補間処理を施して値を補間する。以上より,各偏光方向P1~P4における被写体の複素振幅分布(振幅分布と位相分布)を取得できる。その後、回折計算によって被写体の3次元像を得る。以上より、各偏光方向P1~P4における瞬時の被写体の3次元イメージングを達成できる。

【0216】
得られた複素振幅分布を用いることで偏光イメージングを行うことができる。偏光イメージングの実施方法として、被写体の振幅分布や位相分布を用いてストークスパラメータ、ジョーンズベクトル、ミュラー行列の計算を行うことで被写体の偏光分布を計算すること、及び、その他の偏光状態を計算する数式を用いることなどが挙げられる。

【0217】
以上のように、空間分解能を落として偏光方向を追加することにより、より多くの偏光方向の振幅と位相情報とを取得して、狭い3次元空間においてより正確な偏光イメージングを達成することができる。

【0218】
図49は、実施の形態7のさらに他の偏光イメージング装置1dに設けられた撮像部が撮像するホログラムの構成を説明するための図である。各偏光方向P1及びP2において位相シフトの段数が2より多いときの実現方法の原理を示している。例として、撮像素子で取得する位相シフトの段数が4である場合における方法の原理を示している。

【0219】
偏光方向P1と位相1とを有する参照光のホログラム61aと、偏光方向P1と位相2とを有する参照光のホログラム61bと、偏光方向P1と位相3とを有する参照光のホログラム61cと、偏光方向P1と位相4とを有する参照光のホログラム61dと、偏光方向P2と位相1とを有する参照光のホログラム61eと、偏光方向P2と位相2とを有する参照光のホログラム61fと、偏光方向P2と位相3とを有する参照光のホログラム61gと、偏光方向P2と位相4とを有する参照光のホログラム61hとを組み合わせた干渉像を1回の撮像により取得する。

【0220】
このように、位相シフトの段数が2より多い干渉像を1回の撮像で取得し、得られた干渉像に像再生アルゴリズムを適用することにより被写体の3次元空間情報と偏光分布情報を得る。

【0221】
なお、位相シフトの段数が4の例を示したが、本発明はこれに限定されない。位相シフトの段数は、3であってもよく、5であってもよい。

【0222】
図50は、さらに他の偏光イメージング装置1dの構成を示す模式図である。前述した構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は繰り返さない。レーザ光源11から射出される光は、偏光方向P1、P2の成分のいずれも含む。偏光子アレイデバイス60の配列が、図1に示す偏光子アレイデバイス23の配列とは異なる。また,位相シフトアレイデバイス59のアレイも、図1に示す位相シフトアレイデバイス21と異なる。

【0223】
図51は、偏光イメージング装置1dの構成要素の構成を示す図であり、(a)は偏光子アレイデバイス60の構成を示す図であり、(b)は位相シフトアレイデバイス59の構成を示す図である。図51の(a)に示すように、偏光子アレイデバイス60のセルは、2行4列を単位として、水平方向、垂直方向のうちの1方向の情報を抽出する。図51の(b)に示すように、位相シフトアレイデバイス59は、2行2列を単位として、位相ph0~位相ph3の4段に位相をシフトさせる。位相シフトの段数が4段の例を示したが、本発明はこれに限定されない。位相シフトの段数は、3段でもよく、5段以上でもよい。図51の(a)に示す偏光子アレイデバイス60と図51の(b)に示す位相シフトアレイデバイス59とを組み合わせることにより、図49に示す8種類の干渉像の情報を1回の撮像で取得できる。

【0224】
図52は、偏光イメージング装置1dが偏光成分の再生像を生成するためのアルゴリズムを説明するための図である。まず、記録した干渉像から同じ種類のホログラム61a~61hを抽出し,補間処理によって各偏光方向P1、P2における複数の干渉像を生成する。次に、生成された干渉像を用いて位相シフト法などの信号処理によって各偏光方向P1、P2における被写体の複素振幅分布(振幅分布と位相分布)を取得する。そして、回折計算によって被写体の3次元像を得る。以上より、各偏光方向P1、P2における瞬時の被写体の3次元イメージングを達成できる。

【0225】
得られた複素振幅分布を用いることで偏光イメージングを行うことができる。偏光イメージングの実施方法として、被写体の振幅分布や位相分布を用いてストークスパラメータ、ジョーンズベクトル、ミュラー行列の計算を行うことにより被写体の偏光分布を計算すること、及び、その他の偏光状態を計算する数式を用いることなどが挙げられる。

【0226】
以上のように、空間分解能を落として位相シフト段数を追加することにより、参照光強度の事前計測または事後計測が不要になり、物体光強度を高く取れるため、非特許文献1で必要とされる定期的な調整等の制約が無くなる。このため、位相シフト段数を増やして計測範囲を狭くしても有用性はある。

【0227】
(本発明の好ましい形態)
また、本発明に係る偏光イメージング装置では、上記参照光は、第3方向の偏光と第4方向の偏光とをさらに含み、上記干渉パターンは、上記第3方向の偏光と上記第1位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第5干渉像と、上記第3方向の偏光と上記第2位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第6干渉像と、上記第4方向の偏光と上記第1位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第7干渉像と、上記第4方向の偏光と上記第2位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第8干渉像とをさらに含み、上記再生像生成部は、上記干渉パターンから上記第5干渉像および第6干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第3方向の偏光成分の再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第7干渉像および第8干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第4方向の偏光成分の再生像を生成し、上記偏光画像算出部は、上記第1~第4方向の偏光成分の再生像に基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求めることが好ましい。

【0228】
本発明に係る偏光イメージング装置では、上記干渉パターンは、上記第1方向の偏光と第3位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第5干渉像と、上記第1方向の偏光と第4位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第6干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第3位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第7干渉像と、上記第2方向の偏光と上記第4位相とを有する参照光が上記物体光と干渉して作る第8干渉像とをさらに含み、上記再生像生成部は、上記干渉パターンから上記第1干渉像、上記第2干渉像、上記第5干渉像および上記第6干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像を生成し、上記干渉パターンから上記第3干渉像、上記第4干渉像、上記第7干渉像および上記第8干渉像に対応する画素を抽出して補間した後、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像を生成し、上記偏光画像算出部は、上記第1及び第2方向の偏光成分の再生像に基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光画像を求めることが好ましい。

【0229】
本発明に係る偏光イメージング装置では、上記光源は、三種類の波長の光を供給する3個の光源、または四種類の波長の光を供給する4個の光源であることが好ましい。

【0230】
また、本発明に係る偏光イメージング装置では、入射した参照光を第1方向に偏光した参照光に変換する第1方向領域、および、入射した参照光を第2方向に偏光した参照光に変換する第2方向領域が複数配置された偏光方向変化アレイ部と、第1位相シフト領域および第2位相シフト領域が複数配置され、第1位相シフト領域に入射した参照光の位相と、第2位相シフト領域に入射した参照光の位相とを互いに異ならせる位相シフトアレイ部とをさらに備える構成であってもよい。

【0231】
また、第1位相シフト領域および第2位相シフト領域が複数配置され、第1位相シフト領域に入射した参照光の位相と、第2位相シフト領域に入射した参照光の位相とを互いに異ならせる位相シフトアレイ部と、参照光と、上記被写体を介して到達する物体光とが入射され、入射した参照光および物体光の第1方向の偏光成分を出射する第1偏光子領域と、入射した参照光および物体光の第2方向の偏光成分を出射する第2偏光子領域とが複数配置された偏光子アレイ部をさらに備える構成であってもよい。

【0232】
上記の構成によれば、偏光方向と参照光の位相とが異なる4種類の干渉像を同一平面に同時に形成することができ、形成された4種類の干渉像を撮像素子が撮像することにより、4種類の干渉像を一度に取得することができる。

【0233】
本発明に係る偏光イメージング装置では、前記参照光は、前記参照光の波長と前記撮像部の画素間隔とに基づく傾き角により前記物体光に対して傾斜して前記撮像部に入射してもよい。

【0234】
また、前記参照光の波長:λ、前記撮像部の画素間隔:τ、すると、sin-1(λ/4τ)、に基づく傾き角により前記物体光に対して傾斜して前記参照光は前記撮像部に入射してもよい。

【0235】
上記の構成によれば、特殊な位相シフト素子を必要とせず、コンパクトな光学系、且つ、簡単な画像処理のみで、広範囲で瞬時の3次元偏光イメージングを実現することができる。

【0236】
また、前記参照光の傾斜方向に沿って隣り合う領域のホログラムに基づいて前記被写体の複素振幅分布を求める空間キャリア位相シフト部をさらに備えてもよい。

【0237】
上記の構成によれば、簡単なアルゴリズムにより、広範囲で瞬時の3次元偏光イメージングを実現することができる。

【0238】
また、参照光と、上記被写体を介して到達する物体光とが入射され、入射した参照光および物体光の第1方向の偏光成分を出射する第1偏光子領域と、入射した参照光および物体光の第2方向の偏光成分を出射する第2偏光子領域とが複数配置された偏光子アレイ部と、第1光路長シフト領域および第2光路長シフト領域が複数配置され、参照光および物体光が入射される光路長シフトアレイ部とを、上記被写体と上記撮像部との間にさらに備え、上記光路長シフトアレイ部は、第1光路長シフト領域に入射された参照光の位相と、第2光路長シフト領域に入射された参照光の位相とを互いに異ならせ、第1光路長シフト領域に入射された物体光の位相と、第2光路長シフト領域に入射された物体光の位相とを互いに異ならせる構成であってもよい。

【0239】
上記の構成によれば、偏光方向と被写体からの光路長とが異なる4種類の干渉像を同一平面に同時に形成することができ、形成された4種類の干渉像を撮像素子が撮像することにより、4種類の干渉像を一度に取得することができる。

【0240】
また、上記再生像生成部は、第1方向の偏光成分に関する上記2種類の干渉像に基づいて、上記被写体の第1方向の偏光成分における位相分布を求め、第2方向の偏光成分に関する上記2種類の干渉像に基づいて、上記被写体の第2方向の偏光成分における位相分布を求め、上記偏光画像算出部は、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像および位相分布と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像および位相分布とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光状態を求める構成であってもよい。

【0241】
上記の構成によれば、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像および位相分布と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像および位相分布とに基づいて、例えばストークスパラメータを計算することにより、詳細な偏光状態を求めることができる。

【0242】
また、上記被写体と上記撮像部との間に、被写体の像を拡大する拡大光学部と、参照光が上記撮像部に球面波あるいは非球面波として入射するよう、参照光を球面波あるいは非球面波に変換する波面変換部とをさらに備えてもよい。

【0243】
上記の構成によれば、参照光が球面波あるいは非球面波であるために、撮像部に入射する際の参照光と物体光との角度差が小さくでき、干渉像における干渉縞の間隔が大きくなる。そのため、干渉縞が含む被写体の細部の情報を欠落させることなく撮像することができる。それゆえ、拡大光学部によって拡大された被写体の像の細部の情報を、精確に再生して観察することができる。

【0244】
また、複数の上記光源と、波長選択フィルタとを備え、上記複数の光源は、それぞれが互いに異なる波長の参照光および物体光を供給し、上記波長選択フィルタは、通過させる光の波長が異なる複数の波長選択領域を有し、参照光および物体光を上記波長選択領域毎に波長に応じて選択的に通過させる構成であってもよい。

【0245】
上記の構成によれば、偏光方向と、参照光の位相または被写体からの光路長と、波長とが異なる複数の干渉像を得ることができる。そのため、波長毎に再生像および偏光状態を求めることができる。それゆえ、上記の構成によれば、分光と偏光のイメージングを同時に行うことができる。

【0246】
また、第1方向と第2方向とが直交していてもよい。

【0247】
上記の構成によれば、より精確な偏光状態を求めることができる。

【0248】
本発明は下記のように表現することもできる。

【0249】
参照光および物体光を供給する光源と、撮像部とを備え、参照光と、被写体を介して到達する物体光とが作る干渉像を上記撮像部が撮像する偏光イメージング装置において、
上記撮像部に入射する物体光および上記撮像部に入射する参照光は、第1方向の偏光と、第1方向とは異なる第2方向の偏光とを含み、
上記撮像部は、第1方向の偏光成分について、互いに位相が異なる2つの参照光がそれぞれ物体光と干渉して作る2種類の干渉像と、第2方向の偏光成分について、互いに位相が異なる2つの参照光がそれぞれ物体光と干渉して作る2種類の干渉像との、合わせて4種類の干渉像を一度に撮像し、
第1方向の偏光成分に関する上記2種類の干渉像に基づいて、上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像を生成し、第2方向の偏光成分に関する上記2種類の干渉像に基づいて、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像を生成する再生部と、
上記被写体の第1方向の偏光成分の再生像と、上記被写体の第2方向の偏光成分の再生像とに基づいて、上記被写体の再生像の各位置における偏光状態を求める偏光状態算出部とを備えることを特徴とする偏光イメージング装置。

【0250】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0251】
本発明は、偏光イメージング装置に利用することができる。例えば、ビルや一般家屋などの建造物の窓ガラスや薄型ディスプレイなどのガラス製造時の歪、自動車の車体成型や塗装時の歪み、あるいはシリコンウェハの歪み、超高密度ディスクメモリのディスクの歪みなどの様々な偏光画像をリアルタイムで観察することができる。また、本発明は、顕微鏡に応用することもできる。例えば、生体を構成する高分子(たんぱく質)を観察することができるので、がん細胞等の病理組織を偏光画像により観察することができ、また、内視鏡画像に応用することもでき、偏光情報により異なった組織の新たな情報を得ることができる。
【符号の説明】
【0252】
1、2、3、4、5 偏光イメージング装置
11 レーザ光源(光源)
12 撮像素子(撮像部)
12a 撮像面
13 計算機
14 ビームエキスパンダ
15 コリメータレンズ
16 ビームスプリッタ
17、20、44 ミラー
18 被写体
19、45、46 ビーム結合素子
21、47 位相シフトアレイデバイス(位相シフトアレイ部)
21a、21b、38a、38b、47a~47f 位相シフト領域
22 結像光学部
23、49 偏光子アレイデバイス(偏光子アレイ部)
23a、23b、49a、49b 偏光子(偏光子領域)
24 再生部(再生像生成部)
25 偏光状態算出部(偏光画像算出部)
26、28a~28d、29a~29d、50 干渉パターン
27a~27d、31a、31b、51a~51l 画素
30、32a、32b、33a、33b 参照光の強度分布
34a、34b 複素振幅分布
35 偏光画像生成部
36 1/2波長板
37 第1空間光変調器(偏光方向変化アレイ部)
37a 第1方向領域
37b 第2方向領域
38、40 第2空間光変調器(位相シフトアレイ部)
39a、39b 領域
41 結像光学部(波面変換部)
42 空間フィルタリング素子
43 顕微鏡対物レンズ(拡大光学部)
48 波長選択フィルタ
48a、48b、48c 波長選択領域
52 光路長シフトアレイデバイス(光路長シフトアレイ部)
52a、52b 光路長シフト領域
53 空間キャリア位相シフト部
54、59 位相シフトアレイデバイス(位相シフトアレイ部)
55、57、60 偏光子アレイデバイス(偏光子アレイ部)
56a~56h ホログラム
58a~58d ホログラム
61 ホログラム
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図8】
3
【図9】
4
【図10】
5
【図11】
6
【図12】
7
【図13】
8
【図14】
9
【図19】
10
【図20】
11
【図21】
12
【図22】
13
【図23】
14
【図25】
15
【図26】
16
【図27】
17
【図28】
18
【図29】
19
【図30】
20
【図31】
21
【図32】
22
【図33】
23
【図34】
24
【図35】
25
【図36】
26
【図37】
27
【図38】
28
【図39】
29
【図40】
30
【図41】
31
【図42】
32
【図43】
33
【図45】
34
【図46】
35
【図47】
36
【図49】
37
【図50】
38
【図51】
39
【図53】
40
【図54】
41
【図4】
42
【図5】
43
【図6】
44
【図7】
45
【図15】
46
【図16】
47
【図17】
48
【図18】
49
【図24】
50
【図44】
51
【図48】
52
【図52】
53
【図55】
54
【図56】
55