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明細書 :金属錯体化合物及び当該金属錯体化合物を利用したアミド類の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5732678号 (P5732678)
登録日 平成27年4月24日(2015.4.24)
発行日 平成27年6月10日(2015.6.10)
発明の名称または考案の名称 金属錯体化合物及び当該金属錯体化合物を利用したアミド類の製造方法
国際特許分類 B01J  31/22        (2006.01)
B01J  31/24        (2006.01)
C07C 231/06        (2006.01)
C07C 233/09        (2006.01)
C07C 233/65        (2006.01)
C07C 233/05        (2006.01)
FI B01J 31/22 Z
B01J 31/24 Z
C07C 231/06
C07C 233/09 B
C07C 233/65
C07C 233/05
請求項の数または発明の数 14
全頁数 33
出願番号 特願2012-527726 (P2012-527726)
出願日 平成23年7月29日(2011.7.29)
国際出願番号 PCT/JP2011/067531
国際公開番号 WO2012/017966
国際公開日 平成24年2月9日(2012.2.9)
優先権出願番号 2010174025
優先日 平成22年8月2日(2010.8.2)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成26年7月14日(2014.7.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
発明者または考案者 【氏名】押木 俊之
【氏名】村中 誠
個別代理人の代理人 【識別番号】110001070、【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
審査官 【審査官】爾見 武志
参考文献・文献 特開平2-42093(JP,A)
Inorganic Chemistry,1988, Vol.27, No.20,p.3500-3506
J. CHEM. RESEARCH (S),1995, No.9,p.344
Inorganic Chemistry,2004, Vol.43, No.16,p.4921-4926
J. CHEM. SOC. DALTON TRANS.,1991, No.12,p.3349-3358
調査した分野 B01J 31/22
B01J 31/24
C07C 231/06
C07C 233/05
C07C 233/09
C07C 233/65
CA/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(I)で表される金属錯体化合物を含む、水和反応に用いられる水和触媒。
【化1】
JP0005732678B2_000033t.gif
(式(I)中、Mはルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム又は白金からなる群より選ばれる金属イオンを表し、Lは置換基を有していてもよい炭素数1~30の環状又は非環状の中性又は-1価の不飽和炭化水素基を表し、L及びLはそれぞれ独立してフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアルコキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、Lはリン又はヒ素を介してMに結合した下記一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物である。)
【化2】
JP0005732678B2_000034t.gif
(式(IIa)及び(IIb)中、Eはリン又はヒ素を表し、Yは酸素又は硫黄を表し、Y、Y、及びYはそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、置換基及び炭素以外のヘテロ原子を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、Hは水素原子を表す。)
【請求項2】
下記一般式(III)
【化3】
JP0005732678B2_000035t.gif
(式(III)中、Mはルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム又は白金からなる群より選ばれる金属イオンを表し、Lは置換基を有していてもよい炭素数1~30の環状又は非環状の中性又は-1価の不飽和炭化水素基を表し、L及びLはそれぞれ独立してフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアルコキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、ただしMの価数が+1及び+2のときはLは存在しない場合があり、一般式(III)で表される化合物は会合体を形成していてもよい。)
で表される化合物と、
下記一般式(IIa)又は(IIb)
【化4】
JP0005732678B2_000036t.gif
(式(IIa)及び(IIb)中、Eはリン又はヒ素を表し、Yは酸素又は硫黄を表し、Y、Y、及びYはそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、置換基及び炭素以外のヘテロ原子を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、Hは水素原子を表す。)
で表される化合物とからなる複合体を含む、水和反応に用いられる水和触媒。
【請求項3】
が、置換基を有していてもよい炭素数が1~30である環状のジエン、トリエン又はテトラエンからなりかつ中性又は-1価の不飽和炭化水素基である、請求項1又は2に記載の水和触媒。
【請求項4】
が、置換基を有していてもよい炭素数が1~30である非環状のジエン、トリエン又はテトラエンからなりかつ中性又は-1価の不飽和炭化水素基である、請求項1又は2に記載の水和触媒。
【請求項5】
前記一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物が、置換基を有していてもよい炭素数が1~30の2級のホスフィンオキシド、脂肪族リン酸エステル、脂肪族亜リン酸エステル、芳香族リン酸エステル又は芳香族亜リン酸エステルのいずれかである、請求項1又は2に記載の水和触媒。
【請求項6】
前記一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物が、置換基を有していてもよいジアリールホスフィンオキシド、ジアルキルホスフィンオキシド、置換基を有していてもよいフェニル基と置換基を有していてもよいアルキル基を有する2級のホスフィンオキシド、炭素数1~30のジアルキル亜リン酸エステル、置換基を有していてもよいジフェニル亜リン酸エステル、又は置換基を有していてもよいフェニル基と置換基を有していてもよいアルキル基を有する亜リン酸エステル、のいずれかである、請求項1又は2に記載の水和触媒。
【請求項9】
さらに反応促進剤を含む、請求項1~6のいずれかに記載の水和触媒。
【請求項10】
前記反応促進剤が、置換基を有していてもよいジフェニルホスフィンオキシド、ジアルキルホスフィンオキシド、置換碁を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいアルキル基を有するホスフィンオキシド、炭素数1~30のジアルキル亜リン酸エステル、置換基を有していてもよいジフェニル亜リン酸エステル、置換基を有していてもよいフェニル基と置換基を有していてもよいアルキル基を有する亜リン酸エステル、置換基を有してもよい脂肪族アルコール、置換基を有してもよい芳香族アルコール、置換基を有してもよい脂肪族カルボン酸又は置換基を有してもよい芳香族カルボン酸、のいずれかである請求項9に記載の水和触媒。
【請求項11】
前記一般式(I)で表される金属錯体化合物又は前記一般式(II)で表される化合物1モルに対して、前記反応促進剤を1~100モルの範囲で含む請求項9又は10に記載の水和触媒。
【請求項12】
ニトリル類の水和に用いられる、請求項1~6,9~11のいずれかに記載の水和触媒。
【請求項13】
請求項12に記載の触媒を準備する工程と、
前記触媒を、ニトリル類と水及び/又は有機溶媒の混合物に添加する工程と、
前記触媒を加えた混合物を0~150℃の温度で、0.1~48時間反応させる工程と、
を含むことを特徴とする、アミドの製造方法。
【請求項14】
前記ニトリル類が、置換基を有してもよい炭素数1~30の脂肪族ニトリルである、請求項13に記載のアミドの製造方法。
【請求項15】
前記ニトリル類が、置換基を有してもよい炭素数1~30の芳香族ニトリルである、請求項13に記載のアミドの製造方法。
【請求項16】
前記ニトリル類が、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリルのいずれかである、請求項14に記載のアミドの製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、金属錯体化合物、当該金属錯体化合物を含む触媒、及び前記金属錯体化合物の触媒作用を利用したアミド類の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アクリルアミド等のアミド類は、例えば凝集剤、紙力増強剤、塗料、原油採掘用薬剤、石油(原油)増進回収用薬剤、滑剤、可塑剤、離型剤及び消泡剤等、多岐にわたる用途に用いられる重要な化合物である。かかるアミド類の製造方法としては、触媒の存在下、ニトリル類と水を反応させる方法が知られており、固体触媒、生体触媒又は金属錯体触媒を用いる方法が主に用いられている。
【0003】
固体触媒法としては、例えば銅を含む触媒を用いる方法が知られているが(特許文献1、2)、原料のニトリルからアミドへの転化率が100%に達しないために原料をリサイクルする必要があることや、製品アミド中に触媒由来の銅イオンが微量混入すること等の問題があった。
【0004】
一方、固体触媒法の欠点を克服し、転化率が100%で銅イオンの混入がない方法として、生体触媒法が用いられている(非特許文献1)。しかし、生体触媒法においては、生体を用いることから反応系に多量の水を必要とし、結晶体のアミドを得るためには前記多量の水を除去するための工程・設備(多量のエネルギー)が必要となる。さらに生体触媒の培養や冷凍保管や、その解凍条件の煩雑さ、製造されたアミド類からの生体触媒除去方法等、改良の余地があった。
【0005】
この他に、錯体触媒を用いる方法として、例えば白金ホスフィン錯体触媒を用いる方法が知られている(特許文献3)。白金錯体触媒はその活性が高いものであるが、高価でその調製が煩雑であるなどの問題があった。一方、本発明者らは、ルテニウム錯体やイリジウム錯体とホスフィン化合物との組み合わせによる触媒作用を用いたアミド化合物の合成方法について研究を行ってきた(特許文献4、5)。しかし、これらルテニウム錯体やイリジウム錯体とホスフィン化合物との組み合わせによる触媒についても、より低温で熱エネルギー投入の少ない条件下での反応実施、さらには生成するアミド類の収率や純度(特にアクリル系アミド)等の点で改良の余地があった。また、最近、ルテニウム錯体触媒と界面活性剤を組み合わせる触媒系が報告されたが、アミド類の製造効率(触媒活性)は極めて低く、その経済性は極めて低い(非特許文献2)。
【0006】
なお、非特許文献3(化合物8)には、ペンタフルオロベンジル基を有するホスフィン化合物を配位子とするルテニウム錯体が開示されている。しかしながら、当該化合物の用途、特にアミドの製造における触媒としての用途は、全く記載も示唆もされていない。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特開昭61-076447号公報
【特許文献2】特開昭53-039409号公報
【特許文献3】WO96/030379 号公報
【特許文献4】特開2008-088153号公報
【特許文献5】特開2009-023925号公報
【0008】

【非特許文献1】Chemical Record, 2001, 1, 152
【非特許文献2】Green Chemistry, 2010, 12, 790
【非特許文献3】Journal of Fluorine Chemistry, 83 (1997), 159-166
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記のような状況に鑑みてなされたものであり、高い触媒活性を有し、安価でかつ固体触媒法(微量の銅イオン混入の問題等)や生体触媒法(多量の水や菌体の活性保持の問題等)が有する製造時の原理的な制約のない錯体触媒によるアミド類製造法及び当該方法に用いられる錯体化合物を提供すること、をその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定の化合物からなる金属錯体化合物が優れた触媒効果を有することを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1)下記一般式(I)で表される化合物からなる金属錯体化合物に関する。
【0011】
【化1】
JP0005732678B2_000002t.gif

【0012】
(式(I)中、Mはルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム又は白金からなる群より選ばれる金属イオンを表し、Lは置換基を有していてもよい炭素数1~30の環状又は非環状の中性又は-1価の不飽和炭化水素基を表し、L及びLはそれぞれ独立してフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアルコキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、Lはリン又はヒ素を介してMに結合した下記一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物である。)
【0013】
【化2】
JP0005732678B2_000003t.gif

【0014】
(式(IIa)及び(IIb)中、Eはリン又はヒ素を表し、Yは酸素又は硫黄を表し、Y、Y、及びYはそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、置換基及び炭素以外のヘテロ原子を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、Hは水素原子を表す。)かかる金属錯体化合物は、高い触媒活性を有し、安価でかつ固体触媒法(微量の銅イオン混入の問題等)や生体触媒法(多量の水や菌体の活性保持の問題等)が有するアミド製造時の原理的な制約なく、触媒として用いることができる。
(2)また、本発明は、下記一般式(III)で表される化合物と、下記一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物とからなる複合体にも関する。
【0015】
【化3】
JP0005732678B2_000004t.gif

【0016】
(式(III)中、Mはルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム又は白金からなる群より選ばれる金属イオンを表し、Lは置換基を有していてもよい炭素数1~30の環状又は非環状の中性又は-1価の不飽和炭化水素基を表し、L及びLはそれぞれ独立してフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアルコキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、ただしMの価数が+1及び+2のときはLは存在しない場合があり、一般式(III)で表される化合物は会合体を形成していてもよい。)
【0017】
【化4】
JP0005732678B2_000005t.gif

【0018】
(式(IIa)及び(IIb)中、Eはリン又はヒ素を表し、Yは酸素又は硫黄を表し、Y、Y、及びYはそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、置換基及び炭素以外のヘテロ原子を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、Hは水素原子を表す。)
(3)ここで、上記(1)及び(2)に記載された化合物において、Lは、置換基を有していてもよい炭素数が1~30である環状のジエン、トリエン又はテトラエンからなりかつ中性又は-1価の不飽和炭化水素基であってもよい。
(4)又は、上記(1)及び(2)に記載された化合物において、Lが、置換基を有していてもよい炭素数が1~30である非環状のジエン、トリエン又はテトラエンからなりかつ中性又は-1価の不飽和炭化水素基であってもよい。
(5)また、上記(1)及び(2)に記載された化合物において、L、すなわち前記一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物が、置換基を有していてもよい炭素数が1~30の2級のホスフィンオキシド、脂肪族リン酸エステル、脂肪族亜リン酸エステル、芳香族リン酸エステル又は芳香族亜リン酸エステルのいずれかであってもよく、
(6)上記(5)に記載された化合物のL、すなわち前記一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物は、置換基を有していてもよいジアリールホスフィンオキシド、ジアルキルホスフィンオキシド、置換基を有していてもよいフェニル基と置換基を有していてもよいアルキル基を有する2級のホスフィンオキシド、炭素数1~30のジアルキル亜リン酸エステル、置換基を有していてもよいジフェニル亜リン酸エステル又は置換基を有していてもよいフェニル基と置換基を有していてもよいアルキル基を有する亜リン酸エステル、のいずれかであってもよい。
(7)さらに、本発明は、上記(1)又はに記載された金属錯体化合物又は上記(2)に記載された複合体を含む触媒も提供する。
(8)上記(7)に記載の触媒は、水和反応に用いることができる。
(9)また、上記(8)に記載の水和触媒は、前記(1)又は(2)に記載された金属錯体化合物の他に、反応促進剤を含むものであってもよい。
(10)ここで、上記(9)に記載の水和触媒においては、前記反応促進剤が、置換基を有していてもよいジフェニルホスフィンオキシド、ジアルキルホスフィンオキシド、置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいアルキル基を有するホスフィンオキシド、炭素数1~30のジアルキル亜リン酸エステル、置換基を有していてもよいジフェニル亜リン酸エステル、置換基を有していてもよいフェニル基と置換基を有していてもよいアルキル基を有する亜リン酸エステル、置換基を有してもよい脂肪族アルコール、置換基を有してもよい芳香族アルコール、置換基を有してもよい脂肪族カルボン酸又は置換基を有してもよい芳香族カルボン酸、のいずれかであってもよい。
(11)また、上記(9)記載の水和触媒は、前記一般式(I)で表される金属錯体化合物又は前記一般式(II)で表される化合物1モルに対して、前記反応促進剤を1~100モルの範囲で含むものであってもよい。
(12)なお、上記(8)~(11)に記載の水和触媒は、例えばニトリル類の水和に有効に用いることができる。
(13)本発明は、さらに上記(1)又は(2)に記載の金属錯体化合物を含む触媒を準備する工程と;前記触媒を、ニトリル類と水及び/又は有機溶媒の混合物に添加する工程と;前記触媒を加えた混合物を0~150℃の温度で、0.1~48時間反応させる工程と;を含むことを特徴とする、アミドの製造方法も提供する。かかる反応条件を用いることで、効率的にアミドを製造することができる。
(14)ここで、上記(13)に記載のアミドの製造方法において、前記ニトリル類は、置換基を有してもよい炭素数1~30の脂肪族ニトリルであってもよい。
(15)ここで、上記(13)に記載のアミドの製造方法において、前記ニトリル類は、置換基を有してもよい炭素数1~30の芳香族ニトリルであってもよい。
(16)さらに、上記(14)に記載のアミドの製造方法において、前記ニトリル類は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリルのいずれかであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明により提供された金属錯体化合物を用いることにより、高い触媒活性を有し、安価でかつ固体触媒法(微量の銅イオン混入の問題等)や生体触媒法(多量の水や菌体の活性保持の問題等)が有するアミド類製造時の原理的な制約なく、アミド類を製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本願の実施例9-7で製造されたポリアクルアミドの赤外吸収スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明を詳細に説明する。

【0022】
本発明は、一つの側面において、下記一般式(I)で表される金属錯体化合物(以下「金属錯体化合物(I)と称することがある。」を提供する。

【0023】
【化5】
JP0005732678B2_000006t.gif

【0024】
ここで、一般式(I)中のMはルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム又は白金からなる群より選ばれる金属イオンを表す。

【0025】
は、置換基を有してもよい炭素数1~30の環状又は非環状の中性又は-1価の不飽和炭化水素基を表し、例えばエチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、シクロヘキセン、アセチレン、プロピン、フェニルアセチレン、トリメチルシリルプロピン、フェニルプロピン、ジフェニルアセチレン、ピリジン、4,4-ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ブタジエン、1,4‐ジフェニル‐1,3‐ブタジエン、シクロオクテン、1,5-シクロオクタジエン、ノルボルナジエン、ベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、p-シメン、アニソール、ナフタレン、メチルナフタレン、シクロオクタテトラエン、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、1,2-ジメチルシクロペンタジエン、1,4-ジメチルシクロペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエン、インデン、メチルインデン等を挙げることができる。

【0026】
前記MとLとの結合は、共有結合、イオン結合又は配位結合のいずれであってもよい。一般式(I)中のMとLとを結ぶ線は、当該MとLとが上記いずれかで結合していることを示し、Lが単座配位であることに限定されるものではない。たとえば、Lがシクロオクテンの場合は配位結合で単座配位、Lがシクロオクタジエンの場合は配位結合で二座配位、Lがシクロペンタジエニル基の場合は共有結合で三座配位で、それぞれMと結合するが、一般式(I)中のMとLとを結ぶ線はこれらいずれの場合の結合も包含している。

【0027】
また、L及びLはそれぞれ独立して水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシ基、置換基を有してもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表す。上記アルコキシ基又はアリールオキシ基としては、例えば一般式-ORで表される基または-OCORで表される基(アシルオキシ基)を挙げることができる。ここで、式中のRは水素、炭素数1~30の、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分岐状の炭化水素基、炭素数1~30の飽和又は不飽和の環状炭化水素基、炭素数6~30の芳香族化合物残基、アルコキシ基、アリールオキシ基からなる群から選ばれる。具体的には、置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、ヒドロキシメトキシ基、クロロメトキシ基、2-ヒドキシエトキシ基、2-フルオロエトキシ基、2-クロロエトキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基としては-OCOCH、-OCOC、-OCOC、-OCOCF、-OCOC65、-OCOC65等を挙げることができる。さらに、L及び/又はLとして、置換基を有していてもよいアセチルアセトナト基のような二座配位子を例示することもできる。アセチルアセトナト基の置換基としては、メチル基、エチル基、フェニル基、フルオロ基等を挙げることができる。置換基を有していてもよいアセチルアセトナト基としては、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオナート基、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト基、ヘキサフルオロアセチルアセトナト基等を挙げることができる。また、L及びLの他の例として、-OSOCF、-OSOCH等を挙げることもできる。

【0028】
前記MとL及びLとの結合も、共有結合、イオン結合又は配位結合のいずれであってもよい。一般式(I)中のMとL及びLとを結ぶ線は、当該MとL及びLとが上記いずれかで結合していることを示し、L及びLが単座配位であることに限定されるものではない。たとえば、Lがアセチルアセトナト基等は、2つの酸素原子で二座配位子としてMに配位結合するが、一般式(I)中のMとLとを結ぶ線はそのような場合の結合も包含している。

【0029】
はリン又はヒ素を介してMに結合した一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物である(以下、それぞれ「化合物(IIa)」、「化合物(IIb)」と称することがある)。なお、化合物(IIb)には、化合物(IIa)の互変異性体(tautomer)が包含される。たとえば、金属錯体化合物(I)を単離した場合、化合物(IIb)は、化合物(IIa)の互変異性体として存在することができる。

【0030】
【化6】
JP0005732678B2_000007t.gif

【0031】
一般式(IIa)及び(IIb)におけるEはリン又はヒ素を、Yは酸素又は硫黄を表す。Y、Y、及びYはそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基)、置換基及び炭素以外のヘテロ原子を有していてもよいアリール基(例えばフェニル基)、置換基を有していてもよいアリールオキシ基(例えばフェノキシ基)を表す。上記アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基の炭素数は、通常1~30である。また、上記置換基としては、たとえば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基が挙げられる。

【0032】
化合物(IIa)及び(IIb)の具体例としては、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィンオキシド、ジ(4-メチルフェニル)ホスフィンオキシド、ジ(3-メチルフェニル)ホスフィンオキシド、ジ(2-メチルフェニル)ホスフィンオキシド、ジ(4-フルオロフェニル)ホスフィンオキシド、ジ(3-トリフルオロメチルフェニル)ホスフィンオキシド、ジ(2-トリフルオロメチルフェニル)ホスフィンオキシド、ジ(テトラフルオロピリジル)ホスフィンオキシド、ジメチルホスフィンオキシド、ジエチルホスフィンオキシド、ジ-n-ブチルホスフィンオキシド、ジ-t-ブチルホスフィンオキシド、ジ-n-ペンチルホスフィンオキシド、メチルフェニルホスフィンオキシド、エチルフェニルホスフィンオキシド、t-ブチルメチルホスフィンオキシド、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジイソブチル、亜リン酸ジ-t-ブチル、亜リン酸ジフェニル、フェニルホスフィン酸、1,3-ジメチル-1,3,2-ジアザホスホリジン-2-オン、1,3,2-ジアザホスホリジン1,3-ジフェニル-2-オキシド、1,3-ジ-t-ブチル-1,3,2-ジアザホスホリジン2-オキシド1,3,2-ジアザホスホリジン、1,3-ビス[2,6-ビス(1-メチルエチル)フェニル]-2-オキシド、1,3,2-ジアザホスホリジン、1,3-ジブチル-2-オキシド1,3,2-ジアザホスホリジン、1,3-ビス(1-メチルプロピル)-2-オキシドジフェニルホスフィンスルフィド、等を挙げることができる。

【0033】
金属錯体化合物(I)の具体例として、例えば以下のようなものを挙げることができる。

【0034】
ベンゼンルテニウムジクロリドジフェニルヒドロキシホスフィン、ベンゼンルテニウムジブロミドジフェニルヒドロキシホスフィン、ベンゼンルテニウムジヨージドジフェニルヒドロキシホスフィン、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジクロリドジフェニルヒドロキシホスフィン、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジブロミドジフェニルヒドロキシホスフィン、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジヨージドジフェニルヒドロキシホスフィン、(p-シメン)ルテニウムジクロリドジフェニルヒドロキシホスフィン、(p-シメン)ルテニウムジブロミドジフェニルヒドロキシホスフィン、(p-シメン)ルテニウムジヨージドジフェニルヒドロキシホスフィン、ベンゼンルテニウムジクロリドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、ベンゼンルテニウムジブロミドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、ベンゼンルテニウムジヨージドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジクロリドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジブロミドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジヨージドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、(p-シメン)ルテニウムジクロリドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、(p-シメン)ルテニウムジブロミドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、(p-シメン)ルテニウムジヨージドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、ベンゼンルテニウムジクロリドジイソブチルヒドロキシホスフィン、ベンゼンルテニウムジブロミドジイソブチルヒドロキシホスフィン、ベンゼンルテニウムジヨージドジイソブチルヒドロキシホスフィン、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジクロリドジブチルヒドロキシホスフィン、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジブロミドジブチルヒドロキシホスフィン、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジヨージドジイソブチルヒドロキシホスフィン、(p-シメン)ルテニウムジクロリドジイソブチルヒドロキシホスフィン、(p-シメン)ルテニウムジブロミドジブチルヒドロキシホスフィン、(p-シメン)ルテニウムジヨージドジブチルヒドロキシホスフィン、ベンゼンルテニウムジクロリドジメチルヒドロキシホスフィン、ベンゼンルテニウムジブロミドジメチルヒドロキシホスフィン、ベンゼンルテニウムジヨージドジメチルヒドロキシホスフィン、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジクロリドジメチルヒドロキシホスフィン、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジブロミドジメチルヒドロキシホスフィン、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジヨージドジメチルヒドロキシホスフィン、(p-シメン)ルテニウムジクロリドジメチルヒドロキシホスフィン、(p-シメン)ルテニウムジブロミドジメチルヒドロキシホスフィン、(p-シメン)ルテニウムジヨージドジメチルヒドロキシホスフィン、ベンゼンルテニウムジクロリドジエチルヒドロキシホスフィン、ベンゼンルテニウムジブロミドジエチルヒドロキシホスフィン、ベンゼンルテニウムジヨージドジエチルヒドロキシホスフィン、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジクロリドジエチルヒドロキシホスフィン、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジブロミドジエチルヒドロキシホスフィン、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジヨージドジエチルヒドロキシホスフィン、(p-シメン)ルテニウムジクロリドジエチルヒドロキシホスフィン、(p-シメン)ルテニウムジブロミドジエチルヒドロキシホスフィン、(p-シメン)ルテニウムジヨージドジエチルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジフェニルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジフェニルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジフェニルヒドロキシホスフィン、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジフェニルヒドロキシホスフィン、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジフェニルヒドロキシホスフィン、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジフェニルヒドロキシホスフィン、ジメチルシクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジフェニルヒドロキシホスフィン、ジメチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジフェニルヒドロキシホスフィン、ジメチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジフェニルヒドロキシホスフィン、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジフェニルヒドロキシホスフィン、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジフェニルヒドロキシホスフィン、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジフェニルヒドロキシホスフィン、インデニルイリジウムジクロリドジフェニルヒドロキシホスフィン、インデニルイリジウムジブロミドジフェニルヒドロキシホスフィン、インデニルイリジウムジヨージドジフェニルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、ジメチルシクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、ジメチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、ジメチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、インデニルイリジウムジクロリドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、インデニルイリジウムジブロミドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、インデニルイリジウムジヨージドジn-ブチルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジイソブチルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジイソブチルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジイソブチルヒドロキシホスフィン、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジブチルヒドロキシホスフィン、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジブチルヒドロキシホスフィン、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジイソブチルヒドロキシホスフィン、ジメチルシクロペンタジエニルイリジウムルテニウムジクロリドジイソブチルヒドロキシホスフィン、ジメチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジイソブチルヒドロキシホスフィン、ジメチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジイソブチルヒドロキシホスフィン、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジイソブチルヒドロキシホスフィン、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジイソブチルヒドロキシホスフィン、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジイソブチルヒドロキシホスフィン、インデニルイリジウムジクロリドジイソブチルヒドロキシホスフィン、インデニルイリジウムジブロミドジイソブチルヒドロキシホスフィン、インデニルイリジウムジヨージドジイソブチルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジメチルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジメチルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジメチルヒドロキシホスフィン、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジメチルヒドロキシホスフィン、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジメチルヒドロキシホスフィン、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジメチルヒドロキシホスフィン、ジメチルシクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジメチルヒドロキシホスフィン、ジメチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジメチルヒドロキシホスフィン、ジメチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジメチルヒドロキシホスフィン、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジメチルヒドロキシホスフィン、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジメチルヒドロキシホスフィン、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジメチルヒドロキシホスフィン、インデニルイリジウムジクロリドジメチルヒドロキシホスフィン、インデニルイリジウムジブロミドジメチルヒドロキシホスフィン、インデニルイリジウムジヨージドジメチルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジエチルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジエチルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジエチルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジエチルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジエチルヒドロキシホスフィン、シクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジエチルヒドロキシホスフィン、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジエチルヒドロキシホスフィン、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジエチルヒドロキシホスフィン、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジエチルヒドロキシホスフィン、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジクロリドジエチルヒドロキシホスフィン、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミドジエチルヒドロキシホスフィン、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージドジエチルヒドロキシホスフィン、インデニルイリジウムジクロリドジエチルヒドロキシホスフィン、インデニルイリジウムジブロミドジエチルヒドロキシホスフィン、インデニルイリジウムジヨージドジエチルヒドロキシホスフィン。

【0035】
本発明はもう一つの側面において、前記一般式(III)で表される化合物と一般式(IIa)又は(IIb)で表される化合物とを混合して得られる物質、すなわち、これらの化合物が混合した状態にある混合物、互いに化学的に結合した状態にある化合物、又は分子間力によって結合した状態にある会合体などを提供する。本発明では、上記混合物、化合物及び会合体を「複合体」と総称する。上記化合物の一態様として、前記金属錯体化合物(I)が包含される。本発明において、化合物(III)と化合物(IIa)又は(IIb)(特に化合物(IIa))とは、特定の化合物又は会合体を形成していることが確認されない、混合物の状態であっても、触媒活性を発揮することができる。

【0036】
【化7】
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【0037】
【化8】
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【0038】
式(III)中、M、L、L及びLの定義は、一般式(I)で表される化合物と同様である。また、MとL、L、Lそれぞれとの結合も、一般式(I)と同様、共有結合、イオン結合又は配位結合のいずれであってもよい。一般式(III)中のMとL、L、Lそれぞれとを結ぶ線は、当該MとL、L、Lとが上記いずれかで結合していることを示し、L、L、Lが単座配位であることに限定されるものではない。また、前記一般式(III)において、Mの価数によっては(+1及び+2のとき)Lは存在しない場合がある。

【0039】
一般式(III)で表される化合物同士で、例えば下記の式(IV)で表されるような会合体を形成していてもよい。

【0040】
【化9】
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【0041】
一般式(III)で表されるルテニウム化合物として具体的には、ベンゼンルテニウムジクロリド、メチルベンゼンルテニウムジクロリド、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジクロリド、(p-シメン)ルテニウムジクロリド、メトキシベンゼンルテニウムジクロリド、エトキシベンゼンルテニウムジクロリド、ヒドロキシベンゼンルテニウムジクロリド、ナフタレンルテニウムジクロリド、メチルナフタレンルテニウムジクロリド、2-フェノキシエタノールルテニウムジクロリド、ベンゼンルテニウムジブロミド、メチルベンゼンルテニウムジブロミド、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジブロミド、(p-シメン)ルテニウムジブロミド、メトキシベンゼンルテニウムジブロミド、エトキシベンゼンルテニウムジブロミド、ヒドロキシベンゼンルテニウムジブロミド、ナフタレンルテニウムジブロミド、メチルナフタレンルテニウムジブロミド、2-フェノキシエタノールルテニウムジブロミド、ベンゼンルテニウムジヨージド、メチルベンゼンルテニウムジヨージド、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジヨージド、(p-シメン)ルテニウムジヨージド、メトキシベンゼンルテニウムジヨージド、エトキシベンゼンルテニウムジヨージド、ヒドロキシベンゼンルテニウムジヨージド、ナフタレンルテニウムジヨージド、メチルナフタレンルテニウムジヨージド、2-フェノキシエタノールルテニウムジヨージド、ベンゼンルテニウムジフルオリド、メチルベンゼンルテニウムジフルオリド、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジフルオリド、(p-シメン)ルテニウムジフルオリド、メトキシベンゼンルテニウムジフルオリド、エトキシベンゼンルテニウムジフルオリド、ヒドロキシベンゼンルテニウムジフルオリド、ナフタレンルテニウムジフルオリド、メチルナフタレンルテニウムジフルオリド、2-フェノキシエタノールルテニウムジフルオリド、ベンゼンルテニウムジヒドリド、メチルベンゼンルテニウムジヒドリド、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジヒドリド、(p-シメン)ルテニウムジヒドリド、メトキシベンゼンルテニウムジヒドリド、エトキシベンゼンルテニウムジヒドリド、ヒドロキシベンゼンルテニウムジヒドリド、ナフタレンルテニウムジヒドリド、メチルナフタレンルテニウムジヒドリド、2-フェノキシエタノールルテニウムジヒドリド、シクロオクタテトラエンルテニウムジクロリド、ノルボルナジエンルテニウムジクロリド、シクロペンタジエニルルテニウムジクロリド、メチルシクロペンタジエニルルテニウムジクロリド、ペンタメチルシクロペンタジエニルルテニウムジクロリド、ピロリルルテニウムジクロリド、メチルピロリルルテニウムジクロリド、シクロペンタジエニルルテニウムジブロミド、メチルシクロペンタジエニルルテニウムジブロミド、ペンタメチルシクロペンタジエニルルテニウムジブロミド、ピロリルルテニウムジブロミド、メチルピロリルルテニウムジブロミド、シクロペンタジエニルルテニウムジヨージド、メチルシクロペンタジエニルルテニウムジヨージド、ペンタメチルシクロペンタジエニルルテニウムジヨージド、ピロリルルテニウムジヨージド、メチルピロリルルテニウムジヨージド、シクロペンタジエニルルテニウムジフルオリド、メチルシクロペンタジエニルルテニウムジフルオリド、ペンタメチルシクロペンタジエニルルテニウムジフルオリド、ピロリルルテニウムジフルオリド、メチルピロリルルテニウムジフルオリド、シクロペンタジエニルルテニウムジヒドリド、メチルシクロペンタジエニルルテニウムジヒドリド、ペンタメチルシクロペンタジエニルルテニウムジヒドリド、ピロリルルテニウムジヒドリド、メチルピロリルルテニウムジヒドリドが挙げられる。

【0042】
一般式(III)で表されるオスミウム化合物として具体的には、ベンゼンオスミウムジクロリド、メチルベンゼンオスミウムジクロリド、ヘキサメチルベンゼンオスミウムジクロリド、(p-シメン)オスミウムジクロリド、メトキシベンゼンオスミウムジクロリド、エトキシベンゼンオスミウムジクロリド、ヒドロキシベンゼンオスミウムジクロリド、ナフタレンオスミウムジクロリド、メチルナフタレンオスミウムジクロリド、2-フェノキシエタノールオスミウムジクロリド、ベンゼンオスミウムジブロミド、メチルベンゼンオスミウムジブロミド、ヘキサメチルベンゼンオスミウムジブロミド、(p-シメン)オスミウムジブロミド、メトキシベンゼンオスミウムジブロミド、エトキシベンゼンオスミウムジブロミド、ヒドロキシベンゼンオスミウムジブロミド、ナフタレンオスミウムジブロミド、メチルナフタレンオスミウムジブロミド、2-フェノキシエタノールオスミウムジブロミド、ベンゼンオスミウムジヨージド、メチルベンゼンオスミウムジヨージド、ヘキサメチルベンゼンオスミウムジヨージド、(p-シメン)オスミウムジヨージド、メトキシベンゼンオスミウムジヨージド、エトキシベンゼンオスミウムジヨージド、ヒドロキシベンゼンオスミウムジヨージド、ナフタレンオスミウムジヨージド、メチルナフタレンオスミウムジヨージド、2-フェノキシエタノールオスミウムジヨージド、ベンゼンオスミウムジフルオリド、メチルベンゼンオスミウムジフルオリド、ヘキサメチルベンゼンオスミウムジフルオリド、(p-シメン)オスミウムジフルオリド、メトキシベンゼンオスミウムジフルオリド、エトキシベンゼンオスミウムジフルオリド、ヒドロキシベンゼンオスミウムジフルオリド、ナフタレンオスミウムジフルオリド、メチルナフタレンオスミウムジフルオリド、2-フェノキシエタノールオスミウムジフルオリド、ベンゼンオスミウムジヒドリド、メチルベンゼンオスミウムジヒドリド、ヘキサメチルベンゼンオスミウムジヒドリド、(p-シメン)オスミウムジヒドリド、メトキシベンゼンオスミウムジヒドリド、エトキシベンゼンオスミウムジヒドリド、ヒドロキシベンゼンオスミウムジヒドリド、ナフタレンオスミウムジヒドリド、メチルナフタレンオスミウムジヒドリド、2-フェノキシエタノールオスミウムジヒドリド、シクロオクタテトラエンオスミウムジクロリド、ノルボルナジエンオスミウムジクロリド、シクロペンタジエニルオスミウムジクロリド、メチルシクロペンタジエニルオスミウムジクロリド、ペンタメチルシクロペンタジエニルオスミウムジクロリド、ピロリルオスミウムジクロリド、メチルピロリルオスミウムジクロリド、シクロペンタジエニルオスミウムジブロミド、メチルシクロペンタジエニルオスミウムジブロミド、ペンタメチルシクロペンタジエニルオスミウムジブロミド、ピロリルオスミウムジブロミド、メチルピロリルオスミウムジブロミド、シクロペンタジエニルオスミウムジヨージド、メチルシクロペンタジエニルオスミウムジヨージド、ペンタメチルシクロペンタジエニルオスミウムジヨージド、ピロリルオスミウムジヨージド、メチルピロリルオスミウムジヨージド、シクロペンタジエニルオスミウムジフルオリド、メチルシクロペンタジエニルオスミウムジフルオリド、ペンタメチルシクロペンタジエニルオスミウムジフルオリド、ピロリルオスミウムジフルオリド、メチルピロリルオスミウムジフルオリド、シクロペンタジエニルオスミウムジヒドリド、メチルシクロペンタジエニルオスミウムジヒドリド、ペンタメチルシクロペンタジエニルオスミウムジヒドリド、ピロリルオスミウムジヒドリド、メチルピロリルオスミウムジヒドリドが挙げられる。

【0043】
一般式(III)で表されるロジウム化合物として具体的には、クロロ(シクロオクタジエン)ロジウム、シクロオクタジエン(μ-ヒドロキソ)ロジウム、シクロオクタジエン(μ-メトキソ)ロジウム、シクロオクタジエン(μ-エトキソ)ロジウム、シクロオクタジエン(μ-イソプロポキソ)ロジウム、フルオロ(シクロオクタジエン)ロジウム、ブロモ(シクロオクタジエン)ロジウム、ヨード(シクロオクタジエン)ロジウム、フルオロ(ノルボルナジエン)ロジウム、クロロ(ノルボルナジエン)ロジウム、ブロモ(ノルボルナジエン)ロジウム、ヨードノルボルナジエンロジウム、シクロオクタジエン(μ-スルファニド)ロジウム、クロロビスシクロオクテンロジウム、ビスシクロオクテン(μ-ヒドロキソ)ロジウム、ビスシクロオクテン(μ-メトキソ)ロジウム、ビスシクロオクテン(μ-エトキソ)ロジウム、ビスシクロオクテン(μ-イソプロポキソ)ロジウム、フルオロビスシクロオクテンロジウム、ブロモビスシクロオクテンロジウム、ヨードビスシクロオクテンロジウム、クロロビスエチレンロジウム、ビスエチレン(μ-ヒドロキソ)ロジウム、ビスエチレン(μ-メトキソ)ロジウム、ビスエチレン(μ-エトキソ)ロジウム、ビスエチレン(μ-イソプロポキソ)ロジウム、フルオロビスエチレンロジウム、ブロモビスエチレンロジウム、ヨードビスエチレンロジウム、シクロペンタジエニルロジウムジクロリド、メチルシクロペンタジエニルロジウムジクロリド、ぺンタメチルシクロペンタジエニルロジウムジクロリド、ピロリルロジウムジクロリド、メチルピロリルロジウムジクロリド、シクロペンタジエニルロジウムジブロミド、メチルシクロペンタジエニルロジウムジブロミド、ペンタメチルシクロペンタジエニルロジウムジブロミド、ピロリルロジウムジブロミド、メチルピロリルロジウムジブロミド、シクロペンタジエニルロジウムジヨージド、メチルシクロペンタジエニルロジウムジヨージド、ぺンタメチルシクロペンタジエニルロジウムジヨージド、ピロリルロジウムジヨージド、メチルピロリルロジウムジヨージド、シクロペンタジエニルロジウムジフルオリド、メチルシクロペンタジエニルロジウムジフルオリド、ペンタメチルシクロペンタジエニルロジウムジフルオリド、ピロリルロジウムジフルオリド、メチルピロリルロジウムジフルオリド、シクロペンタジエニルロジウムジヒドリド、メチルシクロペンタジエニルロジウムジヒドリド、ぺンタメチルシクロペンタジエニルロジウムジヒドリド、ピロリルロジウムジヒドリド、メチルピロリルロジウムジヒドリド、アセチルアセトナト(シクロオクタジエン)ロジウム、アセチルアセトナト(ビスシクロオクテン)ロジウム、アセチルアセトナト(ビスエチレン)ロジウム、アセチルアセトナト(ノルボルナジエン)ロジウム、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオナト(シクロオクタジエン)ロジウム、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオナト(ビスシクロオクテン)ロジウム、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオナト(ビスエチレン)ロジウム、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオナト(ノルボルナジエン)ロジウム、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト(シクロオクタジエン)ロジウム、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト(ビスシクロオクテン)ロジウム、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト(ビスエチレン)ロジウム、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト(ノルボルナジエン)ロジウム、ヘキサフルオロアセチルアセトナト(シクロオクタジエン)ロジウム、ヘキサフルオロアセチルアセトナト(ビスシクロオクテン)ロジウム、ヘキサフルオロアセチルアセトナト(ビスエチレン)ロジウム、ヘキサフルオロアセチルアセトナト(ノルボルナジエン)ロジウムが挙げられる。

【0044】
一般式(III)で表されるイリジウム化合物として具体的には、クロロ(シクロオクタジエン)イリジウム、シクロオクタジエン(μ-ヒドロキシ)イリジウム、シクロオクタジエン(μ-メトキソ)イリジウム、シクロオクタジエン(μ-エトキソ)イリジウム、シクロオクタジエン(μ-イソプロポキソ)イリジウム、フルオロ(シクロオクタジエン)イリジウム、ブロモ(シクロオクタジエン)イリジウム、ヨード(シクロオクタジエン)イリジウム、フルオロノルボルナジエンイリジウム、クロロノルボルナジエンイリジウム、ブロモ(ノルボルナジエン)イリジウム、ヨードノルボルナジエンイリジウム、シクロオクタジエン(μ-スルファニド)イリジウム、クロロビスシクロオクテンイリジウム、ビスシクロオクテン(μ-ヒドロキソ)イリジウムダイマー、ビスシクロオクテン(μ-メトキソ)イリジウム、ビスシクロオクテン(μ-エトキソ)イリジウム、ビスシクロオクテン(μ-イソプロポキソ)イリジウム、フルオロビスシクロオクテンイリジウム、ブロモビスシクロオクテンイリジウム、ヨードビスシクロオクテンイリジウム、クロロビスエチレンイリジウム、ビスエチレン(μ-ヒドロキソ)イリジウム、ビスエチレン(μ-メトキソ)イリジウム、ビスエチレン(μ-エトキソ)イリジウム、ビスエチレン(μ-イソプロポキソ)イリジウム、フルオロビスエチレンイリジウム、ブロモビスエチレンイリジウム、ヨードビスエチレンイリジウム、シクロペンタジエニルイリジウムジクロリド、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジクロリド、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジクロリド、ピロリルイリジウムジクロリド、メチルピロリルイリジウムジクロリド、シクロペンタジエニルイリジウムジブロミド、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミド、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジブロミド、ピロリルイリジウムジブロミド、メチルピロリルイリジウムジブロミド、シクロペンタジエニルイリジウムジヨージド、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージド、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジヨージド、ピロリルイリジウムジヨージド、メチルピロリルイリジウムジヨージド、シクロペンタジエニルイリジウムジフルオリド、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジフルオリド、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジフルオリド、ピロリルイリジウムジフルオリド、メチルピロリルイリジウムジフルオリド、シクロペンタジエニルイリジウムジヒドリド、メチルシクロペンタジエニルイリジウムジヒドリド、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムジヒドリド、ピロリルイリジウムジヒドリド、メチルピロリルイリジウムジヒドリド、アセチルアセトナト(シクロオクタジエン)イリジウム、アセチルアセトナト(ビスシクロオクテン)イリジウム、アセチルアセトナト(ビスエチレン)イリジウム、アセチルアセトナト(ノルボルナジエン)イリジウム、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオナト(シクロオクタジエン)イリジウム、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオナト(ビスシクロオクテン)イリジウム、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオナト(ビスエチレン)イリジウム、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオナト(ノルボルナジエン)イリジウム、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト(シクロオクタジエン)イリジウム、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト(ビスシクロオクテン)イリジウム、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト(ビスエチレン)ロジウム、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト(ノルボルナジエン)イリジウム、ヘキサフルオロアセチルアセトナト(シクロオクタジエン)イリジウム、ヘキサフルオロアセチルアセトナト(ビスシクロオクテン)イリジウム、ヘキサフルオロアセチルアセトナト(ビスエチレン)イリジウム、ヘキサフルオロアセチルアセトナト(ノルボルナジエン)イリジウムが挙げられる。

【0045】
上記複合体中、化合物(III)と化合物(IIa)又は(IIb)の量比は、その触媒活性や反応速度の点から、通常、化合物(III)1モルに対し、化合物(IIa)又は(IIb)が0.01~100モル、好ましくは0.1~10モル、より好ましくは0.5~5モルである。

【0046】
さらに本発明は、金属錯体化合物(I)を含む触媒、ならびに化合物(III)と化合物(IIa)又は(IIb)とからなる複合体を含む触媒も提供する。かかる触媒は、特にニトリル類からアミド類を製造する際の水和触媒として高い触媒活性を有する。

【0047】
本発明の触媒を適用できるニトリル化合物には特に制限はないが、例えば、それぞれ置換基を有してもよい、炭素数1~30の、脂肪族ニトリル及び芳香族ニトリルが挙げられる。上記脂肪族ニトリルの具体例として、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリルなどの1価の脂肪族ニトリル類、マロノニトリル、サクシノニトリル、アジポニトリルなどの多価の脂肪族ニトリル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和脂肪族ニトリル類が挙げられる。また、上記芳香族ニトリルの具体例としては、ベンゾニトリル、3-シアノピリジン、フタロニトリルなどが挙げられる。本発明の触媒は、特にアクリロニトリルからアクリルアミドを製造する用途に好適である。

【0048】
本発明における触媒は、金属錯体化合物(I)又は化合物(III)と化合物(IIa)若しくは(IIb)とからなる複合体に加えて、反応促進剤を含有していてもよい。前記反応促進剤としては、例えば含酸素化合物が挙げられる。かかる含酸素化合物の一例としては、上記金属錯体化合物のさらなる配位子として機能すると考えられる、化合物(IIa)もしくは(IIb)に該当する有機リン化合物が挙げられ、置換基を有してもよいジフェニルホスフィンオキシド、置換基を有していてもよいジアルキルホスフィンオキシド、置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいアルキル基を有するホスフィンオキシド、炭素数1~30のジアルキル亜リン酸エステル、置換基を有していてもよいジフェニル亜リン酸エステル又は置換基を有していてもよいフェニル基と置換基を有していてもよいアルキル基を有する亜リン酸エステル、の中から選ぶことができる。

【0049】
具体的には、ジフェニルホスフィンオキシド、ジ-n-ブチルホスフィンオキシド、n-ブチルフェニルホフフィンオキシド、ジメチルホスフィンオキシド、ジエチルホスフィンオキシド亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジイソブチル、亜リン酸ジ-t-ブチル、亜リン酸ジフェニル、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィンスルフィド、等を挙げることができる。

【0050】
また、前記含酸素化合物として他に水酸基を含む化合物が挙げられ、置換基を有してもよい脂肪族アルコール、置換基を有してもよい芳香族アルコール、置換基を有してもよい脂肪族カルボン酸、置換基を有してもよい芳香族カルボン酸の中から選ぶことができる。具体的には、メタノール、エタノール、2-プロパノール、n-ブタノール、t-ブタノール、n-オクタノール、フェノール、2-メトキシフェノール、3-メトキシフェノール、4-メトキシフェノール、2-メチルフェノール、3-メチルフェノール、4-メチルフェノール、2-クロロフェノール、2-フルオロフェノール、3-フルオロフェノール、4-フルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、酢酸、安息香酸、等を挙げることができる。

【0051】
前記反応促進剤は、金属錯体化合物(I)又は化合物(IIa)もしくは(IIb)1モルに対して、0.1~100モルの範囲で含むことができ、好ましくは0.5~10モル、より好ましくは1~5モルである。0.1モルよりも少ないと、触媒効率が向上しないという不利益があり、100モルよりも多いと、目的生成物との分離工程の煩雑さ及び経済性の観点から不利益がある。

【0052】
本発明における触媒を用いてニトリル類を水和してアミド類を製造する方法としては、ニトリル類と水及び/又は有機溶媒の混合物に、本発明の触媒を添加して反応させる方法が挙げられる。水と有機溶媒は、それぞれ単独で用いることもできるし、混合物として用いることもできる。その際に使用する水及び/又は有機溶媒の量(水単独の使用量、有機溶媒単独の使用量又は水と有機溶媒の混合物の使用量)は、ニトリル基1モルに対し、0.1~10000モルであってもよく、好ましくは0.5~1000モル、より好ましくは1~100モルである。水及び/又は有機溶媒の使用量が少なすぎると製造されるアミドの収率の低下が大きくなり、多すぎてもニトリルと触媒との接触が妨げられることにより製造されるアミドの収率が低下する。

【0053】
また、反応温度は0℃~150℃の範囲から選択することができ、好ましくは30~130℃、より好ましくは40~120℃である。反応温度が低すぎると反応速度が低下して工業的に不利となり、高すぎると触媒成分の分解や製造コストの増加等の問題が生じる。反応時間は0.1~48時間の範囲であればよく、好ましくは0.1~10時間、より好ましくは1~5時間である。

【0054】
反応圧力は、反応系が液相に保たれる程度の圧力であれば任意であるが、水の沸点以下の温度で反応が進行する場合には圧力容器を必要とすることはない。閉鎖系で行う場合には、雰囲気は窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素などの不活性ガスが好ましい。反応は回分方式でも連続方式でも行うことができる。反応生成液からは、蒸留や晶析等の方法により生成物であるアミド化合物を回収できる。また生成物を回収した後の残留液(たとえば、析出したアミド化合物を濾過した後の濾液)には、触媒が溶解しているので、直接又は間接的に循環させて再度反応に用いることができるし、所望であれば触媒を回収することもできる。
【実施例】
【0055】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0056】
(実施例1-1~1-12)
アルゴン雰囲気下で、ネジ式のガラス製試験管に、以下に示す錯体A(Ruとして0.005mmol)、配位子a(0.01mmol)、アクリロニトリル(67μL、1mmol)、所定量の水、溶媒0.5mLを加えて密閉した。そして所定温度で所定時間加熱した。ガスクロマトグラフ装置でアクリルアミドの収率を算出した。このアクリロニトリルの水和反応の結果を表1-1に示す。
【実施例】
【0057】
【化10】
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【実施例】
【0058】
【表1-1】
JP0005732678B2_000012t.gif
【実施例】
【0059】
(実施例1-13~1-14)
表1-2は、実施例1-1~1-12と同様の方法で、触媒量(錯体Aの量)を増やした実験例である。
【実施例】
【0060】
【表1-2】
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【実施例】
【0061】
(実施例1-15~1-20)
表1-3は錯体Aと配位子aの比率(モル比)を変えた実験例である。
【実施例】
【0062】
【表1-3】
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【実施例】
【0063】
(実施例2-1~2-12)
アルゴン雰囲気下で、ネジ式のガラス製試験管に、前記錯体A(Ruとして0.05mmol)、配位子b(0.01mmol)、アクリロニトリル(67μL、1mmol)、所定量の水、溶媒0.5mLを加えて密閉した。そして所定温度で所定時間加熱した。ガスクロマトグラフ装置でアクリルアミドの収率を算出した。このアクリロニトリルの水和反応の結果を表2に示す。
【実施例】
【0064】
【表2】
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【実施例】
【0065】
(実施例3-1~3-8)
錯体Bの合成;アルゴン雰囲気下でシュレンク管に、(p-シメン)ルテニウムジクロリドダイマーA(0.50g、0.82mmol)とジフェニルホスフィンオキシド(0.33g、1.64mmol)を加えた。シリンジで、脱気及び脱水したトルエン40mLを加え、密栓した後、室温で1時間かくはんした。かくはん終了後、溶媒を減圧下で留去し、赤茶色の粉末として以下に示す錯体Bを得た(0.83g、1.64mmol)。
【実施例】
【0066】
錯体BのNMRデータ;
1H NMR (C6D6)δ0.82 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.69 (s, 3H), 2.50 (quin, J = 6.8 Hz, 1H), 4.85-4.91 (m, 4H), 7.08-7.19(m, 6H), 7.75-7.81(m, 4H).31P{1H} NMR (C6D6)δ105.4(s).
【実施例】
【0067】
【化11】
JP0005732678B2_000016t.gif
【実施例】
【0068】
アルゴン雰囲気下で、ネジ式のガラス製試験管に、錯体B(Ruとして0.005mmol)、アクリロニトリル(67μL、1mmol)、所定量の水、溶媒0.5mLを加えて密閉した。そして80℃で所定時間加熱した。ガスクロマトグラフ装置でアクリルアミドの収率を算出した。かかるアクリロニトリルの水和反応の結果を表3にまとめた。
【実施例】
【0069】
【表3】
JP0005732678B2_000017t.gif
【実施例】
【0070】
(実施例4-1~4-7)
次に、前記錯体Bの触媒系に反応促進剤を加えた実験を行い、結果を表4にまとめた。アルゴン雰囲気下で、ネジ式のガラス製試験管に、錯体B(Ruとして0.005mmol)、所定量の添加物、アクリロニトリル(67μL、1mmol)、水(72μL、4mmol)、溶媒としてトルエン0.5mLを加えて密閉した。そして80℃で1時間加熱した。ガスクロマトグラフ装置でアクリルアミドの収率を算出した。
【実施例】
【0071】
【表4】
JP0005732678B2_000018t.gif
【実施例】
【0072】
(実施例5-1~5-9)
錯体Cの合成;アルゴン雰囲気下でシュレンク管に、ベンゼンルテニウムジクロリドダイマー(0.50g、1.00mmol)とジフェニルホスフィンオキシド(0.40g、2.00mmol)を加えた。シリンジで、脱気及び脱水したジクロロメタン30mLを加え、密栓した後、室温で1時間かくはんした。かくはん終了後、溶媒を減圧下で留去し、赤茶色の粉末として以下に示す錯体Cを得た(0.80g、0.88mmol)。錯体C*は同様の方法で、溶媒をアセトニトリルに替えて合成した。
錯体CのNMRデータ
1H NMR (C6D6)δ4.40 (d, 6H), 7.08-7.19(m, 6H), 7.75-7.81(m, 4H). 31P{1H} NMR (C6D6)δ101.1(s).
錯体Dの合成;アルゴン雰囲気下でシュレンク管に、ヘキサメチルベンゼンルテニウムジクロリドダイマー(0.67g、1.00mmol)とジフェニルホスフィンオキシド(0.40g、2.00mmol)を加えた。シリンジで、脱気及び脱水したトルエン40mLを加え、密栓した後、室温で1時間かくはんした。かくはん終了後、溶媒を減圧下で留去し、赤茶色の粉末として以下に示す錯体Dを得た(1.07g、1.00mmol)。
錯体DのNMRデータ
1H NMR (C6D6)δ1.55 (m, 18H), 7.00-7.19(m, 6H), 7.75-7.90(m, 4H). 31P{1H} NMR (C6D6)δ115.6(s).
錯体Eの合成;アルゴン雰囲気下でシュレンク管に、(p-シメン)ルテニウムジクロリドダイマー(0.31g、0.50mmol)とジn-ブチルホスフィンオキシド(0.16g、1.00mmol)を加えた。シリンジで、脱気及び脱水したトルエン40mLを加え、密栓した後、室温で1時間かくはんした。かくはん終了後、溶媒を減圧下で留去し、赤茶色の粉末として以下に示す錯体Eを得た(0.46g、1.00mmol)。
錯体EのNMRデータ
1H NMR (C6D6)δ0.92 (t, J = 7.3 Hz, 6H), 1.08 (d, J = 7.0 Hz, 6H), 1.81, 1.88 (s, 3H), 1.10-2.25 (m, 12H), 4.85-5.13 (m, 4H).
31P{1H} NMR (C6D6)δ121.4(s).
【実施例】
【0073】
【化12】
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【実施例】
【0074】
錯体C、D、Eを用いる触媒系の実験を行い、結果を表5にまとめた。アルゴン雰囲気下で、ネジ式のガラス製試験管に、所定の錯体(Ruとして0.005mmol)、アクリロニトリル(67μL、1mmol)、所定量の水、溶媒0.5mLを加えて密閉した。そして80℃で所定時間加熱した。ガスクロマトグラフ装置でアクリルアミドの収率を算出した。
【実施例】
【0075】
【表5】
JP0005732678B2_000020t.gif
【実施例】
【0076】
(実施例6-1~6-4)
次に、錯体Bに反応促進剤を添加した結果を、表6にまとめた。アルゴン雰囲気下で、ネジ式のガラス製試験管に、錯体B(Ruとして0.005mmol)、所定量の添加物、アクリロニトリル(67μL、1mmol)、水(72μL、4mmol)、溶媒としてトルエン0.5mLを加えて密閉した。そして80℃で1時間加熱した。ガスクロマトグラフ装置でアクリルアミドの収率を算出した。
【実施例】
【0077】
【表6】
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【実施例】
【0078】
(実施例7-1~7-11)
錯体Aと以下に示す配位子c、d、e、f、g、hからなる触媒によるアクリロニトリルの水和反応の実験例を表7にまとめた。アルゴン雰囲気下で、ネジ式のガラス製試験管に、錯体A(Ruとして0.005mmol)、所定量の配位子、アクリロニトリル(67μL、1mmol)、水(72μL、4mmol)、所定の溶媒0.5mLを加えて密閉した。そして80℃で所定時間加熱した。ガスクロマトグラフ装置でアクリルアミドの収率を算出した。
【実施例】
【0079】
【化13】
JP0005732678B2_000022t.gif
【実施例】
【0080】
【表7】
JP0005732678B2_000023t.gif
【実施例】
【0081】
(実施例8-1~8-23)
次に、以下に示す錯体F、G、H、Iを用いるアクリロニトリルの水和反応の実験を行い、結果を表8にまとめた。アルゴン雰囲気下で、ネジ式のガラス製試験管に、錯体(Ruとして0.005mmol)、所定量の配位子、アクリロニトリル(67μL、1mmol)、水(72μL、4mmol)、所定の溶媒0.5mLを加えて密閉した。そして所定の温度で所定時間加熱した。ガスクロマトグラフ装置でアクリルアミドの収率を算出した。
【実施例】
【0082】
【化14】
JP0005732678B2_000024t.gif
【実施例】
【0083】
【表8】
JP0005732678B2_000025t.gif
【実施例】
【0084】
(実施例9-1~9-8)
錯体Bを用いて、さまざまなニトリル類の触媒的水和反応を行った結果を表9にまとめた。アルゴン雰囲気下で、ネジ式のガラス製試験管に、錯体A(Ruとして0.005mmol)、所定量の配位子、アクリロニトリル(67μL、1mmol)、水(72μL、4mmol)、所定の溶媒0.5mLを加えて密閉した。そして80℃で所定時間加熱した。ガスクロマトグラフ装置でアクリルアミドの収率を算出した。
【実施例】
【0085】
【表9】
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【実施例】
【0086】
(実施例10-1~10-67)
イリジウム、ロジウムを含む錯体触媒を用いるアクリロニトリルの水和反応の実施例を表10にまとめた。アルゴン雰囲気下で、ネジ式のガラス製試験管に、錯体(金属として0.005mmol)、所定量の配位子、アクリロニトリル(67μL、1mmol)、水(72μL、4mmol)、所定の溶媒0.5mLを加えて密閉した。そして80℃で所定時間加熱した。ガスクロマトグラフ装置でアクリルアミドの収率を算出した。
【実施例】
【0087】
【表10(1)】
JP0005732678B2_000027t.gif
【実施例】
【0088】
【表10(2)】
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【実施例】
【0089】
【表10(3)】
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【実施例】
【0090】
(実施例11-1~11-4及び比較例11-1~11-3)
先行技術文献(非特許文献2 Green Chemistry 12、790(2010))の触媒活性と比較するための実験を行った。非特許文献2に記載された錯体1afを合成した(非特許文献2に合成法の記載がないため、NMRデータも記入した)。非特許文献2に記載された原料で下記の実験を行った。
【実施例】
【0091】
アルゴン雰囲気下でシュレンク管に、(p-シメン)ルテニウムジクロリドダイマーA(0.306g、0.50mmol)とエトキシ(ジフェニル)ホスフィンオキシド(0.230g、1.00mmol)を加えた。シリンジで、脱気及び脱水したトルエン10mLを加え、密栓した後、室温で1時間かくはんした。かくはん終了後、溶媒を減圧下で留去し、赤茶色の粉末として錯体1afを得た(0.530g、1.0mmol)。
錯体1afのNMRデータ
1H NMR (C6D6)δ0.96 (d, J = 8.0 Hz, 6H), 1.03 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.64 (s, 3H), 2.74 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 3.96 (q, J = 5.6 Hz, 4H), 4.88-4.97 (m, 4H), 7.02-7.11 (m, 6H), 8.21-8.27 (m, 4H).
31P{1H} NMR (C6D6)δ109(s).
【実施例】
【0092】
【表11】
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【実施例】
【0093】
実施例11-1~11-4及び比較例11-1~11-3を対比すると、実施例11-1~11-4の実験では、非特許文献2に記載された錯体1afを使用した実験に比べて格別顕著な効果の相違があることがわかる。また、実施例1-8及び実施例3-1と比較例11-4を対比すると、実施例1-8及び実施例3-1の実験では、非特許文献2に記載された錯体1afを使用した実験に比べて格別顕著な効果の相違があることがわかる。
【実施例】
【0094】
(実施例12-1~12-9)
以下に示す錯体J、K、Lを用いるアクリロニトリルの水和反応の実験を行った。結果を表12にまとめた。アルゴン雰囲気下で、ネジ式のガラス製試験管に、錯体(金属として0.005mmol)、所定量の配位子、アクリロニトリル(67μL、1mmol)、水(72μL、4mmol)、所定の溶媒0.5mLを加えて密閉した。そして80度で3.5時間加熱した。ガスクロマトグラフ装置でアクリルアミドの収率を算出した。
【実施例】
【0095】
【化15】
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【実施例】
【0096】
錯体JのNMRデータ
1H NMR (C6D6)δ0.84 (d, J = 7.2 Hz, 6H), 1.76 (s, 3H), 2.71 (quin, J = 6.8 Hz, 1H), 4.96 (m, 4H), 7.00-7.30 (m, 6H), 7.50-7.57(m, 2H), 7.87-7.93(m, 2H).
31P{1H} NMR (C6D6)δ102.4(s).
錯体KのNMRデータ
1H NMR (C6D6)δ0.87 (d, J = 7.2 Hz, 6H), 1.88 (s, 3H), 3.03 (quin, J = 6.8 Hz, 1H), 4.95-5.02 (m, 4H), 6.98-7.12 (m, 6H), 7.50-7.57(m, 2H), 7.98-8.02(m, 2H).
31P{1H} NMR (C6D6)δ100.8(s).
錯体LのNMRデータ
1H NMR (C6D6)δ1.25 (s, 15H), 7.07-7.13 (m, 6H), 7.80-7.86 (m, 4H).
31P{1H} NMR (C6D6)δ74.2 (s).
【実施例】
【0097】
【表12】
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図面
【図1】
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