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明細書 :ヌクレオシド類縁体又はその塩、オリゴヌクレオチド類縁体、遺伝子発現抑制剤、及び遺伝子検出用核酸プローブ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5199519号 (P5199519)
登録日 平成25年2月15日(2013.2.15)
発行日 平成25年5月15日(2013.5.15)
発明の名称または考案の名称 ヌクレオシド類縁体又はその塩、オリゴヌクレオチド類縁体、遺伝子発現抑制剤、及び遺伝子検出用核酸プローブ
国際特許分類 C07D 213/73        (2006.01)
C07C  33/044       (2006.01)
C07F   9/6512      (2006.01)
C07F   9/58        (2006.01)
C07F   9/564       (2006.01)
C07D 229/02        (2006.01)
C07D 239/54        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61K  31/513       (2006.01)
A61K  31/44        (2006.01)
C07D 239/47        (2006.01)
A61K  31/047       (2006.01)
A61K  31/396       (2006.01)
A61K  31/675       (2006.01)
A61K  31/661       (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
C12Q   1/68        (2006.01)
FI C07D 213/73 CSP
C07C 33/044
C07F 9/6512 ZNA
C07F 9/58 Z
C07F 9/564
C07D 229/02
C07D 239/54 Z
A61P 43/00 111
A61K 31/513
A61K 31/44
C07D 239/47 Z
A61K 31/047
A61K 31/396
A61K 31/675
A61K 31/661
C12N 15/00 A
C12Q 1/68 A
請求項の数または発明の数 23
全頁数 53
出願番号 特願2012-529033 (P2012-529033)
出願日 平成23年11月30日(2011.11.30)
国際出願番号 PCT/JP2011/077684
国際公開番号 WO2012/074012
国際公開日 平成24年6月7日(2012.6.7)
優先権出願番号 2010267314
2011190048
優先日 平成22年11月30日(2010.11.30)
平成23年8月31日(2011.8.31)
優先権主張国 日本国(JP)
日本国(JP)
審査請求日 平成24年7月13日(2012.7.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】上野 義仁
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】110000578、【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
審査官 【審査官】高橋 直子
参考文献・文献 特開平03-052889(JP,A)
特開昭64-079176(JP,A)
国際公開第2009/129036(WO,A1)
国際公開第2010/091226(WO,A1)
Tetrahedron Letters,1999年,5881-5884
Zhurnal Obshchei Khimii,1965年,36(6),960-3
調査した分野 C07D 213/73
A61K 31/047
A61K 31/396
A61K 31/44
A61K 31/513
A61K 31/661
A61K 31/675
A61P 43/00
C07C 33/044
C07D 229/02
C07D 239/47
C07D 239/54
C07F 9/564
C07F 9/58
C07F 9/6512
C12N 15/09
C12Q 1/68
CA/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1)~(9)のいずれかで表されるヌクレオシド類縁体又はその塩。
【化1】
JP0005199519B2_000032t.gif
(但し、R1、R2、R3は、同一又は異なる基であり、それぞれが、水素原子、核酸合成における官能基の保護基、及びリン酸基からなる群より選択される。)
【請求項2】
前記R1は、水素原子、又は前記核酸合成における官能基である水酸基の保護基のいずれかである、
前記R2は、水素原子、前記核酸合成における官能基である水酸基の保護基、及びリン酸基からなる群より選択され、
前記R3は、水素原子、又は前記核酸合成における官能基であるアミノ基の保護基のいずれかである
ことを特徴とする請求項1に記載のヌクレオシド類縁体又はその塩。
【請求項3】
前記R1、R2が前記核酸合成における官能基である水酸基の保護基の場合、
前記核酸合成における官能基である水酸基の保護基は、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、アルコキシ基、アリール基で置換されたメチル基、脂肪族で置換されたシリル基、及び芳香族で置換されたシリル基からなる群より選択される
ことを特徴とする請求項2に記載のヌクレオシド類縁体又はその塩。
【請求項4】
前記脂肪族アシル基は、アセチル基であり、前記芳香族アシル基は、ベンゾイル基であり、前記アリール基で置換されたメチル基は、ベンジル基、p-メトキシベンジル基、4,4’-ジメトキシトリチル基、及び4-モノメトキシトリチル基からなる群より選択され、前記脂肪族で置換されたシリル基は、tert-ブチルジメチルシリル基であり、前記芳香族で置換されたシリル基は、tert-ブチルジフェニルシリル基である
ことを特徴とする請求項3に記載のヌクレオシド類縁体又はその塩。
【請求項5】
前記R3が前記核酸合成における官能基であるアミノ基の保護基の場合、
前記核酸合成における官能基であるアミノ基の保護基は、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、アルコキシ基、アリール基で置換されたメチル基、脂肪族で置換されたシリル基、芳香族で置換されたシリル基、脂肪族で置換されたスルホニル基、芳香族で置換されたスルホニル基、カルボニル基、及びアミド基からなる群より選択される
ことを特徴とする請求項2に記載のヌクレオシド類縁体又はその塩。
【請求項6】
前記脂肪族アシル基は、アセチル基であり、前記芳香族アシル基は、ベンゾイル基であり、前記アリール基で置換されたメチル基は、ベンジル基であり、前記脂肪族で置換されたシリル基は、tert-ブチルジメチルシリルであり、前記芳香族で置換されたシリル基は、tert-ブチルジフェニルシリルであり、前記芳香族で置換されたスルホニル基は、p-トルエンスルホニル基であり、前記カルボニル基は、tert-ブトキシカルボニル基、又はベンジルオキシカルボニル基のいずれかであり、前記アミド基は、ジメチルホルムアミド基、又はジメチルアセトアミド基のいずれかである
ことを特徴とする請求項5に記載のヌクレオシド類縁体又はその塩。
【請求項7】
前記リン酸基には、核酸合成における保護基で保護されたリン酸基、及び固層合成用活性化リン酸基を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のヌクレオシド類縁体又はその塩。
【請求項8】
前記核酸合成における保護基で保護されたリン酸基は、2-クロロフェニルリン酸基、又は4-クロロフェニルリン酸基のいずれかである
ことを特徴とする請求項7に記載のヌクレオシド類縁体又はその塩。
【請求項9】
前記固層合成用活性化リン酸基は、-P(OC24CN)(N(CH(CH322)、又は-P(OCH3)(N(CH(CH322)のいずれかである
ことを特徴とする請求項7に記載のヌクレオシド類縁体又はその塩。
【請求項10】
下記一般式(11)で表されるヌクレオシド類縁体又はその塩。
【化2】
JP0005199519B2_000033t.gif
(但し、R1及びR2は、同一又は異なる基であり、それぞれが、水素原子、核酸合成における水酸基の保護基、及びリン酸基、からなる群より選択され、X2はアルキル基又は少なくとも一つの水素がハロゲンで置換されたアルキル基である。)
【請求項11】
前記X2は、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、及びモノフルオロメチル基からなる群より選択される
ことを特徴とする請求項10に記載のヌクレオシド類縁体又はその塩。
【請求項12】
前記R1は、水素原子、又は核酸合成における水酸基の保護基のいずれかであり、
前記R2は、水素原子、核酸合成における水酸基の保護基、及びリン酸基からなる群より選択される
ことを特徴とする請求項10に記載のヌクレオシド類縁体又はその塩。
【請求項13】
前記リン酸基には、核酸合成における保護基で保護されたリン酸基、及び固層合成用活性化リン酸基を含む
ことを特徴とする請求項10に記載のヌクレオシド類縁体又はその塩。
【請求項14】
前記核酸合成における保護基で保護されたリン酸基は、2-クロロフェニルリン酸基、又は4-クロロフェニルリン酸基のいずれかである
ことを特徴とする請求項13に記載のヌクレオシド類縁体又はその塩。
【請求項15】
前記固層合成用活性化リン酸基は、-P(OC24CN)(N(CH(CH322)、又は-P(OCH3)(N(CH(CH322)のいずれかである
ことを特徴とする請求項13に記載のヌクレオシド類縁体又はその塩。
【請求項16】
式(1a)~(10a)のいずれかで表される構造を一つ以上構成成分として含むオリゴヌクレオチド類縁体。
(但し、Arは、芳香族炭化水素基又は多環芳香族炭化水素基のいずれかである。)
【化3】
JP0005199519B2_000034t.gif

【請求項17】
一般式(11a)で表される構造を一つ以上構成成分として含むオリゴヌクレオチド類縁体。
【化4】
JP0005199519B2_000035t.gif
(但し、X2はアルキル基又は少なくとも一つの水素がハロゲンで置換されたアルキル基である。)
【請求項18】
前記X2は、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、及びモノフルオロメチル基からなる群より選択される
ことを特徴とする請求項17に記載のオリゴヌクレオチド類縁体。
【請求項19】
一本鎖であることを特徴とする請求項16、又は請求項17に記載のオリゴヌクレオチド類縁体。
【請求項20】
相補的な配列を少なくとも一部含むオリゴヌクレオチドと二本鎖を形成している
ことを特徴とする請求項16、又は請求項17に記載のオリゴヌクレオチド類縁体。
【請求項21】
請求項16~請求項20のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド類縁体を含有する
ことを特徴とする遺伝子発現抑制剤。
【請求項22】
一般式(11a)で表される構造を一つ以上構成成分として含むオリゴヌクレオチド類縁体を含有する
ことを特徴とする遺伝子検出用核酸プローブ。
【化5】
JP0005199519B2_000036t.gif
(但し、X2はアルキル基又は少なくとも一つの水素がハロゲンで置換されたアルキル基である。)
【請求項23】
前記X2は、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、及びモノフルオロメチル基からなる群より選択されることを特徴とする請求項22に記載の遺伝子検出用核酸プローブ。
発明の詳細な説明
【関連出願の相互参照】
【0001】
本国際出願は、2010年11月30日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2010-267314号、および、2011年8月31日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2011-190048号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2010-267314号および日本国特許出願第2011-190048号の全内容を本国際出願に援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、ヌクレオシド類縁体又はその塩、オリゴヌクレオチド類縁体、遺伝子発現抑制剤、及び遺伝子検出用核酸プローブに関する。
【背景技術】
【0003】
短鎖二本鎖RNA、microRNA(miRNA)及びsmall interfering RNA(siRNA)は、標的メッセンジャーRNA(mRNA)と相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである。標的mRNAは、例えば疾患の原因となる遺伝子の塩基配列を備える。RNA干渉とは、これら短鎖二本鎖RNA、miRNA、及びsiRNAが、生体内で標的mRNAの遺伝子発現を抑制する生体内遺伝子抑制機構である。
【0004】
siRNAは、二本鎖RNAであり、その二本鎖RNAは相補的な塩基配列からなる。siRNAは配列特異的に標的mRNAと結合する。標的mRNAと結合したsiRNAは、RNA誘導サイレンシング複合体(RNA-induced silencing complex(RISC))に取り込まれることによって、標的mRNAは切断される。疾患の原因となる遺伝子の塩基配列が明らかであれば、疾患の原因となる遺伝子と相補的な配列を有するようにsiRNAを設計・合成することが可能となる。そのため、このように合成されたsiRNAは、疾患の原因となる遺伝子を切断することができ、疾患関連タンパク質の発現を抑制することができる。
【0005】
miRNAは、部分的にミスマッチ塩基対を含む二本鎖RNAである。miRNAは、部分的に相補的な配列を持つ標的mRNAを認識し、その標的mRNAと結合する。miRNAが標的mRNAと結合すると、標的mRNAは不安定化し、標的mRNAの翻訳が抑制されるので、結果として遺伝子発現が抑制される。miRNAは生物の発生、形態形成、細胞増殖など様々な生物学的機能を緻密に制御していることが明らかになっている。近年、RNA干渉(二本鎖RNAと相補的な塩基配列を持つmRNAが分解される現象。)を利用した医薬品開発研究が活発に行われている。特に、miRNAは、癌など様々な疾患と関連性があることが報告されている。
【0006】
例えば、肺癌患者由来の癌組織では、let-7 miRNAの発現量が低下している。このlet-7 miRNAの発現量を測定することによって、肺癌患者の予後を判定することが可能であることが報告されている。さらに、let-7 miRNAは、肺癌に対して増殖抑制効果を有することが報告されている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】特開2005-192484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記let-7 miRNAは、天然型のオリゴヌクレオチドであるため、血液中や細胞内に存在する各種ヌクレアーゼによって速やかに分解されてしまう。そのため、let-7 miRNAのような天然型のオリゴヌクレオチドをmiRNA創薬として利用することは困難であった。miRNAを利用した薬剤の開発には、天然型のオリゴヌクレオチドで形成されたmiRNAと比較して、ヌクレアーゼ耐性が向上し、遺伝子発現の抑制効果が増強するmiRNAが望まれているが、発明者の知るところでは、それらに関する報告はほとんどない。
【0009】
さらに、miRNAは、一部にミスマッチ塩基対を含んだ状態で標的mRNAと結合する。そのため、一つのmiRNAに対して複数の標的mRNAが存在することになる。その結果、ヒトのmiRNAは、莫大な数のmRNAを標的とすることから、標的となるmRNAの塩基配列を同定することが困難であった。標的mRNAの塩基配列を同定することは、miRNAの遺伝子発現制御機構の解明につながるため、生命科学分野における重要な研究課題の一つとなっている。
【0010】
本発明は、このような背景の下、上記問題を解決するものであり、その目的は、ヌクレアーゼ耐性が向上し、遺伝子発現の抑制効果を増強することができるヌクレオシド類縁体又はその塩、及びオリゴヌクレオチド類縁体と、標的mRNAの塩基配列の同定を容易にすることが可能なヌクレオシド類縁体又はその塩、及びオリゴヌクレオチド類縁体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、本発明において採用した特徴的構成について説明する。
本発明のヌクレオシド類縁体又はその塩は、下記一般式(1)~(9)であることを特徴とする。(但し、R1、R2、R3は、同一又は異なる基であり、それぞれが、水素原子、核酸合成における官能基の保護基、及びリン酸基からなる群より選択される。
【0012】
【化1】
JP0005199519B2_000002t.gif
上記一般式(1)~(9)中、ヌクレオシドの糖部に相当する部分は開環型であり、三重結合を備えている。また、上述の官能基には、水酸基、アミノ基が挙げられる。また上述の保護基とは、有機合成の反応において、水酸基やアミノ基などの官能基に副反応が進行しないようにそれらを保護するために導入する有機分子のことである。
【0013】
上記式(1)~(9)において、R1は、水素原子、又は核酸合成における官能基である水酸基の保護基のいずれかであると好ましい。R2は、水素原子、核酸合成における官能基である水酸基の保護基、及びリン酸基からなる群より選択されることが好ましい。R3は、水素原子、核酸合成における官能基であるアミノ基の保護基であると好ましい。
【0014】
核酸合成における官能基である水酸基の保護基の具体的な例としては、脂肪族アシル基(例えばアセチル基など)、芳香族アシル基(例えばベンゾイル基など)、アルコキシ基、アリール基で置換されたメチル基(例えばベンジル基、p-メトキシベンジル基、4,4’-ジメトキシトリチル基、4-モノメトキシトリチル基など)、脂肪族で置換されたシリル基(例えばtert-ブチルジメチルシリル基など)、芳香族で置換されたシリル基(例えばtert-ブチルジフェニルシリル基など)などを挙げることができる。
【0015】
核酸合成における官能基であるアミノ基の保護基の具体的な例としては、脂肪族アシル基、芳香族アシル基、アルコキシ基、アリール基で置換されたメチル基、脂肪族で置換されたシリル基、芳香族で置換されたシリル基などを挙げることができ、これらの他、脂肪族で置換されたスルホニル基、芳香族で置換されたスルホニル基(例えばp-トルエンスルホニル基など)、カルボニル基(例えばtert-ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基など)、アミド基(ジメチルホルムアミド基、ジメチルアセトアミド基、)などであってもよい。
【0016】
リン酸基は、核酸合成における保護基で保護されたリン酸基、固層合成用活性化リン酸基であると好ましい。
核酸合成における保護基で保護されたリン酸基の具体的な例としては、例えば2-クロロフェニルリン酸基、4-クロロフェニルリン酸基などを挙げることができる。
【0017】
固層合成用活性化リン酸基の具体的な例としては、例えば、-P(OC24CN)(N(CH(CH322)、-P(OCH3)(N(CH(CH322)などを挙げることができる。
【0018】
又、本発明のヌクレオシド類縁体又はその塩は、下記一般式(11)(但し、R1及びR2は、同一又は異なる基であり、水素原子、核酸合成における水酸基の保護基、及びリン酸基からなる群より選択され、X2はアルキル基又は少なくとも一つの水素がハロゲンで置換されたアルキル基である。)であることを特徴とする。
【0019】
ジアジリン基は、光を吸収すると反応性の高い中間体カルベンを生じ、標的分子と共有結合が可能になる基である。
2におけるアルキル基としては、炭素数が1~5であるアルキル基、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
【0020】
【化2】
JP0005199519B2_000003t.gif
さらに、一般式(11)中、ヌクレオシドの糖部に相当する部分は開環型であり、三重結合を備えている。
【0021】
上記一般式(11)において、R1、R2は、一般式(1)~(9)において説明したR1、R2と同様な基であると好ましい
【0022】
2は、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、及びモノフルオロメチル基からなる群より選択されると好ましい。
又、本発明のオリゴヌクレオチド類縁体は、式(1a)~(10a)で表される構造を一つ以上構成成分として含むオリゴヌクレオチド類縁体であることを特徴とする。(但し、Arは、芳香族炭化水素基又は多環芳香族炭化水素基のいずれかである。)
【0023】
【化3】
JP0005199519B2_000004t.gif
又、本発明のオリゴヌクレオチド類縁体は、式(11a)(但し、X2はアルキル基又は少なくとも一つの水素がハロゲンで置換されたアルキル基である。)で表される構造を一つ以上構成成分として含むオリゴヌクレオチド類縁体であることを特徴とする。
【0024】
ジアジリン基は、光を吸収すると反応性の高い中間体カルベンを生じ、標的分子と共有結合が可能になる基である。
2におけるアルキル基としては、炭素数が1~5であるアルキル基、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
【0025】
【化4】
JP0005199519B2_000005t.gif

【0026】
2は、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、及びモノフルオロメチル基からなる群より選択されると好ましい。
さらに、上記一般式(1a)~(10a)、(11a)中、ヌクレオシドの糖部に相当する部分は開環型であり、三重結合を備えている。糖部開環型ヌクレオシドで構成されているオリゴヌクレオチド誘導体としては、例えばグリコール核酸(GNA)がある。GNAは、リン酸ジエステル結合によってグリセロール単位を繰り返す構造を備えている。(S)-GNAは、ゴーシュ効果によって(S)-GNAの二重鎖が安定化されていることが知られている。したがって、類似した構造を含む式(1a)~(10a)、(11a)を一つ以上構成成分として含むオリゴヌクレオチド類似体において、そのオリゴヌクレオチド類縁体の二重鎖の安定性は向上することが期待される。さらに、式(1a)~(10a)、(11a)は不飽和結合を備えているので、二重鎖を形成しているオリゴヌクレオチド間においてスタッキング相互作用が働き、構造が固定されることから、二重鎖形成におけるエントロピーのロスは減少する。その結果、二重鎖が熱力学的に安定になることが期待される。
【0027】
本発明の「その塩」とは、本発明のヌクレオシド類縁体及びオリゴヌクレオチド類縁体は、塩にすることができるので、その塩をいい、特に限定はないが、好適にはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩、アンモニウム塩のような無機塩、t-オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N-ベンジル-フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン原子化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、酢酸塩、りんご酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩、及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げることができる。
【0028】
本発明のオリゴヌクレオチド類縁体は、一本鎖オリゴヌクレオチド、二本鎖オリゴヌクレオチドであってもよい。一本鎖オリゴヌクレオチドの場合は、一方の鎖と相補的な配列を少なくとも一部含むオリゴヌクレオチドと二本鎖を形成していてもよい。オリゴヌクレオチドとは、ヌクレオチドが数個から100個重合した重合体である。
【0029】
本発明の遺伝子発現抑制剤は、本発明のオリゴヌクレオチド類縁体を含有することを特徴とする。
遺伝子発現抑制剤とは、DNAあるいはmRNAに働きかけその複製、転写、翻訳の過程を阻害する分子のことである。
【0030】
本発明の遺伝子検出用核酸プローブは、上記一般式(11a)の構造を一つ以上構成成分として含むオリゴヌクレオチド類縁体を含有することを特徴とする
【0031】
2は、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、及びモノフルオロメチル基からなる群より選択されると好ましい。
遺伝子検出用核酸プローブとは、DNAあるいはmRNAを可視化し検出するための短鎖のDNAあるいはRNA分子である。
【0032】
このような遺伝子検出用核酸プローブは、式(11a)の構造を一つ以上構成成分として含むオリゴヌクレオチド類縁体を含有する、例えばDNAマイクロアレイ等が挙げられる。
【発明の効果】
【0033】
本発明のヌクレオシド類縁体(式(1)~式(11))の構造を一つ以上構成成分として含むオリゴヌクレオチド類縁体によれば、天然型ヌクレオシドの糖、塩基部に相当する部分を化学修飾することによって、ヌクレアーゼによって認識されにくくなり、その結果天然型のオリゴヌクレオチドと比較してヌクレアーゼ耐性が向上すると考えられる。さらに、miRNAの熱力学的安定性が変化することによって遺伝子発現の抑制効果を天然型のオリゴヌクレオチドと比較して増強することができると考えられる。
【0034】
本発明の遺伝子発現抑制剤は、例えば本発明のヌクレオシド類縁体(式(1)~式(11))の構造を一つ以上構成成分として含むオリゴヌクレオチド類縁体がmiRNAとして作用する。このmiRNAは、部分的に相補的な配列を持つ標的mRNAを認識し結合することによって、標的mRNAを不安定化し、標的mRNAの翻訳が抑制される。その結果、遺伝子発現を抑制することができる。
【0035】
さらに、式(11)のオリゴヌクレオシド類縁体の構造を一つ以上構成成分として含むオリゴヌクレオチド類縁体が遺伝子検出用核酸プローブとして作用する。この遺伝子検出用核酸プローブに光が照射されると、共有結合が可能な活性種が形成されるので、この遺伝子検出用核酸プローブは標的mRNAとの間でクロスリンクし標的mRNAを捕獲することができる。その結果、この遺伝子検出用核酸プローブを利用することによって、捕獲されたmRNAの塩基配列を同定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】Tm測定結果を示すグラフである。
【図2】Tm測定結果を示すグラフである。
【図3】Tm測定結果を示すグラフである。
【図4A-4B】図4Aはpsi199a3pベクターを使用した場合の遺伝子発現抑制能の検証結果を示すグラフであり、図4Bはpsi199a5pベクターを使用した場合の遺伝子発現抑制能の検証結果を示すグラフである。
【図5A-5B】図5Aは、天然型RNAのヌクレアーゼ耐性を検証した電気泳動後のゲル写真であり、図5Bは、3′末端をヌクレオシド類縁体(1)に置換したRNAのヌクレアーゼ耐性を検証した電気泳動後のゲル写真である。
【図6】天然型RNAのヌクレアーゼ耐性及び3′末端をヌクレオシド類縁体(1)に置換したRNAのヌクレアーゼ耐性検証結果を示すグラフである。
【図7】クロスカップリング結果を示す電気泳動後のゲル写真である。
【図8】本発明の遺伝子検出用核酸プローブの説明図である。
【図9】Tm測定結果を示すグラフである。
【図10】ヌクレオシド類縁体(1)を構成成分として含むsiRNAの遺伝子発現抑制能の検証結果を示すグラフである。
【図11】ヌクレオシド類縁体(10)を構成成分として含むsiRNAの遺伝子発現抑制能の検証結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本明細書においてはいくつかの略語を使用するので、まず、以下に本明細書中で使用する略語について、その一覧を示す。

【0038】
[略語一覧]
BF3EOEt:ボロン トリフルオリド エーテレイト(Boron trifluoride etherate)
THF:テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)
EtOAc:酢酸エチル
TBDMSCl:tert-ブチルジメチルシリル クロリド(tert-Butyldimethylsilyl chloride)
Pd(PPh3):テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(Tetrakis(triphenylphosphine)palladium)
TEA:トリエチルアミン(triethyamine)
TBAF:テトラ-ブチルアンモニウム-フルオリド(Tetra-n-butylammonium fluoride)
PdCl2(PPh32:ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(II) クロリド(Bis(triphenylphosphine)palladium(II) chloride)
TsCl:p-トルエンスルホニル クロリド(p-toluenesulfonyl chloride)
DMAP:N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(N,N-dimethyl-4-aminopyridine)
DMTrCl:ジメトキシトリフェニルメチル クロリド(dimethoxytriphenylmethyl chloride)
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン(N,N-diisopropylethylamine)
アミダイト試薬,i-Pr2NP(Cl):OCE2-シアノエチルジイソプロピルクロロ-ホスホロアミダイト(2-cyanoethyldiisopropylchloro-phosphoramidite)
DMF-DMA:N,N-ジメトキシホルムアミド ジメチルアセタール(N,N-Dimethylformamide dimethyl acetal)
CPG:コントロール ポア グラス(controlled-pore glass)
WSC:水溶性カルボジイミド(water soluble carbidiimide)
X-phos:2-ジシクロヘキシルホスフィノー2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(2-Dicyclohexylphosphino-2’,4’,6’-triisopropylbiphenyl)
NaHCO3 aq.:炭酸水素ナトリウム水溶液
NaCl aq.:塩化ナトリウム水溶液
NMR:核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance)
CDCl3:重クロロホルム
Tm:融解温度(melting temperature)
[ヌクレオシド類縁体及びヌクレオシド類縁体の合成方法の概略]
次に、本発明のヌクレオシド類縁体及びヌクレオシド類縁体の合成方法について概略を説明する。

【0039】
本発明のヌクレオシド類縁体の糖部は、エポキシ基を備える第一級アルコールを出発物質として合成される。より詳しくは、まず、エポキシ基を備える一級アルコールの水酸基をシリル化合物で保護した後、エポキシ基の開環に伴い、末端をシリル基で保護したアセチレン基を導入する。続いて、エポキシ基の開環に伴って生じた水酸基をシリル基で保護する。その後、選択的にアセチレン側鎖の末端シリル基を除去することによって、以下に記載する本発明のヌクレオシド類縁体の塩基部とのカップリング反応が可能な糖部前駆体を得る。

【0040】
一方、本発明のヌクレオシド類縁体の塩基部は、複素環の一つの水素原子をハロゲン原子に置換したハロゲン置換体、芳香族炭化水素の一つの水素原子をハロゲン原子に置換したハロゲン置換体、及び多環芳香族炭化水素の一つの水素原子をハロゲン原子に置換したハロゲン置換体からなる群より選択される。芳香族炭化水素の一つの水素原子をハロゲン原子に置換したハロゲン置換体には、光に反応し共有結合が可能な活性種を与えるジアジリン基、及びアルキル基又は少なくとも一つの水素がハロゲンで置換されたアルキル基のいずれかを備える芳香族炭化水素の一つの水素原子をハロゲン原子に置換したハロゲン置換体を含む。

【0041】
これらの糖部前駆体と塩基部を、パラジウム触媒存在下、カップリング反応させることによってカップリング体を得る。その後、シリル基の脱保護後、抽出、洗浄、精製する工程を得て、所望とするヌクレオシド類縁体を得ることができる。

【0042】
次に、本発明の実施形態についていくつかの例を挙げて説明する。但し、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下に説明する実施例では、実施例として例示するヌクレオシド類縁体と先に説明した一般式との関係を理解しやすくするため、一般式(n)で表されるヌクレオシド類縁体の一例として挙げるヌクレオシド類縁体のことを、一般式に付与した番号(n)を利用して、ヌクレオシド類縁体(n)と表記する(nは1~11の整数。)。ただし、この表記は、一般式(n)で表されるヌクレオシド類縁体が、以下の実施例で例示するヌクレオシド類縁体(n)に限定されることを意味するものではない。
【実施例】
【0043】
〔1〕[ヌクレオシド類縁体(1):(S)-5-(4,5-ジヒドロキシペント-1-イニル)-1-メチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン((S)-5-(4,5-dihydroxypent-1-ynyl)-1-methylpyrimidine-2,4(1H,3H)-dione)の合成]
ヌクレオシド類縁体(1)を、下記[化5]に示す合成法1を用いて合成した。
【実施例】
【0044】
【化5】
JP0005199519B2_000006t.gif
〔1.1〕合成法1中の合成ルート(a)
(R)-グリシドール(glycidol)(2.7ml、40.5mmol)(13a)にイミダゾール(imidazole)(6.6g、97.2mmol)、DMF(75ml)を加えて攪拌し、そこにTBDPSCl(12.6ml,48.6mmol)を加え0℃で一晩反応させた。翌日、薄層クロマトグラフイー(Thin-Layer Chromatography:TLC)(以下、TLCと称する。)にて原料のスポットの消失を確認した後、生成物を酢酸エチルと蒸留水で抽出し、有機層を回収した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。真空エバポレーターで溶媒をとばし、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)にて単離精製し、化合物(13b)(S)-tert-ブチル(オキシラン-2-イルメトキシ)ジフェニルシラン((S)-tert-butyl(oxiran-2-ylmethoxy)diphenylsilane):(4.5664g,15mmol,37%)を無色透明な液体として得た。
【実施例】
【0045】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:7.67-7.65(4H,m),7.41-7.35(6H,m),3.83(1H,dd,J=12.0Hz,3.2Hz),3.69(1H,dd,J=12.0Hz,4.8Hz),3.13-3.09(1H,m),2.73(1H,dd,J=9.2Hz,4.0Hz),2.59(1H,dd,J=5.2Hz,2.8Hz),1.0(9H,s).13C NMR(CDCl3)δ:135.5,129.7,127.7,64.3,52.2,44.4,26.7,19.2.
〔1.2〕合成法1中の合成ルート(b)
アルゴン雰囲気下にて50mlの梨型フラスコに化合物(13b)(2.5268g,8.0mmol)を加え、THF(10ml)で溶解させた。(A)アルゴン雰囲気下にて50mlのナスフラスコにTMS-acetylene(1.656ml,12.0mmol),THF(10ml),n-BuLi(7.2288ml,12.0mmol),BF3・OEt2(1.5968ml,13.0mmol)の順番で加え、最後に溶液(A)を加え-78°Cで一晩反応させた。翌日TLCにて原料のスポットの消失を確認した後、緩衝剤としてNH4Cl(20ml)を加えて反応を止め、生成物を酢酸エチルと蒸留水で抽出し、有機層を回収した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。真空エバポレーターで減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)にて単離精製し、化合物(13c):(S)-1-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)-5-(トリメチルシリル)ペント-4-イン-2-オル((S)-1-(tert-butyldiphenylsilyloxy)-5-(trimethylsilyl)pent-4-yn-2-ol)(2.2177g,5.4mol,67%)を無色透明な液体として得た。
【実施例】
【0046】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:7.56-7.35(4H,m),7.34-7.18(6H,m),3.79-3.75(1H,m),3.62(2H,ddd,J=25.6Hz,10.4Hz,4.4Hz),2.41-2.38(2H,t,J=6.4Hz),0.96(9H,s),0.00(9H,s).13C NMR(CDCl3) δ:135.5,129.8,127.8,102.7,87.1,70.2,66.4,44.4,26.8,19.3,0.00
〔1.3〕合成法1中の合成ルート(c)
アルゴン雰囲気下にて50mlの梨型フラスコにイミダゾール(imidazole)(1.103g,16.2mmol)、DMF(25ml)、TBDMSCl(1.238g,8.01mmol)を加えて攪拌した。攪拌後、得られた溶液を溶液(B)とした。アルゴン雰囲気下にて50mlのナスフラスコに化合物(13c)(2.2177g,5.4mmol)とDMF(25ml)を加え攪拌し、そこに溶液(B)を加え、一晩反応させた。翌日TLCにて原料のスポットの消失を確認した後、生成物を酢酸エチルと蒸留水で抽出し、有機層を回収した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。真空エバポレーターで減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)にて単離精製し、化合物(13d):(S)-2,2,3,3,9,9-ヘキサメチル-8,8-ジフェニル-5-(3-(トリメチルシリル)プロプ-2-イニル)-4,7-ジオキサー3,8-ジシリラデカン((S)-2,2,3,3,9,9-hexamethyl-8,8-diphenyl-5-(3-(trimethylsilyl)prop-2-ynyl)-4,7-dioxa-3,8-disiladecane)(1.7713g,3.8mmol,62%)をうす黄色の液体として得た。
【実施例】
【0047】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:7.56-7.53(4H,m),7.31-7.22(6H,m),3.75-3.70(1H,m),3.51(1H,dd,J=10.2Hz,4.6Hz),3.42(1H,dd,J=10.4Hz,6.0Hz),2.54(1H,dd,J=17.0Hz,5.4Hz),2.25(1H,dd,J=17.0Hz,7.0Hz),0.96-0.88(9H,m),0.77-0.67(9H,m),0.047-0.00(9H,m),-0.07(3H,s),-0.15(3H,s).13C NMR(CDCl3)δ:135.5,129.5,127.6,104.7,85.7,71.8,67.0,26.7,25.7,19.2,18.0,0.00,-4.67.
〔1.4〕合成法1中の合成ルート(d)
アルゴン雰囲気下にて化合物(13d)(1.7713g,3.37mmol)をドライ(dry) MeOH(35ml)で溶かし、CH3ONa(2.37ml,4.39mmol)と反応させた。常温で約1時間反応させTLCにて原料のスポットの消失を確認した後、生成物を酢酸エチルと蒸留水で抽出し、有機層を回収した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。真空エバポレーターで減圧濃縮し化合物(13e):(S)-2,2,3,3,9,9-ヘキサメチル-8,8-ジフェニル-5-(プロプ-2-イニル)-4,7-ジオキサ-3,8-ジシラデカン((S)-2,2,3,3,9,9-hexamethyl-8,8-diphenyl-5-(prop-2-ynyl)-4,7-dioxa-3,8-disiladecane)(1.4488g,3.2mmol 95%)を無色透明な液体として得た。
【実施例】
【0048】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:7.56-7.53(4H,m),7.29-7.23(6H,m),3.78-3.75(1H,m),3.52(2H,ddd,J=21.2Hz,10.1Hz,5.5Hz),2.52(1H,ddd,J=16.8Hz,5.5Hz,2.8Hz),2.29(1H,ddd,J=16.7Hz,6.2Hz,2.7Hz),1.86(1H,t,J=2.7Hz),0.98(9H,s),0.79(9H,s),0.00(3H,s),-0.08(3H,s).13C NMR(CDCl3)δ:135.5,129.7,127.8,81.8,71.7,69.7,66.9,26.8,25.8,24.4,19.3,18.1,-4.72.
〔1.5〕合成法1中の合成ルート(e)
化合物(22)(0.70g,2.78mmol)と化合物(13e)(1.93g,1.2eq.)をDMF(27.8ml)に溶解させた。Pd(PPh34(0.16g,0.05eq.),とCuI(0.053g,0.1eq.)を加えて攪拌し、TEA(0.97ml,2.5eq.)を加えて40℃で反応させた。一晩攪拌後、反応液をEtOAcを用いてセライトろ過した。ろ過後、ろ液をEtOAc、H2Oで抽出し有機層を回収した。有機層を、NaHCO3 aq.、NaCl aq.で洗浄した後、真空エバポレーターで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(中性シリカの使用、溶出溶媒はCHCl3:CH3OH=100:1)で分離精製しカップリング体(23):(S)-5-(4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-5-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ペント-1-イニル)-1-メチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン((S)-5-(4-(tert-butyldimethylsilyloxy)-5-(tert-butyldiphenylsilyloxy)pent-1-ynyl)-1-methylpyrimidine-2,4(1H,3H)-dione)(収量:1.62g)を得た。
【実施例】
【0049】
1H NMR(CDCl3) δ:8.68(1H,s)7.95(1H,s)7.63-7.10(10H,m)3.88-3.86(3H,t,J=5.96,5.04)3.63-3.59(1H,dd,J=5.04,5.04)3.56-3.52(1H,dd,J=5.96,5.96)3.27(3H,s)2.78-2.72(1H,dd,J=5.96,5.52)2.55-2.49(1H,dd,J=6.44,6.44)0.98(9H,s)0.80(9H,s)-0.00(3H,s)-0.07(3H,s) 13C NMR(CDCl3):161.8,149.9,146.8,135.6,132.0,127.6,100.5,92.6,71.7,67.1,64.3,36.1,31.4,26.8,25.7,19.2,18.0,-4.65
〔1.6〕合成法1中の合成ルート(f)
カップリング体(23)(1.62g,2.78mmol)をTHF(11.2ml)に溶解し、1mol/l TBAF(5.88ml,2.1eq.)を加えて一晩攪拌した。TLCで反応の終了を確認し、減圧濃縮した。その後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(中性シリカ、CHCl3のみ~CHCl3:MeOH=15:1)で分離精製し、ヌクレオシド類縁体(1)(収量:0.33g、収率:52.2%)を得た。
【実施例】
【0050】
1H NMR(DMSO) δ:7.94(1H,s)4.84-4.82(1H,d,J=4.88)4.60-4.57(1H,t,J=5.84-5.60)3.60-3.56(1H,dd,J=5.84,5.60)3.39-3.35(1H,dd)3.31(1H,s)3.17-3.13(1H,dd)2.54-2.50(1H,dd)2.40-2.35(1H,dd)
[実施例2]
〔2〕[ヌクレオシド類縁体(3):(S)-5-(6-アミノピリジン-3-イル)ペント-4-イン-1,2-ジオール((S)-5-(6-aminopyridin-3-yl)pent-4-yne-1,2-diol)の合成]
ヌクレオシド類縁体(3)を、下記[化6]に示す合成法2を用いて合成した。
【実施例】
【0051】
【化6】
JP0005199519B2_000007t.gif
〔2.1〕合成法2中の合成ルート(a)
糖部(13e)(0.76g,3.45mmol)と塩基部(28)(1.87g,1.3eq.)をフラスコに加えDMF(35.0ml)に溶解した。Pd(PPh34(0.40g,0.1eq.)、CuI(0.13g,0.2eq)を加えて攪拌し、TEA(1.20ml,2.5eq.)を加えて45℃で反応させた。一晩攪拌後、反応液をEtOAcでセライトろ過した。ろ過後、ろ液をEtOAc、H2Oで抽出し有機層を回収した。有機層を、NaHCO3aq.、NaClaq.で洗浄した後、真空エバポレーターで濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(中性シリカゲルの使用、溶出溶媒はCHCl3)で分離精製し、カップリング体(29):(S)-5-(4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-5-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)pent-1-イニル)ピリジン-2-アミン((S)-5-(4-(tert-butyldimethylsilyloxy)-5-(tert-butyldiphenylsilyloxy)pent-1-ynyl)pyridin-2-amine)(収量:1.35g、収率:71.5%)を得た。
【実施例】
【0052】
〔2.2〕合成法2中の合成ルート(b)
カップリング体(29)(1.0g,1.73mmol)をTHF(17.3ml)に溶解し、1mol/l TBAF(3.6ml,2.1eq.)を加えて一晩攪拌した。その後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(中性シリカゲルの使用、溶出溶媒はCHCl3:MeOH=1:0~)で分離精製し、ヌクレオシド類縁体(3)(収量:0.47g)を得た。
【実施例】
【0053】
[実施例3]
〔3〕[ヌクレオシド類縁体(5):(S)-2-アミノ-5-(4,5-ジヒドロキシペント-1-イニル)ピリミジン-4(1H)-オン((S)-2-amino-5-(4,5-dihydroxypent-1-ynyl)pyrimidin-4(1H)-one)の合成]
ヌクレオシド類縁体(5)を、下記[化7]に示す合成法3を用いて合成した。
【実施例】
【0054】
【化7】
JP0005199519B2_000008t.gif
〔3.1〕合成法3中の合成ルート(a)
アルゴン雰囲気下で化合物(16):5-ヨード-1,3-ジメチルウラシル(5-iodo-1,3-dimethyluracil)(0.5g,1.88mmol),PdCl2(PPh32(10.99mg,0.01566mmol),CuI(5.965mg,0.03132mmol),化合物(13e)(0.71g,1.566mmol),DMF(10ml)の順番でフラスコに加え17h攪拌した。反応の完結を確認後、反応物を酢酸エチルと蒸留水で抽出し、有機層を回収した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機層を真空エバポレーターで減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒はクロロホルム:メタノール=100:1)にて単離精製し、化合物(17):(S)-5-(4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-5-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ペント-1-イニル)-1,3-ジメチルピリジン-2,4(1H,3H)-ジオン((S)-5-(4-(tert-butyldimethylsilyloxy)-5-(tert-butyldiphenylsilyloxy)pent-1-ynyl)-1,3-dimethylpyrimidine-2,4(1H,3H)-dione)(収量:0.4715g、0.8mmol、収率:51%、黄色の液体)を得た。
【実施例】
【0055】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:7.70-7.63(4H,m),7.40-7.37(6H,m),3.96-3.90(1H,m),3.69-3.66(1H,dd,J=10.4Hz,4.8Hz),3.63-3.59(1H,dd,J=10.4Hz,4.8Hz),3.37(6H,s),2.85-2.79(1H,dd,J=13.8Hz,6.00Hz),2.60-2.55(1H,dd,J=13.8Hz,6.00Hz),1.04(9H,s),0.83(9H,s),0.06(3H,s),0.00(3H,s)
〔3.2〕合成法3中の合成ルート(b)
アルゴン雰囲気下でグアニジン塩酸塩(24.8g,0.2596mol)とナトリウムエトキシド(12.37g,0.182mol)をドライ(dry)エタノール(100ml)に溶かし,40分間攪拌した後、セライトろ過を行った。ろ液をエバポレーターで減圧濃縮しオイルを得た。得られたオイルを2径ナスフラスコに移した。2径ナスフラスコにジムロートを装着した。2径ナスフラスコに、化合物17(1.534g,2.60mmol)をドライ(dry) エタノール(100ml)で溶かした物を加え、オイルバスで96℃に保ち1.5h攪拌した。反応終了後、反応液を真空エバポレーターで減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)にて単離精製し、化合物(18):(S)-2-アミノ-5-(4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-5-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)pent-1-イニル)ピリミジン-4(1H)-オン((S)-2-amino-5-(4-(tert-butyldimethylsilyloxy)-5-(tert-butyldiphenylsilyloxy)pent-1-ynyl)pyrimidin-4(1H)-one)(0.813g,1.45mmol,56%,黄色の液体)を得た。
【実施例】
【0056】
〔3.3〕合成法3中の合成ルート(c)
アルゴン雰囲気下で化合物(18)(0.793g,1.41mmol)をドライ(dry) MeOH(40ml)に溶かし、そこに12mol/l HCl(0.353ml,4.23mmol)を加え、オイルバスで60℃に保ち、4時間攪拌した。反応後、真空エバポレーターで減圧濃縮しヌクレオシド類縁体(5)を得た。ヌクレオシド類縁体(5)は、後処理をせず、そのまま次の反応をかけた。
【実施例】
【0057】
[実施例4]
〔4〕[ヌクレオシド類縁体(10):(S)-5-(アントラセン-9-イル)ペント-4-イン-1,2-ジオール((S)-5-(anthracen-9-yl)pent-4-yne-1,2-diol)の合成]
ヌクレオシド類縁体(10)を、下記[化8]に示す合成法4を用いて合成した。
【実施例】
【0058】
【化8】
JP0005199519B2_000009t.gif
〔4.1〕合成法4中の合成ルート(a)、(b)
化合物(13e)(0.86g,1.89mmol)を入れたフラスコにPdCl2(CH3CN)2(19.6mg,75.6μmol),X-Phos(108mg,227μmol)、Cs2CO3(1.60g,4.92mmol)、9-クロロ アントラセン(9-chloro anthracene)(1.21g,5.6mmol)を順に入れ、アセトニトリル(15ml)を加えて溶解させ、90℃で反応させた。オーバーナイト(Over night)で反応後、酢酸エチルとH2Oで抽出した。水層を集め、再度、酢酸エチルとH2Oで抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。(b)得られた残渣をTHF(15ml)に溶解させ、TBAF(7.1ml,7.11mmol)を入れ、攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、溶出液を減圧留去しヌクレオシド類縁体(10)(収量0.14g、収率26%、褐色固体)を得た。
【実施例】
【0059】
1H NMR(400MHz,CHCl3)δ:1.97-2.00(m,1H,C1-Hα),2.52-2.53(m,1H,C1-Hβ),3.02-3.04(m,2H,OH),3.81-3.85(dd,1H,C3-Hα,J=5.52,11.5Hz),3.95-3.99(dd,1H,C3-Hβ,J=5.68,11.5Hz),4.14-4.20(m,1H,C2-H),7.25-7.28(m,2H,anthracene),7.49-7.56(m,3H,anthracene),7.99-8.01(m,2H,anthracene),8.41-8.51(m,2H,anthracene)
[実施例5]
〔5〕[ヌクレオシド類縁体(11):(S)-5-(4-(3-(トリフルオロメチル)-3H-ジアジリン-3-イル)フェニル)ペント-4-イン-1,2-ジオール((S)-5-(4-(3-(trifluoromethyl)-3H-diazirin-3-yl)phenyl)pent-4-yne-1,2-diol)の合成]
ヌクレオシド類縁体(11)を、下記[化9]に示す合成法5を用いて合成した。
【実施例】
【0060】
【化9】
JP0005199519B2_000010t.gif
〔5.1〕合成法5中の合成ルート(a)
アルゴン雰囲気下にて、十分に乾燥させた化合物(33):4’-ヨード-2,2,2-トリフルオロアセトフェノン(4’-iodo-2,2,2-trifluoroacetophenone)(0.18g,0.60mmol)をフラスコに入れPdCl2(PPh32 (0.017g,0.024mmol,0.04eq.)とCuI(0.009g,0.048mmol,0.08eq.)を加え、DMF(3ml)に溶解させた。このフラスコに十分に乾燥させた化合物(13e)(0.30g,0.66mmol,1.1eq.)をDMF(3ml)に溶解させたものと、TEA(0.25ml,1.8mmol,3.0eq.)を加え、80°Cで攪拌し、反応を開始させた。一晩攪拌後、反応の終了を確認した後、反応液をセライトろ過し、揮発性のものを減圧除去した。得られた残渣を酢酸エチルとH2Oで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)で精製し、化合物(34):(S)-1-(4-(4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-5-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ペント-1-イニル)フェニル)-2,2,2-トリフルオロエタノン((S)-1-(4-(4-(tert-butyldimethylsilyloxy)-5-(tert-butyldiphenylsilyloxy)pent-1-ynyl)phenyl)-2,2,2-trifluoroetanone)を(0.19g,0.29mmol,50%,褐色のオイル状)得た。
【実施例】
【0061】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:-0.074(s,3H,-TBDMS),-0.012(s,3H,-TBDMS),0.79(s,9H,-TBDMS),0.97(s,9H,-TBDPS),2.42-2.48(q,J=10.4Hz,1H),2.69-2.75(q,J=12.2Hz,1H),3.56-3.62(m,1H),3.64-3.85(m,2H),7.25-7.64(m,10H,-TBDPS),7.61-7.62(d,2H),7.91-7.93(d,2H).19F NMR(372MHz,CDCl3)δ:-87.4(s,3F,-CF3).
〔5.2〕合成法5中の合成ルート(b)
アルゴン雰囲気化、化合物(34)(0.19g,0.2mmol)とHONH2・HCl(0.040g,0.58mmol,2.0eq.)をフラスコに加え、ドライ(dry) EtOH(3ml)とドライ(dry) ピリジン(pyridine)(3ml)に溶解させ、60°Cで攪拌し反応を開始させた。一晩反応後、反応物をクロロメタンと蒸留水で抽出した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を適量のCH2Cl2に溶解させ、そのフラスコにTEA(0.24ml,1.7mmol,4.0eq.)とTsCl(0.083g,0.44mmol,1.5eq.)を加え、触媒としてDMAPを少量添加し、室温下で反応を開始させた。一晩反応後、揮発性のものを減圧除去し、得られた残渣をクロロホルムとH2Oで抽出した後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1)で精製し、化合物(35):(S)-1-(4-(4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-5-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ペント-1-イニル)フェニル)-2,2,2-トリフルオロエタノン O-トシル オキシム((S)-1-(4-(4-(tert-butyldimethylsilyloxy)-5-(tert-butyldiphenylsilyloxy)pent-1-ynyl)phenyl)-2,2,2-trifluoroethanone O-tosyl oxime)(0.11g,0.13mmol,48%,白色固体)を得た。
【実施例】
【0062】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:-0.074(s,3H,-TBDMS),-0.012(s,3H,-TBDMS),0.79(s,9H,-TBDMS),0.97(s,9H,-TBDPS),2.42-2.48(q,J=10.4Hz,1H),2.47-2.49(d,3H,-Ts),2.69-2.75(q,J=12.2Hz,1H),3.56-3.62(m,1H),3.64-3.85(m,2H),7.25-7.64(m,10H,-TBDPS),7.40-7.69(m,4H,-Ts),7.61-7.62(d,2H),7.91-7.93(d,2H).19F NMR(372MHz,CDCl3)δ:-91.5(s,3F,-CF3).
〔5.3〕合成法5中の合成ルート(c)
アルゴン雰囲気下にて、封管を-78°Cに冷却した後、その封管に化合物(34)(0.11g,0.13mmol)を入れ、THF(4ml)を加え、溶解させた。そこにNH3 gasを適量吹き込み、密封し、常温にて2日間攪拌した。-78°Cに冷却した後、開封し、再び常温に戻し、過剰なNH3 gasを揮発させた。揮発性の溶媒を真空エバポレーターにより減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、化合物(36):(S)-3-(4-(4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-5-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ペント-1-イニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ジアジリン((S)-3-(4-(4-(tert-butyldimethylsilyloxy)-5-(tert-butyldiphenylsilyloxy)pent-1-ynyl)phenyl)-3-(trifluoromethyl)diaziridine)(0.79g,2.95mmol,80%,褐色のオイル)を得た。
【実施例】
【0063】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:-0.074(s,3H,-TBDMS),-0.012(s,3H,-TBDMS),0.79(s,9H,-TBDMS),0.97(s,9H,-TBDPS),2.42-2.48(q,J=10.4Hz,1H),2.12-2.74(m,2H,-NH-NH-),2.69-2.75(q,J=12.2Hz,1H),3.56-3.62(m,1H),3.64-3.85(m,2H),7.25-7.64(m,10H,-TBDPS),7.61-7.62(d,2H),7.91-7.93(d,2H).19F NMR(372MHz,CDCl3)δ:-91.2(s,3F,-CF3).
〔5.4〕合成法5中の合成ルート(d)
アルゴン雰囲気下で化合物(36)(0.51g,0.80mmol)をドライ(dry) MeOH(16ml)に溶解させた。遮光条件下でTEA(0.30ml,2.0mmol,2.5eq.)とI2(0.22g,0.88mmol,1.1eq.)を加え、反応を開始させた。30分後、原料の消失を確認した後、反応物をジエチルエーテルとチオ硫酸ナトリウムで抽出した。有機層を回収し、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=40:1)で精製し、化合物(37):(S)-3-(4-(4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-5-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)ペント-1-イニル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)-3H-ジアジリン((S)-3-(4-(4-(tert-butyldimethylsilyloxy)-5-(tert-butyldiphenylsilyloxy)pent-1-ynyl)phenyl)-3-(trifluoromethyl)-3H-diazirine)(0.48g,0.75mmol,93%,無色の結晶)を得た。
【実施例】
【0064】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:-0.073(s,3H,-TBDMS),0.00(s,3H,-TBDMS),0.79(s,9H,-TBDMS),0.99(s,9H,-TBDPS),2.49-2.55(q,1H),2.75-2.80(q,1H),3.53-3.64(m,1H),3.86-4.03(m,2H),7.01-7.04(d,2H),7.19-7.37(m,10H,-TBDPS),7.60-7.63(d,2H).19F NMR(372MHz,CDCl3)δ:-80.9(s,3F,-CF3).
〔5.5〕合成法5中の合成ルート(e)
アルゴン雰囲気下、化合物(37)(0.44g,0.68mmol)をフラスコに入れ、THF(13.6ml)を加えて溶解させ、1.0mol/l TBAF(1.42ml,1.42mmol,2.1eq.)を加えて室温で反応を開始させた。2時間後、原料の消失を確認した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)で精製し、ヌクレオシド類縁体(11)(0.18g,0.64mmol,94%,無色の結晶)を得た。
【実施例】
【0065】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:2.65-2.67(m,2H,-OH),3.63-3.67(q,2H),3.78-3.81(q,1H),3.95-3.97(m,2H),7.08-7.10(d,2H),7.38-7.41(d,2H).19F NMR(372MHz,CDCl3)δ:-80.9(s,3F,-CF3).
[実施例6]
〔6〕[ヌクレオシド類縁体(1)のアミダイト体(25):(S)-1-(ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)-5-(1-メチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-5-イル)ペント-4-イン-2-イル 2-シアノエチル ジイソプロピルホスホロアミダイト((S)-1-(bis(4-methoxyphenyl)(phenyl)methoxy)-5-(1-methyl-2,4-dioxo-1,2,3,4-tetrahydropyrimidin-5-yl)pent-4-yn-2-yl 2-cyanoethyl diisopropylphosphoramidite)の合成]
アミダイト体(25)は、下記[化10]に示す合成法6を用いて合成した。
【実施例】
【0066】
【化10】
JP0005199519B2_000011t.gif
〔6.1〕合成法6中の合成ルート(a)
ヌクレオシド類縁体(1)(0.33g,1.47mmol)をフラスコに入れ、ピリジン(pyridine)(7.25ml)を加えて溶解させ、DMTrCl(0.54g,1.1eq.)加えて攪拌した。2時間後、TLCで原料の消失を確認した。EtOAc、H2Oで抽出し、有機層を回収した。有機層を、NaHCO3aq.、NaClaq.で洗浄し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(中性シリカ、CHCl3~CHCl3:MeOH=100:1)で分離精製し、化合物(24):(S)-5-(5-(ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)-4-ヒドロキシペント-1-イニル)-1-メチル ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン((S)-5-(5-(bis(4-methoxyphenyl)(phenyl)methoxy)-4-hydroxypent-1-ynyl)-1-methyl pyrimidine-2,4(1H,3H)-dione)(収量:0.33g 収率:43.7%)を得た。
【実施例】
【0067】
1H NMR(CDCl3)δ:8.07(1H,s)7.45-7.40,7.34-7.20,6.84-6.82(14H,m)3.99-3.97(1H,dd)3.80(6H,s)3.38(3H,s)3.26-3.24(2H,m)2.70-2.67(1H,dd)2.51-2.49(1H,d,J=5.21)。
【実施例】
【0068】
〔6.2〕合成法6中の合成ルート(b)
化合物(24)(0.23g,0.44mmol)をフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下で、ドライ(dry) THF 2.2mlに溶解させ、DIPEA(0.39ml,2.20mmol,5.0eq.)、アミダイト試薬(0.20ml,0.88mmol,2.0eq.)を加え攪拌した。30分後、TLCで反応の終了を確認した後、CHCl3で抽出し有機層を回収した。有機層を、NaHCO3 aq.、NaCl aq.で洗浄し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc:Hexan=1:3)で精製し、アミダイト体(25)(収量0.20g、収率63.7% 31P NMR(100MHz)δ:149.1)を得た。
【実施例】
【0069】
[実施例7]
〔7〕[ヌクレオシド類縁体(3)のアミダイト体(32):(S)-N’-(5-(5-(ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)-4-ヒドロキシペント-1-イニル)ピリジン-2-イル)-N,N-ジメチルホルムイミドアミド 2-シアノエチル ジイソプロピルホスホロアミダイト((S)-N’-(5-(5-(bis(4-methoxyphenyl)(phenyl)methoxy)-4-hydroxypent-1-ynyl)pyridin-2-yl)-N,N-dimethylformimidamide 2-cyanoethyl diisopropylphosphoramidite)の合成]
アミダイト(32)は、下記[化11]に示す合成法7を用いて合成した。
【実施例】
【0070】
【化11】
JP0005199519B2_000012t.gif
〔7.1〕合成法7中の合成ルート(a)
ヌクレオシド類縁体(3)(0.47g,1.73mmol)をフラスコに入れ、DMF(17.3ml)を加えて溶解し、DMF-DMA(1.15ml、5.0eq.)を加えて45°Cで一晩攪拌した。その後、溶媒を減圧留去した後、化合物(30):(S)-N’-(5-(4,5-ジヒドロキシペント-1-イニル)ピリジン-2-イル)-N,N-ジメチルホルムイミドアミド((S)-N’-(5-(4,5-dihydroxypent-1-ynyl)pyridin-2-yl)-N,N-dimethylformimidamide)を得た。
【実施例】
【0071】
〔7.2〕合成法7中の合成ルート(b)
化合物(30)(1.73mmol)をフラスコに入れ、ピリジン(pyridine)(25ml)に溶解し、DMTrCl(0.64g,1.1eq.)を加えて5時間半攪拌した。EtOAc、H2Oで抽出し、NaHCO3aq.、NaClaq.で洗浄後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製し、化合物(31):(S)-N’-(5-(5-(ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)-4-ヒドロキシペント-1-イニル)ピリジン-2-イル)-N,N-ジメチルホルムイミドアミド((S)-N’-(5-(5-(bis(4-methoxyphenyl)(phenyl)methoxy)-4-hydroxypent-1-ynyl)pyridin-2-yl)-N,N-dimethylformimidamide)を得た。
【実施例】
【0072】
〔7.3〕合成法7中の合成ルート(c)
化合物(31)をアミダイト体(25)の合成方法と同様な方法を用いて、アミダイト体(32)を得た。
【実施例】
【0073】
[実施例8]
〔8〕[ヌクレオシド類縁体(5)のアミダイト体(21):(S)-1-(ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)-5-(2-((E)-(ジメチルアミノ)メチレンアミノ)-4-オキソ-1,4-ジヒドロピリミジン-5-イル)ペント-4-イン-2-イル 2-シアノエチル ジイソプロピルホスホロアミダイト((S)-1-(bis(4-methoxyphenyl)(phenyl)methoxy)-5-(2-((E)-(dimethylamino)methyleneamino)-4-oxo-1,4-dihydropyrimidin-5-yl)pent-4-yn-2-yl 2-cyanoethyl diisopropylphosphoramidite)の合成]
アミダイト(21)を下記[化12]に示す合成法8を用いて合成した。
【実施例】
【0074】
【化12】
JP0005199519B2_000013t.gif
〔8.1〕合成法8中の合成ルート(a)
アルゴン雰囲気下で前記ヌクレオシド類縁体(5)(0.29g,1.41mmol)をフラスコに入れ、ドライ(dry) DMF(14ml)に溶かした。そこにN,N-ジメチルホルムアミド ジメチルアセタール(N,N-dimethylformamid dimethylacetal)(1.12ml,8.46mmol)を加え、オイルバスで40°Cに保ち、約5時間攪拌した。反応液を、真空エバポレーターで減圧濃縮し、化合物(19)を得た。化合物(19):(S,E)-N’-(5-(4,5-ジヒドロキシペント-1-イニル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロピリミジン-2-イル)-N,N-ジメチルホルムイミドアミド((S,E)-N’-(5-(4,5-dihydroxypent-1-ynyl)-4-oxo-1,4-dihydropyrimidin-2-yl)-N,N-dimethylformimidamide)は、後処理せずにそのまま次の反応に使用された。
【実施例】
【0075】
〔8.2〕合成法8中の合成ルート(b)
化合物(19)(0.37g,1.41mmol)をフラスコに入れ、アルゴン雰囲気下でドライ(dry)ピリジン(pridine)(10ml)に溶かし、そこにDMTrCl(0.62g)を加え、約5時間攪拌した。反応液を、真空エバポレーターで減圧濃縮し、化合物(20):(S,E)-N’-(5-(5-(ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)-4-ヒドロキシペント-1-イニル)-4-オキソ-1,4-ジヒドロピリミジン-2-イル)-N,N-ジメチルホルムイミドアミド((S,E)-N’-(5-(5-(bis(4-methoxyphenyl)(phenyl)methoxy)-4-hydroxypent-1-ynyl)-4-oxo-1,4-dihydropyrimidin-2-yl)-N,N-dimethylformimidamide)を得た。化合物(20)は、後処理せずにそのまま次の反応に使用された。
【実施例】
【0076】
〔8.3〕合成法8中の合成ルート(c)
アルゴン雰囲気下で化合物(20)(0.1952g,0.344mmol)をフラスコに入れ、THF(1.72ml,0.2mol/l)に溶解させた。次に、DIPEA(0.36ml,2.06mmol,6eq)を加えて攪拌し、i-Pr2NP(Cl)OCE(0.15ml,2.06mmol,2eq)を滴下しながら加えた。1時間後、反応液にクロロホルムを加え有機層を回収した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチルのみ)で単離精製し、溶媒留去することで、黄色結晶のアミダイト体(21)を得た。
【実施例】
【0077】
[実施例9]
〔9〕[ヌクレオシド類縁体(10)のアミダイト体(102):(S)-5-(アントラセン-9-イル)-1-(ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)ペント-4-イン-2-イル 2-シアノエチル ジイソプロピルホスホロアミダイト((S)-5-(anthrasen-9-yl)-1-(bis(4-methoxyphenyl)(phenyl)methoxy)pent-4-yn-2-yl 2-cyanoethyl diisopropylphosphoramidite)の合成]
アミダイト(101)を下記[化13]に示す合成法9を用いて合成した。
【実施例】
【0078】
【化13】
JP0005199519B2_000014t.gif
〔9.1〕合成法9中の合成ルート(a)
ヌクレオシド類縁体(10)(0.14g,0.49mmol)をフラスコに入れ、ピリジン(pyridine)(2ml)に溶解させ、DMTrCl(0.19g,0.55mmol)を入れ、攪拌した。1時間後、メタノール(1ml)を加えて反応を停止した。反応液を酢酸エチル、水、NaHCO3で分液し有機層を回収した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、溶媒を減圧留去し化合物(101):(S)-5-(アントラセン-9-イル)-1-(ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)ペント-4-イン-2-オル((S)-5-(anthrasen-9-yl)-1-(bis(4-methoxyphenyl)(phenyl)methoxy)pent-4-yn-2-ol)(オレンジ色の泡状物質、収量は0.28g(収率98%))を得た。
【実施例】
【0079】
1H NMR(400MHz,CHCl3)δ:2.57-2.58(d,1H,OH,J=4.60Hz),3.05-3.07(d,2H,C1-H2,J=6.40Hz),3.43-3.54(m,2H,C3-H2),3.66(s,6H,OMe),4.20-4.21(m,1H,C2-H),6.75-6.79(m,5H,benzene),7.24-7.50(m,13H,benzene),7.98-8.00(m,2H,benzene),8.39-8.47(m,3H,benzene)
〔9.2〕合成法9中の合成ルート(b)
化合物(101)(0.26g,0.46mmol)をフラスコに入れ、THF(2.3ml)に溶解させ、DIPEA(0.4ml)、アミダイト試薬(0.21ml)を加え、室温で攪拌した。45分攪拌後、クロロホルムで抽出し有機層を回収した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し化合物(102):(S)-5-(アントラセン-9-イル)-1-(ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)ペント-4-イン-2-イル 2-シアノエチル ジイソプロピルホスホロアミダイト((S)-5-(anthrasen-9-yl)-1-(bis(4-methoxyphenyl)(phenyl)methoxy)pent-4-yn-2-yl 2-cyanoethyl diisopropylphosphoramidite)を(オレンジ泡状物質、収量は0.28g(収量78%))得た。
【実施例】
【0080】
31P NMR(400MHz,CDCl3)δ:149.18
[実施例10]
〔10〕[ヌクレオシド類縁体(11)のアミダイト体(39):(S)-1-(ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)-5-(4-(3-(トリフルオロメチル)-3H-ジアジリン-3-イル)フェニル)ペント-4-イン-2-イル シアノエチル ジイソプロピルホスホロアミダイト((S)-1-(bis(4-methoxyphenyl)(phenyl)methoxy)-5-(4-(3-(trifluoromethyl)-3H-diazirin-3-yl)phenyl)pent-4-yn-2-yl cyanomethyl diisopropylphosphoramidite)の合成]
アミダイト体(39)を下記[化14]に示す合成法10を用いて合成した。
【実施例】
【0081】
【化14】
JP0005199519B2_000015t.gif
〔10.1〕合成法10中の合成ルート(a)
アルゴン雰囲気下にてヌクレオシド類縁体(11)(0.36g,1.26mmol)をフラスコに入れpyridine(7.2ml)に溶解させ、DMTrCl(0.47g,1.38mmol,1.1eq.)を氷冷下にて少量ずつ加えた。5時間後、sat NaHCO3、sat NaClで抽出、洗浄を行い、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物(38):(S)-1-(ビス(4-メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)-5-(4-(3-(トリフルオロメチル)-3H-ジアジリン-3-イル)フェニル)ペント-4-イン-2-オル((S)-1-(bis(4-methoxyphenyl)(phenyl)methoxy)-5-(4-(3-(trifluoromethyl)-3H-diazirin-3-yl)phenyl)pent-4-yn-2-ol)(0.73g,1.24mmol,98%,黄色の結晶)を得た。
【実施例】
【0082】
1H NMR (400MHz,CDCl3)δ:2.65-2.67(m,2H,-OH),3.63-3.67(q,2H),3.72(s,6H,-DMTr),3.78-3.81(q,1H),3.95-3.97(m,2H),7.08-7.10(d,2H),7.38-7.41(d,2H).6.72-7.47(m,16H,DMTr).19F NMR (372MHz,CDCl3)δ:-81.1(s,3F,-CF3
〔10.2〕合成法10中の合成ルート(b)
化合物(38)(0.73g,1.24mmol)をフラスコに入れ、Ar雰囲気下でTHF(6.2ml,0.2mol/l)に溶解させた。DIPEA(1.08ml,6.19mmol,5.0eq.)を加えて攪拌し、i-Pr2NP(Cl)OCE(0.55ml,2.48mmol,2.0eq.)を滴下した。1時間後、クロロホルムを加え、sat NaHCO3、sat NaClで抽出、洗浄を行い有機層を回収した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で単離精製し、溶媒を減圧留去することで、アミダイト体(39)(0.77g,0.98mmol,79%,黄色のオイル状)を得た。
【実施例】
【0083】
31P NMR (400MHz,CDCl3)δ:149.4 19F NMR(372MHz,CDCl3)δ:-82.0(s,3F,-CF3
[実施例11]
〔11〕[CPG樹脂連結型ヌクレオシド類縁体(27)の合成]
CPG樹脂連結型ヌクレオシド類縁体(27)を下記[化15]に示す合成法11を用いて合成した。
【実施例】
【0084】
【化15】
JP0005199519B2_000016t.gif
〔11.1〕合成法11中の合成ルート(a)
化合物(24)(90mg,0.17mmol)とDMAP(0.42mg,0.02eq)をフラスコに入れピリジン(pyridine)(1.7ml)に溶解し、無水コハク酸(succinic anhydride)(50mg,3.0eq)を加えてAr雰囲気下、室温にて攪拌した。78時間攪拌後、原料が残っていたため、DMAPを少量追加して攪拌した。翌日に反応を止め、反応液を抽出し有機層を回収した。有機層を真空エバポレーターで減圧濃縮し、スクシニル体(26)を得た。
【実施例】
【0085】
〔11.2〕合成法11中の合成ルート(b)
スクシニル体(26)(113.2mg,0.18mmol)をフラスコに入れ、DMF(4.5ml,0.01mol/l)に溶解させ、CPG樹脂(0.38g,1.0eq.)、WSC(34.6mg,4.0eq.,0.18mmol)を素早く加えて、3日間振とうした。その後、CPG樹脂をpyridineで洗浄して、引き続き前記スクシニル体(26)と結合しなかった樹脂のキャッピング作業を行った。0.1mol/l DMAP in pyridine(15ml)に洗浄した樹脂を加え、一晩振とうした。反応溶液が褐色になっているのを確認し、反応を終了させた。反応終了後、pyridene、EtOH、CH3CNの順に樹脂を洗浄し、CPG樹脂連結型ヌクレオシド類縁体(27)(活性:38.9μmol/g)を得た。
【実施例】
【0086】
[実施例12]
[ヌクレオシド類縁体(1)のε値の算出。]
ヌクレオシド類縁体(1)のε値を次に示す方法で算出した。
【実施例】
【0087】
ヌクレオシド類縁体(1)1.12mgを50mlのMilliQで溶解(0.1mmol/lの水溶液となる)後、吸光度を測定した。そしてε値を算出した。その結果、ε260:2820、ε290:8630であった。
【実施例】
【0088】
天然チミジンのε260値が7400であるが、ヌクレオシド類縁体(1)は、アルキンが存在することから、最大吸収波長は293nmにシフトした。
各ヌクレオシド類縁体のアミダイト体や各CPG樹脂連結型ヌクレオシド類縁体を使用して、以下に述べるホスホロアミダイト固相合成法によって、オリゴヌクレオチド類縁体を合成した。
【実施例】
【0089】
[実施例13]
[ホスホロアミダイト固相合成法]
オリゴヌクレオチド類縁体の合成は、1μmolスケールで行った。3400DNA自動合成機を用いた。normalホスホロアミダイトは0.1mol/l、合成したアナログ体のアミダイトは0.12mol/lになるようにMeCNに溶解し、RNA protocolで合成した。オリゴヌクレオチドの5’末端はDMTr基を除去した状態で合成を終了した。Arガスを通じてCPG樹脂を乾燥させた。オリゴヌクレオチドが結合したCPG樹脂をサンプルストックチューブに移し、(NH4OH:EtOH=3:1)を加え室温で12h、振とうすることによりCPG樹脂の除去を行った。反応溶液をエッペンドルフチューブに移し、減圧下乾固させた。さらに、残渣にTBAFを加え、12h室温で振とうすることによる脱保護処理を行った。反応溶液を0.1mol/l TEAABuf.30mlに希釈し、その溶液をC18 逆相カラムクロマトグラフィー(Sep-Pak)により粗精製した。残渣にloading solution(90%formamide in 1×TBE)200μlを加え20%PAGEにより目的のオリゴヌクレオチドを分離した。目的のオリゴヌクレオチドのバンドを切り出し、0.1mol/l TEAA、0.1mol/l EDTA水溶液15mlを加え、一晩振とうさせた。この濾液をC-18 逆相カラムクロマトグラフィー(Sep-Pak)により精製した。オリゴヌクレオチドは、H2O 1mLに溶かし、その希釈液の260nmにおける吸光度を測定し、その収量を求めた。精製したオリゴヌクレオチドは、30pmol分を乾固し、3μlの滅菌水に溶解させ、3μl のマトリックス溶液と、よく混和させた後、プレートにサンプルをアプライした。サンプルが乾固した後、MALDI-TOF/MSで構造の確認を行った。
【実施例】
【0090】
合成したオリゴヌクレオチド類縁体の配列、分子量の計算値(caluculated)、及びMALDI-TOF/MSの測定結果(observed)を表1に示す。
【実施例】
【0091】
【表1】
JP0005199519B2_000017t.gif
ここでTaは、ヌクレオシド類縁体(1)を表す。
【実施例】
【0092】
poly Taのε値はモノマーのε値を10倍した値を用いた。
poly TaはMALDI-TOFMSでのメインピークは2820.1のNa付加体である。
【実施例】
【0093】
[実施例14]
[Tm値の算出1]
合成した前記オリゴヌクレオチド類縁体において、相補DNA及びRNAとの二重鎖の安定性を熱変性法にてTm値を算出し、天然型二重鎖と比較した(Δ℃)。
測定条件:5-85℃、サンプル濃度12μmol/l、bufferは10mmol/l NaPhosphate、100mmol/l NaCl。
【実施例】
【0094】
260nmでのTm測定結果を[図1]及び[表2]に示す。
【実施例】
【0095】
【表2】
JP0005199519B2_000018t.gif
その結果、天然のチミジンポリマーの場合と比較して、Tm値が上昇し本アナログは二重鎖の熱的安定性を上昇させることが明らかとなった。この結果は、ヌクレオシド類縁体(1)のホモポリマーが、ナノマテリアルとして有用であることを示唆する。
【実施例】
【0096】
さらに、ファントホッフ・プロットによってエンタルピー差(ΔH°)、エントロピー差ΔS°を算出し、二重鎖の熱力学的安定性を比較した。ΔH°、ΔS°を算出した結果を[表3]に示す。
【実施例】
【0097】
R=8.315[kJ/mol],4.1840kJ/mol=1kcal/mol。
【実施例】
【0098】
【表3】
JP0005199519B2_000019t.gif
その結果、二重鎖の安定化は主にエントロピー項によるものであることが明らかとなった。
【実施例】
【0099】
続いて、アナログTaのRNAとの塩基特異性について検討した。中央に四種の塩基を導入した相補鎖を作成し、二重の安定性をTm測定することにより比較した。
合成したオリゴヌクレオチド類縁体の配列、分子量の計算値(caluculated)、及びMALDI-TOF/MSの測定結果(observed)を[表4]に示す。
【実施例】
【0100】
【表4】
JP0005199519B2_000020t.gif
[実施例15]
[Tm値の算出2]
Tm測定の結果を[図2]及び[表5]に示す。
測定条件:20-100℃、サンプル濃度は3μmol/l、bufferは、10mmol/l NaPhosphate、100mmol/l NaCl。
【実施例】
【0101】
【表5】
JP0005199519B2_000021t.gif
さらに、ヌクレオシド類縁体(1)を2塩基置換したオリゴヌクレオチド類縁体のTm測定を行った。
【実施例】
【0102】
[実施例16]
[Tm値の算出3]
Tm測定の結果を[図3]及び[表6]に示す。
【実施例】
【0103】
【表6】
JP0005199519B2_000022t.gif
以上の結果から、鎖の中央に導入した糖部開環型ヌクレオシド類縁体(1)は天然の塩基と水素結合を有すること、すなわち、塩基特異性を有するが、二重鎖の熱的安定性を低下させることが明らかとなった。
【実施例】
【0104】
さらに、内部に合成したシトシンアナログCz:ヌクレオシド類縁体(5)を導入した18merのオリゴヌクレオチドとその相補鎖を合成した。
合成したオリゴヌクレオチド類縁体の配列、分子量の計算値(caluculated)、及びMALDI-TOF/MSの測定結果(observed)を[表7]に示す。
【実施例】
【0105】
【表7】
JP0005199519B2_000023t.gif
さらに、以下に示す配列で合成したオリゴヌクレオチド類縁体と既存のオリゴヌクレオチドを以下のような組み合わせでTm値を測定し、比較した。Tm測定の結果を[表8]に示す。
【実施例】
【0106】
【表8】
JP0005199519B2_000024t.gif
以上の結果から、合成した糖部開環型のシトシンアナログCz:ヌクレオシド類縁体(5)はミスマッチを選択でき、相補鎖と水素結合することが明らかとなった。さらに、熱力学的安定性も天然型と変わらない、もしくはそれ以上の結果を得ることができた。糖部開環型のシトシンアナログCz:ヌクレオシド類縁体(5)を配列の中央に2つ、3つと増やしてもTm値に大きな変化はなかった。
【実施例】
【0107】
[miR199aへの利用]
miR199aはHCV(Hepatitis C virus:C型肝炎ウイルス)を標的とする配列を含む。そこで、糖部開環型ヌクレオシド類縁体がmiRNAへ応用できるか、ガイド鎖選択性を向上するために利用できるかについて検証する。使用したヌクレオシド類縁体(1):アナログTaは、1~2つ導入してもTm値は減少する。そのため、miR199aへの導入は鎖につき一つが限界であると考える。又、psi199a5p vectorとpsi199a3p vectorの違いによってその遺伝子発現抑制能に違いが生じる。特にpsi199a3p vectorを用いたときに発現抑制が大きい理由には、5’末端にアデノシンが存在するためRISCを形成しやすいこと、miR199a5pにはバルジアウト部位が2カ所存在し、二本鎖から1本鎖への解離を容易にすること、miR199a3pの5’末端側の方をAU塩基対が多く含み、逆にmiR199a5pの5’末端側の方は主にGC塩基対が存在することから、その熱力的安定性に偏りが生じたことなどが考えられる。
【実施例】
【0108】
今回、ガイド鎖選択性には様々な要因が重なっていると考えられるため、どの部位にアナログを導入することが最も効果的であるかを検討するために、miR199a5p、3pの塩基Uの位置にTaを一つずつ置換し、計14本のmiRNAを合成し、アッセイを行うこととした。
【実施例】
【0109】
[実施例17]
[miRNA199aの遺伝子発現抑制能の検証]
HCVに標的配列を持つmiR199a3p、5pの様々な部位のUをヌクレオシド類縁体(1):アナログTa([表9]中ではYと記載。)と置換した。ヌクレオシド類縁体(1)によるmiRNA199aの修飾部位特異的な遺伝子発現抑制能の変化を検証した。
【実施例】
【0110】
以下に合成したオリゴヌクレオチド類縁体の配列を示す。
【実施例】
【0111】
【表9】
JP0005199519B2_000025t.gif
合成したオリゴヌクレオチド類縁体(miRNA<1>、miRNA<2>、miRNA<3>、miRNA<4>、miRNA<5>、miRNA<6>、miRNA<7>、miRNA<8>)を使用して、遺伝子発現抑制能を検証した。
【実施例】
【0112】
遺伝子発現抑制能は、miRNA<1>~miRNA<8>を、それぞれHeLa細胞に導入し、Dual-Luciferase reporter assayによって評価した。
【実施例】
【0113】
以下に、miRNA<1>~miRNA<8>について[表10]に示す。[表10]中のmiRは、miRNAを表す。表中の5pはpre-miRNAの5’側のアームに由来するmiRNAであり、3pはpre-miRNAの3’側のアームに由来するmiRNAである。
【実施例】
【0114】
【表10】
JP0005199519B2_000026t.gif
miRNA<1>は、天然型のmiR199a5pと天然型のmiR199a3pで形成されている。miRNA<2>は、miR199a5p-<1>と天然型のmiR199a3pで形成されている。miRNA<3>は、miR199a5p-<3>と天然型のmiR199a3pで形成されている。miRNA<4>は、miR199a5p-<4>と天然型のmiR199a3pで形成されている。miRNA<5>は、miR199a5p-<6>と天然型のmiR199a3pで形成されている。miRNA<6>は、天然型のmiR199a5pとmiR199a3p-<3>で形成されている。miRNA<7>は、天然型のmiR199a5pとmiR199a3p-<5>で形成されている。miRNA<8>は、天然型のmiR199a5pとmiR199a3p-<7>で形成されている。
【実施例】
【0115】
遺伝子発現抑制能を検証した結果を[図4A-4B]に示す。
糖部開環型ヌクレオシド類縁体(1):アナログTaを構成成分として含むmiRNAの遺伝子発現抑制能は、miRNAの修飾部位によって特異性を有することが明らかとなった。miRNA<2>はどちらのベクターを用いても、あまり発現抑制しなかった。miRNA<4>、<5>は3’末端側にアナログTaを導入することで不安定化することによって、その逆鎖の5’末端側を不安定化してガイド鎖として取り込ませる。そのため、発現抑制能が天然よりも向上し、逆鎖による発現抑制を抑えることができると考えられる。又、バルジアウト部位に修飾を持つmiRNA<3>も天然以上の発現抑制能を持つがその逆鎖もある程度発現を抑制してしまう。miRNA<6>はmiRNA<4>、<5>と同様の理由から多少の鎖の選択性が見られるが、その程度は小さい。miRNA<7>、<8>も天然と同程度の発現抑制を示すが、その逆鎖による発現抑制も多少ある。以上の結果から、5’末端側に修飾体を導入して不安定化するよりも3’末端側に修飾体を導入し、その逆鎖をRISCに取り込まれるようにした方が、発現抑制能を低下させることなく鎖の選択性を出すことができると考えられる。
【実施例】
【0116】
[実施例18]
[ヌクレアーゼ耐性の検証]
ヌクレオシド類縁体(1)を構成成分として含むmiRNAについて、へび毒ホスホジエステラーゼ(Snake venom phosphodiesterase:SVP)による安定性を検討した。ヌクレオシド類縁体(1)を構成成分として含むmiRNAは、3’-overhangのdT(チミジン)をヌクレオシド類縁体(1)に置換した一本鎖RNAである。前記ヌクレオシド類縁体(1)を構成成分として含むmiRNAは、時間依存的にSVPで処理された。反応停止後に、分解したRNA断片を電気泳動により解析した。
【実施例】
【0117】
[図5A-5B]及び[図6]に解析結果を示す。[図6]のTa RNAが、ヌクレオシド類縁体(1):Taを構成成分として含むmiRNAである。
分解されずに残っているRNAを時間毎(右側より0min、1min、5min、10min、30min、1h、3h、6h)に示す。酵素反応中のRNA濃度は1μmol/lである。酵素反応系に使用した緩衝液は、酵素に適する緩衝液であれば制限はないが、トリス-塩酸緩衝液が使用された。一定時間経過後、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を加え、100℃で2分間加熱することにより、反応を停止させた。反応後の反応液を、ゲル電気泳動で検証し、逆相高速液体クロマトグラフ(HPLC)を使用して分解されずに残っているRNAの残存率を測定した。
【実施例】
【0118】
以上の結果から、[図6]に示すように、ヌクレオシド類縁体(1):Taを構成成分として含むmiRNAは、天然のmiRNAと比較して、5分経過後も50%以上が分解されずに残存しており、ヌクレオシド類縁体(1)を構成成分として含むことによって安定性が増加することが明らかとなった。
【実施例】
【0119】
[実施例19]
[miRNAの核酸プローブへの応用]
ヌクレオシド類縁体(11)を構成成分として含むmiRNAを使用して、ヌクレオシド類縁体(11)が光反応性残基であることを利用し、光照射によって相補鎖RNAを捕獲することができるか検証した。
【実施例】
【0120】
ヌクレオシド類縁体(11)を構成成分として含むmiRNAをNo.2とし、ヌクレオシド類縁体(11)の対となる塩基をそれぞれ変化させた相補鎖RNAをNo.6、No.7、No.8として、各相補鎖RNAをNo.2とアニーリングした。
【実施例】
【0121】
その後、0℃条件下で、各アニーリングしたサンプルに365nmmのUVを照射しクロスリンクカップリング反応を開始させた。時間毎に5μml分取し、7mol/l Urea溶液4μmlとloading buffer 4μmlを加え反応を停止させた。反応停止後に、変性ゲル電気泳動によって検証した。
【実施例】
【0122】
[表11]にNo.2、No.6、No.7及びNo.8の配列を示す。[図7]にNo.2と各RNAとのクロスリンクカップリング反応の結果を示す。
【実施例】
【0123】
【表11】
JP0005199519B2_000027t.gif
以上の結果から、特にNo.2のRNAとNo.8のRNAとのクロスカップリング反応が顕著に起こることが明らかとなった。この結果は、ヌクレオシド類縁体(11)を構成成分として含むmiRNAが、配列特異的にmRNAを捕獲することが可能であることを示唆する。したがって、miRNAが標的とするmRNAを捕獲し(図8参照。)、捕獲したmRNAの配列を調べることで、miRNAの標的となるmRNAの塩基配列を同定することが可能になると考えられる。
【実施例】
【0124】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
【実施例】
【0125】
例えば、ヌクレオシド類縁体(1)~(11)のいずれかを構成成分として含むsiRNAを合成することもできる。
以下に合成したsiRNAの配列を示す。合成した一本鎖のsiRNAは、ヌクレオシド類縁体(1)を構成成分として含む21merのRNA、及びヌクレオシド類縁体(10)を構成成分として含む22merのRNAである。
【実施例】
【0126】
ヌクレオシド類縁体(1)を構成成分として含む21merのsiRNAの配列を表12に示す。ON1及びON2は、3’末端のダングリングエンド部位にチミジンが導入されている。ON3及びON4は、3’末端のダングリングエンド部位にヌクレオシド類縁体(1)が導入されている。ON8は、5’末端側にヌクレオシド類縁体(1)が導入され、3’末端のダングリングエンド部位にチミジンが導入されている。ON9は、3’末端側にヌクレオシド類縁体(1)が導入され、3’末端のダングリングエンド部位にチミジンが導入されている。
【実施例】
【0127】
【表12】
JP0005199519B2_000028t.gif
さらに合成した一本鎖21merのsiRNAは、[表13]に示すように、それぞれ相補鎖の配列と二本鎖を形成させた。
【実施例】
【0128】
【表13】
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siRNA<1>は、天然型のsiRNAであり、センス鎖がON1、アンチセンス鎖がON2である。siRNA<2>は、センス鎖がON3、アンチセンス鎖がON4である。siRNA<6>は、センス鎖がON8、アンチセンス鎖がON2である。siRNA<7>は、センス鎖がON9、アンチセンス鎖がON2である。
【実施例】
【0129】
ヌクレオシド類縁体(10)を構成成分として含む22merのsiRNAの配列を表14に示す。sense、antisenseは5’末端側にヌクレオシド類縁体(10;E)が導入されている。
【実施例】
【0130】
【表14】
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さらに合成した一本鎖22merのsiRNAは、表15に示すように、それぞれ相補鎖の配列と二本鎖を形成させた。siRNAsenseは、センス鎖がsense、アンチセンス鎖が天然のantisenseである。siRNAantisenseは、センス鎖が天然のsense、アンチセンス鎖がantisenseである。Tm値測定結果を[図9]及び[表15]に示す。
【実施例】
【0131】
【表15】
JP0005199519B2_000031t.gif
Tm値の測定結果から、天然のsiRNAと比較して、ヌクレオシド類縁体(10)をセンス鎖の5’末端側に構成成分として含むsiRNA及び、ヌクレオシド類縁体(10)をアンチセンス鎖の5’末端側に構成成分として含むsiRNAは共にTm値が上昇し、ヌクレオシド類縁体(10)は二重鎖の熱的安定性を上昇させることが明らかとなった。
[遺伝子発現抑制能の検証]
[表13]に開示されているsiRNA<1>、siRNA<2>、siRNA<6>、siRNA<7>及び、[表15]に開示されているsiRNAsense,siRNAantisenseについて遺伝子発現抑制能を検証した。
【実施例】
【0132】
遺伝子発現抑制能は、ピーエスアイ チェックベクター(Psi cheak vector)を用いた。各siRNAが0.1、1.0、10nmol/lになるように調製した試料をHeLa細胞にトランスフェクションし、デュアル-ルシフェラーゼ レポーター アッセイ(Dual-Luciferase reporter assay)を行うことによって検証した。siRNA<1>、siRNA<2>、siRNA<6>、siRNA<7>の遺伝子発現抑制能の結果を[図10]に、siRNAsense,siRNAantisenseの遺伝子発現抑制能の結果を[図11]に示す。
【実施例】
【0133】
[図10]に示すようにsiRNA<2>は、天然型siRNA<1>と比較して、同程度の遺伝子発現抑制能を示したが、試料の濃度が低濃度であると、天然型siRNA<1>よりも遺伝子発現抑制能が低くなることが示された。又、siRNA<6>は、天然型siRNAと比較して、遺伝子発現抑制能が低下すること示された。この理由は、siRNA<6>は、センス鎖の5’末端側にヌクレオシド類縁体(1)が導入されているので、二本鎖が不安定となり、センス鎖が取り込まれやすくなったためと考えられる。さらに、siRNA<7>は、天然型siRNAと比較して、高い遺伝子発現抑制能を有することが明らかとなった。この理由は、siRNA<7>は、センス鎖の3’末端側にヌクレオシド類縁体(1)が導入されているので、アンチセンス鎖の5’末端側が不安定化されたため、アンチセンス鎖が取り込まれやすくなったためと考えられる。
【実施例】
【0134】
また、[図11]に示すように、siRNAsenseは、天然型siRNAnativeと比較して、試料の濃度が高濃度であると遺伝子発現抑制能が高くなることが明らかとなった。siRNAantisenseは、天然型siRNAnativeと比較して、遺伝子発現抑制能が低くなることが明らかとなった。
【実施例】
【0135】
なお、上述の実施形態では、一般式(1),(3),(5),(10),(11)で表されるヌクレオシド類縁体の一例として、ヌクレオシド類縁体(1),(3),(5),(10),(11)を例示して、それらの合成方法を詳述したが、一般式(1),(3),(5),(10),(11)で表されるヌクレオシド類縁体であれば、一部の基が例示したヌクレオシド類縁体(1),(3),(5),(10),(11)とは異なっていても同等な作用・効果を期待することができ、それらの合成方法も、例示したヌクレオシド類縁体(1),(3),(5),(10),(11)とほぼ同等な手順での合成ができる。
【実施例】
【0136】
また、一般式(2),(4),(6),(7),(8),(9)で表されるヌクレオシド類縁体についても、これらのヌクレオシド類縁体の塩基部に相当する分子構造を持つ出発原料を採用すれば、後は、例示したヌクレオシド類縁体(1),(3),(5),(10),(11)とほぼ同等な手順で合成することができる。
【実施例】
【0137】
より詳しくは、水酸基がシリル基で保護された糖部と、ハロゲン置換基を有する塩基部とを、パラジウム触媒存在下でカップリング反応させることによって、カップリング体を得た後、保護基の脱保護反応、精製工程を経て、一般式(2),(4),(6),(7),(8),(9)で表される構造を有するヌクレオシド類縁体を合成することができる。
【実施例】
【0138】
さらに、ヌクレオシド類縁体の一般式(2a),(3a)~(9a),(11a)で表される構造を一つ以上構成成分として含むsiRNAについても、その効果を実験的に確認したところ、ヌクレオシド類縁体(1;Ta)及び(10;E)を導入した場合と同様な結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明のヌクレオシド類縁体をsiRNA,miRNAに導入することで活性が増強されることからRNA創薬への利用が可能になる。さらに、光に反応し共有結合が可能な活性種を与える光反応性基を導入したヌクレオシド類縁体をmiRNAに導入することにより、mRNAを捕獲することが可能であり、創薬の標的を探索することが出来る。
【0140】
本発明のオリゴヌクレオチド類縁体を利用した治療法は、標的遺伝子あるいはウイルスの塩基配列が明らかであれば論理的に設計できることから、これまで治癒が困難とされてきた難治性疾患に対する新たな治療法と成り得る。
【0141】
また、RNA干渉に関与するsiRNA、miRNAによる遺伝子制御機構の解明につながり、生命科学分野における解決しなくてはならない最重要課題の一つを解決するための研究に活用することが出来る。
図面
【図9】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A-4B】
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【図5A-5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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