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明細書 :抗炎症剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2013-028587 (P2013-028587A)
公開日 平成25年2月7日(2013.2.7)
発明の名称または考案の名称 抗炎症剤
国際特許分類 A61K  38/00        (2006.01)
A61K  45/00        (2006.01)
A61P  29/00        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61P  19/02        (2006.01)
A61P  17/00        (2006.01)
A61P  11/06        (2006.01)
A61P  13/12        (2006.01)
A61P   1/02        (2006.01)
A61P   9/10        (2006.01)
A61P   3/00        (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
C07K  14/435       (2006.01)
FI A61K 37/02
A61K 45/00
A61P 29/00
A61P 43/00 121
A61P 19/02
A61P 29/00 101
A61P 17/00
A61P 11/06
A61P 13/12
A61P 1/02
A61P 9/10 101
A61P 3/00
A61P 35/00
C07K 14/435 ZNA
請求項の数または発明の数 3
出願形態 OL
全頁数 13
出願番号 特願2012-132069 (P2012-132069)
出願日 平成24年6月11日(2012.6.11)
優先権出願番号 2011136701
優先日 平成23年6月20日(2011.6.20)
優先権主張国 日本国(JP)
発明者または考案者 【氏名】佐藤 陽
【氏名】蝦名 敬一
出願人 【識別番号】500132214
【氏名又は名称】学校法人明星学苑
個別代理人の代理人 【識別番号】100093230、【弁理士】、【氏名又は名称】西澤 利夫
審査請求 未請求
テーマコード 4C084
4H045
Fターム 4C084AA02
4C084AA03
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA18
4C084CA18
4C084DB01
4C084MA02
4C084NA14
4C084ZA452
4C084ZA622
4C084ZA672
4C084ZA812
4C084ZA892
4C084ZA962
4C084ZB112
4C084ZB152
4C084ZB262
4C084ZC212
4C084ZC421
4C084ZC751
4H045AA30
4H045BA17
4H045CA40
4H045EA20
4H045FA20
要約 【課題】炎症反応とエンドセリン系との新たな関連性に基づいた、新規な抗炎症剤を提供する。
【解決手段】配列番号3または配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドを、生体炎症反応を抑制するのに有効な量含有している抗炎症剤。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号3のアミノ酸配列を有するペプチドを、生体炎症反応を抑制するのに有効な量含有している抗炎症剤
【請求項2】

配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドを、生体炎症反応を抑制するのに有効な量含有している抗炎症剤。
【請求項3】
さらに、配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドがエンドセリン受容体Aと結合することを阻害する物質を含有する請求項2の抗炎症剤。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドセリンB受容体活性の発現を作用機序とする新規な抗炎症剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
炎症は、主に外界の刺激によって誘起される生体防御反応であり、血管拡張、血管透過性亢進、白血球遊走、結合組織増殖などの組織反応が、様々なメディエーターによって誘起され、発赤、発熱、浮腫、疼痛などの炎症症状を発現する。また、炎症は感染症やアレルギー疾患、生活習慣病など多くの急性・慢性疾患の基盤病態であることから、その過剰な炎症反応を抑制することで当該急性・慢性疾患の症状の改善・緩和などの効果が期待できる。
【0003】
抗炎症剤は、このような疾病を軽減または治癒する薬剤であり、ステロイド系抗炎症剤や非ステロイド系抗炎症剤など作用の異なる薬剤が使用されている。ステロイド系抗炎症剤は、各種炎症による諸症状を顕著に改善するが、長期使用によって骨粗鬆症や動脈硬化症、感染症、糖尿病の誘発・増悪など多くの副作用発現のリスクが高いこと、また急な投与中止により反跳現象や離脱症状が起こること、などの問題点を有している。一方、非ステロイド系抗炎症剤は一時的に炎症症状を抑制するが、疾患を根本から治療するものではない。以上のことから、炎症症状を確実に抑制でき、かつ安全な抗炎症剤の開発が待望されている。
【0004】
エンドセリン(endothelin:ET)は血管内皮細胞培養上清から強力な血管収縮作用をもつ物質として発見された生理活性ペプチドである(非特許文献1)。このエンドセリンにはエンドセリン-1(ET-1)、エンドセリン-2(ET-2)、エンドセリン-3(ET-3)の3種類のペプチド分子種が存在する。ET-1は21個のアミノ酸からなり(配列番号1)、ET-2(配列番号2)およびET-3(配列番号3)は、ET-1のアミノ酸の2ヵ所および6ヵ所が別のアミノ酸に置き換わったものであり、いずれのET分子種も分子内に2個のジスルフィド結合(Cys1-Cys15、Cys3-Cys11)を有する。エンドセリン系は上記の各エンドセリン分子種(ET-1、ET-2、ET-3)とそれらの受容体(ET-A受容体、ET-B受容体)から構成される。さらに、ET-B受容体にはET-B1受容体とET-B2受容体の2つのサブタイプが存在する。ET-1とET-2はET-A受容体とET-B両受容体の両方に、ET-3は主にET-B受容体を介してその機能を発現し(図1参照)、生体の恒常性維持を担う一方で、多くの炎症性疾患の発症・進展に関与することが知られている。例えば、エンドセリンと炎症とに関連する発明としては以下が知られている。
(1)エンドセリン受容体結合の拮抗的抑制による抗炎症作用に関する発明(特許文献1-3など)
(2)エンドセリン活性阻害による抗炎症作用に関する発明(特許文献4-6など)
(3)エンドセリン産生抑制(遺伝子発現抑制)による抗炎症作用に関する発明(特許文献7-9など)
特表2004-518611、
(4)エンドセリン変換酵素阻害による抗炎症作用に関する発明(特許文献10-12など)
(5)エンドセリンの炎症治療に関する発明(特許文献13)
すなわち、前記(1)~(4)に属する先行発明はいずれも、エンドセリン機能を抑制することによる抗炎症作用に関するものである。一方、(5)の1件の発明(特許文献13)は、エンドセリンまたはエンドセリンアゴニストを低エンドセリン症候群を発症している危篤患者の治療のために使用することを開示しており、低エンドセリン症候群の一つとして局所および/または全身炎症が記載されている。ただし、特許文献13の発明は血管収縮物質エンドセリンの不足による血液供給量の低下等に起因する危篤患者(炎症性疾患を呈する危篤患者)に対して、不足しているエンドセリンまたはそのアゴニストを投与する方法に関するものであり、炎症性疾患の軽減や治癒ではなく、危篤患者の救命を目的とするものである。このように、エンドセリンそれ自体を炎症性疾患の軽減や治癒のための治療剤として利用することは、従来知られていない。

【特許文献1】特開2008-094855号公報
【特許文献2】特開2002-030075号公報
【特許文献3】特表2010-536742号公報
【特許文献4】特開2004-043495号公報
【特許文献5】特表2010-531357号公報
【特許文献6】特表2009-530280号公報
【特許文献7】特開2008-88073号公報
【特許文献8】特開2007-204449号公報
【特許文献9】特開2007-204396号公報
【特許文献10】特開2004-043381号公報
【特許文献11】特表2010-529994号公報
【特許文献12】特表2010-523584号公報
【特許文献13】特表2009-517670号公報
【非特許文献1】Yanagisawa et al. Nature, 322: 441, 1988.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のとおり、エンドセリンと炎症との関係については、エンドセリン機能の抑制による抗炎症作用が提案されている(特許文献1-12など)。しかしながら、エンドセリンは生体の恒常性維持を担う内在性物質であり、その機能を抑制することは種々の恒常性を損なう危険性がある。
【0006】
本発明は、各種炎症反応とエンドセリン系との新たな関連性に基づいた、新規な抗炎症剤を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者らは、誘発性の炎症反応における各ETペプチド分子種の役割を、ペプチド-受容体結合の観点から試験し、以下の知見を得た。
(A)ET-3は、低用量(従来その作用を発現しないと考えられていた量)の投与により、PAFやザイモザンにより誘発される各々の炎症を顕著に抑制すること。
(B)上記(A)における抗炎症作用は、ET-3それ自体がET-B受容体を介して発揮されること。
(C)ET-1は、選択的ET-A受容体拮抗剤の併用により、ET-B受容体を介して顕著な抗炎症作用を示すこと。
【0008】
本願発明は、以上のとおりの新規な知見に基づき完成されたものであり。すなわち、本出願は、以下の発明を提供する。
(1)配列番号3のアミノ酸配列を有するペプチドを、生体炎症反応を抑制するのに有効な量含有している抗炎症剤
(2)配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドを、生体炎症反応を抑制するのに有効な量含有している抗炎症剤。
(3)さらに、配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチドがエンドセリン受容体Aと結合することを阻害する物質を含有する前記(2)の抗炎症剤。
【0009】
なお、前記発明における用語や概念は、発明の実施形態の説明や実施例において詳しく規定する。なお、用語は基本的にはIUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによるものであり、あるいは当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものである。また発明を実施するために使用する様々な技術は、特にその出典を明示した技術を除いては、公知の文献等に基づいて当業者であれば容易かつ確実に実施可能である。例えば、遺伝子工学および分子生物学的技術はJ. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis, "Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd edition)", Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York (1989); D. M. Glover et al. ed., "DNA Cloning", 2nd ed., Vol. 1 to 4, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995); Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, N.Y, 1995;日本生化学会編、「続生化学実験講座1、遺伝子研究法II」、東京化学同人 (1986);日本生化学会編、「新生化学実験講座2、核酸 III(組換えDNA技術)」、東京化学同人 (1992); R. Wu ed., "Methods in Enzymology", Vol. 68 (Recombinant DNA), Academic Press, New York (1980); R. Wu et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 100 (Recombinant DNA, Part B) & 101 (Recombinant DNA, Part C), Academic Press, New York (1983); R. Wu et al. ed., "Methods in Enzymology", Vol. 153 (Recombinant DNA, Part D), 154 (Recombinant DNA, Part E) & 155 (Recombinant DNA, Part F), Academic Press, New York (1987)などに記載の方法あるいはそこで引用された文献記載の方法またはそれらと実質的に同様な方法や改変法により行うことができる。また本発明の医薬の調製はRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, ed. A. Gennaro, Mack Publishing Co., Easton, PA, 1990などに記載の方法、あるいはそこで引用された文献記載の方法またはそれらと実質的に同様な方法や改変法により行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
前記「配列番号3のアミノ酸配列を有するペプチド」はエンドセリン-3(ET-3)ペプチドであり、「配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチド」はエンドセリン-1(ET-1)ペプチドであって、いずれもエンドセリンB(ET-B)受容体に対する作動性ペプチドである。本発明の抗炎症剤は、前記のET-1ペプチドおよびET-3ペプチドのET-B受容体作動性結合により、各種炎症性疾患もしくは炎症を基盤病態とする種々の疾患症状を効果的に予防、低減または治癒する。
【0011】
また、ET-3ペプチドまたはET-1ペプチドの含有量(生体炎症反応を抑制するのに有効な量)は、従来のエンドセリン薬剤(例えば、血管収縮剤)におけるエンドセリン含有量よりも遥かに低量であり、生体恒常性等に影響を及ぼすような副作用の危険性は極めて少ない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】各ETペプチド(ET-1、ET-2、ET-3)の構造(アミノ酸配列)およびそれらの受容体(ET-A、ET-B)に対する親和性を示した。ET-1とET-2はET-A、ET-B両受容体、ET-3は主にET-B受容体を介してその機能を発現する。なお、ET-B受容体にはET-B1受容体とET-B2受容体の2つのサブタイプが存在する。
【図2】実施例1において、各ETペプチドを皮下投与したときのPAF誘発足浮腫試験を行った結果であり、各処置後の足浮腫容積の変化を平均値 ± S.D.(ml)として示した。
【図3】実施例2において、ET-1、ET-3の皮下投与による抗PAF誘発炎症作用に対する各ET受容体(ET-A、ET-B)の関与について試験した結果であり、各処置後の足浮腫容積の変化を平均値 ± S.D. (ml)として示した。
【図4】実施例3において、ET-B受容体作動性ペプチドであるET-3と選択的ET-B1受容体作動剤IRL-1620、ET-B1/ET-B2両受容体の作動剤であるBQ-3020の抗PAF誘発炎症作用を比較した結果であり、各処置後の足浮腫容積の変化を平均値 ± S.D. (ml)として示した。
【図5】実施例4において、ET-3の皮下投与、静脈内投与によるPAF誘発足浮腫試験を行った結果であり、各処置後の足浮腫容積の変化を平均値 ± S.D. (ml)として示した。
【図6】実施例5において、ET-3の皮下投与量と抗PAF誘発炎症作用の相関を試験した結果であり、横軸にはラット1個体あたりのET-3皮下投与量(pmol)を、縦軸には各処置後の足浮腫容積の変化を平均値 ± S.D. (ml)として示した。
【図7】ET-3のPAF誘発炎症50%阻害量(50 % Inhibitory dose : ID50)の算出根拠であり、横軸にはET-3の皮下投与量(fmol)をlog対数で示し、縦軸には対照群(ET-3:0 fmolのとき)の足浮腫容積変化を100%としたときの、各投与量における足浮腫容積変化を平均値 ± S.D.(%)として示した。
【図8】実施例6において、ET-1、ET-3を皮下投与したときのザイモザン誘発炎症に対する影響を試験した結果であり、各処置後の足浮腫容積の変化を平均値 ± S.D. (ml)として示した。
【図9】実施例7において、ET-1、ET-3の皮下投与による抗ザイモザン誘発炎症作用に対するET-B受容体拮抗剤BQ-788の影響を試験した結果であり、各処置後の足浮腫容積の変化を平均値 ± S.D. (ml)として示した。
【図10】実施例8において、ET-3を皮下投与したときのET-1誘発炎症に対する影響を試験した結果であり、各処置後の足浮腫容積の変化を平均値 ±S.D. (ml)として示した。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に使用するET-3ペプチドは配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドであり、ET-1ペプチドは配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドである。またそれらの抗炎症作用が低下されない範囲で、N末端またはC末端に1または数個のアミノ酸残基が付加されたものであってもよい。

【0014】
ET-3ペプチドおよびET-1ペプチドは、例えば公知の化学合成法により作成することができ、Boc(t-ブチルオキシカルボニル)化反応、DMSO酸化、アルカリ反応、酸性反応、エポキシ化反応、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、アルキル化反応、ケン化反応、加熱反応、脱炭酸反応、縮合反応、逆相高速液体クロマトグラフィー等を適宜組み合わせて行なうことができる。また例えば、ペプチドを構成するアミノ酸残基を順次反応させ、効率と反応物純度の検定を適宜実施したり、さらに合成されたペプチドを様々な時間だけ常温、高温、凍結融解処理等により変化させてもよい。具体的には、例えばMerrifield, R.B. J. Solid phase peptide synthesis I. The synthesis of tetrapeptide. J. Amer. Chem. Soc. 85, 2149-2154, 1963; Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis. A Practical Approach. Chan, W.C. and White, P.D., Oxford University Press, 2000に準じて行なうことができる。

【0015】
本発明に使用するペプチドのさらに別の形態は、「ペプチド誘導体」である。この誘導体は、例えば、合成や精製を促進するための修飾、物理・化学的安定化を促進するための修飾、生体内の代謝に対する安定性と不安定性、条件付けの等の活性化修飾を含むものである。ペプチド誘導体におけるその他の修飾には、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、交差架橋、環化、ジスルフィド結合、脱メチル化、交差架橋共有結合形成、シスチン形成、ピログルタメート形成、ホルミル化、ガンマーカルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、水酸化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質加水分解プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、脂質結合、硫酸化、セレノイル化、ビオチニル化等が含まれる。より具体的には、ペプチド誘導体は、ET-3ペプチドおよびET-1ペプチドの活性を破壊せず、またこれを含有する組成物に毒性を与えない範囲において、残基の側鎖またはN末端基もしくはC末端基として生じる機能性基として調製することができる。例えば、体液中で合成ペプチドの残存を延長するポリエチレングリコール側鎖を含む誘導体、あるいはカルボキシル基の脂肪族エステル、アンモニアとまたは第1級もしくは第2級アミンと反応することによるカルボキシル基のアミド、アシル部分(moiety)(たとえば、アルカノイル基またはカルボサイクリックアロイル基)と形成されるアミノ酸残基の遊離アミノ基のN-アシル誘導体またはアシル部分と形成される遊離の水酸基(たとえば、セリルまたはスレオニル残基の水酸基)のO-アシル誘導体等である。

【0016】
本発明に使用するペプチドのまた別の形態としては、薬理学的に許容し得る「塩」であってもよい。この塩は、ペプチドのカルボキシル基の塩およびアミノ基の酸付加塩の両者を意味する。カルボキシル基の塩は、当該技術分野における公知の方法によって形成することができ、例えばナトリウム、カルシウム、アンモニウム、鉄または亜鉛などの無機塩、およびトリエタノールアミン、アルギニンまたはリジン、ピペリジン、プロカインなどのようなアミンを用いて形成されたような有機塩基との塩が含まれる。酸付加塩としては、たとえば塩酸または硫酸などの鉱酸との塩およびたとえば酢酸またはシュウ酸などの有機酸との塩を含む。もちろん、このようなペプチド塩は、ET-3ペプチドおよびET-1ペプチドと実質的に同様の抗炎症活性を有することを前提とする。

【0017】
この発明の抗炎症剤は、ET-3ペプチドまたはET-1ペプチドと、薬理学的に許容しうる担体とを均一に混合して製剤化することができる。また、ET-1ペプチドを有効成分とする場合は、ET-1ペプチドがET-A受容体と結合することを阻害する物質を含有することが好ましい。ET-A受容体阻害剤の存在によってET-1ペプチドはET-B受容体とのみ選択的に結合し、その抗炎症作用をより強く発揮する。ET-A受容体阻害剤としては、実施例に例示したBQ-123、S-139、TBC-3711、YM598、ZD4054、アトラセンタン、アンブリセンタン、アボセンタン、クラゾセンタン、ダルセンタン、エドネンタン、シタキセンタン、などを使用することができる。

【0018】
担体は、薬剤の投与形態に応じて広い範囲から適宜に選択することができるが、この発明の抗炎症剤は、注射により投与しうる単位服用形態にあることが望ましい。特に、注射による投与の場合には、局所注入、選択的静脈内注入、静脈注射、皮下注射、臓器灌流液注入等を採用することができる。注射用の溶液は、塩溶液、グルコース溶液、または塩水とグルコース溶液の混合物、各種の緩衝液等からなる担体を用いて製剤化することができる。また粉末状態で製剤化し、使用時に前記液体担体と混合して注射液を調製するようにしてもよい。

【0019】
この発明の抗炎症剤におけるET-1ペプチドまたはET-3ペプチドの投与量は、患者の年齢や体重、症状、投与経路等によって異なるが、例えば体重1kg当たり約7.5 pgから30 ng、さらに好ましくは体重1kg当たり0.75 ng(750 pg)から12 ngである。従って、成人(体重60kg)に対する1回投与分の抗炎症剤におけるET-3ペプチドまたはET-1ペプチドの含有量は45 ng~720 ngと、遥かに少量である。

【0020】
本発明の抗炎症剤は、各種炎症性疾患もしくは炎症を基盤病態とする種々の疾患症状を低減または治癒することができる。炎症性疾患としては、例えばリウマチ性関節炎、皮膚炎、気管支喘息、腎炎、歯周炎等であり、また慢性炎症を基盤病態とする疾患は例えば動脈硬化症、メタボリックシンドローム、がん等である。
【実施例】
【0021】
以下、実施例を示して本発明の抗炎症剤の有効成分であるET-3ペプチドおよびET-1ペプチドの抗炎症作用について詳しく説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【実施例】
【0022】
なお、以下の実施例に使用した材料、方法は以下のとおりである。
1.ETペプチド分子種
ET-1ペプチド、ET-2ペプチドおよびET-3ペプチドについては、合成品(株式会社ペプチド研究所、大阪、日本)を使用した。
2.PAF誘発炎症モデル
PAFは血小板や好中球、好酸球など種々の細胞種より産生され、その特異的なGタンパク質受容体(PAF受容体)に結合することで強力な炎症反応を惹起する脂質メディエーターである。PAFの過剰産生により引き起こされる病態としては、リウマチ性関節炎(Vergne P et al. Mediators Inflamm. 6:241-242, 1997)や皮膚炎(Czarnetzki B, Clin. exp. Immunol. 54:486-492, 1983)、腎炎(Denizot Y et al. Nephrol. Dial. Transplant. 15:344-1347, 2000)、歯周炎(Garito ML et al. J. Dent. Res. 74:1048-1056, 1995)、気管支喘息(月岡ら、アレルギー、42:167-171頁、1993)など多くの炎症性疾患がある。
【実施例】
【0023】
PAF誘発性の炎症モデルとして、ラットの足浮腫モデル(Henriques et al. Br. J. Pharmacol. 106:579-582, 1992)を用いた。具体的には以下のとおりである。
(1)PAF溶液の調製
PAF(1-O-ヘキサデシル-2-アセチル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン:PAF C-16、Enzo Life Sciences(BIOMOL)、L-100)を、その濃度が10 mMとなるようにエタノールで溶解した(貯蔵溶液を10 mMとした)。この10 mM PAF C-16溶液を150 mM塩化ナトリウム、10 mM トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(以下、トリス)pH 7.5および0.25% ウシ血清アルブミンの溶液で500倍に希釈し、5分間超音波処理してPAF溶液を調製した。
(2)浮腫の誘発
Wistar系雄性ラット(150-220g重量、5~8週令:日本クレア社)にジエチルエーテル吸入により麻酔し、50 μlのPAF溶液(最終濃度20 μM、投与量1 nmol)をラット後足肉趾間へ皮下投与し、PAFによる浮腫が最大となる1時間後の足浮腫の程度を測定した。すなわち、PAFの投与直前および投与から1時間後において、足を水に浸けたときに増大する水容量をミリリットル(ml)単位で測定することによるラットの足容量を測定し、この増大量を浮腫の程度とした。また、各時点で足を浸けることでその差を正確に比較できるように、後足の毛の生え際と踵の境界に油性ペンで印を付けた。
3.ザイモザン誘発炎症モデル
ザイモザンは関節炎や腹膜炎などの起炎物質として知られているが、一方では病原微生物の構成成分を認識し細胞応答する分子としてその中心的な役割を担うToll様受容体(Toll-like receptor : TLR)を活性化するリガンドとしても知られている(Zhang X et al. Blood. 110:228-236, 2007)。さらに、TLRの刺激の種類や強さによっては自己免疫疾患や敗血症を誘発し、動脈硬化などにも影響を与えることが知られている(Cook DN et al. Nat. Immunol. 5:975-979, 2004)。
【実施例】
【0024】
ザイモザン誘発性の炎症モデルとして、ラットの足浮腫モデル(Henriques et al. Br. J. Pharmacol. 106:579-582, 1992)を用いた。具体的には以下のとおりである。
(1)ザイモザン懸濁溶液の調製
ザイモザン(ザイモザンA from Saccharomyces cerevisiae: Sigma-Aldrich、Z4250)をPBS(pH 7.4)で懸濁した10 mg/ml溶液を用時調製した。
(2)浮腫の誘発
雄性Wistar系ラット(150-220g重量、5~8週令:日本クレア社)にジエチルエーテル吸入により麻酔し、50 μlの10 mg/mlザイモザン懸濁溶液(投与量として500 μg)を後足肉趾間へ皮下投与して、前記PAF誘発モデルと同様に1時間後の足浮腫を測定した。
4.ET-1誘発炎症モデル
ET-1はそれ自体、より高用量の投与(投与モル量として10 pmol以上)では炎症を誘発することが知られている。ET-1誘発性炎症モデルとして、ラットの足浮腫モデル(Henriques et al. Br. J. Pharmacol. 106:579-582, 1992)を用い、雄性Wistar系ラット(150-220g重量、5~8週令:日本クレア社)にジエチルエーテル吸入により麻酔し、PBSに溶解した50 μlのET-1溶液(投与量として100 pmol)を後足肉趾間へ皮下投与して、前記PAF誘発モデルと同様に1時間後の足浮腫を測定した。
【実施例】
【0025】
実施例1:ETペプチドの皮下投与による抗炎症作用(PAF誘発炎症モデル)
ラット(1群当たりn = 3)に、PBSに溶解した100 μlの各ETペプチドは(ET-1、ET-2またはET-3、各0.5 pmol)または担体を後足肉趾間へ皮下投与した後、さらに50 μlのPAF溶液(1 nmol)または担体(150 mM塩化ナトリウム、10 mM トリス(pH 7.5)および0.25% ウシ血清アルブミン)を同部位へ投与して、1時間後の足浮腫を測定し評価した。
【実施例】
【0026】
結果は図2に示したとおりであり、各処置による足浮腫容積の変化はPAFのみで0.40 ± 0.098 mlに対し、ET-1により0.25 ± 0.0094 ml、ET-2により0.34 ± 0.039 ml、ET-3により0.062 ± 0.052 mlとなり、特にET-3はPAF誘発足浮腫を顕著に抑制した。なお、各ETペプチドそれ自体による浮腫は発現しなかった。
【実施例】
【0027】
この結果は、ET-1、ET-3はいずれもPAF誘発足浮腫を抑制し、特にET-3による抑制は顕著であることを示すものである。一方、ET-2はPAF誘発足浮腫を全く抑制しなかった。
【実施例】
【0028】
実施例2:ET-1、ET-3の抗炎症作用に対するET受容体拮抗剤の関与(PAF誘発炎症モデル)
ET-A受容体拮抗剤またはET-B受容体拮抗剤の存在下で、PAF誘発炎症に対するETペプチドの抗炎症作用を試験した。ラット(1群当たりn = 3)に、PBSに溶解した100 μlのET-A受容体拮抗剤(BQ-123、1 nmol)、ET-B受容体拮抗剤(BQ-788、10 nmol)または担体を後足肉趾間へ皮下投与し、その15分後、PBSに溶解した100 μlのET-1、ET-3(各0.5 pmol)または担体を、次いで50 μlのPAF溶液(1 nmol)または担体を同部位へ投与して、1時間後の足浮腫量を測定し評価した。
【実施例】
【0029】
結果は図3に示したとおりであり、各処置による足浮腫容積の変化はPAFのみで0.33 ± 0.031 mlに対し、ET-A受容体拮抗剤(BQ-123)を前投与すると、ET-1により0.11 ± 0.022 ml、ET-3により0.11 ± 0.074 mlとなり、一方、ET-B受容体拮抗剤(BQ-788)を前投与すると、ET-1では0.35 ± 0.0082 ml、ET-3により0.39 ± 0.033 mlとなった。すなわち、ET-1、ET-3ともにET-A受容体拮抗剤の存在下ではPAF誘発足浮腫を顕著に抑制したのに対し、ET-B受容体拮抗剤の存在下では浮腫を全く抑制しなかった。
【実施例】
【0030】
以上の結果から、ET-1、ET-3はいずれもET-B受容体を介して抗炎症作用を発現することが確認された。
【実施例】
【0031】
実施例3:ET-3とET-B受容体作動剤の抗炎症作用の比較(PAF誘発炎症モデル)
ET-3と、公知の選択的ET-B1受容体作動剤であるIRL-1620 (ALEXIS、ALX-155-006PC05)、およびET-B1/ET-B2両受容体作動剤であるBQ-3020 (Enzo Life Sciences、155-015-PC05)を用いて、各抗炎症作用を比較検討した。ラット(1群当たりn = 3)に対し、PBSに溶解したET-3(0.5 pmol)、IRL-1620 (0.5 pmolまたは100 pmol)、BQ-3020 (0.5 pmolまたは100 pmol)またはPBSを後足肉趾間へ皮下投与し、さらに50 μlのPAF溶液(1 nmol)を同部位へ投与して、1時間後の足浮腫を測定し評価した。
【実施例】
【0032】
結果は図4に示したとおりであり、各処置による足浮腫容積の変化はPAFのみで0.40 ± 0.098 mlに対し、ET-3(0.5 pmol)処置で0.062 ± 0.052 ml、IRL-1620(0.5 pmol)処置で0.36 ±0.074 ml、IRL-1620(100 pmol)処置では0.30 ± 0.036 ml、BQ-3020 (0.5 pmol)処置で0.13 ± 0.029 ml、100 pmol処置で0.13 ±0.037 mlであった。すなわち、ET-3(0.5 pmol)はPAF誘発足浮腫を顕著に抑制し、BQ-3020は0.5 pmolおよび100 pmolの各投与量でPAF誘発足浮腫を抑制する傾向を示したのに対して、IRL-1620は0.5 pmolおよび100 pmolの各投与量でPAF誘発足浮腫をほとんど抑制しなかった。
【実施例】
【0033】
以上の結果および実施例2の結果から、ET-3の抗炎症作用は、ET-B受容体のうちのET-B1/ET-B2両受容体、あるいはET-B2受容体を介して発現されることが確認された。
実施例4:ET-3の皮下投与と静脈内投与による抗炎症作用(PAF誘発炎症モデル)
ET-3の投与経路と抗炎症作用の関係について調べるために、PAF誘発炎症モデルにおいてET-3の皮下投与または静脈内投与による抗炎症作用を試験した。ラット(1群当たりn = 3)に、PBSに溶解した100 μlのET-3(0.5 pmol)または担体を静脈内投与または皮下投与し、静脈内投与から15分後または皮下投与した後、50 μlのPAF溶液(1 nmol)または担体溶媒を後足肉趾間へ皮下投与して、1時間後の足浮腫を測定し評価した。
【実施例】
【0034】
結果は図5に示したとおりであり、各処置による足浮腫容積の変化はPAFのみで0.40 ± 0.098 mlに対し、ET-3の静脈内投与、皮下投与によりそれぞれ0.14 ± 0.070ml、0.062 ± 0.052 mlとなり、ET-3はいずれの投与経路においてもPAF誘発足浮腫を顕著に抑制した。
【実施例】
【0035】
以上の結果から、ET-3は皮下投与のみならず静脈内投与でもPAF誘発浮腫を顕著に抑制することが確認された
実施例5:ET-3の皮下投与量と抗炎症作用(PAF誘発炎症モデル)
ET-3の皮下投与量と抗炎症作用の相関について検討を行った。ラット(1群当たりn = 3)に、PBSに溶解した100 μlのET-3(0.0625、0.125、0.25、0.5および1.0 pmol)またはPBSを後足肉趾間へ皮下投与し、さらに50 μlのPAF溶液(1 nmol)または担体溶媒を同部位へ投与して、1時間後の足浮腫変化を測定した。
【実施例】
【0036】
結果は図5に示した通りであり、各処置による足浮腫容積の変化はPAFのみで0.40 ± 0.098 mlに対し、各モル量のET-3(0.0625~1.0 pmol)ともにPAF誘発足浮腫を顕著に抑制し、またその投与量に依存して抗炎症作用を示す傾向にあり、安定した抑制効果が認められた。なお、ET-3の皮下投与による副作用は全く見られなかった。
【実施例】
【0037】
以上の結果から、ET-3は各モル量(0.0625~1.0 pmol)の投与においてPAF誘発足浮腫を抑制し、またその投与量に依存してPAF誘発炎症を抑制する傾向にあり、安定した抑制効果が確認された。
【実施例】
【0038】
さらに、上記の結果から、ET-3のPAF誘発炎症50 %阻害量(50 % Inhibitory dose : ID50)を算出した。結果は図6に示したとおりであり、ET-3のID50値は10.7 fmol (= 10.7 x 10-15 mol)と算出された。この結果は、ET-3はpgレベル(ラット1個体当たり)と極めて微量で、顕著な抗炎症作用を発現することを示しており、ET-3の使用により安価で顕著な抗炎症作用を発揮する抗炎症剤を実現することが確認された。
実施例6: ET-1、ET-3の皮下投与による抗炎症作用(ザイモザン誘発炎症モデル)
ラット(1群当たりn = 3)に、PBSに溶解した100 μlのET-1またはET-3(各0.5 pmol)、または担体を後足肉趾間へ皮下投与し、さらに50 μlのザイモザン懸濁溶液(投与量として500 μg)または担体(PBS)を同部位へ投与して、1時間後の足浮腫を測定し評価した。
【実施例】
【0039】
結果は図8に示したとおりであり、各処置による足浮腫容積の変化はザイモザンのみで0.27 ± 0.021 mlに対して、ET-1処置で0.36 ± 0.058 ml、ET-3処置で0.040 ± 0.037 mlであった。すなわち、ET-3はザイモザン誘発足浮腫を顕著に抑制したのに対し、ET-1では足浮腫を全く抑制しなかった。なお、ET-1またはET-3それ自体による足浮腫発現は認められなかった。
【実施例】
【0040】
以上の結果から、ET-3がザイモザンにより誘発される炎症も顕著に抑制することが確認された。
実施例7:ET-1、ET-3の抗炎症作用に対するET-B受容体拮抗剤の関与(ザイモザン誘発炎症モデル)
ET-B受容体拮抗剤の存在下で、ET-1およびET-3の抗炎症作用を試験した。ラット(1群当たりn = 3)に、PBSに溶解した100 μlのET-B受容体拮抗剤(BQ-788、10 nmol)または担体(PBS)を後足肉趾間へ皮下投与し、その15分後、PBSに溶解した100 μlのET-1、ET-3(各0.5 pmol)または担体(PBS)を、次いで50 μlのザイモザン懸濁溶液(投与量として500 μg)または担体(PBS)を同部位へ投与して、1時間後の足浮腫を測定し評価した。
【実施例】
【0041】
結果は図9に示したとおりであり、各処置による足浮腫容積の変化はザイモザンのみで0.27 ± 0.021 mlに対し、BQ-788の前処置によって、ET-1処置で0.35 ± 0.037 ml、ET-3処置で0.32 ± 0.042 mlとなり、ET-1、ET-3ともにET-B受容体拮抗剤(BQ-788)存在下ではザイモザン誘発足浮腫を全く抑制しなかった。
【実施例】
【0042】
この結果はET-1、ET-3がいずれもET-B受容体を介して抗炎症作用を発現することを示したものである。
【実施例】
【0043】
実施例8:ET-3の皮下投与による抗炎症作用(ET-1誘発炎症モデル)
ラット(1群当たりn = 3)に、PBSに溶解した100 μlのET-3(各0.5 pmol)または担体を後足肉趾間へ皮下投与し、さらに50 μlのET-1溶液(100 pmol)または担体(PBS)を同部位へ投与して、1時間後の足浮腫を測定し評価した。
【実施例】
【0044】
結果は図10に示したとおりであり、各処置による足浮腫容積の変化はET-1のみで0.26 ± 0.0047 mlに対して、ET-3処置で0.060 ± 0.028 mlであった。すなわち、ET-3はET-1誘発足浮腫を顕著に抑制した。なお、ET-3それ自体による足浮腫発現は認められなかった。
【実施例】
【0045】
以上の結果から、ET-3がET-1により誘発される炎症も顕著に抑制することが確認された。
図面
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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