TOP > 国内特許検索 > ループ型ヒートパイプ及び電子機器 > 明細書

明細書 :ループ型ヒートパイプ及び電子機器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5636803号 (P5636803)
公開番号 特開2012-037097 (P2012-037097A)
登録日 平成26年10月31日(2014.10.31)
発行日 平成26年12月10日(2014.12.10)
公開日 平成24年2月23日(2012.2.23)
発明の名称または考案の名称 ループ型ヒートパイプ及び電子機器
国際特許分類 F28D  15/02        (2006.01)
H01L  23/427       (2006.01)
H05K   7/20        (2006.01)
FI F28D 15/02 101L
H01L 23/46 B
H05K 7/20 R
請求項の数または発明の数 5
全頁数 16
出願番号 特願2010-175783 (P2010-175783)
出願日 平成22年8月4日(2010.8.4)
審査請求日 平成25年8月2日(2013.8.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
発明者または考案者 【氏名】長野 方星
【氏名】カヤ,タリック
個別代理人の代理人 【識別番号】100104880、【弁理士】、【氏名又は名称】古部 次郎
【識別番号】100128886、【弁理士】、【氏名又は名称】横田 裕弘
審査官 【審査官】仲村 靖
参考文献・文献 特開2006-308163(JP,A)
特開2000-171181(JP,A)
特開2009-041825(JP,A)
特開平10-246583(JP,A)
特開2008-281229(JP,A)
特開昭63-123992(JP,A)
米国特許出願公開第2009/0321055(US,A1)
米国特許出願公開第2010/0163212(US,A1)
調査した分野 F28D 15/02
H01L 23/427
H05K 7/20
特許請求の範囲 【請求項1】
外部から熱を吸収して作動流体を液相から気相へと蒸発させる蒸発器を備え、当該蒸発器から導かれた気相の作動流体を凝縮させ液相の作動流体として当該蒸発器に環流するループ型ヒートパイプにおいて、
前記蒸発器が、
外部からの熱を内部に存在する作動流体へ伝え作動流体を液相から気相へと蒸発させる蒸発部と、
前記蒸発部の端部と接続され、当該蒸発部よりも大きな内径であり内部に液相の作動流体を溜める液溜め部と、
前記液溜め部の内部から前記蒸発部の内部にわたって存在し、毛細管力を発生させることで作動流体を流通させるウィックと
を備え、
前記ウィックは、
外周面が前記蒸発部の内周面と接触する小径部と、当該小径部よりも外径が大きく外周面が前記液溜め部の内周面と接触する大径部とを備え、かつ
前記小径部および前記大径部の各々の内周面において、前記ウィックの軸方向と交差する方向にわたって存在するとともに、液相の作動流体の表面張力を利用し液相の作動流体を誘導する液溝を備える
ことを特徴とするループ型ヒートパイプ。
【請求項2】
前記ウィックは、前記大径部の実効空孔径が、前記小径部の実効空孔径よりも大きいことを特徴とする請求項記載のループ型ヒートパイプ。
【請求項3】
前記ウィックの前記液溝は、前記小径部および前記大径部の各々の前記内周面に沿ってらせん状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のループ型ヒートパイプ。
【請求項4】
前記液溜め部における還流した作動流体が流入する側の端部から前記蒸発部の内部にわたって存在し、作動流体を当該蒸発部の内部に供給する供給管を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のループ型ヒートパイプ。
【請求項5】
筐体と、
前記筐体の内部に収容される発熱部品と、
前記発熱部品から熱を吸収して作動流体を液相から気相へと蒸発させる蒸発器を備え、かつ当該蒸発器から導かれた気相の作動流体を凝縮させ液相の作動流体として当該蒸発器に環流する冷却素子と
を備える電子機器において、
前記蒸発器が、
外部からの熱を内部に存在する作動流体へ伝え作動流体を液相から気相へと蒸発させる蒸発部と、
前記蒸発部の端部と接続され、当該蒸発部よりも大きな内径であり内部に液相の作動流体を溜める液溜め部と、
前記液溜め部の内部から前記蒸発部の内部にわたって存在し、毛細管力を発生させることで作動流体を流通させるウィックと
を備え、
前記ウィックは、
外周面が前記蒸発部の内周面と接触する小径部と、当該小径部よりも外径が大きく外周面が前記液溜め部の内周面と接触する大径部とを備え、かつ
前記小径部および前記大径部の各々の内周面において前記ウィックの軸方向と交差する方向にわたって存在するとともに、液相の作動流体の表面張力を利用し液相の作動流体を誘導する液溝を備える
ことを特徴とする電子機器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ループ型ヒートパイプ及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
公報記載の従来技術として、設置角度の如何に関わらず効率的に発熱部品を冷却するべく、蒸発部、凝縮部、及び液戻り管の内部にそれぞれ設けられるとともに、毛細管力を生じさせるウィックを有するループ型ヒートパイプが存在する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2008-215702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ループ型ヒートパイプでは、作動流体を蒸発させ、気化する際の潜熱を利用して冷却する。この作動流体は、蒸発部においてウィックに浸透し、発熱部品の熱を受けて気化される。そのため、作動流体とウィックとが触れている部分が広い方が、作動流体がウィックに浸透し易いため、液輸送が安定する。
本発明は、より安定した液輸送が可能なループ型ヒートパイプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、外部から熱を吸収して作動流体を液相から気相へと蒸発させる蒸発器を備え、当該蒸発器から導かれた気相の作動流体を凝縮させ液相の作動流体として当該蒸発器に環流するループ型ヒートパイプにおいて、前記蒸発器が、外部からの熱を内部に存在する作動流体へ伝え作動流体を液相から気相へと蒸発させる蒸発部と、前記蒸発部の端部と接続され、当該蒸発部よりも大きな内径であり内部に液相の作動流体を溜める液溜め部と、前記液溜め部の内部から前記蒸発部の内部にわたって存在し、毛細管力を発生させることで作動流体を流通させるウィックとを備え、前記ウィックは、外周面が前記蒸発部の内周面と接触する小径部と、当該小径部よりも外径が大きく外周面が前記液溜め部の内周面と接触する大径部とを備え、かつ前記小径部および前記大径部の各々の内周面において、前記ウィックの軸方向と交差する方向にわたって存在するとともに、液相の作動流体の表面張力を利用し液相の作動流体を誘導する液溝を備えることを特徴とするループ型ヒートパイプである。
請求項記載の発明は、前記ウィックは、前記大径部の実効空孔径が、前記小径部の実効空孔径よりも大きいことを特徴とする請求項記載のループ型ヒートパイプ。
請求項3記載の発明は、前記ウィックの前記液溝は、前記小径部および前記大径部の各々の前記内周面に沿ってらせん状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のループ型ヒートパイプである。
請求項4記載の発明は、前記液溜め部における還流した作動流体が流入する側の端部から前記蒸発部の内部にわたって存在し、作動流体を当該蒸発部の内部に供給する供給管を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のループ型ヒートパイプである。
請求項記載の発明は、筐体と、前記筐体の内部に収容される発熱部品と、前記発熱部品から熱を吸収して作動流体を液相から気相へと蒸発させる蒸発器を備え、かつ当該蒸発器から導かれた気相の作動流体を凝縮させ液相の作動流体として当該蒸発器に環流する冷却素子とを備える電子機器において、前記蒸発器が、外部からの熱を内部に存在する作動流体へ伝え作動流体を液相から気相へと蒸発させる蒸発部と、前記蒸発部の端部と接続され、当該蒸発部よりも大きな内径であり内部に液相の作動流体を溜める液溜め部と、前記液溜め部の内部から前記蒸発部の内部にわたって存在し、毛細管力を発生させることで作動流体を流通させるウィックとを備え、前記ウィックは、外周面が前記蒸発部の内周面と接触する小径部と、当該小径部よりも外径が大きく外周面が前記液溜め部の内周面と接触する大径部とを備え、かつ前記小径部および前記大径部の各々の内周面において前記ウィックの軸方向と交差する方向にわたって存在するとともに、液相の作動流体の表面張力を利用し液相の作動流体を誘導する液溝を備えることを特徴とする電子機器である。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、より安定した液輸送が可能なループ型ヒートパイプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施の形態に係るループ型ヒートパイプを示す概略構成図である。
【図2】本実施の形態に係る蒸発器を示す概略構成図である。
【図3】他の実施形態に係る蒸発器を示す概略構成図である。
【図4】蒸発器の液溝の他の態様を説明するための説明図である。
【図5】蒸発器の液溝の代替例を説明するための説明図である。
【図6】第2の実施形態に係る蒸発器を示す概略構成図である。
【図7】他の態様に係る蒸発器を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1の実施形態>
以下、添付図面を参照して、本実施の形態について詳細に説明する。
<全体の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態が適用されるループ型ヒートパイプ100の構成を説明する。ここで、図1は、本実施の形態に係るループ型ヒートパイプ100を示す概略構成図である。
本実施の形態が適用されるループ型ヒートパイプ100は、例えば電子機器等の内部に備えられる発熱体(例えばコンピュータのCPU)を、外部から動力を供給することなく冷却するよう、環状の装置内で作動流体を循環させるよう構成されている。

【0009】
詳細に説明すると、冷却素子の一例であるループ型ヒートパイプ100は、作動流体が気化する際の潜熱を利用して冷却するため作動流体を蒸発させる蒸発器101と、この蒸発器101で気化された作動流体を放熱して液化する凝縮器(Condenser)107とを有する。また、ループ型ヒートパイプ100は、蒸発器101で気化された作動流体を凝縮器107まで送る蒸気管(Vapor Line)105と、凝縮器107で液化された作動流体を蒸発器101まで送る液管(Liquid Line)109とを備えている。そして、本発明のループ型ヒートパイプ100内には作動流体が充填されている。なお、作動流体は、例えば水、アルコール、アンモニア等が用いられる。

【0010】
<蒸発器101の構成>
次に、図1及び図2を参照して、本実施の形態が適用される蒸発器101の構成を説明する。ここで、図2は、本実施の形態に係る蒸発器101を示す概略構成図であり、図2(a)は、蒸発器101の軸方向における断面図を示し、図2(b)は、図2(a)のII-II面で切断した断面図である。
蒸発器101は、図示しない電子機器の内部に備えられ、図示しない発熱体(例えばコンピュータのCPU)からの熱を伝達するよう設けられる蒸発器本体103と、この蒸発器本体103と接続され、内部に液相の作動流体を収容する液溜め部111とを有する。また、蒸発器101は、蒸発器本体103と液溜め部111との内部に接触して挿入されるウィック119とを有する。さらに、蒸発器101の前端は、蒸気管105と接続され、蒸発器101の後端は、液管109と接続される。
なお、本明細書において、前端とは作動流体が流出する側の端部をいい、後端とは作動流体が流入する側の端部をいう。例えば、図1に示す蒸発器101の前端は、図中左側の端部をいい、蒸発器101の後端は、図中右側の端部をいう。

【0011】
蒸発部の一例である蒸発器本体103は、中空管状の金属からなり、前端が蒸気管105と接続される。また、蒸発器本体103は、後端が液溜め部111の前端と接続される。ここで、蒸発器本体103と液溜め部111とは一体的に形成されてもよい。
また、蒸発器本体103の内周面と、後述するウィック119の小径部119aとの間には、蒸発器本体103において気化した作動流体を効率よく蒸気管105へ排出するために隙間が形成される。本実施形態では、この隙間を形成するため、蒸発器本体103の内周面に蒸気溝124を設けている。具体的には、蒸気溝124は、蒸発器本体103の軸方向に沿って複数本、並べて形成される。したがって、蒸発気本体103の軸方向に交差する面で観察すると、この蒸気溝124は、円周方向において交互に形成される凹凸形状となる(図2(b)参照)。

【0012】
液溜め部111は、中空管状の金属からなり、前端が蒸発器本体103の後端と接続され、後端が液管109と接続される。また、液溜め部111は、蒸発器本体103の内径よりも大きな内径であり、内部に液相の作動流体を収容する空間を有する。液溜め部111は、液管109から流入する作動流体を収容する。

【0013】
ウィック119は、中空管状の多孔質金属(ポーラスメタル)からなる部材である。ウィック119は、作動流体に毛細管力を発生させ、結果として作動流体を移動させる。ウィック119の前端119cは閉塞され、ウィック119の後端119dは開放されている。そして、本実施の形態のウィック119は、液溜め部111の内部から蒸発器本体103の内部にかけて存在する。このウィック119は、液溜め部111の内周面及び蒸発器本体103の内周面に沿って接触して設けられる。
ここで、ウィック119のうち、蒸発器本体103の内部に存在する部分を小径部119aとする。そして、この小径部119aと軸方向に連続して設けられ、液溜め部111の内部に存在し、小径部119aよりも径が大きい部分を大径部119bとする。例えば、蒸発器本体103及び液溜め部111の内部にウィック119を挿入する場合には、液溜め部111の後端側から挿入することができる。

【0014】
さらに、小径部119a及び大径部119bは、それぞれの内周面に液溝121を有する。液誘導手段の一例であるこの液溝121は、ウィック119の内周面に沿って複数並べて設けられている。各液溝121は、中空管状の軸方向と交差する向きにわたって存在し、この実施例においては、円形状の溝である(後述する図4(a)参照)。この液溝121は、作動流体が表面張力により液溝121に沿って導かれ、作動流体とウィック119とが接する面を増やすように構成されている。いわば、液溝121に沿って作動流体が作動流体の液面から上昇するように、液溝121は構成されている。
液溝121の寸法は、作動流体の物性値、特に表面張力に応じて異なる。例えば、液溝121の幅は、作動流体として、水、アルコール、アンモニアが用いられる場合、0.1mm~2mmであると、液輸送が向上するため好ましい。また、液溝121の深さは、作動流体として、水、アルコール、アンモニアが用いられる場合、0.1mm~2mmであると、液輸送が向上するため好ましい。
なお、ウィック119の実効空孔径は0.1~20μmである。ウィック119は、多孔質金属に限定されるものではなく、セラミック多孔質、樹脂多孔質、ガラス多孔質、多孔質繊維などから形成されてもよい。また、ウィック119の空孔率は、25%~70%である。ウィック119として、熱伝導率が低い材質を用いると、蒸発器本体103から液溜め部111への熱リークを低減することができる。熱リークを低減する場合、例えば一般的に金属よりも非金属の方が、熱伝導率が低いためより好ましい。

【0015】
<蒸発器101の動作>
次に、図1を参照しながらループ型ヒートパイプ100内の動作を説明する。図示しない発熱体において発生する熱は、蒸発器101の蒸発器本体103に伝達される(矢印C1参照)。蒸発器本体103において、熱を吸収した作動流体は気化し、蒸気管105を通って(矢印A1参照)、凝縮器107へ送られる(矢印A2参照)。凝縮器107へ送られた作動流体は、熱を放出して(矢印C2参照)液化する。液化した作動流体は液管109を通って(矢印A3参照)、再び蒸発器101へと送られる(矢印A4参照)。

【0016】
次に、図2を参照しながら蒸発器101内の動作について説明する。
まず、蒸発器101へと送られた液体の作動流体は、液溜め部111に供給され、液溜め部111内に保留されると共に、その一部は、蒸発器本体103内へと直接流入する。

【0017】
ここで、蒸発器本体103内へと流入せず、重力下で液溜め部111の下方(図2における下方向)に保留された作動流体は、ウィック119を介して蒸発器本体103へ進入する。作動流体が、ウィック119を介して蒸発器本体103へ進入するとは、具体的には次のようになる。まず、液溜め部111に保留された作動流体は、液溜め部111内に備えられたウィック119の大径部119bに浸透する(矢印B1参照)。そして、作動流体は、大径部119bと連続して設けられるウィック119の小径部119aに向けて浸透することによって、蒸発器本体103内へ進入する(矢印B2参照)。

【0018】
さて、液溜め部111から蒸発器本体103内へ直接流入した作動流体は、蒸発器本体103内でウィック119の小径部119aに浸透する。
そして、ウィック119の小径部119aにおいて、蒸発器本体103内から浸透した作動流体と、大径部119bを介して蒸発器本体103内へ浸透して送られた作動流体とは、小径部119aの外周面に向けて浸透する(矢印B3参照)。
小径部119aの外周面に向けて浸透した作動流体は、発熱体の熱により加熱され気化し、蒸気溝124に沿って進入する(矢印B4参照)。蒸気溝124から流出した気体の作動流体は、蒸気管105へと進入する。

【0019】
ここで、小径部119aの外周面では、気化された作動流体が蒸気管105へと移動することに伴い、小径部119aに浸透した液体の作動流体が、小径部119aの外周面に向けて移動する。そして、外周面に浸透した液体の作動流体は、加熱され蒸気管105へと移動する。このようにして、小径部119aの外周面において作動流体の流れが途切ることなく、上記のサイクルを繰り返しながら、発熱体において発生した熱を蒸発器101から凝縮器107へ輸送する。

【0020】
ここで、液溜め部111内の作動流体が大径部119bに浸透する際に、作動流体の表面張力によって、大径部119b内を上昇する(図2における上方向)。このとき、大径部119bの内周面に形成された液溝121が存在することにより、作動流体の浸透がより安定して行われる。すなわち、作動流体の表面張力によって、液溝121に沿って作動流体が上昇する。したがって、液溝121が存在しない場合と比較して、大径部119bにおいて作動流体が浸透し得る領域を増やすことができる。言い換えると、液溝121が存在しない場合と比較して、大径部119bのより多くの部分を、作動流体の浸透に活用することができる。
このことにより、蒸発器本体103内へ向けて浸透によって進入する作動流体の量を増加することができる。結果として、冷却のために必要な量の作動流体を蒸発器本体103内部に安定して供給することが可能となる。

【0021】
同様の理由により、液溜め部111から蒸発器本体103内に直接流入した作動流体が、小径部119aに浸透される際に、蒸発器本体103の内周面に形成された液溝121が存在することにより、作動流体の浸透がより安定して行われる。
なお、以上の構成により、ループ型ヒートパイプ100を備える電子機器が配置された際に、重力環境で蒸発器本体103の下方に液溜め部111が配置された場合であっても、作動流体の液輸送が安定して行われる。

【0022】
<圧力損失>
従来のループヒートパイプ100の全体の圧力損失ΔPtotは、以下に示す式(1)の関係で表わされる。

【0023】
【数1】
JP0005636803B2_000002t.gif

【0024】
ここで、ΔPgroove、ΔPvap、ΔPcon、ΔPliq、ΔPはそれぞれ、蒸気溝124、蒸気管105、凝縮器107、液管109、ウィック119内を流体が通過する際の摩擦圧力損失である。また、ΔPは重力による静止圧力損失である。
そして、ループ型ヒートパイプ100の動作が可能なのは,ウィック119内に生成できる最大毛細管圧力

【0025】
【数2】
JP0005636803B2_000003t.gif

が式(1)より大きい場合である。
そして、本実施の形態においては、液溜め部111内のウィック119である大径部119bによる圧力損失が加わるため、全体の圧力損失は以下に示す式(3)の関係で表わされる。

【0026】
【数3】
JP0005636803B2_000004t.gif

ここで、ΔP2wは大径部119bから小径部119aまで作動流体が輸送される際の摩擦圧力損失で、ΔP2wの圧力損失増大分により,最大熱輸送能力が低下する。
そして、ΔP2wは、以下に示す式(4)の関係で表わされる。

【0027】
【数4】
JP0005636803B2_000005t.gif

ここで、v、mはそれぞれ作動流体の動粘性係数、質量流量である。また、Π、A、Lはそれぞれ大径部119bのガス浸透率、断面積、及び長さであり、Π2w、A2w、L2wは小径部119aのガス浸透率、断面積、及び長さである。さらに、ガス浸透率は、以下に示す式(5)という実験式で表わされることが多い。

【0028】
【数5】
JP0005636803B2_000006t.gif

ここで、dはウィック119の細孔直径、Φは空隙率である。
そして、本発明は、以下に示す式(6)が成立する範囲であることが好ましい。

【0029】
【数6】
JP0005636803B2_000007t.gif

【0030】
<代替例>
次に、図3乃至図5を用いて、本実施の形態の代替例を示す。ここで、図3は、他の実施形態に係る蒸発器101を示す概略構成図であり、図4は、蒸発器101に形成される液溝121の他の態様を説明するための説明図であり、図4(a)は円形状の液溝121a、図4(b)はらせん状の液溝121b、図4(c)は円弧状の液溝121cをそれぞれ示す。図5は、蒸発器101の液溝121の代替例を説明するための説明図であり、図5(a)はスプリング123を用いた態様、図5(b)は図5(a)の円で示した部分を拡大した拡大図であり、図5(c)は不織布125を用いた態様、図5(d)は図5(c)のV-V面で切断した断面図をそれぞれ示す。

【0031】
まず、図3に示すように、ウィック119を特性が異なる2つ以上の材料から構成してもよい。例えば、小径部119aと大径部119bとを異なる材料によって形成してもよい。具体的には、小径部119aを多孔質金属によって形成し、大径部119bを多孔質樹脂によって形成してもよい。あるいは小径部119aと、大径部119bとを、それぞれ製造方法が異なる多孔質金属によって形成してもよい。
特性の異なる材料を用いることによって、例えば、大径部119bの熱伝導率を、小径部119aの熱伝導率よりも、低くすることができる。これにより、図示しない発熱体から液溜め部111内へ熱が伝わることを低減できる。結果として、ループ型ヒートパイプ100全体の作動温度を低減することにより、ループ型ヒートパイプ100の冷却効率が向上する。
また、大径部119bの実効空孔径を、小径部119aの実効空孔径よりも大きくなるよう形成してもよい。例えば、小径部119aの実効空孔径を0.1~10μmとするのに対し、大径部119bの実効空孔径を1~20μmとする。好ましくは、小径部119aの実効空孔径を5~10μmとするのに対し、大径部119bの実効空孔径を10~20μとする。ここで、大径部119bの実効空孔径が、小径部119aの実効空孔径よりも大きくてもよい理由としては、例えば以下のものがあげられる。すなわち、ウィック119の大径部119bは、上述のように作動流体を大径部119bから小径部119aまで浸透させる。一方、ウィック119の小径部119aは、作動流体を外周面に向けて浸透させ発熱体の熱により気化させる。したがって、小径部119aと比較して、大径部119bは大きな毛細管力を必要としない。さらに、仮に小径部119aと比較して、大径部119bにより大きな毛細管力を持たせると、対向して流れてくる蒸気との摩擦損失により、液供給が妨げられる場合がある。

【0032】
さて、液溝121は、ウィック119の内周面に沿う円形状の液溝121が、軸方向に複数形成されている(図4(a)の121a参照)ことを説明したが、これに限定されない。例えば、図4(b)に示すように、ウィック119の内周面に沿ってらせん状に形成されたらせん状の液溝121bや、図4(c)に示すように、ウィック119の内周面に沿って形成された円弧状の液溝121cであってもよい。
円弧状の液溝121cの場合、ウィック119の内周面全体に円弧状の液溝121cが分布していることが望ましい。このことにより、ループ型ヒートパイプ100がいずれの方向に設置された場合であっても液輸送をより安定させることができる。例えば、図4(c)に示す例では、円弧状の液溝121cの切れた箇所が軸方向に揃わないように、円弧状の液溝121cは互いに異なる向きに設けられる。

【0033】
また、図5に示すように、液溝121の代替例として次のような構成であってもよい。
具体的には、図5(a)に示すように、液溝121を細かなスプリング123をウィック119の内周面に沿って配置してもよい。このスプリング123は、ひと巻き部分123aと連続する他のひと巻き部分123bと接して配置されている。このスプリング123は、例えば線径0.3mm~1.5mmの金属からなる部材をコイル状にすることにより構成される。
スプリング123は、次のように作用する。まず、スプリング123のひと巻き部分123aと、隣接する他のひと巻き部分123bとが、スプリング123の内周側に内周空間123cを形成する。そして、この内周空間123cに沿うひと巻き部分123aと他のひと巻き部分123bとに沿って、作動流体が表面張力により上昇し、作動流体とウィック119とが接する面が増加する。すなわち、スプリング123のひと巻き部分123aと、隣接する他のひと巻き部分123bとが、上述の液溝121の代替として作用する。さらに、スプリング123のひと巻き部分123aと、隣接する他のひと巻き部分123bと、ウィック119の内周面とで形成する外周空間123dも、上述の液溝121の代替として作用する。すなわち、この外周空間123dに沿うひと巻き部分123aと他のひと巻き部分123bとに沿って、作動流体が表面張力により上昇し、作動流体とウィック119とが接する面が増加する。

【0034】
さらに、液溝121の代替例として、ウィック119の内周面に沿って設けた不織布等であってもよい。内周面に沿って設けた不織布内を、作動流体が浸透することにより、ウィック119の内周面と作動流体が接する部分が増加する。すなわち、大径部119bにおいて作動流体が浸透し得る領域を増やすことができる。

【0035】
さらにまた、液溝121の代替例として、図5(c)及び(d)に示すように、ウィック119と同軸に設けられた細管131の外周からウィック119の内周に向けて設けられた不織布125を形成してもよい。この直径方向に設けられた不織布125を、作動流体が浸透することにより、小径部119a及び大径部119bにおいて、作動流体の液面から離れた領域にあるウィック119と作動流体が接触することにより、作動流体が浸透し得る領域を増やすことができる。

【0036】
さらにまた、液溜め部111の後端から蒸発器本体103の内部にかけて存在し、作動流体を蒸発器本体103の内部に直接送り込むためのべイオネット管が設けられてもよい。ベイオネット管を設けることにより、ベイオネット管が蒸発器本体103に直接作動流体を供給することにより、蒸発器本体103内に確実に作動流体が存在することになるためさらに安定して作動流体を循環させることが可能となる。なお、上述の図5(b)及び(c)に示す態様においては、細管131をベイオネット管としてもよい。

【0037】
さて、上述の実施形態においては、蒸気溝124が蒸発器本体103に形成されることを説明したがこれに限定されない。例えば、蒸発器本体103の内周ではなく、ウィック109の外周に蒸気溝124が設けられてもよい。あるいは、蒸発器本体103の内周及びウィック109の外周の両者に設けられてもよい。

【0038】
また、上述の実施形態においては、ウィック119の小径部119aの外周面と蒸発器本体103の内周面とが直接接触する構成を用いて説明したが、これに限定されない。例えば、別部材として構成される他のウィックを、ウィック119と蒸発器本体103との間に設けてもよい。具体的には、他のウィックの内周面が、小径部119aの外周面に沿って接触して設けられ、他のウィックの外周面が蒸発器本体103の内周面と接触して設けられる。すなわち、二重のウィックを設ける構成であってもよい。

【0039】
上述の各構成を採用することによって、液相の作動流体が小径部119aに存在する可能性を高め、小径部119aが濡れた状態を維持ことができる。したがって、ループ型ヒートパイプ100の起動および動作が安定する。このことは、微小重力環境においても同様であり、上述の各構成を採用することによってループ型ヒートパイプ100の起動および動作が安定する。

【0040】
<第2の実施形態>
<蒸発器101の構成>
さて、二重にウィックを設ける構成としては、次のような実施形態がある。以下で、図6及び図7を用いて第2の実施形態について説明をする。
ここで、図6は、第2の実施形態に係る蒸発器101を示す概略構成図であり、図6(a)は、第2の実施形態に係る蒸発器101の軸方向における断面図を示し、図6(b)は、後述する支持部材(133、135)を取り除いた蒸発器101の軸方向における断面図である。また、図7は、他の態様に係る蒸発器101を説明するための説明図であり、図7(a)は、後述する外周ウィック129の代替例を示し、図7(b)は、支持部材(133、135)の代替例を示す。

【0041】
まず、上述の図1及び図2に示す実施の形態と、図6及び図7に示す実施の形態との主な違いについて説明すると、次のようになる。
図1及び図2に示す実施形態においては、蒸発器本体103と液溜め部111との内周面に接触して挿入されるウィック119を説明した。これに対して、図6及び図7に示す実施形態においては、二重に設けられたウィック(図6の129、139参照)を設ける構成である。具体的には、蒸発器本体103の内部に接触して挿入される外周ウィック129と、外周ウィック129の内部に接触して設けられる内周ウィック139とを有する。また、内周ウィック139の内部には、内周ウィック139を支持する第1スプリング133と第2スプリング135とを有する。

【0042】
ここで、外周ウィック129は、中空管状の多孔質金属である。そして外周ウィック129の一方の端部、すなわち前端129cは閉塞され、外周ウィック129の他方の端部、すなわち後端129dは開放されている。外周ウィック129は、蒸発器本体103の内部に存在し、蒸発器本体103の内周面に沿って接触して設けられる。なお、外周ウィック129は、通常のヒートパイプで用いられるように、硬質の材質によって構成されている。本実施の形態における外周ウィック129は、多孔質繊維を円筒形に積層して形成される。この多孔質繊維の実効空孔径は、0.1~10μmである。また、この多孔質繊維の空孔率は25%~70%である。

【0043】
内周ウィック139は、中空管状の多孔質樹脂からなり、柔軟で可撓性を有する部材として形成される。内周ウィック139の部材としては、例えばファブリック、不織布、シート状の部材などがある。そして内周ウィック139の両端部(図6の129c及び129d参照)は開放されている。また、内周ウィック139は、液溜め部111の内部から蒸発器本体103の内部にかけて存在し、液溜め部111の内周面及び外周ウィック129の内周面とそれぞれ接触して設けられる。
さらに、この内周ウィック139は、径方向に変形可能である。具体的には、内周ウィック139の直径方向に拡大または縮小することが可能である。なお、本実施の形態においては、内周ウィック139は、内周ウィック139の直径方向に縮小することが可能である。ここで、直径方向の縮小には、円周方向の形状(この例では、円形)を維持したまま、直径方向で縮小することだけでなく、円周方向の形状を変化させ、例えば一部を折りたたむことによって、直径方向で縮小することを含む。本実施例における内周ウィック139は、多孔質繊維を不織布状にすることで形成される。具体的には、内周ウィック139は、多孔質繊維を円筒形に積層して形成される。この多孔質繊維の実効空孔径は、0.1~10μm以下である。また、内周ウィック139の空孔率は25%~70%である。なお、内周ウィック139として、熱伝導率が低い材質を用いると、蒸発器本体103から液溜め部111への熱リークを低減することができる。熱リークを低減する場合、例えば一般的に金属よりも非金属の方が、熱伝導率が低いためより好ましい。

【0044】
第1スプリング133は、コイルばね状の部材である。第1スプリング133は、例えば金属や樹脂からなる。そして、第1スプリング133は、蒸発器本体103の内部であって、外周ウィック129の内周面との間に内周ウィック139を挟むよう配置される。すなわち、第1スプリング133は、外周ウィック129の内周面に内周ウィック139を押しつけるよう支持する。この第1スプリング133は、例えば線径0.3mm~1.5mmの金属からなる部材をコイル状にすることにより構成される。そして、第1スプリング133の連続するひと巻き部分の距離、すなわちピッチは、例えば0.3~5mmとなる。好ましくは、第1スプリング133のピッチは、線径の2倍程度となる。

【0045】
第2スプリング135は、コイルばね状の部材である。第2スプリング135は、例えば金属や樹脂からなる。そして、第2スプリング135は、液溜め部111の内部であって、液溜め部111の内周面との間に内周ウィック139を挟むよう配置される。すなわち、第2スプリング135は、液溜め部111の内周面に内周ウィック139を押しつけるよう支持する。この第2スプリング135は、例えば線径0.3mm~1.5mmの金属からなる部材をコイル状にすることにより構成される。そして、第2スプリング135の連続するひと巻き部分の距離、すなわちピッチは、例えば3~15mmとなる。好ましくは、第2スプリング135のピッチは、線径の10倍程度となる。

【0046】
ここで、第1スプリング133と第2スプリング135とを比較すると、まず、第1スプリング133のコイルの外径は、第2スプリング133のコイルの外径よりも小さい。
さらに、第1スプリング133のピッチは、第2スプリング133のピッチよりも小さい。すなわち、第1スプリング133が軸方向の単位長さ当たりに内周ウィック139と接触する部分の個数は、第2スプリング135が軸方向の単位長さ当たりに内周ウィック139と接触する部分の個数よりも大きい。
この構成は以下の理由による。まず、蒸発器本体103の内部において、外周ウィック129と内周ウィック139とが接触する部分においては、後述するように内周ウィック139から外周ウィック129に作動流体の浸透が行われる。それに対して、液溜め部111の内部において、液溜め部111と内周ウィック139とが接触する部分においては、外周側にウィックが存在しないため、内周ウィック139から液溜め部111に作動流体の浸透は行われない。
したがって、蒸発器本体103の内部において、外周ウィック129と内周ウィック139とが接触する部分は、十分に接触している必要がある。一方、液溜め部111の内部において、液溜め部111と内周ウィック139とが接触する部分隙間があっても良い。このことから、第2スプリング135は第1スプリング133よりもピッチが大きい。

【0047】
<蒸発器101の動作>
図6に示す蒸発器101内での作動流体の動きは、上述の図2に示す蒸発器101内での作動流体の動きと概略は同様である。すなわち、作動流体はまず液溜め部111に供給され、液溜め部111内に保留される。そして、重力下で液溜め部111の下方に保留された作動流体は、蒸発器本体103内へ直接流入することに加え、ウィック119を介することによっても蒸発器本体103へ送られる。

【0048】
ここで、液溜め部111に保留された作動流体は、液溜め部111内に備えられた内周ウィック139に浸透される。そして、液溜め部111内に備えられた部分から蒸発器本体103内に備えられた部分に向けて内周ウィック139内を浸透することによって送られる(矢印D1参照)。
さて、蒸発器本体103内へ直接流入した作動流体は、内周ウィック139の蒸発器本体103内に備えられた部分に浸透される(矢印D2参照)。
そして、蒸発器本体103内から浸透した作動流体と、内周ウィック139の液溜め部111内に備えられた部分を介して浸透した作動流体とは、内周ウィック139と直径方向に連続して設けられた外周ウィック129に向けて浸透する(矢印D3参照)。そして、外周ウィック129の外周面に向けて浸透した作動流体は、発熱体の熱により加熱され気化し、蒸気溝124に沿って送られる(矢印D4参照)。

【0049】
<代替例>
ここで、外周ウィック129は、一定形状を維持する硬質の構成として説明したがこれに限定されない。図7(a)に示すように、例えば、外周ウィック129は、内周ウィック139と同様に径方向に変形可能であってもよい。この外周ウィック129は、中空管状の多孔質樹脂からなるファブリック状あるいはシート状の部材で形成される。このような構成を採用することにより、外周ウィック129の設置が容易になる。
また、外周ウィック129を径方向に変形可能とする場合、図7(a)に示すように、蒸発器101にくびれ部141を設けることが可能である。このくびれ部141を設けることで、発熱体(図示せず)から液溜め部111内への伝熱が低減できる。
なお、図7(a)に示すように、外周ウィック129の後端にシール部材137を設けることによって、蒸気溝124内に存在する気化された作動流体が液溜め部111内へ移動すること防止する。さらに、温度が上昇した作動流体が液溜め部111に流入することによって、液溜め部111内への伝熱が低減できる。

【0050】
さて、上述の内周ウィック139を支持する部材として、第1スプリング133と第2スプリング135とを用いて説明したが、これに限定されない。第1スプリング133及び第2スプリング135は、外周ウィック129及び液溜め部111それぞれの内周面に内周ウィック139を押しつけるよう支持する部材であればよい。例えば、図7(b)に示すように、傘骨状の部材(143、145)でもよい。この傘骨状の部材145は、内周ウィック139と同軸に配置された軸部143a、145aと、この軸部145から径方向外側、すなわち内周ウィック139の内周面に向けて伸びる支持部143b、145bとからなる。そして、この支持部143b、145bは径方向外側に向かうに従い、内周ウィック139の後端側へ向かうように構成されている。支持部143b、145bが、内周ウィックの後端側へ向かうように構成されていることによって、支持部143b、145bが内周ウィック139を支持する面積が増加し、内周ウィック139を確実に支持することができる。なお、液溜め部111内の支持部145b間のピッチは、蒸発器本体103内の支持部143b間のピッチよりも大きい。

【0051】
また、上述の実施形態においては、第1スプリング133と第2スプリング135とが別体の構成として説明したが、これに限定されない。例えば、第1スプリング133と第2スプリング135とが一体として構成されてもよい。
また、傘骨状の部材143、145に関しても別体の構成として説明したが、これに限定されず、一体として構成してもよい。

【0052】
さらに、図6及び7に示す実施の形態においても、液溜め部111の後端から蒸発器本体103の内部にかけて存在し、作動流体を蒸発器本体103の内部に送り込むためのべイオネット管が設けられてもよい。

【0053】
上述の各構成を採用することによって、液相の作動流体が外周ウィック129に存在する可能性を高め、外周ウィック129が濡れた状態を維持ことができる。したがって、ループ型ヒートパイプ100の起動および動作が安定する。このことは、微小重力環境においても同様であり、上述の各構成を採用することによってループ型ヒートパイプ100の起動および動作が安定する。
【符号の説明】
【0054】
100…ループ型ヒートパイプ、101…蒸発器、105…蒸気管、107…凝縮器、109…液菅、119…ウィック、121…液溝、129…外周ウィック、139…内周ウィック
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6