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明細書 :自己組織化酸化物ナノ粒子を用いたナノインプリント用モールドおよびその製造方法、ならびに当該モールドを用いた転写方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2015-085549 (P2015-085549A)
公開日 平成27年5月7日(2015.5.7)
発明の名称または考案の名称 自己組織化酸化物ナノ粒子を用いたナノインプリント用モールドおよびその製造方法、ならびに当該モールドを用いた転写方法
国際特許分類 B29C  59/02        (2006.01)
H01L  21/027       (2006.01)
B29C  33/38        (2006.01)
FI B29C 59/02 ZNMB
H01L 21/30 502D
B29C 33/38
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 7
出願番号 特願2013-223852 (P2013-223852)
出願日 平成25年10月29日(2013.10.29)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第2項適用申請有り
発明者または考案者 【氏名】廣芝 伸哉
【氏名】市川 洋
出願人 【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
審査請求 未請求
テーマコード 4F202
4F209
5F146
Fターム 4F202AA36
4F202AA44
4F202AF01
4F202AG05
4F202AH63
4F202AJ02
4F202AJ09
4F202AR06
4F202CA19
4F202CB01
4F202CB29
4F202CD24
4F202CK12
4F209AA36
4F209AA44
4F209AF01
4F209AG05
4F209AH63
4F209AH73
4F209AJ02
4F209AJ09
4F209PA02
4F209PB01
4F209PN09
4F209PQ11
5F146AA28
5F146AA31
5F146AA32
要約 【課題】簡便、安価、かつ微細パターンを有するナノインプリント用モールドおよびその製造方法、ならびに当該モールドを用いた転写方法を提供する
【解決手段】自己組織化で形成され、モールドの凸部表面の少なくとも一部が酸化物であるナノインプリント用モールド。有機金属化合物を含む有機溶液を基板上に塗布し、乾燥させ、さらに600℃~900℃、大気中にて焼成し、さらにリアクティブイオンエッチングを行い、ナノインプリント用モールドを製造する。このナノインプリント用モールドを用いて、硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂にパターンを転写する。
【選択図】図4
特許請求の範囲 【請求項1】
自己組織化で形成され、モールドの凸部表面の少なくとも一部が酸化物であるナノインプリント用モールド。
【請求項2】
前記酸化物が酸化タングステンである請求項1に記載のナノインプリント用モールド。
【請求項3】
有機金属化合物を含む有機溶液を基板上に塗布し、乾燥し、さらに600℃~900℃、大気中にて焼成することにより得られるナノインプリント用モールドの製造方法。
【請求項4】
焼成の後に、リアクティブイオンエッチングを行う請求項3に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
【請求項5】
請求項3または4に記載の製造方法で得られたナノインプリント用モールドを用いて、熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂に当該モールドに形成されたパターンを転写する転写方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は光学デバイスあるいはバイオデバイス等に用いられる精密転写用モールドに関する。
【背景技術】
【0002】
微細パターンを形成する手段として、光リソグラフィ、電子ビーム、あるいはイオンビーム等があるが、それらは設備投資が高額となるため、LSIあるいはディスプレイ等の応用に限定される。一方、ナノインプリント法は、微細構造の形成プロセスが単純であるため、低コストのプロセスとして種々の分野への適用が期待されている。ナノインプリント法は、形成すべきパターンと等倍のパターンを有するモールド(鋳型)を予め用意して、モールドのパターンを被加工基板上に形成された樹脂膜に直接押し付けることにより、樹脂膜にパターンを転写する技術である。離型時には転写されたパターンが維持されるように固化していることが必要であり、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂等が使用され、ナノメートルからマイクロメートルの構造を簡便、低コストでできる特徴がある(特許文献1参照)。
【0003】
前述のように、ナノインプリント法は、転写という点において、簡便かつ低コストの技術である。一方、例えば200nm以下のパターンを有するナノインプリント用のモールドを作製するにはEBリソグラフィや液浸フォトリソグラフィが利用されるが、これらの方法は大面積化が難しく非常にコストがかかる。このようなリソグラフィ技術を用いず、特許文献2のようにポリマーの自己組織化を用いてモールド作製を試みられているが、一般にポリマーはRIE (反応性イオンエッチング)に対するエッチング耐性が低く、高いアスペクト比のパターンが得られにくい。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2000-194142号公報
【特許文献2】特開2010-076211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、簡便、安価、かつ微細パターンを有するナノインプリント用モールドおよびその製造方法、ならびに当該モールドを用いた転写方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、自己組織化により基板表面に形成される酸化物ナノ粒子を利用することを
想到して、上記課題を解決しうることを見出した。すなわち、本発明によれば、以下のナノインプリント用モールドおよびその製造方法、ならびに当該モールドを用いた転写方法を提供する。
【0007】
[1]自己組織化で形成され、モールドの凸部表面の少なくとも一部が酸化物であるナノインプリント用モールド。
【0008】
[2]前記酸化物が酸化タングステンである前記[1]に記載のナノインプリント用モールド。
【0009】
[3]有機金属化合物を含む有機溶液を基板上に塗布し、乾燥し、さらに600℃~900℃、大気中にて焼成することにより得られるナノインプリント用モールドの製造方法。
【0010】
[4]焼成の後に、リアクティブイオンエッチングを行う前記[3]に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
【0011】
[5]前記[3]または[4]に記載の製造方法で得られたナノインプリント用モールドを用いて、熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂に当該モールドに形成されたパターンを転写する転写方法。

【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のナノインプリント用モールドの製造工程を概念的に示す図である。
【図2】焼成温度を変えて形成された、石英基板上のタングステン酸化物のナノ粒子をSEMで観察した様子を示す図である。
【図3】本発明のナノインプリント用モールドを用いて熱硬化性樹脂に転写(熱ナノインプリント)を行う工程を概念的に示す図である。
【図4】本発明のナノインプリント用モールドのパターン(図4(a))、および当該モールドを用いてレジストに転写したパターン(図4(b))を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。

【0014】
本発明のナノインプリントモールドは、少なくともモールド表面が酸化物を含んでいる
ことが好ましく、より具体的には、モールドの凸部表面の少なくとも一部が酸化物であることが好ましい。酸化物として酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化クロム、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属の酸化物が好ましい。また、凸部が当該酸化物のみで形成されるよりも、凸部酸化物をマスクとして基板がエッチングされ、凸部のアスペクト比が高くなることが好ましい。凸部の径は30nm~300nmが好ましく、アスペクト比(高さ/径)は2以上、5以上がより好ましい。モールド用基板としては二酸化珪素(石英)等が好適に使用される。

【0015】
図1に示すように、石英等の基板に、有機金属化合物の溶液を酢酸ブチル等の有機溶媒で希釈した溶液をスピンコートにより塗布し、70~120℃で乾燥し、厚み200~1000nmの膜を得る。その後600℃~900℃で焼成する。図2に示すように、焼成温度が高くなると凸部の径は大きくなり、径30~300nmの多数の凸部が形成される。その後必要に応じて、反応性リアクティブエッチングにより、凸部酸化物をマスクとして基板のエッチングを行い、より高アスペクト比のモールドが形成される。反応ガスとして、モールド表面の酸化物のエッチング量に比して基板のエッチング量が大きくなる、すなわち選択比の大きなガスが選択される。

【0016】
次に、図3に示すように、モールドを用いて、熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂に当該モールドに形成されたパターンを転写する。
【実施例】
【0017】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されない。
【実施例】
【0018】
(ナノインプリントモールドの作製)
酸化物ナノ粒子を基板上に形成するために、(株)高純度科学から市販されている有機金属分解法(MOD)用の溶剤を用いた。有機タングステン化合物(SYM-WO5)溶液を等量の酢酸-n-ブチルにて希釈した溶液を用いた。スピンコート法を用いて前記溶液を基板上に塗布し(2000rpm、1分間)、引き続きホットプレート上にて120℃、10分間、大気中で乾燥させた。塗布厚は約500nmであった。次にマッフル炉(ISUZU, ACS-C)にて700℃で1時間の焼成を行った。得られたタングステン酸化物ナノ粒子の平均直径は、焼成温度を600℃~900℃の間で制御することで70~300nmに制御できる。さらに、平行平板型の反応性イオンエッチングを圧力5Pa、 反応ガスとしてCF4:O2= 54:17、 出力100Wにて10分間エッチングしたところ、平均直径150nm、高さ500nm程度の高アスペクト比のナノインプリントモールドを得た。
【実施例】
【0019】
(ナノインプリントモールドを用いて熱硬化性樹脂へのパターン転写)
得られたナノインプリントモールドの表面と、当該モールド用いて一般的なポリマーレジストに対し、250kgf/cmの圧力を付与し、140℃で10分間保持して転写したレジスト表面の状態を、それぞれ、図4(a)および図4(b)に示す。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明のモールドはナノインプリントモールドとして利用できる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3