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明細書 :研磨パッド成形金型の製造方法、その方法で製造される研磨パッド成形金型、及びその金型で製造した研磨パッド

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第5154704号 (P5154704)
登録日 平成24年12月14日(2012.12.14)
発行日 平成25年2月27日(2013.2.27)
発明の名称または考案の名称 研磨パッド成形金型の製造方法、その方法で製造される研磨パッド成形金型、及びその金型で製造した研磨パッド
国際特許分類 B24B  37/20        (2012.01)
H01L  21/304       (2006.01)
B29C  33/38        (2006.01)
FI B24B 37/00 C
H01L 21/304 622F
B29C 33/38
請求項の数または発明の数 6
全頁数 15
出願番号 特願2012-147422 (P2012-147422)
出願日 平成24年6月29日(2012.6.29)
審査請求日 平成24年8月27日(2012.8.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000176626
【氏名又は名称】三島光産株式会社
【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
発明者または考案者 【氏名】田代 康典
【氏名】高田 正人
【氏名】中 利明
【氏名】松尾 正昭
【氏名】伊藤 高廣
【氏名】鈴木 恵友
【氏名】木村 景一
【氏名】カチョーンルンルアン パナート
個別代理人の代理人 【識別番号】100090697、【弁理士】、【氏名又は名称】中前 富士男
【識別番号】100176142、【弁理士】、【氏名又は名称】清井 洋平
【識別番号】100127155、【弁理士】、【氏名又は名称】来田 義弘
【識別番号】100163267、【弁理士】、【氏名又は名称】今中 崇之
要約 【課題】平坦加工を高精密かつ高効率に行う研磨パッドを製造する研磨パッド成形金型の製造方法、その方法で製造される研磨パッド成形金型、及びその成形金型で製造した研磨パッドを提供する。
【解決手段】微細凸部12が並んだマイクロパターンAが形成された研磨パッド13の研磨パッド成形金型10の製造方法は、微細凸部12と同一寸法の微細反応凸部を微細凸部12の配置に合わせて基板の一面側に形成して、微細反応凸部が並んだマイクロパターンBを有するポジ型を作製するポジ型作製工程と、ポジ型から微細反応凸部に対応する位置に、微細反応凸部と同一寸法で凹凸関係が反転した微細凹部が並んだマイクロパターンCが形成されたネガ型を作製するネガ型作製工程と、ネガ型18を、マイクロパターンCが形成された面を表側にして基盤17上に密接配置して研磨パッド成形金型10を作製する組立て工程とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
板状の被研磨材の平坦加工を行う際に使用され、一方の表面側に微細凸部が設定された間隔で分散配置されたマイクロパターンAが形成された研磨パッドの製造に使用される研磨パッド成形金型の製造方法であって、
基板の一方の表面側に、反応促進用エネルギー線の照射により化学反応を起こす材料を用いて前記微細凸部の高さに相当する厚さの被加工層を形成し、該被加工層内の位置に応じて照射する前記反応促進用エネルギー線の照射エネルギー量を変化させて、該被加工層内に化学反応により前記微細凸部と同一寸法の微細反応凸部を該微細凸部の配置に合わせて生成させた後、該被加工層から非化学反応領域を除去して、前記基板の一方の表面側に前記微細反応凸部が分散配置されたマイクロパターンBが形成されたポジ型を作製するポジ型作製工程と、
前記ポジ型の前記マイクロパターンBを転写して、前記微細反応凸部に対応する位置に、該微細反応凸部と同一寸法で凹凸関係が反転した微細凹部が分散配置されたマイクロパターンCが形成されたネガ型を作製するネガ型作製工程と、
前記ネガ型を、前記マイクロパターンCが形成された面を表側にして、該ネガ型の側部同士を当接させながら基盤上に並べて固定して前記研磨パッド成形金型を構成する組立て工程とを有することを特徴とする研磨パッド成形金型の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の研磨パッド成形金型の製造方法において、前記基板は平板であり、前記ネガ型は、前記ポジ型の前記マイクロパターンBが形成された面を下地面にしてめっきにより形成された平板状金属部材を有し、前記ネガ型が固定される前記基盤は平板であることを特徴とする研磨パッド成形金型の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の研磨パッド成形金型の製造方法において、前記基板は、可撓性を有する平板であり、前記ネガ型は、前記ポジ型の前記マイクロパターンBが形成された面を半径方向内側にして円弧状に湾曲させ、該マイクロパターンBが形成された面を下地面にしてめっきにより形成された円弧状金属部材を有し、前記ネガ型が固定される前記基盤は、前記円弧状金属部材の半径方向内側の曲率と同一の曲率を有するロールであることを特徴とする研磨パッド成形金型の製造方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の研磨パッド成形金型の製造方法により製造されることを特徴とする研磨パッド成形金型。
【請求項5】
請求項4記載の研磨パッド成形金型を用いて製造されることを特徴とする研磨パッド。
【請求項6】
請求項5記載の研磨パッドにおいて、前記微細凸部の形状は正四角錐であって、底面の1辺の長さは0.1~30μm、隣り合う前記正四角錐間の距離は1~30μmであることを特徴とする研磨パッド。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板等の平坦性が高度に要求される部材の平坦加工を高精密かつ高効率に行う研磨パッドを製造する研磨パッド成形金型の製造方法、その方法で製造される研磨パッド成形金型、及びその金型で製造した研磨パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体基板用の研磨パッドは、例えば、発泡ウレタン樹脂を型枠に流し込み硬化させて発泡ウレタンのブロックを形成し、得られたブロックから所定厚さ(例えば、1mm)の平板を切り出すことにより研磨パッドを製造していた。このため、製造された研磨パッドは高い平坦性を有しておらず、研磨を開始する前に、ダイヤモンド砥石等を用いたドレッシング(コンディショニングともいう)を行って、研磨用パッドに高い平坦性を具備させていた。しかし、ドレッシング後のパッド表面状態が不安定かつ変動し易く、更に、加工後の研磨パッドの表面状態がプロセス間で大きく変動すること等の問題がある。また、ドレッシングにより研磨パッド表面に形成される微細凹凸パターンは、研磨パッド表面上での研磨材を含んだスラリーの保持と、半導体基板の被研磨面への新鮮なスラリーの供給という作用を支配する要因になっているが、ドレッシングによる方法では、研磨パッドの表面に常に一定の微細凹凸パターンを形成することができず、半導体基板に高精密な平坦加工を安定して行うことができないという問題がある。
【0003】
更に、発泡ウレタンであることに起因して研磨パッドの表層部に現れる穴には、研磨中に研磨材や削りかす等が溜まってくるため、半導体基板から生じた削りかすの除去性能が徐々に低下し、これに伴って半導体基板の被研磨面への新鮮なスラリーの供給性能が低下するため、研磨速度が低下するという問題が生じる。このため、研磨パッドの表面を定期的に研削して新しい表面を形成することが行われているが、発泡ウレタン内の空洞はサイズにばらつきが存在すると共に、均一に分散していないため、研磨パッドの表面を研削して新たな表面を形成する度に、表面に現れる穴のサイズ分布や分散状態が変化し、研磨パッドの研磨性能を常に一定に保つことができないという問題もある。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1には、研磨パッドの母体を、スラリーとの親和性に優れた素材からなる無発泡部材で形成し、この母体の表面にフォトリソグラフィ技術を用いて微細凹凸パターンを形成することにより研磨パッドを製造することが開示されている。無発泡部材で研磨パッドを形成するため、研磨中に研磨材や削りかす等が表層部に溜まる虞がなく、研磨パッドの表面の微細凹凸パターンがフォトリソグラフィ技術を用いて形成されているため、常に一定の微細凹凸パターンを形成することができ、研磨パッド表面上でのスラリーの保持性と、半導体基板の被研磨面への新鮮なスラリーの供給性を安定して達成することができる。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特許第4845347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の研磨パッドは、製造する研磨パッド1枚毎に、その表層部にフォトリソグラフィ技術を用いて微細凹凸パターンを形成するので、研磨パッドの生産性が著しく低下するという問題が生じる。また、研磨パッドの製造工程が、研磨パッドの本体を製造する工程と本体の表面に微細凹凸パターンを形成する工程から構成されるため、製造工程が煩雑になり、製造に時間を要すると共に、製造コストが上昇するという問題がある。
【0007】
そこで、半導体基板に使用する単結晶のシリコンウエハの表面にMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)技術を活用して微細凹凸パターンの一例として、逆ピラミッド状(例えば、一辺が7μmの正方形で、深さが4.9μmの正四角錐状)の穴が一定間隔(例えば、5μm)で並んだパターンを形成し、このシリコンウエハを研磨パッドを製造する成形金型として使用することが考えられる。即ち、逆ピラミッド状の穴が並べて形成されたシリコンウエハに樹脂板(例えば、ウレタン樹脂板)を押し当て、加圧しながら加熱して、軟化状態とした樹脂板の表層部の材料の一部を逆ピラミッド状の穴に進入させることにより、樹脂板の表層部にピラミッド状の突出部が一定間隔で並んだ微小凹凸パターンを形成することができる。しかしながら、使用できる単結晶のシリコンウエハの寸法は、半導体基板製造用に供給される単結晶シリコンロッドの寸法に制限されるため、研磨パッドとして要求される寸法の樹脂板には微小凹凸パターンを形成することができないという問題、シリコンウエハは硬く脆いため、繰り返し使用するには耐久性に劣るという問題がある。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、半導体基板等の平坦性が高度に要求される部材の平坦加工を高精密かつ高効率に行う研磨パッドを容易かつ安価に製造することが可能な研磨パッド成形金型の製造方法、その方法で製造される研磨パッド成形金型、及びその金型で製造した研磨パッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的に沿う第1の発明に係る研磨パッド成形金型の製造方法は、板状の被研磨材の平坦加工を行う際に使用され、一方の表面側に微細凸部が設定された間隔で分散配置されたマイクロパターンAが形成された研磨パッドの製造に使用される研磨パッド成形金型の製造方法であって、
基板の一方の表面側に、反応促進用エネルギー線の照射により化学反応を起こす材料を用いて前記微細凸部の高さに相当する厚さの被加工層を形成し、該被加工層内の位置に応じて照射する前記反応促進用エネルギー線の照射エネルギー量を変化させて、該被加工層内に化学反応により前記微細凸部と同一寸法の微細反応凸部を該微細凸部の配置に合わせて生成させた後、該被加工層から非化学反応領域を除去して、前記基板の一方の表面側に前記微細反応凸部が分散配置されたマイクロパターンBが形成されたポジ型を作製するポジ型作製工程と、
前記ポジ型の前記マイクロパターンBを転写して、前記微細反応凸部に対応する位置に、該微細反応凸部と同一寸法で凹凸関係が反転した微細凹部が分散配置されたマイクロパターンCが形成されたネガ型を作製するネガ型作製工程と、
前記ネガ型を、前記マイクロパターンCが形成された面を表側にして、該ネガ型の側部同士を当接させながら基盤上に並べて固定して前記研磨パッド成形金型を構成する組立て工程とを有する。
【0010】
第1の発明に係る研磨パッド成形金型の製造方法において、前記基板は平板であり、前記ネガ型は、前記ポジ型の前記マイクロパターンBが形成された面を下地面にしてめっきにより形成された平板状金属部材を有し、前記ネガ型が固定される前記基盤は平板とすることができる。
【0011】
第1の発明に係る研磨パッド成形金型の製造方法において、前記基板は、可撓性を有する平板であり、前記ネガ型は、前記ポジ型の前記マイクロパターンBが形成された面を半径方向内側にして円弧状に湾曲させ、該マイクロパターンBが形成された面を下地面にしてめっきにより形成された円弧状金属部材を有し、前記ネガ型が固定される前記基盤は、前記円弧状金属部材の半径方向内側の曲率と同一の曲率を有するロールとすることができる。
【0012】
前記目的に沿う第2の発明に係る研磨パッド成形金型は、第1の発明に係る研磨パッド成形金型の製造方法により製造される。
【0013】
前記目的に沿う第3の発明に係る研磨パッドは、第2の発明に係る研磨パッド成形金型を用いて製造される。
【0014】
第3の発明に係る研磨パッドにおいて、前記微細凸部の形状は正四角錐であって、底面の1辺の長さは0.1~30μm、隣り合う前記正四角錐間の距離は1~30μmであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
第1の発明に係る研磨パッド成形金型の製造方法において、微細凸部が並んだマイクロパターンAが形成された研磨パッドを製造する研磨パッド成形金型を製造するには、基板の一方の表面側に、反応促進用エネルギー線の照射により化学反応を起こす材料を用いて被加工層を設け、被加工層内の位置に応じて照射する反応促進用エネルギー線の照射エネルギー量を変化させて被加工層内に化学反応により微細凸部と同一寸法の微細反応凸部を微細凸部と同一配置で形成してポジ型を作製するので、製造しようとする研磨パッドのマイクロパターンAを、ポジ型にマイクロパターンBとして効率的かつ正確に再現することが可能になる。そして、ポジ型から作製したネガ型には、転写によりマイクロパターンAを形成することができるマイクロパターンCが形成されているので、ネガ型を所望の面積を有する基盤上に並べて固定することにより、所望の面積を有する研磨パッドを成形するための研磨パッド成形金型を容易かつ安価に作製することができる。
【0016】
第1の発明に係る研磨パッド成形金型の製造方法において、基板が平板であり、ネガ型が、ポジ型のマイクロパターンBが形成された面を下地面にしてめっきにより形成された平板状金属部材を有する場合、耐久性を有するネガ型を容易かつ安価に作製することができる。そして、ネガ型が固定される基盤が平板である場合、大型の研磨パッドの製造が可能な研磨パッド成形金型を容易かつ安価に製造することができる。
【0017】
第1の発明に係る研磨パッド成形金型の製造方法において、基板が、可撓性を有する平板であり、ネガ型が、ポジ型のマイクロパターンBが形成された面を半径方向内側にして円弧状に湾曲させ、マイクロパターンBが形成された面を下地面にしてめっきにより形成された円弧状金属部材を有する場合、耐久性を有するネガ型を容易かつ安価に作製することができる。そして、ネガ型が固定される基盤が、円弧状金属部材の半径方向内側の曲率と同一の曲率を有するロールである場合、所望の幅を有する長尺(帯状)の研磨パッドの製造が可能な研磨パッド成形金型を容易かつ安価に製造することができる。
【0018】
第2の発明に係る研磨パッド成形金型においては、所望の寸法を有する研磨パッド用の素材の一方の表面側に、微細凸部が設定された間隔で分散配置されたマイクロパターンAを容易かつ効率的に形成することができるので、平坦加工を高精密かつ高効率に行うことが可能な所望寸法の研磨パッドを安価に製造することができる。
【0019】
第3の発明に係る研磨パッドにおいては、研磨パッドの一方の表面側に、微細凸部が設定された間隔で分散配置されたマイクロパターンAが形成されているので、研磨パッドの一方の表面側を用いて被研磨材の研磨を行う場合、研磨パッドは、被研磨材の研磨面に研磨パッドに形成された微細凸部の頂部を介して接触することになって、微細凸部の間の隙間に存在する研磨材を含んだスラリーを、被研磨材の研磨面に効率的に接触させることができる。更に、スラリーを研磨中に連続的に供給すると、供給されたスラリーは微細凸部の隙間を通過していくため、被研磨材の研磨面に常に新鮮なスラリーを接触させることができると共に、研磨時に発生した削りかすをスラリーの流れに混入させて除去することができる。その結果、被研磨材の平坦加工を高精密かつ高効率に行うことができる。
【0020】
第3の発明に係る研磨パッドにおいて、微細凸部の形状が正四角錐であって、底面の1辺の長さが0.1~30μm、隣り合う正四角錐間の距離が1~30μmである場合、隣り合う正四角錐で囲まれた隙間に存在するスラリーを正四角錐の斜面に沿って移動させることができ、被研磨材の研磨面に効率的に新鮮なスラリーを接触させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る研磨パッド成形金型とその金型で製造した研磨パッドの説明図である。
【図2】(A)は同研磨パッドの平面図、(B)は研磨パッドに形成された微細凸部の斜視図である。
【図3】同研磨パッドを用いた研磨時の状況を示す説明図である。
【図4】(A)~(C)は同研磨パッド成形金型の製造方法におけるポジ型作製工程の説明図である。
【図5】(A)~(C)は同研磨パッド成形金型の製造方法におけるネガ型作製工程の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る研磨パッド成形金型とその金型で製造した研磨パッドの説明図である。
【図7】(A)~(C)は同研磨パッド成形金型の製造方法におけるネガ型作製工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の第1の実施の形態に係る研磨パッド成形金型10は、図1、図2(A)、(B)、図3に示すように、板状の被研磨材の一例である半導体基板11(例えば、シリコンウエハ)の平坦加工を行う際に用いられ、一方の表面側(平坦加工時に半導体基板11の被加工面に接触する側)に、例えば、頂部の高さHが0.1~20μmの微細凸部の一例である正四角錐状微細突起12(斜面角度θ=30~80度)を、隣り合う正四角錐状微細突起12の頂部の間隔Dを1.1~60μm、正四角錐状微細突起12の底面の1辺の長さLを0.1~30μm、隣り合う正四角錐状微細突起12の底面間の間隔Gを1~30μmとして並べて配置(分散配置)して構成したマイクロパターンAが形成された研磨パッド13を製造する金型である。以下、詳細に説明する。

【0023】
研磨パッド成形金型10は、研磨パッド13の素材となる塑性加工可能な平板(例えば、熱可塑性樹脂の一例であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)板を加熱して軟化状態にしたもの)を、上下方向から挟んで加圧して、平板の一方側、例えば、上面側にマイクロパターンAを形成する上型14と、平板を載置して支持する下型15とを有している。ここで、上型14は、平板の上面を押圧して、上面側にマイクロパターンAを塑性加工により形成するパターン成形部16と、パターン成形部16を保持する上型本体17とを有している。更に、パターン成形部16は、側部を互いに密接させた状態で上型本体17にそれぞれ配置(固定)され、平板を一体的に押圧してマイクロパターンAを形成する複数のネガ型18を有している。

【0024】
ネガ型18には、微細凹部の一例であり、正四角錐状微細突起12と凹凸関係が反転した形状となって、底部の深さKが0.1~20μmの正四角錐状微細窪み19が、隣り合う正四角錐状微細窪み19の底部の間隔Eを1.1~60μmとして並べて配置して構成されるマイクロパターンC(マイクロパターンAに対して凹凸関係が反転したパターン)が形成されている。また、ネガ型18(パターン成形部16)の表面側(上型14の下面側)に並んで存在している正四角錐状微細窪み19の開口20の1辺の長さMは0.1~30μm、開口20の間隔Jは1~30μmである。

【0025】
以上の構成とすることにより、下型15上に載置された軟化状態の平板に、上方から上型14を押し当てると、平板を構成している素材の一部が、マイクロパターンCを構成する各正四角錐状微細窪み19の開口20から正四角錐状微細窪み19内に進入するので、正四角錐状微細窪み19内を平板を構成している素材の一部で満たした後、上型14を上方に移動させて平板から離すと、平板の上表面側には正四角錐状微細窪み19内に進入した素材から形成された正四角錐状微細突起12が並べて配置されることになり、マイクロパターンAが形成される。そして、マイクロパターンAが形成された平板を冷却して硬化状態にすることで研磨パッド13が得られる。なお、平板に上型14を押し当てた際に、下型15の上面と上型14の下面との距離を一定にすることで、各正四角錐状微細突起12の頂部と研磨パッド13の下面との間の距離を一定値(研磨パッド13の厚みを均一)にすることができると共に、各正四角錐状微細突起12の頂部に接する平面を研磨パッド13の下面に対して平行にすることができる。

【0026】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る研磨パッド成形金型10の製造方法について説明する。
図4(A)~(C)に示すように、研磨パッド成形金型10の製造方法は、基板の一例であるシリコン平板21の一方の表面側に、反応促進用エネルギー線の一例である紫外線の照射により化学反応を起こす材料、例えば紫外線硬化型樹脂を用いて正四角錐状微細突起12の高さに相当する厚さの被加工層22を形成し、被加工層22内の位置に応じて照射する紫外線の照射エネルギー量を変化させて、被加工層22内に化学反応により正四角錐状微細突起12と同一寸法の微細反応凸部の一例である正四角錐状微細突出部23を、マイクロパターンAを構成している正四角錐状微細突起12の配置に合わせて生成させた後、被加工層22から非化学反応領域24を除去して、シリコン平板21の一方の表面側に正四角錐状微細突出部23が分散配置されたマイクロパターンBが形成されたポジ型25を作製するポジ型作製工程を有している。

【0027】
更に、研磨パッド成形金型10の製造方法は、図5(A)~(C)に示すように、ポジ型25のマイクロパターンBを転写して、正四角錐状微細突出部23に対応する位置に、正四角錐状微細突出部23と同一寸法で凹凸関係が反転した微細凹部の一例である正四角錐状微細窪み19が分散配置されたマイクロパターンCが形成されたネガ型18を作製するネガ型作製工程と、ネガ型18を、マイクロパターンCが形成された面を表側にして、ネガ型18の側部同士を当接させながら基盤の一例である平板からなる上型本体17(例えば、ステンレス鋼板、普通鋼板、合金鋼板、鋳鉄板、アルミニウム等の非鉄金属板等)上に並べて固定して研磨パッド成形金型10の上型14を構成する組立て工程とを有している。以下、詳細に説明する。

【0028】
図4(A)に示すシリコン平板21上に形成した被加工層22内の位置に応じて照射する紫外線の照射エネルギー量を変化させて、被加工層22内に正四角錐状微細突出部23を生成させる場合、図示しない紫外線源(例えば、紫外線領域の光を発生するレーザ光発生装置)から発生させた紫外線ビーム26を、図4(B)に示すデジタルミラーデバイス(DMD)27で反射して被加工層22内の目的とする位置に照射することにより行う。即ち、DMD27には、任意方向に反射面を傾斜させることが可能なマイクロミラー28が平面上に並べて配置されているので、各マイクロミラー28毎に反射面の傾斜角度を調節することで、紫外線ビーム26を構成している一部の紫外線を、複数のマイクロミラー28で反射させて被加工層22内の複数の所定位置をそれぞれ焦点として同時に入射させることができると共に、紫外線ビーム26を構成している残部の紫外線を、他のマイクロミラー28を用いて被加工層22の外部に向けて反射することができる。そして、紫外線の照射時間を調節することで(レーザ光発生装置でのレーザショット数を変えることで)、被加工層22内の所定位置に応じて照射する紫外線の照射エネルギー量を変化させることができる。

【0029】
これにより、被加工層22内に正四角錐状微細突出部23を、マイクロパターンAにおける正四角錐状微細突起12の配置に合わせて、短時間、かつ高い加工精度(例えば、位置決めと寸法の各精度が0.01~1μm)で形成することができる。その結果、図4(B)に示すように、被加工層22は、シリコン平板21上に固着された複数の正四角錐状微細突出部23と、正四角錐状微細突出部23間に存在する非化学反応領域24とで構成されることになる。そして、非化学反応領域24を、薬品(例えば、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシ溶液)、KOH(水酸化カリウム溶液)、EDP(エチレンジアミン・ピロカテコール溶液)等)に溶解させて除去することにより、図4(C)に示すように、シリコン平板21の一方の表面側に正四角錐状微細突出部23が分散配置されたマイクロパターンBが形成されたポジ型25が得られる(以上、ポジ型作製工程)。

【0030】
ポジ型25を用いたネガ型18の作製は、先ず、図5(A)に示すように、ポジ型25のマイクロパターンBが形成された表層上に金属からなる電極層29を、PVD(例えば、蒸着)により、例えば、厚さが0.01~1μmとなるように形成し、次いで、図5(B)に示すように、ポジ型25のマイクロパターンBが形成された表面に沿って形成された電極層29の表面を下地面にして、電気めっきにより平板状金属部材30を所定厚み(例えば、0.1~5mm)に形成する。ここで、電極層29を構成する金属は、ネガ型18を構成する平板状金属部材30との接着性が良好であることが必要である。例えば、紫外線硬化型樹脂としてアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等を使用した場合、電極層29は、例えば、ニッケル、金、銀、銅等で形成することが好ましく、平板状金属部材30は、例えば、ニッケル、コバルト、コバルト-ニッケル合金、ニッケル-リン合金等を使用して形成する。

【0031】
そして、ネガ型18をポジ型25から分離した後、平板状金属部材30の表面(電極層29の反対側の面)側を研磨してネガ型18の厚みを調節する。ここで、ポジ型25上に形成する電極層29には、ポジ型25のマイクロパターンBが転写されるので、ネガ型18には、正四角錐状微細突出部23(正四角錐状微細突起12)と凹凸関係が反転した形状となって、底部の深さKが0.1~20μm、開口20の1辺の長さMが0.1~30μm、開口20の間隔Jが1~30μmの正四角錐状微細窪み19が、隣り合う正四角錐状微細窪み19の底部の間隔Eを1.1~60μmとして並べて配置されており、マイクロパターンCが形成される(以上、ネガ型作製工程)。

【0032】
図5(C)に示すように、ネガ型18から上型14を構成する場合、ネガ型18を、マイクロパターンCが形成された面を表側にして、ネガ型18の側部同士を当接させながら上型本体17の下面上に並べて固定する。ここで、上型本体17にネガ型18を密接させて配置する場合、隣り合うネガ型18の境界を挟んで、隣り合う正四角錐状微細窪み19の底部の間隔E´が、ネガ型18内の隣り合う正四角錐状微細窪み19の底部の間隔Eと同値となるように調整する。これによって、隣り合うネガ型18間で、マイクロパターンCの連続性を確保できる(以上、組立て工程)。

【0033】
続いて、研磨パッド成形金型10を用いて作製した研磨パッド13の作用について説明する。
研磨パッド13は、塑性加工可能な平板を、上型14及び下型15を用いて上下方向から挟んで加圧成形により製造されるので、高い平坦性を備えている。また、研磨パッド13の一面側には、頂部の高さHが0.1~20μm、底面の1辺の長さLが0.1~30μmの正四角錐状微細突起12(斜面角度θ=30~80度)が、隣り合う正四角錐状微細突起12の頂部の間隔Dを1.1~60μm、隣り合う正四角錐状微細突起12の底面間の間隔Gを1~30μmとして並べて配置されたマイクロパターンAが形成されている。このため、従来のように、研磨パッド用の素材から研磨パッドの母材となる平板を切り出し、熟練を要するドレッシング(研磨パッドの平坦性の確保と微細凹凸パターンの形成)を行うという一連の作業が不要になる。その結果、半導体基板11の平坦加工を迅速に行うことができると共に、研磨パッド13の研磨性能を常に一定に保つことができる。

【0034】
そして、研磨パッド13を用いて半導体基板11の平坦加工を行う場合、研磨パッド13は、半導体基板11の被研磨面に研磨パッド13に形成された正四角錐状微細突起12の頂部を介して接触することになって、正四角錐状微細突起12の間の隙間に存在する研磨材を含んだスラリーを、半導体基板11の被研磨面に効率的に接触させることができる。更に、スラリーを研磨中に連続的に供給すると、供給されたスラリーは正四角錐状微細突起12の隙間を通過していくため、半導体基板11の被研磨面に常に新鮮なスラリーを接触させることができると共に、研磨時に発生した削りかすをスラリーの流れに混入させて除去することができる。なお、研磨パッド13を形成している素材には気孔は存在しないので、削りかすが研磨パッド13内に入り込むことが防止できる。その結果、研磨速度を高位に維持しながら、半導体基板11に高精密な平坦加工を安定して効率的に行うことが可能になる。

【0035】
本発明の第2の実施の形態に係る研磨パッド成形金型31は、図6に示すように、板状の被研磨材の一例である半導体基板11(図3参照)の平坦加工を行う際に用いられ、一方側(半導体基板11の被加工面に接触する側)に、頂部の高さHが0.1~20μmの微細凸部の一例である正四角錐状微細突起32(斜面角度θ=30~80度)を、隣り合う正四角錐状微細突起32の頂部の間隔Dを1.1~60μm、正四角錐状微細突起32の底面の1辺の長さLを0.1~30μm、隣り合う正四角錐状微細突起32の底面間の間隔Gを1~30μmとして並べて配置して構成したマイクロパターンAが形成された帯状研磨パッド33を製造する金型である。以下、詳細に説明する。

【0036】
研磨パッド成形金型31は、帯状研磨パッド33の素材となる塑性加工可能な帯板34(例えば、熱可塑性樹脂の一例であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)帯板を加熱して軟化状態にしたもの)を上下方向から挟んで加圧して、帯板34の一方側、例えば、上面側にマイクロパターンAを形成する1対の上、下ロール35、36とを有している。ここで、上、下ロール35、36間には帯状研磨パッド33の厚みに相当する距離の隙間が設けられ、加圧時にはそれぞれ反対方向に回転する。そして、上ロール35は、帯板34の上面を押圧して、上面側にマイクロパターンAを塑性加工により形成するパターン成形部37と、パターン成形部37を保持するロール本体38とを有している。更に、パターン成形部37は、側部を互いに密接させた状態でロール本体38の外周部にそれぞれ配置(固定)され、帯板34を一体的に押圧してマイクロパターンAを形成する複数のネガ型39を有している。

【0037】
ネガ型39には、微細凹部の一例であって、正四角錐状微細突起32と凹凸関係が反転した形状となって、底部の深さKが0.1~20μmの正四角錐状微細窪み40が、隣り合う正四角錐状微細窪み40の底部の間隔Eを1.1~60μmとして並べて配置して構成するマイクロパターンC(マイクロパターンAに対して凹凸関係が反転したパターン)が形成されている。また、ネガ型39(パターン成形部37)の表面側(上ロール35の外周部)に並んで存在している正四角錐状微細窪み40の開口41の1辺の長さMは0.1~30μm、開口41の間隔Jは1~30μmである。

【0038】
以上の構成とすることにより、互いに反対方向に回転している上、下ロール35、36間に挿入された軟化状態の帯板34に、上方から上ロール35を押し当てると、帯板34を構成している素材の一部が、マイクロパターンCを構成している正四角錐状微細窪み40の開口41から正四角錐状微細窪み40内に進入するので、上、下ロール35、36間を通過した帯板34の上表面側には正四角錐状微細窪み40内に進入した素材から形成された正四角錐状微細突起32が並べて配置されることになり、マイクロパターンAが形成される。そして、マイクロパターンAが形成された帯板34(帯状研磨パッド33)を冷却して硬化させた後、所定のサイズに裁断することにより研磨パッド42が得られる。なお、上、下ロール35、36間の隙間の距離を一定にすることで、各正四角錐状微細突起32の頂部と帯状研磨パッド33の下面との間の距離を一定値(従って、研磨パッド42の厚みを均一)にすることができると共に、各正四角錐状微細突起32の頂部に接する平面を帯状研磨パッド33(従って、研磨パッド42)の下面に対して平行にすることができる。

【0039】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る研磨パッド成形金型31の製造方法について説明する。
研磨パッド成形金型31の製造方法は、図7(A)に示すように、基板の一例である可撓性を有する平板43(例えば、シリコーン樹脂製平板、アクリル樹脂製平板、ガラス製平板等)の一方の表面側に、紫外線硬化型樹脂で形成され、正四角錐状微細突起32と同一寸法の微細反応凸部の一例である正四角錐状微細突出部44を、マイクロパターンAを形成している正四角錐状微細突起32の配置に合わせて生成させて、平板43の一方の表面側に正四角錐状微細突出部44が分散配置されたマイクロパターンBを形成した後、マイクロパターンBが形成された面を半径方向内側にして円弧状に湾曲させてポジ型45を作製するポジ型作製工程を有している。ここで、正四角錐状微細突出部44の形成方法は、第1の実施の形態に係る研磨パッド成形金型10の製造方法における正四角錐状微細突出部23の形成方法と同一なので、詳細な説明は省略する。

【0040】
更に、研磨パッド成形金型31の製造方法は、図7(B)、(C)に示すように、ポジ型45のマイクロパターンBを転写して、正四角錐状微細突出部44に対応する位置に、正四角錐状微細突出部44と同一寸法で凹凸関係が反転した微細凹部の一例である正四角錐状微細窪み40が分散配置されたマイクロパターンCが形成されたネガ型39を作製するネガ型作製工程と、ネガ型39を、マイクロパターンCが形成された面を表側にして、ネガ型39の側部同士を当接させながら基盤の一例であるロール本体38(例えば、ステンレス鋼製ロール、普通鋼製ロール、合金鋼製ロール、鋳鉄製ロール、アルミニウム等の非鉄金属製ロール等)上に並べて固定して研磨パッド成形金型31の上ロール35を構成する組立て工程とを有している。以下、詳細に説明する。

【0041】
ポジ型45を用いたネガ型39の作製は、先ず、図7(A)に示すように、ポジ型45のマイクロパターンBが形成された表層上に金属からなる電極層47を、PVD(例えば、蒸着)により形成し、次いで、図7(B)に示すように、ポジ型45のマイクロパターンBが形成されて円弧状に湾曲した面に沿って形成された電極層47の表面を下地面にして、電気めっきにより円弧状金属部材48を所定厚み(例えば、0.1~5mm)に形成する。ここで、電極層47を構成する金属は、正四角錐状微細突出部44を形成している紫外線硬化型樹脂との接着強度が低く、円弧状金属部材48との接着性が良好であることが必要である。例えば、紫外線硬化型樹脂としてアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等を使用した場合、電極層47は、例えば、ニッケル、金、銀、銅等で形成することが好ましく、円弧状金属部材48は、例えば、ニッケル、コバルト、コバルト-ニッケル合金、ニッケル-リン合金等を使用して形成する。

【0042】
そして、ネガ型39をポジ型45から分離した後、円弧状金属部材48の表面(電極層47の反対側の面)側を研磨してネガ型39の厚みを調節する。ここで、ポジ型45上に形成する電極層47には、ポジ型45のマイクロパターンBが転写されるので、ネガ型39には、正四角錐状微細突出部44(正四角錐状微細突起32)と凹凸関係が反転した形状となって、底部の深さKが0.1~20μm、開口41の1辺の長さMが0.1~30μm、開口41の間隔Jが1~30μmの正四角錐状微細窪み40が、隣り合う正四角錐状微細窪み40の底部の間隔Eを1.1~60μmとして並べて配置されており、マイクロパターンCが形成される。

【0043】
そして、図7(C)に示すように、ネガ型39から上ロール35を構成する場合、ネガ型39を、マイクロパターンCが形成された表層を上にして、ネガ型39の側部同士を当接させながらロール本体38の外周部に並べて固定する。ネガ型39が固定されるロール本体38は、円弧状金属部材48の半径方向内側の曲率と同一の曲率を有している。ここで、ロール本体38にネガ型39を密接させて配置する場合、隣り合うネガ型39の境界を挟んで、隣り合う正四角錐状微細窪み40の底部の間隔E´が、ネガ型39内の隣り合う正四角錐状微細窪み40の底部の間隔Eと同値となるように調整する。これによって、隣り合うネガ型39間で、マイクロパターンCの連続性を確保できる。
【実施例】
【0044】
縦100mm、横100mm、厚さ0.3mmのシリコン平板の一方側に、紫外線硬化型樹脂を用いて、作製しようとする研磨パッドに設けるマイクロパターンAの正四角錐状微細突起の高さに相当する厚さの被加工層を形成し、被加工層内の位置に応じて照射する紫外線の照射エネルギー量を変化させて、被加工層内に正四角錐状微細突起と同一寸法の正四角錐状微細突出部を正四角錐状微細突起の配置に合わせて化学反応により生成させた。次いで、被加工層内の非化学反応領域をTMAHに溶解させて除去して、平板の一方側に正四角錐状微細突出部が分散配置されたマイクロパターンBが形成されたポジ型を作製した。
【0045】
次いで、ポジ型のマイクロパターンBが形成された面の上に、蒸着によりニッケルからなる厚さが0.1μmの電極層を形成した後、電気めっきにより厚さが0.5mmのニッケルからなるめっき金属部(平板状金属部材)を形成することにより、縦100mm、横100mm、厚さ0.8mmのサイズでマイクロパターンCが形成されたネガ型を作製した。続いて、作製したネガ型を、マイクロパターンCが形成された面を表側にして、ネガ型の側部同士を当接させながらステンレス鋼製の上型本体の下面上に並べて固定して、縦1000mm、横1000mmのパターン成形部を有する上型を作製した。更に、上型と対となるサイズでステンレス鋼製の下型を作製することにより、研磨パッド成形金型を得た。
【0046】
400℃に加熱して軟化状態となったポリエーテルエーテルケトン板(縦1000mm、横1000mm、厚さ4mm)を研磨パッド成形金型の下型上に載置し、上方から下降させた上型で挟んで加圧し、ポリエーテルエーテルケトン板の上面側にマイクロパターンCを転写することにより、正四角錐状微細突起から構成されるマイクロパターンAが形成された縦1000mm、横1000mm、厚さ3mmの研磨パッドを成形した。
得られた研磨パッドに形成されたマイクロパターンAの正四角錐状微細突起の形状を測定したところ、正四角錐状微細突起の高さは、目標4.94μmに対して4.8~5.1μm、正四角錐状微細突起の底辺の1辺の長さは、目標7μmに対して6.8~7.2μm、正四角錐状微細突起の間隔は、目標5μmに対して4.8~5.2μmであった。
【0047】
得られた研磨パッドを用いて小型研磨機でSiO付のシリコンウエハ(直径20mm)の研磨を行った。研磨は、シリコンウエハの上面に研磨パッドのマイクロパターンAが形成された面を34.5kPaの圧力で自転自在に接触させ、シリコンウエハを、回転速度60rpmで回転させながら、pH11に調整した水酸化カリウム水溶液にシリカ微粒子(研磨材)を12.5mass%分散させたスラリーを100ミリリットル/分で供給しながら行った。このときの研磨レートは60nm/minであった。
【0048】
また、市販の研磨パッドを使用して、同一サイズのシリコンウエハの研磨を同一の研磨条件で行ったところ、研磨レートは50nm/minであり、本発明の研磨パッドとほぼ同等の性能であった。
【0049】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
更に、本実施の形態とその他の実施の形態や変形例にそれぞれ含まれる構成要素を組合わせたものも、本発明に含まれる。
例えば、紫外線硬化型樹脂を用いて被加工層を形成したが、可視光線で硬化を開始するアクリル系樹脂等、赤外線で硬化を開始する光硬化ガラス等、又は電子線で硬化を開始するフッ素系樹脂等を用いて被加工層を形成することができる。更に、紫外線の照射で結合の破壊や、電子線の照射で結合の破壊をするプロセスにより被加工層を形成することもできる。
【符号の説明】
【0050】
10:研磨パッド成形金型、11:半導体基板、12:正四角錐状微細突起、13:研磨パッド、14:上型、15:下型、16:パターン成形部、17:上型本体、18:ネガ型、19:正四角錐状微細窪み、20:開口、21:シリコン平板、22:被加工層、23:正四角錐状微細突出部、24:非化学反応領域、25:ポジ型、26:紫外線ビーム、27:デジタルミラーデバイス(DMD)、28:マイクロミラー、29:電極層、30:平板状金属部材、31:研磨パッド成形金型、32:正四角錐状微細突起、33:帯状研磨パッド、34:帯板、35:上ロール、36:下ロール、37:パターン成形部、38:ロール本体、39:ネガ型、40:正四角錐状微細窪み、41:開口、42:研磨パッド、43:平板、44:正四角錐状微細突出部、45:ポジ型、47:電極層、48:円弧状金属部材
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6