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明細書 :研磨パッド成形金型の製造方法、その方法で製造される研磨パッド成形金型、及びその金型で製造した研磨パッド

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第5154705号 (P5154705)
登録日 平成24年12月14日(2012.12.14)
発行日 平成25年2月27日(2013.2.27)
発明の名称または考案の名称 研磨パッド成形金型の製造方法、その方法で製造される研磨パッド成形金型、及びその金型で製造した研磨パッド
国際特許分類 B24B  37/20        (2012.01)
H01L  21/304       (2006.01)
B29C  33/38        (2006.01)
FI B24B 37/00 C
H01L 21/304 622F
B29C 33/38
請求項の数または発明の数 6
全頁数 17
出願番号 特願2012-147442 (P2012-147442)
出願日 平成24年6月29日(2012.6.29)
審査請求日 平成24年8月27日(2012.8.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000176626
【氏名又は名称】三島光産株式会社
【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
発明者または考案者 【氏名】田代 康典
【氏名】高田 正人
【氏名】中 利明
【氏名】松尾 正昭
【氏名】伊藤 高廣
【氏名】鈴木 恵友
【氏名】木村 景一
【氏名】カチョーンルンルアン パナート
個別代理人の代理人 【識別番号】100090697、【弁理士】、【氏名又は名称】中前 富士男
【識別番号】100176142、【弁理士】、【氏名又は名称】清井 洋平
【識別番号】100127155、【弁理士】、【氏名又は名称】来田 義弘
【識別番号】100163267、【弁理士】、【氏名又は名称】今中 崇之
要約 【課題】平坦加工を高精密かつ高効率に行う研磨パッドの研磨パッド成形金型の製造方法、その方法で製造される研磨パッド成形金型、及びその金型で製造した研磨パッドを提供する。
【解決手段】微細凸部12が並んだマイクロパターンαが形成された研磨パッド13の研磨パッド成形金型10の製造方法は、基板21の一方側に、マイクロパターンαと凹凸関係が反転したマイクロパターンβが形成された親型26を作製する親型作製工程と、親型26を用いて、マイクロパターンγが表層に形成されたポジ子型27を作製するポジ子型作製工程と、ポジ子型27を用いて、マイクロパターンδが表層に形成されたネガ子型18を作製するネガ子型作製工程と、ネガ子型18を、マイクロパターンδが形成された表層を上にして基盤17上に並べて固定して研磨パッド成形金型10を構成する組立て工程とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
板状の被研磨材の平坦加工を行う際に使用され、一方の表面側に微細凸部Pが、設定された間隔で分散配置されたマイクロパターンαが形成された研磨パッドの製造に使用される研磨パッド成形金型の製造方法であって、
単結晶の基板の一方の表面側に、前記マイクロパターンαの前記微細凸部Pの配置に合わせて、該微細凸部Pの底部と同一寸法の孔が形成されたレジストマスクを設け、該レジストマスクを介して前記基板の一方の表面側にエッチングを行って、該基板の一方の表面側に前記微細凸部Pと凹凸関係が反転した微細凹部Qが前記マイクロパターンαの前記微細凸部Pの配置に合わせて分散配置されたマイクロパターンβが形成された親型を作製する親型作製工程と、
前記親型の前記マイクロパターンβを転写して、前記微細凹部Qに対応する位置に、該微細凹部Qと同一寸法で凹凸関係が反転した微細凸部Rが分散配置されたマイクロパターンγが形成されたポジ子型を作製するポジ子型作製工程と、
前記ポジ子型の前記マイクロパターンγを転写して、前記微細凸部Rに対応する位置に、該微細凸部Rと同一寸法で凹凸関係が反転した微細凹部Sが分散配置されたマイクロパターンδが形成されたネガ子型を作製するネガ子型作製工程と、
前記ネガ子型を、前記マイクロパターンδが形成された表層側を表にし、該ネガ子型の側部同士を当接させながら基盤上に並べて固定して前記研磨パッド成形金型を構成する組立て工程とを有することを特徴とする研磨パッド成形金型の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の研磨パッド成形金型の製造方法において、前記ネガ子型は、前記ポジ子型の前記マイクロパターンγが形成された表面側を下地面にしてめっきにより形成された平板状金属部材を有し、前記ネガ子型が固定される前記基盤は平板であることを特徴とする研磨パッド成形金型の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の研磨パッド成形金型の製造方法において、前記ネガ子型は、前記ポジ子型の前記マイクロパターンγが形成された表面側を半径方向内側にして円弧状に湾曲させ、該マイクロパターンγが形成された表面側を下地面にしてめっきにより形成された円弧状金属部材を有し、前記ネガ子型が固定される前記基盤は、前記円弧状金属部材の半径方向内側の曲率と同一の曲率を有するロールであることを特徴とする研磨パッド成形金型の製造方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の研磨パッド成形金型の製造方法により製造されることを特徴とする研磨パッド成形金型。
【請求項5】
請求項4記載の研磨パッド成形金型を用いて製造されることを特徴とする研磨パッド。
【請求項6】
請求項5記載の研磨パッドにおいて、前記基板は、[100]方向に成長した単結晶シリコンのロッドから(100)面を切り出し面として切り出したシリコン平板であって、前記レジストマスクは前記シリコン平板の(100)面に設けられ、前記微細凸部Pは正四角錐状微細突起であって、該正四角錐状微細突起の底面の1辺の長さは0.1~30μm、隣り合う該正四角錐状微細突起間の距離は1~30μmであることを特徴とする研磨パッド。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板等の平坦性が高度に要求される部材の平坦加工を高精密かつ高効率に行う研磨パッドを製造する研磨パッド成形金型の製造方法、その方法で製造される研磨パッド成形金型、及びその金型で製造した研磨パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体基板用の研磨パッドは、例えば、発泡ウレタン樹脂を型枠に流し込み硬化させて発泡ウレタンのブロックを形成し、得られたブロックから所定厚さ(例えば、1mm)の平板を切り出すことにより研磨パッドを製造していた。このため、製造された研磨パッドは高い平坦性を有しておらず、研磨を開始する前に、ダイヤモンド砥石等を用いたドレッシング(コンディショニングともいう)を行って、研磨用パッドに高い平坦性を具備させていた。しかし、ドレッシング後のパッド表面状態が不安定かつ変動し易く、更に、加工後の研磨パッドの表面状態がプロセス間で大きく変動すること等の問題がある。また、ドレッシングにより研磨パッド表面に形成される微細凹凸パターンは、研磨パッド表面上での研磨材を含んだスラリーの保持と、半導体基板の被研磨面への新鮮なスラリーの供給という作用を支配する要因になっているが、ドレッシングによる方法では、研磨パッドの表面に常に一定の微細凹凸パターンを形成することができず、半導体基板に高精密な平坦加工を安定して行うことができないという問題がある。
【0003】
更に、発泡ウレタンであることに起因して研磨パッドの表層部に現れる穴には、研磨中に研磨材や削りかす等が溜まってくるため、半導体基板から生じた削りかすの除去性能が徐々に低下し、これに伴って半導体基板の被研磨面への新鮮なスラリーの供給性能が低下するため、研磨速度が低下するという問題が生じる。このため、研磨パッドの表面を定期的に研削して新しい表面を形成することが行われているが、発泡ウレタン内の空洞はサイズにばらつきが存在すると共に、均一に分散していないため、研磨パッドの表面を研削して新たな表面を形成する度に、表面に現れる穴のサイズ分布や分散状態が変化し、研磨パッドの研磨性能を常に一定に保つことができないという問題もある。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1には、研磨パッドの母体を、スラリーとの親和性に優れた素材からなる無発泡部材で形成し、この母体の表面にフォトリソグラフィ技術を用いて微細凹凸パターンを形成することにより研磨パッドを製造することが開示されている。無発泡部材で研磨パッドを形成するため、研磨中に研磨材や削りかす等が表層部に溜まる虞がなく、研磨パッドの表面の微細凹凸パターンがフォトリソグラフィ技術を用いて形成されているため、常に一定の微細凹凸パターンを形成することができ、研磨パッド表面上でのスラリーの保持性と、半導体基板の被研磨面への新鮮なスラリーの供給性を安定して達成することができる。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特許第4845347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の研磨パッドは、製造する研磨パッド1枚毎に、その表層部にフォトリソグラフィ技術を用いて微細凹凸パターンを形成するので、研磨パッドの生産性が著しく低下するという問題が生じる。また、研磨パッドの製造工程が、研磨パッドの本体を製造する工程と本体の表面に微細凹凸パターンを形成する工程から構成されるため、製造工程が煩雑になり、製造に時間を要すると共に、製造コストが上昇するという問題がある。
【0007】
そこで、半導体基板に使用する単結晶のシリコンウエハの表面にMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)技術を活用して微細凹凸パターンの一例として、逆ピラミッド状(例えば、一辺が7μmの正方形で、深さが4.9μmの正四角錐状)の穴が一定間隔(例えば、5μm)で並んだパターンを形成し、このシリコンウエハを研磨パッドを製造する成形金型として使用することが考えられる。即ち、逆ピラミッド状の穴が並べて形成されたシリコンウエハに樹脂板(例えば、ウレタン樹脂板)を押し当て、加圧しながら加熱して、軟化状態とした樹脂板の表層部の材料の一部を逆ピラミッド状の穴に進入させることにより、樹脂板の表層部にピラミッド状の突出部が一定間隔で並んだ微小凹凸パターンを形成することができる。しかしながら、使用できる単結晶のシリコンウエハの寸法は、半導体基板製造用に供給される単結晶シリコンロッドの寸法に制限されるため、研磨パッドとして要求される寸法の樹脂板には微小凹凸パターンを形成することができないという問題、シリコンウエハは硬く脆いため、繰り返し使用するには耐久性に劣るという問題がある。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、半導体基板等の平坦性が高度に要求される部材の平坦加工を高精密かつ高効率に行う研磨パッドを容易かつ安価に製造することが可能な研磨パッド成形金型の製造方法、その方法で製造される研磨パッド成形金型、及びその金型で製造した研磨パッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的に沿う第1の発明に係る研磨パッド成形金型の製造方法は、板状の被研磨材の平坦加工を行う際に使用され、一方の表面側に微細凸部Pが、設定された間隔で分散配置されたマイクロパターンαが形成された研磨パッドの製造に使用される研磨パッド成形金型の製造方法であって、
単結晶の基板の一方の表面側に、前記マイクロパターンαの前記微細凸部Pの配置に合わせて、該微細凸部Pの底部と同一寸法の孔が形成されたレジストマスクを設け、該レジストマスクを介して前記基板の一方の表面側にエッチングを行って、該基板の一方の表面側に前記微細凸部Pと凹凸関係が反転した微細凹部Qが前記マイクロパターンαの前記微細凸部Pの配置に合わせて分散配置されたマイクロパターンβが形成された親型を作製する親型作製工程と、
前記親型の前記マイクロパターンβを転写して、前記微細凹部Qに対応する位置に、該微細凹部Qと同一寸法で凹凸関係が反転した微細凸部Rが分散配置されたマイクロパターンγが形成されたポジ子型を作製するポジ子型作製工程と、
前記ポジ子型の前記マイクロパターンγを転写して、前記微細凸部Rに対応する位置に、該微細凸部Rと同一寸法で凹凸関係が反転した微細凹部Sが分散配置されたマイクロパターンδが形成されたネガ子型を作製するネガ子型作製工程と、
前記ネガ子型を、前記マイクロパターンδが形成された表層側を表にし、該ネガ子型の側部同士を当接させながら基盤上に並べて固定して前記研磨パッド成形金型を構成する組立て工程とを有する。
【0010】
第1の発明に係る研磨パッド成形金型の製造方法において、前記ネガ子型は、前記ポジ子型の前記マイクロパターンγが形成された表面側を下地面にしてめっきにより形成された平板状金属部材を有し、前記ネガ子型が固定される前記基盤は平板とすることができる。
【0011】
第1の発明に係る研磨パッド成形金型の製造方法において、前記ネガ子型は、前記ポジ子型の前記マイクロパターンγが形成された表面側を半径方向内側にして円弧状に湾曲させ、該マイクロパターンγが形成された表面側を下地面にしてめっきにより形成された円弧状金属部材を有し、前記ネガ子型が固定される前記基盤は、前記円弧状金属部材の半径方向内側の曲率と同一の曲率を有するロールとすることができる。
【0012】
前記目的に沿う第2の発明に係る研磨パッド成形金型は、第1の発明に係る研磨パッド成形金型の製造方法により製造される。
【0013】
前記目的に沿う第3の発明に係る研磨パッドは、第2の発明に係る研磨パッド成形金型を用いて製造される。
【0014】
第3の発明に係る研磨パッドにおいて、前記基板は、[100]方向に成長した単結晶シリコンのロッドから(100)面を切り出し面として切り出したシリコン平板であって、前記レジストマスクは前記シリコン平板の(100)面に設けられ、前記微細凸部Pは正四角錐状微細突起であって、該正四角錐状微細突起の底面の1辺の長さは0.1~30μm、隣り合う該正四角錐状微細突起間の距離は1~30μmであることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
第1の発明に係る研磨パッド成形金型の製造方法においては、微細凹部Qは、微細凸部Pの配置に合わせて、微細凸部Pの底部と同一寸法の孔が形成されたレジストマスクを介したエッチングにより形成するので、親型にはマイクロパターンαを正確に反転したマイクロパターンβを形成することができる。そして、親型のマイクロパターンβを転写して作製するポジ子型には、マイクロパターンβが正確に反転したマイクロパターンγ(従って、マイクロパターンαと同一)が形成され、ポジ子型のマイクロパターンγを転写して作製するネガ子型には、マイクロパターンγが正確に反転した正確なマイクロパターンδ(従って、マイクロパターンβと同一)が形成されるので、親型からポジ子型を介して作製した複数のネガ子型を所望の面積を有する基盤上に並べて固定することにより、所望の面積に亘って正確なマイクロパターンδ(マイクロパターンβ)を形成することができる。その結果、所望の面積を有する研磨パッドを成形するための研磨パッド成形金型を容易かつ安価に作製することができる。
【0016】
第1の発明に係る研磨パッド成形金型の製造方法において、ネガ子型が、ポジ子型のマイクロパターンγが形成された表面側を下地面にしてめっきにより形成された平板状金属部材を有する場合、正確なマイクロパターンδを備えた耐久性のあるネガ子型を効率的かつ安価に作製することができる。そして、ネガ子型が固定される基盤が平板である場合、大型の研磨パッドの製造が可能な研磨パッド成形金型を容易かつ安価に製造することができる。
【0017】
第1の発明に係る研磨パッド成形金型の製造方法において、ネガ子型が、ポジ子型のマイクロパターンγが形成された表面側を半径方向内側にして円弧状に湾曲させ、マイクロパターンγが形成された表面側を下地面にしてめっきにより形成された円弧状金属部材を有する場合、正確なマイクロパターンδを備えた耐久性のあるネガ子型を効率的かつ安価に作製することができる。そして、ネガ子型が固定される基盤が、円弧状金属部材の半径方向内側の曲率と同一の曲率を有するロールである場合、所望の幅を有する長尺(帯状)の研磨パッドの製造が可能な研磨パッド成形金型を容易かつ安価に製造することができる。
【0018】
第2の発明に係る研磨パッド成形金型においては、所望の寸法を有する研磨パッド用の素材の一方の表面側に、微細凸部Pが設定された間隔で分散配置されたマイクロパターンαを容易かつ効率的に形成することができるので、平坦加工を高精密かつ高効率に行うことが可能な所望寸法の研磨パッドを安価に製造することができる。
【0019】
第3の発明に係る研磨パッドにおいては、正確なマイクロパターンαを有するので、被研磨材に研磨パッドを押し当てて研磨を行う場合、研磨パッドは、被研磨材の研磨面に研磨パッドに形成された微細凸部Pの頂部を介して接触することになって、微細凸部Pの間の隙間に存在する研磨材を含んだスラリーを、被研磨材の研磨面に効率的に接触させることができる。更に、スラリーを研磨中に連続的に供給すると、供給されたスラリーは微細凸部Pの隙間を通過していくため、被研磨材の研磨面に常に新鮮なスラリーを接触させることができると共に、研磨時に発生した削りかすをスラリーの流れに混入させて除去することができる。その結果、被研磨材の平坦加工を高精密かつ高効率に行うことができる。
【0020】
第3の発明に係る研磨パッドにおいて、基板が、[100]方向に成長した単結晶シリコンのロッドから(100)面を切り出し面として切り出したシリコン平板であって、レジストマスクがシリコン平板の(100)面に設けられ、微細凸部Pは正四角錐状微細突起であって、正四角錐状微細突起の底面の1辺の長さが0.1~30μm、隣り合う正四角錐状微細突起間の距離が1~30μmである場合、隣り合う正四角錐状微細突起で囲まれた隙間に存在するスラリーを正四角錐状微細突起の斜面に沿って移動させることができ、被研磨材の研磨面に効率的に新鮮なスラリーを接触させることができる。その結果、被研磨面全体を均一に研磨することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る研磨パッド成形金型とその金型で製造した研磨パッドの説明図である。
【図2】(A)は研磨パッドの平面図、(B)は研磨パッドに形成された微細凸部の斜視図である。
【図3】研磨パッドを用いた研磨時の状況を示す説明図である。
【図4】(A)、(B)は同研磨パッド成形金型の製造方法における親型作製工程の説明図である。
【図5】(A)~(C)はそれぞれ、同研磨パッド成形金型の製造方法におけるポジ子型作製工程、ネガ子型作製工程、組立て工程の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る研磨パッド成形金型とその金型で製造した研磨パッドの説明図である。
【図7】(A)、(B)は同研磨パッド成形金型の製造方法における親型作製工程の説明図である。
【図8】(A)~(C)はそれぞれ、同研磨パッド成形金型の製造方法におけるポジ子型作製工程、ネガ子型作製工程、組立て工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の第1の実施の形態に係る研磨パッド成形金型10は、図1~図3に示すように、板状の被研磨材の一例である半導体基板11(例えば、シリコンウエハ)の平坦加工を行う際に用いられ、一方の表面側(平坦加工時に半導体基板11の被加工面に接触する側)に、例えば、頂部の高さHが0.1~20μmの微細凸部Pの一例である正四角錐状微細突起12(斜面角度θ=30~80度)を、隣り合う正四角錐状微細突起12の頂部の間隔Dを1.1~60μm、正四角錐状微細突起12の底面の1辺の長さLを0.1~30μm、隣り合う正四角錐状微細突起12の底面間の間隔Gを1~30μmとして並べて配置(分散配置)して構成したマイクロパターンαが形成された研磨パッド13を製造する金型である。以下、詳細に説明する。

【0023】
研磨パッド成形金型10は、研磨パッド13の素材となる塑性加工可能な平板(例えば、熱可塑性樹脂の一例であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)板を加熱して軟化状態にしたもの)を、上下方向から挟んで加圧して、平板の一方側、例えば、上面側にマイクロパターンαを形成する上型14と、平板を載置して支持する下型15とを有している。ここで、上型14は、平板の上面を押圧して、上面側にマイクロパターンαを塑性加工により形成するパターン成形部16と、パターン成形部16を保持する上型本体17とを有している。更に、パターン成形部16は、側部を互いに密接させた状態で上型本体17にそれぞれ配置(固定)され、平板を一体的に押圧してマイクロパターンαを形成する複数のネガ子型18を有している。

【0024】
各ネガ子型18には、微細凹部Sの一例であり、正四角錐状微細突起12と凹凸関係が反転した形状となって、底部の深さKが0.1~20μmの正四角錐状微細窪み19が、隣り合う正四角錐状微細窪み19の底部の間隔Eを1.1~60μmとして並べて配置して構成されるマイクロパターンδ(マイクロパターンαに対して凹凸関係が反転したパターン)が形成されている。また、ネガ子型18(パターン成形部16)の表面側(上型14の下面側)に並んで存在している正四角錐状微細窪み19の開口20の1辺の長さMは0.1~30μm、開口20の間隔Jは1~30μmである。

【0025】
以上の構成とすることにより、下型15上に載置された軟化状態の平板に、上方から上型14を押し当てると、平板を構成している素材の一部が、マイクロパターンδを構成する各正四角錐状微細窪み19の開口20から正四角錐状微細窪み19内に進入するので、正四角錐状微細窪み19内を平板を構成している素材の一部で満たした後、上型14を上方に移動させて平板から離すと、平板の上表面側には正四角錐状微細窪み19内に進入した素材から形成された正四角錐状微細突起12が並べて配置されることになり、マイクロパターンαが形成される。そして、マイクロパターンαが形成された平板を冷却して硬化状態にすることで研磨パッド13が得られる。
なお、平板に上型14を押し当てた際に、下型15の上面と上型14の下面との距離を一定にすることで、各正四角錐状微細突起12の頂部と研磨パッド13の下面との間の距離を一定値(研磨パッド13の厚みを均一)にすることができる。これによって、半導体基板11と研磨パッド13を接触させた際、研磨パッド13の下面に対して半導体基板11の研磨パッド13との接触面を平行にすることができる。

【0026】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る研磨パッド成形金型10の製造方法について説明する。
図4(A)、(B)に示すように、研磨パッド成形金型10の製造方法は、単結晶の基板、例えば、[100]方向に成長した単結晶シリコンのロッドから(100)面を切り出し面として切り出したシリコン平板21の一方側に、マイクロパターンαの正四角錐状微細突起12の底面に対応する領域に底面と同一サイズの正方形状の孔22が形成されたレジストマスク23を設け、レジストマスク23を介して、シリコン平板21の結晶面毎に決まる除去加工速度の差を利用したエッチングを行って、微細凹部Qの一例であり、正四角錐状微細突起12と凹凸関係が反転した、底部の深さが0.1~20μmのエッチピットからなる正四角錐状微細窪み24(斜面角度φが30~80度)が、隣り合う正四角錐状微細窪み24の底部の間隔Eを1.1~60μm、正四角錐状微細窪み24の開口25の1辺の長さMを0.1~30μm、開口25の間隔Jを1~30μmとして並んで、マイクロパターンαと凹凸関係が反転したマイクロパターンβが形成された親型26を作製する親型作製工程を有している。マイクロパターンβでは、マイクロパターンαの正四角錐状微細突起12の配置に合わせて、正四角錐状微細窪み24が分配配置されている。

【0027】
また、研磨パッド成形金型10の製造方法は、図5(A)~(C)に示すように、親型26を用いて成形され、マイクロパターンβが転写されて(マイクロパターンβと凹凸関係が反転して)微細凸部Rの一例である正四角錐状微細突起29が分散配置されたマイクロパターンγが一方の表層に形成された平板状の樹脂部材からなるポジ子型27を作製するポジ子型作製工程を有している。更に、研磨パッド成形金型10の製造方法は、ポジ子型27のマイクロパターンγが形成された表層上にめっきにより形成され、マイクロパターンγと凹凸関係が反転した正四角錐状微細窪み19で構成されたマイクロパターンδが表層に形成された平板状金属部材の一例であるめっき金属部31(例えば、ニッケル、コバルト、コバルト-ニッケル合金、コバルト-リン合金等)を有するネガ子型18を作製するネガ子型作製工程と、ネガ子型18を、マイクロパターンδが形成された表層を上にしてネガ子型18の側部同士を当接させながら基盤の一例である平板からなる上型本体17(例えば、ステンレス鋼板、普通鋼板、合金鋼板、鋳鉄板、アルミニウム等の非鉄金属板等)上に並べて固定して研磨パッド成形金型10の上型14を構成する組立て工程とを有している。以下、詳細に説明する。

【0028】
(1)親型作製工程
図4(A)に示すように、切り出したシリコン平板21の一方の(100)面上に、レジスト層(例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等)を形成し、リソグラフィ技術を用いて孔22を形成することによりレジストマスク23を形成する。なお、シリコン平板21の他方の(100)面上及び側部にもレジスト層を形成する。次いで、シリコン平板21の一方の(100)面に、レジストマスク23を介してエッチング液を接触させる。なお、エッチング液には、例えば、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等を使用する。エッチング液は、レジストマスク23の孔22から露出するシリコン平板21の露出部に接触し、露出部ではエッチング液との反応により形成された水酸化シリコンがエッチング液に溶解することによりエッチングが進行し、エッチピットが形成される。

【0029】
ここで、シリコン平板21の(100)面のエッチングを行う場合、シリコン原子が細密充填している(111)のエッチング速度が一番遅いため、エッチングは(111)のエッチング速度に律速されながら進行する。このため、形成されるエッチピットの形状は、底部の1辺の長さが正方形状の孔22の1辺の長さと同値で、斜面が(111)面からなる正四角錐状となる。そして、所定時間エッチングを行った後、シリコン平板21からエッチング液を除去し、シリコン平板21を洗浄することにより、シリコン平板21の一方の(100)面上に正四角錐状微細突起12と凹凸関係が反転した正四角錐状微細窪み24からなるマイクロパターンβを形成することができる。次いで、レジストマスク23を薬品(例えば、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシ溶液)、KOH(水酸化カリウム溶液)、EDP(エチレンジアミン・ピロカテコール溶液)等)に溶解させて除去することにより、図4(B)に示すように、親型26が得られる。

【0030】
(2)ポジ子型作製工程
図5(A)に示すように、親型26を用いて平板状の樹脂部材からポジ子型27を作製する際、樹脂部材として熱可塑性樹脂(例えば、シリコーン、フッ素系樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等)を使用する場合は、軟化状態となる温度まで加熱した平板状の樹脂部材を図示しない成形台に上に載置し、親型26を上方から押し当てる。樹脂部材として熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等)を使用する場合は、加熱なしで樹脂部材を図示しない成形台上に流し込み、親型26を上方から押し当てる。これにより、平板状の樹脂部材の一部が、正四角錐状微細窪み24の開口25から正四角錐状微細窪み24内に進入するので、正四角錐状微細窪み24内を樹脂部材の一部で満たした後、親型26を上方に移動させて樹脂部材から離すと、樹脂部材の上表面側には正四角錐状微細窪み24内に進入した樹脂部材から形成され、正四角錐状微細窪み24と凹凸関係が反転した正四角錐状微細突起29(従って、正四角錐状微細突起12と同一形状)が並べて配置(分散配置)されることになり、マイクロパターンγを備えたポジ子型27が形成される。

【0031】
また、樹脂部材として硬化型樹脂(例えば、シリコーン、フッ素系樹脂)、光硬化型樹脂(例えば、紫外線の照射で硬化するアクリル系樹脂)を使用する場合は、親型26を用いて鋳型(図示せず)を構成し、鋳型内に樹脂部材を注入して、樹脂部材の一部を正四角錐状微細窪み24の開口25から正四角錐状微細窪み24内に進入させ、樹脂部材を硬化させた後、鋳型から樹脂部材を取り出すと、樹脂部材の上表面側には正四角錐状微細窪み24内に進入した樹脂部材から形成された正四角錐状微細突起29が並べて配置されることになり、マイクロパターンγを備えたポジ子型27が形成される。

【0032】
(3)ネガ子型作製工程
図5(B)に示すように、ポジ子型27からネガ子型18を作製する場合、先ず、ポジ子型27のマイクロパターンγが形成された表層上に金属からなる電極層30を、PVD(例えば、蒸着)により形成する。ここで、電極層30を構成する金属は、ネガ子型18を構成するめっき金属部31との接着性が良好であることが必要で、例えば、ニッケル、金、銀、銅等を使用することができる。次いで、電極層30の上に(電極層30の表面を下地面として)、電気めっきにより厚さが、例えば、0.1~5mmのめっき金属部31を形成することにより、ネガ子型18が得られる。

【0033】
そして、ネガ子型18をポジ子型27から分離した後、めっき金属部31の表面(電極層30の反対側の面)側を研磨してネガ子型18の厚みを調節する。ここで、ポジ子型27上に形成する電極層30には、ポジ子型27のマイクロパターンγが転写されるので、ネガ子型18には、正四角錐状微細突起29(正四角錐状微細突起12)と凹凸関係が反転した形状となって、底部の深さKが0.1~20μm、開口20の1辺の長さMが0.1~30μm、開口20の間隔Jが1~30μmの正四角錐状微細窪み19が、隣り合う正四角錐状微細窪み19の底部の間隔Eを1.1~60μmとして並べて配置されており(即ち、正四角錐状微細突起29に対応する位置に、正四角錐状微細突起29と同一寸法で、正四角錐状微細窪み19が分散配置されており)、マイクロパターンδが形成される。

【0034】
(4)組立て工程
図5(C)に示すように、ネガ子型18から上型14を構成する場合、ネガ子型18を、マイクロパターンδが形成された表層を上にして、ネガ子型18の側部同士を当接させながら上型本体17の下面上に並べて固定する。ここで、上型本体17にネガ子型18を密接させて配置する場合、隣り合うネガ子型18の境界を挟んで、隣り合う正四角錐状微細窪み19の底部の間隔Eが、ネガ子型18内の隣り合う正四角錐状微細窪み19の底部の間隔E´と同値となるように調整する。これによって、隣り合うネガ子型18間で、マイクロパターンδの連続性を確保できる。

【0035】
続いて、研磨パッド成形金型10を用いて作製した研磨パッド13の作用について説明する。
研磨パッド13は、塑性加工可能な平板を、上型14及び下型15を用いて上下方向から挟んで加圧成形により製造されるので、高い平坦性を備えている。また、図2(A)、(B)、図3に示すように、研磨パッド13の一面側には、頂部の高さHが0.1~20μm、底面の1辺の長さLが0.1~30μmの正四角錐状微細突起12(斜面角度θ=30~80度)が、隣り合う正四角錐状微細突起12の頂部の間隔Dを1.1~60μm、隣り合う正四角錐状微細突起12の間隔Gを1~30μmとして並べて配置されたマイクロパターンαが形成されている。このため、従来のように、研磨パッド用の素材から研磨パッドの母材となる平板を切り出し、熟練を要するドレッシング(研磨パッドの平坦性の確保と微細凹凸パターンの形成)を行うという一連の作業が不要になる。その結果、半導体基板11の平坦加工を迅速に行うことができると共に、研磨パッド13の研磨性能を常に一定に保つことができる。

【0036】
そして、半導体基板11の平坦加工を行う場合、半導体基板11は、研磨パッド13のマイクロパターンαを構成している正四角錐状微細突起12の頂部で支持され、正四角錐状微細突起12間の隙間には、研磨パッド13の中央部の上方から滴下されるスラリー(研磨材が含有されている)が存在しているので、半導体基板11の下面(被研磨面)に常時スラリーを接触させることができる。また、正四角錐状微細突起12間の隙間は連続しているので、研磨時に発生した削りかすは、研磨パッド13に新しいスラリーを供給することに伴って、使用済のスラリーと共に研磨パッド13の外周部に移動し、研磨パッド13の外部に排出することができる。なお、研磨パッド13を形成している素材には気孔は存在しないので、削りかすは研磨パッド13内に侵入しない。その結果、半導体基板11の被研磨面への新鮮なスラリーの供給と被研磨面からの削りかすの除去を効率的に行うことができ、研磨速度を高位に維持しながら、半導体基板11に高精密な平坦加工を安定して行うことが可能になる。

【0037】
本発明の第2の実施の形態に係る研磨パッド成形金型32は、図6に示すように、板状の被研磨材の一例である半導体基板11(図3参照)の平坦加工を行う際に用いられ、一方側(半導体基板11の被加工面に接触する側)に、頂部の高さHが0.1~20μmの微細凸部Pの一例である正四角錐状微細突起33(斜面角度θ=30~80度)を、隣り合う正四角錐状微細突起33の頂部の間隔Dを1.1~60μm、正四角錐状微細突起33の底面の1辺の長さLを0.1~30μm、隣り合う正四角錐状微細突起33の底面間の間隔Gを1~30μmとして並べて配置して構成したマイクロパターンαが形成された帯状研磨パッド34を製造する金型である。以下、詳細に説明する。

【0038】
研磨パッド成形金型32は、帯状研磨パッド34の素材となる塑性加工可能な帯板35(例えば、熱可塑性樹脂の一例であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)帯板を加熱して軟化状態にしたもの)を上下方向から挟んで加圧して、帯板35の一方側、例えば、上面側にマイクロパターンαを形成する1対の上、下ロール36、37を有している。ここで、上、下ロール36、37間には帯状研磨パッド34の厚みに相当する距離の隙間が設けられ、加圧時にはそれぞれ反対方向に回転する。そして、上ロール36は、帯板35の上面を押圧して、上面側にマイクロパターンαを塑性加工により形成するパターン成形部38と、パターン成形部38を保持するロール本体39とを有している。更に、パターン成形部38は、側部を互いに密接させた状態でロール本体39の外周部にそれぞれ配置(固定)され、帯板35を一体的に押圧してマイクロパターンαを形成する複数のネガ子型40を有している。

【0039】
ネガ子型40には、微細凹部Sの一例であって、正四角錐状微細突起33と凹凸関係が反転した形状となって、底部の深さKが0.1~20μmの正四角錐状微細窪み41が、隣り合う正四角錐状微細窪み41の底部の間隔Eを1.1~60μmとして並べて配置して構成するマイクロパターンδ(マイクロパターンαに対して凹凸関係が反転したパターン)が形成されている。また、ネガ子型40(パターン成形部38)の表面側(上ロール36の外周部)に並んで存在している正四角錐状微細窪み41の開口42の1辺の長さMは0.1~30μm、開口42の間隔Jは1~30μmである。

【0040】
以上の構成とすることにより、互いに反対方向に回転している上、下ロール35、36間に挿入された軟化状態の帯板35に、上方から上ロール36を押し当てると、帯板35を構成している素材の一部が、マイクロパターンδを構成している正四角錐状微細窪み41の開口42から正四角錐状微細窪み41内に進入するので、上、下ロール35、36間を通過した帯板35の上表面側には正四角錐状微細窪み41内に進入した素材から形成された正四角錐状微細突起33が並べて配置されることになり、マイクロパターンαが形成される。そして、マイクロパターンαが形成された帯板35(帯状研磨パッド34)を冷却して硬化させた後、所定のサイズに裁断することにより研磨パッド34aが得られる。
なお、上、下ロール35、36間の隙間の距離を一定にすることで、各正四角錐状微細突起33の頂部と帯状研磨パッド34の下面との間の距離を一定値(従って、研磨パッド34aの厚みを均一)にすることができる。これによって、半導体基板11と研磨パッド34aを接触させた際、研磨パッド34aの下面に対して半導体基板11の研磨パッド34aとの接触面を平行にすることができる。

【0041】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る研磨パッド成形金型32の製造方法について説明する。
図7(A)、(B)に示すように、研磨パッド成形金型32の製造方法は、単結晶の基板、例えば、[100]方向に成長した単結晶シリコンのロッドから(100)面を切り出し面として切り出したシリコン平板43の一方側に、マイクロパターンαの正四角錐状微細突起33の底面に対応する領域に底面と同一サイズの正方形状の孔44が形成されたレジストマスク45を設け、レジストマスク45を介して、シリコン平板43の結晶面毎に決まる除去加工速度の差を利用したエッチングを行って、微細凹部Qの一例であり、正四角錐状微細突起33と凹凸関係が反転した、底部の深さが0.1~20μmのエッチピットからなる正四角錐状微細窪み46(斜面角度φが30~80度)が、隣り合う正四角錐状微細窪み46の底部の間隔Eを1.1~60μm、正四角錐状微細窪み46の開口47の1辺の長さMを0.1~30μm、開口47の間隔Jを1~30μmとして並んで、マイクロパターンαと凹凸関係が反転したマイクロパターンβが形成された親型48を作製する親型作製工程を有している。

【0042】
更に、研磨パッド成形金型32の製造方法は、図8(A)~(C)に示すように、親型48を用いて成形され、マイクロパターンβが転写された(マイクロパターンβと凹凸関係が反転した)マイクロパターンγが一方の表層に形成された平板状の樹脂部材からなるポジ子型49を作製するポジ子型作製工程と、得られたポジ子型49を、マイクロパターンγが形成された表層側を半径方向内側にして湾曲させて半径方向内側の表層上にめっきにより形成され、マイクロパターンγと凹凸関係が反転したマイクロパターンδが表層に形成された円弧状金属部材の一例であるめっき金属部53(例えば、ニッケル、コバルト、コバルト-ニッケル合金、ニッケル-リン合金等)を有するネガ子型40を作製するネガ子型作製工程と、ネガ子型40を、マイクロパターンδが形成された表層を上にしてネガ子型40の側部同士を当接させながら基盤の一例であるロール本体39(例えば、ステンレス鋼製ロール、普通鋼製ロール、合金鋼製ロール、鋳鉄製ロール、アルミニウム等の非鉄金属製ロール等)上に並べて固定して研磨パッド成形金型32の上ロール36を構成する組立て工程とを有している。以下、詳細に説明する。

【0043】
(1)親型作製工程
図7(A)に示すように、切り出したシリコン平板43の一方の(100)面上に、レジスト層(例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等)を形成し、リソグラフィ技術を用いて孔44を形成することによりレジストマスク45を形成する。なお、シリコン平板43の他方の(100)面上及びシリコン平板43の側部にもレジスト層を形成する。次いで、シリコン平板43の一方の(100)面に、レジストマスク45を介してエッチング液を接触させる。なお、エッチング液には、例えば、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等を使用する。エッチング液は、レジストマスク45の孔44から露出するシリコン平板43の露出部に接触し、露出部ではエッチング液との反応により形成された水酸化シリコンがエッチング液に溶解することによりエッチングが進行し、エッチピットが形成される。

【0044】
ここで、シリコン平板43の(100)面のエッチングを行う場合、(111)のエッチング速度が一番遅いため、エッチングは(111)のエッチング速度に律速されながら進行する。このため、形成されるエッチピットの形状は、底部の1辺の長さが正方形状の孔44の1辺の長さと同値で、斜面が(111)面からなる正四角錐状となる。そして、所定時間エッチングを行った後、シリコン平板43からエッチング液を除去し、シリコン平板43を洗浄することにより、シリコン平板43の一方の(100)面上に、マイクロパターンαを構成する正四角錐状微細突起33と凹凸関係が反転した正四角錐状微細窪み46から構成されるマイクロパターンβを形成することができる。次いで、レジストマスク45を有機溶剤(例えば、アセトン等)に溶解させて除去することにより、図7(B)に示すように、親型48が得られる。

【0045】
(2)ポジ子型作製工程
図8(A)に示すように、親型48を用いて平板状の樹脂部材からポジ子型49を作製する際、樹脂部材として熱可塑性樹脂(例えば、シリコーン、フッ素系樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等)を使用する場合は、軟化状態となる温度まで加熱した平板状の樹脂部材を図示しない成形台に上に載置し、親型48を上方から押し当てる。これにより、平板状の樹脂部材の一部が、正四角錐状微細窪み46の開口47から正四角錐状微細窪み46内に進入するので、正四角錐状微細窪み46内を樹脂部材の一部で満たした後、親型48を上方に移動させて樹脂部材から離すと、樹脂部材の上表面側には正四角錐状微細窪み46内に進入した樹脂部材から形成され、微細凸部Rの一例であって、マイクロパターンβを構成する正四角錐状微細窪み46と凹凸関係が反転した正四角錐状微細突起51(従って、正四角錐状微細突起33と同一形状)が並べて配置されることになり、マイクロパターンγを備えたポジ子型49が形成される。

【0046】
また、樹脂部材として硬化型樹脂(例えば、シリコーン、フッ素系樹脂)、光硬化型樹脂(例えば、紫外線の照射で硬化するアクリル系樹脂)を使用する場合は、親型48を用いて鋳型(図示せず)を構成し、鋳型内に樹脂部材を注入して、樹脂部材の一部を正四角錐状微細窪み46の開口47から正四角錐状微細窪み46内に進入させ、樹脂部材を硬化させた後、鋳型から樹脂部材を取り出すと、樹脂部材の上表面側には、マイクロパターンβを構成する正四角錐状微細窪み46内に進入した樹脂部材から形成された正四角錐状微細突起51が並べて配置されることになり、マイクロパターンγを備えたポジ子型49が形成される。

【0047】
(3)ネガ子型作製工程
図8(B)に示すように、ポジ子型49からネガ子型40を作製する場合、先ず、ポジ子型49のマイクロパターンγが形成された表層側を半径方向内側にして湾曲させ、表層上に金属からなる電極層52を、PVD(例えば、蒸着)により形成する。ここで、電極層52を構成する金属は、ネガ子型40を構成するめっき金属部53との接着性が良好であることが必要で、例えば、ニッケル、金、銀、銅等を使用することができる。次いで、電極層52を下地層として、電気めっきにより厚さが、例えば、0.1~5mmのめっき金属部53を形成することにより、ネガ子型40が得られる。

【0048】
そして、ネガ子型40をポジ子型49から分離した後、めっき金属部53の表面(電極層52の反対側の面)側を研磨してネガ子型40の厚みを調節する。ここで、ポジ子型49上に形成する電極層52には、ポジ子型49のマイクロパターンγが転写されるので、ネガ子型40には、正四角錐状微細突起51(正四角錐状微細突起33)と凹凸関係が反転した形状となって、底部の深さKが0.1~20μm、開口42の1辺の長さMが0.1~30μm、開口42の間隔Jが1~30μmの正四角錐状微細窪み41が、隣り合う正四角錐状微細窪み41の底部の間隔Eを1.1~60μmとして並べて配置されており、マイクロパターンδが形成される。

【0049】
(4)組立て工程
図8(C)に示すように、ネガ子型40から上ロール36を構成する場合、ネガ子型40を、マイクロパターンδが形成された表層を上にして、ネガ子型40の側部同士を当接させながらロール本体39の下面上に並べて固定する。ここで、ロール本体39の半径は、ネガ子型40(めっき金属部53)の半径方向内側の曲率と同一の曲率となるように調節されており、ロール本体39にネガ子型40を密接させて配置する場合、隣り合うネガ子型40の境界を挟んで、隣り合う正四角錐状微細窪み41の底部の間隔E´が、ネガ子型40内の隣り合う正四角錐状微細窪み41の底部の間隔Eと同値となるように調整する。これによって、隣り合うネガ子型40間で、マイクロパターンδの連続性を確保できる。
なお、研磨パッド成形金型32を用いて作製した研磨パッド34a作用は、研磨パッド成形金型10を用いて作製した研磨パッド13の作用と同一なので、説明は省略する。
【実施例】
【0050】
[100]方向に成長した単結晶シリコンのロッドから(100)面を切り出し面として、縦200mm、横200mm、厚さ3mmのシリコン平板を切り出し、シリコン平板の一方側に、作製しようとする研磨パッドに設けるマイクロパターンαの正四角錐状微細突起の底面の形状と分布にそれぞれ合わせて形成された複数の正方形状の孔を有するレジストマスクをPLP-30(市販品:AZエレクトロニクスマテリアルズ社製)を用いて形成する。ここで、孔の1辺の長さは7μm、孔と孔の間隔は5μmとした。次いで、シリコン平板をエッチング液(2.38wt%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)に所定時間浸漬してエッチングを行い、深さ4.94μm、斜面角度が55度の正四角錐状微細窪みを形成した。そして、シリコン平板をエッチング液から取り出し洗浄した後、レジストマスクをアセトンで溶解除去することにより、正四角錐状微細窪みの開口の1辺の長さが7μm、隣り合う正四角錐状微細窪みの開口の間隔が5μmとして並んだマイクロパターンβ(マイクロパターンαと凹凸関係が反転したもの)が形成された親型を得た。
【0051】
次いで、150~250℃に加熱して可塑性状態としたポリプロピレン樹脂板を成形台に上に載置し、親型を上方から押し当て、ポリプロピレン樹脂板の上面側にマイクロパターンβを転写することによりマイクロパターンγを形成して、縦200mm、横200mm、厚さ3mmのポジ子型を作製した。
そして、ポジ子型のマイクロパターンγが形成された表層上にニッケルからなる電極層を蒸着により形成した後、電気めっきにより厚さ1mmのニッケルからなるめっき金属部を形成することにより、縦200mm、横200mm、厚さ1mmのサイズでマイクロパターンδが形成されたネガ子型を作製した。
続いて、作製したネガ子型を、マイクロパターンδが形成された表層を上にして、ネガ子型の側部同士を当接させながらステンレス鋼製の上型本体の下面上に並べて固定して、縦1000mm、横1000mmのパターン成形部を有する上型を作製した。そして、上型と対となるサイズでステンレス鋼製の下型を作製することにより、研磨パッド成形金型を得た。
【0052】
400℃に加熱して軟化状態となったポリエーテルエーテルケトン板(縦1000mm、横1000、厚さ4mm)を研磨パッド成形金型の下型上に載置し、上下方向から下降させた上型で挟んで加圧し、ポリエーテルエーテルケトン板の上面側にマイクロパターンδを転写することにより、正四角錐状微細突起から構成されるマイクロパターンαが形成された縦1000mm、横1000mm、厚さ3mmの研磨パッドを成形した。
得られた研磨パッドに形成されたマイクロパターンαの正四角錐状微細突起の形状を測定したところ、正四角錐状微細突起の高さは、目標4.94μmに対して4.8~5.1μm、正四角錐状微細突起の底辺の1辺の長さは、目標7μmに対して6.8~7.2μm、正四角錐状微細突起の間隔は、目標5μmに対して4.8~5.2μmであった。
【0053】
得られた研磨パッドを用いて小型研磨機でSiO付のシリコンウエハ(直径20mm)の研磨を行った。研磨は、シリコンウエハの上面に研磨パッドのマイクロパターンαが形成された面を34.5kPaの圧力で自転自在に接触させ、シリコンウエハを、回転速度60rpmで回転させながら、pH11に調整した水酸化カリウム水溶液にシリカ微粒子(研磨材)を12.5mass%分散させたスラリーを100ミリリットル/分で供給しながら行った。このときの研磨レートは60nm/minであった。
【0054】
また、市販の研磨パッドを使用して、同一サイズのシリコンウエハの研磨を同一の研磨条件で行ったところ、研磨レートは50nm/minであり、本発明の研磨パッドとほぼ同等の性能であった。
【0055】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
更に、本実施の形態とその他の実施の形態や変形例にそれぞれ含まれる構成要素を組合わせたものも、本発明に含まれる。
例えば、単結晶の基板として[100]方向に成長した単結晶シリコンのロッドから切り出した平板を用いたが、例えば、単結晶石英のブロックから切り出した平板、サファイヤのブロックから切り出した平板を使用することもできる。
【符号の説明】
【0056】
10:研磨パッド成形金型、11:半導体基板、12:正四角錐状微細突起、13:研磨パッド、14:上型、15:下型、16:パターン成形部、17:上型本体、18:ネガ子型、19:正四角錐状微細窪み、20:開口、21:シリコン平板、22:孔、23:レジストマスク、24:正四角錐状微細窪み、25:開口、26:親型、27:ポジ子型、29:正四角錐状微細突起、30:電極層、31:めっき金属部、32:研磨パッド成形金型、33:正四角錐状微細突起、34:帯状研磨パッド、34a:研磨パッド、35:帯板、36:上ロール、37:下ロール、38:パターン成形部、39:ロール本体、40:ネガ子型、41:正四角錐状微細窪み、42:開口、43:シリコン平板、44:孔、45:レジストマスク、46:正四角錐状微細窪み、47:開口、48:親型、49:ポジ子型、51:正四角錐状微細突起、52:電極層、53:めっき金属部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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